第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間の世界経済は、社会経済活動の正常化が進んだものの高止まりするインフレとこれを受けた金融引き締めにより、ゆるやかに減速しました。さらに、米欧における金融引き締め政策の長期化やウクライナ情勢などの地政学リスクにより、先行きは不透明な状況にあります。一方、国内経済は堅調な個人消費や高水準を維持する企業収益や設備投資などにより、ゆるやかな回復基調にあります。

当社と関連性の高い造船業界では、環境負荷低減に向けた動きに加え、期近船台の完売や船価の先高観から船腹不足の解消を目的とする船主経営者が発注を進めており、国内造船所は十分な手持ち工事量を確保するに至っております。また、港湾物流業界においては、東南アジアをはじめとした海外での需要は堅調に推移しており、国内においても新設、増設に加え、既設の老朽化更新などの需要が引き続き堅調です。全体感としては、引き続き為替や金融市場の変動、及び材料調達における価格変動のリスクはあるものの、受注環境としては確実に好転しつつあると認識しております。

このような状況下、当社は、2023年4月1日より事業持株会社及び監査等委員会設置会社へと移行し、社名も「株式会社三井E&S」として新たに生まれ変わりました。不採算事業の整理・撤退や、財務体質の強化などの諸施策を定めた「三井E&Sグループ 事業再生計画」も完遂したことから、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が解消しており、安定的な配当の実現に向けた体制が整いつつあると判断し、6期ぶりに復配をすることができました。また、新会社のスタートにあたり、新しい価値を創造できる人材と組織風土の実現に向けて人事制度を刷新し、春季交渉においても新生「三井E&S」としての反転攻勢、成長戦略の実現に向けて、従業員のモチベーションを高めるべく賃金改善を実施いたしました。

一方で、当社を取り巻く事業環境が大きく変化していることから、「2023年度中期経営計画」(以下、「2023中計」)を既に1年前倒しでスタートしており、中核事業である舶用推進事業・港湾物流事業を「グリーン」と「デジタル」の切り口で発展させることを2023中計の戦略の柱としております。

舶用推進事業では、グリーンな新燃料の対応に必要な設備投資を実施した他、株式会社IHI原動機の舶用大型エンジン及びその付随製品等に関する事業を取得し、2023年4月1日より「株式会社三井E&S DU」として営業を開始しております。同社は二元燃料機関、デジタル遠隔保守システムの技術に優れており、当社グループの舶用エンジンの開発・生産能力、アフターサービスの強化を通じて競争力の向上に繋げてまいります。

港湾物流事業では、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構と共同で、世界初となる燃料電池(FC)を動力源としたタイヤ式門型クレーンを開発し、水素を燃料とした荷役作業を実施するための協定を東京都港湾局他3社と締結するなど、製品の脱炭素化を進めております。また、港湾クレーンの自動化や遠隔保守にも積極的に取り組んでまいりました。

さらに、中核事業の周辺領域において新しい製品やサービスを推進する事業を成長事業と位置づけ、脱炭素を念頭に置いた新製品やサービスの開発に注力し、さらなる企業価値向上に取り組んでまいります。

当第1四半期連結累計期間の受注高は、前年同期と比べて137億88百万円減少(△12.9%)の927億96百万円となりました。売上高は、舶用推進システム事業において舶用ディーゼル機関の引渡しが好調に推移したことや株式会社三井E&S DUを連結の範囲に含めたことにより、前年同期と比べて109億80百万円増加(+21.7%)の615億56百万円となりました。営業利益は、舶用推進システム事業の損益が改善したことなどにより、17億20百万円(前年同期は67億1百万円の営業損失)となりました。経常利益は、支払利息及び支払手数料の計上などにより5億52百万円(前年同期は42億35百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、負ののれん発生益の計上などにより、14億97百万円(前年同期は18億77百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。

 

 報告セグメント別の状況は次のとおりです。なお、当第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しており、前年同期との比較は変更後の報告セグメントの区分に基づき記載しています。詳細は「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。

 

(成長事業推進)

 受注高及び売上高は、建機用エンジンの受注増加などにより、それぞれ、前年同期と比べて42億22百万円増加(+51.7%)の123億86百万円、20億38百万円増加(+33.2%)の81億85百万円となり、営業損益は、前年同期並みの3億78百万円の利益となりました。

 

(舶用推進システム)

 受注高は、前年同期に舶用ディーゼル機関の期ずれ受注があったことなどにより、前年同期と比べて196億44百万円減少(△29.9%)の460億28百万円となりました。売上高は、舶用ディーゼル機関の引渡しが好調に推移したことや株式会社三井E&S DUを連結の範囲に含めたことなどにより、前年同期と比べて83億23百万円増加(+39.3%)の294億90百万円となり、営業損益は、売上高の増加などに伴い、前年同期の2億76百万円の損失から17億88百万円の利益となりました。

 

(物流システム)

 受注高は、東南アジアでの大型案件の受注が続いたことなどにより、前年同期と比べて121億83百万円増加(+148.5%)の203億87百万円となりました。売上高は、下期引渡し予定の工事が多く、大型工事の進捗もゆるやかだったことなどから、前年同期と比べて10億33百万円減少(△12.2%)の74億22百万円となり、営業損益は、受注工事損失引当金の影響縮小などにより、前年同期と比べて5億35百万円改善し、4億51百万円の損失となりました。

 

(周辺サービス)

 受注高は、前年同期に東アジア向けFGS(燃料供給システム)の大型受注があったことなどにより、前年同期と比べて46億円減少(△24.8%)の139億22百万円となりました。売上高は、国内子会社を中心に売上を順調に伸ばし、前年同期と比べて53億29百万円増加(+56.3%)の147億99百万円となり、営業損益は、売上高の増加などに伴い、前年同期の4億43百万円の損失から5億11百万円の利益となりました。

 

(海洋開発)

 当社の持分法適用関連会社である三井海洋開発株式会社及びその関係会社において、ブラジルで操業するFPSO及びFSOに対するアセット・インテグリティ改善費用による利益の押し下げ要因があったものの、建造工事の進捗による収益認識などにより、持分法による投資損益は、前年同期の10億47百万円の損失から1億71百万円の利益となりました。

 

(2)財政状態の状況

 当第1四半期連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末と比べて3億29百万円減少の4,396億30百万円となりました。これは、仕掛品が69億98百万円、流動資産その他が55億29百万円それぞれ増加した一方、現金及び預金が57億87百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が65億10百万円それぞれ減少したことなどによります。

 負債は、前連結会計年度末と比べて3億25百万円減少の3,289億47百万円となりました。これは、短期借入金が293億89百万円、契約負債が111億23百万円それぞれ増加した一方、流動負債その他が414億57百万円減少したことなどによります。

 純資産は、第1回行使価額修正条項付新株予約権の行使、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上、為替換算調整勘定の増加などがあった一方、剰余金の配当、繰延ヘッジ損益の減少などにより、前連結会計年度末と比べて3百万円減少の1,106億82百万円となりました。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は3億96百万円であります。

 なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間において、新たに連結の範囲に含めた連結子会社が締結している重要な契約は次のとおりであります。

技術導入

会社名

相手方

提携品目

契約期間

契約内容(対価の支払方法)

国籍

名称

㈱三井E&S DU

スイス

Winterthur Gas & Diesel Ltd.

WinGD型汎用低速ディーゼル機関

2015.2

2025.1

ロイヤリティ

フランス

MAN Energy Solutions France SAS

S.E.M.T. Pielstick型汎用中速ディーゼル機関

2023.3

2033.3

ロイヤリティ