文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
(1) 経営方針、経営戦略等
① 経営方針
当社グループでは、基本理念である「Kanadevia Value」を定めており、本基本理念の下、長期ビジョン、経営戦略等を実施していく経営体系を構築している。
当社グループの基本理念「Kanadevia Value」
② 経営戦略等
当社グループでは、基本理念「Kanadevia Value」の下、2050年に目指す姿である「サステナブルビジョン」及び2030年に向けた長期ビジョン「2030 Vision」を掲げるとともに、2023年度を初年度とする3か年の中期経営計画「Forward 25」を実施してきた。
「サステナブルビジョン」では、「環境負荷をゼロにする」、「人々の幸福を最大化する」を目標に、ビジョン実現に不可欠な要素である7項目(「カーボンニュートラル」、「資源の完全循環」、「環境復元力の最大化」、「災害激甚化への対応」、「サステナブル調達」、「人々の幸福の最大化」、「コーポレート・ガバナンスの高度化」)を、「成功の柱(マテリアリティ)」として設定している。これら「成功の柱(マテリアリティ)」ごとに、関連する社会課題の認識、課題に対する施策を明確化し、2050年までの目標(KPI)とロードマップを策定し、各種取組みを推進していく。
また、「2030 Vision」では、「サステナブルで、安全・安心な社会の実現に貢献するソリューションパートナー」として、「脱炭素化」、「資源循環」、「安全で豊かな街づくり」の各事業分野における社会課題の解決に積極的に取り組み、既存事業の持続的成長と、成長事業の創出・拡大を目指していく。
そして、2023年度~2025年度の3か年の中期経営計画「Forward 25」では、グローバルな社会的課題の解決に向け、以下のとおり3つの基本方針に基づく重点施策に取り組んできた。次期中期経営計画については、日鉄エンジニアリング株式会社との経営統合の検討及び事業ポートフォリオ・マネジメントの加速を背景として、公表を当面延期することとし、2026年度については、以下の「Forward 25」の基本方針に基づく重点施策を継続して推進する。
中期経営計画「Forward 25」
1.既存事業の持続的成長
(1)海外事業の伸長
Waste to X(廃棄物の物質・エネルギー転換)事業、原子力関連事業、水事業を中心に、当社グループで協力して事業伸長に取り組んでいる。2025年度はKanadevia Inova AG.のWaste to X(特に廃棄物のガス・エネルギー転換によるRenewable Gas)事業の伸長により、当社グループ全体の海外売上高比率が51%となった。Kanadevia Inova AG.及びそのグループ会社は、積極的なM&Aや事業投資を継続しており、米国で、ごみ焼却発電プラント関連企業であるMatrix Power Services, Inc(現 Kanadevia Inova Matrix Services US LLC)を買収したほか、デンマークでBabcock & Wilcox A/Sからごみ焼却発電プラントの燃焼装置等に関する知的財産権の取得を行った。当社では、マレーシアでごみ焼却発電プラントの建設工事を受注するなど、東南アジア地域における事業拡大を進めており、タイに東南アジア事業の統括拠点を開設した。当該統括拠点を中心として、東南アジア地域の事業開発を加速していく。
(2)事業構造改革の推進
社会のサステナビリティと会社のサステナビリティの観点から事業評価を行い、事業ポートフォリオの見直し・改革を進めている。2025年度は橋梁事業からの撤退(2026年2月5日付で新規案件営業活動停止、2026年度中の工場操業終了および2030年度中の事業撤退を予定)、日立造船マリンエンジン株式会社株式の一部譲渡(2026年3月31日付)、株式会社ブイテックスの全株式譲渡(2026年6月1日付)、全固体電池事業の譲渡(2026年7月1日付)等を決定した。また、日鉄エンジニアリング株式会社との経営統合の検討を優先課題として進めていく。
(3)継続的事業の拡大及び新設事業の収益改善
2025年度に継続的事業の売上高比率50%、新設事業の黒字化を目指し、新たな事業モデルの創出、DX推進による製品・事業の高付加価値化等に取り組み、収益力の強化を図ってきた。2025年度は、継続的事業の売上高比率が44%になりやや低い水準に留まった。当社およびKanadevia Inova AG.及びそのグループ会社とも継続的事業の売上高自体は伸張しているものの、事業全体の売上高の伸長に伴い比率の伸びとしては鈍化している状況である。新設事業の収益改善については、近年の物価上昇、金利上昇などの影響もあり、環境部門をはじめ複数の機種において黒字化が未達成の状況であり、引き続き生産性の改善に取り組んでいく。
2.成長事業の創出・拡大
重点投資分野である脱炭素化事業、資源循環事業、水事業等において、積極的な投資を行っている。2025年度は、水電解装置事業のグローバルな案件形成と戦略的パートナーシップの統合の加速に向けて、Japan HydrogenFundへの出資を行った。また、Waste to Energy、Power to Gas、浮体式洋上風力発電等の分野において、補助金事業を活用した投資を継続している。
3.持続可能な経営の推進(企業価値の向上)
人的資本の強化、事業活動の脱炭素化、DX戦略の推進、リスク管理の徹底に取り組んでいる。
人的資本の強化については、経営戦略と連動した戦略的な取組みを充実させていくことを目的とし、
2025年10月1日付けで「ピープル&カルチャー本部」を新設した。今後は同本部のもと、人的資本経営
の推進、ダイバーシティマネジメントの推進、健康経営の推進、職員のエンゲージメント向上を図って
いく。また、特に健康経営においては、取締役社長を責任者として、産業医や健康保険組合等とも課題
を共有し、健康経営優良法人「ホワイト500」の認定を受けるなど、各種施策を推進している。
DX戦略の推進については、生成AIの業務活用基盤の整備を行っており、生産性向上を進めている。ま
た、DX人材の育成も併せて進めていく。
リスク管理の徹底については、重要な戦略リスクの特定、リスク許容度の定義およびこれに基づく戦
略的なリスク管理を行う仕組みを導入、推進するERM室の統括の下に、グループリスクのマネジメント
を進めている。
③ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、2026年度における目標を、受注高8,100億円、売上高6,400億円、営業利益255億円(営業利益率4.0%)としている。また、長期ビジョン「2030 Vision」では、2030年に営業利益率10%の達成、ROE10%超、海外事業比率50%、継続的事業の比率50%超、2030年代のできるだけ早い時期に売上高1兆円の事業規模を目指す。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
中期経営計画「Forward 25」の最終年度(2025年度)の業績は、海外子会社のKanadevia Inova AG.及びそのグループ会社の伸長等に加え、円安の影響もあって、受注高、売上高は期初公表数値を上回ったものの、営業利益、経常利益、及び親会社株主に帰属する当期純利益はKanadevia Inova AG.における技術トラブル等に関する対応等により、いずれも期中2度の業績予想の下方修正を行う結果となった。
2026年度については、中期経営計画「Forward 25」の基本方針に基づく重点施策を継続して実行することで、収益力強化を推進し確実に成果をあげることを目指すとともに、当社グループが持続的な成長と企業価値の向上を目指すうえで重要な課題となる、安全管理及びコンプライアンスの徹底にも引き続き取り組んでいく。コンプライアンスについては、複雑化かつ多様化した法的リスクへの対応及び知的財産の戦略的活用を基軸とした企業の健全な成長を目的として、2026年1月1日付で、法務・知的財産本部を設立した。
当社グループにおける不適切行為に対する再発防止策について
当社グループにおける舶用エンジン、可燃ごみ焼却施設、し尿処理施設、橋梁、鋳物製品、特殊バルブ等の事業・製品の一部における不適切行為について、2025年3月25日、同年4月30日に公表した再発防止策に基づき、再発防止に取り組んでいる。主な取組み事項は以下のとおりであり、今後も継続して風土改革、業務プロセス改善等に取り組んでいく。
<再発防止策の内容>
① 経営トップによるコミットメント
経営トップのリーダーシップにより、不正と決別する姿勢を役職員および社外に示す。
例)社長新年度等挨拶でのメッセージ発信、社内外向けの公表サイトの開設
② 組織風土改革・意識改革
全職員が不正を拒絶できる倫理観を持つことができるよう、組織風土変革・教育を含む人事施策に取り組
む。
例)役員研修、管理職研修、幅広い職員の参画による企業理念改定の検討、経営層と職員との懇談会、人
事ローテーション活性化の検討、管理職評価における行動規範に沿った行動の考慮
③ 業務プロセスの改善
不正につながるプロセスの排除や業務プロセスの効率化を進め、不正を防止できる業務管理規程に改訂す
る。
例)不適合報告・改ざん防止のためのデジタルツール導入、不適合管理規程見直し
④ 品質不正防止の取組み
経営トップが品質管理状況をタイムリーに把握・発信し、また、各職員が気軽に相談できる仕組みを構築
する。
例)品質コンプライアンス委員会の開催、再発防止策進捗社内説明会の実施、チャットボットの運用
⑤ 品質保証機能の強化
品質保証部門の人員を補強するとともに、必要な素養・スキルが得られる研修・教育を実施する。
例)品質保証部門からの情報発信の充実、品質コンプライアンスeラーニングの実施
⑥ 取締役の監督機能強化
取締役会への報告を増やし、また重大なコンプライアンスリスク情報を共有するレポートラインを明確化
する。
例)品質不正再発防止推進室の設置、コンプライアンス委員会活動状況の取締役会への定期報告(年2
回)
<再発防止策の実効性評価>
再発防止策には、ルールや仕組みの構築に代表されるハードの施策と、教育や風土改革に代表されるソフト
の施策がある。当社では、ソフトな施策の実効性評価として、組織としての「ありたい姿」を実現するための
「役職員に求める具体的な行動」を定義した上で、各施策が行動変容にどの程度寄与しているかを中長期的に
検証していく。また、再発防止策の実効性の検討は、第三者である専門家からの評価も受けながら進めてお
り、進捗状況については、継続的に発信していく。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)ガバナンス
当社グループのサステナビリティに関するガバナンスは、取締役会が最終的な監督責任を負い、サステナブルビジョン実現のために、執行側に設置されたサステナビリティ推進委員会が策定・実行する戦略や目標の妥当性及び進捗を評価し、必要な是正措置を行う二層構造である。
取締役会は、年2回、次のようなサステナビリティに関する事項について審議し、監督としての意思決定(承認・差戻し・改善指示)を行う。その際、将来情報(気候・自然シナリオ、KPI算定値を含む)の前提・仮定・推論過程が妥当であるかを、サステナビリティ推進委員会・経営戦略会議における検討内容、サステナビリティ推進室及びERM室の検証結果に基づきレビューし、必要に応じて修正指示を行う。議題内容と監督結果は議事録に記載し、経営陣は翌年度の計画策定に反映させる。
・ 気候変動・自然資本・社会課題(ESGリスク)の特定結果
・ 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)及び自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)等のフレームワークに基づくリスク・機会の評価
・ サステナビリティ戦略と中期経営計画の整合性
・ マテリアリティ(重要課題)別KPIの進捗、乖離要因、改善計画
サステナビリティ推進委員会は、サステナブルビジョン実現のための戦略や目標設定を行い、グループのESGに関する重要な課題に対する戦略・施策の実施状況を監督し、指示を行う。同委員会は、中期経営計画策定に際し、サステナブルビジョン実現のための戦略及び目標を見直すための審議を行うが、その際、TCFD/TNFD等のフレームワークに基づきリスクと機会の評価を行う。サステナビリティに関する取組の進捗等は、サステナビリティ推進委員会で確認し、取締役会に報告される。当連結会計年度末現在、次期連結会計年度(2027年3月期)から、サステナビリティ推進委員会の委員構成を経営戦略会議メンバー及び主要な連結子会社社長(主要な海外連結子会社社長を含む)へ拡大し、事業戦略とサステナビリティ戦略の統合監督プロセスを強化する方針である。また、同委員会では、海外連結子会社におけるサステナビリティ開示及び主要KPIの進捗についても報告・モニタリングを行い、必要な指示を行う。
サステナビリティ推進室は、サステナビリティ推進委員会の事務局として、サステナビリティ経営の推進を一元的に担うとともに、サステナビリティに関わる方針の立案やグループ横断的な各種施策の実行・支援、情報発信等の活動を行う。また、グループの事業活動に由来するGHG排出量等の環境データ管理プロセスの検証とモニタリングを行い、海外連結子会社を含むデータの収集・管理体制の整備を進めている。これにより、経営陣が、ESGリスク等の観点から優先順位の高い項目のパフォーマンスと進捗状況を適時に認識し、速やかに対応することができる。
(2)戦略
当社グループは、「技術の力で、人類と自然の調和に挑む」をブランドコンセプトとし、脱炭素化社会、資源循環社会及び安全で豊かな社会の実現に寄与するため、環境事業、機械・インフラ事業及び脱炭素化事業を展開している。いずれの事業も、気候及び自然との結びつきが強く、事業の推進と地域社会の環境負荷低減が連動するところに特徴がある。このため、当社グループは、新たな事業機会の獲得、当社グループの持続可能な成長のため、サステナビリティ経営を実践している。
当社グループが策定した2050年にめざす姿「サステナブルビジョン」では、「環境負荷をゼロ*にする」こと(*環境負荷ゼロとは、自社の事業活動に由来する環境負荷はもちろん、当社グループのサプライチェーンの環境負荷、当社グループの製品・サービスを利用する顧客の環境負荷を、その地域が本来有する環境復元力の範囲内にとどめることを指す。)と「人々の幸福を最大化する」ことを掲げている。
当社グループにおいて、マテリアリティはサステナブルビジョンを実現するためのドライバーであると位置付けており、「成功の柱」と呼んでいるが、この「成功の柱」は、長期的な視点での外部環境認識と「持続可能性4原則」を出発点とし、「社会とステークホルダーの視点」と「事業継続へのインパクトの視点」、「達成の難易度」を考慮して、7つを特定した。
成功の柱は、外部環境の変化や社会のニーズ・期待の変化を反映させ、事業の持続可能性と社会の要請に対する柔軟性を確保する観点から、特定から3年を経た当連結会計年度において妥当性の再評価を実施した。その結果、重要性及び妥当性に変更はなく、現行の内容を維持している。
当社グループの事業は環境・社会課題と密接に関連し、その変化が事業に重大な影響を与えうる。このため、当社グループはTCFD及びTNFDに基づき、リスク・機会の識別、財務インパクト評価並びに事業戦略及び移行計画への反映を一体的に行う統合アプローチを採用している。
ア.リスク・機会の特定プロセス(TCFD × TNFD 統合プロセス)
当社グループは、TCFDの4要素(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)とTNFDの LEAP アプローチを統合し、次の手順でリスク・機会を特定した。
① 外部環境分析
国際政策(1.5℃目標、排出規制、炭素価格制度、廃棄物規制、自然関連の開示義務化)、社会トレンド、主要市場の技術進展をレビューし、中期経営計画の前提とする。
② 自然資本への依存・影響評価(TNFD:LEAP)
TNFD v1.0の推奨に従い、Locate(事業領域の特定)、Evaluate(依存・影響の評価)、Assess(リスク・機会の統合評価)、Prepare(対応方針の策定)を実施する。特に ENCORE を用いて、主要事業における自然資本への依存度とインパクトを5段階で評価し、重要度の高い領域を抽出している。
③ 気候シナリオ分析(TCFD)
次の代表的シナリオで財務・操業への影響を評価している。
1.5℃シナリオ:炭素コスト増加、規制強化、顧客の省エネ需要の増大
4℃シナリオ:豪雨・台風の激甚化、猛暑、洪水、水ストレスの増大
シナリオ分析では、収益(需要変化、価格影響)、コスト(炭素コスト、災害関連コスト)、供給網(調達停止、物流寸断)、設備・操業(事業継続計画(BCP)・停止期間・修繕費)への影響を定性的に整理し、事業ごとの脆弱性を把握している。1.5℃シナリオでは、炭素コストの上昇や規制強化により、顧客による脱炭素投資・省エネ投資が加速することが想定される。この結果、当社グループの脱炭素化・資源循環に資する技術・サービスへの要請が高まる可能性がある。一方で、当社グループにおいても、炭素コスト増等によりコストが上昇する可能性がある。4℃シナリオでは、豪雨・台風等の激甚化により、設備・操業・サプライチェーンへの物理的影響(修繕費、停止期間、調達・物流寸断等)が増大する可能性がある。その一方で、災害廃棄物対応や防災・減災に関する社会的ニーズの高まりを背景に、当社グループの関連ソリューションへの要請が高まる可能性がある。
④ 自然資本のシナリオ分析(TNFD)
移行リスクと物理リスクを組み合わせ、4つの象限に分けて影響を評価している。
⑤ 財務インパクト評価
まず、気候と自然に関連したリスクの財務影響について、以下のレンジにより「影響度」を定義している。
・大:100億円超
・中:10億円以上100億円以下
・小:10億円未満
また、機会については、同一のレンジを用いて「機会規模(上方ポテンシャル)」を評価し、リスク(下方影響)と区別して記載する。
上記の金額レンジは、TCFD/TNFD分析に基づく気候・自然関連リスク・機会に限定して適用している。事業等のリスク全般に対しては、別途、質的評価を中心に適切に重要性判断を行っている。
次に、依存・インパクトの評価においてリスクが高かった事業又はプロセスについて、その財務インパクトと低減施策を検討した(詳細は、
このような気候と自然資本のシナリオ分析結果、財務インパクトの評価結果を踏まえると、気温上昇に大きな変化がなく、移行リスク・物理リスクの顕在化が限定的である場合、脱炭素化・資源循環・防災減災に関する投資の立ち上がりが想定より緩やかとなり、関連市場の形成や需要拡大の時期が後ろ倒しとなる可能性がある。これに対し、1.5℃シナリオのように移行対応が加速する局面では、規制強化や顧客の脱炭素化投資の進展を背景に、脱炭素化技術の社会実装が進展し、当社グループの関連技術・サービスへの要請が高まる可能性がある。
また、4℃シナリオのように物理的影響が増大する局面では、豪雨・台風等の激甚化により、当社グループの操業・サプライチェーン・コスト面への負の影響が増大しうる。一方で、仮に政策・投資の優先度が相対的に高まらず、移行が緩やかな社会となった場合であっても、途上国を中心とした工業化・インフラ整備の進展に伴い、廃棄物・排水処理等の需要が増加することが想定され、環境事業、機械事業、社会インフラ事業において、当社グループの関連ソリューションへの要請が高まる可能性がある。詳細は、次の図及び「
イ.サステナビリティ戦略と事業戦略の統合
以上の分析を踏まえ、2050年サステナブルビジョンを実現するため、成功の柱と主要事業を統合した戦略は次のとおりである。
(ア)カーボンニュートラル
2050年までの Scope1・2・3 ネットゼロを目標とし、製品使用段階(Scope3カテゴリー11)の削減に重点的に取り組む。また、社会や顧客に対する削減貢献量を主要KPIとし、削減貢献量の最大化を図る。水素・メタネーションなど脱炭素技術の高度化、ごみ焼却発電・リサイクルとの統合ソリューションの提供、顧客設備のGHG削減を支援するサービス展開に取り組む。
(イ)資源の完全循環
循環率向上と最終処分量の最少化を指標とし、廃棄物資源化技術、リサイクル・リユース設計、顧客事業の循環化支援を強化する。
(ウ)環境復元力の最大化
オープンダンピングサイト閉鎖支援、土壌・水質の浄化・環境改善を通じて、地域の環境復元力向上に貢献する。
(エ)災害激甚化への対応
防災・減災インフラ技術、耐震・耐風補強ソリューションの社会実装を拡大する。
(オ)サステナブル調達
Scope3 カテゴリー1対策として、主要サプライヤーのサステナビリティ推進スコア向上を重点施策とする。また、調達網の多様化に取り組む。
(カ)人々の幸福の最大化
人権リスクゼロを目標とし、当社グループ及びサプライチェーンの労働環境改善を推進する。
(キ)コーポレート・ガバナンスの高度化
エンタープライズリスクマネジメント(以下、ERMという)の導入、品質・安全コンプライアンス体制の再構築を中核とし、取締役会が重要リスクを定期的にレビューし、必要な是正指示を行う監督体制を確立する。
ウ.移行計画
当社グループは、TCFD及びTNFDが求める移行計画を以下の三段階で整理している。
2020年代:脱炭素・循環ビジネスの基盤構築
2030年代:カーボンニュートラルサービス/サステナブル調達の完全実装
2040年代:サーキュラーエコノミーサービスの世界展開
2050年:Resilience Eco Society-Set の提供による環境負荷ゼロ社会への貢献
詳細は、「
(3)リスク管理
当社グループは、2025年3月にERM室を新設し、グループ全体を対象としてERMを導入した。同年7月からリスクマネジメント委員会を設置し、事業活動におけるリスクを定期的に洗い出し、重要リスクの特定とその管理体制の強化を行っている。本リスク管理体制の中に、サステナビリティに関するリスクも含まれている。リスク管理の詳細は、後述「
(4)指標と目標
当社グループは、7つの成功の柱について、事業価値・社会価値に直結する定量指標(KPI)を設定し、その管理範囲(責任境界)を定めている。これらの指標を設定するにあたっては、事業価値への関連性、国際基準(サステナビリティ開示基準、GHGプロトコル、TCFD及びTNFDの要求事項、GRI基準等)との整合性を踏まえた上で、気候変動・自然資本関連リスクと人的資本・サプライチェーンリスクを統合管理できる指標を選定している。
● 検討にあたり前提条件として参照したシナリオ等
国際エネルギー機関(IEA)シナリオ、IPCC1.5℃/4℃シナリオ、国内外の規制動向(炭素税・自然関連開示義務)
● 算定にあたり推計を用いた項目
製品による削減貢献量の推計、顧客設備の稼働率・ライフサイクル影響の算出、Scope3カテゴリー1及びカテゴリー11の算定式、TNFDの依存とインパクトに関する定量化手法(ENCORE等)
● 承認プロセス
サステナビリティ戦略委員会における検討、サステナビリティ推進室のレビュー、サステナビリティ推進委員会及び経営戦略会議における審議、取締役会による監督・承認
なお、指標・目標、算定方法の詳細及び各指標に関する年次実績値は、
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成功の柱 |
指標と目標 (下段:指標選定理由) |
管理主体 |
責任境界 |
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カーボンニュートラル |
2050年度:Scope1・2・3でネットゼロを達成 2030年度:製品によるGHG排出削減貢献量4000万t-CO2 重点指標:社会や顧客に対する削減貢献の最大化 |
グループ 全体 |
自社活動(Scope1,2):直接管理 調達・製品・サービス使用段階:影響力行使・削減貢献 |
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製品・サービス導入による社会や顧客に対する削減貢献が事業価値の本質であるため。 |
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資源の完全循環 |
2050年度:製品・部品・廃棄物のリサイクルシステム確立 重点指標:循環率、最終処分量の最少化 |
各事業主体 |
自社活動(製造・工事由来副産物・廃棄物):直接管理 顧客の事業活動における資源循環:循環ソリューション提供による間接価値 |
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循環型社会における価値提供の中心が「廃棄物資源化・リサイクル技術」であるため。 |
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環境復元力の最大化 |
2050年度:ターゲットエリアのオープンダンピングサイト閉鎖完了 重点指標:環境改善案件数(社会実装数・地域カバー) |
各事業主体 |
環境復元に関する成果は、顧客や地域社会で創出される環境改善効果。社会実装を前提とした提供価値の管理領域として責任境界を設定。 |
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当社グループの提供価値が地域の環境改善効果に直結しているため。 |
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災害激甚化への対応 |
2050年度まで:防災インフラ技術や耐災害補強技術の進化・社会実装拡大 重点指標:防災・減災に資する社会実装件数、技術適用範囲 |
各事業主体 |
自社拠点の安全確保及び事業継続性確保:直接管理 顧客インフラに対する耐災害技術の提供も事業を通じた責任範囲と位置付け。 |
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適用する気候シナリオ(1.5℃/4℃)に基づく物理リスク影響の想定を前提に、技術適用範囲を定量的に評価し、防災・減災ソリューションの拡大に繋げるため。 |
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成功の柱 |
指標と目標 (下段:指標選定理由) |
管理主体 |
責任境界 |
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サステナブル調達 |
2050年度:主要サプライヤーのサステナビリティ推進スコア80点以上(国連グローバルコンパクトSAQ) 重点指標:Scope3 カテゴリー1(購入した製品・サービス)の改善 |
グループ 全体 |
サプライチェーン全体が責任範囲。基本的に、方針設定や取引条件、支援を通じた影響力行使による関与。 |
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サプライチェーン全体の環境・人権リスクの管理が企業価値の基盤であるため。 |
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人々の幸福の最大化 |
2050年度:人権リスクゼロ |
グループ 全体 |
当社グループの職員の安全・人権・働きがい:直接管理 サプライチェーン:影響力行使、改善支援 |
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原材料調達段階及び製造・現場段階における労働安全・人権対応が当社グループに関わる「人々の幸福」の重要な基盤の一つであるため。 |
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コーポレート・ガバナンスの高度化 |
即時〜継続:統合的リスク管理(ERM)運用開始、取締役会監督の強化 重点指標:コンプライアンス体制の実効性、品質・安全の再発防止進捗 |
グループ 全体 |
コーポレート・ガバナンスに関する方針・制度・監督体制を、グループ全体を対象とした責任範囲として設定。 |
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経営管理及び投資判断のプロセスを重点管理領域とし、グループ全体における意思決定の質と透明性の向上を図るため。 |
(5)人的資本(人材の多様性を含む。)に関する戦略
当社グループは、職員を重要な「人的資本」と位置付け、人材への投資を通じて各職員の能力及びエンゲージメントの向上を図ることで、企業価値の向上及び持続的な成長を実現することを基本方針としている。
当社グループでは、2023年度より開始した中期経営計画「Forward25」において、「持続可能な経営の推進」の一環として人的資本の強化を重点施策の一つに位置付けており、「人」と「組織」の成長の好循環が企業の成長及び価値創造を促進するものと認識している。
この考えのもと、事業戦略の実行に必要な人的資本の強化に向けて、以下の3つを重点施策として推進している。
① 人材の採用・確保
事業の維持・拡大に必要な人材の確保に加え、性別、年齢、国籍等にとらわれない多様な人材の確保を推進している。
また、多様性を受容する組織風土の醸成、心理的安全性の確保、柔軟な働き方の提供等により、誰もが最大限の能力を発揮できる環境整備に取り組んでいる。
② 適正配置・戦略的育成
個々人の能力及び適性に応じた配置とキャリア形成を支援するとともに、リスキリングの推進やタレントマネジメントシステムの活用により、人材の最適配置および能力開発を推進している。
また、グローバル人材、経営人材、DX人材の育成を重点領域とし、企業価値向上を担う人材の育成に注力している。
③ 人材の定着
職員が長期的に活躍できる環境の整備に向け、エンゲージメント向上施策、処遇制度の見直し、福利厚生の充実等を推進している。
さらに、DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)の推進を通じて、多様な価値観を活かしたイノベーション創出を目指している。
加えて、健康経営、安全衛生、ワークライフバランス等の取り組みを通じて、職員のウェルビーイング向上を図るとともに、持続的な組織力強化を進めている。
(6)人的資本(人材の多様性を含む。)に関する指標及び目標
当社グループでは、人的資本に関する施策の進捗及び成果を定量的に把握するため、以下の指標を設定し、目標管理及び改善に取り組んでいる。
① 多様性関連指標
・ 女性新卒採用率
・ 女性活躍推進に関する各種指標
多様な人材の確保を目的として、採用段階から多様性の確保に取り組み、中長期的な人材ポートフォリオの高度化を図っている。
② 働き方・両立支援に関する指標
・ 男性育児休業取得率
育児と仕事の両立支援を推進し、すべての職員が継続的に活躍できる環境の整備を進めている。
③ エンゲージメント指標
・ 職員エンゲージメント指数
エンゲージメントを通じて状況を把握し、課題の特定及び改善施策の実行により、組織の活性化を図っている。
④ 健康関連指標
・ 生活習慣病有所見率 等
健康経営の観点から、従業員の健康状態の改善を目標とし、各種施策を通じて継続的な改善を図っている。
当該指標に関する目標及び実績は次のとおりである。
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指標 |
目標( |
実績(当連結会計年度) |
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事務系: 技術系:10 |
事務系: 技術系:15.8% |
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(注)上記については、連結グループにおける記載が困難であるため、当社単体の目標及び実績を記載している。
なお、これらの指標については、当社単体及び連結ベースでの把握及び開示の高度化に向けた取り組みを進めており、今後もデータの精緻化および開示の充実に努めていく。
(1)リスクマネジメントの体制
当社は、当社グループ全体を対象とするエンタープライズリスクマネジメント(以下、ERMという)を導入するため、2025年3月にERM室を新設し、同年7月に第1回リスクマネジメント委員会を開催した。
当社グループは、企業価値の最大化を図るため、事業活動にかかるリスク(機会と脅威の不確実性)を一元的に把握・整理・可視化のうえ対応策を検討している。当社グループでは、取締役会がリスクマネジメント方針の決定と最終的な監督責任を負い、リスクマネジメント委員会を中心とする執行側のリスクマネジメント体制の運用状況を評価し、必要な是正措置を行う構造としている。また、当社グループは、事業部門、リスクマネジメントを所管する部門及び内部監査部門がそれぞれの役割を担い、相互に連携するスリーラインモデルに基づき、リスクマネジメント及びガバナンス体制の実効性向上を図っている。
取締役会及びリスクマネジメント委員会は、中期経営計画策定及び事業計画策定に際し、経営戦略又は事業戦略実現に係るトップリスクを見直すための審議を行う。
取締役会は、リスクマネジメント方針を決定し、リスクマネジメント委員会の運用状況を監督する。リスクマネジメントに関する議題を扱う取締役会は、年2回開催する。
リスクマネジメント委員会は、委員長を取締役社長、委員会メンバーを経営戦略会議メンバー等で構成する。本委員会では、当社グループにおけるリスクマネジメント方針を立案するとともに、取締役会で決定された方針を運用する。当社グループにおいては、事業部門及び連結子会社が、自らの業務に内在するリスクの管理及び対応策の実行に責任を有し、リスクマネジメント統括部門は、グループ全体の視点からリスクマネジメントの枠組みを整備するとともに、各部門の取組状況を把握し、必要な指示・指導を行っている。内部監査部門は、これらの活動とは独立した立場から、当社グループのガバナンス、リスクマネジメント及び内部統制の有効性について評価を行い、取締役会及び経営層に対して合理的な保証を提供している。
ERM室は、リスクマネジメント委員会の事務局として、ERMの推進を一元的に担うとともに、リスクマネジメントにかかわる方針の立案やリスク管理実行に必要な指示・指導・支援、リスクに関する情報収集、分析、評価等を行っており、トップリスクに対する対応策の進捗状況を経営陣に報告し、経営陣が適時に問題を認識し対処するための体制を整えている。
(2)リスクマネジメント体制の運用
リスクとは、事象が発生し、戦略や事業目標の達成に影響を与える可能性をいう。このうち、事象発生時にグループに重大な影響を及ぼすものを重要リスクといい、トップリスクは、その中でも事象発生時に、企業理念やグループの戦略に重大な影響を及ぼすものをいう。トップリスクは経営アジェンダであることから、経営陣のコミットメントとしてリスクを管理し、対応状況を含め、取締役会へ報告する。
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リスクの特定においては、内部環境・短期的視点のリスクだけでなく、外部環境・中長期的視点のリスクを加え、内外環境変化に対応できるようリスク分類を整備する。また、リスクの重要性は、リスクの影響度と発生可能性をそれぞれ定量的、定性的要因を考慮し総合的に判断する。 |
(3)主要なリスク
当社グループは、企業の社会的責任を果たし社会倫理を守ることで存続することができる。したがって、品質リスク、労働安全衛生リスク、法令等違反によるリスク、人権リスクが発現した場合、多様かつ長期的な悪影響が生じ、社会からの信頼を失い、最終的に当社グループは存続できなくなる。このため、これらのリスクを極めて重要度の高いリスクと位置付け、徹底的に対策を講じる。また、これら以外のリスクについても、その性質、内容に応じたリスク対応方針を設定し対策を講じている。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクとその対応策は、以下のとおりである。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
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No. |
リスク名称 |
上段:リスクシナリオ / 下段:対応策 |
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1 |
品質リスク |
品質基準を満たさない製品やサービスを顧客に納入した結果、納入した製品・サービスが社会的に重大な事故や環境汚染を引き起こしたり、顧客からの契約解除や指名停止等の行政処分を受けたりする可能性がある。 |
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「(4)品質不適切行為への対応」参照 |
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2 |
重大労働災害リスク |
国内外の工事・運転・保全等の現場(海外派遣・長期出張を含む)において、安全措置の不備や不安全行動、ならびに過重労働・心理的負荷の蓄積等により、死亡・重大傷病(精神障害を含む)等の重大労働災害が発生し、操業停止、行政処分、訴訟・賠償、レピュテーション毀損等が生じる可能性がある。 |
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従業員が重大な労働災害に遭う可能性を低減するため、労働安全衛生リスクマネジメントシステムを再構築し、リスクアセスメント、設備管理体制・作業標準の整備、教育・啓発を徹底する。加えて海外派遣者については、派遣前の研修・適性確認、労働時間の客観的管理と是正、独立した相談窓口と定期面談、医療支援・緊急帰国体制、ハラスメント防止措置を組み合わせ、災害防止のPDCA(Plan-Do-Check-Act)を強化する。 |
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3 |
法令違反等によるリスク |
当社グループの事業は、国や地方自治体が行う入札により受注することが多く、独占禁止法違反その他の法令違反等が発生した場合、刑事罰や行政処分(指名停止等)を受けたり、又は損害賠償請求等の法的紛争になる可能性がある。 |
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当社グループでは、コンプライアンスの徹底を経営の最重要課題の一つとして位置付け、コンプライアンス委員会を設置し、そのための諸施策を継続的に実施している。具体的には、当社グループの役職員全員が遵守すべき倫理行動指針である「カナデビアグループ倫理行動憲章」を制定し、経営トップによる積極的なメッセージの発信、社内規程の整備・運用、定期的なコンプライアンス教育の実施、内部通報体制の整備等に力を注いでいる。 |
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No. |
リスク名称 |
上段:リスクシナリオ / 下段:対応策 |
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4 |
人権リスク |
企業活動において、当社グループはもちろん、サプライチェーン全体の人権尊重が社会的要請となっており、人権に関する法規制が強化されている国もある。当社グループ又は当社グループのサプライチェーンで人権問題が生じると、顧客や仕入先が自らのレピュテーションリスクを懸念して取引を停止したり、当社グループが人権侵害に加担しているとして提訴されたりする可能性がある。 |
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当社グループでは、「人権方針」を定め、従業員、顧客、サプライヤー、地域社会等のすべてのステークホルダーとの関係において人権を尊重することの重要性を認識し、人権尊重の取組をさらに推進している。事業活動における人権リスクの特定、管理、予防、軽減を目的に人権デュー・デリジェンスに取り組むとともに、「カナデビアグループ調達基本方針」を定め、強制労働・児童労働・ハラスメント排除等の当社が持つあらゆる人権尊重の理念と価値観をサプライヤーに対しても理解を求めている。 |
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5 |
サイバーリスク |
当社グループの社内情報システム及び当社製品の遠隔監視サービス等(制御系システムを含む)に対し、不正アクセス、マルウェア感染、ランサムウェア等のサイバー攻撃や設定不備等が発生した場合、顧客設備の操業への影響、当社業務の停止、機密情報や顧客情報等の漏えい・改ざん等が生じ、復旧費用の増加、損害賠償、信用毀損等により事業継続に影響を及ぼす可能性がある。 |
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当社グループでは、情報セキュリティの確保を重要な経営課題と位置付け、「情報セキュリティ委員会」を設置し、情報セキュリティを専門とする「サイバーセキュリティセンター」が中心となって、規程・要領・手順書に基づき、アクセス権管理、ウイルス対策、インシデント発生時の連絡・初動対応、社内周知・教育等の基本的対策を推進・管理している。当連結会計年度末現在、当社の連結子会社に対する情報セキュリティ対応の強化として、規程類の見直しやインシデント対応要領の整備を進めている。 |
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6 |
災害リスク |
災害激甚化により、ひとたび自然災害が発生すると、工場・設備の被災、操業停止、工期の遅延、サプライチェーンの寸断等が生じ、当社グループの事業運営に必要な機能を復旧するのに長期間を要し、事業運営が停止する可能性がある。 |
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安全確保や当社グループが担う社会インフラの運転継続のための対策を講じるとともに、すべての拠点にBCPを整備したうえで、計画的に要員のバックアップ体制整備や設備の代替手段確保を推進する。また、サプライヤーの災害対策状況を順次調査・評価し、結果に応じて代替調達先の確保等の対策を検討する。さらに、当社グループは顧客から委託を受け、当社グループが建設したWtE施設(WtEは、Waste to Energy(ごみ焼却発電)の略称。「WtE施設」とは、ごみ焼却発電施設)等の運転管理を行う場合があるところ、建設前においては顧客が実施したリスクアセスメント(自然災害リスクの評価を含む)を踏まえた事業運営計画を立案し、顧客とともに災害リスクの最小化に向けた検討を行う。 |
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No. |
リスク名称 |
上段:リスクシナリオ / 下段:対応策 |
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7 |
安定調達リスク |
本リスクは、世界情勢全般によるリスク(No.11)等の外部環境変化が、資材・エネルギーの調達に波及した場合に顕在化する。当社グループは、事業運営および製造・建設工程において、燃料としてLNGを使用する比率が高く、また主要原材料として鉄鋼製品の使用量が大きい。これら資材・エネルギーについて、地政学的緊張、輸出規制、海上輸送制約、需給逼迫等を背景に、供給制限、調達リードタイムの長期化、価格の急騰が発生する可能性がある。加えて、ネオジム等のレアメタル・レアアースを含む一部品目は、特定国・地域への依存や規制動向の影響を受けやすく、入手性の悪化が機器・部材の長納期化や代替調達コストの増加を通じて、工期遅延、原価上昇、機会損失につながるおそれがある。 |
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当社グループは、恒常的に取引を行う主要サプライヤーと連携し、資材・エネルギーの安定確保に向け、①長納期化品目の早期把握と先行手配、②代替材・代替サプライヤーの検討・確保、③一定量の安全在庫の確保、④調達先の環境・人権等の観点を含むサステナブル調達の実効性向上(サプライヤーとのエンゲージメント強化)を継続している。特に、輸出規制等により入手性が悪化し得るレアメタル・レアアースを含む品目については、在庫確保や代替調達先の探索に加え、材料置換・仕様代替・技術開発を進めることで、供給途絶時の事業影響を最小化する。 |
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8 |
人材確保リスク |
人口減少トレンドの日本に限らず、当社グループが事業展開する国において技術人材が不足し、新規技術の開発力や競争力が低下する可能性がある。また、各国で労働力が不足し、工事の遂行や製品の製造に遅延が頻繁に生じ、事業運営に支障をきたす可能性がある。 |
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事業戦略に必要な人材を外部から迅速に確保しつつ、人事制度改革や最適配置、DE&I推進、研修強化により職員が能力を発揮できる環境を整える。また、DX・AI活用による効率化やグローバル人材交流を進め、多様な人材ポートフォリオを維持しながら、限られた要員でも持続的に事業を支える体制を構築する。 |
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9 |
ESGリスク |
環境、社会、ガバナンスの観点での社会動向変化により、当社グループの戦略や事業が影響を受ける可能性がある。例えば、環境よりも経済性を重視する傾向が強まり(又は弱まり)、環境分野に注力する当社グループの企業価値が大きく毀損(又は拡大)する可能性がある。 |
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前述「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照。 |
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10 |
市場形成リスク |
将来の社会・業界・技術動向、顧客・競合動向の分析・予測を踏まえ、将来の主力事業となる新たな製品・サービスの開発に取り組んでいるが、期待どおりに市場が立ち上がらない可能性がある。その場合、事業の拡大時期が遅れたり、逆に急速に市場が拡大し、主力事業に成長したりする可能性がある。 |
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当社経営企画部を中心に、各事業及び各社が連携して社会トレンドや業界動向、技術動向、顧客・競合動向を分析し、市場把握に努め、市場形成リスクを認識して中期経営計画や事業計画を策定する体制としている。 |
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11 |
世界情勢全般によるリスク |
地政学リスク等、外部環境によりグループの戦略や事業が影響を受けるリスクである。近年、中東情勢、ロシア・ウクライナ情勢や米中の対立等、国際情勢が大きく変化しており、先行きが不透明である。当社グループは、日本、アジア、オーストラリア、欧州、中東、アフリカ、北米、南米で事業活動を行っていることから、該当地域に影響が及ぶことで事業活動に支障をきたすほか、当社グループ各社において製品の輸出・原材料の輸入、技術者の派遣等に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある(資材・エネルギーの安定確保に関する影響はNo.7「安定調達リスク」を参照)。 |
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当社グループでは、外部専門機関等からの情報・サポートを含め、海外拠点において国際情勢や戦争等のリスク情報、経済制裁等の情報を収集し、経営戦略会議において迅速に対応を決定する体制としている。 |
(4)品質不適切行為への対応
当社は、当社グループのうち舶用エンジン事業を行っている連結子会社において不適切行為が行われていたことが判明したことを受け、特別調査委員会による調査を実施した結果、2025年3月25日、同年4月30日及び11月6日に公表した通り、他の事業・製品等についても、一部に不適切行為が行われていたことが判明した。当社グループとしては、これらの不適切行為が明らかになったことを厳粛に受け止め、特別調査委員会の提言をもとに6つの再発防止策を策定・実施している。
主な取組は次のとおりである。
① 経営トップによるコミットメント
新年度挨拶、訓示等を通じたメッセージ発信はもちろん、特別調査委員会による調査内容の報告会及び再発防止策進捗説明会を当社各事業所で実施し、取締役社長からメッセージを発信し、質疑応答を行った。報告会・説明会当日の質問と回答及び会場外での質問と回答を社内イントラネットで公開している。
② 組織風土改革・意識改革
当社グループは、「私達は、技術と誠意で社会に役立つ価値を創造し、豊かな未来に貢献します」を企業理念として掲げ、「安全最優先」「品質の追求」「コンプライアンスの徹底」「社会との共生」を経営姿勢としている。品質不適切行為の判明を重く受け止め、改めて役員研修、PMVVワークショップ(PMVVとは、Purpose、Mission、Vision、Valueの各頭文字)、職員向けアンケート等を行い、企業理念の浸透に力を注ぎ、「求める行動」を当社グループの一人ひとりに浸透させる活動を行っている。
また、不適切行為を未然に防止するには、役職員の間に心理的安全性が確保され、お互いに注意したり賞賛しあったりできる関係が不可欠である。まず、経営層と職員の間のコミュニケーションを向上させるため、経営層と職員との懇談会や取締役社長のタウンホールミーティングを随時開催している。他方で、不正を許さない姿勢を明確に示すことも重要であるので、不適切行為に伴う懲戒処分を役職員に公表し、信賞必罰を徹底している。
③ 業務プロセスの改善
品質不適切行為があった部門を優先的に業務プロセスの是正、可視化・標準化を行い、順次運用を開始している。具体的には、事業部門・連結子会社における品質管理、品質検査、品質保証業務を明確化し、品質保証統括部がこれらの業務プロセスが適切に実施されていることを監督する。また、デジタルツールを利用した改ざん防止の仕組みづくりを推進している。
④ 品質不正防止の取組み
当社グループが生産・提供する製品やサービスにおける品質に関する法令、規制、社内規程、顧客との契約条件遵守についての指導及び監督、当社グループにおける品質保証体制の強化ならびに問題の予防・早期発見と是正措置実施により、顧客及び社会からの信頼を維持・向上することを目的として、2025年4月に品質コンプライアンス委員会を設置した。品質コンプライアンス委員会は年4回実施し、その運営状況は、コンプライアンス委員会へ報告する。また、品質相談機能を充実させるため、チャットボットを設置し、運用している。
⑤ 品質保証機能の強化
当社品質保証統括部の人員を増強し、品質不適切行為を発生させた部門及び連結子会社に対する品質保証機能強化を推進している。品質保証機能強化を効果的・効率的に進めるため、当社品質保証部門及び事業部門の責任と権限をISO9001規格に従い再整理し関連社則を改正するとともに、当社の連結子会社においても同様の目的で社内体制を再整備している。
また、品質に対する職員の知識と感度を向上させるため、品質教育にも力を注いでいる。具体的には、e-ラーニングを継続的に実施するとともに、新入職員向け教育や昇格時教育を充実させ、定期的に品質に対する意識調査を実施し、課題を洗い出し、教育内容の改善を図っている。
⑥ 取締役会の監督機能強化
品質不正再発防止推進室を設置し、再発防止策実行状況を定期的に取締役会に報告するとともに、内部通報への対応状況等コンプライアンス委員会の活動状況を定期的に取締役会へ報告している。
(5)プロジェクトリスク
当社グループは、ERMによりグループ全体のリスクの把握・管理を進めている一方で、当社グループの事業が個別受注案件の積み上げによって価値を創出する事業構造であることから、案件単位で顕在化するリスクの管理が経営上重要であると認識している。
個別案件に係るリスク(契約条件、技術的成立性、工事完工能力、製造能力等)については、当連結会計年度末現在、主としてプロジェクトリスク管理の枠組みの中で管理されているが、これらのリスクが経営成績に与える影響の大きさを踏まえ、次期連結会計年度以降、ERMとの関係性について整理を行い、経営としてのリスク認識の高度化を図ることが課題であると認識している。
当社グループの事業では、自治体や民間事業者が発行するRFP(Request for Proposalの略、日本では要求水準書又は発注仕様書と称される)に基づき設計し、調達・製造した部材や機器を投入して、建設事業者と連携して施設を建設し、引き渡す形態が多く存在する。施設等は当社グループで長期間運営する場合も多い。このようなプロジェクトにおいては、受注時の見積コストを上回る費用の発生、工程遅延による納期遅れ、あるいは技術・製品トラブル等に基づくペナルティが発生した場合には、プロジェクトの収益が悪化し、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性がある。そこで、前述のグループ全体のリスクマネジメント体制とは別に、これらのプロジェクトリスクの回避及びリスクが顕在化した場合の損失の最小化のため、次のとおりリスク管理に取り組んでいる。
① 受注時におけるプロジェクトリスク管理
プロジェクトの見積段階において、プロジェクトに関係する部門が、技術、コスト、納期、契約条件等に関するリスクの抽出及び評価を行い、対策を検討する。プロジェクトの規模や条件(輸出・海外案件、新機種・新技術を含むか否か等)を踏まえたリスクの大きさに応じ、全社リスク検討会又は事業部リスク検討会に付議され、リスク低減対策の妥当性や見積コストの妥当性について検討のうえ、所定の要件を満たす場合には、受注意思決定会議や経営戦略会議等を開催し、様々な観点からリスクを検討したうえで、受注の可否を判断する。
② 受注後におけるプロジェクトリスク管理
所定の要件を満たす大型プロジェクトについては、受注後も継続してフォローする体制を敷き、徹底した収益管理を行っている。特に重要な案件については、取締役社長が議長を務めるトップマネジメント・レビュー会議で進捗状況を確認し、必要に応じて経営幹部による指示・指導を行っている。
工事が完了した後は、プロジェクト成果報告会を開催し、各工事における成果、課題等を水平展開することで、現在進行中のプロジェクトや将来のプロジェクトの収益管理強化及びトラブルの未然防止を図っている。
③ 海外子会社が受注したプロジェクトのリスク管理
当社の連結子会社のうち、Kanadevia Inova AG.、Osmoflo Holdings Pty Ltd.、NAC International Inc.等の主要な海外子会社のプロジェクトについては、その規模や契約条件等に鑑み、大きなリスクが想定される場合には、当社の経営戦略会議の事前承認を受けることを義務付けている。さらに、Kanadevia Inova AG.については、プロジェクトの進捗状況、収益状況等をタイムリーに把握するために、モニタリング組織を同社内に設置し、当社から人員を派遣して個別のプロジェクトのリスク管理体制を強化している。
(6)その他のリスク
上記の他、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があるその他のリスクについて、投資家の理解に資する観点から、以下のとおり補足する。
(a) 金利上昇及び為替変動リスク
:当社グループは、有利子負債の削減を軸に財務体質の強化を進めるとともに、社内管理規程に基づき、金利変動リスク及び為替変動リスクをヘッジしているが、想定以上の金利上昇や為替変動が発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に悪影響を与える可能性がある。
(b) 固定資産の減損リスク
:当社グループが保有する固定資産について、時価が著しく下落した場合や事業の損失が継続するような場合には、固定資産の減損損失の計上により、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。
(c) 繰延税金資産の回収可能性
:当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の課税所得を合理的に見積も
った上で回収可能性を判断し、繰延税金資産を計上している。将来の課税所得については、経営環境の変
化などを踏まえ適宜見直しを行っているが、結果として繰延税金資産の全額または一部に回収可能性がな
いと判断し、繰延税金資産の取崩しが必要となった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響
を及ぼす可能性がある。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、経営成績等という。)の概要は次のとおりである。
①経営成績
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科目 |
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
前期比 (百万円) |
前期比(%) |
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売上高 |
610,523 |
645,222 |
34,699 |
5.7 |
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営業利益 |
26,946 |
12,192 |
△14,754 |
△54.8 |
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経常利益 |
24,329 |
13,621 |
△10,708 |
△44.0 |
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親会社株主に 帰属する当期純利益 |
22,103 |
11,137 |
△10,965 |
△49.6 |
当連結会計年度の経済情勢について、景気は緩やかに回復しており、先行きについても、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるが、中東情勢の影響を注視する必要がある。また、金融資本市場の変動の影響や米国の通商政策をめぐる動向等に注意する必要がある。
こうした中で、当社グループでは、2023年度からスタートした中期経営計画「Forward 25」のもと、既存事業の持続的成長、成長事業の創出・拡大、持続可能な経営の推進(企業価値向上)を基本方針として、各種重点施策を鋭意推進してきた。
当連結会計年度の経営成績については、売上高は主に環境部門の増加により、前連結会計年度に比べ34,699百万円(5.7%)増加の645,222百万円となった。
損益面では、営業利益は、主に環境部門の悪化により、前連結会計年度に比べ14,754百万円(54.8%)減少の12,192百万円となった。これに伴い、経常利益は、前連結会計年度に比べ10,708百万円(44.0%)減少の13,621百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益については、前連結会計年度に比べ10,965百万円(49.6%)減少の11,137百万円となった。
②財政状態
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科目 |
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
前期比 (百万円) |
前期比(%) |
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連結総資産 |
609,666 |
718,640 |
108,973 |
17.9 |
|
流動資産 |
357,114 |
423,152 |
66,038 |
18.5 |
|
固定資産 |
252,532 |
295,427 |
42,895 |
17.0 |
|
負債の部 |
411,771 |
515,239 |
103,468 |
25.1 |
|
純資産の部 |
197,895 |
203,400 |
5,504 |
2.8 |
当連結会計年度末の財政状態について、連結総資産は前連結会計年度末に比べ108,973百万円増加の718,640百万円となった。このうち、流動資産は、前連結会計年度末の357,114百万円から66,038百万円(18.5%)増加し、423,152百万円となった。これは、主として受取手形、売掛金及び契約資産の増加によるものである。固定資産は、前連結会計年度末の252,532百万円から42,895百万円(17.0%)増加し、295,427百万円となった。これは、主として当連結会計年度にKanadevia Inova Ireland Ltd.及びKanadevia Inova Biogas Veendam B.V.を連結の範囲に含めたことによるものである。
負債の部は、前連結会計年度末の411,771百万円から103,468百万円(25.1%)増加し、515,239百万円となった。これは、主として契約負債及び有利子負債の増加によるものである。
純資産の部は、前連結会計年度末の197,895百万円から5,504百万円(2.8%)増加し、203,400百万円となった。これは、主として利益剰余金の増加によるものである。
③キャッシュ・フローの状況
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科目 |
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
前期比 (百万円) |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
24,769 |
11,647 |
△13,122 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
△56,573 |
△48,035 |
8,537 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
30,150 |
41,544 |
11,393 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
68,707 |
77,304 |
8,597 |
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動及び財務活動により獲得した資金が、投資活動により使用した資金を上回ったことにより、前連結会計年度末に比べ8,597百万円(12.5%)増加の77,304百万円となった。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は、前連結会計年度を13,122百万円(53.0%)下回る11,647百万円となった。これは、主として税金等調整前当期純利益の計上等を反映したものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、前連結会計年度を8,537百万円(15.1%)下回る48,035百万円となった。これは、主として固定資産の取得による支出及び子会社株式の取得による支出等を反映したものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により獲得した資金は、前連結会計年度を11,393百万円(37.8%)上回る41,544百万円となった。これは、主として借入金の増加等を反映したものである。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
環境 |
512,489 |
12.0 |
|
機械・インフラ |
117,584 |
△1.8 |
|
脱炭素化 |
71,754 |
△0.9 |
|
その他 |
17,986 |
0.9 |
|
合計 |
719,814 |
7.8 |
(注)金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去している。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
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セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高 (百万円) |
前期比(%) |
|
環境 |
726,027 |
17.6 |
2,142,689 |
11.5 |
|
機械・インフラ |
89,479 |
△1.9 |
83,307 |
33.7 |
|
脱炭素化 |
79,951 |
48.0 |
58,306 |
22.5 |
|
その他 |
2,280 |
△31.6 |
464 |
△0.9 |
|
合計 |
897,739 |
17.2 |
2,284,768 |
12.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去している。
2.受注残高の前期比の算出にあたっては、為替レート変動による影響額を前期末受注残高において修正している。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
環境 |
505,230 |
11.4 |
|
機械・インフラ |
68,468 |
△17.5 |
|
脱炭素化 |
69,238 |
△1.4 |
|
その他 |
2,284 |
△40.1 |
|
合計 |
645,222 |
5.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去している。
2.主な相手先別の販売実績については、総販売実績に対し10%以上に該当する販売先がないため、記載を省略している。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しており、連結財務諸表の作成に当たっての重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載している。
また、工事契約に係る収益認識、貸倒引当金、保証工事引当金及び工事損失引当金等の重要な引当金の計上、固定資産の減損ならびに繰延税金資産の回収可能性の判断などの見積りについては、それぞれ合理的な基準に基づいて実施している。連結財務諸表作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載している。
②当連結会計年度の経営成績の分析
a.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度は、期初時点の見通しと比較して、売上高は計数目標を達成することができたが、海外環境子会社及びインフラ事業における収益悪化により、利益項目は未達となった。
一方、SDGs(持続可能な開発目標)の概念が世界的に広がり、持続可能な開発・循環型社会の実現に向けて社会は動き出している。この動きは、事業・製品を通じてサステナブル(持続可能)で、安全・安心な社会の実現に貢献するという当社グループの事業の方向性と一致している。
こうした状況を踏まえ当社は、2023年度を初年度とする3か年の中期経営計画「Forward 25」を実施してきた。
詳細は「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営方針、経営戦略等」に記載している。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(財務戦略の基本的な考え方)
当社グループは、流動性の確保と財務体質の強化を基本方針として掲げている。
流動性の確保については、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の短縮等による営業キャッシュ・フローの底上げ、国内のグループ会社間でのキャッシュマネジメントシステムによるグループ内の余剰資金の有効活用により、流動性確保、資金効率化を図っている。また、資本市場へのアクセスの継続等により、長期安定資金の確保に対応するとともに、国内金融機関においてコミットメントライン300億円を設定し、マーケット環境の一時的な変化等不測の事態にも対応できる体制を整えている。
財務体質の強化については、格付向上を目指し、自己資本の更なる充実と有利子負債のコントロールに努めていく。
当社グループは、グローバルな社会課題を背景とする構造的な成長機会を捉え、資源循環・エネルギー供給を担う環境インフラ企業としての成長を目指している。その実現に向け、戦略的な事業投資および開発投資の着実な実行に加え、事業ポートフォリオ改革を加速させることで、成長事業の創出と拡大を一層推進していく。
また、成長投資を推進する一方で、財務健全性の維持・向上との両立を図り、成長に応じた増配および予見性の高い安定的な株主還元を継続的に実施することにより、企業価値の向上に努めていく。
(資金調達に関する考え方)
当社グループは、流動性の確保と資金調達の多様化を目的とし、金融機関からの借入およびグリーンボンドを含む社債発行による調達を行っている。地球温暖化対策や再生可能エネルギー等の事業に取り組む当社グループでは、今後もグリーンボンドをはじめとするグリーンファイナンスを積極的に活用していく。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、2023年度からスタートした中期経営計画「Forward 25」にて、2030年度は売上高900,000百万円レベル、2030年度営業利益率10%の目標を掲げている。2026年度は、売上高640,000百万円、営業利益25,500百万円となる見通しである。
また、中東情勢、金融資本市場の変動及び米国の通商政策等の影響が今後さらに拡大する、もしくは影響が長期化するといった状況になれば、収益目標の達成にマイナスの影響が生じるリスクがあるものの、現時点ではそうした影響を織り込んでいない。
d.セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
|
セグメント |
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
前期比 (百万円) |
|||
|
売上高 |
営業利益 |
売上高 |
営業利益 |
売上高 |
営業利益 |
|
|
環境 |
453,471 |
25,403 |
505,230 |
16,707 |
51,758 |
△8,696 |
|
機械・インフラ |
82,989 |
1,016 |
68,468 |
△2,416 |
△14,521 |
△3,433 |
|
脱炭素化 |
70,247 |
101 |
69,238 |
△2,467 |
△1,008 |
△2,568 |
|
その他 |
3,814 |
496 |
2,284 |
412 |
△1,529 |
△83 |
|
セグメント計 |
610,523 |
27,018 |
645,222 |
12,236 |
34,699 |
△14,782 |
|
調整額 |
- |
△72 |
- |
△44 |
- |
28 |
|
合計 |
610,523 |
26,946 |
645,222 |
12,192 |
34,699 |
△14,754 |
(環境)
売上高は、海外子会社の売上増加により、前連結会計年度に比べ51,758百万円(11.4%)増加の505,230百万円となった。
セグメント利益は、高採算案件の減少及び海外子会社の技術トラブルの影響等により、前連結会計年度に比べ8,696百万円(34.2%)減少の16,707百万円となった。
(機械・インフラ)
売上高は、プレス事業の売却により、前連結会計年度に比べ14,521百万円(17.5%)減少の68,468百万円となった。
セグメント損益は、インフラの収益悪化等により、前連結会計年度に比べ3,433百万円悪化し、2,416百万円の損失計上となった。
(脱炭素化)
売上高は、風力発電の減少等により、前連結会計年度に比べ1,008百万円(1.4%)減少の69,238百万円となった。
セグメント損益は、プロセス機器の収益悪化等により、前連結会計年度に比べ2,568百万円悪化し、2,467百万円の損失計上となった。
(その他)
売上高は前連結会計年度に比べ1,529百万円(40.1%)減少の2,284百万円、セグメント利益は83百万円(16.9%)減少の412百万円となった。
(1)技術受入契約
|
契約会社名 |
契約の相手方 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
|
国籍 |
名称 |
||||
|
カナデビア㈱ |
スイス |
Kanadevia Inova AG.(連結子会社) |
塵芥焼却装置 |
1.産業財産権の実施権の設定 2.技術情報の提供 3.製造権及び販売権の許諾 |
2003年8月から 2026年9月まで |
|
カナデビア㈱ |
ドイツ |
Everllence SE |
Everllence B&W 型ディーゼル機関 |
1.産業財産権の実施権の設定 2.技術情報の提供 3.製造権及び販売権の許諾 |
1981年7月から 2031年12月まで |
(2)連結子会社(日立造船マリンエンジン㈱)株式の譲渡
当社は、2026年2月5日開催の取締役会において、当社の連結子会社である日立造船マリンエンジン㈱(以下「HZME」)の当社が保有する株式の一部を、同じくHZMEの株主である今治造船㈱(以下「今治造船」)に譲渡すること(以下「本件株式譲渡」)を決定し、同日、株式譲渡契約を締結した。これにより、HZMEは当社の連結子会社から持分法適用関連会社に変更となった。
この株式譲渡契約の概要は次のとおりである。
①本件株式譲渡の理由
HZMEは、今治造船と共同出資のもと、舶用原動機の安定的供給、販売供給網、資材調達力及びカーボンニュートラルにかかる開発等を強化することを目的に、当社舶用原動機事業を分社化した会社である(2022年11月24日付設立、2023年4月1日付で吸収分割により当社舶用原動機事業を承継、同日付で第三者割当増資により今治造船から出資受入)。
政府は、造船業を経済安全保障上の重要分野と位置付け、「造船業再生ロードマップ」を策定し、2035年までに約1兆円規模の投資を実現、建造量を現在の約2倍となる1,800万総トンへ拡大する目標を掲げており、このような政策動向を背景に、造船業界を取り巻く事業環境は、今後一層変化が激しくなることが想定される。こうした環境変化に対応するためには、スピード感をもって設備投資及び事業拡張を進めていくことが重要であると認識し、HZMEの更なる成長及び企業価値向上を図る観点から、造船業を主たる事業とする今治造船に当社保有株式の一部を譲渡することを決定した。
②本件株式譲渡の内容
ア. 異動する子会社(HZME)の概要
名称 :日立造船マリンエンジン株式会社
所在地 :熊本県玉名郡長洲町大字有明1番地
代表者の役職・氏名 :取締役社長 竹中 俊哉
事業内容 :舶用原動機の新造事業及びアフターサービス事業
資本金 :1,750百万円
設立年月日 :2022年11月24日
イ. 本件株式譲渡の相手先(今治造船)の概要
名称 :今治造船株式会社
所在地 :愛媛県今治市小浦町1丁目4番 52 号
代表者の役職・氏名 :代表取締役 檜垣 幸人
事業内容 :船舶の製造
資本金 :30,000百万円
設立年月日 :1942年1月15日
ウ. 譲渡株式数及び譲渡前後の所有株式の状況
譲渡前の所有株式数 :65,000株(持株比率:65%)
譲渡株式数 :25,000株
譲渡後の所有株式数 :40,000株(持株比率:40%)
③本件株式譲渡の実行日
2026年3月31日
(3)全固体電池事業の譲渡
当社は、2026年3月4日開催の取締役会において、当社の全固体電池事業をスズキ㈱(以下「スズキ」)に譲渡すること(以下「本件事業譲渡」)を決定し、同日、事業譲渡契約を締結した。
この事業譲渡契約の概要は次のとおりである。
①本件事業譲渡の理由
当社は、2006年より全固体電池の開発に取り組んできた。当社製全固体電池「AS LiB®」は、独自に開発した
乾式製法により、液漏れのない高い安全性、優れた耐環境性、広い温度域での動作を実現し、宇宙や高温・真空
状態といった特殊環境向け用途に強みを有している。 2022年3月には、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機
構(以下、「JAXA」という。)との共同実証研究において、国際宇宙ステーション(ISS)を構成する「きぼ
う」日本実験棟の船外に、AS-LiB®(140mAh タイプ)を基にした全固体電池軌道上実証装置を設置し、世界で初
めて宇宙曝露空間での充放電動作の確認に成功した。2024年には、JAXAより「宇宙飛行証明書(Certificate
of Space Flight)」を受領している。さらに、2023年には、半導体製造装置向け用途で商業ベースの受注を獲
得し、1,000mAhタイプの開発と並行して、全固体電池事業の本格展開を進めてきた。 一方、近年は全固体電池
分野における開発競争が一段と激化しており、AS-LiB®のさらなる性能 向上、量産体制の構築、販売強化を迅速
に進める必要が高まっている。当社では多様なパートナーシップの可能性を検討してきたが、EVを代表とする電
動モビリティ及びリチウムイオン電池の開発をしているスズキに事業を引き継ぐことが、当社の全固体電池技術
をより一層発展させ、産業界の成長に寄与すると判断し、本事業譲渡を決定した。
②本件事業譲渡の内容
ア.譲渡事業の内容
全固体電池事業(全固体電池の技術開発、設計、販売など)
イ. 相手先(スズキ)の概要
名称 :スズキ株式会社
所在地 :静岡県浜松市中央区高塚町300番地
代表者の役職・氏名 :代表取締役社長 鈴木 俊宏
事業内容 :四輪車・二輪車・船外機・電動車いす等の製造・販売等
資本金 :138,370百万円
設立年月日 :1920年3月15日
③本件事業譲渡の実行日
2026年7月1日
(4)連結子会社(㈱ブイテックス)株式の譲渡
当社は、2026年3月26日開催の取締役会において、当社の連結子会社である㈱ブイテックス(以下「ブイテックス」)の当社が保有する全株式を、㈱キッツ(以下「キッツ」)に譲渡すること(以下「本件株式譲渡」)を決定し、同日、株式譲渡契約を締結した。
この株式譲渡契約の概要は次のとおりである。
①本件株式譲渡の理由
本件株式譲渡の対象であるブイテックスは、創立以来、各分野において、一貫して特殊バルブの開発・生産
を行ってきた。IT分野、特に半導体、FPD(液晶、有機ELパネル)、薄膜ソーラーパネル、ハードディスクの製
造に使用されるブイテックスの真空バルブは、クリーンなバルブとして幅広く採用されている。また、ブイテッ
クスは、日本で唯一のラプチャーディスクメーカーとして多くの実績を有している。半導体向け真空バルブ市場
は、技術革新の進展に伴い競争が激化する一方、特定企業が高い市場シェアを有しており、半導体製造装置メー
カーからは安定供給確保の観点からセカンドサプライヤーへの要請が高まっている。また、国内では、半導体供
給網の強化や次世代技術開発を通じた国内企業の競争力向上が政策的に推進されている。加えて、近年は海外投
資に対する審査体制の強化を背景に、国内企業間の連携による事業基盤の強化が求められている。
当社においては、中期経営計画「Forward 25」の重点施策のひとつとして「事業構造改革の推進」を掲げ、
事業ポートフォリオ・マネジメントを進めており、各事業については、全社ビジョンとの整合性及び企業価値へ
の貢献度を総合的に評価し、「選択と集中」に基づく最適な経営資源配分を実施することで、持続的な成長と中
長期的な企業価値向上に取り組んでいる。
こうした状況及び当社方針を踏まえ、当社は、ブイテックスの継続的な成長、事業運営体制の強化さらには将
来的な技術開発力の増強を実現する上で、バルブを中心とする流体制御用機器・装置の総合メーカーのキッツが
最適であると判断し、当社が保有するブイテックス株式の全てを同社に譲渡する本件株式譲渡を決議した。業界
の事業特性を十分に理解し、バルブ業界における国内最大手であるキッツとともに、ブイテックスの企業価値
が更に向上できるものと考えている。
②本件株式譲渡の内容
ア. 異動する子会社(ブイテックス)の概要
名称 :株式会社ブイテックス
所在地 :東京都品川区南大井6-21-12 大森プライムビル5F
代表者の役職・氏名 :取締役社長 中村 豪志
事業内容 :産業用特殊バルブの開発・製造、ラプチャーディスク(破裂
板)の製造
資本金 :443百万円
設立年月日 :1949年5月7日
イ. 本件株式譲渡の相手先(キッツ)の概要
名称 :株式会社キッツ
所在地 :東京都港区東新橋一丁目9番1号 東京汐留ビルディング
代表者の役職・氏名 :取締役 代表執行役社長 河野 誠
事業内容 :バルブ及びその他の流体制御用機器並びにその付属品の製造・
販売
資本金 :21,207百万円
設立年月日 :1951年1月26日
ウ. 譲渡株式数、譲渡価額及び譲渡前後の所有株式の状況
譲渡前の所有株式数 :886,400株(持株比率:100%)
譲渡株式数 :886,400株
譲渡価額 :9,198百万円
譲渡後の所有株式数 :0株(持株比率:0%)
③本件株式譲渡の実行日
2026年6月1日
当社グループ(当社及び連結子会社)においては、中期経営計画「Forward 25」のもと、環境や機械・インフラ、脱炭素化の各事業に注目して、現有製品の高度化、及び新製品開発に取り組んできた。
当社グループの研究開発体制としては、当社開発本部の下に、開発企画統括部を設けて開発戦略の構築と新規事業の企画を推進するとともに、技術研究所を設けて当社グループの技術基盤となる研究開発を行い、また既存事業領域以外の分野として、全固体リチウムイオン電池の事業化推進に取り組む電池事業推進室を開発企画統括部に設置して、開発・事業化などに取り組んできた。さらに、各事業本部の下に開発センターを設けて、製品開発段階にある開発テーマの事業化に取り組んできた。
当連結会計年度における研究開発費は、
(セグメントごとの主な研究開発活動)
環境部門では、当社がごみ処理における地球環境問題への取組みとして、NEDOのグリーンイノベーション基金事業において、「CO2高濃度化廃棄物燃焼技術の開発」において、実証試験設備の建設を進めている。また、火格子材料の実機検証や新自動燃焼制御システム「Autaro」の実証を連結海外子会社とともに行ったほか、ごみ収集に係る輸送の運営や安全ツールなど、DX・AI技術を組み込んだ製品開発を行った。一方で、水処理分野では、国土交通省の下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)「下水汚泥消化ガスのEx-situ型バイオメタネーション反応技術に関する調査事業」においてフィールド試験が開始され十分な成果が得られており、さらなる実証規模への検討を開始した。その他、ケミカルサイクル関連などの開発も行っている。なお、当部門にかかる研究開発費は、
機械・インフラ部門では、機械分野において、市場の拡大や継続性が見込める分野に着目し、半導体分野などの精密機械関連の開発を行っている。また、生産工場のDX化のためにSPring8Ⅱ向けの生産管理システムを構築し、今後社内展開していく。一方でインフラ分野においては、水力発電設備の水圧鉄管更新工事の工期短縮・熟練技能に代わる自動溶接ロボットを開発し、実運用に進める段階にある。防災分野においてはフラップゲート式水害対策設備の新型NeoRiseを開発し、都市型水害対策に幅広く対応することを目指している。さらに、社会システムのイノベーションを目指したAIソリューション展開を図る医療診断支援システムなどの種々の開発を推進している。なお、当部門にかかる研究開発費は、
脱炭素化部門では、当社が、NEDOのグリーンイノベーション基金事業として採択された4つの事業「触媒とエンジン改良によるLNG燃料船からのメタンスリップ削減技術の開発」「アンモニア燃料船搭載のN2Oリアクタ開発」「大規模PEM型水電解装置の開発、熱需要の脱炭素化実証」「浮体式洋上風力実証事業(フェーズ2)」にて、触媒によりメタンを酸化させるシステム、N20を除去するリアクタや水電解装置の大型化・モジュール化及び大型風車を用いた実海域での実証など各開発に取り組んだ。また、連結海外子会社とともにCO2を原料としたメタネーション技術の開発が順調に進捗した。なお、当部門にかかる研究開発費は、
その他部門では、当社の技術研究所が、流体や構造、材料等の数値シミュレーション、AI及びIoTの各種製品への適用技術開発、スマート工場化に向けた自働化技術開発、デジタルエンジニアリングを活用した技術基盤の強化と先端技術導入を図り、製品の競争力向上を推進した。加えて、連結海外子会社とともにカーボンニュートラルに資する燃料合成や水電解装置の性能向上などの開発を実施した。また全固体リチウムイオン電池のエネルギー密度などの性能向上、かつ生産効率の向上に対する開発に取り組んだ。なお、当部門にかかる研究開発費は