(1)業績
当連結会計年度の世界経済は、米国では年初に景気の足踏みがあったものの、大統領選後はトランプ新政権の政策に対する期待感から企業及び消費者マインドに改善が見られ、雇用・所得環境の底堅さも相俟って緩やかな回復基調が続いています。欧州では、個人消費や輸出の増加によりユーロ圏主要国が景気の回復を牽引した一方で、英国のEU離脱に伴う政治・経済をめぐる先行きの不透明感は依然として根強く残っています。新興国や資源国では、中国において製造業の業績回復や公共投資拡大等により景況感に改善が見受けられたものの、保護貿易ムードの高まりや資源価格の下落に伴う景気の下振れリスクを抱えています。国内経済においては、米国や欧州等の国際情勢の先行きに懸念がありますが、企業の想定為替レートを超える円安水準が輸出の増加や株高、業績改善を後押ししており、雇用・所得環境も堅調に推移する等、景気の緩やかな回復が持続しています。
このような状況下、当社グループは14中計(平成25年7月から平成29年3月までの中期経営計画)の最終年度にあたり、ありたい姿である「持続的成長と収益安定性を兼ね備えたバランスの取れた事業ポートフォリオの実現」に向けて(1)製造事業の変革、(2)エンジニアリング事業の拡大、(3)事業参画・周辺サービス事業の拡大という3本の戦略の柱と(4)経営基盤の強化からなる基本方針のもと、グループ総合力の増強やグローバル展開による事業拡大のための体制構築に取り組み、事業領域とビジネスモデルの変革を推し進めてまいりました。
また、平成29年11月に創立100周年を迎えるにあたり、平成28年2月に公表した当社グループが目指す将来像や方向性、今後の10年間にわたる会社のあり方を示す長期ビジョン「MES Group 2025 Vision」を当期よりスタートさせており、その達成に向けたファーストステップとして、17中計(平成29年4月から平成32年3月までの中期経営計画)を策定し、平成29年2月7日に公表しております。その中で、「環境・エネルギー」、「海上物流・輸送」、「社会・産業インフラ」の3事業領域に注力し、また、「経営基盤の深化」と「グループ経営の深化」を進めていくことにより、当社グループの総合力を発揮して利益率の向上と収益安定化を目指していく方針としております。
なお、平成29年3月30日の取締役会では、同年6月28日に開催の第114回定時株主総会において承認決議及び関係官庁の許認可等を得られることを条件に、平成30年4月1日を効力発生日(予定)として、会社分割による持株会社体制へ移行するための検討開始を決議しており、引き続き一層の企業価値向上に取り組んでまいります。
当連結会計年度の受注高は、海運市況の低迷により船舶部門が減少したこと及び前連結会計年度に子会社の三井海洋開発株式会社で大型プロジェクトの受注があったこと等により、前連結会計年度と比べて930億44百万円減少(△15.3%)の5,165億77百万円となりました。
売上高は、海洋開発部門及びエンジニアリング部門において、大型プロジェクトの進行基準工事の売上計上が減少したこと等により、前連結会計年度と比べて739億48百万円減少(△9.2%)の7,314億64百万円となりました。営業利益は、船舶部門の改善に加えて海洋開発部門が増益となったものの、エンジニアリング部門のプラント工事の採算が悪化したこと等から、前連結会計年度と比べて35億8百万円減少(△29.7%)の83億4百万円となりました。経常利益は、営業利益が減少したことに伴い前連結会計年度と比べて2億18百万円減少(△1.4%)の148億59百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益の増加に伴い税金等調整前当期純利益が増加した一方で、法人税等合計及び非支配株主に帰属する当期純利益が増加したことから、前連結会計年度と比べて45億94百万円増加(+60.5%)の121億94百万円となりました。
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〔経営成績の推移:連結ベース〕 |
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受注高 (百万円) |
売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
親会社株主に帰属する 当期純利益 (百万円) |
1株当たり 当期純利益 (円) |
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平成29年3月期 |
516,577 |
731,464 |
8,304 |
14,859 |
12,194 |
15.09 |
|
平成28年3月期 |
609,621 |
805,413 |
11,813 |
15,078 |
7,599 |
9.40 |
|
平成27年3月期 |
959,784 |
816,520 |
13,298 |
14,899 |
9,463 |
11.63 |
報告セグメントの業績は次のとおりです。なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。前連結会計年度との比較は変更後の区分に基づいて記載しております。
(船舶)
海運市況は、ここ数年間の新造船の大量竣工によって依然として余剰船腹を抱えており、特にドライバルク部門においては用船料の歴史的に低い水準が続く状況下、引合いに至る案件はごく僅かでした。平成29年の年初以来、用船料は回復基調を示し始めていますが、新造船価は未だ満足のいく水準ではなく、本格的な回復にはなお時間を要するものと予想されます。一方、比較的堅調であった原油タンカー及びLPG船部門においても、発注の進行に伴い、市場では船腹過剰感が囁かれ始めています。今後は、老齢船や高燃費船のスクラップによる余剰船腹の減少に加えて、新興国の成長持続によるマーケットの回復、海上荷動きの増加が期待されるところです。このような状況にあって、当社は省エネ・環境対応技術を取り入れた新型ばら積み貨物運搬船やVLCCを逐次開発・市場投入し、平成25年11月に省エネ船の1番船を引き渡して以来、56,000重量トン型・60,000重量トン型・66,000重量トン型・182,000重量トン型の各種省エネ型ばら積み貨物運搬船の竣工引渡しは累計50隻を数えるに至りました。
厳しい受注環境下ではありますが、今後も省エネ船の先行ヤードとしての強みを活かし、採算改善を図りながら選別的な受注を進めていくとともに、船主のニーズを喚起するガス燃料船等の新しい船型の開発に尽力してまいります。また、海洋関係については、市場の復調を睨みながら、当社開発の新しいコンセプトの新造FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)船体 「noah」で受注機会を追求してまいります。
受注高は、官公庁船等を受注しましたが、海運市況低迷で商船受注が振るわず、前連結会計年度と比べて413億37百万円減少(△37.9%)の677億12百万円となりました。売上高は、ほぼ前連結会計年度並みの1,266億90百万円となりました。営業損益は、海洋支援船の損失影響が続き、低船価船の減少、原価改善等により前連結会計年度と比べて89億24百万円改善したものの、97億53百万円の損失となりました。
(海洋開発)
原油価格は、産油国の減産合意を背景とした供給過剰解消への期待感から平成28年の年初の水準から持ち直し、原油価格指標であるWTIは1バレル50米ドル台まで回復しました。エネルギー資源の持続的な供給の観点から、石油会社による深海域を中心とした開発は継続的に行われると考えられ、浮体式海洋石油・ガス生産設備に関する事業については、中長期的に安定的な成長が期待されております。
このような状況にあって、平成28年2月に発表した「MES Group 2025 Vision」の事業領域ベースでの事業創出とその実現への推進力の強化を図るため、平成28年10月1日付にて全社的な企画機能を担う企画本部を設置し、海洋事業をその直轄事業の一つとする体制に変更いたしました。かかる体制変更により、当社グループでFPSO事業を手掛ける三井海洋開発株式会社とは、船体の製造だけでなく、トップサイドと呼ばれるエンジニアリング分野やアフターサービス事業、さらにFPSO傭船事業への共同参画等、当社グループ全体で協業を強化してまいります。
受注高は、FPSOの既存プロジェクトにおいて仕様変更及びオペレーションサービス等を受注しましたが、新規プロジェクトの受注期ずれ等により、前連結会計年度と比べて960億63百万円減少(△50.9%)の927億4百万円となりました。売上高は、既存FPSO建造工事の進捗等がありましたが、新規プロジェクトの受注期ずれ等により前連結会計年度と比べて665億62百万円減少(△22.6%)の2,284億19百万円となりました。営業利益は、既存プロジェクトの採算改善等により前連結会計年度と比べて125億22百万円増加(+233.1%)の178億95百万円となりました。
(機械)
舶用ディーゼル機関については、大型機関の受注が減少したことから受注高は前連結会計年度より減少しましたが十分な工事量を確保しております。生産量については大型機関の生産により前連結会計年度と比べて増加し、182基/378万馬力となりました。次期連結会計年度についても大型機関の生産により380万馬力程度を予定しています。また、NOx三次規制対応として排気ガス再循環システムを装備した舶用大型低速ディーゼル機関の商用初号機が国内で初めて採用されることが決定しております。
産業機械については、原油価格は持ち直しつつあるものの石油精製関連の設備投資が減少していることから厳しい受注環境にあり、受注高は前連結会計年度と比べて増加したものの低調な状況にあります。このような状況の中、平成27年1月に資本業務提携を行った株式会社加地テックとのシナジー効果を更に高めるため、同社の株式を対象とする公開買付けを実施し、平成29年3月16日付で同社を子会社としました。同社と協力して開発した、LNG焚き船舶向け燃料ガス供給用の高圧往復動式ポンプの製造・販売を始めとして、協調して業容拡大を図ってまいります。
運搬機については、国内海運大手3社のコンテナ事業統合により設備投資案件に遅れが出ていることもあり、受注高は前連結会計年度並みで推移しました。コンテナクレーンの引合いは豊富な状況にあり、引き続き堅調な需要が見込まれることから、これに対応するため大分事業所において大型設備投資を実施し生産能力を50%増強しました。
社会インフラについては、沿岸構造物やPC橋(プレストレストコンクリート橋)の受注が好調であったことから、受注高は前連結会計年度と比べて大きく増加しました。
アフターサービスを中心としたLSS事業(製品ライフサイクル対応型事業及び顧客問題解決型事業)については、上半期は海運市況低迷の影響を受けましたが、下半期は徐々に回復したことから、受注高は好調だった前連結会計年度に近い水準となりました。
受注高は、舶用ディーゼル機関、コンテナクレーン、橋梁、港湾関連構造物、各種産業用機械及びアフターサービス事業等により、前連結会計年度と比べて54億9百万円減少(△3.1%)の1,668億29百万円となりました。売上高はこれらの製品・事業によりほぼ前連結会計年度並みの1,748億47百万円となりました。営業利益は、前連結会計年度と比べて9億65百万円増加(+7.0%)の147億72百万円となりました。
(エンジニアリング)
石油化学分野の新規案件については原油価格の低迷により顧客側の出資者再編等、計画の見直しによる遅れが当社グループの受注計画に大きな影響を及ぼしました。
また、海外インフラ分野については、東南アジアの経済成長に伴う大幅な電力需要増加が見込まれるも、投資プロジェクトが遅延する傾向が続いております。
環境エネルギー分野については、再生可能エネルギーによる発電事業が制度変更により価格が下落したため、太陽光発電から風力、バイオマス・バイオガス発電事業等へ向かっております。当社グループにおいては、大分で2件の太陽光発電事業を、北海道ではバイオガス発電を事業化して、持分発電量約20MWを保有しております。
受注高は、石油化学分野での設備投資計画の遅延の影響等がありましたが、海外インフラ分野でインドネシア向け石炭火力発電土木工事や環境エネルギー分野で風力発電所建設工事を受注したこと等により、前連結会計年度と比べて489億70百万円増加(+48.5%)の1,498億93百万円となりました。売上高は、シンガポール向けの石油化学プラント建設工事、ベトナム向け及びインドネシア向けの発電土木工事が順調に進捗し、また、風力発電所建設工事の完工等がありましたが、前連結会計年度と比べて86億72百万円減少(△5.1%)の1,625億98百万円となりました。営業損益は、子会社で建設中のプラント工事の採算悪化により、前連結会計年度の82億97百万円の利益から173億33百万円の損失となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローは78億43百万円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローは287億53百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは194億1百万円の収入となったことなどにより、前連結会計年度に比べて201億27百万円減少(△14.8%)して1,156億20百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の支出は78億43百万円(前連結会計年度は298億2百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が340億14百万円、減価償却費が185億76百万円、売上債権の減少による収入が107億83百万円、減損損失が50億90百万円などがあった一方、固定資産処分益が262億4百万円、仕入債務の減少による支出が444億67百万円、持分法による投資利益が55億48百万円あったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べて58億46百万円減少して287億53百万円となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の売却による収入が376億94百万円、貸付金の回収による収入が503億53百万円などがあった一方、有形及び無形固定資産の取得による支出が202億37百万円、投資有価証券の取得による支出が45億41百万円、関係会社株式の取得による支出が78億81百万円、貸付けによる支出が834億93百万円あったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の収入は、前連結会計年度に比べて288億14百万円減少して194億1百万円となりました。これは主に、短期借入金の純減少による支出が141億74百万円、長期借入金の返済による支出が323億14百万円、配当金の支払額が32億20百万円及び非支配株主への配当金の支払額が18億64百万円などがあった一方、長期借入れによる収入が576億9百万円及び社債の発行による収入が150億円あったことなどによるものであります。
〔財政状態の推移:連結ベース〕
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総資産 (百万円) |
純資産 (百万円) |
自己資本比率 (%) |
営業活動によるキャッシュ・ フロー (百万円) |
投資活動によるキャッシュ・ フロー (百万円) |
財務活動によるキャッシュ・ フロー (百万円) |
有利子 (百万円) |
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平成29年3月期 |
1,096,735 |
367,608 |
22.8 |
△7,843 |
△28,753 |
19,401 |
275,557 |
|
平成28年3月期 |
1,094,042 |
343,853 |
21.5 |
29,802 |
△34,599 |
48,216 |
252,195 |
|
平成27年3月期 |
1,074,563 |
347,305 |
22.0 |
15,167 |
△32,385 |
△4,374 |
200,985 |
当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
船舶 |
129,985 |
△11.3 |
|
海洋開発 |
220,280 |
△13.1 |
|
機 械 |
174,770 |
8.2 |
|
エンジニアリング |
165,585 |
7.2 |
|
そ の 他 |
39,384 |
43.2 |
|
合計 |
730,007 |
△1.8 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比(%) |
|
船舶 |
67,712 |
△37.9 |
147,541 |
△32.0 |
|
海洋開発 |
92,704 |
△50.9 |
648,963 |
△14.8 |
|
機 械 |
166,829 |
△3.1 |
156,012 |
△5.3 |
|
エンジニアリング |
149,893 |
48.5 |
286,290 |
△8.4 |
|
そ の 他 |
39,437 |
2.1 |
7,030 |
8.1 |
|
合計 |
516,577 |
△15.3 |
1,245,839 |
△14.8 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
船舶 |
126,690 |
△1.6 |
|
海洋開発 |
228,419 |
△22.6 |
|
機 械 |
174,847 |
1.8 |
|
エンジニアリング |
162,598 |
△5.1 |
|
そ の 他 |
38,909 |
0.6 |
|
合計 |
731,464 |
△9.2 |
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の相手先がないため記載しておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「社会に人に信頼されるものづくり企業であり続ける」ことを企業理念としております。
この企業理念のもと、船舶、海洋、機械、プラント、社会インフラ、その他IT・サービス関連など広範囲の事業分野において培った複合技術とグローバルな事業活動で積み重ねた経験を総合的に調和させた製品・サービスを提供する“ものづくり企業”として、社会や人々からの期待に応え信頼を高めることを経営の基本方針としております。
この基本方針に基づき「顧客満足の向上」、「従業員尊重」、「社会の発展への寄与」、「利益追求」を経営姿勢として掲げ、全てのステークホルダーに対し企業として存続する価値を評価されるよう努めております。そのために、経営環境の変化に迅速に対応できる意思決定体制と株主重視の公正な経営システムの構築・維持に取り組んでおります。
(2)経営戦略等
当社グループは、平成28年2月に公表した長期ビジョン「MES Group 2025 Vision」を平成28年度よりスタートさせました。この「MES Group 2025 Vision」では、「三井造船グループは、社会に価値をつくりだすエンジニアリングチームへ」をありたい姿とし、社会のニーズ、課題に対して、当社グループの強み・リソースを活かし、既存の枠の発想を超えてグループ一体となり、さらに自前主義にこだわることなく社外パートナーとも積極的に連携して、価値あるものを提供したいとの思いを込めています。また、当社グループが注力していく事業領域を「環境・エネルギー」、「海上・物流輸送」、「社会・産業インフラ」の3事業領域と定めました。
平成29年度から始まる17中計は、次期20中計、23中計を繋いで「MES Group 2025 Vision」の達成に向けたファーストステップであり、長期ビジョンと共通する「製品・サービスの付加価値向上」、「製造・EPC(設計、調達、建設)の構造改革」、「周辺サービスの拡大・強化」を戦略の柱として3事業領域へ注力し、「グループ総合力の発揮による利益率の向上と収益安定化」を目指してまいります。
(3)経営環境等
当社を取り巻く事業環境は、原油価格の変動、大型プラント投資の回復速度の鈍化、為替変動、商船市場の需要回復の遅れに加え、中国・韓国といった新興国の競合造船会社勢による技術面を含めた急速なキャッチアップ等の大きな変化の時期を迎えております。一方、新興国を中心としたエネルギー需要の増加や環境・省エネ志向の高まりを背景に事業拡大の機会も大きくなっております。このような外部環境の変化に対し、柔軟かつスピード感を持って取り組むことができる体制が必要であると考え、平成30年4月1日を目途に当社の船舶・艦艇事業、機械・システム事業及びエンジニアリング事業をそれぞれ事業会社として分社化し、持株会社体制へ移行することを決定いたしました。
各事業会社には、業務執行権限・責任を大幅に移譲して事業の独立性と経営責任を明確にする一方、純粋持株会社は、独立性が強くなった各事業会社及びグループ内各社との連携体制の強化、グループ全体の経営計画策定等の戦略立案を通じたグループ各社の有機的な一体感の醸成及び成長領域としている3事業領域への資源の集中により、グループ企業価値の向上に取り組んでまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
17中計の最終年度である平成31年度において、売上高9,200億円、経常利益370億円、ROIC6.5%、有利子負債残高2,700億円以下を経営数値目標として掲げ、その達成に全力を注いでまいります。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
17中計では「グループ総合力の発揮による利益率の向上と収益安定化」を目指す姿とし、その実現のために次の課題に取り組んでまいります。
① リスクマネジメントの強化
EPC工事をはじめとする大口プロジェクトの採算確保のため、情報収集力を更に強化し、不測のトラブルを未然に防止するための体制を構築します。
② 最適な生産体制の構築・柔軟なEPC遂行体制の確立
コスト競争力の向上、高品質でリーズナブルな製品・サービスの提供が可能となるよう、最適地生産を含めた生産体制の構築と柔軟なEPC遂行体制の確立を目指してまいります。
③ グループ財務体質の改善
複数の工事損失により近年増加した有利子負債を削減し、グループ財務基盤を強化します。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループとして判断したものであります。
(1)経済情勢
当社グループは、国内のほか世界各地で事業を展開しており、また輸出割合が高いことから、それぞれの製品の市場や地域における経済情勢の動向による不確実性が存在しております。その事例として、船舶部門及び機械部門の舶用ディーゼル機関については海運市況の影響、海洋開発部門、機械部門及びエンジニアリング部門においては国内外の設備投資動向や公共事業の動向の影響などが挙げられます。
(2)カントリーリスク
当社グループは、海外に向けて製品・サービスの提供を行うだけでなく、エンジニアリング部門を中心に海外現地工事の請負を行っております。仕向地や現地工事を行う国や地域によっては、政情不安(戦争、テロ)、国家間対立による貿易制裁、宗教及び文化の相違、現地の労使関係等のリスク、商習慣に関する障害、資金移動の制約、特別な税金及び関税などが、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、貿易保険の付保、現地の法律や会計コンサルタント等からの情報収集及びその対策の実施などにより、これらリスクの緩和に努めております。
(3)法的規制
当社グループは、国内外での事業の遂行にあたり、それぞれの国での各種法令、行政による許認可や規制等を遵守しております。しかしながら、これら法令の改廃や新たな法的規制が設けられる等の場合には、その結果が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)当社グループの事業の特性
当社グループの事業は、個別受注生産を中心としており、契約を締結した時に見積もったコストと実際のコストとの間に受注後のコスト上昇要因により著しい差異が生じることがあります。また、契約から引渡しまで長期間に亘る工事も多く、その間の社会情勢の変化や調達価格の変化等に影響を受けます。その対策として、慎重な見積もり、安定した資材調達先の確保、代金の早期回収、また、海外事業においては貿易保険の利用などリスクの回避に努めておりますが、上述のような事業環境の変化が示現した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)為替レート変動の影響
当社グループは、海外子会社の受注、売上も含めると海外向け受注高、売上高は年次によりばらつきはあるものの概ね全体の50%以上という高い割合を占めております。このため当社は為替レートの変動による影響を軽減する対策として、外貨建借入金、為替予約の実施や海外調達等による外貨建コストの比率を高めるなど、そのリスク量を適正な水準に調整しております。しかしながら、為替レートの大幅な変動がある場合には、受注・売上及び損益に影響を受けるリスクがあります。但し、海外子会社においては、大部分のコストは外貨建てのため、損益への為替の影響は軽微であります。
(6)調達価格
当社グループは、船舶、海洋開発、機械、エンジニアリング等の事業展開を行い、多種多様な原材料・部品等の調達を行っております。例えば鋼材については、その急激な価格上昇・需給逼迫等が生じた場合、コスト増加、工程の遅れにより当社グループの損益を悪化させる可能性があります。そのため、種々の原材料・部品等について長期安定供給の体制を確保するとともに、価格交渉等を通じて、その影響を軽減するよう努めております。
(7)大規模災害
当社グループは、地震、風水害、感染症の世界的流行(パンデミック)など各種災害に対して発生時の損失を最小限に抑えるため、設備の点検・訓練の実施、緊急連絡体制の整備など、事業継続計画(BCP)の策定を進めております。しかしながら、このような災害による物的・人的被害の発生や物流機能の麻痺等により、当社グループの生産活動を中心とした事業活動に影響が生じる可能性があります。また、災害による損害が損害保険等によりカバーされるという保証はありません。
(8)製品の品質
当社グループは、品質や安全に関する法令等を遵守し、製品の品質や信頼性を常に追求していますが、製品の性能、品質、納期の遅れに起因するクレームや事故が発生した場合、損害賠償や訴訟費用等により多額のコストが発生し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)環境保全
当社グループは、生産活動における省資源、省エネ、廃棄物量の削減及び有害物質の厳格な管理などの環境保全活動を重要な課題のひとつと認識し、環境汚染防止に努めております。また不測の事態により有害物質が外部へ漏洩した場合に備えて、その拡大を最小限に抑えるべく対策を講じています。しかしながら、環境汚染が発生した場合には、社会的評価の低下を招くとともに損害賠償等の負担により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)情報セキュリティ
当社グループは、事業を通じて入手した取引先の機密情報や個人情報、また当社グループの技術・事務管理に関する機密情報や個人情報を有しており、これらの情報の保護に努めております。しかしながら、パソコン、サーバー及びネットワーク機器の障害や紛失・盗難、外部からの攻撃やコンピュータウィルスの感染等によりこれらの情報が流出あるいは消失した場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)税効果会計及び退職給付会計
税効果会計及び退職給付会計においては、将来の予想・前提に基づいて、その資産・債務等の算定を行っております。そのため、予想・前提となる数値に変更がある場合もしくはこれらの算定を行うための会計基準の変更がある場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)減損会計
当社グループが保有する固定資産について、経営環境の変化等により収益性が低下した場合、また、遊休資産について時価等が下落し、将来キャッシュ・フローの回収可能性が低下した場合には、減損損失を計上するため、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13)株式市場の影響について
当社グループが保有する投資有価証券のうち時価のあるものについて、これらの時価が簿価から著しく下落し、回復の見込みのない場合は、評価損を計上するリスクがあります。また、株価の変動は年金資産の変動を通じて、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 技術導入
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会社名 |
相手方 |
提携品目 |
契約期間 |
契約内容(対価の支払方法) |
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国籍 |
名称 |
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当 社 |
ドイツ |
MAN Diesel & Turbo SE |
内燃機関用排ガスターボチャージャー |
昭和 56.5 |
平成 32.12 |
(1)ロイヤリティ (2)技術資料代 |
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MAN B&Wディーゼル機関 |
46.11 |
33.12 |
(1)ロイヤリティ (2)技術資料代 (3)技術指導料 |
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ノルウェー |
MOSS Maritime a.s. |
球型タンク搭載のLNG船 |
平成 6.3 |
5年毎 自動延長 |
(1)ロイヤリティ (2)技術サービス料 |
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オランダ |
Howden Thomassen Compressors B.V |
往復動コンプレッサ装置 |
平成 24.1 |
5年間 (以後1年毎自動延長) |
(1)ロイヤリティ (2)技術サービス料 |
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フランス |
Gaztransport & Technigaz S.A.S. |
メンブレン型LNG船 |
平成 29.1
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平成 35.1 (以後5年毎自動延長) |
(1)ロイヤリティ (2)技術サービス料 |
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三井海洋開発㈱ |
米国 |
SEA ENGINEERING ASSOCIATES, INC. |
TLPの建造に関する技術提携 |
8.6 |
自動更新 |
ロイヤリティ |
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昭和飛行機工業㈱ |
ドイツ |
スピッツァ社 |
粉粒体バルク輸送車両及び粉粒体バルク輸送ボデーの製造技術 |
昭和 |
平成 |
(1)イニシャルペイメント (2)ロイヤリティ |
(2) 技術供与
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会社名 |
相手方 |
供与品目 |
契約期間 |
契約内容(対価の受取方法) |
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国籍 |
名称 |
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当 社 |
中国 |
Shenyang Blower Works Co.,Ltd. |
軸流圧縮機 |
平成 16.11 |
平成 36.6 (以後5年毎自動延長) |
(1)イニシャルペイメント (2)ロイヤリティ (3)技術サービス料 |
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Shenyang Turbo Machinery Corporation |
炉頂圧回収タービン |
28.6 |
38.6 (以後5年毎自動延長) |
(1)イニシャルペイメント (2)ロイヤリティ |
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日本 |
㈱マキタ |
MAN-B&W型小口径ディーゼル機関の製造及び販売に関する再実施権 |
昭和 56.5 |
平成 29.12 |
ロイヤリティ |
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㈱ディーゼルユナイテッド |
MAN-B&W65及び70型ディーゼル機関の製造及び販売に関する再実施権 |
平成 22.1 |
31.12 |
ロイヤリティ |
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MDエンジニアリング㈱ |
MD-Gシリーズガスエンジン |
23.12 |
1年毎 自動延長 |
(1)ロイヤリティ (2)技術資料代 |
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(3)会社分割による持株会社体制への移行
当社は、平成29年3月30日開催の取締役会において、平成30年4月1日を効力発生日として、会社分割の方式による持株会社体制へ移行するための準備を開始することを決議し、平成29年6月28日開催の定時株主総会において、承認されました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
当社グループは、4事業分野に対応した研究開発セグメントを設定し、それぞれの事業分野の中核技術を基軸として、製品競争力強化と事業拡大につながる研究開発を積極的に推進しております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、46億14百万円であり、この中には受託研究等の費用7億2百万円が含まれております。なお、各事業部門における主な研究開発は以下のとおりであります。
(1)船舶
・船舶に関しては、省エネ、環境対応技術を取り入れた新型ばら積み貨物運搬船4種(56,60,66,182型)に加え、neo-VLCCを開発・市場投入しています。本年度の受注実績を含み、省エネ船の累計受注数は約70隻となりました。また、中規模汎用ガス運搬船(neo83GC)は開発を終え、実案件への提案を行っています。
省エネ船の先行ヤードである当社の強みを維持するために、引き続き新船型開発や省エネ技術開発を進め、neoシリーズのラインナップ拡充を図ってまいります。
・燃費報告制度適用の動きを背景に、船舶実海域性能の推定、計測、改善を目的とした研究開発を実施しています。平成28年度は当社建造船での計測準備を行い、平成29年度よりデータ収集を開始します。
・海洋関連では、短納期要求に対応可能な新造の大型FPSO(noah-FPSO)ブランドを新たに立ち上げ、船級協会(ABS)のAIP認証を取得しました。中古タンカー改造が主流のFPSOに対して、耐久性に優れる新造船体を短納期で供給し、設計変更の多いFPSOビジネスに適用可能な新しい仕組みを提供することを目指します。
・海洋開発工事に従事する船舶において必須の装置である自動船位保持装置(DPS)に関しては、さまざまな顧客ニーズに対応できる冗長性を備えたシステムを開発し、必要な各種試験の実施後、DNV GL、ABS、NK及びLRの4船級から承認を取得しました。あわせて、顧客への提案活動を実施しています。
・超広域高速海底マッピングに関する共同研究が始動しました。東京大学など6団体と、共同研究チーム“Team KUROSHIO”を結成し、マッピング技術を競う国際コンペティションにおいて国内では唯一技術提案書審査を通過し、平成29年9月頃に開催される実海域試験Round1へ進出することになりました。
・船舶運航支援サービス事業関連では、実海域での性能を評価する就航船解析サービス(CAL)の開発を進め、有効な成果を確認しました。また、機械部門と共同で開発する次世代型主機診断サービス(e-GICS advance)の開発を行い、平成29年度からサービス提供を開始する予定です。
当事業に係る研究開発費は、5億10百万円であります。
(2)海洋開発
・海洋開発では、海洋での天然ガス開発に係わる新技術の開発及び新規事業分野での既存技術活用に向けた研究を行っています。
・新市場開拓のための製品開発としてはFPSOに搭載の発電プラントの技術や係留技術を生かし、新興国向けに電力や淡水を供給する洋上発電・造水設備を開発しました。LNG(液化天然ガス)を燃料とする大容量の発電プラントや造水装置を搭載する本設備は、環境に優しく、短納期、高い発電効率を特徴としており、新たな市場への参入を目指してプロジェクトの受注に注力しております。
・新規事業分野としては、FPSOで培った技術経験を生かした洋上風力発電事業の検討を進めております。この他、当社グループがこれまでに蓄積した技術をレアアースやメタンハイドレートといった海洋鉱物資源及びエネルギー資源の開発に応用するための研究を推進しております。
当事業に係る研究開発費は、3億15百万円であります。
(3)機械
・基幹製品関連では、高効率発電を実現できるガスエンジンについて、従来の油着火方式に加え火花点火方式の開発を行い、性能及び信頼性向上のための技術開発を行っております。舶用ディーゼル機関においては、IMO(国際海事機関)排ガス規制のNOx三次規制(TierⅢ)に対応可能なEGR(排ガス再循環)装置について、外国製であったEGRブロワと水処理装置の国産化を進め、主機関ライセンサーからの承認を得ました。また、国土交通省の補助事業「次世代海洋環境関連技術開発支援事業」及び一般財団法人日本海事協会との共同研究として、日本郵船株式会社及び株式会社MTIと共同で進めたEGRの実船試験では、所定の性能を確認し補助事業及び共同研究を完遂しました。
また、CO2を最大で4%削減可能な技術として、当社製過給機と組み合わせた、独自開発の油圧を活用した排熱回収システム(THS)が15台就航し、良好な実績が得られています。舶用機関の主流である電子制御機関に特化し大幅にコストダウンした新システム(THS2)の開発がほぼ完了し、平成29年度に市場に本格投入します。さらに、未利用低温排熱を回収するシステムの実船実証試験を開始しました。システムの信頼性を確立するとともに、CO2排出量の約2%削減を目標としています。
・平成32年にSOx規制が大幅に強化されることが決定され、重油に変わる代替燃料の採用機運が高まっています。当社は重油も使用できる二元燃料ディーゼル機関の開発を行い、メタン、エタン及びメタノール燃料について商用機受注を得ており、エタン及びメタノール燃料については競合他社に対して先行して世界初号機の運転を実施しました。現在は、LPG(液化石油ガス)燃料に対応する機関開発を進めています。
また、LNG運搬船及びLNG燃料船向け二元燃料ディーゼル機関(ME-GI)用の燃料ガス供給システムに使用する高圧燃料ポンプを開発し、平成29年度より市場投入する予定です.本ポンプにより冗長性を確保するとともに安価な初期コストで燃料供給が可能となります。
・産業機械関連では、天然ガスを使用する発電設備のエネルギー効率向上と分散電源の普及奨励に適合する新型のコジェネレーションシステムの開発を開始いたします。
・運搬機事業関連では、ポーテーナ(PT)の遠隔運転、遠隔半自動運転に関わる吊り具の振れ止め機能等の要素技術を確立し、陸側の自動運転機能製品を開発しています。さらに、トランステーナ(TT)の遠隔自動運転の要素技術として、従来製品よりも精度の良い直進走行・自動走行停止システムを開発し、実機試験を完了しました。また、コンテナターミナル自動化に向け、ターミナル内荷役機器の運行管理、状態管理を司るシステム(Automated Crane Control System)の初版の試用版が完成しました。
当事業に係る研究開発費は、14億14百万円であります。
(4)エンジニアリング
・バイオマス関連では、家畜糞尿等を原料とする国内最大規模のバイオガス発電所に前処理の高度化等の新たな発酵技術を適用し、平成27年7月に施設が竣工しました。活発化する再生可能エネルギー電力のニーズに応えるため、今後も多様な原料に対応した発酵技術の開発や副産物の高付加価値化に取り組む予定です。また、バイオマス発電所等から発生する副産物を原料にして、付加価値の高い機能性素材の製造に関わる開発に取り組む予定です。
・風車関連では、着床式洋上風力発電設備の建設技術の開発を完了し、平成29年度中の市場投入開始を目指し検討中です。
当事業に係る研究開発費は、1億41百万円であります。
(5)その他
・平成23年度に、波力発電技術の開発がNEDOの「海洋エネルギー発電システム実証研究」テーマの一つに採択され、実海域実証試験に向けた技術開発を行っています。
・生産活動へのIoT活用に関する研究開発を、平成28年7月より開始しました。連結子会社の三井造船システム技研株式会社(MSR)と共に現場作業効率の改善、工作機械の効率的運用を目指します。
・平成28年度から国による表層型メタンハイドレートの回収技術の研究開発が開始され、国立研究開発法人産業技術総合研究所の委託研究である「表層型メタンハイドレート回収技術開発に関わる調査研究」に当社を代表機関として清水建設株式会社、学校法人日本大学と共に応募し、これを受託しました。
・その他、環境・エネルギー関連技術等の新規技術開発及び材料・制御・CAE解析技術等の基盤技術開発を実施しております。
・MSRの主要製品である医薬安全性試験システム「MiTOX」については、機能強化及びその周辺システムの開発を継続するとともに、勤怠管理システム「TIME-3」についても機能強化を継続しています。
当事業に係る研究開発費は、22億31百万円であります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたって、期末時点において連結貸借対照表及び連結損益計算書に影響を与える判断、見積りを行う場合があります。当社グループの重要な会計方針のうち、判断、見積りを行う割合が高いものは、貸倒引当金、受注工事損失引当金などの各種引当金、繰延税金資産の回収可能性及び工事進行基準による売上などがあります。見積りにあたっては、それぞれ合理的な方法によっており、その方法は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載しております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
① 経営成績
当社グループの当連結会計年度の売上高は、海洋開発部門及びエンジニアリング部門において、大型プロジェクトの進行基準工事の売上計上が減少したこと等により、前連結会計年度と比べて739億48百万円減少の7,314億64百万円となりました。
営業利益は、船舶部門の改善に加えて海洋開発部門が増益となったものの、エンジニアリング部門のプラント工事の採算が悪化したこと等から、前連結会計年度と比べて35億8百万円減少の83億4百万円となりました。
営業外損益は、為替差損の減少や受取利息の増加等により、前連結会計年度と比べて32億90百万円増加の65億55百万円の利益(純額)となりました。
以上により、経常利益は、前連結会計年度と比べて2億18百万円減少の148億59百万円となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産の売却等による特別利益の増加に伴い税金等調整前当期純利益が増加した一方で、法人税等合計及び非支配株主に帰属する当期純利益が増加したことから、前連結会計年度と比べて45億94百万円増加の121億94百万円となりました。
② 財政状態
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末と比べて26億92百万円増加の1兆967億35百万円となりました。これは主に、短期貸付金が339億4百万円、投資有価証券が65億24百万円、退職給付に係る資産が64億48百万円増加した一方、受取手形及び売掛金が207億45百万円、現金及び預金が195億62百万円それぞれ減少したことなどによります。
負債は、長期借入金が175億32百万円、未払法人税等が68億42百万円それぞれ増加した一方、支払手形及び買掛金が497億86百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末と比べて210億62百万円減少の7,291億26百万円となりました。
純資産は、非支配株主持分や退職給付に係る調整累計額の増加などにより、前連結会計年度末と比べて237億55百万円増加の3,676億8百万円となりました。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金運営は、事業活動にかかる運転資金については営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としておりますが、債権回収までに必要な資金については銀行借入又はCPによる短期資金調達、あるいはコミットメントラインの利用などによって流動性を保持しております。
また、当社と連結子会社間は「CMS預貸制度(キャッシュ・マネージメント・システム)」により資金融通を行うことで資金効率を高めております。一方、設備資金、投融資資金等の長期的な資金については、設備投資・事業投資計画に基づき、国内外での資金調達について、市場金利動向や為替動向、あるいは既存借入金の償還時期等を総合的に勘案し、社債及び長期借入金によって流動性を維持しております。また、設備投資の一部はリース取引によっております。
当社グループの当連結会計年度末の資金は、営業活動によるキャッシュ・フローが78億43百万円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローは287億53百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは194億1百万円の収入となったことなどにより、前連結会計年度と比べ201億27百万円減少の1,156億20百万円となりました。
なお、当連結会計年度末の有利子負債の内訳は次のとおりであります。
(単位:百万円)
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合計 |
返済・償還 1年以内 |
返済・償還 1年超 |
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短期借入金 |
14,124 |
14,124 |
- |
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長期借入金 |
196,052 |
47,632 |
148,419 |
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社債 |
55,000 |
15,000 |
40,000 |
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リース債務 |
9,745 |
2,433 |
7,312 |
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その他有利子負債 |
635 |
127 |
507 |
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合計 |
275,557 |
79,317 |
196,239 |