第5【経理の状況】

1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について

(1)当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に準拠して作成している。

 

(2)当社の財務諸表は、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号。以下、「財務諸表等規則」という。)に基づいて作成している。

また、当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成している。

 

2.監査証明について

当社は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の連結財務諸表及び事業年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)の財務諸表について、有限責任 あずさ監査法人による監査を受けている。

 

3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について

当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組み及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備を行っている。具体的には以下のとおりである。

(1)会計基準等の内容を適切に把握し、又は会計基準等の変更等について的確に対応することができる体制を整備するため、公益財団法人財務会計基準機構へ加入し、また、同機構や監査法人等の行うセミナーに参加している。

 

(2)IFRSの適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っている。また、IFRSに基づく適正な連結財務諸表等を作成するために、IFRSに準拠したグループ会計方針及び会計指針を作成し、それらに基づいて会計処理を行っている。

 

1【連結財務諸表等】

(1)【連結財務諸表】

①【連結財政状態計算書】

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

資産

 

 

 

流動資産

 

 

 

現金及び現金同等物

5,10

431,287

657,816

営業債権及びその他の債権

6,10

23,34

916,011

984,684

その他の金融資産

7,10,34

39,771

41,959

契約資産

23,34

776,399

791,871

棚卸資産

11,23

974,577

1,062,532

その他の流動資産

20

281,895

372,766

流動資産合計

 

3,419,942

3,911,632

非流動資産

 

 

 

有形固定資産

12,14

908,448

935,096

のれん

13,14

172,493

172,947

無形資産

13,14

93,786

87,269

使用権資産

14,17

93,496

86,996

持分法で会計処理される投資

16

268,978

295,172

その他の金融資産

7,10,34

538,126

470,907

繰延税金資産

15

297,017

259,942

その他の非流動資産

14,20

463,969

438,960

非流動資産合計

 

2,836,316

2,747,292

資産合計

 

6,256,259

6,658,924

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

負債及び資本

 

 

 

流動負債

 

 

 

社債、借入金及びその他の金融負債

9,10,34

379,210

280,528

営業債務及びその他の債務

8,10,34

958,891

930,281

未払法人所得税

 

55,228

25,282

契約負債

23

1,095,138

1,443,983

引当金

18

216,220

229,032

その他の流動負債

20

235,829

237,191

流動負債合計

 

2,940,518

3,146,299

非流動負債

 

 

 

社債、借入金及びその他の金融負債

9,10,34

763,754

850,746

繰延税金負債

15

9,987

9,594

退職給付に係る負債

19

73,165

72,042

引当金

18

79,747

72,102

その他の非流動負債

20

28,429

38,315

非流動負債合計

 

955,085

1,042,801

負債合計

 

3,895,604

4,189,101

資本

36

 

 

資本金

21

265,608

265,608

資本剰余金

21

41,187

44,742

自己株式

 

4,828

16,452

利益剰余金

21

1,433,267

1,588,643

その他の資本の構成要素

29

509,385

464,159

親会社の所有者に帰属する持分合計

 

2,244,620

2,346,702

非支配持分

29

116,034

123,121

資本合計

 

2,360,654

2,469,823

負債及び資本合計

 

6,256,259

6,658,924

 

②【連結損益計算書】

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

売上収益

23

4,657,147

5,027,176

売上原価

 

3,727,034

3,995,935

売上総利益

 

930,112

1,031,241

販売費及び一般管理費

24

695,342

716,941

持分法による投資損益(△は損失)

16

2,149

2,754

その他の収益

25

63,595

98,762

その他の費用

25

17,973

27,110

事業利益

 

282,541

383,198

金融収益

27

49,945

13,645

金融費用

27

17,298

22,313

税引前利益

 

315,187

374,531

法人所得税費用

15

71,622

112,533

当期利益

 

243,565

261,997

当期利益の帰属:

 

 

 

親会社の所有者

 

222,023

245,447

非支配持分

 

21,542

16,549

 

 

 

 

1株当たり当期利益(親会社の所有者に帰属)

28

 

 

基本的1株当たり当期利益

 

66.07(円)

73.04(円)

希薄化後1株当たり当期利益

 

66.04(円)

73.02(円)

 

 

③【連結包括利益計算書】

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

当期利益

 

243,565

261,997

その他の包括利益

 

 

 

純損益に振り替えられることのない項目

 

 

 

FVTOCIの金融資産の公正価値変動額

10,29

58,624

42,506

確定給付制度の再測定

19,29

173,848

8,581

持分法適用会社におけるその他の包括利益

16,29

329

872

純損益に振り替えられることのない項目合計

 

232,803

50,215

純損益に振り替えられる可能性のある項目

 

 

 

キャッシュ・フロー・ヘッジ

29,34

1,488

1,100

在外営業活動体の換算差額

29

99,394

10,660

持分法適用会社におけるその他の包括利益

16,29

13,641

991

純損益に振り替えられる可能性のある項目

合計

 

111,547

8,568

その他の包括利益(税引後)

 

344,350

58,784

当期包括利益

 

587,916

203,213

 

 

 

 

当期包括利益の帰属:

 

 

 

親会社の所有者

 

556,434

186,470

非支配持分

 

31,482

16,742

 

④【連結持分変動計算書】

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

親会社の所有者に帰属する持分

非支配持分

資本合計

 

資本金

資本剰余金

自己株式

利益剰余金

その他の

資本の構成要素

合計

2023年4月1日残高

 

265,608

41,256

5,385

1,243,565

195,929

1,740,974

93,010

1,833,984

当期利益

 

 

 

 

222,023

 

222,023

21,542

243,565

その他の包括利益

29

 

 

 

 

334,411

334,411

9,939

344,350

当期包括利益合計

 

222,023

334,411

556,434

31,482

587,916

利益剰余金への振替

 

 

 

 

20,937

20,937

 

自己株式の取得

 

 

 

39

 

 

39

 

39

自己株式の処分

 

 

22

96

 

 

118

 

118

配当金

22

 

 

 

50,398

 

50,398

6,898

57,296

その他

 

 

91

499

2,860

18

2,469

1,560

4,028

所有者との取引額合計

 

68

557

53,258

18

52,788

8,458

61,246

2024年3月31日残高

 

265,608

41,187

4,828

1,433,267

509,385

2,244,620

116,034

2,360,654

当期利益

 

 

 

 

245,447

 

245,447

16,549

261,997

その他の包括利益

29

 

 

 

 

58,977

58,977

193

58,784

当期包括利益合計

 

245,447

58,977

186,470

16,742

203,213

利益剰余金への振替

 

 

 

 

13,742

13,742

 

自己株式の取得

 

 

 

12,174

 

 

12,174

 

12,174

自己株式の処分

 

 

20

50

 

 

71

 

71

配当金

22

 

 

 

77,321

 

77,321

7,943

85,264

その他

 

 

3,533

500

993

8

5,035

1,711

3,323

所有者との取引額合計

 

3,554

11,623

76,328

8

84,388

9,655

94,044

2025年3月31日残高

 

265,608

44,742

16,452

1,588,643

464,159

2,346,702

123,121

2,469,823

 

⑤【連結キャッシュ・フロー計算書】

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

 

 

 

税引前利益

 

315,187

374,531

減価償却費、償却費及び減損損失

 

155,899

160,643

金融収益及び金融費用(△は益)

 

32,582

6,623

持分法による投資損益(△は益)

 

2,149

2,754

有形固定資産及び無形資産売却損益

(△は益)

 

29,028

70,510

有形固定資産及び無形資産除却損

 

7,594

10,399

営業債権の増減額(△は増加)

 

60,305

29,668

契約資産の増減額(△は増加)

 

29,697

56,725

棚卸資産及び前渡金の増減額(△は増加)

 

70,402

147,467

営業債務の増減額(△は減少)

 

20,734

13,481

契約負債の増減額(△は減少)

 

118,637

361,023

引当金の増減額(△は減少)

 

3,445

8,094

退職給付に係る負債の増減額(△は減少)

 

14,938

17,821

その他

25

38,908

26,260

小計

 

366,472

624,739

利息の受取額

 

9,630

10,804

配当金の受取額

25

15,467

15,796

利息の支払額

 

11,181

14,457

法人所得税の支払額

 

49,201

106,424

営業活動によるキャッシュ・フロー

 

331,186

530,459

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

投資活動によるキャッシュ・フロー

 

 

 

定期預金の預入による支出

 

25,556

26,780

定期預金の払戻による収入

 

18,728

24,825

有形固定資産及び無形資産の取得による支出

 

160,486

240,692

有形固定資産及び無形資産の売却による収入

 

37,263

76,474

投資(持分法で会計処理される投資を含む)の取得による支出

 

11,892

63,885

投資(持分法で会計処理される投資を含む)の売却及び償還による収入

 

63,174

58,672

事業(子会社を含む)の売却による支出

 

1,475

事業(子会社を含む)の取得による支出

 

73,589

1,509

短期貸付金の純増減額(△は増加)

 

1,420

519

長期貸付けによる支出

 

417

15,675

長期貸付金の回収による収入

 

102

121

デリバティブ取引による支出

 

52,232

100,520

デリバティブ取引による収入

 

76,619

108,484

その他

 

4,181

6,273

投資活動によるキャッシュ・フロー

 

131,048

187,714

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

注記

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

財務活動によるキャッシュ・フロー

 

 

 

短期借入金等の純増減額(△は減少)

9,284

9,389

長期借入れによる収入

23,000

9,012

長期借入金の返済による支出

64,649

76,629

社債の発行による収入

25,000

30,000

社債の償還による支出

15,000

30,000

非支配持分からの子会社持分取得による支出

 

1,024

1,806

親会社の所有者への配当金の支払額

22

50,289

77,165

非支配持分への配当金の支払額

 

8,511

7,659

自己株式の取得による支出

 

239

12,366

債権流動化等による収入

171,544

283,678

債権流動化等の返済による支出

215,845

192,643

リース負債の返済による支出

30,380

27,834

その他

 

1,791

1,318

財務活動によるキャッシュ・フロー

 

158,903

114,123

現金及び現金同等物に係る為替変動の影響額

 

42,388

2,091

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

 

83,623

226,529

現金及び現金同等物の期首残高

347,663

431,287

現金及び現金同等物の期末残高

431,287

657,816

 

【連結財務諸表注記】

1.報告企業

三菱重工業株式会社(以下、「当社」という。)は日本において設立された企業である。当社の連結財務諸表は当社及びその連結子会社(以下、「当社グループ」という。)により構成されている。当社グループは「エナジー」、「プラント・インフラ」、「物流・冷熱・ドライブシステム」及び「航空・防衛・宇宙」の4つの報告セグメントを基軸として、多種多様な製品の開発、製造、販売及びサービスの提供等を行っている。

 

 

2.作成の基礎

(1)IFRSに準拠している旨

当社グループは連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第312条の規定により、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成している。

本連結財務諸表は、2025年6月27日に当社取締役社長 伊藤栄作によって承認されている。

 

(2)表示通貨

本報告書の連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円で表示している。別段の記載がない限り、百万円を表示単位とし、単位未満の金額は切り捨てている。

 

(3)測定の基礎

当社グループの連結財務諸表は、注記「3.重要性がある会計方針」に記載している金融商品及び確定給付負債(資産)等を除き、取得原価を基礎として作成している。

 

(4)未適用の基準書及び解釈指針

連結財務諸表の公表の承認日までに新設又は改訂が行われた新基準書及び新解釈指針のうち、適用が強制されないため、当連結会計年度末において適用していないものは下表のとおりである。なお、当該基準書の当社グループの連結財務諸表への適用時期及び影響は検討中である。

 

基準書

基準名

強制適用時期

(以降開始年度)

新設・改訂の概要

IFRS第18号

財務諸表における表示及び開示

2027年1月1日

主に損益計算書の財務業績に関する表示及び開示に関する規定を策定

 

(5)見積り及び判断の利用

当社グループの経営者は、IFRSに準拠した連結財務諸表を作成するにあたり、会計方針の適用、資産及び負債、収益及び費用の測定並びに報告期間の末日における偶発負債の開示に関する会計上の重要な判断、見積り及び仮定の設定を行っている。見積り及び仮定は、過去の経験及び利用可能な情報を用いた経営者による最善の判断に基づいているが、将来の実績値と異なる可能性がある。見積り及び仮定は継続して見直しており、見直しによる影響は、見直しを行った期間又はそれ以降の期間において認識している。

会計方針の適用に際して行った当社グループの連結財務諸表上で認識する金額に重要な影響を与える判断に関する情報は、以下のとおりである。

・連結の範囲(注記「3.重要性がある会計方針 (1)連結の基礎」)

・開発から生じた無形資産の認識(注記「3.重要性がある会計方針 (8)無形資産」)

・収益の認識(注記「3.重要性がある会計方針 (13)収益」)

 

当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある判断及び見積りとその仮定等は、以下のとおりである。

・非金融資産の回収可能価額(注記「3.重要性がある会計方針 (10)非金融資産の減損」、「14.非金融資産の減損」)、「16.持分法で会計処理される投資」)

・引当金の測定(注記「3.重要性がある会計方針 (11)引当金」、「18.引当金」)

・確定給付制度債務の測定(注記「3.重要性がある会計方針 (12)退職後給付」、「19.従業員給付」)

・収益の測定(注記「3.重要性がある会計方針 (13)収益」、「23.売上収益」)

・繰延税金資産の回収可能性(注記「3.重要性がある会計方針 (17)法人所得税」、「15.法人所得税」

 

(6)表示方法の変更

(連結キャッシュ・フロー計算書)

前連結会計年度において、「財務活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含めて表示していた「自己株式の取得による支出」は、金額的に重要性が増したため、当連結会計年度において独立掲記している。本変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っている。

この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「財務活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に表示していた△2,030百万円は、「自己株式の取得による支出」△239百万円、「その他」△1,791百万円として組み替えている。

 

 

3.重要性がある会計方針

(1)連結の基礎

① 子会社

子会社とは、当社グループにより支配されている企業を指す。支配とは投資先に対するパワーを有し、投資先への関与により生じるリターンの変動に晒され、かつ投資先に対するパワーを通じてリターンに影響を及ぼす能力を有している状態を意味する。

子会社の財務諸表は、支配開始日から支配終了日までの間、連結財務諸表に含めている。子会社が適用する会計方針が当社の適用する会計方針と異なる場合には、当該連結子会社の財務諸表を調整している。グループ会社間の債権債務残高、取引高及びグループ会社間取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成にあたり消去している。

 

② 関連会社及び共同支配企業(持分法適用会社)

関連会社とは、当社グループが財務及び営業の方針決定に対して重要な影響力を有しているものの、支配又は共同支配を有していない企業を指す。

共同支配企業とは、契約上の取決めにより当社グループを含む複数の当事者が共同して支配をしており、その活動に関連する財務上及び営業上の決定に際して、支配を共有する当事者の一致した合意を必要としており、かつ、当社グループが当該取決めの純資産に対する権利を有している企業を指す。

関連会社及び共同支配企業への投資は、持分法を適用して会計処理している(以下、「持分法適用会社」という。)。持分法適用会社に関するのれんは投資の帳簿価額に含めており、償却していない。持分法適用会社に対する投資が減損している可能性が示唆されている場合には、投資全体の帳簿価額(のれんを含む)について、単一の資産として減損の評価を行っている。

なお、持分法の適用に際し、持分法適用会社となる関連会社又は共同支配企業が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、当該関連会社又は共同支配企業の財務諸表を調整の上、持分法を適用している。また、持分法適用会社の一部は、共同出資者の意向等により、決算日を当社グループの決算日に統一することが実務上不可能である。このような会社については、決算日の差異により生じる期間の重要な取引又は事象については必要な調整を行った上で持分法を適用している。

 

(2)企業結合

企業結合は、取得法を適用して会計処理している。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び当社グループが発行する資本持分の取得日の公正価値の合計として測定される。取得に直接起因する取引費用は、発生時に費用として処理し、被取得企業における識別可能資産及び負債は、取得日の公正価値で認識している。

のれんは、取得日時点で測定した被取得企業に対する取得対価の公正価値から、取得日時点における識別可能な取得資産及び引受負債の純認識額を控除した額として測定している。取得対価の公正価値が取得資産及び引受負債の純認識額よりも小さかった場合には、純利益として認識している。当該企業結合にあたって、当社グループから移転した企業結合の対価に、条件付対価契約から生じる資産又は負債が含まれる場合、条件付対価は、取得日の公正価値で測定され、上述の取得対価の一部として含まれる。

非支配持分の測定は、主として、被取得企業の識別可能純資産に対する非支配持分の比例割合に基づく方法を採用している。

 

(3)外貨換算

外貨建取引は、取引日の為替レート又は当該レートに近似するレートで当社及び当社の子会社の機能通貨に換算している。

報告期間の末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、報告期間の末日の為替レートで換算している。

換算又は決済により生じる為替差額は純損益として認識している。ただし、後述するFVTOCIの金融資産から生じる換算差額については、その他の包括利益として認識している。

在外営業活動体の資産及び負債については報告期間の末日の為替レート、収益及び費用については為替レートの著しい変動がない限り、期中平均為替レートを用いて日本円に換算している。

在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替差額はその他の包括利益で認識している。なお、在外営業活動体の処分時には、その他の資本の構成要素に認識した累積的換算差額を純損益に振り替えている。

 

(4)金融商品

金融商品は、当社グループが金融商品の契約当事者となった日に認識している。なお、通常の方法で購入した金融資産は取引日において認識している。

① 非デリバティブ金融資産

非デリバティブ金融資産のうち、負債性金融商品については、すべて以下の要件を満たすため償却原価で測定している。

・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて金融資産が保有されている。

・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。

償却原価で測定する金融資産は、当初認識後、実効金利法を適用した償却原価により測定している。

資本性金融商品については公正価値で測定している。

非デリバティブ金融資産は、当初認識時に、純損益を通じて公正価値で測定する場合を除き、公正価値に取引費用を加算した額で測定している。ただし、重要な金融要素を含まない営業債権は取引価格で当初測定している。

公正価値で測定する金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定しなければならない売買目的で保有する資本性金融商品を除き、個々の資本性金融商品ごとに、純損益を通じて公正価値で測定する(Fair Value Through Profit or Loss(以下、「FVTPL」という。))か、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する(Fair Value Through Other Comprehensive Income(以下、「FVTOCI」という。))かを決定している。FVTOCIの金融資産に指定した場合、当該指定の事後の取消は認められていない。

当初認識時において、FVTOCIの金融資産に指定した資産については、当初認識後の公正価値の変動額をその他の包括利益として認識している。FVTOCIの金融資産の認識を中止した場合、又は公正価値が著しく下落した場合には、その他の資本の構成要素に累積された金額を利益剰余金に振り替えている。FVTOCIの金融資産からの配当金は原則として、純損益として認識している。

金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は、金融資産を譲渡し、かつ、当該金融資産の所有にかかるリスクと経済価値を実質的にすべて移転している場合に、当該金融資産の認識を中止している。

 

② 非デリバティブ金融負債

非デリバティブ金融負債は、償却原価で測定される金融負債に分類している。償却原価で測定される金融負債は、当初認識時に、公正価値から取引費用を控除した額で測定している。

当初認識後は、実効金利法を適用した償却原価により測定している。

非デリバティブ金融負債の契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効となった場合、非デリバティブ金融負債の認識を中止している。

 

③ デリバティブ取引及びヘッジ会計

当社グループは、為替リスク、金利リスク及び価格変動リスクをヘッジする目的で、為替予約、通貨スワップ契約、金利スワップ契約、先渡契約等のデリバティブを利用している。

デリバティブ取引は、契約が締結された日の公正価値で当初認識し、関連する取引費用は発生時に費用として認識している。当初認識後は、公正価値で測定し、キャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ手段として指定する場合を除き、公正価値の変動額を純損益として認識している。ヘッジ会計の適用にあたっては、ヘッジ開始時に、ヘッジ関係、リスク管理目的及び戦略について、公式に指定並びに文書化を行っている。当該文書には、ヘッジ手段、ヘッジ対象、ヘッジするリスクの性質、及びヘッジの有効性を判定する方法が記載されており、ヘッジ関係が将来に向けて有効であるかどうかを継続的に評価している。

当社グループでは、ヘッジ会計の要件を満たすデリバティブ取引について、次のように会計処理を行っている。

(ⅰ)公正価値ヘッジ

公正価値ヘッジとして指定したデリバティブ取引の公正価値の変動は、ヘッジされたリスクに対応するヘッジ対象資産又は負債の公正価値の変動とともに、純損益で認識している。

なお、FVTOCIの金融資産に指定した資本性金融商品をヘッジ対象とした場合のヘッジ手段に指定したデリバティブ取引及びヘッジ対象資産の公正価値変動については、その他の包括利益として認識している。

 

(ⅱ)キャッシュ・フロー・ヘッジ

キャッシュ・フロー・ヘッジにおけるヘッジ手段として指定したデリバティブ取引の公正価値の変動額のうち、有効部分はその他の包括利益として認識し、非有効部分は直ちに純損益として認識している。

なお、通貨スワップ契約にキャッシュ・フロー・ヘッジを適用する場合には、通貨ベーシス・スプレッドを除く部分をヘッジ手段として指定し、通貨ベーシス・スプレッド部分に関しては、公正価値の変動額を、ヘッジコストとして、その他の包括利益を通じてその他の資本の構成要素に認識している。その他の資本の構成要素に累積されたキャッシュ・フロー・ヘッジは、ヘッジ対象のキャッシュ・フローが損益に影響を及ぼす期間と同一の期間において、純損益に振り替えている。ただし、ヘッジ対象が非金融資産の取得である場合、非金融資産の当初の取得原価の修正として処理している。

また、期間に関連したヘッジ対象をヘッジする目的で実施したデリバティブ取引についてヘッジコストを認識した場合には、その他の資本の構成要素に累積されたヘッジコストの累計額を、ヘッジ手段からのヘッジ調整が純損益に影響を与える可能性のある期間にわたって、規則的かつ合理的な基準で純損益に振り替えている。

なお、予定取引の発生の可能性が高いとは言えなくなった場合、ヘッジ会計を中止し、さらに発生が見込まれなくなった場合には、その他の資本の構成要素に累積された金額を純損益に振り替えている。

 

④ 金融資産の減損

償却原価で測定する金融資産については、報告期間の末日ごとに、当該資産に係る信用リスクが当初認識時点から著しく増加しているかどうかを判定している。著しく信用リスクが増加している場合には、全期間の予想信用損失と同額の損失評価引当金を認識し、著しい信用リスクの増加が認められない場合には、12か月の予想信用損失と同額の損失評価引当金を認識している。ただし、営業債権及び契約資産については、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無にかかわらず、全期間の予想信用損失と同額で損失評価引当金を認識している。

信用リスクの著しい増加を示す客観的証拠としては、債務者による支払不履行又は滞納、当社グループが債務者に対して、そのような状況でなければ実施しなかったであろう条件で行った債権の回収期限の延長、債務者又は発行企業が破産する兆候等が上げられる。なお、損失評価引当金の繰入額は、純損益で認識している。

 

⑤ 金融資産と金融負債の相殺

金融資産と金融負債は、認識している金額を相殺する法的に強制可能な権利を現在有しており、かつ純額で決済するか又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している場合にのみ相殺し、純額を連結財政状態計算書に表示している。

 

(5)現金及び現金同等物

現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない短期投資からなる。短期投資とは、取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来するものを指す。

 

(6)棚卸資産

棚卸資産は、原価と正味実現可能価額のうちいずれか低い金額で測定している。原価とは購入原価、加工費、及び棚卸資産が現在の場所と状態に至るまでに発生したすべての費用を含めた金額である。正味実現可能価額とは、通常の営業過程における見積売価から、完成までの見積原価及び販売に要する見積費用を控除した金額である。

棚卸資産の評価方法は以下のとおりである。

・商品及び製品         主として移動平均法

・仕掛品            主として個別法

・原材料及び貯蔵品       主として移動平均法

 

(7)有形固定資産

有形固定資産は、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で表示している。取得原価には資産の取得に直接関連する費用及び解体、除去及び設置していた場所の原状回復費用を含めている。土地等の償却を行わない資産を除き、有形固定資産は見積耐用年数にわたり、定額法で減価償却を行っている。

主な有形固定資産の見積耐用年数は以下のとおりである。

・建物及び構築物        2年-70年

・機械装置及び運搬具      2年-20年

・工具、器具及び備品      2年-20年

減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、連結会計年度末において見直しを行い、必要に応じて改定している。

 

(8)無形資産

無形資産については、原価モデルを採用し、無形資産を取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で表示している。無形資産の償却は、見積耐用年数にわたって定額法で償却している。主な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりである。

・ソフトウェア         3年-10年

・企業結合で認識した技術    7年-25年

・企業結合で認識した顧客関係  2年-25年

・その他            3年-15年

耐用年数を確定できない無形資産については、取得原価から減損損失累計額を控除した金額で表示している。

当社グループの開発活動で発生した費用は、以下のすべての条件を満たしたことを立証できる場合にのみ、資産計上している。

・使用又は売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性

・無形資産を完成させ、さらにそれを使用又は売却するという企業の意図

・無形資産を使用又は売却できる能力

・無形資産が蓋然性の高い将来の経済的便益を創出する方法

・無形資産の開発を完成させ、さらにそれを使用又は売却するために必要となる、適切な技術上、財務上及びその他の資源の利用可能性

・開発期間中の無形資産に起因する支出を、信頼性をもって測定できる能力

なお、上記の資産計上の要件を満たさない開発費用及び研究活動に関する支出は、発生時に費用処理している。償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、連結会計年度末において見直しを行い、必要に応じて改定している。

 

(9)リース

① 貸手としてのリース

契約上、資産の所有に伴う実質的なすべてのリスクと経済価値を借手に移転するリースは、ファイナンス・リースとして分類している。ファイナンス・リース以外のリースは、オペレーティング・リースとして分類している。

ファイナンス・リースに基づく借手からの受取額は、リースに係る純投資額を「営業債権及びその他の債権」として計上し、未獲得利益はリース期間にわたり純投資額に対して一定の利子率で配分し、その帰属する年度に認識している。オペレーティング・リースに係る受取リース料は、リース期間にわたり定額法で認識している。

 

② 借手としてのリース

借手としてのリースは、原則としてオンバランス処理することとし、リース開始日において、原資産を使用する権利を表す使用権資産と、リース料を支払う義務を表すリース負債を認識している。当社グループでは使用権資産とリース負債を次のとおり測定している。なお、残存リース期間が12ヶ月以内の短期リース及び原資産が少額のリースについては、認識の免除規定を適用している。

(ⅰ)使用権資産

使用権資産は、リース負債の当初測定額に、当初直接コスト、前払リース料等を調整した取得原価で測定している。当初認識後は原価モデルを適用し、減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で測定している。なお、使用権資産は耐用年数又はリース期間の終了時のいずれか短い期間にわたり定額法にて償却している。

 

(ⅱ)リース負債

リース負債は、リース開始日における未払リース料の現在価値で測定している。現在価値の算定に用いる割引率は、リースの計算利子率を適用しているが、計算利子率を容易に算定できない場合には当社グループの追加借入利子率を用いている。なお、各契約に原資産を購入するオプションやリース期間の延長、解約のオプションが付与されていて、そのオプションを行使する見通しに変化が生じた場合には、リース負債を再測定している。

当社グループは、連結財政状態計算書において、「使用権資産」は他の資産とは区分して表示し、リース負債は「社債、借入金及びその他の金融負債」に含めて表示している。

 

(10)非金融資産の減損

有形固定資産及び無形資産等については、報告期間の末日に減損の兆候の有無を判定している。減損の兆候がある場合には、当該資産の回収可能価額を見積もり、減損テストを行っている。のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については、年に一度定期的に減損テストを行うほか、減損の兆候がある場合にはその都度、減損テストを行っている。

回収可能価額は、資産又は資金生成単位の処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額としている。使用価値は、資産又は資金生成単位から生じると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値として算定している。資金生成単位は、他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の識別可能な資産グループであり、個別の資産について回収可能価額の見積りが不可能な場合に、当該資産が属する資金生成単位の回収可能価額を算定している。資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回った場合、資産又は資金生成単位の帳簿価額を回収可能価額まで減額している。

また、のれんを除く減損損失を認識した非金融資産については、減損損失が戻入れとなる可能性について、報告期間の末日に再評価を行っている。

 

(11)引当金

過去の事象の結果として、現在の法的債務又は推定的債務が存在し、当該債務を決済するために経済的便益をもつ資源の流出が必要となる可能性が高く、その債務の金額を信頼性をもって見積もることができる場合、引当金を認識している。その際、債務の決済までの期間が長期となると想定され、貨幣の時間価値が重要な場合には、決済時に予測される支出額の現在価値により引当金を測定している。

また、当社グループが引当金を決済するために必要な支出の一部又は全部の補填を期待できる時には、補填の受取りがほぼ確実な場合に限り、補填は別個の資産として認識している。

なお、引当金の繰入と外部からの補填を同じ報告期間において認識した場合には、連結損益計算書においては、両者を純額で表示している。

 

(12)退職後給付

当社グループは、従業員の退職後給付制度として、退職一時金及び年金制度を設けている。これらの制度は確定給付制度と確定拠出制度に大別される。それぞれの制度に係る会計方針は次のとおりである。

① 確定給付制度

確定給付制度については、制度ごとに、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付額を見積もり、確定給付制度債務の現在価値を算定する。そして当該債務の決済に用いられる制度資産の公正価値を控除した金額を確定給付負債(資産)として認識している。この計算における資産計上額は、制度からの返還又は将来掛金の減額という利用可能な将来の経済的便益の現在価値を上限としている。確定給付制度債務の現在価値は、予測単位積増方式により算定しており、割引率は将来の給付支払の見積り時期に対応した連結会計年度末における優良社債の市場利回りを参照して決定している。

勤務費用及び確定給付負債(資産)の純額に係る純利息費用は純損益として認識し、確定給付負債(資産)の再測定はその他の包括利益として認識している。

 

② 確定拠出制度

確定拠出制度の退職給付に係る掛金は、従業員がサービスを提供した時点で費用として純損益で認識している。

 

 

(13)収益

当社グループでは、IFRS第9号に基づく利息及び配当収益等を除き、以下の5ステップアプローチに基づき、顧客への財やサービスの移転との交換により、その権利を得ると見込む対価を反映した金額で収益を認識している。

ステップ1:顧客との契約を識別する。

ステップ2:契約における履行義務を識別する。

ステップ3:取引価格を算定する。

ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。

ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するに応じて)収益を認識する。

収益は、経済的便益が当社グループに流入する可能性が高く、その金額が信頼性をもって測定できる範囲において、その支払を受ける時点にかかわらず認識し、契約上の支払条件を考慮の上、税金控除後の受領した又は受領可能な対価の公正価値で測定している。

また、顧客との契約獲得のための増分コスト及び契約に直接関連する履行コストのうち、回収可能であると見込まれる部分について資産として認識し、その後関連する財やサービスの顧客への移転に合わせて規則的に償却している。契約獲得のための増分コストとは、顧客との契約を獲得するために発生したコストで、当該契約を獲得しなければ発生しなかったであろうものを指す。

当社グループの収益認識の要件は以下のとおりである。

① 製品の販売

本取引においては、顧客との契約に含まれる履行義務が充足されるのは主として、引き渡しによって、対象の製品に対する支配が顧客に移転する一時点であると判断されるため、当社グループは通常、製品の引渡時点で収益を認識している。物品の販売からの収益は、顧客との契約において約束した対価から、返品、値引き、割戻し及び第三者のために回収した税金等を控除した金額で測定している。

 

② 役務の提供・工事契約

これらの取引においては、契約対象の財又はサービスに対する支配は契約で規定された一定の期間にわたり顧客へ移転すると判断されるため、当社グループは契約ごとの総収益を算定のうえ、顧客との契約に含まれる履行義務の進捗度を測定し、これらに対応する収益を認識している。進捗度は、履行義務の充足を描写する方法により測定しており、主に、履行義務の充足のために発生したコストが、当該履行義務の充足のための予想される総コストに占める割合に基づき見積もっている。

 

(14)事業利益

連結損益計算書における「事業利益」は、当社グループの業績を継続的に比較・評価することに資する指標として表示している。

「事業利益」は「売上収益」から「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「その他の費用」を控除し、「持分法による投資損益」及び「その他の収益」を加えたものである。

「その他の収益」及び「その他の費用」は、受取配当金、固定資産売却損益、固定資産減損損失等から構成されている。当社グループが保有する株式及び出資金のうち、他社との協業など事業運営上の必要性から長期間にわたり継続保有するものに係る受取配当金は、事業の成果として事業利益に含めて表示している。なお、受取配当金は、当社グループの受領権が確定した時点で認識している。

 

(15)金融収益及び金融費用

「金融収益」、「金融費用」は、受取利息、支払利息、為替差損益、デリバティブ損益(その他の包括利益で認識される損益を除く)等から構成されている。受取利息、支払利息は実効金利法を用いて発生時に認識している。

 

(16)政府補助金

政府補助金は、当社グループが以下の双方についての合理的な保証を得た時点で認識している。

・当社グループの活動、状態等が補助金受領に際しての付帯条件に反しないこと

・補助金が当社グループに支払われること

収益に関する補助金は、関連費用から補助金を控除して表示している。

 

 

(17)法人所得税

法人所得税は、当期税金及び繰延税金で構成されており、企業結合の当初認識に関連するもの、直接資本又はその他の包括利益で認識されるものを除き、純損益として認識している。

当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局から還付が予想される金額として測定している。当該税額の算定は、報告期間の末日までに制定又は実質的に制定された税率及び税法に従って行っている。

繰延税金は、会計上の資産及び負債の帳簿価額と、関連する税務上の簿価との差額により生じる一時差異、繰越欠損金及び税額控除に関して認識している。繰延税金資産は、税務上の影響も考慮した経営施策に基づき、将来減算一時差異及び繰越欠損金を利用できるだけの課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で認識している。

繰延税金負債は、原則としてすべての将来加算一時差異について認識している。ただし、子会社及び関連会社に対する投資並びに共同支配企業に対する持分に係る将来加算一時差異のうち、解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合には認識していない。また、のれんの当初認識において生じる将来加算一時差異についても、繰延税金負債を認識していない。

繰延税金資産は各報告期間の末日に見直し、繰延税金資産の全額又は一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分について減額している。他方、未認識の繰延税金資産についても各報告期間の末日に再評価し、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった場合には、回収可能な範囲内で認識している。

繰延税金資産及び負債は、報告期間の末日までに制定又は実質的に制定されており、当該一時差異が解消すると見込まれる期間に適用されると予想される税率及び税法によって測定している。

繰延税金資産及び負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、相殺している。

法人所得税の不確実な税務ポジションについて、税法上の解釈に基づき還付又は納付が発生する可能性が高い場合には、合理的な見積額を資産又は負債として認識している。

 

4.事業セグメント

(1)報告セグメントの概要

当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものである。

当社グループは、事業ドメイン及びセグメントを置き、事業を管理している。各事業ドメイン及びセグメント は、取り扱う製品・サービスについて、国内及び海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開している。従っ て、当社ではこの事業ドメイン及びセグメントをそれぞれの顧客及び製品特性の類似性等を踏まえ集約し、「エ ナジー」「プラント・インフラ」「物流・冷熱・ドライブシステム」及び「航空・防衛・宇宙」の4つを報告セ グメントとしている。

各報告セグメントに属する主要な製品・サービスは下記のとおりである。

 

エナジー

火力発電システム(GTCC※1、スチームパワー)、原子力発電システム(軽水炉、原子燃料サイクル・新分野)、風力発電システム、航空機用エンジン、コンプレッサ、排煙処理システム(AQCS※2)、舶用機械

プラント・インフラ

製鉄機械、商船、エンジニアリング、環境設備、機械システム

物流・冷熱・ドライブシステム

物流機器、冷熱製品、エンジン、ターボチャージャ、カーエアコン

航空・防衛・宇宙

民間航空機、防衛航空機、飛しょう体、艦艇、特殊機械(魚雷)、特殊車両、宇宙機器

※1:Gas Turbine Combined Cycle

※2:Air Quality Control System

 

当連結会計年度期首において当社グループは、エナジートランジション事業のさらなる強化等を目的とし、

GX(Green Transformation)セグメントの新設、及び一部事業の再編を行った。GXセグメントにはエンジニアリ

ング等の事業が含まれ、報告セグメント上は「プラント・インフラ」に集約して表示している。

また、新たな中期経営計画の開始を踏まえ、各事業の位置付け、及び管理体制を見直した。この結果、従来「全

社又は消去」に区分していた製品・サービスのうち、収益を獲得する事業として、業績を評価し、管理する対象

としたものについて、「その他」の区分を新設し、本区分に含めて表示することとした。

 

これに伴い、前連結会計年度のセグメント情報を修正再表示している。

 

(2)報告セグメントごとの売上収益、利益又は損失、その他の項目の金額の算定方法

報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、注記「3.重要性がある会計方針」における記載と同一である。報告セグメント間の売上収益は、第三者間取引価格に基づいている。

(3)報告セグメントごとの売上収益、利益又は損失、その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注)1

合計

全社

又は消去

(注)2

連結

 

エナジー

プラント・

インフラ

物流・冷熱・

ドライブ

システム

航空・

防衛・宇宙

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客からの

売上収益

1,714,615

796,684

1,310,359

790,342

4,612,001

32,501

4,644,502

12,644

4,657,147

セグメント間の内部

売上収益又は振替高

9,050

36,531

4,229

1,205

51,015

672

51,688

51,688

1,723,665

833,215

1,314,588

791,547

4,663,016

33,174

4,696,191

39,043

4,657,147

セグメント利益

(注)3

149,865

44,737

72,818

72,692

340,115

15,854

355,969

73,427

282,541

金融収益

 

 

 

 

 

 

 

 

49,945

金融費用

 

 

 

 

 

 

 

 

17,298

税引前利益

 

 

 

 

 

 

 

 

315,187

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費及び償却費

37,663

11,907

59,929

26,280

135,780

3,793

139,574

10,551

150,126

減損損失

875

473

3,206

285

4,841

-

4,841

932

5,773

持分法による投資損益

7,456

1,864

256

68

9,645

8,852

793

1,356

2,149

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注)1

合計

全社

又は消去

(注)2

連結

 

エナジー

プラント・

インフラ

物流・冷熱・

ドライブ

システム

航空・

防衛・宇宙

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客からの

売上収益

1,803,878

806,177

1,302,671

1,029,291

4,942,018

73,215

5,015,233

11,943

5,027,176

セグメント間の内部

売上収益又は振替高

11,918

45,935

4,430

1,354

63,638

1,259

64,897

64,897

1,815,796

852,112

1,307,101

1,030,646

5,005,656

74,474

5,080,131

52,954

5,027,176

セグメント利益

(注)3

205,356

59,634

49,321

99,984

414,295

30,002

444,297

61,099

383,198

金融収益

 

 

 

 

 

 

 

 

13,645

金融費用

 

 

 

 

 

 

 

 

22,313

税引前利益

 

 

 

 

 

 

 

 

374,531

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費及び償却費

40,028

11,459

60,623

27,383

139,494

8,230

147,724

10,465

158,190

減損損失

735

70

1,194

44

2,044

2,044

2,044

持分法による投資損益

10,591

1,967

359

1,208

13,407

18,154

4,747

1,993

2,754

 

(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない電化・データセンター事業等の成長分野に関する事業やアセットビジネス等が含まれる。

2.「全社又は消去」の区分は、報告セグメントに含まれない収益及び費用を含んでいる。具体的には、全社基盤的な研究開発費や社全体の事業に係る株式からの配当等が含まれる。

3.セグメント利益は、事業利益で表示している。

 

(4)製品及びサービスごとの情報

製品及びサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略している。

 

(5)地域市場別の内訳

外部顧客からの売上収益は顧客の所在地を基礎とし、地理的近接度により国又は地域に分類している。

 

① 外部顧客からの売上収益

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

日本

1,950,028

2,188,019

アメリカ

1,053,196

1,111,761

アジア

701,020

758,448

欧州

480,010

474,712

中南米

175,402

157,225

アフリカ

31,465

59,537

中東

148,397

135,802

その他

117,625

141,668

合計

4,657,147

5,027,176

 

上表の各地域区分に含まれる主な国又は地域は、次のとおりである。

(ⅰ)アジア  中国、シンガポール、インド、台湾、韓国、タイ、ベトナム、インドネシア、

フィリピン、マカオ、マレーシア、香港、バングラデシュ

(ⅱ)欧州   ドイツ、イギリス、オランダ、フランス、ウズベキスタン、スペイン、

イタリア、ポーランド、オーストリア、フィンランド、スウェーデン、

ベルギー、デンマーク、アイルランド、セルビア、ギリシャ、ロシア、

ハンガリー

(ⅲ)中南米  メキシコ、ブラジル、パナマ、チリ

(ⅳ)アフリカ 南アフリカ、エジプト、アルジェリア

(ⅴ)中東   サウジアラビア、カタール、トルコ、アラブ首長国連邦、オマーン、

バーレーン、クウェート、イスラエル

(ⅵ)その他  カナダ、オーストラリア

 

② 非流動資産

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

日本

868,052

870,065

海外合計

495,755

498,943

合計

1,363,808

1,369,009

 

上表には、金融商品、持分法で会計処理される投資、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を含んでいない。

 

(6)主要な顧客に関する情報

外部顧客への売上収益のうち、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先として、防衛省がある。

防衛省向けの売上収益は、主に航空・防衛・宇宙セグメントに帰属しており、前連結会計年度、当連結会計年度において、それぞれ489,778百万円、704,181百万円である。

 

 

5.現金及び現金同等物

現金及び現金同等物の内訳は以下のとおりである。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

現金及び預金

430,807

657,785

現金同等物

479

30

合計

431,287

657,816

 

現金及び現金同等物はいずれも償却原価で測定する金融資産に分類している。

 

 

6.営業債権及びその他の債権

営業債権及びその他の債権の内訳は以下のとおりである。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

受取手形及び売掛金

825,445

897,727

その他

90,566

86,956

合計

916,011

984,684

 

営業債権及びその他の債権は、その他に含まれるリース債権を除き、いずれも償却原価で測定する金融資産に分類している。

上記のうち、12ヵ月を超えて回収される営業債権及びその他の債権は、前連結会計年度末、当連結会計年度末において、それぞれ30,724百万円、36,317百万円である。

 

 

7.その他の金融資産

(1)その他の金融資産の内訳

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

FVTPLの金融資産

 

 

デリバティブ資産(注)1

5,261

6,295

FVTOCIの金融資産

 

 

株式・出資金

443,746

358,272

償却原価で測定する金融資産

 

 

預入期間が3ヶ月を超える定期預金

25,527

26,972

長期貸付金

3,831

19,150

サービス委譲契約に係る債権(注)2

73,962

71,707

その他

25,567

30,469

 合計

577,897

512,867

 

 

 

流動資産

39,771

41,959

非流動資産

538,126

470,907

 合計

577,897

512,867

(注)1.FVTPLのデリバティブ資産

デリバティブ資産には、ヘッジ手段として指定したものが含まれており、その公正価値変動のうち有効部分については、その他の包括利益として認識している。

 

2.償却原価で測定するサービス委譲契約に係る債権

国や地方公共団体(委譲者)が公共サービスに民間企業の参入を認め、民間企業との間で締結する契約をサービス委譲契約という。当社グループは、サービス委譲契約に係る債権を、償却原価で測定する金融資産として「その他の金融資産」に含めて計上している。

当社グループが債権を認識しているサービス委譲契約の契約満了は2046年であるが、委譲者による更新オプションがある。

 

(2)FVTOCIに指定した株式・出資金

当社グループが保有する株式及び出資金は主として取引先との取引関係の維持、強化を目的としたものである。
本目的で保有している株式及び出資金について、当社グループでは、公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示することを選択している。

 

① 当社グループがFVTOCIの金融資産として指定した株式・出資金の内訳

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

市場性あり(注)1

279,559

190,182

市場性なし(注)2

164,187

168,089

合計

443,746

358,272

 

 

(注)1.市場性のあるFVTOCI指定銘柄

各連結会計年度における、市場性のある主なFVTOCI指定銘柄は次のとおりである。

 

前連結会計年度(2024年3月31日)

 

(単位:百万円)

銘柄

公正価値

Vestas Wind Systems A/S

106,612

東海旅客鉄道㈱

27,617

日本郵船㈱

25,072

関西電力㈱

13,156

三菱自動車工業㈱

10,911

コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス㈱

8,691

東京電力ホールディングス㈱

7,644

東日本旅客鉄道㈱

5,648

九州電力㈱

5,471

㈱ジャパンエンジンコーポレーション

4,899

 

当連結会計年度(2025年3月31日)

 

(単位:百万円)

銘柄

公正価値

Vestas Wind Systems A/S

52,050

東海旅客鉄道㈱

21,153

日本郵船㈱

15,146

関西電力㈱

10,626

コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス㈱

9,564

三菱自動車工業㈱

8,820

東日本旅客鉄道㈱

5,712

㈱日本製鋼所

5,268

九州電力㈱

5,189

㈱三菱総合研究所

4,577

 

2.市場性のないFVTOCI指定銘柄

市場性のない銘柄は主に原子力関連銘柄、化学プラント関連銘柄である。

原子力関連銘柄の主な銘柄としては、日本原燃㈱、Orano S.A.がある。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、原子力関連銘柄の公正価値合計はそれぞれ45,597百万円、45,954百万円である。

化学プラント関連銘柄の主な銘柄としては、Amjad Oman Investment Holding LLC、Shama Development Holding LLC、日本トリニダードメタノール㈱がある。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、化学プラント関連銘柄の公正価値合計はそれぞれ34,836百万円、40,014百万円である。

 

なお、注1、2で銘柄や産業を開示しているもの以外に、個別に重要な銘柄や特定の産業等への投資の集中はない。

 

② FVTOCIの金融資産からの受取配当金

各連結会計年度に認識されたFVTOCIの金融資産からの受取配当金は以下のとおりである。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

期中に認識を中止した投資に係る受取配当金

1,215

845

報告期間の末日現在で保有している投資に係る受取配当金

9,964

10,704

合計

11,180

11,549

 

③ 認識を中止したFVTOCIの金融資産

各連結会計年度に認識を中止したFVTOCIの金融資産に係る認識中止日現在の公正価値及び利得又は損失の累計額並びに利益剰余金への振替額は以下のとおりである。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

認識中止日現在の公正価値

56,706

26,000

累積利得

34,420

18,125

 

その他の資本の構成要素として認識されていた累積利得又は損失は、公正価値が著しく下落した場合又は認識を中止した場合に、その他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えている。利益剰余金に振り替えた累積利得又は損失は、主に取引関係の見直しを理由とする売却等により認識を中止した投資、及び公正価値が著しく下落した投資に係るものであり、前連結会計年度、当連結会計年度において、それぞれ20,937百万円、△13,742百万円である。

 

 

8.営業債務及びその他の債務

営業債務及びその他の債務の内訳は以下のとおりである。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

支払手形及び買掛金

845,356

862,404

その他

113,535

67,876

合計

958,891

930,281

 

営業債務及びその他の債務はいずれも償却原価で測定する金融負債に分類している。

 

 

9.社債、借入金及びその他の金融負債

(1)社債、借入金及びその他の金融負債の内訳

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

償却原価で測定する金融負債

 

 

社債(注)1

225,000

225,000

短期借入金(注)2,3,4

72,074

62,307

長期借入金(注)2,3

371,153

305,621

ノンリコース借入金(注)2,3

60,755

58,458

その他

86,596

77,653

FVTPLの金融負債

 

 

デリバティブ負債(注)5

9,737

6,331

債権流動化等に伴う支払債務(注)6

200,552

288,041

リース負債

117,094

107,861

 合計

1,142,964

1,131,274

 

 

 

流動負債

379,210

280,528

非流動負債

763,754

850,746

 合計

1,142,964

1,131,274

 

(注)1.社債発行の概要

会社名

銘柄

発行

年月日

前連結会計年度

(2024年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

(百万円)

利率

(%)

償還期限

三菱重工業㈱

 

 

 

 

 

第29回無担保社債

2014.9.3

30,000

0.662%

2024.9.3

第31回無担保社債

2015.9.2

10,000

10,000

0.630%

2025.9.2

第33回無担保社債

2016.8.31

10,000

10,000

0.240%

2026.8.31

第35回無担保社債

2017.8.29

10,000

10,000

0.330%

2027.8.27

第36回無担保社債

2020.11.24

25,000

25,000

0.140%

2025.11.21

第37回無担保社債

2020.11.24

40,000

40,000

0.390%

2030.11.22

第38回無担保社債

2021.9.1

15,000

15,000

0.090%

2026.9.1

第39回無担保社債

2021.9.1

40,000

40,000

0.270%

2031.9.1

第40回無担保社債

2022.9.8

10,000

10,000

0.310%

2027.9.8

第41回無担保社債

2022.9.8

10,000

10,000

0.629%

2032.9.8

第42回無担保社債

2023.8.31

10,000

10,000

0.459%

2028.8.31

第43回無担保社債

2023.8.31

15,000

15,000

0.962%

2033.8.31

第44回無担保社債

2024.9.5

10,000

0.700%

2029.9.5

第45回無担保社債

2024.9.5

20,000

1.302%

2034.9.5

合計

225,000

225,000

 

 

2.借入金の利率及び返済期限

当連結会計年度における「短期借入金」の加重平均利率は1.07%である。

「長期借入金」と「ノンリコース借入金」の加重平均利率は1.12%であり、返済期限は2025年~2043年である。

 

3.担保付借入

該当事項なし。

 

4.金融資産と金融負債の相殺

当社グループは、外部の金融機関との間で、ノーショナルプーリング契約を締結している。

当連結会計年度末において、当該契約に基づき同一取引相手に対して認識した「社債、借入金及びその他の金融負債」及び「現金及び現金同等物」は、連結財政状態計算書上、以下のとおり相殺して表示している。

・「社債、借入金及びその他の金融負債」:当該契約に基づく負債の総額は14,999百万円であるが、全額を相殺している。

・「現金及び現金同等物」:当該契約に基づく資産の総額は15,337百万円であるが、14,999百万円は上記負債と相殺し、残額337百万円を純額で表示している。

なお、前連結会計年度末において、連結財政状態計算書上、当該契約に基づき相殺して表示した金融資産及び金融負債はない。

 

5.FVTPLのデリバティブ

デリバティブ負債にはヘッジ手段として指定したものが含まれており、その公正価値変動のうち有効部分については、その他の包括利益として認識している。

 

6.債権流動化等に伴う支払債務

当社グループでは、資金調達の一つの手段として、資産の流動化契約等による営業債権等の現金化を行っている。

当連結会計年度末時点で支払期日が到来しておらず、負債認識している流動化契約について、契約締結時に適用された割引率は通常の借入契約の際に適用される金利を踏まえて計算されている。

債権流動化契約により第三者に譲渡した債権のうち、債務者が支払いを行わない場合に、当社グループに遡及的な支払義務が生じるような流動化資産については、認識の中止の要件を満たさないことから、認識の中止は行っていない。なお、当該流動化債権の支払期日は2025年~2030年である。

また、上記の他に流動化取引を行っている契約資産に係る債権や有形固定資産等のうち、認識の中止の要件を満たさない流動化資産については、認識の中止は行っていない。

認識の中止の要件を満たさずに譲渡した営業債権、契約資産及び有形固定資産の金額は、前連結会計年度末において、22,985百万円、109,448百万円及び63,065百万円であり、当連結会計年度末において、10,769百万円、213,229百万円及び58,829百万円である。なお、これらは連結財政状態計算書上、「営業債権及びその他の債権」、「契約資産」及び「有形固定資産」に含めて表示している。

 

(2)財務活動に係る負債の調整表

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

2023年

4月1日

帳簿価額

キャッシュ

・フロー

非資金取引

2024年

3月31日

帳簿価額

公正価値

変動

外貨換算

新規契約

その他の

増減

(注)1

社債

215,000

10,000

225,000

短期借入金

61,933

9,284

956

△100

72,074

長期借入金

406,468

△36,433

129

988

371,153

ノンリコース借入金

59,019

△5,216

6,547

405

60,755

債権流動化等に伴う支払債務

240,644

△44,301

6,166

△1,956

200,552

リース負債

118,655

△30,380

6,608

20,384

1,826

117,094

その他の負債(注)2

15,735

△1,382

△307

14,046

合計

1,117,457

△98,430

20,407

20,384

857

1,060,676

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

2024年

4月1日

帳簿価額

キャッシュ

・フロー

非資金取引

2025年

3月31日

帳簿価額

公正価値

変動

外貨換算

新規契約

その他の

増減

(注)1

社債

225,000

225,000

短期借入金

72,074

△9,389

△90

△286

62,307

長期借入金

371,153

△66,602

△5

1,076

305,621

ノンリコース借入金

60,755

△1,013

△297

△986

58,458

債権流動化等に伴う支払債務

200,552

91,035

△591

△2,955

288,041

リース負債

117,094

△27,834

△1,073

22,354

△2,679

107,861

その他の負債(注)2

14,046

△531

353

13,867

合計

1,060,676

△14,337

△2,057

22,354

△5,478

1,061,157

(注)1.非資金取引の「その他の増減」には、子会社又は他の事業に対する支配の獲得又は喪失から生じる増減を含めている。

2.「その他の負債」に関して生じたキャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書上、財務活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含まれている。

 

10.公正価値測定

(1)公正価値の算定方法

金融資産及び金融負債の公正価値の算定方法は次のとおりである。

① 現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務、債権流動化等に伴う支払債務

満期もしくは決済までの期間が短いため、帳簿価額が公正価値の近似値となっていることから、当該帳簿価額によっている。

 

② 社債及び借入金

短期借入金及びコマーシャル・ペーパーは短期間で決済されるため、帳簿価額が公正価値の近似値となっていることから、当該帳簿価額によっている。

市場性のある社債の公正価値は市場価格によっている。市場性のない社債及びノンリコース借入金を含む長期借入金の公正価値は、同一の残存期間で同条件の借入を行う場合の金利に基づき、将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことにより算定している。

 

③ その他の金融資産、その他の金融負債

市場性のある株式及び出資金の公正価値は市場価格によっている。市場性のない株式及び出資金の公正価値は、主に類似企業比較法により、類似業種企業のPBR(株価純資産倍率)を用いて算定している。デリバティブ資産及び負債については、為替予約取引は報告期間の末日の先物為替相場に基づき算定し、金利スワップについては、報告期間の末日における金利を基に将来予測されるキャッシュ・フローを現在価値に割り引いて算定している。サービス委譲契約に係る債権の公正価値は、直近の市場金利等に基づき、将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引くことにより算定している。

 

(2)連結財政状態計算書において公正価値で測定した金融資産及び金融負債

公正価値を測定するために用いる評価技法へのインプットは、市場における観察可能性に応じて以下のいずれかに分類される。

レベル1:活発な市場における同一の資産又は負債の市場価格

レベル2:レベル1以外の、直接又は間接的に観察可能な価格で構成されたインプット

レベル3:観察可能な市場データに基づかないインプット

 

① 公正価値で測定する資産及び負債の測定値の内訳は以下のとおりである。

 

前連結会計年度(2024年3月31日)

 

 

 

(単位:百万円)

 

レベル1

レベル2

レベル3

合計

資産:

 

 

 

 

株式及び出資金

279,559

164,187

443,746

デリバティブ

4,582

679

5,261

 合計

279,559

4,582

164,867

449,008

負債:

 

 

 

 

デリバティブ

9,737

9,737

 合計

9,737

9,737

 

 

当連結会計年度(2025年3月31日)

 

 

 

(単位:百万円)

 

レベル1

レベル2

レベル3

合計

資産:

 

 

 

 

株式及び出資金

190,182

168,089

358,272

デリバティブ

4,872

1,422

6,295

 合計

190,182

4,872

169,512

364,567

負債:

 

 

 

 

デリバティブ

6,331

6,331

 合計

6,331

6,331

 

公正価値で測定する金融資産は、連結財政状態計算書上「その他の金融資産」に流動・非流動に区分して計上している。同様に公正価値で測定する金融負債は「社債、借入金及びその他の金融負債」に流動・非流動に区分して計上している。

レベル間の振替が行われた金融資産・負債の有無は報告期間の末日ごとに判断している。前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル間の振替が行われた金融資産・負債はない。

 

② レベル3に分類した資産及び負債の公正価値測定の増減は以下のとおりである。

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

2023年4月1日残高

購入

公正価値

変動額

(注)1

売却

その他

(注)2

2024年3月31日残高

株式及び出資金

163,246

8,513

17,468

△1,912

△23,127

164,187

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

2024年4月1日残高

購入

公正価値

変動額

(注)1

売却

その他

2025年3月31日残高

株式及び出資金

164,187

5,285

2,403

△4,910

1,123

168,089

(注)1.「公正価値変動額」には、FVTOCIの金融資産の公正価値変動額を表示している。本変動額は連結包括利益計算書上、「FVTOCIの金融資産の公正価値変動額」に含めている。

2.前連結会計年度の「その他」には、当社グループの影響力の増加を踏まえ、「持分法で会計処理される投資」へ振り替えた金額28,614百万円の減少分等を含めている。

 

前連結会計年度及び当連結会計年度におけるデリバティブ資産・負債について、重要な増減は生じていない。

 

レベル3に分類された金融商品については、財務部門責任者により承認された評価方針及び手続きに従い、評価を実施している。

このうち、市場性のない資本性金融商品は、類似公開会社比較法、割引キャッシュ・フロー法等の評価技法を用いて測定している。類似公開会社比較法の重要な観察可能でないインプットは、類似企業のPBRであり、評価額はPBRの上昇(低下)により増加(減少)する。PBRは、前連結会計年度は0.8倍から2.5倍、当連結会計年度は0.7倍から2.3倍の範囲に分布している。

 

割引キャッシュ・フロー法の重要な観察可能でないインプットとしては適用割引率があり、評価額は割引率の上昇(低下)により減少(増加)する。割引率は、前連結会計年度は8.2%~13.3%、当連結会計年度は8.2%~13.3%を適用している。

 

なお、レベル3に分類される金融資産・負債について、観察可能でないインプットを他の合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合にも、公正価値の著しい増減は見込まれていない。

 

(3)公正価値で測定されない金融資産及び金融負債

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

 

帳簿価額

公正価値

帳簿価額

公正価値

償却原価で測定する金融資産:

 

 

 

 

サービス委譲契約に係る債権

73,962

72,285

71,707

70,520

 

 

 

 

 

償却原価で測定する金融負債:

 

 

 

 

社債

225,000

221,297

225,000

216,071

長期借入金

371,153

361,235

305,621

290,500

ノンリコース借入金

60,755

60,755

58,458

58,458

 

本表に含まれる償却原価で測定する金融負債は「社債、借入金及びその他の金融負債」に流動・非流動に区分して計上している。

本表に含まれていない償却原価で測定する金融資産及び金融負債、債権流動化等に伴う支払債務及びリース債権は、帳簿価額が公正価値と近似している。

なお、公正価値測定のうち、社債はレベル2、その他のものはレベル3に分類している。

 

 

11.棚卸資産

棚卸資産の内訳は以下のとおりである。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

商品及び製品

316,417

334,228

仕掛品

421,309

473,774

原材料及び貯蔵品

195,915

216,515

資産計上した契約コスト

40,934

38,015

合計

974,577

1,062,532

 

棚卸資産には、報告期間の末日から払出・売却までの期間が12カ月を超える見込みのものが、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ116,698百万円及び110,898百万円含まれている。

費用として認識した棚卸資産の評価減又は評価減の戻入の金額(△は戻入)は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ2,657百万円及び△698百万円であり、当連結会計年度の戻入は主に正味実現可能価額が増加したことによるものである。

なお、棚卸資産に含まれている契約コストについては、注記「23.売上収益」に記載のとおりである。

12.有形固定資産

有形固定資産の帳簿価額の増減、取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額は以下のとおりである。

(1)帳簿価額

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

建物及び

構築物

機械装置

及び運搬具

工具、器具

及び備品

土地

建設仮勘定

合計

前連結会計年度期首

(2023年4月1日)

315,887

271,567

48,334

155,924

48,098

839,813

取得

21,633

49,795

4,685

593

117,194

193,902

減価償却費(注)

△22,495

△64,403

△24,949

△111,848

減損損失

△91

△1,839

△851

△28

△1,211

△4,022

科目振替

38,431

44,618

25,840

△713

△116,824

△8,647

売却目的保有への振替

△309

△6,165

△77

△1,762

△32

△8,348

売却又は処分

△1,474

△5,175

△140

△1,076

△1,227

△9,093

換算差額

6,729

14,584

2,242

1,273

1,190

26,021

その他の増減

△2,671

△6,561

△670

0

575

△9,328

前連結会計年度

(2024年3月31日)

355,639

296,421

54,414

154,210

47,761

908,448

取得

12,652

30,694

3,683

5

136,662

183,698

減価償却費(注)

△24,056

△68,673

△26,550

△119,280

減損損失

△104

△583

△222

△41

△797

△1,748

科目振替

31,941

52,003

27,402

99

△108,741

2,705

売却目的保有への振替

△459

△5,884

△48

△3,246

△9,639

売却又は処分

△1,724

△2,178

△589

△5,854

△2,882

△13,228

換算差額

△727

△495

6

93

△369

△1,492

その他の増減

△1,116

△4,817

△156

1,163

△9,438

△14,365

当連結会計年度

(2025年3月31日)

372,043

296,486

57,939

146,431

62,195

935,096

 

(2)取得原価

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

建物及び

構築物

機械装置

及び運搬具

工具、器具

及び備品

土地

建設仮勘定

合計

前連結会計年度期首

(2023年4月1日)

862,912

1,381,343

532,271

156,755

55,888

2,989,171

前連結会計年度

(2024年3月31日)

922,062

1,434,823

542,312

155,019

48,408

3,102,626

当連結会計年度

(2025年3月31日)

948,648

1,451,221

550,435

147,258

62,768

3,160,330

 

 

(3)減価償却累計額及び減損損失累計額

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

建物及び

構築物

機械装置

及び運搬具

工具、器具

及び備品

土地

建設仮勘定

合計

前連結会計年度期首

(2023年4月1日)

547,025

1,109,776

483,936

831

7,789

2,149,358

前連結会計年度

(2024年3月31日)

566,423

1,138,401

487,897

808

646

2,194,178

当連結会計年度

(2025年3月31日)

576,604

1,154,734

492,495

827

572

2,225,234

(注)減価償却費は連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めている。

 

13.のれん及び無形資産

のれん及び無形資産の帳簿価額の増減、取得原価、償却累計額及び減損損失累計額は以下のとおりである。

(1)帳簿価額

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

のれん

企業結合

で認識した

技術

企業結合

で認識した

顧客関係

ソフト

ウェア

その他

合計

前連結会計年度期首

(2023年4月1日)

131,181

11,790

12,690

19,975

25,705

201,343

取得

4,430

2,100

6,531

企業結合による取得

36,618

299

20,238

88

9,677

66,922

償却(注)

△1,840

△2,591

△7,349

△4,296

△16,077

減損損失

△668

△120

△789

科目振替

1,704

△955

748

売却目的保有への振替

△1

△1

売却又は処分

△210

△179

△389

換算差額

4,692

1,374

1,731

672

2,938

11,410

その他の増減

0

△4,038

620

△3,418

前連結会計年度

(2024年3月31日)

172,493

11,623

32,069

14,604

35,489

266,280

取得

5,550

4,073

9,624

企業結合による取得

1,423

1,423

償却(注)

△1,929

△3,485

△5,640

△3,945

△15,000

減損損失

△154

△154

科目振替

△57

106

△327

△278

売却目的保有への振替

△20

△20

売却又は処分

△76

△3

△80

換算差額

△830

△111

△334

△155

△500

△1,931

その他の増減

△139

487

5

353

当連結会計年度

(2025年3月31日)

172,947

9,583

28,192

14,702

34,791

260,216

 

(2)取得原価

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

のれん

企業結合

で認識した

技術

企業結合

で認識した

顧客関係

ソフト

ウェア

その他

合計

前連結会計年度期首

(2023年4月1日)

256,020

31,851

30,866

65,348

86,306

470,394

前連結会計年度

(2024年3月31日)

309,543

35,750

54,928

59,904

105,505

565,633

当連結会計年度

(2025年3月31日)

308,580

35,373

54,315

55,840

107,012

561,121

 

(3)償却累計額及び減損損失累計額

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

のれん

企業結合

で認識した

技術

企業結合

で認識した

顧客関係

ソフト

ウェア

その他

合計

前連結会計年度期首

(2023年4月1日)

124,838

20,060

18,175

45,373

60,601

269,051

前連結会計年度

(2024年3月31日)

137,050

24,127

22,859

45,299

70,016

299,353

当連結会計年度

(2025年3月31日)

135,632

25,789

26,122

41,138

72,221

300,904

(注)償却対象の無形資産償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めている。

 

 

14.非金融資産の減損

当社グループは、一部の事業用資産について、当初想定していた収益性が見込まれなくなったため、帳簿価額を回収可能価額まで減損している。これらの減損損失は連結損益計算書の「その他の費用」に含まれている。

報告セグメントごとの減損損失においては、前連結会計年度、当連結会計年度いずれも重要な減損損失は生じていない。

 

のれんの減損テスト

当社グループは、注記「3.重要性がある会計方針(10)非金融資産の減損」に記載のとおり、のれんについて年に一度定期的に減損テストを行うほか、減損の兆候がある場合にはその都度、減損テストを行っている。

のれんは独立した資金生成単位ではないため、他の有形固定資産等の非金融資産と共に回収可能価額を見積もり減損テストを実施している。減損テストの対象となるのれんを含む非金融資産の総額は、前連結会計年度末、当連結会計年度末において、それぞれ1,278,431百万円、1,296,194百万円である。

回収可能価額は、使用価値に基づき算定している。使用価値は、過去の経験と外部からの情報を反映し、経営者が承認した事業計画と成長率を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定している。当該事業計画は、将来の売上収益や粗利率の推移、固定費の削減など、計画値に大きな影響を与える主要な点について、経営者の考える合理的な前提を置き、策定している。

なお、のれんの減損テストには資金生成単位ごとに設定した加重平均資本コストを割引率として用いている。

減損テストに使用した割引率(税引前)は、前連結会計年度は6.2%~10.2%、当連結会計年度は6.8%~13.3%である。また、成長率については、前連結会計年度は△0.5%~3.0%、当連結会計年度は△0.5%~6.8%を適用している。

当社グループののれんの総額は、前連結会計年度末、当連結会計年度末において、それぞれ172,493百万円、172,947百万円である。主なのれん帳簿価額の資金生成単位別残高は次のとおりである。

 

主なのれん帳簿価額の資金生成単位別残高

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

物流機器

電源システム

ソリューション

スチーム

パワー

GTCC

製鉄機械

前連結会計年度

(2024年3月31日)

58,784

37,083

25,735

22,015

21,759

当連結会計年度

(2025年3月31日)

58,679

37,983

28,271

21,969

21,582

当連結会計年度の

減損テストに使用

した主要な前提

割引率

(税引前)

 6.8% ~ 9.2%

成長率

△0.5% ~ 6.8%

 

上表記載の5つの主たる資金生成単位に帰属するのれんは前連結会計年度、当連結会計年度いずれにおいても減損損失を認識していない。

GTCC及び製鉄機械については、回収可能価額が当該資金生成単位の帳簿価額を十分に上回っており、減損テストに使用した主要な前提が合理的に予測可能な範囲で変化したとしても、回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと判断している。

物流機器については、回収可能価額は帳簿価額を90,492百万円上回っている。但し、将来キャッシュ・フローの見積額の基礎となる事業計画の前提に重要な変動が生じた場合や、減損テストに使用した主要な前提のうち、仮に割引率(税引前)が2.2%ポイント上昇もしくは成長率が1.7%ポイント低下した場合には、減損損失が生じる可能性がある。

電源システムソリューションについては、高い成長率を見込んでおり、回収可能価額は帳簿価額を171,660百万円上回っている。但し、将来キャッシュ・フローの見積額の基礎となる事業計画の前提に重要な変動が生じた場合や、減損テストに使用した主要な前提のうち、仮に割引率(税引前)が3.9%ポイント上昇もしくは成長率が3.6%ポイント低下した場合には、減損損失が生じる可能性がある。

スチームパワーについては、回収可能価額が帳簿価額を107,140百万円上回っている。但し、事業環境に重要な変化が生じ、将来キャッシュ・フローの見積額の基礎となる事業計画の前提に重要な変動が生じた場合や、減損テストに使用した主要な前提のうち、仮に割引率(税引前)が15.6%ポイント上昇もしくは成長率が26.7%ポイント低下した場合、減損損失が生じる可能性がある。

 

15.法人所得税

(1)繰延税金資産及び負債

① 繰延税金資産及び負債の内訳

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

 

繰延税金資産

繰延税金負債

繰延税金資産

繰延税金負債

営業債権及びその他の債権、契約資産

55,682

△10,877

33,978

△8,905

棚卸資産

71,843

△883

74,426

△565

有形固定資産、のれん、無形資産、使用権資産

63,023

△82,412

67,379

△80,923

その他の資産

23,448

△152,306

14,190

△133,636

契約負債

10,268

△20,663

25,946

△14,848

引当金

70,203

△2,838

71,545

△414

退職給付に係る負債

34,951

28,241

その他の負債

63,499

△16,368

67,578

△25,796

子会社及び関連会社並びに共同支配企業に対する投資

173,415

△11,924

1,584

△11,673

繰越欠損金

18,968

142,240

合計

585,305

△298,275

527,111

△276,762

 

 

 

 

 

連結財政状態計算書上の繰延税金資産及び負債

297,017

△9,987

259,942

△9,594

 

当社グループは、繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異・繰越欠損金などの一部又は全部が、将来

課税所得に対して利用できる可能性を考慮している。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、過去の課

税所得水準及び繰延税金資産が認識できる期間における将来課税所得の予測に基づき、税務便益が実現する可

能性は高いと判断している。

 

② 繰延税金資産及び負債(純額)の増減内訳

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

期首残高

348,292

287,030

純損益を通じて認識した増減

16,363

△45,837

その他の包括利益において認識した増減

 

 

「その他の資産」に関するもの(注)

△80,053

19,862

「退職給付に係る負債」に関するもの

△7,987

△11,109

上記以外の資産・負債に関するもの

8,675

△651

その他の増減

1,739

1,054

期末残高

287,030

250,348

(注)「その他の資産」には株式及び出資金等の資本性金融商品が含まれている。

 

 

③ 繰延税金資産を認識していない繰越欠損金及び将来減算一時差異

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

繰越欠損金(注)1,2

1,181,842

517,055

将来減算一時差異

161,980

161,090

合計

1,343,822

678,146

(注)1.繰越欠損金の金額には、日本の地方税(住民税及び事業税)に係るものが含まれている。これらの税目の課税標準額に対する税率は10%未満である。

2.繰延税金資産を認識していない繰越欠損金の繰越期限は、以下のとおりである。

 

 

(単位:百万円)

繰越期限

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

1年目

34,719

1,655

2年目

51,188

7,257

3年目

63,817

1,219

4年目

1,098

7,300

5年目以降

1,031,017

499,622

合計

1,181,842

517,055

 

④ 繰延税金負債を認識していない投資に関する一時差異

前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の繰延税金負債として認識していない子会社及び関連会社の投資に関連する一時差異の総額は、それぞれ712,178百万円及び778,263百万円である。当社グループが一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予見可能な期間内での一時差異が解消しない可能性が高い場合には、当該一時差異に関連する繰延税金負債を認識していない。

 

(2)純損益を通じて認識される法人所得税

各連結会計年度において、純損益を通じて認識した法人所得税の内訳は、以下のとおりである。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

当期法人所得税

 

 

当期

82,920

61,054

過年度修正

5,064

5,642

 当期法人所得税計

87,985

66,696

繰延法人所得税

 

 

一時差異の発生及び解消

△14,586

53,995

税率の変更又は新税の賦課

15

△6,078

その他

△1,792

△2,079

 繰延法人所得税計

△16,363

45,837

法人所得税合計

71,622

112,533

 

 

(3)実効税率の調整

法定実効税率と平均実際負担税率との差異について、原因となった主要な項目の内訳は、以下のとおりである。

 

 

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

国内の法定実効税率

30.5%

30.5%

損金不算入の費用

0.9%

0.5%

益金不算入の収益

△2.8%

△1.0%

持分法による投資損益

△0.2%

0.2%

未認識の繰延税金資産の変動

3.4%

4.3%

試験研究費等の税額控除

△2.6%

△1.9%

子会社及び関連会社並びに共同支配企業に対する投資

△0.3%

0.1%

税率変更による期末繰延税金資産の修正

0.6%

△1.8%

在外子会社の適用税率差異

△4.0%

△2.8%

その他

△2.8%

2.0%

平均実際負担税率

22.7%

30.0%

 

(4)グローバル・ミニマム課税制度の法人所得税の処理について

当社グループは、IAS第12号「法人所得税」の定める第2の柱モデルルール導入に関する例外規定を適用し、第2の柱モデルルールの導入により各国で制定又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税について、繰延税金資産及び繰延税金負債を認識せず、発生時に当期税金として処理している。なお、第2の柱モデルルールの導入による当社グループの財政状態及び経営成績への重要な影響はない。

 

(5)法人所得税の不確実性に対する見積り

注記「3.重要性がある会計方針 (17)法人所得税」に記載のとおり、当社グループは、税法上の解釈に基づき、将来年度において法人所得税の還付又は納付が発生する可能性が高いと判断される場合には、合理的な見積額を資産又は負債として認識している。

当社グループの中には、事業活動を行う国の課税当局により調査を受け、協議中の事案もあるが、各社の法人所得税に関する資産・負債は最善の見積りに基づき認識している。当該見積り額と最終的に決定した課税額に差が生じた場合には、翌期以降の法人所得税費用の金額に影響を与える可能性がある。

 

 

16.持分法で会計処理される投資

(1)関連会社に対する投資

持分法で会計処理している関連会社に対する持分の帳簿価額の合計は、前連結会計年度末、当連結会計年度末において、それぞれ232,531百万円、218,498百万円であり、前連結会計年度及び当連結会計年度における包括利益に対する当社グループの持分の総額は以下のとおりである。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

当期純損益

9,582

13,836

その他の包括利益

13,685

△216

包括利益合計

23,268

13,619

 

なお、当社グループは三菱マヒンドラ農機㈱の議決権の50%超を保有しているが、優先株式を含めた出資比率及び株主間協定の内容を踏まえ、持分法適用の関連会社としている。また、Framatome S.A.S.については、当社グループの議決権保有率が20%未満であるものの、同社の役員構成などから、当社グループの重要な影響力が認められると判断し、持分法適用の関連会社としている。

 

(2)共同支配企業に対する投資

 ①重要性のある共同支配企業

当社グループにとって重要性がある共同支配企業は、勿来IGCCパワー合同会社及び広野IGCCパワー合同会社(以下、「両社」という)であり、日本国内において発電所運営事業を行い、外部から売電収入を得ている。

当社グループは、当連結会計年度において出資者間で締結した変更合弁契約に基づき持分の買取りを実施した結果、持分比率は従前の40%から90.8%、91.8%へとそれぞれ増加しているが、合弁契約の内容を踏まえ、引き続き持分法を適用している。

前連結会計年度および当連結会計年度における両社の財務情報を合算した要約財務情報、並びに要約財務情報と当社グループの投資の帳簿価額との調整表は、以下のとおりである。なお、要約財務情報には、持分の買取りによる公正価値調整及び会計方針の相違の調整が含まれている。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

資産

312,864

295,939

負債

239,593

227,092

資本合計

73,271

68,847

資本合計のうち当社グループ持分

29,308

64,171

連結調整(のれん相当額等)

-

-

投資の帳簿価額

29,308

64,171

 

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

売上収益

65,353

61,434

当期包括利益

△8,832

△37,475

当期包括利益のうち当社グループ持分

△3,533

△17,252

 

両社の要約財務情報における主な資産には、発電所運営事業に係るプラント設備等の非金融資産がある。

非金融資産の残高は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ234,371百万円、241,896百万円であるが、このうち、当連結会計年度末の残高には、上述の持分買取りに伴う公正価値調整に際して認識した識別可能無形資産(最新の事業計画に基づく回収可能価額を踏まえて使用価値まで減損損失を認識した後の残高)が含まれている。

なお、当該非金融資産については、減損の兆候が認められる都度、減損テストを実施している。この結果、回収可能価額が非金融資産の帳簿価額を下回り、減損が必要と判断される場合、当社グループは当該損失の当社グループ持分相当額を、持分法投資損失として認識する。回収可能価額には、処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方を採用しており、その見積りには、将来のプラント設備の稼働状況の見通し、割引率といった主要な前提が使用される。

 

両社の要約財務情報における主な負債には、取引先金融機関からの借入金があり、当社は両社に対して、当連結会計年度末において、38,842百万円の信用保証を行っている。

 

 ②個々には重要性のない共同支配企業

持分法で会計処理している個々には重要性のない共同支配企業に対する持分の帳簿価額の合計は、前連結会計年度末、当連結会計年度末において、それぞれ7,138百万円、12,502百万円であり、前連結会計年度及び当連結会計年度における包括利益に対する当社グループの持分の総額は以下のとおりである。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

当期純損益

△3,313

2,514

その他の包括利益

△300

227

包括利益合計

△3,613

2,741

 

 ③共同支配企業に対するコミットメント

当社グループは、共同支配企業に対して、一定の条件の下で出資等を行うコミットメントを有している。

当該コミットメントに基づき当社グループが新規又は追加の出資をする可能性のある金額は、前連結会計年度末、当連結会計年度末において、それぞれ2,835百万円、18,155百万円である。

 

 

 

17.リース

当社グループが借手となるリースの情報は以下のとおりである。

(1)使用権資産

使用権資産の帳簿価額、減価償却費及び増加額

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

建物及び

構築物

機械装置

及び運搬具

工具、器具

及び備品

土地

その他

合計

前連結会計年度期首

(2023年4月1日)

65,531

11,165

4,824

3,640

1,132

86,295

使用権資産の増加額

16,281

6,153

895

383

171

23,885

減価償却費

△16,004

△4,035

△1,216

△853

△90

△22,200

その他(注)

5,357

357

224

703

△1,127

5,515

前連結会計年度

(2024年3月31日)

71,165

13,641

4,728

3,874

86

93,496

使用権資産の増加額

12,757

7,392

1,719

683

77

22,630

減価償却費

△16,600

△4,936

△1,511

△742

△118

△23,909

その他(注)

△3,742

△1,361

△188

△192

263

△5,221

当連結会計年度

(2025年3月31日)

63,580

14,735

4,749

3,622

308

86,996

(注)「その他」には、解約に伴う減少、減損損失、為替換算差額等を含んでいる。

 

(2)リース負債

リース負債の返済スケジュールについては、注記「34.リスク管理に関する事項 (2)流動性リスク管理」に記載のとおりである。

 

(3)純損益に認識された金額

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

リース負債に係る金利費用

1,624

1,936

短期リースに関連する費用

6,063

5,458

少額資産リースに関連する費用

14,747

15,496

 

リース負債の測定に含めていない変動リース料に係る費用及び使用権資産のサブリースから生じる賃貸収益に重要性はない。

 

(4)リースに係るキャッシュ・アウトフロー

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

リースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額

50,887

49,488

 

 

(5)リース活動の性質

当社グループの主たるリースは、オフィスや工場として建物をリースし、事業用生産設備として機械装置をリースしている。建物のリース契約期間は10~20年、機械装置のリース契約期間は5~10年であり、契約終了後にリース期間の延長オプションを含むリース契約も存在する。

リース負債の測定においては、リース開始日に当該延長オプションを行使することが合理的に確実であるか否かを評価し、これを反映している。また、当社グループがコントロールできる範囲内にある重大な事象の発生、又は重大な状況の変化が生じた場合、当該オプションを行使することが合理的に確実であるか否かを再評価する。

 

(6)セール・アンド・リースバック

一部のオフィスビル(建物)や事業用生産設備(機械装置)等について、資産の流動性を高め、将来における不確実性のリスク回避とより多くの資金アクセスを目的にセール・アンド・リースバックを実施している。

いずれの契約もリース契約期間は10年程度であるが、契約期間終了時の延長オプションや、購入選択権が付与されたものがある。また、リース契約によって課された制限等の重要な付帯事項はない。なお、セール・アンド・リースバック取引に該当するかどうかは、当該資産の譲渡がIFRS第15号に基づき売却に該当するか否かで判断している。売却に該当しない場合は、金融取引として譲渡した資産を引き続き認識し、譲渡収入と同額の金融負債を認識している。

当社グループのセール・アンド・リースバック取引によるキャッシュ・フロー増加額及び当該取引から生じた利得又は損失に重要性はない。

 

当社グループが貸手となるリースの情報は重要性がないため、記載を省略している。

 

 

18.引当金

引当金の増減は以下のとおりである。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

当連結会計年度

(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

受注工事

損失関連

製品・工事

保証関連

賦課金関連

その他

合計

2024年4月1日残高

94,060

136,181

13,009

52,716

295,968

期中増加額

29,665

74,067

11,488

16,020

131,242

期中減少額(目的使用)

△41,652

△38,929

△11,221

△7,542

△99,345

期中減少額(戻入)

△4,301

△14,043

△1,788

△5,314

△25,447

その他  (換算差額等)

△381

△345

△556

△1,283

2025年3月31日残高

77,391

156,931

11,488

55,323

301,134

 

 

 

 

 

 

流動負債

77,391

121,881

11,488

18,270

229,032

非流動負債

35,049

37,053

72,102

合計

77,391

156,931

11,488

55,323

301,134

 

(1)受注工事損失関連

当社グループは、契約義務履行中の工事の損失に備えるため、未引渡工事のうち、報告期間の末日現在で損失の発生可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積もることができる工事について、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失を引当計上している。支出の時期は将来のプロジェクトの進捗等により影響を受ける。

 

当連結会計年度において認識している受注工事損失関連の引当金には、2021年度に引き渡したプラント設備の長期保守契約に係る引当金が含まれており、当該長期保守契約の履行に要する費用等を合理的に見積もり認識している。

 

(2)製品・工事保証関連

製品・工事引渡後の保証の一環として補修等を実施することがある。当社グループでは、当該費用の支出に備えるため、過去の実績や顧客等との協議の状況等を踏まえ、将来当社グループとして負担が見込まれる保証費用を見積もり、引当金を計上している。当該引当金は補修等の実施に応じて取り崩される。

 

当連結会計年度において認識している製品・工事保証関連の引当金には、上記(1)に記載のプラント設備に係る引当金が含まれている。

 

(3)賦課金関連

当社グループが事業を行う上で、必然的に賦課される政府からの賦課金の支払見込み額を計上している。当該賦課金の支払予定時期は、概ね報告期間の末日から1年内である。

 

(4)その他

その他の引当金には、事業構造改善に係る引当金、資産除去債務等が含まれている。

なお、当社グループは、原子力事業を手掛けるため、放射性廃棄物である原子燃料の加工や原子炉構成材料の安全性に係る各種研究開発を行う施設等を保有しているが、現時点で解体措置などの処理処分に関する技術及び処理処分方法を規定する法令等が未整備の状況であること等の理由から、除却・解体等に必要な費用を合理的に見積もることができないものに関しては、資産除去債務を計上していない。

 

 

19.従業員給付

(1)退職給付

当社グループは、従業員の退職給付に備え、確定給付企業年金制度、退職一時金制度、及び確定拠出年金制度を設けている。

確定給付企業年金制度は、会社が委託金融機関に定期的に掛金を拠出することで積立を行っており、受給資格を有する従業員の退職後に、当該積立金から委託金融機関が年金を給付する。

会社は、より適切な社内意思決定を行うため、退職給付管理委員会を設置し、退職給付制度について、退職金・退職年金制度、退職給付会計、資産運用の3点について担当部門間にて情報の共有化を図ると共に、退職給付制度について総合的に検討、意見交換、協議している。

確定給付制度債務は、年金数理計算上の仮定に基づいて測定されているため、割引率等それらの仮定の変動によるリスクに晒されている。制度資産は、主に市場性のある株式、債券及びその他の利付証券から構成されており、株価及び金利の変動リスクに晒されている。

退職一時金制度は、退職者に対し一時金を支給するもので、給付は退職時の給与水準及び勤続年数に基づき算定される。退職一時金制度については、当社及び一部のグループ会社が直接退職者へ支払義務を負っている。

確定拠出年金制度は、加入を選択する従業員及び当該従業員の雇用者である会社が、加入期間にわたり掛金を拠出し、加入者自らが積立金の運用を行う制度であり、給付は受託機関が行う。

 

① 確定給付制度

(ⅰ)連結財政状態計算書で認識した負債の内訳

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

確定給付制度債務の現在価値

551,269

515,210

制度資産の公正価値

846,597

795,429

 確定給付負債の純額

△295,328

△280,218

連結財政状態計算書上の金額

 

 

退職給付に係る負債

73,165

72,042

退職給付に係る資産

368,493

352,261

 確定給付負債の純額

△295,328

△280,218

 

(ⅱ)確定給付制度債務の現在価値の増減

 

 

(単位:百万円)

 

   前連結会計年度

 (自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

   当連結会計年度

 (自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

各年4月1日時点の残高

517,302

551,269

当期勤務費用

36,024

39,213

利息費用

5,691

7,107

再測定(注)

 

 

人口統計上の仮定の変更により生じた数理計算上の差異

11,319

1,573

財務上の仮定の変更により生じた数理計算上の差異

△10,090

△27,498

実績の修正により生じた数理計算上の差異

34,667

△13,558

過去勤務費用

△212

43

給付支払額

△44,880

△42,701

企業結合による増減額

△168

△61

その他

1,614

△177

各年3月31日時点の残高

551,269

515,210

(注)前連結会計年度よりグループ会社等への転籍に伴う退職付加金の影響を加味して確定給付債務の再測定を行っている。この結果、人口統計上の仮定の変更により4,200百万円、実績の修正により17,900百万円の数理計算上の差異が生じている。

 

(ⅲ)制度資産の公正価値の増減

 

 

(単位:百万円)

 

   前連結会計年度

 (自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

   当連結会計年度

 (自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

各年4月1日時点の残高

561,974

846,597

利息収益

5,914

10,246

再測定

 

 

制度資産に係る収益

(制度資産に係る利息収益を除く)

285,614

△45,990

制度への拠出(事業主によるもの)

12,019

11,892

給付支払額

△20,669

△27,152

企業結合による増減額

△83

その他

1,827

△163

各年3月31日時点の残高

846,597

795,429

 

(ⅳ)制度資産の公正価値の内訳

 

前連結会計年度(2024年3月31日)

 

 

 

(単位:百万円)

 

活発な市場における

公表市場価格があるもの

活発な市場における

公表市場価格がないもの

合計

国内株式

528,058

528,058

外国株式

39,857

9,158

49,015

国内債券

17,054

17,054

外国債券

20,708

13,797

34,505

現金及び現金同等物

76,029

76,029

生保一般勘定

18,008

18,008

その他(注)

123,924

123,924

合計

681,708

164,889

846,597

 

当連結会計年度(2025年3月31日)

 

 

 

(単位:百万円)

 

活発な市場における

公表市場価格があるもの

活発な市場における

公表市場価格がないもの

合計

国内株式

472,246

90

472,337

外国株式

28,953

14,714

43,668

国内債券

17,205

235

17,440

外国債券

24,574

8,229

32,804

現金及び現金同等物

71,377

71,377

生保一般勘定

17,369

17,369

その他(注)

140,432

140,432

合計

614,357

181,072

795,429

(注)その他には、不動産ファンド、ヘッジファンド及びプライベートエクイティファンド等への投資が含まれている。

 

制度資産合計には、確定給付企業年金制度及び退職一時金制度に対して設定した退職給付信託が含まれている。その金額は前連結会計年度末、当連結会計年度末において、それぞれ532,804百万円、480,197百万円である。

基金は、金利リスクに対するエクスポージャーをヘッジするため、金利スワップを使用する方針である。

また、金利スワップと組み合わせた負債性金融商品を用いることにより、確定給付制度債務の金利リスクに対するエクスポージャーの30%をカバーする方針である。前連結会計年度及び当連結会計年度において、基金はこの方針どおりに運営されている。

為替リスクに対するエクスポージャーは、先物為替予約を用いることにより、すべてヘッジされている。

 

(ⅴ)確定給付制度債務の現在価値算定に用いた重要な数理計算上の仮定

 

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

割引率

主として1.4%

主として2.1%

 

重要な数理計算上の仮定について、合理的に起こりうる変化に基づく感応度分析(確定給付制度債務への影響)は以下のとおりである。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

増加

減少

増加

減少

割引率が0.5%変化した場合に想定される影響

△28,994

30,806

△26,614

28,254

 

当該試算は数理計算上の仮定を割引率以外は変動させずに割引率のみ変動させた場合として算出している。

なお、当該算出方法は仮定に基づく試算であるため、実際の計算ではそれ以外の変数の変動により影響を受ける場合がある。

 

(ⅵ)資産運用方針

当社グループは、将来にわたり年金及び一時金等の給付を確実に行うために、許容されるリスクの範囲内で、必要とされる収益を長期的・安定的に獲得するという観点から適切な資産構成割合を定め、債券・株式など各種の資産に幅広く分散投資している。また、制度資産の運用・財政状況や運用環境を定期的に確認し、必要に応じて見直しを行うこととしている。掛金については、法令の定め等に従い、将来にわたり年金財政の均衡を保つことができるよう3年毎に財政再計算を実施するなど定期的に拠出額の見直しを行っている。

当社グループは、本制度における給付の財源に充てるため,適正な年金数理に基づいて算定された掛金を拠出する。翌連結会計年度における確定給付制度への拠出予定額は、12,259百万円である。

 

(ⅶ)確定給付制度債務の満期分析

 

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

加重平均デュレーション(年)

11.30

11.21

 

② 確定拠出制度

前連結会計年度及び当連結会計年度において計上した確定拠出制度関連費用は、それぞれ19,057百万円、

20,028百万円である。

 

(2)従業員給付費用

前連結会計年度及び当連結会計年度において計上した従業員給付費用の総額は、それぞれ934,541百万円、980,452百万円である。

 

 

20.その他の資産・負債

(1)その他の資産の内訳

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

退職給付に係る資産

368,493

352,261

前渡金及び前払費用

180,744

247,447

未収消費税等

56,650

67,459

未収法人税等

3,868

26,083

その他

136,107

118,474

合計

745,864

811,726

 

 

 

流動資産

281,895

372,766

非流動資産

463,969

438,960

合計

745,864

811,726

 

(2)その他の負債の内訳

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

未払費用

165,168

177,492

未払消費税等

18,955

14,011

その他

80,134

84,003

合計

264,258

275,507

 

 

 

流動負債

235,829

237,191

非流動負債

28,429

38,315

合計

264,258

275,507

 

 

21.資本及びその他の資本項目

(1)授権株式数、発行済株式数及び自己株式数

 

 

(単位:株)

 

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

授権株式数(注)

 

 

普通株式

600,000,000

6,000,000,000

発行済株式数(注)

 

 

期首

337,364,781

3,373,647,810

期中増減

期末

337,364,781

3,373,647,810

(注)授権株式及び発行済株式は、いずれも無額面の普通株式である。発行済株式はすべて全額払込を受けている。

なお、上記の発行済株式数に含まれる自己株式数は前連結会計年度末、当連結会計年度末において、それぞれ1,275,082株及び15,980,024株である。このうち、株式付与ESOP信託及び役員報酬BIP信託Ⅰ及びBIP信託Ⅱが所有する自社の株式数は前連結会計年度末、当連結会計年度末において、それぞれ838,818株、11,778,600株である。また、関連会社が保有する株式数は前連結会計年度末、当連結会計年度末において、それぞれ7,838株、78,348株である。なお、当社は、2024年4月1日付で普通株式1株につき10株の割合で株式分割を行っており、授権株式数及び発行済株式数がそれぞれ5,400,000,000株及び3,036,283,029株増加している。

 

(2)資本に含まれる各種剰余金の内容及び目的

① 資本剰余金

資本剰余金は、資本取引から生じた金額のうち資本金に含まれない金額で構成され、主な内訳は資本準備金である。

日本における会社法(以下、「会社法」という。)では、株式の発行に対しての払込み又は給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれている資本準備金に組み入れることが規定されている。また、会社法では、資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができる。

 

② 利益剰余金

利益剰余金は、利益準備金とその他利益剰余金から構成される。

会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されている。

株主総会決議等の一定の要件を充たす場合は、利益準備金の額を減少させ、その全部又は一部を資本金とすることができる。

なお、当社における会社法上の分配可能額は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成された当社の会計帳簿上の利益剰余金の金額に基づいて算定しているが、利益準備金は分配可能額の計算からは控除される。

 

 

22.配当金

各連結会計年度における配当金の総額は次のとおりである。

 

(1)前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

① 配当金支払額

決議

株式の種類

配当金の総額

(注)1,2

(百万円)

1株当たり

配当額

(円)

基準日

効力発生日

配当の原資

2023年6月29日

定時株主総会

普通株式

23,583

70

2023年3月31日

2023年6月30日

利益剰余金

2023年11月6日

取締役会

普通株式

26,952

80

2023年9月30日

2023年12月5日

利益剰余金

(注)1.2023年6月29日定時株主総会の決議による配当金の総額には、株式付与ESOP信託、役員報酬BIP信託Ⅰ及びBIP信託Ⅱが保有する当社の株式に対する配当金70百万円が含まれている。

2.2023年11月6日取締役会の決議による配当金の総額には、株式付与ESOP信託、役員報酬BIP信託Ⅰ及びBIP信託Ⅱが保有する当社の株式に対する配当金67百万円が含まれている。

 

② 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの

決議

株式の種類

配当金の総額

(注)1

(百万円)

1株当たり

配当額(注)2(円)

基準日

効力発生日

配当の原資

2024年6月27日

定時株主総会

普通株式

40,432

120

2024年3月31日

2024年6月28日

利益剰余金

(注)1.2024年6月27日定時株主総会の決議による配当金の総額には、株式付与ESOP信託、役員報酬BIP信託Ⅰ及びBIP信託Ⅱが保有する当社の株式に対する配当金100百万円が含まれている。

2.当社は2024年4月1日付で、普通株式1株につき10株の割合で株式分割を行っているが、配当基準日は2024

年3月31日であるため、株式分割前の株式数を基準とした金額を記載している。

 

(2)当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

① 配当金支払額

決議

株式の種類

配当金の総額

(注)1,2

(百万円)

1株当たり

配当額(注)3

(円)

基準日

効力発生日

配当の原資

2024年6月27日

定時株主総会

普通株式

40,432

120

2024年3月31日

2024年6月28日

利益剰余金

2024年11月5日

取締役会

普通株式

37,063

11

2024年9月30日

2024年12月5日

利益剰余金

(注)1.2024年6月27日定時株主総会の決議による配当金の総額には、株式付与ESOP信託、役員報酬BIP信託Ⅰ及びBIP信託Ⅱが保有する当社の株式に対する配当金100百万円が含まれている。

2.2024年11月5日取締役会の決議による配当金の総額には、株式付与ESOP信託、役員報酬BIP信託Ⅰ及びBIP信託Ⅱが保有する当社の株式に対する配当金73百万円が含まれている。

3.当社は2024年4月1日付で、普通株式1株につき10株の割合で株式分割を行っているが、2024年3月31日を基準日とする「1株当たり配当額」については、株式分割前の株式数を基準とした金額を記載している。

 

② 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの

決議

株式の種類

配当金の総額

(注)

(百万円)

1株当たり

配当額

(円)

基準日

効力発生日

配当の原資

2025年6月27日

定時株主総会

普通株式

40,434

12

2025年3月31日

2025年6月30日

利益剰余金

(注)2025年6月27日定時株主総会の決議による配当金の総額には、株式付与ESOP信託、役員報酬BIP信託Ⅰ及びBIP信託Ⅱが保有する当社の株式に対する配当金141百万円が含まれている。

23.売上収益

(1)収益の分解

当社グループは、「エナジー」「プラント・インフラ」「物流・冷熱・ドライブシステム」及び「航空・防衛・宇宙」の4つの事業ドメイン及びセグメントを基本として構成されており、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績の評価をするために、定期的に検討を行う対象としていることから、これらの事業で計上する収益を売上収益として表示している。

当社グループは、顧客との契約から生じる売上収益を、「航空・防衛・宇宙」については市場又は顧客の種類に基づき「民間航空機」「防衛・宇宙関連機器」に分解している。

なお、注記「4.事業セグメント(1)報告セグメントの概要」に記載のとおり、当連結会計年度においてGXセグメントを新設し、「プラント・インフラ」に集約して表示している。また、「その他」の区分を新設し、従来「全社又は消去」の区分に含めていた製品・サービスの一部を本区分に含めて表示している。これに伴い、前連結会計期間に関する開示情報を修正再表示している。

 

外部顧客からの売上収益(注)1

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

エナジー

1,714,615

1,803,878

プラント・インフラ

796,684

806,177

物流・冷熱・ドライブシステム

1,310,359

1,302,671

航空・防衛・宇宙

 

 

民間航空機

184,521

202,529

防衛・宇宙関連機器

605,820

826,762

航空・防衛・宇宙 計

790,342

1,029,291

報告セグメント 計

4,612,001

4,942,018

その他(注)2

32,501

73,215

合計

4,644,502

5,015,233

全社又は消去(注)3

12,644

11,943

連結

4,657,147

5,027,176

(注)1.外部顧客からの売上収益の大部分は、IFRS第15号に基づく顧客との契約から認識した収益であり、IFRS第16号に基づくリース収益等、その他の源泉から認識した収益の額に重要性はない。

2.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない電化・データセンター事業等の成長分野に関する事業やアセットビジネス等が含まれる。

3.「全社又は消去」の区分は、報告セグメントに含まれない一般サービス等を含んでいる。

 

当社グループは、エナジー、プラント・インフラ、物流・冷熱・ドライブシステム、航空・防衛・宇宙の各分野において製品の販売及び工事の実施・役務の提供を行っている。各取引における収益認識方法は注記「3.重要性がある会計方針 (13)収益」に記載のとおりである。

このうち、主にエナジー、プラント・インフラ及び防衛・宇宙関連機器の各事業において、1年超の長期にわたって履行義務を充足する工事を手掛けている。これら3事業の売上収益は上表のとおりであり、ここに記載した売上収益には、工事契約ごとに総収益を算定し、工事の進捗度に応じて認識している売上収益を含んでいる。

進捗度は、履行義務の充足を描写する方法により測定しており、主として、履行義務の充足のために発生した原価が、当該履行義務を完全に充足するまでに予想される総原価に占める割合に基づき見積もっている。

 

総収益及び総原価の見積りは、顧客並びにサプライヤーとの契約において生じうる以下の要因等により変動する可能性があり、経営者の重要な判断を伴う案件が含まれる。

(ⅰ)総収益の見積りの変動要因

・製品の納期遅延及び性能未達等による顧客からの損害賠償請求等

 

(ⅱ)総原価の見積りの変動要因

・製品の仕様変更

・工程遅延への対応

・材料、部品等の調達単価の変動

・性能未達への対応

・工事における計画していない事象の発生

 

取引の対価は、工事契約については契約上のマイルストン等により、概ね履行義務の充足の進捗に応じて受領しており、製品の販売、役務の提供については履行義務を充足してから主として1年内に受領している。いずれも重大な金融要素を含んでいない。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はない。

なお、当社グループでは、製品が契約に定められた仕様を満たしていることに関する保証を提供しているが、当該製品保証は別個のサービスを提供するものではないことから、独立した履行義務として区別していない。また、一部の製品・工事については、性能保証及び納期保証を付しているが、未達となる場合に顧客への一定の返金義務が生じることが見込まれている場合には、当該部分を見積もって収益を減額している。

 

(2)地域市場別の売上収益

地域市場別の売上収益については、注記「4.事業セグメント」に記載のとおりである。

 

(3)契約残高

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

顧客との契約から生じた債権

839,959

910,920

契約資産

776,399

791,871

契約負債

1,095,138

1,443,983

 

 

契約資産及び契約負債の重要な変動

① 契約資産

当社グループは、主として工事の実施・役務の提供について、報告期間の末日において履行義務の充足度を測定し、充足度に応じた支払を受け取る権利としての契約資産を認識している。その後、予め顧客との間で合意した達成目標に到達するか、履行義務を完全に充足するなどして、支払の受取に関する無条件の権利を有した時点で、営業債権に振り替えている。

契約資産の増減は、主として収益認識(契約資産の増加)と、営業債権への振替(同、減少)により生じたものである。

 

② 契約負債

当社グループは、主として顧客と約束した財又はサービスを顧客に移転する前に前受金として対価の支払いを受けた際に、当該金額を契約負債として認識している。その後、当社グループが履行義務を充足した時点で契約負債としての認識を中止し、収益として認識している。

契約負債の増減は、主として前受金の受取り(契約負債の増加)と、収益認識(同、減少)により生じたものである。

なお、上記の収益認識による減少のうち、契約負債の期首残高からの振替は前連結会計年度では558,716百万円、当連結会計年度では578,157百万円である。

また、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務に対して認識した収益に重要性はない。

 

(4)残存履行義務に配分した取引価格

当連結会計年度末時点で未充足の履行義務に配分した取引価格の総額及び報告セグメント別の残高は以下のとおりである。

 

各連結会計年度末における未充足の履行義務に配分した取引価格残高

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

エナジー

4,229,866

4,918,439

プラント・インフラ

1,623,682

1,705,361

物流・冷熱・ドライブシステム

58,369

79,355

航空・防衛・宇宙

2,474,222

3,514,580

報告セグメント 計

8,386,141

10,217,736

その他(注)1

14,291

18,239

合計

8,400,433

10,235,976

全社又は消去(注)2

142

320

連結

8,400,576

10,236,296

(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない電化・データセンター事業等の成長分野に関する事業やアセットビジネス等が含まれる。

2.「全社又は消去」の区分は、報告セグメントに含まれない一般サービス等を含んでいる。

 

「エナジー」「プラント・インフラ」「航空・防衛・宇宙」の3つの報告セグメントにおける、未充足の履行義務に配分した取引価格は、主として個別受注品事業に属するものであり、その多くが1年超の長期にわたって履行義務を充足する工事契約に係る取引となっている。また、「物流・冷熱・ドライブシステム」における、未充足の履行義務に配分した取引価格は、中量産品事業に属するものが多く、主として1年以内で履行義務を完了する物品の販売・役務の提供に係る取引となっている。

各報告セグメントの未充足の履行義務は、各連結会計年度末から起算して、概ね次の期間内に完了し、収益として認識される見込みである。

・エナジー:          8年以内

・プラント・インフラ:     5年以内

・物流・冷熱・ドライブシステム:1年以内

・航空・防衛・宇宙:      3年以内

 

(5)顧客との契約の獲得又は履行のために生じたコストから認識した資産

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

契約獲得のために生じたコストから認識した資産

620

259

契約履行のために生じたコストから認識した資産

40,313

37,755

合計

40,934

38,015

 

当社グループは、顧客との契約獲得の増分コスト及び契約の履行に直接関連するコストのうち、将来回収可能と見込まれる部分について資産として認識しており、連結財政状態計算書上「棚卸資産」に計上している。

当社グループにおいて、契約獲得の増分コストとして認識している資産は、主として工事契約獲得時に起用した商社の手数料である。当該資産は該当する工事契約に係る財又はサービスが顧客へ移転するパターンに応じて償却を行っている。

また、将来の予定契約に対するコストとして認識している資産は、主として顧客との契約が締結される前に先行着手した新機種・新製品の量産図面の設計費用や専用治工具制作に係る費用である。当該資産は顧客との契約締結後、該当する財又はサービスが顧客へ移転するパターンに応じて償却を行っている。

契約コストから認識した資産に係る償却費は、前連結会計年度、当連結会計年度において、それぞれ12,403百万円、13,050百万円である。減損損失は、前連結会計年度、当連結会計年度ともに該当がない。

 

 

24.販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費の内訳は以下のとおりである。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

従業員給付費用

261,798

283,858

研究開発費(注)

77,638

74,271

報酬手数料

47,721

55,226

引合費用

52,787

52,434

減価償却費及び償却費

23,784

29,934

開発費

43,250

25,009

損失評価引当金繰入額

3,452

6,855

その他

184,909

189,349

合計

695,342

716,941

(注)当社グループでは、研究開発費は販売費及び一般管理費に認識している。

25.その他の収益及び費用

その他の収益及び費用の内訳は以下のとおりである。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

その他の収益

 

 

有形固定資産売却益

29,028

70,510

受取配当金(注)

11,180

11,549

保険求償益

4,555

2,047

その他

18,831

14,655

 合計

63,595

98,762

その他の費用

 

 

有形固定資産及び無形資産除却損

6,963

10,399

投資有価証券売却損

3,089

損害補償関連費用

2,294

減損損失

4,424

2,044

損失評価引当金繰入額

353

その他

6,585

8,929

 合計

17,973

27,110

(注)受取配当金は、連結キャッシュ・フロー計算書上、営業活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含めてい

る。なお、注記「7.その他の金融資産」に記載のとおり、受取配当金はすべてFVTOCIの金融資産に係るものである。

 

 

26.政府補助金

当社グループが受領した政府補助金は主に研究開発活動に係るものである。

前連結会計年度及び当連結会計年度において計上した政府補助金は、それぞれ7,642百万円及び10,633百万円であり、主に研究開発費の発生に応じて費用を控除するが、一部は収益を繰延べたうえ、その他の収益にて認識している。

 

 

27.金融収益及び金融費用

金融収益及び金融費用の内訳は以下のとおりである。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

金融収益

 

 

受取利息

 

 

償却原価で測定する金融資産

10,369

10,705

為替差益

39,024

1,858

その他

550

1,081

 合計

49,945

13,645

金融費用

 

 

支払利息

 

 

償却原価で測定する金融負債

10,994

13,802

リース負債

1,624

1,936

その他

4,680

6,574

 合計

17,298

22,313

 

 

28.1株当たり当期利益

親会社の所有者に帰属する基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎は、以下のとおりである。

 

 

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

当期利益

(親会社の所有者に帰属)(百万円)

222,023

245,447

期中平均普通株式数(千株)

3,360,379

3,360,292

希薄化効果の影響(千株): 新株予約権

1,218

901

希薄化効果影響後の期中平均普通株式数(千株)

3,361,597

3,361,193

1株当たり当期利益(親会社の所有者に帰属)(円)

 

 

基本的1株当たり当期利益(円)

66.07

73.04

希薄化後1株当たり当期利益(円)

66.04

73.02

 

なお、当社は2024年4月1日付で、普通株式1株につき10株の割合で株式分割を行った。「基本的1株当たり当期利益」及び「希薄化後1株当たり当期利益」については、当該株式分割が前連結会計年度の期首に行われたと仮定し、算出している。

29.その他の資本の構成要素及びその他の包括利益

(1)その他の資本の構成要素

その他の資本の構成要素の各項目の増減は次のとおりである。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

FVTOCIの金融資産

 

 

期首残高

96,182

133,898

期中増減

58,653

△42,272

利益剰余金への振替

△20,937

13,742

期末残高

133,898

105,367

確定給付制度の再測定

 

 

期首残高

△25,385

147,957

期中増減

173,342

△7,873

期末残高

147,957

140,083

キャッシュ・フロー・ヘッジ

 

 

期首残高

△1,262

△2,127

期中増減

△865

2,852

期末残高

△2,127

725

在外活動体の換算差額

 

 

期首残高

126,394

229,657

期中増減

103,262

△11,674

期末残高

229,657

217,982

その他の資本の構成要素

 

 

期首残高

195,929

509,385

期中増減

334,393

△58,968

利益剰余金への振替

△20,937

13,742

期末残高

509,385

464,159

 

(2)非支配持分に含まれるその他の包括利益の各項目の内訳

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

FVTOCIの金融資産

124

△148

確定給付制度の再測定

682

80

キャッシュ・フロー・ヘッジ

△10

46

在外活動体の換算差額

9,142

215

合計

9,939

193

 

 

(3)その他の包括利益

その他の包括利益の各項目の内訳及びそれらに係る税効果の影響(非支配持分を含む)は以下のとおりである。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

純損益に振り替えられることのない項目

 

 

FVTOCIの金融資産の公正価値変動額

 

 

当期発生額

81,620

△62,110

税効果前

81,620

△62,110

税効果

△22,995

19,603

税効果後

58,624

△42,506

確定給付制度の再測定

 

 

当期発生額

250,096

△7,099

税効果前

250,096

△7,099

税効果

△76,247

△1,482

税効果後

173,848

△8,581

持分法適用会社におけるその他の包括利益

 

 

当期発生額

329

872

税効果前

329

872

税効果

税効果後

329

872

純損益に振り替えられる可能性のある項目

 

 

キャッシュ・フロー・ヘッジ

 

 

当期発生額

△6,095

△915

組替調整額

3,747

2,601

税効果前

△2,347

1,685

税効果

858

△585

税効果後

△1,488

1,100

在外活動体の換算差額

 

 

当期発生額

105,868

△9,681

組替調整額

△6,473

△979

税効果前

99,394

△10,660

税効果

税効果後

99,394

△10,660

持分法適用会社におけるその他の包括利益

 

 

当期発生額

13,714

639

組替調整額

△73

351

税効果前

13,641

991

税効果

税効果後

13,641

991

その他の包括利益 合計

344,350

△58,784

 

30.関連当事者

(1)関連会社及び共同支配企業との取引

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

債権残高(注)

75,091

87,502

債務残高

55,973

47,842

 

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

売上収益

122,076

100,499

仕入高

55,842

57,643

(注)当社グループは、一部の関連当事者に対して貸付を行っている。

関連当事者向けの貸付金の総額は、前連結会計年度末、当連結会計年度末において、それぞれ10,926百万円、18,893百万円である。

関連当事者向けの貸付金は、前連結会計年度末において、主として日本鋳鍛鋼㈱に対するものであり、当連結会計年度末において、主として勿来IGCCパワー合同会社、広野IGCCパワー合同会社に対するものである。

なお、関連当事者向けの貸付金の一部には損失評価引当金を設定しているが、上表では貸付債権と損失評価引当金を純額で表示している。

関連当事者向け貸付金に対する損失評価引当金の総額は、前連結会計年度末においては7,739百万円であった。当連結会計年度末の残高には重要性はない。

 

(2)経営幹部に対する報酬

当社の取締役に対する報酬額は次のとおりである。

 

 

(単位:百万円)

 

 前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

短期報酬

879

1,009

株式報酬

348

1,200

合計

1,227

2,209

 

この他、当社は取締役の起用にあたって法定福利費を負担している。当社が負担した法定福利費は前連結会計年度、当連結会計年度において、いずれも9百万円である。

 

31.主要な子会社

当社グループにおける主要な子会社は以下のとおりである。

子会社名

所在地

議決権の所有割合(注)1,2

事業内容

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

三菱重工航空エンジン㈱

愛知県

小牧市

100%

100%

エナジー

三菱重工コンプレッサ㈱

広島市

西区

100%

100%

三菱重工パワーインダストリー㈱

横浜市

中区

100%

100%

三菱重工マリンマシナリ㈱

長崎市

100%

100%

Mitsubishi Power Aero LLC

Connecticut,

U.S.A.

100%

100%

(100%)

(100%)

Mitsubishi Power Americas, Inc.

Florida,

U.S.A.

100%

100%

(100%)

(100%)

Mechanical Dynamics & Analysis LLC

New York,

U.S.A.

100%

100%

(100%)

(100%)

三菱重工環境・化学エンジニアリング㈱

横浜市

西区

100%

100%

プラント・

インフラ

三菱造船㈱

東京都港区

100%

100%

三菱重工機械システム㈱

神戸市

兵庫区

100%

100%

三菱重工交通・建設エンジニアリング㈱

東京都

港区

100%

100%

Primetals Technologies, Limited

London,

U.K.

100%

100%

(100%)

(100%)

三菱重工サーマルシステムズ㈱

東京都

千代田区

100%

100%

物流・冷熱・

ドライブシステム

三菱重工エンジン&ターボチャージャ㈱

相模原市

中央区

100%

100%

三菱ロジスネクスト㈱

京都府

長岡京市

64.6%

64.6%

三菱重工冷熱㈱

東京都

港区

100%

100%

(100%)

(100%)

Equipment Depot, Inc.

Texas,

U.S.A.

100%

100%

(100%)

(100%)

三菱重工海爾 (青島) 空調機有限公司

中国

山東省

55.0%

55.0%

(55.0%)

(55.0%)

Mitsubishi Heavy Industries-Mahajak Air Conditioners Co., Ltd.

Bangkok,

Thailand

81.8%

81.8%

(81.8%)

81.8%

Mitsubishi Turbocharger and Engine Europe B.V.

Almere,

The Netherlands

100%

100%

(100%)

100%

Mitsubishi Heavy Industries Air-Conditioning Europe, Ltd.

Uxbridge,

U.K.

100%

100%

(100%)

(100%)

上海菱重増圧器有限公司

中国

上海市

56.2%

56.2%

(56.2%)

(56.2%)

 

 

子会社名

所在地

議決権の所有割合(注)1,2

事業内容

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

Mitsubishi Turbocharger and Engine America, Inc.

Illinois,

U.S.A.

100%

100%

物流・冷熱・

ドライブシステム

(100%)

(100%)

三菱重工空調系統 (上海) 有限公司

中国

上海市

100%

100%

(100%)

(100%)

Mitsubishi Logisnext Europe B.V.

Almere,

The Netherlands

100%

100%

(100%)

(100%)

Mitsubishi Heavy Industries Air-conditioners Australia, Pty. Ltd.

New South Wales,

Australia

100%

100%

(100%)

(100%)

Mitsubishi Logisnext Americas Inc.

Texas,

U.S.A.

100%

100%

(100%)

(100%)

三菱重工マリタイムシステムズ㈱

岡山県

玉野市

100%

100%

航空・防衛・宇宙

MHI RJ Aviation Inc.

West Virginia,

U.S.A.

100%

100%

(100%)

(100%)

MHI International Investment B.V.

Almere,

The Netherlands

100%

100%

全社(共通)

三菱重工業 (中国) 有限公司

中国

北京市

100%

100%

Mitsubishi Heavy Industries India Pte. Ltd.

Delhi,

India

100%

100%

(0.0%)

(0.0%)

Mitsubishi Heavy Industries Asia Pacific Pte. Ltd.

Singapore

100%

100%

Mitsubishi Heavy Industries America, Inc.

Texas,

U.S.A.

100%

100%

Mitsubishi Heavy Industries EMEA, Ltd.

London,

U.K.

100%

100%

Mitsubishi Heavy Industries (Thailand) Ltd.

Bangkok,

Thailand

100%

100%

(99.9%)

(99.9%)

三菱重工業 (上海) 有限公司

中国

上海市

100%

100%

(100%)

(100%)

Concentric, LLC

Texas,

U.S.A.

100%

100%

その他

(100%)

(100%)

その他

 

219社

218社

 

(注)1.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数である。

2.当社グループの連結財務諸表に含まれる子会社の内、重要性のある非支配持分が存在する子会社は、前連結会計年度、当連結会計年度ともにない。

 

 

32.コミットメント

(1)有形固定資産の取得に係るコミットメント

有形固定資産の購入に関する約定済未検収の金額は、前連結会計年度末、当連結会計年度末において、それぞれ50,594百万円、64,554百万円である。

(2)無形資産の取得に係るコミットメント

無形資産の購入に関する約定済未検収の金額は、前連結会計年度末、当連結会計年度末において、それぞれ1,793百万円、2,413百万円である。

 

 

33.偶発負債

該当事項なし。

 

 

34.リスク管理に関する事項

当社グループは、経営活動を行う過程で、信用リスク、流動性リスク、市場リスク(為替リスク、金利リスク、株価の変動リスク)に晒されており、当該リスクを回避又は低減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っている。

 

(1)信用リスク管理

当社グループの「営業債権及びその他の債権」、「その他の金融資産」、「契約資産」のうち償却原価で測定する金融資産及び金融保証契約については、顧客等の信用リスクに晒されている。

当社グループは取引先ごとの期日管理及び残高管理を定期的に行い信用状況を把握する体制としており、取引先の信用補完のため、一部の取引先との取引においては担保の供出を受けている。また、信用状取引や貿易保険等の活用により信用リスクの低減を図っている。

単独の顧客に対して、過度に集中した信用リスクは有していない。

なお、預金及びデリバティブは、いずれも信用度の高い金融機関との取引であることから、それらの信用リスクは限定的である。

 

連結財政状態計算書に表示されている「営業債権及びその他の債権」、「契約資産」については、常に全期間の予想信用損失と同額で損失評価引当金を測定している(単純化したアプローチ)。

上記以外の償却原価で測定する金融資産については、原則として12カ月の予想信用損失と同額で損失評価引当金を測定しているが、弁済期日を経過した場合等には、信用リスクが当初認識時点より著しく増大したものとして、全期間の予想信用損失と同額で損失評価引当金を測定している(原則的なアプローチ)。

 

信用リスクが著しく増大している金融資産のうち、債務者が深刻な財政難を理由に弁済条件の大幅な見直しを要請してきた場合など、債権の全部又は一部について回収が極めて困難であると判断された場合には債務不履行とみなしている。当社グループは債務者が債務不履行と判断される場合や債務者の破産等による法的整理手続の開始等があった場合には、当該金融資産は信用減損したものと判断している。また、将来回収できないことが明らかな金額は、金融資産の帳簿価額を直接減額している。

 

予想信用損失の金額は次のように測定している。

・営業債権及びその他の債権、契約資産

単純化したアプローチに基づき、債権等を相手先の信用リスク特性に応じて区分し、その区分に応じて算定した過去の信用損失の実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を乗じて算定している。

 

・償却原価で測定されるその他の金融資産

原則的なアプローチに基づき、信用リスクが著しく増大していると判断されていない債権については、同種の資産の過去の信用損失の実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を総額の帳簿価額に乗じて算定している。信用リスクが著しく増大していると判定された金融資産及び信用減損金融資産については、見積将来キャッシュ・フローを当該資産の当初の実効金利で割り引いた現在価値の額と、総額の帳簿価額との差額をもって算定している。

 

 

① 損失評価引当金の対象となる資産の残高の総額

 

 

 

(単位:百万円)

信用損失の

測定方法

区分

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

単純化したアプローチ

1,647,375

1,736,420

原則的なアプローチ

12カ月の予想信用損失に

等しい金額で測定

165,706

178,427

全期間の予想信用損失に

等しい金額で測定

1,505

4,666

全期間の予想信用損失に

等しい金額で測定

(信用減損)

7,690

2,624

本表における同一区分内における金融資産の信用リスク格付けは概ね同一である。

 

② 損失評価引当金の増減

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

期首残高

期中増減額

期中目的使用額

その他の増減

(注)1

期末残高

単純化したアプローチ

適用引当金

13,149

3,483

△977

1,414

17,070

原則的なアプローチ

適用引当金

 

 

 

 

 

信用減損金融資産以外

1,553

135

△8

155

1,835

信用減損金融資産(注)2

8,040

△19

△456

33

7,598

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

期首残高

期中増減額

期中目的使用額

その他の増減

(注)1

期末残高

単純化したアプローチ

適用引当金

17,070

4,252

△1,127

△400

19,794

原則的なアプローチ

適用引当金

 

 

 

 

 

信用減損金融資産以外

1,835

210

△57

△150

1,837

信用減損金融資産(注)2

7,598

2,506

△7,598

117

2,624

(注)1.その他の増減には、主として為替換算差による調整額が含まれている。

2.信用減損金融資産には、注記「30.関連当事者」に記載の日本鋳鍛鋼㈱に対する貸付金が含まれていたが、当連結会計年度において、同社を清算したことに伴い、対応する損失評価引当金を取り崩している。

 

③ 金融保証契約

当社グループでは、主として関係会社の金融機関からの借入等に対して、保証を行っている。

債務保証残高は前連結会計年度末、当連結会計年度末において、それぞれ20,232百万円、53,142百万円である。当該債務保証に関する信用リスクは限定的であり重要性がないことから、上表①、②には含めていない。

 

(2)流動性リスク管理

当社グループでは、「社債、借入金及びその他の金融負債」、「営業債務及びその他の債務」が流動性リスクに晒されているが、各社が月次に資金繰計画を作成するなどの方法によりリスクを管理している。

当社グループは、運転資金、設備資金については、まず、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分について必要な資金を、主として銀行借入や社債発行により調達している。

また、当社グループでは、資金調達の一つの手段として、資産の流動化契約等による営業債権等の現金化を行っている。

なお、当社グループは、信用度の高い銀行との間で未実行のコミットメントライン契約を締結している。

一部の銀行借入の約定は、特定の財務比率及び純資産の一定水準の維持を要求している。

 

当社グループの金融負債の残存契約満期金額は以下のとおりである。

 

前連結会計年度(2024年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

帳簿価額

契約上の割引前

キャッシュ・

フロー合計

1年以内

1年超5年以内

5年超

非デリバティブ負債

 

 

 

 

 

営業債務及びその他の債務

958,891

958,891

955,739

3,033

118

社債

225,000

229,957

30,915

92,433

106,609

短期借入金

72,074

72,074

72,074

長期借入金

371,153

378,630

77,306

207,503

93,820

ノンリコース借入金

60,755

97,657

4,131

20,453

73,073

債権流動化等に伴う支払債務

200,552

202,787

116,555

71,944

14,287

リース負債

117,094

130,547

27,619

74,906

28,021

その他の金融負債

86,596

92,773

52,168

24,412

16,192

デリバティブ負債

9,737

9,737

8,005

1,732

 合計

2,101,856

2,173,057

1,344,516

496,418

332,122

 

当連結会計年度(2025年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

帳簿価額

契約上の割引前

キャッシュ・

フロー合計

1年以内

1年超5年以内

5年超

非デリバティブ負債

 

 

 

 

 

営業債務及びその他の債務

930,281

930,281

927,611

2,556

112

社債

225,000

231,996

36,047

68,509

127,439

短期借入金

62,307

62,307

62,307

長期借入金

305,621

311,907

37,596

236,710

37,599

ノンリコース借入金

58,458

86,007

4,383

18,054

63,569

債権流動化等に伴う支払債務

288,041

291,528

68,452

212,653

10,422

リース負債

107,861

113,822

30,229

58,544

25,048

その他の金融負債

77,653

83,379

42,927

25,487

14,965

デリバティブ負債

6,331

6,331

4,403

1,927

 合計

2,061,555

2,117,561

1,213,958

624,445

279,157

金融保証契約については、上表に含まれていない。

金融保証契約は、その履行請求に基づき支払義務が発生する。債務保証残高は(1)③に記載のとおりである。

 

(3)市場リスク管理

① 為替リスク管理

当社グループは、グローバルに事業を展開しており、為替の変動に起因したリスクに晒されている。

為替リスクはすでに認識している外貨建債権債務及び将来の仕入・販売などの予定取引から生じる。

当該リスクに対し、当社グループはナチュラルヘッジの考え方により、同一通貨の債権と債務をバランスさせて保持することで為替変動のリスクをヘッジすることを基本方針としているが、必要に応じて一部の外貨建て債権債務や予定取引については先物為替予約を利用している。

先物為替予約は主として、外貨建の営業債権及び営業債務に係る為替変動リスクをヘッジする目的で使用している。

デリバティブ取引は、内部管理規定に基づき実需の範囲内で行うこととしており、投機的な取引は行わない方針である。なお、一部の為替予約取引についてはキャッシュ・フロー・ヘッジを適用している。

 

(ⅰ)為替リスクのエクスポージャー

当社グループにおける為替リスクのエクスポージャー(純額)の主なものは次のとおりである。

なお、デリバティブ取引により、為替変動リスクがヘッジされている金額は除いている。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

米ドル

203,083

125,791

ユーロ

32,962

12,617

 

(ⅱ)為替感応度分析

各連結会計年度において、米ドル及びユーロの各報告期間の末日の為替レートが1%円高になった場合、当社グループの税引前利益に与える影響額は次のとおりである。

本分析においては、その他の変動要因(残高、金利等)は一定であることを前提としている。

 

 

(単位:百万円)

 税引前利益

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

米ドル

△2,031

△1,258

ユーロ

△330

△126

 

② 金利変動リスク管理

当社グループは、変動金利の借入金を有しており、金利変動リスクに晒されている。このうち、長期のものの一部について、支払金利の変動リスクを回避し、支払利息の固定化を図るために、個別契約ごとにデリバティブ取引(金利スワップ取引)を利用している。なお、金利スワップ取引にはヘッジ会計を適用しており、キャッシュ・フロー・ヘッジを採用している。

 

(ⅰ)金利リスクのエクスポージャー

当社グループにおける金利リスクのエクスポージャーは次のとおりである。

なお、デリバティブ取引により、金利変動リスクがヘッジされている金額は除いている。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

変動金利の借入金

95,782

56,913

 

(ⅱ)金利感応度分析

各連結会計年度において、金利が1%上昇した場合に、金利変動の影響を受ける金融商品から生じる、当社グループの税引前利益に与える影響額は次のとおりである。

本分析は、各連結会計年度末に当社グループが保有する変動金利性の金融商品(預金を除く)に1%を乗じて算出しており、将来にわたる残高の増減、為替変動の影響、変動金利性の借入金に係る借換期間・金利改定時期の分散効果等を考慮せず、その他のすべての変数を一定として計算している。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

税引前利益

△958

△569

 

③ 株価の変動リスク管理

当社グループは、主に他社との関係の強化・維持を目的として取引先等の企業の株式を保有しており、株価の変動リスクに晒されている。株式は主として他社との協業など事業運営上の必要性から保有するものであるため、当該企業との取引関係等に応じて定期的に保有状況の見直しを図っている。このうち、売却方針が決定した銘柄については、その後の株価の変動リスクをヘッジすることを目的に、先渡契約を利用し、公正価値ヘッジを適用することがある。

 

(ⅰ)株価の変動リスクのエクスポージャー

各連結会計年度末における市場性のある株式の総額は次のとおりである。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

市場性のある株式

279,559

190,182

 

(ⅱ)株価変動感応度分析

各連結会計年度末に当社グループが保有する市場性のある株式の公正価値が10%減少した場合に、連結包括利益計算書のその他の包括利益(税効果控除後)に与える影響は次のとおりである。
なお、本分析においては、その他の変動要因は一定であることを前提としている。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

  至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

その他の包括利益(税効果控除後)

△19,434

△13,221

 

④ ヘッジ指定されているデリバティブ取引の連結財政状態計算書への影響額

(ⅰ)キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されているデリバティブ取引

 

前連結会計年度(2024年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

ヘッジ手段

契約額/

想定元本

内、1年超

ヘッジ手段の帳簿価額

資産

負債

為替リスク

 

 

 

 

為替予約

169,410

15,698

2,769

7,014

金利リスク

 

 

 

 

金利スワップ

48,424

39,245

448

 

当連結会計年度(2025年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

ヘッジ手段

契約額/

想定元本

内、1年超

ヘッジ手段の帳簿価額

資産

負債

為替リスク

 

 

 

 

為替予約

152,539

5,484

1,205

2,728

金利リスク

 

 

 

 

金利スワップ

67,423

44,487

14

2,192

 

当社グループのヘッジ指定為替予約のうち、主な取引は米ドル売り・円買いの為替予約である。前連結会計年度末、当連結会計年度末の約定平均レートはそれぞれ127.87 円 / ドル、136.76 円 / ドルである。

また金利スワップに関しては、主として変動金利を固定金利とするスワップ取引を契約している。前連結会計年度末、当連結会計年度末の約定平均レートはそれぞれ2.52%、2.71%である。

上記ヘッジ手段は連結財政状態計算書上、「その他の金融資産」、「社債、借入金及びその他の金融負債」に流動・非流動に区分して計上している。

 

(ⅱ)キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金

 

 

為替リスク

 

 

為替予約

△2,858

1,345

金利リスク

 

 

金利スワップ

730

△619

 合計

△2,127

725

 

当社グループは、ヘッジ関係がヘッジ会計の適格要件を満たすかどうかを評価するために、取引開始時に、ヘッジ手段とヘッジ対象との関係、並びに種々のヘッジ取引の実施についてのリスク管理目的及び戦略について文書化している。また、ヘッジ取引に利用したデリバティブがヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動を相殺するに際し、ヘッジ有効性の要求をすべて満たしているかどうかについても、ヘッジ開始時に評価し文書化することとしており、取引開始後にも継続的に見直している。

 

なお、当社グループは、ヘッジ関係の開始時にヘッジ対象の数量とヘッジ手段の数量に基づいて適切なヘッジ比率を設定しており、その結果ヘッジ比率は原則として1対1の関係となっている。

当社グループのヘッジ手段に係る信用リスクは限定的であり、かつ、為替予約は対象期間が長期に及ばないこと、金利スワップ契約はヘッジ対象である変動金利の借入金と同一の金利指標を参照していることから、関連する重要なヘッジ非有効部分は発生しないと想定している。

純損益に認識したヘッジ非有効部分の金額に重要性はなく、ヘッジ対象の価値の変動とヘッジ手段の公正価値の変動は近似しているため、ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の価値の変動の記載は省略している。また、ヘッジ会計を中止したヘッジ関係から生じたキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金はない。

 

(ⅲ)公正価値ヘッジとして指定されているデリバティブ取引

前連結会計年度及び当連結会計年度において、公正価値ヘッジとして指定しているデリバティブ取引はない。

 

⑤ 連結損益計算書及び連結包括利益計算書における影響

ヘッジ会計の適用による連結損益計算書及び連結包括利益計算書への影響は次のとおりである。

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

(単位:百万円)

 

その他の包括利益で

認識されたヘッジ手段の

公正価値変動

その他の資本の構成要素から

純損益に組替調整として

振り替えた金額

組替調整として

振り替えられた

純損益の表示科目

為替リスク

 

 

 

為替予約

△6,541

3,964

金融費用

金利リスク

 

 

 

金利スワップ

446

△217

金融収益

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

(単位:百万円)

 

その他の包括利益で

認識されたヘッジ手段の

公正価値変動

その他の資本の構成要素から

純損益に組替調整として

振り替えた金額

組替調整として

振り替えられた

純損益の表示科目

為替リスク

 

 

 

為替予約

754

2,660

金融費用

金利リスク

 

 

 

金利スワップ

△1,669

△59

金融収益

 

 

35.企業結合

当社グループは、2023年10月2日付でConcentric, LLCの全持分を取得し、連結子会社としたが、当該企業結合に関し、前連結会計年度においては、取得原価の配分が完了していないことから、暫定的な会計処理を行っていた。

当連結会計年度において取得原価の配分が完了したが、取得した資産、引き受けた負債及びのれんの金額について、前連結会計年度の開示情報からの変動はない。

 

36.資本管理

当社グループは、事業活動において、資産効率性の維持・向上を最優先に位置づけ、安定的なフリー・キャッシュ・フローの創出と収益性の向上により財務の健全性を維持しつつ、長期ビジョンに基づく成長戦略を推進することで長期安定的な企業価値の向上を図ることを重要な方針としている。

上記の方針を踏まえ、当社グループは資本の管理にあたり、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)、親会社所有者帰属持分比率、D/Eレシオを中期経営計画における目標として設定しモニタリングしており、それぞれ次のとおりである。

 

 

(単位:%)

 

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)

11.14

10.69

親会社所有者帰属持分比率

35.88

35.24

D/Eレシオ(負債比率)

30.88

26.37

 

なお、当社グループが適用を受ける重要な資本の規制はない。

 

 

37.重要な後発事象

該当事項なし。

(2)【その他】

① 当連結会計年度における半期情報等

 

中間連結会計期間

当連結会計年度

売上収益

(百万円)

2,298,113

5,027,126

税引前中間(当期)利益

(百万円)

168,279

374,531

親会社の所有者に帰属する中間(当期)利益

(百万円)

107,120

245,447

基本的1株当たり中間(当期)利益

(親会社の所有者に帰属)

(円)

31.86

73.04

 

② 重要な訴訟事件等

当社と大宇建設のコンソーシアム(以下、両社をあわせ「当社等」という。)は、El Sharika El-Djazairia El-Omania Lil Asmida SPA(以下、「AOA社」という。)と当社等が受注したアルジェリアの化学肥料プラント建設工事について、一時係争関係にあったが、2017年に和解(以下、「和解契約」という。)し、同プラントを引き渡した。しかしその後、AOA社により和解契約に基づく残代金の一部支払を拒否されたため、当社等は、AOA社とその株主の1社であるSociete Nationale pour la Recherche, la Production, le Transport, la Transformation et la Commercialisation des Hydrocarbures SPA (「SONATRACH社」)に対して仲裁を提起していた。
2021年3月、当社等は、AOA社より和解契約の解除及び和解契約に基づき既に支払った代金の返金を主な内容とする反対請求を受領した。
2022年10月、仲裁廷よりSONATRACH社を仲裁の当事者から外す決定がなされた。
当社等は、AOA社による残代金の支払拒否には合理的な理由がなく、反対請求は棄却されるべきである旨を主張していく。

 

③ 固定資産の譲渡

当社は、2024年2月28日開催の取締役会において、当社が所有する有形固定資産を譲渡することを決定し、当連結会計年度において実施した。詳細は以下のとおりである。

(ⅰ)譲渡の理由

経営資源の有効活用と財務体質の強化を図るためである。

(ⅱ)譲渡資産の内容

資産の内容:工場土地(本牧工場の一部)

所在地  :神奈川県横浜市中区錦町38-8他

(ⅲ)譲渡の日程

契約締結日 :2024年2月29日

引渡日  :2024年9月30日、2025年3月31日

※ 本譲渡資産を信託設定したうえで、同信託設定に基づく信託受益権を譲渡しており、引渡日は当該信託受益権の譲渡日である。なお、譲渡資産は2分割して引き渡しを行っている。

(ⅳ)当該譲渡の損益に与える影響額

当該有形固定資産譲渡により、当連結会計年度において521億円の譲渡益を認識している。