文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当企業集団(当社および連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営方針・経営戦略・経営指標等
当企業集団は、中核である新造船事業の強化によりグループの経営基盤を強固にしつつ、修繕船・機械・鉄構陸機事業・その他事業による多角化を通じて、長期的視野に立ったグループ経営により、収益力の安定と向上を図ってまいります。他社との戦略的提携やM&Aによる事業基盤の強化・拡大、新規事業、海外事業への進出など、事業分野・事業形態の多様化や再構築に積極的に取り組むとともに、健全な財務体質の構築に努め、企業グループ全体の企業価値と市場環境の変化に対する適応力を高め、株主、顧客の皆様から信頼され、成長を期待される「存在感」ある企業グループの形成を目指しております。
厳しい業界環境が続く新造船事業においては、佐世保重工業株式会社の新造船体制の再構築により3社連合のメリットを加速させ、不況こそチャンスと捉えて将来に向けた成長戦略に積極的に取り組んでおりますが、同事業は受注船価や鋼材などの資機材価格、為替など変動要因が多く不確実性が高いことから、他事業部門の収益力強化と健全な財務体質の維持を当面の最優先すべき課題としております。
中核事業である新造船事業をはじめ各事業において「攻めて勝つ!」に基づき各種施策を実行し、体質の改善、資本の効率的活用および健全な財務基盤の維持・確保に取り組んでまいります。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
① 新造船事業
海上荷動量の着実な伸びと新造船竣工量の持続的な減少により船腹過剰の状況は改善されつつありますが、世界経済の鈍化懸念や新たな環境規制が海運市況に与える影響が不透明であるために、新造船発注を手控える動きが懸念されます。船価は緩やかな回復基調にあるものの、新規制への対応や鋼材価格の高騰に伴う原価の上昇により、新造船の採算は依然として厳しい水準が続いております。また、韓国では世界首位の現代重工業と同3位の大宇造船海洋が経営統合で合意し、中国でも傘下に多くの造船所を抱える国有企業の統合構想が取沙汰されるなど、政府主導による大規模な再編の動きが相次いでおり、造船所の生存競争はますます激化しております。
このような環境下、当社グループにとって喫緊の課題である佐世保重工業株式会社の新造船体制再構築を加速させ、3社連合の強みを活かしたきめ細かい営業活動により、適正操業度を維持し、人材の育成と拡充にも努めてまいります。生産性と技術開発力、品質の向上を図り、コスト競争力のある商品開発を推進するほか、次世代を見据えた燃費性能の優れた付加価値の高い商品を拡充し、顧客満足度のさらなる向上につなげてまいります。
② 修繕船事業
修繕船事業の主力である艦艇工事は、年次的に艦艇の大型化や延命工事の増加が期待されるものの年度によって大型案件の多寡による操業の山谷が大きく、安定的な受注量の確保が課題であり、大手造船所との技術提携や受入態勢の整備による対応力強化に鋭意取り組んでおります。官庁船や一般商船、特殊船につきましても、営業力・技術力強化や徹底的なコスト削減による競争力強化により差別化を図り、安定操業量の確保に努めてまいります。
佐世保重工業株式会社、函館どつく株式会社ともに長年の歴史と伝統に裏付けられた高度な技術力と立地の優位性を最大限に活かしてまいります。
③ 機械事業
新造船需要の回復が遅れ、船舶用機器等の分野においても厳しい状況が続いておりますが、技術力・品質力・営業力・コスト競争力の強化に取り組み、受注および販路の拡大を図るとともに、船舶以外の分野の開拓にも取り組み、さらなる受注拡大と安定的な収益確保を目指してまいります。
④ 鉄構陸機事業
新設橋梁の発注は低水準で推移しており、受注競争は非常に厳しい状況が続いております。総合評価落札方式への対応力の強化を図ることで受注力の向上に努めるとともに、今後確実に需要の増加が見込まれる保全・補修工事への取り組みを強化し、将来にわたる社会インフラの維持・発展に貢献するとともに、受注工事の収益改善に注力しております。また、民間企業向けの産業機械関連鉄構品などにも積極的に取り組み、確実に利益を確保出来る構造改革と体質改善を図ってまいります。
⑤ その他事業
その他事業を担う各社が市場環境の急速な変化に対応出来るようグループの事業ポートフォリオの最適化に取り組んでまいります。また、当企業集団における各事業の役割と責任を明確化し、各事業の収益力を高め、グループ収益基盤の強化・発展を図ってまいります。
(3) 株式会社の支配に関する基本方針
① 会社の財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの財務および事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えています。
この観点から当社の企業価値・株主共同の利益に資さない当社株式等の大量取得を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量取得に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
② 会社財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
(企業価値の源泉)
当社は、1911年(明治44年)の創業以来今日まで、「存在感」を経営理念として、船舶の製造を基軸とした事業活動を営んでおり、顧客のニーズに応えた高品質の船舶を長年に亘り安定的に製造・供給することを基軸とする経営を続けることにより顧客の信頼を獲得し、全社一丸となって企業価値の向上に努めてまいりました。
当社の企業価値の源泉は、具体的には以下の点にあると考えております。
第一に、わが国の主要海運会社をはじめとする国内外の顧客との長期的視野に立った緊密な相互信頼関係にあります。
第二に、高品質の製品を安定的に供給するためには、わが国の大手製鉄会社をはじめとする舶用資機材供給者との信頼関係に基づく中・長期的かつ安定的な取引関係が重要です。
第三に、顧客ニーズを的確に捉えた高品質な製品を開発・受注・製造するための、開発力・技術力および生産管理ノウハウです。
第四に、地域社会との良好な相互関係が重要です。
以上のように、当社は、顧客、舶用資機材供給者などの取引先、従業員も含めたステークホルダーを対象として包含する「顧客信頼度」というキーワードを掲げて経営を続けております。
(企業価値向上のための取組み)
新たに2017年度から2019年度までの3ヶ年間の中期経営計画「攻めて勝つ!」を策定し、国内外の同業他社との厳しい競争に打ち勝つために将来に向けた成長戦略に積極的に取り組む方針を掲げました。新造船事業における厳しい市場環境を競合他社との差別化の好機と捉え、グループ全体として戦略的かつ積極的な受注を展開し、コスト競争力と生産性、技術開発力、品質の向上を図り、顧客満足度のさらなる改善に努めてまいります。また修繕船事業、機械事業、鉄構陸機事業、その他事業につきましても、急速かつ多様な環境変化への対応力や技術力を強化することで事業基盤を強化し、各事業における強みを活かし弱みを克服し、収益構造の安定化に努めてまいります。
(コーポレート・ガバナンスの強化)
当社は法令遵守が企業の基本的かつ最低限の社会的責務であるとの考え方に立っており、適法・適正かつ透明性の高い経営を保つことにより株主、取引先および社会の信頼を得ることが企業の発展と企業価値の向上に繋がるものと確信しております。
このような考えの下、当社では豊かな社会創りに貢献するとともに、コンプライアンスの推進・実行を図るため、すべての役員・従業員が遵守すべき企業行動の基本原則および行動指針として「株式会社名村造船所 行動憲章および行動指針」を定め、さらなる企業倫理の確立と社会責任の遂行に努めております。
また、コンプライアンスとそのリスク管理、財務報告の適正性等の促進に関しては、内部統制・コンプライアンス委員会と内部監査室を中心に、内部統制システムの評価およびその維持・改善を行っております。
当社の経営上の意思決定、業務執行および監督に係わる経営管理組織体制等の状況は次のとおりであります。
取締役会は、原則として毎月1回、監査役出席の下、重要な業務執行について、適法性、妥当性、効率性、戦略性、社会性および適正性等について十分に審議を尽くした後に決するとともに、取締役の職務執行を監督しております。なお、独立性の高い社外取締役を2名選任し、当社経営の意思決定の妥当性および当社経営に対する監督の有効性を確保しております。さらに、取締役会は実効性についての評価・分析を毎年実施することとし、評価・分析の結果を今後の改善につなげます。
また、執行役員制度を採用して、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能を分離・強化することで迅速な意思決定と事業遂行を実現し、企業価値の最大化を目指しております。
さらに執行役員会を原則として月1回執り行い、経営に関する重要業務の執行に関する審議を尽くしております。
企業グループの経営状況の監督については、担当の取締役または執行役員が往査するほか、各社の経営状況を3ヶ月に1回執行役員会の場で担当の取締役または執行役員より、また、6ヶ月に1回開催される部長・関係会社報告会の場でグループ各社の代表者より報告せしめ、実態の把握と的確な経営管理および業務執行を監督・指導しております。
監査役の業務監査および会計監査については、常勤監査役が執行役員会、部長会等の重要な会議に出席して必要に応じて意見を述べ、稟議書などの決裁手続についても審議段階から意見を述べることができることとし、監査機能の強化を図っております。なお、会計監査人から監査結果の報告を受けるほか、定期的・臨時的な情報・意思の交換を行うなど、監査役・会計監査人間で緊密な連携をとっております。また、監査役2名が非常勤の社外監査役であり、社外監査役と当社の間に取引関係その他利害関係はありません。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
当社は、上記①の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定を支配されることを防止するための取組みとして、当社株式等の大量取得が行われる場合に、株主の皆様が適切な判断をするために必要・十分な情報と時間を確保するとともに、買収者との交渉の機会を確保すること等を通じて、当社の企業価値・株主共同の利益に反する買収を抑止し、当社の企業価値を向上させ、株主共同の利益を確保することを目的とし、当社株式等の20%以上を取得しようとする者が現れた際に、買収者に事前の情報提供を求める等、上記の目的を実現するために必要な手続きを定めております。
なお、対応方針の詳細については、2017年5月12日付「当社株式等の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)の更新について」をご参照ください。
(当社ホームページ:https://www.namura.co.jp/)
④ 上記取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由
(基本方針の実現に資する特別な取組みについて)
企業価値向上のための取組みやコーポレート・ガバナンスの強化といった各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに基本方針の実現に資するものです。
従って、これらの各施策は、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
(基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みについて)
・当該取組みが基本方針に沿うものであること
当該取組みは、当社株式等に対する買付等がなされた際に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提案するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保するための枠組みであり、基本方針に沿うものです。
・当該取組みが当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないこと
当社は、以下の理由により、当該取り組みは、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
ア.買収防衛策に関する指針の要件を充足していること
イ.株主意思を重視するものであること
ウ.独立委員会による判断の重視と情報開示
エ.合理的な客観的要件の設定
オ.第三者専門家の意見の取得
カ.デッドハンド型・スローハンド型の買収防衛策ではないこと
当企業集団の経営成績、株価および財務状況等に影響を及ぼす可能性があるリスクには以下のようなものがあります。しかし、以下の記載が事業等のリスクをすべて網羅するものではありません。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当企業集団(当社および連結子会社)が判断したものであります。
① 事業環境について
当企業集団製品の大部分が個々の顧客のニーズに対応した単品受注生産であり、経済情勢、景気動向等に左右されます。
新造船の受注量につきましては、世界経済に対応した貨物の荷動量、船舶の需給関係によるところが多く、なおも長期に亘って各種船舶の供給過剰が解消されない場合、機械事業につきましては、国内外メーカーとの価格競争が一層激化した場合、鉄構陸機事業につきましては、公共工事予算の削減などの動きを反映し、発注量、価格とも一層厳しくなった場合、また全事業につきまして発注者の信用状況等が悪化した場合は、今後の業績および財務状況に悪影響を及ぼすことがあります。
② 為替レート・資材価格の変動について
新造船事業につきましては米ドル建て契約が多く、契約締結から竣工引渡しまでおよそ2~3年ないしそれ以上の期間を要します。通例として契約金額は契約時以降分割して支払われるほか大半が引渡し時に入金されることから、引渡し時支払日および中間時支払日の為替レートによって業績が左右されます。為替リスクをミニマイズするために為替の取扱規程を定め運用しておりますが、円高により今後の業績および財務状況に悪影響を及ぼす場合があります。
また、原材料・資機材において、現行価格からの大幅価格上昇等が損益に悪影響を及ぼす場合があります。
③ 製品の保証について
完工品のアフターサービスに対する支出に備えるため、保証工事見込額を実績率に基づき引当金を計上しておりますが、実際の修理コストが大幅に上昇した場合は、今後の業績および財務状況に悪影響を及ぼすことがあります。
④ 人材の確保、育成について
1970年、80年代の造船不況時に転進援助制度を実施し、定期採用をしていなかった時期もあり、年齢構成において空洞化した年代があり、また今後も一定数の定年退職者が発生していきます。技術・技能を伝承するために、各部門において各種育成を実行しておりますが、採用環境などの状況により、人材の確保、また育成が十分できなかった場合は、今後の業績および財務状況に悪影響を及ぼすことがあります。
⑤ 自然災害等について
大規模な地震や風水害等の自然災害や火災その他の災害等が発生したときは、生産設備の破壊、物流機能の麻痺等の直接的な被害だけでなく、電力不足問題が解消されないことなどを含めて、それらによる操業不能に陥る事態や操業度低下を余儀なくされる事態に繋がり納期その他の契約内容の履行ができなくなった場合は、今後の業績および財務状況に悪影響を及ぼすことがあります。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
当連結会計年度における当企業集団(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当企業集団の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当企業集団(当社および連結子会社)が判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費や設備投資意欲が底堅く推移し、2012年12月から始まった景気回復の期間が今年1月に戦後最長を更新したと言われるなど緩やかな回復基調が続きました。しかしながら、米中通商問題の動向や中国景気の鈍化、欧州の政治・経済の不透明感、原油などの原材料高、金融市場の引き締めと長短金利の逆転など、世界景気の見通しは悪化しており、国内企業においても輸出や生産に落ち込みが見られ、内外の景気の先行きには不透明感が増しております。
日本造船工業会によりますと、世界の新造船竣工量は2011年の1億200万総トンをピークに減少傾向が続いており、2018年暦年は前年同期比で12.1%減の5,781万総トンとほぼ半減しております。新造船受注量は5,143万総トンと前年同期比で19.1%増加しましたが、依然として受注量が竣工量を下回る状況が続いております。日本の受注量は995万総トンと前年同期比で251.7%増加しましたが、韓国は2,336万総トンと前年同期比で26.2%増加し世界の受注量全体の約45%を占める結果となりました。手持工事量が少ない韓国が雇用維持のために採算を度外視したとも思える積極的な受注を進めたことが船腹需給改善に伴う船価改善の頭打ち要因となっております。このような厳しい生存競争に晒される中で、日本においては総合重工による一般商船の建造規模縮小、韓国や中国では巨大企業による政府主導の再編の動きが活発化しております。
当連結会計年度の業績は、新造船事業においては船価の低い新造船が売上対象となっていることや佐世保重工業株式会社の納期遅延により、修繕船事業においては大型の艦艇修繕工事が少ない年次であったこと、オリイメック株式会社が当社グループから外れ機械事業が縮小したことにより、売上高は124,589百万円(前年同期比7.6%減)となりました。損益面では、鋼材価格高騰による原価の大幅アップ対策として新造船事業の操業計画量を下方修正し新規受注を抑制したことや期末の米ドル為替レートが前連結会計年度末に比べ5円弱の円安となった効果により、工事損失引当金が前連結会計年度末比9,974百万円減少(当連結会計年度第3四半期末比では2,244百万円減少)した結果、営業損失は4,114百万円(前年同期は19,418百万円の営業損失)、経常損失は3,872百万円(前年同期は20,275百万円の経常損失)と改善、2018年10月1日に連結子会社でありましたオリイメック株式会社の発行済株式全株を譲渡し関係会社株式売却益5,492百万円を計上し、税金等調整前当期純利益は1,006百万円(前年同期は20,395百万円の純損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は621百万円(前年同期は20,554百万円の純損失)となり、当連結会計年度末の自己資本比率は42.6%(前年同期末は38.8%)となりました。
なお、当社は、保有する連結子会社である佐世保重工業株式会社の株式について14,660百万円の減損処理を行いましたが、連結決算上は消去されるため、連結業績に与える影響はありません。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
新造船事業
受注から完工まで1年を超える新造船事業では工事進行基準を採用しており、当連結会計年度売上高は95,537百万円(前年同期比2.5%減)、営業損失は4,273百万円(前年同期は20,294百万円の損失)となりました。当連結会計年度では、超大型油送船(VLCC)1隻、大型鉱石運搬船1隻、大型撒積運搬船2隻、中型油送船7隻、中型撒積運搬船1隻、ハンディ型撒積運搬船7隻、中型低温式LPG運搬船1隻の合計20隻が完工しております。
受注面におきましては、超大型油送船1隻と大型撒積運搬船2隻、中型撒積運搬船8隻、ハンディ型撒積運搬船4隻の合計15隻を受注した結果、当連結会計年度末の受注残高は210,485百万円(前年同期比15.7%減)となりました。
当連結会計年度に完工しました超大型油送船は自社開発による第1番船、また、中型低温式LPG運搬船は新規開発の低温式ガス運搬船の第1番船であります。今後、当社グループにおいて建造実績を積み重ね習熟度を高めることにより、新造船事業の商品ポートフォリオの幅を広げて受注環境の変化に柔軟に対応できる体制を構築してまいります。
佐世保重工業株式会社においては、過去の数度にわたる大幅な合理化により多くの経験豊かな人材が流出し、欧州船主の高仕様・高品質要求に対応出来なかったことや設備の老朽化により工程混乱・納期遅延が生じ、売上高の減少と収益の悪化を招く結果となりました。今後も同社の体制立て直しをグループの最優先課題として取り組み、収益構造の改善に努めてまいります。なお、函館どつく株式会社においてはコスト削減が順調に進み始めました。
当連結会計年度における売上計上の米ドル額は865百万米ドルであり、その平均レートは1米ドル当たり110円41銭であります。
修繕船事業
佐世保重工業株式会社および函館どつく株式会社が担う修繕船事業におきましては、艦艇工事を主力としつつ、立地特性を生かした官庁船、一般商船、特殊船、漁船の修繕工事に取り組んでおります。
当連結会計年度においては、艦艇の定期検査工事等の大型工事案件が減少したため、海上保安庁などの官庁船、客船、探査船などの特殊船の修繕工事にも積極的に営業活動を展開いたしましたが、艦艇修繕の操業量低下を補えず、売上高は12,530百万円(前年同期比20.9%減)、営業利益は551百万円(前年同期比43.4%減)となりました。
なお、当連結会計年度末受注残高は、3,813百万円(前年同期比14.9%減)であります。
機械事業
機械事業におきましては、佐世保重工業株式会社が船舶用機器の販売拡大に努めております。
当連結会計年度の売上高は、産業機械を主力商品としておりましたオリイメック株式会社が第3四半期連結会計期間より連結対象から除外されたことにより7,203百万円(前年同期比34.6%減)となり、営業利益は584百万円(前年同期比27.7%減)となりました。
なお、当連結会計年度末受注残高は、1,628百万円(前年同期比71.9%減)であります。
鉄構陸機事業
当連結会計年度におきましては、佐賀県ご発注の六角川大橋(2,741トン)などを予定通り完工し、売上高は4,665百万円(前年同期比8.0%減)と減少しましたが、営業利益は529百万円(前年同期比71.4%増)と大幅に改善いたしました。
なお、当連結会計年度末受注残高は、3,883百万円(前年同期比8.8%減)であります。
その他事業
当連結会計年度の売上高は4,654百万円(前年同期比5.9%減)、営業利益は676百万円(前年同期比1.4%減)となりました。
なお、当連結会計年度末受注残高は、762百万円(前年同期比42.6%増)であります。
生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記の金額は、工事完成基準で記載しております。
3 上記の機械事業の金額には、第2四半期連結累計期間までのオリイメック株式会社の生産高が含まれて
おります。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記の金額は、工事完成基準で記載しております。
3 上記の機械事業の受注高には、第2四半期連結累計期間までのオリイメック株式会社の受注高が含まれ
ておりますが、受注残高からは除外しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記の金額は、工事完成基準で記載しております。
3 上記の機械事業の金額には、第2四半期連結累計期間までのオリイメック株式会社の販売高が含まれて
おります。
流動資産
当連結会計年度末における流動資産は、前受金の減少に伴い現金及び預金が減少したこと等により、前連結会計年度末比16,930百万円減少し、120,958百万円となりました。
固定資産
当連結会計年度末における固定資産は、主に連結子会社でありましたオリイメック株式会社とその子会社が第3四半期連結会計年度期間より連結の範囲から除外されたこと等により、前連結会計年度末比3,698百万円減少し、53,859百万円となりました。
流動負債
当連結会計年度末における流動負債は、主に前受金および工事損失引当金が減少したこと等により、前連結会計年度末比17,610百万円減少し、77,704百万円となりました。
固定負債
当連結会計年度末における固定負債は、主に保有する投資有価証券の株価が下落したこと等に伴い繰延税金負債が減少したこと等により、前連結会計年度末比1,592百万円減少し、22,148百万円となりました。
純資産
当連結会計年度末における純資産は、主に保有する投資有価証券の株価が下落したこと等により、前連結会計年度末比1,426百万円減少し、74,965百万円となりました。
現金及び現金同等物につきましては、前連結会計年度末に比べ11,300百万円減少し、66,189百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、15,613百万円の資金の減少となりました。前年同期に比べ1,376百万円減少しており、これは主に工事損失引当金が減少したことなどによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、5,595百万円の資金の増加となりました。前年同期に比べ12,439百万円増加しており、これは主にオリイメック株式会社の発行済株式全株を譲渡したことにより、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入を計上したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,279百万円の資金の減少となりました。前年同期に比べ1,711百万円減少しており、これは主に長期借入れによる収入が減少したことなどによるものであります。
当社グループの主要な資金需要は、主に製品製造のための材料費、労務費、経費や当社グループの設備新設、改修等に係る投資であります。
事業の持続的成長や今後の事業戦略のために必要な資金需要につきましては、自己資金のほか、金融機関からの借入等による資金調達にて対応していくこととしております。
特に記載すべき事項はありません。
当連結会計年度の研究開発活動は、顧客ニーズに対応すべく新船型や新機種の開発、既存製品の品質向上、生産性向上などを中心に取り組み、研究開発費の総額は
研究開発活動をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
① 新造船事業
環境に配慮した省燃費船型の研究や既存製品の品質向上、船型開発を中心とした開発等を外部研究機関とも連携し取り組み成果をあげつつあります。研究開発費の総額は
② 機械事業
研究開発費の総額は
③ 修繕船事業および鉄構陸機事業ならびにその他事業
取扱商品の拡大をねらい新たな製品等の研究開発、既存製品の品質向上を目的とした開発等を行い成果をあげつつあります。研究開発費の総額は121百万円であります。