以下の記載事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
(1) 経営方針
当社グループは、パワー、インダストリー&社会基盤、防衛・宇宙、航空機等、社会を支える様々な分野で、卓越した技術力に裏付けされた信頼できる製品・サービスの提供を通して、人々が安全で豊かな生活を営める社会の進歩に貢献することを経営の基本方針としている。
この基本方針に基づき、経営の基盤となる技術力・ものづくり力の向上、伸長事業への設備投資や研究開発、人材等の経営資源の集中、急速に進展するグローバル化への対応等の施策を実施し、事業体質の一層の強化に努めている。
(2) 経営戦略等
当社グループは、中期経営計画「2015事業計画」の下、「たゆみない技術力の強化と研鑽、経営の革新及び変化と多様性への適応により、世界の発展に貢献し、共に成長を続ける企業」をめざして、「事業規模拡大加速によるグローバル競争力強化」、「財務基盤の更なる強化と高収益性追求」、「企業統治と経営プロセスのグローバル適合推進」の基本方針に基づき、各種施策を強力に推進してきた。
当社グループが、今後も持続的に成長していくためには、事業規模拡大によりグローバル競争力を強化していく必要があり、5兆円超の事業規模の実現をめざしてきた。また、事業成長及び大きな変革に備えるために自己資本の積増しによる財務基盤の強化を図るとともに、収益性の向上によるROE10%以上の達成を目標としてきた。
(3) 対処すべき課題
当社グループは、平成30年度を初年度として中期経営計画「2018事業計画」をスタートさせている。「2018事業計画」では、事業成長性と財務健全性のバランスを取った経営により、長期安定的に企業価値を向上させることをめざして、「グローバル水準の持続性と成長力を有する企業体格の実現」、「事業構造改革の定着」、「長期ビジョンに基づく成長戦略の推進」の基本方針に基づき、以下の施策を強力に推進していく。
ア. グローバル企業としての成長
当社グループは、これまでの取組みにより財務基盤の強化が計画以上に進捗したことを踏まえ、「2018事業計画」では成長投資に資金を重点的に配分し、「2015事業計画」期間で4兆円規模にとどまった事業規模を5兆円まで拡大することをめざしていく。一方で、事業成長性と財務健全性とのバランスも重視し、事業ポートフォリオの継続的な組替え、既存事業の効率化・生産性の向上にも取り組んでいく。このバランスは、TOPという当社グループ独自の指標で評価していく。TOPは、売上高、総資産、時価総額の比率を1:1:1(Triple One Proportion)にすることであり、株主・投資家や顧客の価値実現の視点で、収益性・資産効率性・財務健全性のそれぞれに配慮した経営を進めていく。これにより、事業規模の更なる拡大を図るとともに、事業成長性と財務健全性の双方のバランスを確保しながら、長期安定的な企業価値の向上をめざしていく。
イ. 事業構造改革の定着
当社グループは、戦略的事業評価制度やドメイン制・SBU*1制の導入、事業ポートフォリオの見直し、事業部門の分社化、シェアードテクノロジー部門の整備等、様々な事業構造改革をこれまで進めてきた。「2018事業計画」では、これらの構造改革をより一層定着させるため、グローバル経営を強化していくとともに、企業文化の醸成と人材の育成にも取り組んでいく。
当社グループの持続的な成長を実現するには、海外事業をこれまで以上に伸長させる必要がある。そのために、グローバル本社、事業部門、コーポレート部門・シェアードテクノロジー部門、地域統括会社がそれぞれ密接に連携し、当社グループ全体の中長期的な成長戦略と地域の特性に応じた戦略の双方を効果的に遂行するグローバル経営をめざしていく。また、こういったグローバル経営を支えるため、若手から中堅社員の改善活動を通じて組織を活性化させ、多様な人材が活き活きと働くことができる各種制度の整備を進めていくとともに、グローバル人材の確保・育成にも注力していく。
*1 Strategic Business Unit(戦略的事業評価制度における事業単位)
ウ. MHI Future Stream
AI*2やIoT*3などの技術革新、低炭素化、再生可能エネルギーへの転換など、当社グループを取り巻く事業環境は非常に早いスピードで変化している。この激しい変化の中で、当社グループは、現在そして近未来の社会が直面する複雑で困難な課題を解決していくとともに、さらにその先にある未来に向けて、社会の発展に合わせて絶え間ない変革と貢献を継続し、常に人類・社会に求められる存在であり続けることを追求していく。そのため、メガトレンドの中から長期的な将来社会像を捉え、当社グループにとっての事業機会と脅威の抽出・分析を行い、中長期的な視点で既存事業の転換や新規事業の創出に取り組む活動として、「MHI Future Stream」を本格始動する。この活動では、事業部門とコーポレート部門の連携に加えて、社内外の知見の積極的な活用も進めていく。
*2 Artificial Intelligence(人工知能) *3 Internet of Things(モノのインターネット)
エ. 火力発電システム事業の構造転換
火力発電システム事業では、受注済みの大型石炭焚き火力発電プラントの工事が進捗していくため、売上高はしばらく順調に推移していくが、平成33年以降は石炭火力発電関連の事業規模が減少する見通しである。また、事業の大きな柱である大型ガスタービン事業についても当面は厳しい市場環境が予想される。
このような状況を踏まえ、「2018事業計画」では、受注済み工事を効率的に遂行して収益改善に取り組むとともに、ガスタービン・サービス事業の拡大にも注力していく。また、将来の石炭火力発電事業の規模縮小に備え、サービス事業への人員の再配置や職種転換などを実施するほか、当社グループが得意とするモノづくりにAIやIoTなどのソフトウェア技術を組み合わせて製品やサービスのラインナップを拡充し、トータルソリューション提供型ビジネスへの事業構造の転換を推進していく。
オ. MRJ事業の再構築
現在開発中のMRJは、型式証明の取得と平成32年半ばのローンチカスタマーへの量産初号機の引渡しに向け、開発やカスタマーサポート体制の構築を加速していく。また、MRJ事業の長期的な継続性を補強するため、「2018事業計画」の期間中には、三菱航空機株式会社の資本の増強、量産に向けた民間航空機事業との連携の促進、北米市場へ投入する主力モデル(MRJ70)の開発の本格化といった抜本的な強化策も推進する。
カ. 中量産品事業の強化・拡大
これまで当社グループにおいては、MRJをはじめ、投資回収に非常に長い期間を要する事業に重点的にリソースを配分していた。「2018事業計画」では、ここ数年で事業規模と収益を堅調に向上させている中量産品事業にも十分なリソースを投入して、事業の拡大と投資回収期間の短縮を図っていく。一方で、中量産品事業は、景気変動の影響を受けやすいため、中長期的なリソース配分との最適なバランスを維持しながら、当社グループ全体での安定的な成長を追求していく。
当社グループは、以上の諸施策に加え、今後もコンプライアンスやCSR(企業の社会的責任)を経営の重要課題としつつ、より一層の企業価値向上を図るとともに、社会の持続的発展に貢献していく。
当社グループ(当社及び連結子会社)を取り巻くリスク要因には、為替変動・金利等の経済リスク、貿易制限・カントリーリスク等の政治リスク、製造物責任等の法務リスク、自然災害・事故等の災害リスク、株価変動・投資等の市場リスクをはじめ様々なものがあるが、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。
なお、記載事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
(1) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の変動に係る事項
ア.経済情勢
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」という。)は、日本及び世界各国・地域の経済情勢変動の影響を受ける可能性がある。日本では民間設備投資等の推移、海外では米国・欧州や新興国の経済情勢の変動が挙げられるが、複雑化する今日の世界経済の下では、必ずしも当社グループが事業を展開している当該国又は地域経済の情勢のみの影響を受けるとは限らない。
イ.輸出・海外事業
当社グループは、世界各国・地域における輸出・海外事業の拡大を図っているが、部品の現地調達や現地工事に伴う予期しないトラブル、納期遅延や性能未達による契約相手方からの請求、契約相手方のデフォルト等の要因が、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性がある。さらに、当社グループは、新興国での総合的なインフラ整備等に積極的に参画するなど、新たなビジネスモデルの構築・拡大に取り組んでいるが、各国政府が民間企業を主導して新興国を中心とした大規模インフラ開発案件の受注活動に力を入れており、激しい競争に必ず勝ち残るという保証はない。
ウ.為替レートの変動
当社グループの輸出・海外事業の取引は、主に米ドルやユーロ等の外貨建てで行われており、為替レートの変動が当社グループの競争力に影響を与える可能性がある。また、国内事業においても為替レートの変動による海外競合企業のコスト競争力の変化により、当社グループの競争力に影響が生じる可能性がある。さらに、国内競合企業と当社グループの為替レート変動に対する影響度合いが異なる場合は、国内外における当該企業との競争力にも影響が生じる可能性がある。当社グループは外貨建て取引にあたり、資材の海外調達拡大による外貨建て債務の増加及び為替予約等によりリスクヘッジに努めているが、為替レートの変動は当社グループの経営成績等に影響を与える可能性がある。
エ.資金調達
当社グループは、将来見通しも含めた金利動向を勘案して資金調達を実施しており、低利・安定資金の確保に努めているが、金利の大幅な変動をはじめとする金融市場の状況変化は、将来における当社グループの経営成績等に影響を与える可能性がある。
オ.退職給付費用及び債務
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上設定した前提条件に基づいて算出しており、その主要な前提条件は退職給付債務の割引率及び年金資産の長期期待運用収益率である。これらの前提条件は妥当なものと判断しているが、実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合は、将来にわたって当社グループの経営成績等に影響を与える可能性がある。また、年金資産の運用利回りの変動や割引率決定の基礎となる優良社債利回りの変動は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性がある。
(2) 特定取引先への依存等に係る事項
ア.M&A・アライアンス
当社グループは、多くの製品事業について、他社とのM&A・アライアンスを通じて、その強化・拡大を図っているが、市場環境の変化、事業競争力の低下、他社における経営戦略の見直し、その他予期せぬ事象等を理由として、これらのM&A・アライアンスが目論見どおり実現できない場合、当社グループの事業に影響を与える可能性がある。
なお、当社は、平成29年7月に、株式会社日立製作所(以下「日立」)との火力発電システムを主体とする事業統合に関して、Mitsubishi Hitachi Power Systems Africa Proprietary Limitedが譲渡を受けた南アフリカ共和国でのボイラ建設プロジェクトに係る譲渡価格調整金等の支払を求め、日立を被申立人とする仲裁を申し立てた。
イ.資材調達
当社グループの事業活動には、原材料、部品、機器及びサービスが第三者から適時・適切に、かつ十分な品質及び量をもって供給されることが必要である。このうち一部の原材料・部品等については、その特殊性から調達先が限定されているものや調達先の変更が困難なものがあり、これら原材料・部品等の品質上の問題、供給不足、納入遅延及び災害に伴う生産停止等の発生は、当社グループの事業に影響を与える可能性がある。また、需給環境の変化等による原材料・部品等の供給価格の高騰は、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。
(3) 特定製品・技術に係る事項
ア.製品競争力
当社グループは、性能・信頼性・価格面で常に顧客から高い評価を得るよう、更には市場の動きを先取りした新たな機能やソリューションを提案できるよう、研究開発や設備投資を中心にした製品競争力の強化を進めているが、国内外の競合企業において当社グループのそれを上回る製品競争力の強化が行われるなどした場合には、当社グループの事業に影響を与える可能性がある。
イ.製品の品質等
当社グループは、製品の品質や信頼性の向上に常に努力を払っているが、製品の性能、納期上の問題や製品に起因する安全上の問題について契約相手方やその他の第三者から国内外で請求を受け、また訴訟等を提起される可能性がある。これらについて、当社グループが最終的に支払うべき賠償額が製造物責任賠償保険等で補填されるという保証はない。また、製品の仕様変更や工程遅延等に起因するコスト悪化が、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性がある。
ウ.知的財産
当社グループは、研究開発の成果である知的財産を重要な経営資源の一つと位置づけ、この経営資源を特許権等により適切に保全するとともに、第三者への技術供与や第三者からの技術導入を行っている。しかしながら、必要な技術導入を第三者から必ず受けられる(又は有利な条件で受けられる)という保証はない。また、知的財産の利用に関して競合企業等から訴訟等を提起され敗訴した場合、特定の技術を利用できなくなり、また損害賠償責任を負い、事業活動に支障をきたすおそれがある。従業員又は元従業員から、職務発明の対価に関する訴訟が提起されないという保証はない。
(4) 法的規制に係る事項
ア.法令・規制
当社グループは、国内外で各種の法令・規制(租税法規、環境法規、労働・安全衛生法規、独占禁止法・反ダンピング法等の経済法規、贈賄関連法規、貿易・為替法規、建設業法等の事業関連法規、金融商品取引所の上場規程等)に服しており、当社グループでは法令遵守の徹底を図っている(「第4 提出会社の状況」の「6 コーポレート・ガバナンスの状況等」に当社の状況を記載)。法令・規制に関しては、当社グループは、当局等による捜査・調査の対象となるほか、当局等から過料、更正、決定、課徴金納付、営業停止等の行政処分若しくはその他の措置を受け、また当局やその他の利害関係者から損害賠償請求訴訟等を提起される可能性がある。
なお、平成25年9月に、当社が米国司法省との間で、特定の顧客向けのカーエアコン用コンプレッサ及びコンデンサに係る販売に関して米国独占禁止法に違反した事実があったことを認め、司法取引に合意したことに関連して、当社及び当社の子会社を含む複数の事業者に対し民事賠償を求める訴訟が北米において提起され、これに対応している。
イ.環境規制
当社グループは、大気汚染、水質汚濁、土壌・地下水汚染、廃棄物処理、有害物質の使用、省エネルギー及び地球温暖化対策等に関し、国内外において各種の環境規制に服している。これらの規制が将来厳格化された場合や、過去、現在及び将来の当社グループの事業活動に関係し、法的責任に基づき賠償責任を負うこととなった場合、また社会的責任の観点から任意に有害物質の除去等の対策費用を負担するなどした場合は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性がある。
(5) 従業員、関係会社等に係る事項
ア.人材の確保
当社グループの競争力は、研究開発、設計、調達、製造、建設等の各職種における優れた専門的知識や技能を持った従業員により支えられている。当社グループは、グローバルな事業活動を一層進める中で優秀な人材を多数確保するため、国内に加え海外でも積極的な採用活動を行っているが、必ずしも十分に確保できる保証はない。また、技術・技能伝承の強化等、人材の育成にも努めているが、十分な効果が出るという保証はない。
イ.関係会社
当社の連結子会社、持分法適用非連結子会社、持分法適用関連会社は、当社と相互協力体制を確立している一方、自主的な経営を行っているため、これら関係会社の事業や業績の動向が、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性がある。
(6) その他の事項
ア.災害
当社グループは、暴風、地震、落雷、洪水、火災、感染症の世界的流行(パンデミック)等の各種災害に対して損害の発生及び発生時の損害の拡大を最小限におさえるべく、点検・訓練の実施、連絡体制・事業継続計画(BCP)の整備に努めているが、このような災害による物的・人的被害及び社会インフラの重大な障害・機能低下により当社グループの活動(特に工場等における生産活動)が影響を受ける可能性がある。また、これによる損害が損害保険等で補填されるという保証はない。
イ.情報セキュリティ
当社グループは、事業の遂行を通じて、顧客等の機密情報に多数接しているほか、当社グループの技術・営業・その他事業に関する機密情報を保有している。コンピュータウィルスの感染や不正アクセスその他不測の事態により、機密情報が滅失若しくは社外に漏洩した場合、当社グループの事業に影響を与える可能性がある。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、以下の記載事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。また、当連結会計年度から報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較は、前連結会計年度の数値を変更後のセグメントに組み替えた数値を用いて実施している。
(1) 経営成績の状況の概要及び分析・検討内容
当連結会計年度における世界経済は、各国の通商・金融政策に不透明感が生じたが、先進国を中心として概ね堅調に推移した。我が国経済も、雇用や所得の改善などにより、総じて緩やかな景気拡大が続いた。
このような状況の下、当連結会計年度における当社グループの受注高は、インダストリー&社会基盤セグメントが増加したものの、パワーセグメント、航空・防衛・宇宙セグメントが減少したことにより、前連結会計年度を3,999億75百万円(△9.4%)下回る3兆8,757億18百万円となった。
売上高は、インダストリー&社会基盤、パワー、航空・防衛・宇宙の各セグメントで増加したことにより、前連結会計年度を1,967億98百万円(+5.0%)上回る4兆1,108億16百万円となった。
一方、利益面では、航空・防衛・宇宙セグメント、インダストリー&社会基盤セグメントが減少したことなどにより、営業利益は前連結会計年度を240億13百万円(△16.0%)下回る1,265億30百万円、経常利益は前連結会計年度を98億31百万円(△7.9%)下回る1,144億62百万円となった。
また、固定資産売却益の計上があった前連結会計年度に比べて特別利益が減少したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度を172億35百万円(△19.6%)下回る704億84百万円となった。
セグメントの経営成績は、次のとおりである。
ア. パワー
世界的に低炭素化、再生可能エネルギーへの転換が加速する市場の影響等を受けて、コンベンショナルが大幅に減少したほか、GTCCの受注台数も大きく減少したことなどにより、受注高は前連結会計年度を2,888億49百万円(△16.7%)下回る1兆4,375億47百万円となった。
売上高は、火力発電システムの受注工事が着実に進捗したほか、航空機用エンジンの増加等により、前連結会計年度を455億61百万円(+3.1%)上回る1兆4,939億62百万円となった。
営業利益は、原子力機器が減少したものの、火力発電システムにおけるアフターサービスの採算が改善したことなどにより、前連結会計年度を8億80百万円(+0.8%)上回る1,089億80百万円となった。
イ. インダストリー&社会基盤
堅調に推移するインフラ投資を背景に製鉄機械が伸長したほか、先進国を中心とする景気の拡大基調を受けて、ターボチャージャ、物流機器、冷熱製品等が増加したことなどにより、受注高は、前連結会計年度を1,209億98百万円(+7.6%)上回る1兆7,113億88百万円となった。
売上高は、受注が堅調であった物流機器、ターボチャージャが増加したことに加え、商船も増加したことなどにより、前連結会計年度を1,519億5百万円(+8.7%)上回る1兆8,989億65百万円となった。
営業利益は、売上増による増加があったものの、交通システムや化学プラントで減少したことなどにより、前連結会計年度を92億40百万円(△18.4%)下回る408億53百万円となった。
ウ. 航空・防衛・宇宙
民間航空機でボーイング787向け主翼が増加したが、前年度に大型受注があった防衛航空機と飛しょう体が減少したことに加え、宇宙機器も減少したことなどにより、受注高は前連結会計年度を2,335億21百万円(△24.5%)下回る7,215億75百万円となった。
売上高は、H-ⅡAロケットの打上げ機数を伸ばした宇宙機器が増加したことなどにより、前連結会計年度を195億89百万円(+2.8%)上回る7,229億92百万円となった。
営業損益は、MRJ開発費用の増加等により、前連結会計年度から160億73百万円悪化し151億33百万円の損失となった。
エ. その他
受注高は前連結会計年度を469億67百万円(△29.3%)下回る1,135億10百万円、売上高は前連結会計年度を551億21百万円(△31.3%)下回る1,208億5百万円、営業利益は前連結会計年度を56億67百万円(△52.8%)下回る50億63百万円となった。
(2) 財政状態の状況の概要及び分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループの総資産は、前連結会計年度から56億73百万円増加し、5兆4,876億52百万円となった。
負債は、前連結会計年度から546億77百万円減少し、3兆3,231億83百万円となった。これは主として有利子負債が減少したことなどによるものである。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益704億84百万円の計上等により、前連結会計年度から603億51百万円増加し、2兆1,644億69百万円となった。
以上により、当連結会計年度の自己資本比率は33.3%(前連結会計年度末の32.5%から+0.8ポイント)となった。
(3) キャッシュ・フローの状況の概要及び分析・検討内容
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ568億32百万円(+23.4%)増加し、2,992億37百万円となった。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況の概要及び分析・検討内容は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、3,451億9百万円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べ2,491億96百万円(+259.8%)増加した。これは、バランスシート改善によるキャッシュ・フロー創出力の向上に取り組んだ結果、生産効率化によるたな卸資産圧縮や前受金獲得等により、運転資金負担が減少したことなどによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,371億81百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ1,458億93百万円支出が増加した。これは、有形及び無形固定資産の売却による収入が減少した一方で、投資有価証券の取得による支出が増加したことなどによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、1,521億13百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ99億64百万円支出が減少した。これは、社債の償還や長期借入金の返済による支出が増加した一方で、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの返済による支出が減少したことなどによるものである。
(4) 戦略的現状と見通し
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり。
(5) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
|
|
金額(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
|
|
パワー |
1,445,709 |
△3.6 |
|
インダストリー&社会基盤 |
1,968,059 |
+13.1 |
|
航空・防衛・宇宙 |
722,193 |
+4.3 |
|
その他 |
39,879 |
△32.6 |
|
合計 |
4,175,841 |
+4.6 |
(注)1.上記金額は、大型製品については契約金額に工事進捗度を乗じて算出計上し、その他の製品については完成数量に販売金額を乗じて算出計上している。
2.セグメント間の取引については、各セグメントの金額から消去している。
3.上記金額には、消費税等は含まれていない。
② 受注実績
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
|||
|
受注高(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
受注残高(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
|
|
パワー |
1,437,547 |
△16.7 |
3,634,818 |
+0.1 |
|
インダストリー&社会基盤 |
1,711,388 |
+7.6 |
1,265,978 |
△15.9 |
|
航空・防衛・宇宙 |
721,575 |
△24.5 |
1,204,513 |
△36.1 |
|
その他 |
113,510 |
△29.3 |
6,311 |
△25.7 |
|
調整額 |
△108,302 |
― |
― |
― |
|
合計 |
3,875,718 |
△9.4 |
6,111,621 |
△13.0 |
(注)1.受注高については、「パワー」、「インダストリー&社会基盤」、「航空・防衛・宇宙」及び「その他」にはセグメント間の取引を含んでおり、「調整額」でセグメント間の取引を一括して消去している。
2.受注残高については、セグメント間の取引を各セグメントの金額から消去している。
また、「航空・防衛・宇宙」セグメントについては、MRJの過去の受注額を当連結会計年度から控除して表示している。
3.上記金額には、消費税等は含まれていない。
③ 販売実績
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
|
|
金額(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
|
|
パワー |
1,493,962 |
+3.1 |
|
インダストリー&社会基盤 |
1,898,965 |
+8.7 |
|
航空・防衛・宇宙 |
722,992 |
+2.8 |
|
その他 |
120,805 |
△31.3 |
|
調整額 |
△125,909 |
― |
|
合計 |
4,110,816 |
+5.0 |
(注)1.「パワー」、「インダストリー&社会基盤」、「航空・防衛・宇宙」及び「その他」にはセグメント間の取引を含んでおり、「調整額」でセグメント間の取引を一括して消去している。
2.上記金額には、消費税等は含まれていない。
(6) 重要な会計方針及び見積
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点での状況を基礎に、連結貸借対照表及び連結損益計算書に影響を与えるような項目・事象について見積を行う必要がある場合がある。
当社グループの重要な会計方針の下で、財政状態及び経営成績に影響を与える重要な項目・事象について見積を行う場合とは以下のとおりである。
ア. たな卸資産の評価
当社グループは、たな卸資産について、期末における収益性の低下の有無を判断し、収益性が低下していると判断されたものについては、帳簿価額を正味売却価額又は処分見込価額まで切り下げている。収益性の低下の有無に係る判定は、原則として個別品目ごとに、その特性や市況等を総合的に考慮して実施している。
また、受注工事に係るたな卸資産について、受注工事損失引当金の計上対象案件のうち、期末の仕掛品残高が期末の未引渡工事の契約残高を既に上回っている工事については、その上回った金額は仕掛品の評価損として計上し、収益性の低下を反映させている。
イ. 有価証券の評価
当社グループは、その他有価証券のうち時価のある有価証券について時価評価を行い、評価差額については税効果会計適用後の純額を、その他有価証券評価差額金として純資産の部に含めて表示している。時価が著しく下落して回復の見込がないと判断されるものについては減損処理を実施している。減損の判定は下落幅及び帳簿価額を下回った期間の長さを考慮して実施している。
また、時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券については、実質価額の下落幅を考慮して減損の判定を行い、回復の見込がないと判断されるものについて減損処理を実施している。
ウ. 債権の回収可能性
当社グループは、金銭債権の回収可能性を評価して貸倒見積高を算定し、引当金を計上している。
貸倒見積高算定の対象となる債権は、日常の債権管理活動の中で、債権の計上月や弁済期限からの経過期間に債務者の信用度合等を加味して区分把握している。
貸倒見積高の算定に際しては、一般債権については貸倒実績率を適用し、貸倒懸念債権及び破産更生債権等については個別に相手先の財務状況等を考慮して、回収可能性を吟味している。
エ. 退職給付費用及び債務
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しており、その主要な前提条件は退職給付債務の割引率及び年金資産の長期期待運用収益率である。
割引率は、期末における優良社債の利回りを基礎に設定している。年金資産の長期期待運用収益率は、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮して設定している。
オ. 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかの回収可能性を吟味し、回収が不確実であると考えられる部分に対して評価性引当額を計上して繰延税金資産を減額している。
回収可能性の判断に際しては、将来の課税所得の見積額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上している。
カ. 収益及び費用の計上基準
当社グループは、工事契約のうち期末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準により、その他については契約条件に基づく引渡し又は役務提供完了時点(見込品の場合は工場出荷時点)に収益を計上している。
工事進行基準の進捗率の見積は原価比例法によっており、進捗率の見積に用いる工事収益総額、工事原価総額、決算日における工事進捗度のすべてが信頼性をもって見積ることができる場合に、成果の確実性が認められる工事として工事進行基準を適用している。
また、未引渡工事のうち期末で損失が確実視され、かつ、その金額を合理的に見積ることができる工事については、翌期以降に発生が見込まれる損失を受注工事損失引当金に計上している。
キ. 固定資産の減損
当社グループの資産グルーピングは、主として戦略的事業評価制度における事業単位とし、賃貸用資産、遊休資産及び事業の廃止・移管に伴う処分見込資産は原則として個々の資産グループとして取り扱っている。当該資産又は資産グループが生み出す将来キャッシュ・フローが帳簿価格を下回った場合は、帳簿価額を回収可能価額まで減額している。回収可能価額は正味売却額と使用価値のいずれか高い方の金額としている。正味売却額は処分見込価格から処分見込費用を控除した額を使用しており、使用価値は将来キャッシュ・フローに基づき算定している。
(7) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、市場動向、為替動向、資材費動向、海外事業における個々の契約、事故・災害、ものづくり力低下等がある。
市場動向については、当社グループの事業が関係する市場の多くにおいては、国内外の巨大企業との熾烈なグローバル競争が今後も展開されると予想されることから、当社グループを取り巻く経営環境は依然として厳しい状況で推移するものと認識している。こうした中、当社グループは、グローバル市場におけるリスクへの対応力を高め、名実ともに存在感のある企業グループとして勝ち残り、成長していくため、事業規模の拡大と利益増大による財務基盤の強化を図るとともに、企業統治・業務執行体制を高度化していく。
為替動向については、当社グループの輸出・海外事業の取引が主に外貨建てで行われていることから、事業競争力や経営成績に与える影響が大きく、為替変動リスクを最小限に抑える必要がある。このため、海外調達や海外生産を拡大し外貨建て債務を増加させることで外貨建て債権に係る為替リスクの低減を図るとともに、円建て契約の推進やタイムリーな為替予約の実施等によるリスクヘッジにも取り組んでいく。
資材費動向については、鋼材、非鉄金属、原油等の価格上昇への対応、設計の標準化、部品の共有化、標準品の採用推進、包括契約・海外生産の拡大等に取り組むほか、資材取引先との関係を強化し、従来以上に密接な情報交換を行い、更なるコスト削減努力を行っていく。
海外事業における個々の契約については、現地調達資材の品質不良・納期遅延、現地労働者の技量不足や労働慣習の特異性に加え、契約条件の片務性等のリスクがある。これらのリスクを回避・低減するため、契約の締結前に、事業部門だけではなくコーポレート部門も関与し、現地で調達・労働契約等を締結する際の留意事項を確認するとともに、顧客との契約条件については徹底した事前検証を行い、片務的条件の排除を図っていく。
事故・災害については、現場作業に携わる作業員の意識改革など継続的な現場管理活動により、経営に重大な影響を与えるような事故・災害の事前抑制に努めていく。
ものづくり力低下については、特に世代交代に伴う技術・技能の伝承問題等が懸念されるが、生産プロセス革新に向けた合理化投資やものづくり技術等への研究開発投資を集中的に行うとともに、人材の強化・育成に取り組むことで、ものづくり基盤の維持・強化を図っていく。
(8) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
ア. キャッシュ・フロー計算書に係る分析
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、3,451億9百万円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べ2,491億96百万円増加した。これは、バランスシート改善によるキャッシュ・フロー創出力の向上に取り組んだ結果、生産効率化によるたな卸資産圧縮や前受金獲得等により、運転資金負担が減少したことなどによるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,371億81百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ1,458億93百万円支出が増加した。これは、有形及び無形固定資産の売却による収入が減少した一方で、投資有価証券の取得による支出が増加したことなどによるものである。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,521億13百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べ99億64百万円支出が減少した。これは、社債の償還や長期借入金の返済による支出が増加した一方で、短期借入金及びコマーシャル・ペーパーの返済のよる支出が減少したことなどによるものである。
イ. 資金需要の主な内容
当社グループの資金需要は、営業活動については、生産活動に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、受注獲得のための引合費用等の販売費、製品競争力強化・ものづくり力強化及び新規事業立上げに資するための研究開発費が主な内容である。投資活動については、事業伸長・生産性向上及び新規事業立上げを目的とした設備投資並びに事業遂行に関連した投資有価証券の取得が主な内容である。
今後、成長分野に対しては必要な設備投資や研究開発投資、投資有価証券の取得等を継続していく予定である。全体的には、将来見込まれる成長分野での資金需要も見据え、最新の市場環境や受注動向も勘案し、資産の圧縮及び投資案件の選別を行っていく予定である。
ウ. 有利子負債の内訳及び使途
平成30年3月31日現在の有利子負債の内訳は下記のとおりである。
|
(単位:百万円) |
|
|
合計 |
償還1年以内 |
償還1年超 |
|
短期借入金 |
229,584 |
229,584 |
- |
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長期借入金 |
348,586 |
68,956 |
279,630 |
|
社債 |
235,000 |
30,000 |
205,000 |
|
合計 |
813,171 |
328,540 |
484,630 |
当社グループは比較的工期の長い工事案件が多く、生産設備も大型機械設備を多く所有していることもあり、一定水準の安定的な運転資金及び設備資金を確保しておく必要がある。近年の事業規模拡大により、これら必要資金は増加する傾向にあるが、その一方で、引き続き資産圧縮に努め、期限の到来した借入金を返済してきた結果、当連結会計年度末の有利子負債の構成は、償還期限が1年以内のものが3,285億40百万円、償還期限が1年を超えるものが4,846億30百万円となり、合計で8,131億71百万円となった。
これらの有利子負債は事業活動に必要な運転資金、投資資金に使用しており、資金需要が見込まれる火力発電システム、民間航空機等の伸長分野を中心に使用していく予定である。
エ. 財務政策
当社グループは、運転資金、投資資金についてはまず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分について有利子負債の調達を実施している。
長期借入金、社債等の長期資金の調達については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を考慮の上、調達規模、調達手段を適宜判断して実施していくこととしている。
一方で、有利子負債を圧縮するため、キャッシュマネジメントシステムにより当社グループ内での余剰資金の有効活用を図っており、また、売上債権、たな卸資産の圧縮や固定資産の稼働率向上等を通じて資産効率の改善にも取り組んでいる。
自己株式については、事業計画の推進状況、当社の業績見通し、株価動向、財政状況及び金融市場環境の改善等を総合的に勘案して取得を検討していくこととしている。
(1) MHI造船株式会社(現商号 三菱造船株式会社)との吸収分割契約
当社は、平成29年11月2日、当社が営む船舶海洋事業等を当社の子会社であるMHI造船株式会社(以下、「MHI造船」という。)に承継させる会社分割(以下、本項において「本吸収分割」という。)について、MHI造船と吸収分割契約(株主総会の決議による承認を要しない吸収分割契約)を締結することを決定し(定款の定めに基づく取締役会における決議による委任に従い、当該委任を受けた取締役が決定したもの)、同日、MHI造船との間で吸収分割契約を締結した。
本吸収分割の概要は、以下のとおりである。
ア. 本吸収分割の目的
当社は、平成30年1月1日付で、艤装主体船の建造、アライアンス先との協業、設計供与、新事業の展開等を営む造船新会社を設立する予定であったことから、当該造船新会社の設立に当たり、MHI造船を100%出資子会社として設立し、当社の営む船舶海洋事業等を簡易吸収分割によりMHI造船に承継させることとした。
イ. 本吸収分割の日程
平成29年11月2日 吸収分割契約締結
平成30年1月1日 効力発生日
ウ. 本吸収分割の方法及び割当ての内容
当社を吸収分割会社とし、MHI造船を吸収分割承継会社とする分社型簡易吸収分割である。
MHI造船は、本吸収分割に際して普通株式950株を発行し、その全てを当社に対して割当交付する。
エ. 本吸収分割に係る割当ての内容の算定根拠
承継会社は分割会社の100%出資の子会社であり、かつ本吸収分割は資産及び負債を帳簿価額で承継させ、本吸収分割により承継会社が発行する全株式を当社に割り当てる分社型吸収分割であることから、両社間で協議し、割り当てる株式数を決定した。
オ. 承継会社が承継する権利義務
①MHI造船は、当社と平成29年11月2日に締結した吸収分割契約の定めに従い、当社が以下の対象事業に関して有する資産、負債及びこれらに付随する権利義務を承継する。(ただし、吸収分割契約において承継しないと定めたものを除く。)
(対象事業)
1)当社の商船、官公庁船及び海洋機器並びに当社の下関地区で建造・修繕を行う艦艇に関する設計、製造、販売、アフターサービス及びエンジニアリング事業
2)当社の下関地区において所掌する、油圧・機械に関する製造事業
3)上記に関わる付帯関連事業
②本吸収分割による当社からMHI造船に対する債務その他の義務の承継は、全て重畳的債務引受の方法による。
カ. 承継会社が承継する資産・負債の状況
MHI造船が承継する資産の額は461億円、負債の額は344億円である。
キ. 本吸収分割後の承継会社の概要(平成30年1月1日現在)
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商号 |
三菱造船株式会社 |
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本店の所在地 |
神奈川県横浜市西区みなとみらい三丁目3番1号 |
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代表者の氏名 |
取締役社長 大倉 浩治 |
|
資本金の額 |
30億円 |
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事業の内容 |
①船舶・海洋製品の製造、販売及び修理 ②前号に掲げたものの企画、調査、エンジニアリング業務、技術の販売、部品の製造及び販売 ③油圧機器の製造、販売及び修理 ④前各号に附帯関連する一切の事業 |
(2) MHIプラント交通システムズ株式会社(現商号 三菱重工エンジニアリング株式会社)との吸収分割契約
当社は、平成29年11月2日、当社が営む化学プラント及び交通製品に係るエンジニアリング事業を当社の子会社であるMHIプラント交通システムズ株式会社(以下、「MHIプラント交通システムズ」という。)に承継させる会社分割(以下、本項において「本吸収分割」という。)について、MHIプラント交通システムズと吸収分割契約(株主総会の決議による承認を要しない吸収分割契約)を締結することを決定し(定款の定めに基づく取締役会における決議による委任に従い、当該委任を受けた取締役が決定したもの)、同日、MHIプラント交通システムズとの間で吸収分割契約を締結した。
本吸収分割の概要は、以下のとおりである。
ア. 本吸収分割の目的
当社は、化学プラント、交通製品及び環境設備等でエンジニアリング力とそのリソースを培ってきたが、当社製品群に関連する大規模複雑系システム等への対応力の強化を図るべく、平成28年4月に当社のエンジニアリング関連事業を集約、エンジニアリング本部を設立し、他事業への水平展開により事業強化を図っているところである。このような状況の下、市場環境の変化、単体からシステムへといった顧客ニーズの変化、地政学的リスクを含めたプロジェクトリスクへの対応力及びQCDマネジメント力の一層の強化が求められてきていることから、事業責任及び権限の明確化並びに意思決定の迅速化を図るために当社の営む化学プラント及び交通製品に係るエンジニアリング事業を簡易吸収分割によりMHIプラント交通システムズに承継させることとした。
イ. 本吸収分割の日程
平成29年11月2日 吸収分割契約締結
平成30年1月1日 効力発生日
ウ. 本吸収分割の方法及び割当ての内容
当社を吸収分割会社とし、MHIプラント交通システムズを吸収分割承継会社とする分社型簡易吸収分割である。
MHIプラント交通システムズは、本吸収分割に際して普通株式90株を発行し、その全てを当社に対して割当交付する。
エ. 本吸収分割に係る割当ての内容の算定根拠
承継会社は分割会社の100%出資の子会社であり、かつ本吸収分割は資産及び負債を帳簿価額で承継させ、本吸収分割により承継会社が発行する全株式を当社に割り当てる分社型吸収分割であることから、両社間で協議し、割り当てる株式数を決定した。
オ. 承継会社が承継する権利義務
①MHIプラント交通システムズは、当社と平成29年11月2日に締結した吸収分割契約の定めに従い、当社が以下の対象事業に関して有する資産(対象事業に係る全ての株式及び出資持分を含む)、負債及びこれらに付随する権利義務並びに当社が保有する以下の対象株式を承継する。(ただし、吸収分割契約において承継しないと定めたものを除く。)
(対象事業)
当社のインダストリー&社会基盤ドメインが営んでいる事業であって、エンジニアリング本部、交通機器事業部及び環境設備に係るエンジニアリング、調達、品質保証、工事、製造、販売及びアフターサービスに係る事業(これに附帯する事業を含む)
(対象株式)
三菱重工交通機器エンジニアリング株式会社の発行済み全株式
②本吸収分割による当社からMHIプラント交通システムズに対する債務その他の義務の承継は、全て重畳的債務引受の方法による。
カ. 承継会社が承継する資産・負債の状況
MHIプラント交通システムズが承継する資産の額は1,850億円、負債の額は752億円である。
キ. 本吸収分割後の承継会社の概要(平成30年1月1日現在)
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商号 |
三菱重工エンジニアリング株式会社 |
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本店の所在地 |
神奈川県横浜市西区みなとみらい三丁目3番1号 |
|
代表者の氏名 |
代表取締役社長 小林 繁久 |
|
資本金の額 |
200億円 |
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事業の内容 |
化学プラント、交通システム製品、環境製品等に関するエンジニアリング、製造、調達、建設、販売及びアフターサービスに係る事業(これに附帯関連する事業を含む) |
(3) その他重要な契約
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契約会社名 |
相手方 |
内容 |
契約日付 |
摘要 |
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名称 |
国籍 |
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三菱重工業㈱ (当社) |
㈱日立製作所 |
日本 |
火力発電システムを主体とする分野での事業統合に関する統合比率、範囲、合弁会社の概要、その他諸条件に係る基本契約 |
平成25年6月11日 |
(注)1 |
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火力発電システムを主体とする分野での事業統合に関する、合弁会社の運営等に係る契約 |
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三菱重工業㈱ (当社) 三菱日立製鉄機械㈱ (連結子会社) |
Siemens Aktiengesellschaft |
ドイツ |
製鉄機械事業の統合に向けた各社の権利義務、諸条件及び合弁会社の概要等に係る契約 |
平成26年5月7日 |
(注)2 |
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製鉄機械事業の統合手続に係る契約 |
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(注)1.当該契約に係る事業は、三菱日立パワーシステムズ㈱で行っている。
2.当該契約に係る事業は、Primetals Technologies, Limited(英国)で行っている。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、各製品の競争力強化や今後の事業拡大につながる研究開発を推進している。
各セグメント別の主な研究開発の状況及び費用は次のとおりであり、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は総額で1,768億15百万円である。なお、この中には受託研究等の費用622億84百万円が含まれている。
(1) パワー
エネルギー供給や環境対応に係る市場ニーズに対応した付加価値の高い製品とソリューションビジネスの拡大に対応した技術の研究開発に取り組んでいる。
当セグメントに係る研究開発費は433億42百万円であり、主な研究開発は次のとおりである。
・タービン入口温度を高く維持したまま燃焼器の空冷化を可能とする「次世代空冷システム」の実用化検証及び「空冷式1,650℃級ガスタービン」の要素技術の開発
・水素社会の実現に向け、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトにて「水素混焼ガスタービン」と「水素専焼ガスタービンの要素技術」の開発及び内閣府主導の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)にてアンモニア利用ガスタービンコンバインドサイクルの開発
・原子力プラントにおける①安全性向上、②経済産業省公募プロジェクトへの参画による東京電力福島第一原子力発電所等の事故対応及び③既設プラントの廃止措置に関わる技術の開発
・舶用機械の複合製品群プロジェクト「プロジェクトMEET」における①大容量軸流過給機の開発及び②新型ラジアル過給機の開発
・AI・IoT技術を活用し顧客のエネルギー利用状況や設備稼働状況を高精度に予測・検知するエネルギーソリューションサービス「ENERGY CLOUDⓇ Service」の開発
(2) インダストリー&社会基盤
各産業向けの基礎設備及び社会インフラ等を提供するために、市場・需要の多様化に対応した製品固有の研究開発とともに、共通性のある、最新かつ高度な先進技術の幅広い製品適用に取り組んでいる。
当セグメントに係る研究開発費は217億11百万円であり、主な研究開発は次のとおりである。
・船舶に対する地球温暖化ガス抑制、低硫黄燃料使用による排気ガスクリーン化等の規制に対応する環境対応技術の開発
・モントリオール議定書キガリ改正に向けた低環境負荷冷媒の空調・輸送用冷凍機・大型冷凍機製品の開発
・災害時の備えであるBCP(事業継続計画)対応の市場要求に応えるため、起動直後の出力を従来機より高めた450kWガスコージェネレーションシステム用ガスエンジン(GS6R2)の開発
(3) 航空・防衛・宇宙
日本のリーディングカンパニーとして、長年にわたり航空・防衛・宇宙開発で培った技術を駆使して、最先端の製品開発に取り組んでいる。
当セグメントに係る研究開発費は1,005億59百万円であり、主な研究開発は次のとおりである。
・世界最高レベルの運航経済性と客室快適性を兼ね備えたリージョナルジェット旅客機「MRJ」の開発
・民間航空機に用いられる製造自動化、アルミ合金の高速切削、レーザ非破壊検査技術等の革新的製造技術の開発
・インテグラル・ロケット・ラムジェットエンジンを搭載し、超音速で飛しょうする空対艦ミサイルの開発
・重要インフラの制御システム向け等のサイバーセキュリティ技術の開発
・低コストで高い信頼性を有するH3ロケットの開発
(4) その他・共通
当社グループ次期製品の市場競争力確保のために必要となるキー技術や、次期・次世代の製品開発に必要かつ複数製品の共通基盤となるプラットフォーム技術開発に取り組んでいる。
「その他・共通」に係る研究開発費は112億3百万円であり、主な研究開発は次のとおりである。
・3D金属造形(Additive Manufacturing)の製品適用技術の開発
・先進AI技術を用いたリスク要因検出の支援システムの開発