(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調で推移してまいりましたが、中国など新興国経済の減速、不振から脱しきれない欧州経済、資源価格の暴落による資源国の経済不安に加えて本年1月以降は円高が加速し景況感の悪化が鮮明となりました。
日本造船工業会によりますと、平成27年暦年の世界新造船竣工量が67,412千総トン(前年同期比4.3%増)、同期間の新造船受注量は76,570千総トン(前年同期比6.2%減)となりました。竣工量は平成23年のピーク以降減少に転じましたが、平成25年の底値狙いの投機的な大量発注が竣工時期を迎え始めたことにより増加に転じたものと思われます。わが国造船業を取り巻く外的環境は、本年2月には撒積運搬船運賃の国際市況を示すバルチック海運指数(昭和60年=1,000)が過去最低の290となるなど未曽有の低水準が続き、撒積運搬船の新造船需要がほぼ消失するばかりか、一部の船主からは造船所に対して契約済新造船の引渡し延期や値引きの要請が出ていると言われています。また、中国では上場造船企業の経営破綻が報じられ、韓国では主力造船所のリストラや救済合併の動きも取り沙汰されるなど、国内外で造船所の厳しい生存競争が繰り広げられております。
当企業集団の当連結会計年度の業績は、平成26年10月1日付で完全子会社になった佐世保重工業株式会社が当連結会計年度から年度を通じて連結対象となったことから、売上高は147,202百万円(前年同期比8.5%増)となりました。損益面では、中核である新造船事業において、売上対象船がリーマンショック後に受注した低船価船が中心であったことや、受注環境が厳しく総じて船価水準が低い中で中長期的な戦略をもとに中型低温式LPG運搬船などの新規開発船型や一部の受注船を対象に工事損失引当金を計上したことに加え、期末にかけての急激な円高等に伴う当該損失引当金の積み増しの影響もあって前年同期に比べ大幅な減益となりましたが、修繕船事業などの非新造船事業においては佐世保重工業株式会社との統合効果もあって全て増益となり、その結果営業利益は6,639百万円(前年同期比69.2%減)、経常利益は5,574百万円(前年同期比74.8%減)となりました。また、第2四半期までに計上した特別利益がありましたが投資有価証券評価損の特別損失計上により税金等調整前当期純利益は8,346百万円(前年同期比57.7%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は7,311百万円(前年同期比50.1%減)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
① 新造船事業
当連結会計年度におきましては、大型鉱石運搬船1隻、ハンディ型24隻を含む撒積運搬船31隻、中型油送船1隻、小型船1隻の合計34隻を完工し、当連結会計年度の売上高は111,398百万円(前年同期比4.3%増)、営業利益は5,699百万円(前年同期比74.1%減)となりました。
受注面につきましては、大型船3隻を含む撒積運搬船6隻、油送船14隻、中型低温式LPG運搬船1隻の合計21隻を受注した結果、当連結会計年度末の受注残高は320,884百万円(前年同期比9.5%増)となりました。
当連結会計年度における売上計上の米ドル額は940百万米ドルであり、その平均レートは1米ドル当たり117円01銭であります。
② 修繕船事業
主に函館どつく株式会社および佐世保重工業株式会社が担う修繕船事業におきましては、艦艇工事を主力としつつ一般商船の修繕工事にも積極的に取り組んでおります。佐世保重工業株式会社の完全子会社化により修繕拠点が増えたことで、当連結会計年度の売上高は14,954百万円(前年同期比42.4%増)、営業利益は1,080百万円(前年同期比225.7%増)となりました。
なお、当連結会計年度末受注残高は、8,678百万円(前年同期比49.4%増)であります。
③ 機械事業
オリイメック株式会社および佐世保重工業株式会社が担う機械事業につきましては、産業機械のみならず舶用機器等の分野にも事業範囲が拡大したこともあり、当連結会計年度の売上高は12,396百万円(前年同期比14.3%増)、営業利益は867百万円(前年同期比36.2%増)となりました。
なお、当連結会計年度末受注残高は、4,567百万円(前年同期比17.6%減)であります。
④ 鉄構陸機事業
鹿児島県ご発注の地方特定道路整備工事(美山25-1工区)(245トン)などの工事を予定通り完工し、当連結会計年度の売上高は3,217百万円(前年同期比3.0%増)、営業利益は181百万円(前年同期比83.6%増)となりました。
なお、当連結会計年度末受注残高は、4,243百万円(前年同期比42.3%増)であります。
⑤ その他事業
当連結会計年度の売上高は5,237百万円(前年同期比21.5%増)、営業利益は706百万円(前年同期比27.9%増)となりました。
なお、当連結会計年度末受注残高は、777百万円(前年同期比4.1%減)であります。
(2) キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物につきましては、前連結会計年度末に比べ3,045百万円増加し、104,308百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、8,565百万円の資金の増加となりました。前連結会計年度末に比べ393百万円増加しており、これは主に前受金が増加したことなどによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、2,470百万円の資金の減少となりました。前連結会計年度末に比べ1,589百万円減少しており、これは主に有形固定資産や投資有価証券の取得による支出が増加したことなどによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,945百万円の資金の減少となりました。前連結会計年度末に比べ1,947百万円増加しており、これは主に借入金の返済による支出が減少したことなどによるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期増減率(%) |
新造船事業 | 98,200 | 9.7 |
修繕船事業 | 14,185 | 40.6 |
機械事業 | 8,404 | 9.9 |
鉄構陸機事業 | 2,891 | △16.8 |
その他事業 | 3,940 | △13.7 |
合計 | 127,620 | 10.7 |
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記の金額は、工事完成基準で記載しております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期 | 受注残高(百万円) | 前期末増減率(%) |
新造船事業 | 129,907 | 34.7 | 320,884 | 9.5 |
修繕船事業 | 17,824 | 71.1 | 8,678 | 49.4 |
機械事業 | 11,418 | 9.8 | 4,567 | △17.6 |
鉄構陸機事業 | 4,478 | 49.8 | 4,243 | 42.3 |
その他事業 | 5,204 | 32.3 | 777 | △4.1 |
合計 | 168,831 | 36.0 | 339,149 | 10.1 |
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記の金額は、工事完成基準で記載しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期増減率(%) |
新造船事業 | 107,549 | △4.3 |
修繕船事業 | 14,954 | 42.4 |
機械事業 | 12,396 | 14.3 |
鉄構陸機事業 | 3,217 | 3.0 |
その他事業 | 5,237 | 21.5 |
合計 | 143,353 | 1.6 |
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記の金額は、工事完成基準で記載しております。
(1) 当面の対処すべき課題の内容等
① 新造船事業
撒積運搬船運賃の国際市況を示すバルチック海運指数の低迷が長期化しており、撒積運搬船の新造船引き合いは極めて限定的で世界を見渡しても成約はほとんど報告がない状況にあります。撒積運搬船に比較して堅調な油送船も新造船契約が積み上がってきており、先行きの不透明感から船主は新規発注には慎重になってきております。
このような環境下、当グループの受注方針である「常に3年分の受注残の確保」の達成に向けて、市場ニーズを取り込んだ新船型の開発等に鋭意努めてまいります。また、適正品質をキープしながらコスト削減に徹底して取り組むとともに、環境対応を含めた性能面においては業界トップクラスを維持し、顧客満足度の向上に努めてまいります。
② 修繕船事業
修繕船事業の主力である艦艇工事は、今後艦艇の大型化や延命工事による工事量の増加が期待されており、受入態勢の整備に向けた対応力強化に努めます。また、修繕船事業は操業の山谷が大きい事業であり、厳しい価格競争が続いている一般商船につきましても、営業力強化やコスト削減による競争力強化により受注拡大を図り安定操業量の確保に努めてまいります。
函館どつく株式会社、佐世保重工業株式会社ともに長年の歴史と伝統に裏付けられた技術力と立地的な優位性を最大限に活かしてまいります。
③ 機械事業
産業機械を担うオリイメック株式会社では、中国をはじめとする新興国の経済成長の鈍化により主要顧客である自動車産業や電気関連企業の設備投資意欲は低迷しております。このような事業環境のもと、国内事業においては、新製品の販売促進による新規および更新需要の掘り起こし等を推進することで確実に利益が確保できる体制を強化し、海外事業においては、海外生産子会社の競争力強化と各国の市場ニーズにあった営業戦略を明確にし、受注・売上の拡大に取り組んでまいります。
船舶用機器等を担う佐世保重工業株式会社は、国内同業他社との価格競争が続いているクランク軸の大型化へ対応するための設備更新に取り組んでおり、営業力の強化・コスト競争力強化に努めてまいります。
④ 鉄構陸機事業
平成25年に国土強靭化基本法が制定され、道路の未開通区間の解消やネットワークの整備等で継続的に新設橋梁の発注が予定されております。
総合評価落札方式への対応力の強化を図ることで受注確度向上に努めるとともに、今後確実に需要が増加すると見込まれる保全・補修工事への取組み強化など、将来に亘り社会インフラの維持・発展に貢献するとともに、確実に利益を確保出来る構造改革と体質改善を図ってまいります。
⑤ その他事業
各事業を担う関係会社が市場環境の急速な変化に対応できるよう、グループの事業ポートフォリオの最適化に取り組んでまいります。また、当企業集団における各事業の役割を明確化することでグループ経営資源の有効活用やシナジー効果を高め、各事業の収益力を高め、グループ収益基盤の強化・発展を図ってまいります。
(2) 株式会社の支配に関する基本方針
① 会社の財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの財務および事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えています。
この観点から当社の企業価値・株主共同の利益に資さない当社株式等の大量取得を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量取得に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
② 会社財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
(企業価値の源泉)
当社は、1911年(明治44年)の創業以来今日まで、「存在感」を経営理念として、船舶の製造を基軸とした事業活動を営んでおり、顧客のニーズに応えた高品質の船舶を長年にわたり安定的に製造・供給することを基軸とする経営を続けることにより顧客の信頼を獲得し、全社一丸となって企業価値の向上に努めてまいりました。
当社の企業価値の源泉は、具体的には以下の点にあると考えております。
第一に、わが国の三大船社をはじめとする国内外の顧客との長期的視野に立った緊密な相互信頼関係にあります。
第二に、高品質の製品を安定的に供給するためには、わが国の大手製鉄会社をはじめとする舶用資機材供給者との信頼関係に基づく中・長期的かつ安定的な取引関係が重要です。
第三に、顧客ニーズを的確に捉えた高品質な製品を開発・受注・製造するための、開発力・技術力および生産管理ノウハウです。
第四に、地域社会との良好な相互関係が重要です。
以上のように、当社は、顧客、舶用資機材供給者などの取引先、従業員も含めたステークホルダーを対象として包含する「顧客信頼度」というキーワードを掲げて経営を続けております。
(企業価値向上のための取組み)
当企業集団は事業環境の変化に確実に対応し、持続的な成長・発展を実現すべく平成26年度から平成28年度までの3ヶ年間の中期経営計画「勝負のとき」を策定し、コスト削減と研究開発力の強化を中心とした事業収益力の向上と成長戦略の両立を目指しております。当企業集団といたしましては、新造船事業の生産性向上とコスト削減による収益力の向上を図るとともに、新商品開発や顧客ニーズを反映した競争力ある商品の開発を加速させつつ常時3年分の手持工事量の確保に努め、熾烈さを増す国際的な生存競争での勝ち残りを図ってまいります。また、修繕船事業、機械事業、鉄構陸機事業、その他事業につきましても、急速かつ多様な環境変化への対応力を強化することで事業基盤を強化し、各事業における強みを活かし、かつ、弱みを克服し、安定した収益の確保に努めてまいります。成長戦略については、企業の成長の礎となる内部体質の強化を加速するとともに、他社との戦略的事業提携や次なる海外進出なども積極的に検討を進めてまいります。
(コーポレート・ガバナンスの強化)
当社は法令遵守が企業の基本的かつ最低限の社会的責務であるとの考え方に立っており、適法・適正かつ透明性の高い経営を保つことにより株主、取引先および社会の信頼を得ることが企業の発展と企業価値の向上に繋がるものと確信しております。
このような考えの下、当社では豊かな社会創りに貢献するとともに、コンプライアンスの推進・実行を図るため、すべての役員・従業員が遵守すべき企業行動の基本原則および行動指針として「株式会社名村造船所 行動憲章および行動指針」を定め、さらなる企業倫理の確立と社会責任の遂行に努めております。
また、コンプライアンスとそのリスク管理、財務報告の適正性等の促進に関しては、内部統制委員会と内部監査室を中心に、内部統制システムの評価およびその維持・改善を行っております。
当社の経営上の意思決定、業務執行および監督に係わる経営管理組織体制等の状況は次の通りであります。
取締役会は、原則として毎月1回、監査役出席の下、重要な業務執行について、適法性、妥当性、効率性、戦略性、社会性および適正性等について十分に審議を尽くした後に決するとともに、取締役の職務執行を監督しております。
また、執行役員制度を採用して、経営に関する意思決定と業務の執行およびこれらに対する監視の各機能の充実・強化を図り、審議の充実と業務執行の迅速化・効率化を通じて、企業価値の最大化を目指しております。
さらに執行役員会を原則として月1回執り行い、経営に関する重要業務の執行に関する審議を尽くしております。
企業グループの経営状況の監督については、担当の取締役または執行役員が往査するほか、各社の経営状況を3ヶ月に1回執行役員会の場で担当の取締役または執行役員より、また、6ヶ月に1回開催される部長・関係会社報告会の場でグループ各社の代表者より報告せしめ、実態の把握と的確な経営管理および業務執行を監督・指導しております。
監査役の業務監査および会計監査については、常勤監査役が執行役員会、部長会等の重要な会議に出席して必要に応じて意見を述べ、稟議書などの決裁手続についても審議段階から意見を述べることができることとし、監査機能の強化を図っております。なお、会計監査人から監査結果の報告を受けるほか、定期的・臨時的な情報・意思の交換を行うなど、監査役・会計監査人間で緊密な連携をとっております。また、監査役2名が非常勤の社外監査役であり、社外監査役と当社の間に取引関係その他利害関係はありません。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
当社は、上記①の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定を支配されることを防止するための取組みとして、当社株式等の大量取得が行われる場合に、株主の皆様が適切な判断をするために必要・十分な情報と時間を確保するとともに、買収者との交渉の機会を確保すること等を通じて、当社の企業価値・株主共同の利益に反する買収を抑止し、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的とし、当社株式等の20%以上を取得しようとする者が現れた際に、買収者に事前の情報提供を求める等、上記の目的を実現するために必要な手続きを定めております。
なお、対応方針の詳細については、平成26年5月9日付「当社株式等の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)の更新について」をご参照ください。
(当社ホームページ:http://www.namura.co.jp/)
④ 上記取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由
(基本方針の実現に資する特別な取組みについて)
企業価値向上のための取組みやコーポレート・ガバナンスの強化といった各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに基本方針の実現に資するものです。
従って、これらの各施策は、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
(基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みについて)
・当該取組みが基本方針に沿うものであること
当該取組みは、当社株式等に対する買付等がなされた際に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提案するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保するための枠組みであり、基本方針に沿うものです。
・当該取組みが当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないこと
当社は、以下の理由により、当該取り組みは、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(a)買収防衛策に関する指針の要件を充足していること
(b)株主意思を重視するものであること
(c)独立委員会による判断の重視と情報開示
(d)合理的な客観的要件の設定
(e)第三者専門家の意見の取得
(f)デッドハンド型・スローハンド型の買収防衛策ではないこと
当企業集団の経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性があるリスクには以下のようなものがあります。しかし、以下の記載が事業等のリスクをすべて網羅するものではありません。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当企業集団(当社および連結子会社)が判断したものであります。
① 事業環境について
当企業集団製品の大部分が個々の顧客のニーズに対応した単品受注生産であり、経済情勢、景気動向等に左右されます。
新造船の受注量につきましては、世界経済に対応した貨物の荷動量、船舶の需給関係によるところが多く、なおも長期に亘って各種船舶の供給過剰が解消されない場合、機械事業につきましては、設備投資の抑制傾向や国内外メーカーとの価格競争が一層激化した場合、鉄構陸機事業につきましては、公共工事予算の削減などの動きを反映し、発注量、価格とも一層厳しくなった場合、また全事業につきまして発注者の信用状況等が悪化した場合は、今後の業績および財務状況に悪影響を及ぼすことがあります。
② 為替レート・資材価格の変動について
新造船事業につきましては米ドル建て契約が多く、契約締結から竣工引渡しまでおよそ2~3年ないしそれ以上の期間を要します。通例として契約金額は契約時以降分割して支払われるほか大半が引渡し時に入金されることから、引渡し時支払日および中間時支払日の為替レートによって業績が左右されます。為替リスクをミニマイズするために為替の取扱規程を定め運用しておりますが、円高により今後の業績および財務状況に悪影響を及ぼす場合があります。
また、原材料・資機材において、現行価格からの大幅価格上昇等が損益に悪影響を及ぼす場合があります。
③ 製品の保証について
完工品のアフターサービスに対する支出に備えるため、保証工事見込額を実績率に基づき引当金を計上しておりますが、実際の修理コストが大幅に上昇した場合は、今後の業績および財務状況に悪影響を及ぼすことがあります。
④ 人材の確保、育成について
昭和50年、60年代の造船不況時に転進援助制度を実施し、定期採用をしていなかった時期もあり、年齢構成において空洞化した年代があり、今後も一定数の定年退職者が発生していきます。技術・技能を伝承するために、各部門において各種育成を実行しておりますが、採用環境などの状況により、人材の確保、また育成が十分できなかった場合は、今後の業績および財務状況に悪影響を及ぼすことがあります。
⑤ 自然災害等について
大規模な地震や風水害等の自然災害や火災その他の災害等が発生したときは、生産設備の破壊、物流機能の麻痺等の直接的な被害だけでなく、電力不足問題が解消されないことなどを含めて、それらによる操業不能に陥る事態や操業度低下を余儀なくされる事態に繋がり納期その他の契約内容の履行ができなくなった場合は、今後の業績および財務状況に悪影響を及ぼすことがあります。
特に記載すべき事項はありません。
当連結会計年度の研究開発活動は、顧客ニーズに対応すべく新船型や新機種の開発、既存製品の品質向上、生産性向上などを中心に取り組み、研究開発費の総額は722百万円となりました。
研究開発活動をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
① 新造船事業
環境に配慮した省燃費船型の研究や既存製品の品質向上、船型開発を中心とした開発等を外部研究機関とも連携し取り組み成果をあげつつあります。研究開発費の総額は377百万円であります。
② 機械事業
プレス用自動化装置、精密ばね成形機等において顧客ニーズに対応した新商品を開発、市場に投入し成果をあげつつあります。研究開発費の総額は294百万円であります。
③ 修繕船事業およびその他事業
取扱商品の拡大をねらい新たな製品等の研究開発、既存製品の品質向上を目的とした開発等を行い成果をあげつつあります。研究開発費の総額は51百万円であります。
① 重要な会計方針及び見積り
当企業集団の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠し、従来から保守的、かつ透明性の高い会計方針を堅持し作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債において、仮定の設定を行い引当金等を計上しており、これは、合理的と考えられる方法及び過去の実績等も考慮して行っているものでありますが、その見積りが実際の結果と異なる場合があります。
② 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、主に受取手形及び売掛金が増加したことにより、前連結会計年度末比12,030百万円増加し、160,030百万円となりました。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、主に保有する投資有価証券の株価が下落したこと等により、前連結会計年度末比2,353百万円減少し、54,075百万円となりました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、主に前受金が増加したことにより、前連結会計年度末比8,311百万円増加し、85,398百万円となりました。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、主に長期借入金が減少したことにより、前連結会計年度末比1,306百万円減少し、18,924百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、主に利益剰余金が増加したことにより、前連結会計年度末比2,672百万円増加し、109,783百万円となりました。
③ 経営成績の分析及び受注の状況
「1 業績等の概要(1)業績」に記載しております。
④ キャッシュ・フローについて
「1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。