第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

重要事象等

当社グループは、海外大型EPCプロジェクトの損失等により前連結会計年度まで3期連続の営業損失を計上いたしました。また当第1四半期連結累計期間においても151億円の営業損失を計上し、自己資本の回復には転じておりません。

一方、当社グループは前連結会計年度に「三井E&Sグループ 事業再生計画」を策定し、不採算事業の整理・撤退並びに資産売却や固定費の圧縮等、財務体質の改善及び収益体質の強化を進めております。

今後の営業キャッシュ・フローがマイナスとなることが見込まれる中、継続企業の前提に関する重要な疑義が生じていることを認識しております。しかしながら、資産売却によって資金を獲得できているほか、メインバンクをはじめとした取引金融機関からは事業再生計画の実施状況を評価頂いており、コミットメントライン契約や融資の継続など、引き続き支援が得られていることから継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当第1四半期連結累計期間の世界経済は、新型コロナウイルス感染症が流行した影響により、景気は急速に悪化している状況にあります。米国や欧州では、感染防止に伴う操業規制が段階的に緩和され企業活動も再開されましたが、外出自粛や雇用・所得環境及び企業収益の悪化などにより、景気の回復に時間がかかることが予想されております。アジア諸国についても、中国では新型コロナウイルス感染症の収束に伴い経済活動が正常化しつつある一方で、新興国における新型コロナウイルス感染症拡大の収束が遅れていることなどから、景気の鈍化が懸念されております。我が国経済においても、緊急事態宣言の解除に伴って経済活動に再開の動きが見られ始めましたが、雇用・所得環境及び個人消費がリーマン・ショック時を上回る勢いで悪化したこともあり、消費者マインドや企業収益の持ち直しには時間を要し、景気の回復ペースは緩やかになることが見込まれております。

 このような状況下、当社グループは、エンジニアリング事業の海外EPCプロジェクトにおいて、大規模な損失が連続して発生したため、財務基盤が著しく毀損し、自己資本の回復と資金の確保が急務となりましたが、2019年5月に「三井E&Sグループ 事業再生計画」を策定し、2019年11月に計画の一部見直しを行い、「資産及び事業の売却案件の追加と実行の加速」、「事業構造の改革及び、協働事業に関する他社との協業の促進」等の各施策を進めた結果、資金の確保に関しては、一定の目途が付けられる状況に至りました。

 協業の各施策は順次実施しており、2020年5月に「株式会社三井E&S鉄構エンジニアリングの一部株式譲渡に関する基本合意書締結」、2020年6月に「三井E&S造船株式会社の艦艇事業の譲渡に関する基本合意書締結」、さらに2020年7月に「三井E&S造船株式会社の商船事業の一部株式譲渡に関する基本合意書締結」を公表しております。一部の施策は実行中の段階ですが、事業再生計画は着実に進展していると認識しております。

 また、当社グループは、2020年度中期経営計画を策定し、「財務体質の改善」、「事業領域の集中と協業」、「経営基盤の強化」を基本方針とした戦略に着手いたします。事業の集中と協業を明確にし、アライアンスによる市場創出を進め、「全ての機械にデジタル価値を付加する企業」を目指してまいります。

 事業再生計画における各施策の完遂と、2020年度中期経営計画に示す戦略を実行・加速することで、この難局を乗り切り、グループの企業価値向上に向けて取り組んでまいります

 当第1四半期連結累計期間の受注高は、前年同期と比べて1,502億2百万円増加(+146.4%)の2,528億16百万円となりました。

 売上高は、前年同期と比べて42百万円増加(+0.4%)の1,607億79百万円となりました。営業損失は、船舶部門が改善した一方で他の部門で減益となったことから、150億92百万円(前年同期は22億5百万円の営業利益)となりました。経常損失は、営業損失になったことに伴い139億3百万円(前年同期は39億79百万円の経常利益)となりました。親会社株主に帰属する四半期純損失は、税金等調整前四半期純損失になったこと及び非支配株主に帰属する四半期純損失が増加したことなどから、84億68百万円(前年同期は23億62百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。

 報告セグメント別の状況は次のとおりです。なお、当第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しており、前年同期との比較は変更後の報告セグメントの区分に基づき記載しています。詳細は「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。

 

(船舶)

 受注高は、練習船やばら積み貨物運搬船の受注などにより、前年同期と比べて80億53百万円増加(+87.2%)の172億94百万円となりました。売上高は、手持ち工事の着実な進捗などにより、前年同期並みの227億15百万円(前年同期:230億24百万円)となり、営業損失は、不採算工事の減少などにより、前年同期と比べて14億70百万円改善し1億65百万円となりました。

 

(海洋開発)

 受注高は、FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)建造プロジェクトの新規受注などにより、前年同期と比べて1,470億52百万円増加の1,591億71百万円となりました。売上高は、FPSO建造工事の進捗により、前年同期と比べて223億94百万円増加(+38.5%)の805億90百万円となりましたが、営業損益は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響を織り込んだことなどにより、前年同期の2億36百万円の利益から120億71百万円の損失となりました。

 

(機械)

 受注高は、新造船市況の低迷に伴う舶用ディーゼル機関の受注減少及び新型コロナウイルス感染症拡大に伴う投資先送りによるコンテナクレーン、産業機械などの受注減少により、前年同期と比べて75億87百万円減少(△14.4%)の450億79百万円となりました。売上高は、造船所の操業度低下の影響を受けて舶用ディーゼル機関の引渡しが減少したことなどにより、前年同期と比べて74億70百万円減少(△18.8%)の322億87百万円となり、営業利益は、売上高の減少などにより前年同期と比べて6億47百万円減少(△55.8%)の5億12百万円となりました。

 

(エンジニアリング)

 受注高は、石油化学プラント事業の子会社を譲渡した影響などにより、前年同期と比べて47億80百万円減少(△37.9%)の78億34百万円となりました。売上高は、新規受注を控えた影響により前年同期と比べて77億26百万円減少(△48.6%)の81億85百万円となり、営業損益は、引当て済みの外貨建て費用が期末の為替相場により一時的に増加したことなどにより、前年同期の11億92百万円の利益から34億86百万円の損失となりました。

 

(2)財政状態の状況

 当第1四半期連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末と比べて43536百万円減少の7,968億43百万円となりました。これは、現金及び預金が12764百万円、受取手形及び売掛金が16274百万円、有形固定資産が194億80百万円それぞれ減少したことなどによります。

 負債は、前連結会計年度末と比べて18641百万円減少の7,163億83百万円となりました。これは、前受金が145億45百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が2477百万円、短期借入金が7950百万円、1年内返済予定の長期借入金が58億7百万円、修繕引当金が46億40百万円、長期借入金が69億16百万円それぞれ減少したことなどによります。

 純資産は、繰延ヘッジ損益の減少や土地再評価差額金の取崩し、非支配株主持分の減少などにより、前連結会計年度末と比べて24895百万円減少の804億60百万円となりました。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当社グループは、当社を取り巻く環境の変化や当社自体の変革をふまえ、当社の存在意義を再認識し、新たに「2020年度 中期経営計画」を策定するとともに、グループの経営姿勢と行動基準を見直し以下のとおりとしました。

■経営姿勢

新しい価値の創造を顧客と共に実現します

健全な財務体質と堅実な利益を追求します

健康で安全に働ける環境整備を推進します

 

■行動基準

シンプルで、ユニークで、実用的な製品やサービスに挑戦していきます

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において新たに発生した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、次のとおりです。

 

当社グループは、2019年5月に「三井E&Sグループ 事業再生計画」を策定し、2019年11月に計画の一部見直しを行い、「資産及び事業の売却案件の追加と実行の加速」、「事業構造の改革及び、協働事業に関する他社との協業の促進」等の各施策を進めてまいりました。

当第1四半期連結累計期間において造船事業のあり方を一部見直し、艦艇事業は三菱重工業株式会社と、商船事業は常石造船株式会社と、それぞれ協業に向けた協議を開始する基本合意書を締結いたしました。引き続き、財務・収益体質の強化及び事業構造の変革に向けて事業再生計画に取り組んでまいります。

さらに、当社グループは「2020年度 中期経営計画」を策定し、「財務体質の改善」、「事業領域の集中と協業」、「経営基盤の強化」を基本方針とした戦略に着手いたします。「全ての機械にデジタル価値を付加する企業」を目指す姿とし、機械・システム及び海洋開発の事業領域へ集中する一方、他の事業は協業による市場創出を進めます。また、事業規模及び人員規模をスリム化し、財務体質の更なる改善に努めます。

事業再生計画における各施策の完遂と、「2020年度 中期経営計画」に示す戦略を実行・加速することで、この難局を乗り切り、グループの企業価値向上に向けて取り組んでまいります。

 

「2020年度 中期経営計画」の経営数値目標

指標

2023年3月期

連結売上高

7,700億円

連結経常利益率

4%

総資産回転率

0.8倍以上

NET有利子負債EBITDA倍率(※)

5.0倍未満

※:NET 有利子負債EBITDA 倍率=(有利子負債残高-現金及び預金)÷(営業利益+減価償却費+持分法による投資損益)

 

「2020年度 中期経営計画」の詳細は、弊社ウェブサイト(https://www.mes.co.jp/press/2020/0805_001467.html)をご覧ください。

 

(5)研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は4億50百万円(当社グループ外からの受託研究等に係る費用8百万円を含む)であります。

 なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

(1)連結子会社等の株式譲渡

 当社は、2020年4月23日開催の取締役会において、当社の連結子会社である株式会社三井E&Sエンジニアリングが保有する、同社の連結子会社である市原グリーン電力株式会社及び持分法適用関連会社である循環資源株式会社の株式持分について、株式会社タケエイへ譲渡することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結しました。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

(2)固定資産の譲渡

 当社は、2020年2月27日開催の取締役会において、当社が保有する千葉工場の土地の一部を譲渡することを決議し、2020年4月30日付で譲渡契約を締結しました。

   なお、本件譲渡後は、譲渡した土地を賃借しております。

① 譲渡資産の内容

(ⅰ)名 称:千葉工場

(ⅱ)所在地:千葉県市原市八幡海岸通1番地

(ⅲ)土 地:858,998㎡(全体)のうち、637,803㎡

② 譲渡先の概要

 譲渡先は国内の一般事業会社ですが、譲渡先との取決めにより、詳細につきましては公表を控えさせていただきます。

 なお、譲渡先と当社との間には、特筆すべき資本関係、人的関係、及び取引関係はなく、また、譲渡先は当社の関連当事者には該当いたしません。併せて譲渡先が反社会的勢力ではないことを確認しております。

 

(3)連結子会社の株式譲渡

 当社は、2020年5月12日開催の取締役会において、連結子会社である株式会社三井E&S鉄構エンジニアリングの株式の70%分について、三井住友建設株式会社へ譲渡することを決議し、2020年5月13日付で株式譲渡の基本合意書を締結しました。

 また、基本合意書の規定に基づき最終契約書を2020年8月6日付で締結いたしました。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

 

(4)連結子会社の事業譲渡に関する協議開始

 当社は、2020年6月12日開催の取締役会において、当社と三菱重工業株式会社(以下、「三菱重工業」)との間で、当社の連結子会社である三井E&S造船株式会社(以下、「三井E&S造船」)の艦艇事業の譲渡に向けた協議を開始することを決議し、同日付で基本合意書を締結しました。

 本譲渡により、三菱重工業は、同社の製品や技術の拡充を図り、更なる我が国の安全保障への貢献、企業価値の向上につなげることを目的とする一方、当社は事業再生計画に基づいた造船事業の協業展開を一歩進展させることになり、自社の強みの部分をより一層活かすことができるため、結果として両社の艦艇事業において持続的な成長を実現することが可能となると考えております。

 なお、本譲渡の対象事業に関わる建造及び修繕については、本譲渡後も玉野艦船工場で継続する予定です。

今後、当社、三井E&S造船及び三菱重工業の間で詳細な検討を実施し、具体的な対象事業の内容及び範囲並びに譲渡方法等について確定すると共に、2020年12月末を目途に最終契約書を締結し、2021年10月に本譲渡を完了させることを目指します。