【注記事項】
(重要な会計方針)

1 資産の評価基準及び評価方法

(1) 有価証券の評価基準及び評価方法

①子会社株式及び関連会社株式
  移動平均法による原価法を採用しています。

②その他有価証券
  市場価格のない株式等以外のもの

時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)を採用しています。

 市場価格のない株式等

移動平均法による原価法を採用しています。

(2) 棚卸資産の評価基準及び評価方法

個別法及び移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しています。

(3) デリバティブの評価基準及び評価方法

時価法を採用しています。

 

2 固定資産の減価償却の方法

(1) 有形固定資産(リース資産を除く)

定額法を採用しています。

(2) 無形固定資産(リース資産を除く)

定額法を採用しています。
 なお、自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づいています。

(3) リース資産

所有権移転ファイナンス・リース取引に係るリース資産

自己所有の固定資産に適用する減価償却方法と同一の方法を採用しています。

所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産

リース期間を耐用年数とし、残存価額をゼロとする定額法を採用しています。

 

3 引当金の計上基準

(1) 貸倒引当金

売上債権、貸付金等の債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しています。

(2) 賞与引当金

従業員の賞与金の支払に備えて、賞与支給見込額の当期負担額を計上しています。

(3) 保証工事引当金

保証工事費用の支出に備えるため、過去の実績又は個別の見積りに基づき計上しています。

(4) 受注工事損失引当金

当事業年度末の未引渡工事のうち、大幅な損失が発生すると見込まれ、かつ、当事業年度末時点で当該損失額を合理的に見積ることが可能な工事について、翌事業年度以降の損失見積額を計上しています。

(5) 退職給付引当金

従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産(退職給付信託を含む)の見込額に基づき計上しています。

①退職給付見込額の期間帰属方法

退職給付債務の算定に当たり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっています。

②数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法

過去勤務費用については、その発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法により費用処理しています。
 数理計算上の差異については、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理しています。

 

(6) 債務保証損失引当金

関係会社への債務保証等に係る損失に備えるため、被保証先の財政状態等を勘案し、損失負担見込額を計上しています。

 

4 重要な収益及び費用の計上基準

当社は、以下の5ステップアプローチに基づき、約束した財又はサービスの顧客への移転を当該財又はサービスと交換に権利を得ると見込んでいる対価を反映する金額で収益を認識しています。

 

ステップ1:顧客との契約を識別する

ステップ2:契約における履行義務を識別する

ステップ3:取引価格を算定する

ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する

ステップ5:履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する

 

当社の顧客との契約から生じる収益に関する主要な事業における主な履行義務の内容及び当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)は以下のとおりです。

 

製品等の販売

製品等の販売による収益については、当社は顧客との契約に基づいて製品等を引き渡す履行義務を負っており、製品等の引渡時点又は検収時点で支配が顧客に移転すると判断していることから、製品等の引渡日又は検収日に収益を認識しています。製品等の販売による収益は、契約において約束した対価からリベート及び値引きを控除した金額で測定しています。

工事契約、役務の提供

工事契約、役務の提供に係る収益は、顧客からの受注に基づく製品の製造と、それに伴う製品のメンテナンス等によるものであり、顧客との契約に基づいて財又はサービスを提供する履行義務を負っています。工事契約、役務の提供については、財又はサービスに対する支配を一定期間にわたり移転するため、履行義務の完全な充足に向けて合理的に進捗度を測定することにより収益を認識しています。進捗度の測定は、顧客に移転することを約束した財又はサービスの性質を考慮しています。航空宇宙システム事業、エネルギーソリューション&マリン事業等における工事契約等、発生した原価が履行義務の充足における進捗度に比例する場合は、現時点の累計発生原価の取引全体の見積り総原価の割合などに基づくインプット法で進捗度を測定しています。エネルギーソリューション&マリン事業等におけるメンテナンス契約等、一定の期間にわたって提供するサービスに対して固定額を請求する契約や、航空宇宙システム事業における民間航空エンジンのメンテナンス契約等、履行が完了した部分に対する顧客にとっての価値に直接対応する対価の額を顧客から受け取る権利を有する契約の場合、経過した期間の契約期間全体に占める割合や現時点までの履行済みの義務が履行義務全体に占める割合などに基づくアウトプット法に基づいて進捗度を測定しています。なお、進捗度を合理的に見積ることができないが、発生するコストを回収すると見込んでいる場合は、発生したコストの範囲で収益を認識しています。

これらの履行義務に対する対価は、履行義務の充足時点から通常1年以内に受領しています。なお、対価に重要な金融要素は含まれていません。

当社では、製品が契約に定められた仕様を満たしていることに関する保証を提供していますが、当該製品保証は別個のサービスを提供するものではないことから、独立した履行義務として区別していません。
 リベート及び事後的な値引きなど、対価の変動を含む取引契約については、その不確実性が解消される際に重要な売上収益の戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲で当該変動価格を見積り、取引価格を決定しています。

また、顧客との契約の履行のためのコストのうち、回収が見込まれる金額を資産計上しています。当該資産は、関連するサービスが顧客へ移転するパターンに応じて償却を行っています。

 

 

5 その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項

 (1) ヘッジ会計の処理

①ヘッジ会計の方法

繰延ヘッジ処理によっています。

②ヘッジ手段とヘッジ対象

ヘッジ手段

ヘッジ対象

為替予約、通貨オプション

外貨建金銭債権・債務等(予定取引を含む)

金利スワップ、通貨スワップ

借入金

 

③ヘッジ方針

社内規程に基づき、為替変動リスク及び金利変動リスクをヘッジしています。

④ヘッジ有効性評価の方法

ヘッジ開始時から有効性判定時点までの期間において、ヘッジ対象とヘッジ手段の相場変動の累計を比較し、両者の変動額等を基礎にして判断しています。

 (2) 外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準

外貨建金銭債権債務は、期末日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しています。

 (3) 退職給付に係る会計処理

退職給付に係る未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の会計処理の方法は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっています。

(4) グループ通算制度の適用

グループ通算制度を適用しています。

 

(重要な会計上の見積り)

1 繰延税金資産の回収可能性

 (1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額

 

 

(単位:百万円)

 

前事業年度

当事業年度

繰延税金資産

102,880

102,652

 

 

  (2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報

①見積りの算出方法

繰延税金資産は、事業計画を基礎として将来の一定期間における課税所得の発生やタックスプランニングに基づき、回収可能性を検討しています。

②見積りの算出に用いた主な仮定

事業計画における主要な要素である売上高及び利益の予測は、将来の経済情勢の変動やその他の要因について一定の仮定を置いた上で実施しています。

③翌年度の財務諸表に与える影響

将来に係る見積りは、将来の経済情勢の変動やその他の要因により影響を受けます。当社は、回収可能性の見積りを合理的に行っていますが、これらの将来に係る見積りの諸条件の変化により、翌事業年度以降の財務諸表において、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

(表示方法の変更)

(貸借対照表)

前事業年度において、「流動資産」の「その他」に含めていた「短期貸付金」は、金額的重要性が増したため、当事業年度より独立掲記しています。

 

(損益計算書)

前事業年度において、独立掲記していた「営業外費用」の「固定資産除却損」は、金額的重要性が乏しくなったため、当事業年度より「営業外費用」の「その他」に含めて表示しています。

 

(貸借対照表関係)

※1 関係会社に対する金銭債権債務(区分表示したものを除く)

 

前事業年度
(2024年3月31日)

当事業年度
(2025年3月31日)

短期金銭債権

186,502

百万円

228,218

百万円

長期金銭債権

418

 

427

 

短期金銭債務

113,876

 

123,952

 

 

 

 2 保証債務

 

前事業年度
(2024年3月31日)

当事業年度
(2025年3月31日)

関係会社等及び従業員の
銀行借入等に対する保証債務

82,912

百万円

74,185

百万円

 

 

※3 一部の海外LNGタンク建設工事においては、海外下請工事会社の契約不履行等の契約違反により当社は損害(約510億円)を被りました。本事案については、ICC(The International Chamber of Commerce)へ仲裁申立を行っています。なお、本事案は今後仲裁を通じて解決を図っていく予定であり、契約上の権利に基づく金融資産を投資その他の資産「その他」に計上しています。

 

(損益計算書関係)

※1 関係会社との取引高

 

 

 

前事業年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

当事業年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

営業取引による取引高

 

 

 

 

売上高

201,068

百万円

198,760

百万円

仕入高

103,447

 

118,351

 

その他

8,624

 

9,382

 

営業取引以外の取引高

29,343

 

24,733

 

 

 

※2 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額並びにおおよその割合は、次のとおりです。

 

 

 

前事業年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

当事業年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

給料及び手当

22,576

百万円

26,943

百万円

減価償却費

1,280

 

1,543

 

貸倒引当金繰入額

614

 

3,149

 

研究開発費

30,989

 

33,174

 

 

 

おおよその割合

販売費

42%

44%

一般管理費

58

56

 

 

※3 前事業年度(2024年3月31日)

当社エネルギーソリューション&マリンカンパニーの坂出工場に係る資産について、現在の市場環境を前提に

収益性が低下したことに伴うものです。

 

※4 前事業年度(2024年3月31日

当社が保有する株式会社メディカロイドの株式について、実質価額が低下したため、関係会社株式評価損12,955百万円及び債務保証損失引当金繰入額5,231百万円を特別損失に計上しています。

 

 

(有価証券関係)

子会社株式及び関連会社株式

前事業年度(2024年3月31日)

 子会社株式及び関連会社株式は、市場価格のない株式等のため、子会社株式及び関連会社株式の時価を記載していません。

 なお、市場価格のない株式等の子会社株式及び関連会社株式の貸借対照表計上額は次のとおりです。

 

(単位:百万円)

区分

前事業年度
(2024年3月31日)

子会社株式

80,135

関連会社株式

1,919

 

 

当事業年度(2025年3月31日)

 子会社株式及び関連会社株式は、市場価格のない株式等のため、子会社株式及び関連会社株式の時価を記載していません。

 なお、市場価格のない株式等の子会社株式及び関連会社株式の貸借対照表計上額は次のとおりです。

 

(単位:百万円)

区分

当事業年度
(2025年3月31日)

子会社株式

64,614

関連会社株式

1,919

 

 

 

(税効果会計関係)

1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳

 

前事業年度
(2024年3月31日)

当事業年度
(2025年3月31日)

繰延税金資産

 

 

 

 

 賞与引当金

5,906

百万円

9,949

百万円

 退職給付引当金

32,315

 

33,454

 

 棚卸資産評価損

3,193

 

3,491

 

 有価証券等評価損

5,125

 

4,880

 

 土地評価損

710

 

730

 

 貸倒引当金損金算入限度超過額

1,566

 

2,647

 

 減価償却限度超過額

10,352

 

11,538

 

 保証工事引当金

2,069

 

2,422

 

 受注工事損失引当金

688

 

708

 

 組織再編による関係会社株式

16,758

 

17,209

 

 税務上の収益認識差額

12,387

 

15,328

 

 返金負債

18,193

 

14,092

 

 繰越欠損金

3,626

 

1,409

 

 その他

11,995

 

20,547

 

繰延税金資産 小計

124,889

 

138,409

 

 将来減算一時差異等の合計に係る評価性引当額

△18,378

 

△28,915

 

評価性引当額 小計

△18,378

 

△28,915

 

繰延税金資産 合計

106,511

 

109,494

 

 

 

 

 

 

繰延税金負債

 

 

 

 

 固定資産圧縮積立金

△2,009

 

△2,013

 

 特別償却準備金

△99

 

 

 その他有価証券評価差額金

△1,006

 

△903

 

原価差額

△480

 

△3,619

 

 その他

△34

 

△305

 

繰延税金負債 合計

△3,630

 

△6,841

 

繰延税金資産の純額

102,880

 

102,652

 

 

 

2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳

 

前事業年度
(2024年3月31日)

当事業年度
(2025年3月31日)

法定実効税率

30.5

(調整)

 

 

 

 

 受取配当金等の益金に算入されない項目

 

△20.5

 

 評価性引当額

 

17.5

 

 試験研究費税額控除

 

△4.7

 

 その他

 

△3.7

 

税効果会計適用後の法人税等の負担率

 

19.0

 

 

  (注) 前事業年度は、税引前当期純損失を計上しているため、記載を省略しています。

 

 

3 法人税等の税率の変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の修正

「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に公布され、2026年4月1日以後に開始する事業年度から法人税率等の引上げが行われることとなりました。

これに伴い、繰延税金資産及び繰延税金負債の計算に使用する法定実効税率は、2026年4月1日に開始する事業年度以降に解消が見込まれる一時差異については従来の30.5%から31.4%に変更となります。

この税率変更により、繰延税金資産(繰延税金負債の金額を控除した金額)は1,895百万円増加し、法人税等調整額(借方)が1,923百万円、その他有価証券評価差額金(貸方)が25百万円、繰延ヘッジ損益(貸方)が1百万円それぞれ減少しました。

 

4 法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理

当社は、グループ通算制度を適用しています。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っています。

 

(企業結合等関係)

前事業年度(2024年3月31日)

該当事項はありません。

 

当事業年度(2025年3月31日)

該当事項はありません。

 

(収益認識関係)

顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は、「1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 24. 収益」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しています。

 

(重要な後発事象)

(子会社株式の一部売却)

当社は、2024年11月8日付の取締役会決議に基づき、2025年4月1日に、当社が保有する連結子会社カワサキモータース株式会社(以下、「カワサキモータース」という。)の発行済株式の20%をカワサキモータースに譲渡するとともに、カワサキモータースが伊藤忠商事株式会社に対して第三者割当を行い、発行済株式の20%の割り当てを行いました。詳細については、「1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 32. 後発事象」をご参照下さい。