① 経営成績の概況
世界経済は、実体経済が好調な米国を中心に緩やかな成長が継続する一方、一部の新興国・資源国経済の減速などにより、総体的に勢いを欠く状況となっています。これらに加え、米中貿易摩擦に起因する企業業績の悪化懸念や、英国のEUからの合意なき離脱の可能性が高まっていることなどから、今後の実体経済の先行きに対する不透明感が従来以上に増しており、引き続き世界景気の下振れリスクには十分な注視が必要です。
国内経済は、設備投資の緩やかな増加や企業収益の改善などの影響を受け、緩やかに回復しています。今後も、総じて緩やかな成長が期待されますが、米国をはじめとする各国の経済政策などにより円高に振れる可能性もあることから、引き続き為替相場に対しては注視が必要です。
このような経営環境の中で、当第3四半期連結累計期間における当社グループの連結受注高は、船舶海洋事業、エネルギー・環境プラント事業を中心に増加となりました。連結売上高については、航空宇宙システム事業、車両事業などが減収となる一方で、精密機械・ロボット事業などが増収となったことにより、全体では前年同期並みとなりました。利益面に関しては、営業利益は船舶海洋事業の改善はあったものの、車両事業、航空宇宙システム事業などが減益となったことにより、全体で減益となりました。経常利益は営業利益の減益に加え、民間航空エンジンの運航上の問題に係る負担金などで、減益となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、経常利益の減益により、減益となりました。
この結果、当社グループの連結受注高は前年同期比799億円増加の1兆819億円、連結売上高は前年同期比22億円増収の1兆945億円、営業利益は前年同期比77億円減益の368億円、経常利益は前年同期比201億円減益の198億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比31億円減益の113億円となりました。
② セグメント別業績の概要
当第1四半期連結会計期間より報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当第3四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいています。
航空宇宙システム事業
航空宇宙システム事業を取り巻く経営環境は、防衛省向けについては、厳しい防衛予算の中で一定程度の需要が存在しています。民間航空機については旅客数の増加に伴って機体・エンジンともに需要が増加しています。
このような経営環境の中で、連結受注高は、民間航空エンジン分担製造品が増加したものの、防衛省向けや民間航空機向け分担製造品が減少したことにより、前年同期に比べ453億円減少の2,805億円となりました。
連結売上高は、民間航空エンジン分担製造品が増加したものの、防衛省向けや民間航空機向け分担製造品が減少したことにより、前年同期に比べ191億円減収の3,281億円となりました。
営業利益は、民間航空エンジン分担製造品の新規プログラム開発費償却負担増加などにより、前年同期に比べ53億円減益の212億円となりました。
エネルギー・環境プラント事業
エネルギー・環境プラント事業を取り巻く経営環境は、海外では資源開発や石油・天然ガス関連投資が回復基調にあることに加え、アジアではエネルギーインフラ整備需要が継続しています。また環境・省エネルギー投資意欲の向上などにより、分散型電源の需要が増加しています。国内ではごみ焼却プラントや産業機械において老朽化設備等の更新需要が継続しています。一方で分散型電源は、潜在的需要は大きいものの、電力自由化を睨んで投資計画が若干遅れ気味になっています。
このような経営環境の中で、連結受注高は、国内向けコンバインドサイクル発電プラントを受注したことなどにより、前年同期に比べ217億円増加の2,016億円となりました。
連結売上高は、海外向け化学プラントの工事量減少があったものの、エネルギー事業の工事量増加などにより、前年同期並みの1,688億円となりました。
営業利益は、エネルギー事業での採算改善などにより、前年同期に比べ19億円増益の45億円の営業利益となりました。
精密機械・ロボット事業
精密機械・ロボット事業を取り巻く経営環境は、建設機械市場向けでは中国での旺盛なショベル需要を中心に活況を呈しており、当社の顧客である建機メーカーは競って増産を進めています。ロボット市場向け需要は、日本・欧米においては堅調であるものの、半導体メーカーの設備投資抑制や、米中貿易戦争の影響による中国マーケット縮小傾向が鮮明になっております。
このような経営環境の中で、連結受注高は、各種ロボットが減少したものの、建設機械市場向け油圧機器が増加したことにより、前年同期に比べ126億円増加の1,573億円となりました。
連結売上高は、各種ロボットが減少したものの、建設機械市場向け油圧機器が増加したことにより、前年同期に比べ179億円増収の1,542億円となりました。
営業利益は、売上は増加したものの、販管費の増加などにより、前年同期並みの149億円となりました。
船舶海洋事業を取り巻く経営環境は、新造船価の緩やかな回復基調や環境規制強化に伴うガス燃料推進船需要の顕在化がある一方で、LNG開発プロジェクトの遅れによるLNG運搬船需要の後ろ倒し、韓国政府による造船業支援政策の継続などにより、依然として競争が厳しい状況にあります。
このような経営環境の中で、連結受注高は、防衛省向け潜水艦を受注したことなどにより、前年同期に比べ677億円増加の652億円となりました。
売上高は、LNG運搬船とLPG運搬船の構成変動等により、前年同期に比べ69億円減収の630億円となりました。
営業損益は、減収があったものの、建造コストの改善などにより、前年同期に比べ71億円改善して28億円の営業利益となりました。
車両事業
車両事業を取り巻く経営環境は、国内については老朽化車両の更新需要が安定的に存在しています。海外については、米国では注力市場であるニューヨーク地区をはじめ新造・更新需要が増加しており、またアジアでは日本政府によるインフラ輸出促進に伴って新興国での需要が増加しています。
このような経営環境の中で、連結受注高は、米国向け車両・改造工事を受注したことなどにより、前年同期並みの796億円となりました。
連結売上高は、米国やアジアなど海外向けが減少したことなどにより、前年同期に比べ137億円減収の860億円となりました。
営業損益は、米国向け案件における採算の悪化などにより、前年同期に比べ88億円悪化の64億円の営業損失となりました。
モーターサイクル&エンジン事業
モーターサイクル&エンジン事業を取り巻く経営環境は、二輪車では主に欧州において市場の緩やかな成長が持続しており、新興国向けでも市場の底打ちの兆しが見えつつあります。また、四輪車では主に北米において市場が安定した成長を続けており、汎用エンジン市場も堅調に推移しています。
このような経営環境の中で、連結売上高は、先進国向け二輪車や四輪車の増加により、前年同期に比べ113億円増収の2,262億円となりました。
営業損益は、売上は増加したものの、販管費や販促費の一時的な増加や米国における鋼材等資材価格の上昇、新興国通貨安の影響などにより、前年同期に比べ32億円悪化の0億円の営業損失となりました。
その他事業
連結売上高は、前年同期に比べ91億円増収の678億円となりました。
営業利益は、前年同期並みの24億円の営業利益となりました。
③ 財政状態の状況
(資産)
流動資産は、仕掛品の増加などにより前期末比2,195億円増加し、1兆3,353億円となりました。
固定資産は、繰延税金資産の減少などにより前期末比32億円減少し、6,659億円となりました。
この結果、総資産は前期末比2,163億円増加の2兆13億円となりました。
(負債)
負債全体は、有利子負債の増加などにより前期末比2,164億円増加の1兆5,200億円となりました。
有利子負債は、前期末比2,653億円増加の7,119億円となりました。
(純資産)
純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による増加、配当金の支払による減少などにより、前期末比1億円減少の4,812億円となりました。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等について重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は334億円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。