第2 【事業の状況】

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。

(1)  財政状態及び経営成績の状況

 ① 経営成績の概況

世界経済は、全体として緩やかな成長が継続しているものの、今後の米中貿易交渉及び英国・EU間の新たな貿易協定の交渉の行方や、新型肺炎の感染拡大が景気に及ぼす影響、中東情勢の動向など、依然として先行きは見通しにくく、世界景気の下振れリスクには十分な注視が必要です。

国内経済は、設備投資の漸増などの影響を受けて緩やかに回復していますが、米中貿易摩擦の影響による企業業績の悪化や、消費増税による個人消費の落ち込みが顕在化しており、今後も注視が必要です。

このような経営環境の中で、当第3四半期連結累計期間における当社グループの連結受注高は、航空宇宙システム事業、船舶海洋事業を中心に減少となりました。連結売上高については、船舶海洋事業などが減収となる一方で、航空宇宙システム事業、車両事業などが増収となったことにより、全体では前年同期比で増収となりました。利益面に関しては、エネルギー・環境プラント事業の増益はあったものの、精密機械・ロボット事業、モーターサイクル&エンジン事業などが減益となったことにより、営業利益、経常利益は減益となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、経常利益の減益に加え、特別損失として事業撤退損を計上したことなどにより、減益となりました。

この結果、当社グループの連結受注高は前年同期比739億円減少1兆226億円、連結売上高は前年同期比408億円増収1兆1,354億円、営業利益は前年同期比58億円減益309億円、経常利益は前年同期比44億円減益153億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比66億円減益47億円となりました。

 

  ② セグメント別業績の概要

当第3四半期連結累計期間の連結セグメント別業績の概要は以下のとおりです。

 

航空宇宙システム事業

航空宇宙システム事業を取り巻く経営環境は、防衛省向けについては、厳しい防衛予算の中で一定程度の需要が存在しています。民間航空機については旅客数の増加に伴って機体・エンジンともに需要が増加しています。

このような経営環境の中で、連結受注高は、民間航空エンジン分担製造品が高水準を維持したものの、防衛省向けや民間航空機向け分担製造品が減少したことにより、前年同期に比べ354億円減少2,451億円となりました。

連結売上高は、防衛省向けや民間航空機向け分担製造品、民間航空エンジン分担製造品が増加したことなどにより、前年同期に比べ433億円増収3,714億円となりました。

営業利益は、増収があったものの、民間航空エンジン分担製造品の新規プログラム開発費償却負担増加などにより、前年同期並みの205億円となりました。

 

エネルギー・環境プラント事業

エネルギー・環境プラント事業を取り巻く経営環境は、海外では資源開発や天然ガス関連投資が回復基調にあることに加え、アジアではエネルギーインフラ整備需要が継続しています。また環境・省エネルギー投資意欲の向上などにより、分散型電源の需要が増加しています。国内ではごみ焼却プラントや産業機械において老朽化設備等の更新需要が継続しています。一方で分散型電源は、潜在的需要は大きいものの、電力自由化を睨んで投資計画が若干遅れ気味になっています。

このような経営環境の中で、連結受注高は、国内向けごみ処理施設の大規模改修工事などの受注があったものの、国内向けLNGタンクや、国内向けコンバインドサイクル発電プラントをはじめとするエネルギー製品の大型案件を受注した前年同期に比べ172億円減少1,843億円となりました。

連結売上高は、海外向け化学プラントの工事量増加はあったものの、エネルギー事業の減収などにより、前年同期に比べ65億円減収1,623億円となりました。

営業利益は、減収があったものの、海外向け化学プラントやエネルギー事業での採算改善などにより、前年同期に比べ84億円増益130億円となりました。

 

 

精密機械・ロボット事業

精密機械・ロボット事業を取り巻く経営環境は、建設機械市場向けでは、足元では国内顧客が令和元年台風19号で被災したメーカーからの部品調達が滞り、減産となったことや、インド・インドネシアといった新興国および韓国市場の販売低迷により減収となったものの、今後は新興国を中心に堅調な需要があるものと見ています。
  ロボット市場向けでは、米中貿易摩擦の影響による中国市場での設備投資延期等により市況は厳しい状況が継続していますが、半導体向けロボットについては、台湾、韓国の大手半導体メーカーの投資再開により回復に転じており、中長期的には需要は着実に拡大していくと見ています。

このような経営環境の中で、連結受注高は、建設機械市場向け油圧機器や各種ロボットの減少により、前年同期に比べ148億円減少1,571億円となりました。

連結売上高は、建設機械市場向け油圧機器や各種ロボットの減少により、前年同期に比べ72億円減収1,470億円となりました。

営業利益は、減収に加え、油圧機器の資材費、研究開発費の増加や、中国でのロボット生産台数の減少などにより、前年同期に比べ97億円減益52億円となりました。

 

船舶海洋事業

船舶海洋事業を取り巻く経営環境は、環境規制強化に伴うガス燃料推進船需要の顕在化並びにLNG開発プロジェクトの具体化が進む一方で、海運マーケットの長期低迷、韓国政府による造船業支援政策の継続などにより、依然として厳しい状況にあります。

このような経営環境の中で、連結受注高は、LPG運搬船の受注はあったものの、防衛省向け潜水艦を受注した前年同期に比べ336億円減少316億円となりました。

連結売上高は、LNG運搬船及びLPG運搬船の工事量減少により、前年同期に比べ100億円減収530億円となりました。

営業損益は、新造船の減収及び操業差損の発生などにより、前年同期に比べ35億円悪化して7億円の営業損失となりました。

 

車両事業

車両事業を取り巻く経営環境は、国内については老朽化車両の更新需要が安定的に存在しています。海外については、米国では注力市場であるニューヨーク地区をはじめ新造・更新需要が見込まれており、またアジアでは日本政府によるインフラ輸出促進に伴って新興国向け案件の形成が計画されています。

このような経営環境の中で、連結受注高は、国内向け地下鉄車両の受注があったことにより、前年同期に比べ115億円増加912億円となりました。

連結売上高は、海外向け部品の減少はあったものの、国内向けや米国向け車両が増加したことにより、前年同期に比べ113億円増収974億円となりました。

営業損益は、一部案件におけるコスト変動はあったものの、増収に加え、前年同期に発生した米国向け案件での
一時的費用の減少などにより、前年同期に比べ33億円改善して31億円の営業損失となりました。

 

モーターサイクル&エンジン事業

モーターサイクル&エンジン事業を取り巻く経営環境は、二輪車では主に欧州において市場の緩やかな成長が持続している一方、一部新興国は市場が軟調です。四輪車、パーソナルウォータークラフトでは主に北米において市場が安定した成長を続けています。汎用エンジン市場では天候不順や米中貿易摩擦の影響を受け一時的に成長が鈍化傾向にあります。

このような経営環境の中で、連結売上高は、米国向け四輪車の増加により、前年同期に比べ38億円増収2,301億円となりました。

営業損益は、増収があったものの、前年同期に比べ対ユーロや対米ドルを中心に為替レートが円高で推移したこと、およびタイバーツ高により製造コストが増加したことなどにより、前年同期に比べ44億円悪化して45億円の営業損失となりました。

 

その他事業

連結売上高は、前年同期に比べ60億円増収739億円となりました。

営業利益は、前年同期並みの20億円となりました。

 

 

   ③ 財政状態の状況

    (資産)

 流動資産は、受取手形及び売掛金の増加などにより前期末比2,153億円増加し、1兆3,516億円となりました。

 固定資産は、長期未収入金の減少などにより前期末比6億円減少し、7,018億円となりました。

 この結果、総資産は前期末比2,146億円増加2兆535億円となりました。

 (負債)

 有利子負債は、前期末比3,482億円増加の7,876億円となりました。

  負債全体は、有利子負債の増加などにより前期末比2,319億円増加1兆5,785億円となりました。

 (純資産)

純資産は、配当金の支払や為替換算調整勘定の減少などにより、前期末比172億円減少4,750億円となりました。

 

(2) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等

当第3四半期連結累計期間において、重要な変更はありません。

 

(3) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、363億円です。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

 技術援助契約(導入)

契約会社名

契約の相手方・国籍

契約の対象品目

契約の内容

契約の始期・終期

川崎重工業㈱

(当社)

Safran Helicopter

Engines (フランス)

RTM322ターボシャフトエンジン

エンジンの修理・オーバーホール等の技術支援

2003年12月26日

(2024年3月31日まで)

 

(注)上記契約については、契約期間の更新により契約の終期が2021年9月30日から、2024年3月31日となりました。