第2【事業の状況】

1【経営方針,経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは,社会とともに発展するよき企業市民であることを第一義とし「技術をもって社会の発展に貢献する」,「人材こそが最大かつ唯一の財産である」との経営理念のもと,21世紀の環境,エネルギー,産業・社会基盤における諸問題を,「ものづくり技術」を中核とするエンジニアリング力によって解決し,地球と人類に豊かさと安全・安心を提供するグローバルな企業グループを目指しています。

この基本方針を実現するため,当社グループ社員には,「グローバル」,「ものづくり技術・エンジニアリング力」,「世界に通用する業務品質」の観点から卓越した能力を持つプロフェッショナル集団となることを求めています。また,製品・サービスの高度化による社会の発展への貢献を通じて収益性を高め,資本市場から求められる資本効率や株主還元を実現し,持続的な企業価値の創造を図ることで,信頼される企業グループを目指しています。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略及び経営指標

当社グループを取り巻く経営環境は,新型コロナウイルス感染拡大による社会・経済の変貌や価値観の変容,デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進によるビジネスモデルや働き方の変化,地球規模の気候変動問題に対する国際的な関心の高まり,企業のサステナビリティを重視するESG投資の拡大など急激に変化しています。

このような経営環境の急激な変化に対応すべく,当社グループは2020年11月に,中期経営計画「グループ経営方針2019」で定めた基本的なコンセプトを継承しつつ,2022年度までの期間を環境変化に即した事業変革への準備・移行期間と位置づけ,「プロジェクトChange」という取り組みを策定・実行しています。

 

「プロジェクトChange」の目的

・成長軌道への回帰

新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより毀損した事業の収益力とキャッシュ創出力を早期に回復させることで,成長事業の創出のための資金を確保するとともに,事業環境が急速に変化する中でも設定した経営目標の達成を目指します。

 

・成長事業の創出

SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて,“自然と技術が調和する社会”を目指し,「脱COの実現」「防災・減災の実現」「暮らしの豊かさの実現」をIHIグループが取り組むべき社会課題として考え,それらの課題を解決し,IHIグループの成長をけん引していく3つの成長事業を「カーボンソリューション」「保全・防災・減災」「航空輸送システム」と定義しました。当社グループの総力を結集し,これらの成長事業の創出に向けた取り組みを加速し,事業ポートフォリオの変革を推進していきます。

 

「プロジェクトChange」の取り組み

・業績回復ドライバーの実行

バリューチェーン全体にわたる徹底したコストダウンや生産性向上,需要変動の影響を受けにくい体制の構築によりコスト構造を強化し,環境変化に即した事業構造への改革を進めることで,収益基盤の強化を進めます。加えて,大胆なリソースシフトやDXの活用を実行し,お客さま価値の最大化のための,ライフサイクル全体の包括的なサービスを提供することで,ライフサイクルビジネスの拡大を着実に推し進め,成長軌道への回帰を早期に実現していきます。

 

・環境変化に打ち勝つ事業体質への変革

新たな発想や価値の創出を促進するために,ダイバーシティを重視し,一人ひとりが主体的に活き活きと働き,自ら挑戦できる,柔軟な働き方や自律的なキャリア形成を実現する環境づくりを進めます。また,プロフェッショナル人材を確保し,いかなる環境変化においても,常に新たな成長機会を探索し,持続的成長を実現する,強い事業体質へ変革していきます。

 

・財務戦略

財務健全性の確保と成長事業創出に向けた投資の原資確保のために,キャッシュ創出力の強化を最優先課題としています。生み出すキャッシュを最大化するために,ビジネスモデルや業務プロセスまで踏み込んで改革を進めていきます。また,資金を最適配分することで,成長事業の創出を加速させます。

 

 

③ 経営目標

「グループ経営方針2019」で掲げた経営目標は,「プロジェクトChange」においても変更せず,その達成時期を一年遅らせて2022年度としています。投下資本収益性(ROIC)を高めるため,収益性(営業利益率)及びキャッシュ創出力(キャッシュ・コンバージョン・サイクル:CCC)の一層の強化を目指してまいります。

財務目標

2022年度

ROIC(税引後)

10%以上

営業利益率

8%以上

CCC

80日

(注)各指標の算出方法は次のとおりです。

 ・ROIC  :(1-法定実効税率)×(営業利益+受取利息+受取配当金)

   ÷(親会社の所有者に帰属する持分+有利子負債の金額)

 ・CCC   :運転資本÷売上収益×365日

 ・運転資本:営業債権+契約資産+棚卸資産+前払金-契約負債-営業債務-返金負債

 

(参考)売上収益:1兆4,000億円規模,投資水準(3年間):3,800億円

 

(3)会社の対処すべき課題

 ① キャッシュ創出力強化

当社グループは,キャッシュ創出力の強化を優先すべき課題として認識しています。「プロジェクトChange」の下,これまで余剰在庫削減,リードタイムの短縮,入出金管理の厳格化などの運転資本削減活動等を全社的に展開してきました。経営目標である2022年度CCC80日達成を目指して,ビジネスモデルや業務プロセスまで踏み込んだ改革を引き続き実行し,キャッシュ創出に徹底的にこだわった事業運営への転換を推進していきます。

 

 ② 「成長事業の創出」の具体化とスピーディな実行

新型コロナウイルスの感染拡大により,当社グループの民間向け航空エンジンは多大な影響を受けました。航空旅客需要の回復には今後数年を要することが予想され,同事業に並ぶ新たな事業の柱を早期に創出することが喫緊の課題であると認識しています。「プロジェクトChange」の下,これまで長期視点での成長事業のシナリオの検討を進めてきましたが,成長事業の具体的な姿と目標,そこに至るまでの道筋,施策を早急に確立し,迅速に実行していくことが重要課題と認識しています。2021年4月にグループ全体の戦略技術を統括し,「成長事業の創出」の中心的役割を担う社長直轄組織「戦略技術統括本部」を設立しました。なお,成長事業創出の第一歩として,当社の子会社である明星電気株式会社(以下「明星電気」という。)の完全子会社化を行ないます。成長事業のうち,特に「保全・防災・減災」において,明星電気がこれまで取り組んできた気象防災事業に加え,センシング及び電気・制御系の人材等,得意としてきた「地球を測る技術」を活用し,一層のシナジー効果を発揮するだけでなく,宇宙環境利用等の分野での新規事業創出に取り組んでいく予定です。

事業の枠を取り払い,グループ全体のリソースを集中することによって,新たな成長事業の創出に向けた取り組みを加速し,新たな収益の柱を早期に創出していきます。

 

2【事業等のリスク】

(1)リスク管理に関する当社グループの基本方針

 当社グループでは,リスク管理を経営の最重要課題の一つととらえ,グループ全体で強化に取り組んでいます。

 リスク管理の基本目的は,事業の継続,役員並びに従業員とその家族の安全確保,経営資源の保全,社会的信用の確保です。そして,次のとおり行動指針を定め,これに沿ったリスク管理を行なっています。

①IHIグループの事業継続を図ること

②IHIグループの社会的評価を高めること

③IHIグループの経営資源保全を図ること

④ステークホルダーの利益を損なわないこと

⑤被害が生じた場合には,速やかに回復を図ること

⑥事態が発生した場合には,責任ある行動をとること

⑦リスクに関する社会的要請を反映すること

 

(2)当社グループのリスク管理体制

 当社グループでは,リスク管理全般にかかわる重要事項を検討する機関として,CEOを議長とするリスク管理会議を設置し,取り組み方針や年次計画,是正措置などの重要事項を検討しています。

 重点的に対処すべきリスクを「IHIグループリスク管理活動重点方針」として定め,当社の各部門及び海外を含む関係会社は,この方針に沿って主体的・自律的にリスク管理活動を進めています。

 グループ全体に共通するリスクについては,主に当社のコーポレート部門から構成されるグループリスク統括部門が専門性を活かした情報提供や教育を実施し,各部門のリスク管理活動を支援しています。また,内部監査部門は,グループのリスク管理体制の整備状況及び運用状況について監査を実施し,適正性確保に努めています。

 また,複数のディフェンスラインによる強固なリスク管理を行なうため,コーポレート部門・事業領域・事業部門(関係会社を含む)の役割と責任を明確化し,3段階のリスク管理体制を構築しました。関係会社を含む事業部門は,第1段階としてリスクの特定と直接対応にあたります。事業領域は,第2段階として,第1段階のリスク管理活動に対する監視及び指示と,新しいリスクの予兆検知を担当します。当社のコーポレート部門は,第3段階として,第1・第2段階によるリスク管理活動に対する評価及び助言,未認識リスクへの注意喚起,新しいリスクの予兆検知,発生したリスク事象の水平展開を担当します。

 

(3)2021年度のリスク管理活動

 2021年度の「IHIグループリスク管理活動重点方針」では,重点テーマとして,次の事項について注力することとしています。

①コンプライアンスへの取り組みの深化

②品質保証体制の定着

③事業面の重要リスクへの対応力強化

 コンプライアンス及び品質保証体制については,2019年度に制定した「IHIグループ行動規範」,「IHIグループ品質宣言」の下,IHIグループ全員がコンプライアンス徹底を誓う「コンプライアンスの日」(毎年5月10日)の制定や声の出る職場づくりの推進等,過去の教訓を風化させない職場環境づくりを進めています。また,事業面の重要リスクについては,新型コロナウイルス感染拡大による影響への対応を含め,当社グループを取り巻く事業環境が大きく変化していることを鋭敏に捉えた上で,4つの事業領域がそれぞれの戦略を遂行するにあたって阻害要因となるリスクに迅速・的確に対応するべく,重点的な管理を進めています。

 また,事業計画に潜むリスクを網羅的に確認するため,100項目を超える事業関連リスクについて,対応計画と実施状況を継続的に評価・確認し,必要に応じてリスク評価を含めた対応計画の見直しを進めています。

 

(4)事業等のリスク

事業の状況,設備の状況,経理の状況に記載した事項のうち,当社グループの経営成績,株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

文中における将来に関する事項は,当連結会計年度末(2021年3月31日)現在において当社グループが判断したものです。当社グループは,以下のリスクを認識した上で,必要なリスク管理体制を整え,リスク発生の回避及びリスク発生時の影響の極小化に最大限努めています。

 

   1.競争環境と事業戦略

当連結会計年度におけるわが国経済は,新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動が制限され,景気が急速に悪化しました。年度後半にかけては感染防止策と経済活動の両立により一部持ち直しの動きが見られましたが,全体としては依然として厳しい状況にあります。また,世界経済については,中国経済の回復の動きは見られたものの,全体としては低迷する状況が続きました。

このような事業環境下において,当社グループは,「プロジェクトChange」の下,収益基盤の強化とライフサイクルビジネスの拡大を着実に推し進め,成長軌道への回帰を早期に実現しつつ,また,持続可能な社会の実現に資する成長事業の創出に向けた取り組みを加速し,事業ポートフォリオの変革を推進していきます。

しかし,新型コロナウイルス感染の収束遅れなどによる世界経済の成長鈍化,業界再編に伴うポジショニングの急激な変化,さらには事業環境の大きな変化などのリスクが顕在化した場合は,当社グループの製品・サービスの需要の減少や,競合企業と比較して性能・品質・価格面で十分な競争優位性を得られなくなることで,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また,当社グループを取り巻く環境の急速な変化の中で,成長軌道への回帰と成長事業創出の取り組みにおいて,これまで認識し対応してきたリスクとは異質のリスクが潜んでいることが想定されます。このリスクへの対応をグループ全体の課題として捉え,攻めのリスク管理活動として取り組んでいきます。具体的には,リスクを適切に把握し,重要なリスクを特定・分析し,機動的に管理・対応していくだけでなく,リスクを機会へ転換し,さらなる成長へつなげていけるよう,取り組んでいきます。さらに,守りのリスク管理活動として,コンプライアンスと品質に加え,事業領域ごとに事業運営上対応すべき重要なリスク項目を,2021年度においてもリスク管理活動重点テーマとして設定し,重点的かつ継続的に取り組んでいきます。

本項目については,航空需要の回復遅れや,脱炭素・電動化の流れの加速等,当社グループを取り巻く事業環境が大きく変化していること,また「プロジェクトChange」の取り組みに密接に関連することから,重要度が上昇していると認識しています。

 

   2.他社との連携・M&A,事業統合

当社グループは営業協力,技術協力,生産協力や事業合弁の形で多くの他社との共同事業活動を行なっています。また,成長市場への事業展開の加速,要素技術の補完,シナジーの創出などを目的としたM&Aなども有効に活用しています。しかし,経済環境の変化,法的規制,予期せぬ費用増加等の影響により,当初期待された効果を出せない可能性があります。また,当初期待した効果を享受できないと判断された場合は,他社との連携による事業統合の中断,解消を決断する可能性があり,その結果として業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

   3.カントリーリスク

当社グループの調達・生産・輸出・販売・建設等の諸活動はグローバルに展開されていますが,それぞれの地域・国において政治・経済の混乱並びにそれに起因する為替取引の凍結・債務不履行・投資資産の接収,想定していなかったテロ・労働争議の発生等のカントリーリスクが存在します。また,政情不安やデフォルト等により事業の継続や拠点経営が困難になる可能性があります。これらリスクに対し,貿易保険の付保徹底やカントリーリスクに関する情報の収集とグループ内の啓蒙,事業継続計画(BCP)の作成・見直し等の体制強化に努めてはいますが,リスクが顕在化した場合は当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

本項目については,ミャンマーの政変や経済安全保障問題による影響の拡がり等,不確実性が高まっていることから,重要度が上昇していると認識しています。

 

   4.資材調達

当社グループはキーとなる主要部品を自社グループ内で製造するよう努めている一方で,複数のグループ外調達先より原材料・部品・サービスの供給を受けています。主要な原材料・部品の市況動向については日頃から情報収集して安定調達に努めるとともに,調達先の品質・納期等の管理を徹底し,特定の調達先への過度の集中・依存をさけるべく調達先の分散化等を進め,リスクの低減に取り組んでいます。しかしながら,原油・資機材価格等の急激な変動,特殊鋼などの需給バランスの変化や国際情勢の急変に加え,新型コロナウイルス感染拡大に伴う当社グループのサプライチェーン途絶等の問題が生じた場合,コストアップ,品質管理上の問題,納期遅延等の問題が生じる可能性があり,その結果として業績の悪化を招く可能性があります。

 

   5.保証債務等

当社グループは,事業活動を営む上で必要かつ合理的と確認したものについて,債務の保証等を行なっていますが,経済環境悪化の長期化や事業の失敗等により債務者の財務状態が悪化した場合,保証の履行を債権者より求められる可能性があります。

保証債務等に係る情報は,第5「経理の状況」1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記「40.偶発債務」に記載しています。

 

   6.受注契約

当社グループは,個別にお客さまと受注契約を締結した後に製品を生産する場合が多く,請負金の大きい工事については受注契約締結前に多面的な社内審査を行なっています。しかし,契約締結後に当初想定できなかった経済環境の変化や検討不足,予期しないトラブル,JV等のパートナー企業の経営悪化等により見積コストを上回る工事の発生,お客さまから要求された性能・納期の未達によるペナルティーの支払い,追加費用の発生等の可能性があり,その結果として業績の悪化を招く可能性があります。また,お客さま都合による受注契約の取り消しのケースでは,受注契約条件の中で違約金条項を設定する等そのリスク回避に最大限努力しているものの,必ずしも支出したコストの全額を回収できない可能性があります。

プロジェクトのモニタリングについては,全社レベルのモニタリングの継続・強化,有識者によるリスクレビューの徹底に取り組んでいます。引き続き徹底したプロジェクト管理を強化していきます。

なお,当社グループが北米で遂行したプロセスプラント案件について,納期の未達によるペナルティーの請求書受領に関する情報は,第5「経理の状況」1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記「40.偶発債務」に記載しています。

 

   7.技術契約

当社グループは,国内外において多岐にわたる機種・技術分野を取り扱うため,他社との間に技術供与・導入に関する契約を締結する場合があります。締結前には,当社グループに不利若しくは履行不能な条件が無いか,必要条件の欠落が無いか等,十分な社内審査を行なうよう努めています。しかし,事前の検討不足や契約条件の理解不足等により計画を超える保証・補填・ペナルティーが発生する,あるいは事業上の制約を受ける等の可能性があり,その結果として業績の悪化を招く可能性があります。

 

   8.生産・製造

当社グループは,第3「設備の状況」2主要な設備の状況にあるとおり,各地に生産拠点を有しますが,生産施設に影響を及ぼす自然災害,新型コロナウイルス感染症などの感染症の拡大に伴う生産遅延・停止・サプライチェーンの途絶,停電,あるいは生産活動に影響を与える資機材の入手困難,電力制限が,BCPの想定範囲を超える可能性があります。また,生産量が当社グループの想定以上に急激に変動した場合,生産能力調整が十分にできない可能性もあります。これらの結果,業績の悪化を招く可能性があります

 

   9.品質保証

当社グループは,調達品等の品質不良・不具合の発生防止を含め,製品の品質確保に努めるとともに,お客さまに安全に使っていただくため,製品安全・機械安全を確保するよう設計時のリスクアセスメントの徹底及びお客さまへの注意喚起と情報提供に努めています。また,当社グループの製品は,品質や安全に関するさまざまな法的規制による制約を受けているため,これらの規制の遵守に努めるとともに,製造物責任賠償保険(P/L保険)に加入する等の対策を講じています。しかし,大規模な事故やクレームの発生及び製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は,多額のコストに加えて当社グループの社会的評価に重大な影響を及ぼすことが考えられ,これによって当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

   10.知的財産

当社グループは保有する知的財産の適切な保全(特許・実用新案・先使用権の取得)に努めています。しかし,機種や技術分野は多岐にわたるため,第三者による当社グループ製品・技術の模倣や解析調査等技術的に当社グループに影響を与えるような動きを完全に防止することが困難な場合があります。

また,当社グループが将来に向けて開発している製品・技術が,意図せず他社等の知的所有権を侵害してしまう場合や,従業員の発明に対して適切な対応を行なわない場合に損害賠償等を求められ,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

   11.研究開発

当社グループの研究開発活動に係る情報は,第2「事業の状況」5研究開発活動に記載されています。これら研究開発活動は事業の性格上,多額の投資とともに長期の開発期間が必要とされるという特性があります。そのため,実用化機会の逸失や事業戦略・市場動向との不整合等により十分な成果に結びつかず,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

   12.法令・規制

当社グループは,グローバルに事業の展開を進める上で,日本のみならず各国・各地域の各種法令,行政による許認可や規制の制約を受けており,その遵守に努めています。こうした法令等に強化や改正が生じた場合,それらへの対応コストが当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。一方,各種法令等に対する理解が不十分,又は予期せぬ変更への対応が適切でない場合等に各種法令等に違反したと判定され,過料や課徴金,追徴課税等による損失や営業停止等の行政処分によって機会逸失を被る,あるいはそれに伴う社会的評価の低下によって当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

係争中の訴訟案件のうち,当社グループの経営に重大な悪影響を及ぼす可能性のある訴訟は存在しないものと認識しています。しかしながら,現時点で認識していない想定外の訴訟が発生した場合,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

   13.情報システム

当社グループは,技術情報及び事務管理情報のデータ処理のために多額の投資を行なっています。これらシステムの運用並びに導入・更新に際しては,システムトラブルや情報の外部漏洩が発生しないよう最大限の対策を講じるとともに,サイバー攻撃の巧妙化やテレワーク等の増加を考慮した情報セキュリティ強化,従業員への情報セキュリティ教育の徹底を行っています。しかし,外部からのコンピュータウィルスの感染やハッキングの被害,ホストコンピュータ・サーバ・ネットワーク機器の障害や紛失・盗難,ソフトウエアの不備等によるシステム障害の発生と業務停止,情報流出等の事態が発生する可能性があり,それに伴い当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

   14.安全衛生

当社グループは事業所及び建設現場における安全衛生管理には万全の対策を講じていますが,万一不測の事故・災害等が発生した場合には,生産活動に支障をきたし,業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは,各種損害保険等に加入する等の対策を講じていますが,大規模な事故や災害が生じた場合,損害の全てを保険求償できない可能性があります。

 

   15.環境保全

当社グループには,製造工程で,大気・水質・土壌汚染等の原因となりうる物質を使用している事業所・子会社等があります。これらの物質の管理には万全の注意を払い,万一外部に漏洩した場合においてもその拡大を最小限に抑えるための対策を講じています。しかしながら,想定外の事態が発生した場合には,社会的評価の低下を招くとともに損害賠償責任が生じ,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

   16.災害・システム不全

当社グループは,伝染病・感染症の世界的流行(パンデミック),地震・洪水等の大規模災害,テロ等の犯罪行為,情報システムの機能不全等によって業務遂行が阻害されるような事態が生じた場合であっても,その影響を最小限に抑えるべく,規定やBCPの見直し,非常時を想定した訓練等を実施しています。しかし,想定規模を超える災害やシステム不全が発生した際には事業を適切に遂行できず,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

   17.為替動向

外貨に対して円が上昇した場合は外貨建輸出工事における円換算後の入金額は目減りし,下落した場合は現地通貨建の海外調達において円換算支出額の増加を招く等,業績に影響を及ぼします。そのため,外貨建資産と負債のポジションの不均衡に対して,一定の方針に基づき為替予約やマリーの徹底によるリスクヘッジに努めていますが,想定以上の為替変動が発生した場合には,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

   18.金利動向

金利が上昇した場合,当社グループの支払利息が増加し金融収支が悪化します。また,財務活動において借入,又は社債発行の条件が悪化する可能性があり,資金調達に悪影響を与え,ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

   19.資金調達・格付

当社グループの借入金にはシンジケート・ローンが含まれており,自己資本と利益に関する財務制限条項が付されています。業績の悪化等により同条項に抵触した場合,同ローンの借入れ条件の見直しや期限前弁済義務が生じる可能性があり,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また,格付機関が当社グループの格付を引き下げた場合,当社グループの財務活動において不利な条件で取引をせざるを得ない,あるいは一定の取引ができなくなる可能性があり,資金調達に悪影響を与え,ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

   20.税務

繰延税金資産の計算は,将来の課税所得に関する予測・仮定を含めて個別に資産計上・取崩を行なっていますが,将来の課税所得の予測・仮定が変更され,繰延税金資産の一部ないしは全部が回収できないと判断された場合,当社グループの繰延税金資産は減額され,その結果,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また,国境をまたぐ当社グループ会社間の取引価格の設定においては,適用される移転価格税制の遵守に努めていますが,税務当局から取引価格が不適切であるとの指摘を受けた場合,追徴課税や二重課税が生じることにより,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

   21.与信管理

当社グループは,世界中のお客さまに製品・サービスを提供しており,その多くが掛売り又は手形取引となっています。当社はこれに対し,グループ全体で与信管理体制の強化と債権保全の徹底に努めているものの,重要なお客さまが破綻し,その債権が回収できない場合には,当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

   22.人材育成

当社グループの将来の成長,技能の伝承は従業員の能力による部分が大きく,高い技術力と技量を有する従業員の確保及び技能の伝承は,当社グループの経営課題の一つです。このようなキーパーソンとなりうる人員を確保あるいは育成できなかった場合には,当社グループの将来の成長,業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態,経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当社グループは,当連結会計年度より国際財務報告基準(以下,「IFRS」という)を適用しており,前連結会計年度の数値もIFRSに組み替えて比較分析を行なっています。

 

①財政状態及び経営成績の状況

a.経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は,新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動が制限されているため,依然として厳しい状況にあります。また,世界経済についても,一部の地域や産業においては回復傾向が見られるものの,変異株の感染が拡大していることもあり,全体としては低迷する状況が続きました。

 

新型コロナウイルス感染拡大については,その収束の兆しが未だ見えない中,旅客需要の低迷やエアラインの経営状況悪化が続いており,当社グループの主力事業である民間向け航空エンジンにおいて,エンジン及びスペアパーツの販売が大きく減少するなど,大きな影響を受けています。国内線については,北米等ワクチン接種が進む国において,夏期以降に旅客需要改善が期待される一方で,国際線については,依然として入国制限の緩和が進まず,回復に向けた動きに遅れが生じています。国内線に加え,ワクチン接種が進む先進国間での国際線も旅客需要が高まり,エンジン整備の需要が増加してくるのは2022年度以降と想定されており,当社グループにおける事業の回復には数年の期間を要すると見込まれます。

一方で,車両過給機においては,中国で自動車産業が早期に回復傾向となったほか,一部に経済活動制限の影響が残る米国や欧州でも5月中旬から生産活動が再開されており,総じて販売台数は徐々に持ち直しています。熱・表面処理においても,堅調な中国市場に牽引されて,回復に向かいつつあります。

このような状況の下,当社グループとしては,新型コロナウイルス感染拡大の影響への対策として,当連結会計年度期初より,設備投資・研究開発費等の一時凍結・抑制や,総費用・固定費の圧縮,成長分野・ライフサイクル事業への機動的な人材リソースのシフトなどに,全社を挙げて取り組んできました。

 

当社グループは,前述した「プロジェクトChange」の下,環境変化に打ち勝つ事業体質への変革,財務戦略の実行を通じ,収益基盤の強化とライフサイクルビジネスの拡大を着実に推し進め,成長軌道への回帰を早期に実現するとともに,持続可能な社会の実現に資する成長事業の創出に向けた取り組みを加速し,事業ポートフォリオの変革を推進していきます。当連結会計年度では,その投資原資の確保のため,投資不動産の売却を実施しています。

 

上記施策を実行したものの,当社グループの当連結会計年度の業績は新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受ける結果となりました。

受注高は前年度比14.3%減の1兆970億円となり,売上収益についても,民間向け航空エンジンの大幅な減収により,11.9%減の1兆1,129億円となりました。

損益面では,営業利益は,ライフサイクルビジネスの拡大,資源・エネルギー・環境での前年度までの採算性低下が概ね収束してきていること,固定費の削減等や投資不動産の売却による増益はあったものの,前述の民間向け航空エンジンの減収などの影響が大きく,198億円減益の279億円となりました。税引前利益は,持分法による投資損益の改善や,為替差損益が好転したことなどにより,減益幅は15億円に縮小し,276億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は,48億円増益の130億円です。

 

当連結会計年度の報告セグメント別の業績は以下のとおりとなりました。

(単位:億円)

報告セグメント

受注高

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比

前連結

会計年度

当連結

会計年度

前期比

増減率

(%)

(2019.4~2020.3)

(2020.4~2021.3)

増減率(%)

売上収益

営業

損益

売上収益

営業

損益

売上収益

営業

損益

資源・

エネルギー・

環境

3,169

2,747

△13.3

3,248

39

3,176

191

△2.2

382.4

社会基盤・海洋

1,969

1,661

△15.6

1,487

130

1,579

171

6.2

31.3

産業システム・

汎用機械

4,201

3,652

△13.1

4,045

129

3,742

114

△7.5

△11.7

航空・宇宙・防衛

3,215

2,604

△19.0

3,697

208

2,446

△404

△33.8

報告セグメント 計

12,556

10,665

△15.1

12,478

508

10,944

72

△12.3

△85.7

その他

734

788

7.4

670

65

668

36

△0.2

△44.7

調整額

△490

△483

△517

△95

△484

170

合計

12,800

10,970

△14.3

12,631

478

11,129

279

△11.9

△41.6

 

<資源・エネルギー・環境>

パリ協定にて世界の平均気温上昇の上限や温室効果ガス排出量と吸収量のバランスについて長期目標が掲げられる中,日本でも「2050年カーボンニュートラル化」の実現に向け法改正案が閣議決定されるなど,脱COへの流れが加速しています。それに伴い,環境負荷低減に係る課題は,地域やお客さまにより多様化しつつも,将来の脱CO化につながるテーマが増えてきています。

このような事業環境のもと,受注高は,ボイラで前期に大型工事を受注した反動で減少しました。

売上収益は,ボイラで増収となったものの,プラントで減収となりました。

営業利益は,ボイラのライフサイクルビジネスの増収による増益及び前期の原動機,プラントでの採算性低下の収束により増益となりました。

 

<社会基盤・海洋>

国内におけるインフラ老朽化や災害の激甚化への対策として,維持・修繕・補修などの保全工事の割合が増加し,新設の大型プロジェクトは減少していく傾向にあります。建設現場では,労働人口の急減に伴い,作業の標準化を進めたうえでのICT活用による効率化や働き方改革が政府主導で加速しています。

海外市場は,先進国ではインフラ老朽化による保全工事の需要が継続する一方,新興国では新設需要が旺盛であるものの,ODAによる案件組成から民間企業が社会インフラの運営・維持に関与するスキームが増加しています。

このような事業環境のもと,受注高は,橋梁・水門で前期に海外向けの大型案件を受注した反動で減少しました。

売上収益は,橋梁・水門で前期に大型案件を引き渡した影響で減収となったものの,都市開発の販売用不動産の売却や,シールドシステムで増収となりました。

営業利益は,都市開発,シールドシステムの増収及び橋梁・水門の採算改善により増益となりました。

 

<産業システム・汎用機械>

中国を皮切りに自動車産業において市況は回復段階に入っているものの,新型コロナウイルス感染拡大による先行き不透明感から,一部を除き産業システム関連における設備投資は様子見の状況にあり,世界全体では感染拡大以前の水準に回復するのは2022年度以降と想定しています。

一方で,環境負荷低減ニーズの高まり,生産人口の減少,消費者ニーズの多様化,デジタル化の進展といった社会変化はますます加速しており,それはお客さまにおける電動化の推進や省人化・自動化の推進といった形で顕在化しております。ライフサイクルでお客さまに寄り添い,迅速かつ適切に社会とお客さまの幅広い課題に対応していく必要があります。

このような事業環境のもと,受注高は,前期に大型案件の受注があった運搬機械に加えて,車両過給機や回転機械で減少しました。

売上収益は,運搬機械で増収になったものの,車両過給機や熱・表面処理で減収となりました。

営業利益は,運搬機械での増収や車両過給機での固定費削減等により増益となったものの,農機事業での構造改革費用の計上により減益となりました。

 

<航空・宇宙・防衛>

旅客需要の回復には今後数年を要することが想定され,事業への引き続きの影響が避けられない状況の中,この環境変化に打ち勝つ事業体質の構築に向け,需要変動に応じた生産体制の見直しやリソースのシフト等によるコスト構造の強化を推進し,新たな成長の機会としてまいります。

また,当社のエンジンは,比較的新しいタイプの航空機に搭載されており,燃費を始め運用コストにおける優位性から優先的に運用が再開され,アフターマーケットでの収益の早期回復が期待されます。

このような事業環境のもと,受注高は,民間向け航空エンジンで減少しました。

売上収益は,新型コロナウイルス感染拡大の影響による旅客需要の減少により,民間向け航空エンジンで大幅減収となりました。

営業利益は,固定費の削減の効果等は出ているものの,民間向け航空エンジンでの採算性の高いスペアパーツの販売減少による影響が大きく,営業赤字となりました。

 

なお,文中の将来に関する事項は,当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

b.資産及び負債,資本の状況

当連結会計年度末における総資産は1兆8,328億円となり,前連結会計年度末と比較して361億円減少しました。主な増加項目は,契約資産で100億円,主な減少項目は,現金及び現金同等物で249億円,有形固定資産で125億円です。

負債は1兆5,051億円となり,前連結会計年度末と比較して578億円減少しました。主な減少項目は,営業債務及びその他の債務で583億円です。また,有利子負債残高はリース負債を含めて6,059億円となり,前連結会計年度末と比較して67億円減少しました。

資本は3,277億円となり,前連結会計年度末と比較して216億円増加しました。これには,親会社の所有者に帰属する当期利益130億円,剰余金の配当による減少29億円が含まれています。

以上の結果,親会社所有者帰属持分比率は,前連結会計年度末の15.0%から16.4%となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下,「資金」という)の残高は,前連結会計年度末と比較して249億円減少し,1,207億円となりました。前連結会計年度末に新型コロナウイルス感染拡大に伴う金融市場の混乱リスク等に備えて資金を確保していましたが,金融市場が比較的安定しているため,事業活動による運転資金の支出に充てたこと等によるものです。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって得られた資金は363億円(前連結会計年度は424億円の獲得)となりました。これは,営業債務の減少がある一方で,減価償却費,償却費及び減損損失など資金流出を伴わない費用の影響を除いた利益の獲得などによって資金が増加したものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動に使用された資金は404億円(前連結会計年度は855億円の使用)となりました。これは,投資不動産の売却による収入があったものの,主に有形固定資産,無形資産及び投資不動産の取得による支出などによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動に使用された資金は237億円(前連結会計年度は968億円の獲得)となりました。これは主に,リース負債の返済による支出によるものです。

 

(注)この項に記載の金額は単位未満を切捨て表示し,比率は四捨五入表示しています。

 

③生産,受注及び販売の状況

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと,次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

資源・エネルギー・環境

311,669

△15.3

社会基盤・海洋

165,405

12.2

産業システム・汎用機械

366,285

△9.8

航空・宇宙・防衛

264,081

△23.3

報告セグメント 計

1,107,440

△12.5

その他

44,044

3.4

合計

1,151,484

△12.0

(注)1. 金額は販売価格によっており,セグメント間の取引を相殺消去しています。

2. 上記の金額には,消費税等は含まれていません。

3. 金額及び比率は単位未満を四捨五入表示しています。

 

b.受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと,次のとおりです。

セグメントの名称

受注高

(百万円)

前期比(%)

期末受注残高

(百万円)

前期末比(%)

資源・エネルギー・環境

274,715

△13.3

482,310

△6.7

社会基盤・海洋

166,108

△15.6

226,449

△1.3

産業システム・汎用機械

365,213

△13.1

175,312

△7.6

航空・宇宙・防衛

260,491

△19.0

243,499

△50.5

報告セグメント 計

1,066,527

△15.1

1,127,570

△21.0

その他

78,842

7.4

37,471

75.5

調整額

△48,357

合計

1,097,012

△14.3

1,165,041

△19.6

(注)1. 各セグメントの受注高は,セグメント間の取引を含んでおり,調整額でセグメント間取引の合計額を消去しています。

2. 各セグメントの受注残高は,セグメント間の取引を相殺消去しています。

3. 上記の金額には,消費税等は含まれていません。

4. 金額及び比率は単位未満を四捨五入表示しています。

5. 航空・宇宙・防衛における,民間向け航空エンジンの受注高・受注残高の算定方法を,残存履行義務をより

  適切に表す受注高・受注残高の認識方法へ変更しています。当連結会計年度期首の航空・宇宙・防衛の受注

  残高491,747百万円は,この変更を適用すると,222,712百万円となり,これに対する当連結会計年度の期末

  受注残高243,499百万円は,9.3%増加となります。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと,次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

資源・エネルギー・環境

317,675

△2.2

社会基盤・海洋

157,952

6.2

産業システム・汎用機械

374,260

△7.5

航空・宇宙・防衛

244,603

△33.8

報告セグメント 計

1,094,490

△12.3

その他

66,893

△0.2

調整額

△48,477

合計

1,112,906

△11.9

(注)1. 販売実績は売上収益をもって示します。

2. 金額はセグメント間の取引を含んでおり,調整額でセグメント間取引の合計額を消去しています。

3. 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりです。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

一般財団法人

日本航空機エンジン協会

168,418

13.3

73,315

6.6

4. 上記の金額には,消費税等は含まれていません。

5. 金額及び比率は単位未満を四捨五入表示しています。

 

(2)経営者による財政状態,経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は,IFRSに準拠して作成されています。連結財務諸表の作成に当たり,見積りが必要となる事項については,合理的な基準に基づき,会計上の見積りを行なっています。

詳細については,第5「経理の状況」1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記「3.重要な会計方針」,及び注記「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しています。

 

経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループ及びセグメントごとの経営成績の状況は(1)経営成績等の状況の概要の①財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりです。

 

主に新型コロナウイルス感染拡大による事業への影響を踏まえて,2020年度(2021年3月期)の業績目標(2020年11月公表の業績予想)を設定し,施策を実行してまいりました。

2020年度においては,新型コロナウイルス感染拡大の影響により民間向け航空エンジンは大幅な減益となりましたが,事業横断でのリソースの共有やシフトを着実に進め,ボイラなどでライフサイクルビジネスの売上収益が増収となりました。また,車両過給機などで生産性改善や業務プロセス合理化などのコスト構造強化も着実に進捗しました。これらの業績回復ドライバーの実行による成果の早期刈り取りに加え,社会課題解決に資する成長事業創出のための投資原資を確保すべく,投資不動産の売却を行ないました。

この結果,2020年度の営業利益率,ROICは業績目標上回りました。一方,CCCは124日となりました。前連結会計年度末の92日から大きく悪化している状況にあり,キャッシュ創出力の強化が課題となっています。引き続き,キャッシュ創出に徹底的にこだわった事業運営への転換を推進していきます。

「プロジェクトChange」の経営目標達成に向け,新型コロナウイルス感染拡大の収束による航空需要の回復を前提に,業績回復ドライバーの強力な推進,つまりコスト構造の強化や事業構造の改革による収益基盤の強化とライフサイクルビジネスの拡大をさらに加速していきます。この取り組みにより,成長軌道への回帰を進め,2021年度(2022年3月期)の業績目標(2021年5月公表の業績予想)の営業利益700億円(営業利益率5.9%),ROIC 5.5%,CCC 110日を実現させ,最終年度である2022年度の経営目標の達成を目指します。

 

 

2020年度

(2021年3月期)

業績目標

2020年度

(2021年3月期)

実績

2021年度

(2022年3月期)

業績目標

 「プロジェクト

 Change」

2022年度

経営目標

ROIC

1.8%

2.2%

5.5%

10%以上

営業利益率

1.7%

2.5%

5.9%

8%以上

CCC

-

124日

110日

80日

(注)各指標の算出方法は次のとおりです。

 ・ROIC  :(1-法定実効税率)×(営業利益+受取利息+受取配当金)

   ÷(親会社の所有者に帰属する持分+有利子負債の金額)

 ・CCC   :運転資本÷売上収益×365日

 ・運転資本:営業債権+契約資産+棚卸資産+前払金-契約負債-営業債務-返金負債

 

 

なお,セグメントごとの業績目標(営業利益,営業利益率)の達成状況と今後の課題については以下のとおりです。

 

報告セグメント

2020年度(2021年3月期)

業績目標

実績

営業利益

(億円)

営業利益率

(%)

営業利益

(億円)

営業利益率

(%)

資源・エネルギー・環境

160

4.6

191

6.0

社会基盤・海洋

150

10.0

171

10.8

産業システム・汎用機械

120

3.2

114

3.0

航空・宇宙・防衛

△340

△13.6

△404

△16.5

 

<資源・エネルギー・環境>

ボイラや原子力でのライフサイクルビジネス拡大や,販管費の削減などにより業績目標を上回りました。

この事業領域を取り巻く事業環境は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。この事業領域では,既存エネルギーインフラの高効率化やカーボンニュートラル/カーボンフリー燃料の利用を進めるとともに,カーボンリサイクルに関連する開発を加速し,2050年カーボンニュートラル化の実現に向け取り組んでまいります。

 

<社会基盤・海洋>

橋梁・水門での工事範囲拡大・採算改善や,販管費の削減などにより業績目標を上回りました。

この事業領域を取り巻く事業環境は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。この事業領域では,インフラ建設のみならず,橋梁・トンネルを軸に計画・運営・保守・保全まで含めたライフサイクル型事業を国内及びグローバルに展開・拡大していくことで,強靭で持続可能な社会インフラシステムの提供に取り組んでまいります。

 

<産業システム・汎用機械>

車両過給機における販売増加や,回転機械でのライフサイクルビジネスの増加,販管費の削減などがあった一方,農機事業での構造改革費用の計上により,業績目標に対し若干の未達となりました。

この事業領域を取り巻く事業環境は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。この事業領域では,新型コロナウイルス感染拡大による事業活動への影響を最小化し,早期回復に向けた取り組みを進めていくとともに,それを土台として,製品開発はもとより,ソリューション提案やデジタルを活用したサービスの高度化など,ライフサイクルにわたってお客さまの多様なニーズにお応えすることによって,産業インフラの発展に貢献してまいります。

 

<航空・宇宙・防衛>

新型コロナウイルス感染症の再拡大を受けて昨年11月以降の航空需要の回復が鈍化し,民間向け航空エンジンでのスペアパーツの販売減少による影響などにより,業績目標に対し大幅な未達となりました。

この事業領域を取り巻く事業環境は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。この事業領域では,旅客需要の回復期におけるお客さまの航空機運航再開を万全の態勢で支えるべく,アフターマーケット分野での対応強化に最優先で取り組んでいくとともに,独自技術・ものづくり力の高度化を推し進め,より高効率・低燃費の新型エンジンを開発してまいります。さらには,その先に予想される電動化や持続可能な航空燃料の導入を見据え,安全・快適で環境への負荷を低減させる製品・システムの開発に取り組んでまいります。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.財務戦略の基本的な考え方

当社グループは,事業基盤の強化やキャッシュ創出力向上の取組みを通じて得られた自己資金を原資として,財務基盤の拡充と株主還元のバランスを取りながら,事業変革のための投資を進めていくことを財務戦略の基本方針としています。

2020年度のキャッシュ・フローは,営業活動によるキャッシュ・フロー363億円に対し,投資活動によるキャッシュ・フローは,投資の一時的な凍結・抑制や投資不動産の売却を行なったものの,営業活動によるキャッシュ・フローを上回る404億円の支出となりました。3期連続して,営業活動によるキャッシュ・フローよりも投資活動によるキャッシュ・フローの支出が超過しており,キャッシュ・フローの改善は最優先課題と捉えています。

このような状況の中で当社グループは,「プロジェクトChange」で掲げる収益性・キャッシュ創出力を重視した経営施策を着実に実行し,最適な資金配分により持続的な企業価値向上へつなげていきます。

 

b.資金調達の方針

当社グループの運転資金,投資向け資金等の必要資金の財源については,主として営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金を財源とする事を原則としていますが,必要に応じて,短期的な資金については銀行借入やコマーシャル・ペーパーなど,設備資金・投融資資金等の長期的な資金については,金融市場動向や既存借入金及び既発行債の償還時期等を総合的に勘案し,長期借入金や社債等によって調達しています。

外部からの資本・資金調達については,関連するリスクを適切にコントロールした上で,資本コストを最小化する調達を実現することを資金調達の基本方針としています。

また,当社グループ内部では,グループガバナンスの向上,資金効率の向上及び資本コストの低減を図り,企業価値向上に寄与するため,グループ一体となった資金調達・資金収支管理を実施しており,当社と国内子会社間,また海外の一部地域の関係会社間ではキャッシュ・マネジメント・システムによる資金融通を行ない,グループ内の流動性確保,資金効率向上に努めています。

 

c.資金需要,資金調達及び流動性の分析

当連結会計年度の主な資金需要は,事業活動に必要な運転資金及び前連結会計年度に完成した民間航空エンジンの新拠点設備に係る支払等です。前連結会計年度に新型コロナウイルス感染拡大に伴う金融市場の混乱リスク等に備えて資金を確保していましたが,金融市場が比較的安定しているため,これらの資金需要に対する支払いに充てました。この結果,当連結会計年度末の有利子負債残高はリース負債を含めて6,059億円となり,前連結会計年度末に対して67億円減少しました。

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は1,207億円であり,前連結会計年度末と比較して249億円減少しています。手元資金の流動性については現金及び現金同等物に加え,主要銀行とのコミットメントライン契約や当座貸越枠,コマーシャル・ペーパーなど多様な調達手段とあわせて,今後も十分な水準を確保していきます。

 

(注)この項に記載の金額は単位未満を切捨て表示しています。

 

④並行開示情報

連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表は,以下のとおりです。

なお,日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については,金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていません。

 

a.要約連結貸借対照表(日本基準)

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(2020年3月31日)

当連結会計年度

(2021年3月31日)

資産の部

 

 

流動資産

1,076,009

1,031,211

固定資産

 

 

有形固定資産

397,495

376,212

無形固定資産

32,162

27,441

投資その他の資産

235,116

269,661

固定資産合計

664,773

673,314

資産合計

1,740,782

1,704,525

 

 

 

負債の部

 

 

流動負債

909,005

728,283

固定負債

478,031

588,572

負債合計

1,387,036

1,316,855

 

 

 

純資産の部

 

 

株主資本

329,216

361,302

その他の包括利益累計額

△2,841

△2,318

新株予約権

533

414

非支配株主持分

26,838

28,272

純資産合計

353,746

387,670

負債純資産合計

1,740,782

1,704,525

 

b.要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)

要約連結損益計算書

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

売上高

1,386,503

1,115,077

売上原価

1,131,775

935,521

売上総利益

254,728

179,556

販売費及び一般管理費

193,931

168,371

営業利益

60,797

11,185

営業外収益

6,545

9,633

営業外費用

35,091

15,740

経常利益

32,251

5,078

特別利益

11,790

26,313

特別損失

5,262

14,305

税金等調整前当期純利益

38,779

17,086

法人税等合計

20,729

10,236

当期純利益

18,050

6,850

非支配株主に帰属する当期純利益

5,238

3,928

親会社株主に帰属する当期純利益

12,812

2,922

 

要約連結包括利益計算書

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当期純利益

18,050

6,850

その他の包括利益合計

△9,440

6,510

包括利益

8,610

13,360

(内訳)

 

 

親会社株主に係る包括利益

4,487

8,401

非支配株主に係る包括利益

4,123

4,959

 

 

c.要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)

前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)

(単位:百万円)

 

 

株主資本

その他の包括

利益累計額

新株予約権

非支配株主持分

純資産合計

当期首残高

343,497

5,683

659

31,853

381,692

当期変動額合計

△14,281

△8,524

△126

△5,015

△27,946

当期末残高

329,216

△2,841

533

26,838

353,746

 

当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)

(単位:百万円)

 

 

株主資本

その他の包括

利益累計額

新株予約権

非支配株主持分

純資産合計

当期首残高

329,216

△2,841

533

26,838

353,746

会計方針の変更による累積的影響額

27,442

27,442

会計方針の変更を反映した当期首残高

356,658

△2,841

533

26,838

381,188

当期変動額合計

4,644

523

△119

1,434

6,482

当期末残高

361,302

△2,318

414

28,272

387,670

 

d.要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

14,510

22,841

投資活動によるキャッシュ・フロー

△75,896

△37,197

財務活動によるキャッシュ・フロー

115,264

△13,730

現金及び現金同等物に係る換算差額

△1,301

3,579

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

52,577

△24,507

現金及び現金同等物の期首残高

92,608

145,484

非連結子会社の連結に伴う現金及び現金同等物の増加額

299

192

連結子会社の連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少額

△403

現金及び現金同等物の期末残高

145,484

120,766

 

⑤連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)

当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)

 

(収益認識に関する会計基準等の適用)

「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用し,約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で,当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識しています。

 この適用により,当社が参画している民間向け航空エンジンプログラムに関連して負担する費用や契約履行に伴い発生する損害賠償金等を,従来売上原価,販売費及び一般管理費又は営業外費用に計上していましたが,取引の実態に鑑み変動対価や顧客に支払われる対価とし,売上高から減額する方法に変更しています。また,従来は工事完成基準を適用していた契約のうち,一定期間にわたり履行義務が充足される契約については,工事進行

基準を適用して収益を認識する方法に変更しています。なお,履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積もることができないが,発生する費用を回収することが見込まれる場合は,原価回収基準にて収益を認識しています。

 収益認識会計基準等の適用については,収益認識会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従っており,当連結会計年度の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の累積的影響額を,当連結会計年度の期首の利益剰余金に加減し,当該期首残高から新たな会計方針を適用しています。ただし,収益認識会計基準第86項に定める方法を適用し,当連結会計年度の期首より前までに従前の取扱いに従ってほとんどすべての収益の額を認識した契約に,新たな会計方針を遡及適用していません。また,収益認識会計基準第86項また書き(1)に定める方法を適用し,当連結会計年度の期首より前までに行なわれた契約変更について,すべての契約変更を反映した後の契約条件に基づき,会計処理を行ない,その累積的影響額を当連結会計年度の期首の利益剰余金に加減しています。

 この結果,当連結会計年度の売上高が85,114百万円,売上原価が84,653百万円,販売費及び一般管理費が2,605百万円それぞれ減少し,営業利益が2,144百万円増加,経常利益及び税金等調整前当期純利益がそれぞれ7,044百万円増加しています。また,利益剰余金の当期首残高は27,442百万円増加しています。

 

⑥経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報

IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は,次のとおりです。

前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)

第5「経理の状況」1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記「42.初度適用」に記載のとおりです。

 

当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)

(のれんの計上額の調整及び減損損失の認識

 日本基準では,のれんについて一定の期間で償却していますが,IFRSではのれんの償却は行なわず,移行日以降の償却を停止しています。また,日本基準では減損の兆候がある場合にのみ減損の要否の判断を行なっていましたが,IFRSでは兆候の有無に関わらず,毎期,主に第4四半期において,減損テストを実施しています。

 この影響によりIFRSに基づく連結損益計算書では,日本基準に比べ「販売費及び一般管理費」が4,225百万円減少しています。また,のれんの減損損失13百万円を認識し「その他の費用」として計上しています。

 

4【経営上の重要な契約等】

技術導入契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

当社

GEAE
TECHNOLOGY,INC.

米国

T700-401C,

T700-701Cターボ

シャフトエンジン

契約品目の製造・販売に関する非独占的権利の取得

1989年9月26日から

2025年4月30日まで

当社

GEAE
TECHNOLOGY,INC.

米国

F110-129ターボ

ファンエンジン

契約品目の製造・販売に関する非独占的権利の取得

1996年9月27日から

2024年4月30日まで

当社

GEAE

TECHNOLOGY,INC.

米国

J79ターボ
ジェットエンジン

契約品目の製造・販売に関する非独占的権利の取得

2002年3月18日から

2022年12月31日まで

当社

ROLLS-ROYCE

CORPORATION

米国

T56-A

ターボプロップ

エンジン

契約品目の製造・販売に関する非独占的権利の取得

2008年11月7日から

2028年10月31日まで

当社

ROLLS-ROYCE

CORPORATION

米国

T56-A-427A

ターボプロップ

エンジン

契約品目の製造・販売に関する非独占的権利の取得

2019年9月16日から

2029年9月30日まで

当社

UNITED
TECHNOLOGIES
CORPORATION

米国

F100ターボ

ファンエンジン

契約品目の製造・販売に関する非独占的権利の取得

1978年6月27日から

2025年9月30日まで

当社

UNITED
TECHNOLOGIES
CORPORATION

米国

F135ターボ

ファンエンジン

契約品目の日本における非独占製造権

2013年10月17日から

2027年9月30日まで

㈱IHI原動機

(連結子会社)

MAN Diesel & Turbo France SAS

フランス

汎用中速ディーゼルエンジン

契約品目の製造・販売に関する非独占的権利の取得

1995年11月14日から

2021年12月31日まで

㈱IHI原動機

(連結子会社)

Winterthur Gas & Diesel Ltd.

スイス

汎用低速ディーゼルエンジン

契約品目の製造・販売に関する非独占的権利の取得

2009年1月1日から

2024年12月31日まで

㈱IHI回転機械

エンジニアリング

(連結子会社)

ABB TURBO
SYSTEMS LTD.

スイス

ターボ過給機

契約品目の日本における独占製造権

1998年9月24日から

JV終了日まで

㈱IHIエアロ

スペース

(連結子会社)

LOCKHEED MARTIN

CORP.

米国

多連装ロケット

システム

契約品目の製造・販売に関する非独占的権利の取得

1993年1月20日から

2023年8月31日まで

 

5【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)は,「グループ経営方針2019」に基づくグループ技術戦略を定め,社会とお客さまの課題解決に関わる技術に重点をおき研究開発に取り組んできました。資源・エネルギー・環境,社会基盤・海洋,産業システム・汎用機械,航空・宇宙・防衛の各セグメントにおける製品の競争力強化,及び今後の事業拡大・創造につながる基礎研究から実用化研究までを,事業領域,本社部門並びに技術開発本部が密接に連携・協力し,推進しています。加えて,国内外の大学や研究機関との産学官連携による共同研究にも積極的に取り組んでいます。

また,2020年11月に公表しました「プロジェクトChange」において,成長事業を「カーボンソリューション」,「保全・防災・減災」,「航空輸送システム」の3つに再定義し,2021年4月には,グループ全体の戦略技術を統括し,これらの成長事業の創出に中心的な役割を担う社長直轄組織「戦略技術統括本部」を設立しています。

        当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は268億円です

セグメント別の主な研究開発の成果及び研究開発費は次のとおりです

 

(1)資源・エネルギー・環境

資源・エネルギー・環境事業領域と技術開発本部では,エネルギー関係,カーボンソリューションに係る研究開発を行なっています。

当セグメントでは,健全な地球環境の維持を実現する「脱CO・循環型社会」に向け,各種の技術開発を進めています。当連結会計年度の主な成果は,世界初,2,000kW級ガスタービンでの液体アンモニアの70%混焼の成功,北九州響灘における複数の再エネを同時制御する水電解活用型エネルギーマネジメントシステムの開発,カーボンリサイクル技術による脱CO・炭素循環型社会の実現への取り組みが挙げられます。

当セグメントに係る研究開発費は37億円です。

 

(2)社会基盤・海洋

  社会基盤・海洋事業領域と技術開発本部では,橋梁・水門等に係る研究開発を行なっています。

当セグメントでは,社会インフラの保全や維持管理を最適かつ効率的に実現する技術開発を進めています。また,保全・防災・減災についての取り組みを開始しています。

当セグメントに係る研究開発費は7億円です。

 

(3)産業システム・汎用機械

産業システム・汎用機械事業領域と技術開発本部では,車両過給機,運搬機械,物流・産業機械システム,パーキング,オゾン関連等に係る研究開発を行なっています。

当セグメントでは,環境にやさしく,経済的な産業機械による豊かな生活の実現のため,また,私たちの生活や企業活動を安心安全なものにするために研究開発を進めています。当連結会計年度の主な成果として,高効率ターボチャージャーの開発,物流向けピッキングシステムの開発,機械式駐車装置のタッチレス入出庫,AI・3D センサによる快適な駐車の実現などが挙げられます。また,新型コロナウイルス対策ニーズに合わせて,陰圧隔離室(簡易陰圧テント)の開発,ファインバブル技術によるオゾンガス処理除菌水を開発しました。

当セグメントに係る研究開発費は74億円です

 

(4)航空・宇宙・防衛

航空・宇宙・防衛事業領域と技術開発本部では,航空エンジン,ロケットシステム・宇宙利用等に係る研究開発を行なっています。

当セグメントでは,航空安全の実現と環境負荷の低減を最も大きな解決すべき課題と据え,その上で,新たなフロンティアである宇宙活用を実現する研究開発を進めています。当連結会計年度の主な成果として,ジェットエンジンの高効率化・低コスト化のための高性能材料の研究開発,トピックスとして,世界初,航空機用100kW級高出力パワーエレクトロニクスの空冷化の成功が挙げられます。また,火星衛星探査計画(MMX)探査機用推進装置開発の取り組みを進めています。

当セグメントに係る研究開発費は71億円です

 

(5)その他

本社部門と技術開発本部等では,各セグメントの将来を担う新技術・新事業分野及び中長期的な研究開発を担当し,同時に,共通基盤技術に係る研究開発を行なっています。また,当連結会計年度には,福島県相馬市に再生可能エネルギー利用の水素研究棟「そうまラボ」を開所し,CO₂フリー水素を活用した研究を推進しています。また,お客さまとの新たな事業アイデアの共創によるイノベーション活動を推進しています。

当セグメントに係る研究開発費は77億円です。

 

(注)この項に記載の金額は単位未満を切捨て表示しています。