第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクは次のとおりです。

 

重要事象等

当社グループが建設中のインドネシア共和国向け火力発電所土木建築工事について、当第2四半期連結累計期間において多額の損失を計上することとなりました。

本工事は、火力発電所建設工事のEPC(設計・調達・建設)を担うコンソーシアムの下で当社グループが土木建築工事一式を請負うもので、その海上取放水管工事において、海中に据え付け済みのガラス繊維強化プラスチック製の配管(GRP管)から複数箇所の破断が発見されたことを受けて恒久対策を検討した結果、配管材を鋼製に変更し、海中に据え付け済みのGRP管を全て撤去して据え付けをやり直さなければならなくなったため、大幅な追加作業及び後戻り作業が必要となり、多額の追加費用が発生する見込みとなりました。

また、排出雨水用の貯水池工事において、当初の想定を大きく上回る貯水量や耐震性能を求められ、壁高増対応など物量・工事量共に大幅に増加する見込みとなり、更に、これらの影響から後工程の納期遅延が懸念される事態となり、下請け会社や、後工程を担当するパートナーが工期を回復するために必要な費用負担も見込まれるなど、追加費用として約413億円の損失(売上原価)を計上することとなりました。

この結果、財政状況が著しく悪化し、当四半期連結会計期間末において、金融機関との間で締結している借入契約等のうち、コミットメントライン契約に付されている財務制限条項に抵触しています。また、当連結会計年度末において、金融機関との間で締結しているシンジケートローン契約に付されている財務制限条項に抵触するおそれがあり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しています。

このような状況に対して、「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(4)事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載したとおり、当該工事の完遂、自己資本の回復及び資金の確保に向けて必要な施策を迅速に実行してまいります。

コミットメントラインに参加している金融機関に対しては、これらの施策を実施することを説明し、契約の更新及び取引の継続について協議を進めております。また、当該コミットメントライン契約に基づく借入金は約定通りに返済していることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の状況

当第2四半期連結累計期間の世界経済は、米国では、良好な雇用・所得環境が継続しており、減税策の効果もあって景気は堅調に推移していますが、トランプ政権が保護主義色を強めていることが将来リスクを増幅させています。欧州では、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費は堅調に推移しており、景気回復基調が続いていますが、英国のEU離脱協定の難航もあり、先行き不透明感が残っています。新興国・資源国では、米中貿易摩擦による景気の後退が懸念されるとともに、貿易摩擦のさらなる激化に伴う通貨安・株安に対する不安も高まっています。国内経済は、地震や台風などの自然災害の影響によりインバウンド需要が弱含んだものの、堅調な雇用・所得環境を背景に個人消費は持直しを見せており、企業収益の改善と労働力不足を背景にした合理化・省力化投資の増加等と相俟って、景気は回復基調が持続しています。

このような状況下、当社グループは、17中計(2017年4月から2019年3月までの経営計画)の中間年にあたり、当社グループが目指す将来像や方向性、今後の10年間にわたる会社のあり方を示す長期ビジョン「MES Group 2025 Vision」の達成に向けて、「環境・エネルギー」、「海上物流・輸送」、「社会・産業インフラ」の3事業領域に注力し、「経営基盤の深化」と「グループ経営の深化」を進めていくことによりグループの総合力を発揮して利益率の向上と収益安定化を目指しているところです。

「MES Group 2025 Vision」・「17中計」達成に向けた経営改革として、2018年4月1日より純粋持株会社体制へ移行するとともに、社名を「株式会社三井E&Sホールディングス」に改めており、新組織体制によるグループ全体の結束力を高め、次の新たな100年に向けて引き続きグループの企業価値向上に取り組んでまいります。

当第2四半期連結累計期間の受注高は、前年同期と比べて101億34百万円増加の2,576億34百万円となりました。

売上高は、前年同期と比べて298億26百万円減少の3,117億1百万円となりました。営業損失は、エンジニアリング事業のインドネシア共和国向け火力発電所土木建築工事における大幅な損失計上の影響に伴い279億80百万円(前年同期は90億59百万円の営業損失)となりました。経常損失は、243億13百万円(前年同期は47億92百万円の経常損失)となりました。親会社株主に帰属する四半期純損失は、繰延税金資産の取崩による法人税等の増加などにより478億61百万円(前年同期は58億90百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。

報告セグメント別の状況は次のとおりです。なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しており、前年同期との比較は変更後の報告セグメントの区分に基づき記載しています。詳細は「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。

 

(船舶)

受注高は、省エネ型ばら積み貨物運搬船の受注などにより、前年同期と比べて390億75百万円増加の589億30百万円となりました。売上高は、年間操業量の抑制などの影響で、前年同期と比べて126億7百万円減少の464億34百万円となり、営業損失は一部の採算悪化工事が減少したことなどにより前年同期と比べて16億円改善の31億18百万円となりました。

 

(海洋開発)

受注高は、既存プロジェクトの仕様変更並びにオペレーションサービスなどの受注がありましたが、前年同期と比べて443億4百万円減少の403億3百万円となりました。売上高は、FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)の建造工事の進捗などにより、前年同期と比べて113億88百万円増加の1,131億8百万円となり、営業利益は、前年同期と比べて81億79百万円増加の108億24百万円となりました。

 

(機械)

受注高は、舶用ディーゼル機関や橋梁関係工事などの受注により、前年同期と比べて207億89百万円増加の846億6百万円となりました。売上高は、コンテナクレーンやアフターサービス事業などの増加により、前年同期と比べて60億43百万円増加の861億58百万円となり、営業利益は、前年同期と比べて12億66百万円減少の45億27百万円となりました。

 

(エンジニアリング)

受注高は、国内向けの石油化学プラントや汚泥再生処理センターの建設工事の受注などがありましたが、前年同期と比べて65億89百万円減少の399億30百万円となりました。売上高は、石油化学プラントの建設工事の減少などにより前年同期と比べて312億38百万円減少の294億60百万円となり、営業損失は、インドネシア共和国向け火力発電所土木建築工事において多額の損失が発生したことなどにより、前年同期と比べて279億37百万円悪化の407億71百万円となりました。

 

(2)財政状態の状況

当第2四半期連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末と比べ122億93百万円減少の1兆169億28百万円となりました。これは、現金及び預金が53億25百万円、仕掛品が90億15百万円それぞれ増加した一方、受取手形及び売掛金が85億98百万円、短期貸付金が99億円、投資その他の資産が137億65百万円それぞれ減少したことなどによります。

負債は、1年内返済予定の長期借入金が228億14百万円減少した一方、短期借入金が176億41百万円、前受金が265億80百万円、受注工事損失引当金が229億24百万円それぞれ増加したことなどにより前連結会計年度末と比べ350億85百万円増加の7,074億71百万円となりました。

純資産は、利益剰余金が減少したことなどにより、前連結会計年度末と比べ473億79百万円減少の3,094億57百万円となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて6099百万円増加して924億11百万円となりました。

当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間における営業活動による資金の収入は、31億34百万円(前年同期は317億84百万円の支出)となりました。これは主として、税金等調整前四半期純損失が256億45百万円、たな卸資産の増加による支出が100億8百万円、その他資産の増加による支出が91億46百万円あった一方、売上債権の減少による収入が32931百万円、その他負債の増加による収入が182億55百万円あったことなどによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間における投資活動による資金の収入は、15億55百万円(前年同期は211億78百万円の支出)となりました。これは主として、有形及び無形固定資産の取得による支出が9059百万円、貸付けによる支出が506百万円あった一方、有形及び無形固定資産の売却による収入が3342百万円、貸付金の回収による収入が584億36百万円あったことなどによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第2四半期連結累計期間における財務活動による資金の収入は前年同期と比べて275百万円減少の28億15百万円となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出が409億73百万円あった一方、短期借入金の純増減による収入が177億99百万円、コマーシャル・ペーパーの純増減による収入が80億円、長期借入れによる収入が202億5百万円あったことなどによるものであります。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

「1 事業等のリスク」に記載のとおり、当第2四半期連結累計期間において多額の損失を計上した結果、当社は財政状況が著しく悪化し、当四半期連結会計期間末において、金融機関との間で締結している借入契約等のうち、コミットメントライン契約に付されている財務制限条項に抵触しています。また、当連結会計年度末において、金融機関との間で締結しているシンジケートローン契約に付されている財務制限条項に抵触するおそれがあり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しています。

このような状況に対して、まずは当該工事を計画通り遂行することが最重要であると認識しており、人材の追加派遣など現地要員を増員することにより、管理体制及び顧客対応力を強化し、完遂に向けてあらゆる手段を講じてまいります。

また、多額の損失計上により自己資本が大きく毀損していることから、自己資本の回復、資金の確保が急務であり、これらに対して土地、建物、有価証券等の資産売却や固定費削減など必要なあらゆる損益改善施策を迅速に実行してまいります。

 

(5)研究開発活動

当第2四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は14億64百万円(当社グループ外からの受託研究等に係る費用83百万円を含む)であります。

なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6)従業員数

当第2四半期連結累計期間において、当社の従業員数は、前連結会計年度末から3,502名減少し、151名となっております。これは、2018年4月1日付の会社分割に伴い、当社の船舶・艦艇事業、機械・システム事業、エンジニアリング事業をそれぞれ三井E&S造船株式会社、株式会社三井E&Sマシナリー、株式会社三井E&Sエンジニアリングに承継したことにより減少したものであります。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。