当第1四半期連結累計期間において、当企業集団の事業等のリスクに重要な変更及び新たに生じたリスクはありません。
将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当企業集団が判断したところによるものであります。
(1) 経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、設備投資や個人消費など内需は堅調に推移したものの、米中貿易摩擦の影響による輸出の停滞など外需が下振れし、景気の足取りが重くなりつつあります。
日本造船工業会によりますと、2019年1月から3月までの世界の新造船受注量は1,114万総トン(前年同期比32.5%減)、世界の新造船竣工量は1,858万総トン(前年同期比2.6%増)と受注量が竣工量を大幅に下回る状況が続き、各国造船所とも手持工事量の減少傾向が加速しております。海運市場においては、継続的な新造船需給調整に加えて、高騰する燃料価格対策として減速運航が常態化したことや環境規制強化対策のための改修工事ラッシュによる既存船の不稼動の増加が予想されることから既存船腹の需給が引き締まり、世界貿易の減速や中東・ホルムズ海峡問題などの不安材料を抱えながらも、海運市況の持続的な改善が期待されます。
当第1四半期連結累計期間の業績は、中核である新造船事業において佐世保重工業株式会社の納期調整とグループ挙げての建造協力により操業量が高い水準で推移した結果、売上高は30,047百万円(前年同期比6.4%増)となりました。損益面では、受注残全船を対象に高騰した鋼材価格や高操業対策としての外注費用増を前提とした想定原価が大幅に増加したことや当第1四半期末の米ドル為替レートが前連結会計年度末より3円弱の円高となったこともあり工事損失引当金が大幅に増加し、5,663百万円の営業損失(前年同期は957百万円の営業利益)となりました。この結果、経常損失は5,671百万円(前年同期は1,434百万円の経常利益)、投資有価証券評価損666百万円を計上後の税金等調整前四半期純損失は6,341百万円(前年同期は1,425百万円の純利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は6,298百万円(前年同期は1,247百万円の純利益)となりました。
成果が出始めたコスト合理化計画を着実に遂行し、世界的に供給過剰が顕著となっている鋼材の価格調整など資機材メーカーの協力も得て、受注残全船の予想原価の改善と工事損失引当金の圧縮に努めてまいります。また、新規受注船については、船価の改善に発注側の理解を得る努力をしてまいります。
なお、前連結会計年度第3四半期よりオリイメック株式会社は連結子会社から外れております。
主力の新造船事業は、売上の対象となる隻数・船型・船価は四半期毎に異なります。また、資機材価格や為替などの大きな変動要因があり、それに伴って採算も変動いたします。工事損失引当金につきましても、受注残全船を対象に四半期毎の洗い替えによる増減に加え、新規受注に伴う新たな計上もあり得ます。これらの事情もあり第1四半期業績と年度業績とは必ずしも連動いたしません。
なお、当第1四半期連結会計期間末の工事損失引当金は、前連結会計年度末の13,717百万円から14,005百万円に増加しております。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
なお、「機械事業」につきまして、オリイメック株式会社が連結子会社から外れたことにより事業内容の類似性及び関連性の観点からセグメント区分の見直しを行い、佐世保重工業株式会社における舶用機械事業を当第1四半期連結会計期間より従来の「鉄構陸機事業」と統合し、セグメントの名称を「鉄構・機械事業」に変更しております。これにより報告セグメントを従来の「新造船事業」、「修繕船事業」、「機械事業」、「鉄構陸機事業」および「その他事業」から、「新造船事業」、「修繕船事業」、「鉄構・機械事業」および「その他事業」の区分に変更しております。以下の前年同期比較につきましては、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
新造船事業
受注から完工まで1年を超える新造船事業では工事進行基準を採用しており、当第1四半期連結累計期間の売上高は25,071百万円(前年同期比13.5%増)、営業損失は5,322百万円(前年同期は868百万円の営業利益)となりました。
当第1四半期連結累計期間におきましては、超大型油送船1隻、大型鉱石運搬船1隻、中型油送船2隻、ハンディ型撒積運搬船2隻の合計6隻を完工しました。受注につきましては、長期低迷が続いた新造船市場の「潮目」の変化を見極めるために受注活動を抑制したこともあり、新規の契約船は無く、受注残高は175,800百万円(前年同期比16.5%減)となりました。
今後は市場の動向を注視して柔軟に操業度を調整しながら、顧客の多様なニーズに応えることができる3社連合の強みを活かしたきめ細かい営業活動と生産力、技術開発力、品質の向上を図り、コスト競争力のある商品開発を推進するほか、次世代を見据えたLNG燃料船をはじめとする燃費性能の優れた付加価値の高い商品を拡充するなど、将来に向けた成長戦略に積極的に取り組むとともに、受注船価の改善に努めてまいります。
佐世保重工業株式会社において工程混乱の要因となった欧州船主向け中型油送船の建造は終了し、今後は同社が得意とする中型撒積運搬船の建造が主体となりますが、この貴重な経験を活かし中型油送船を同社の主力商品の一つとして継続的に成長させるため、柔軟な受注活動を展開してまいります。
函館どつく株式会社においては、得意船型であるハンディバルクの商品完成度を高め、コスト改善のスピードを加速させてまいります。
なお、当第1四半期連結累計期間における売上計上の米ドル額は230百万米ドルで、その平均レートは1米ドル当たり108円62銭であります。
修繕船事業
佐世保重工業株式会社および函館どつく株式会社が担う修繕船事業におきましては、艦艇工事を主力としつつ、立地特性を生かした官庁船、一般商船、特殊船、漁船の修繕工事に積極的に取り組んでおります。当第1四半期連結累計期間においては、小型の国内艦艇の定期検査工事等で売上高は2,350百万円(前年同期比42.2%増)、低採算の一般商船修繕工事の引当金計上等で営業損失は15百万円(前年同期は147百万円の営業利益)となりましたが、通期においては適正工事の確保は可能と判断をしております。
なお、当第1四半期連結会計期間末の受注残高は3,199百万円(前年同期比16.1%減)であります。
鉄構・機械事業
当第1四半期連結累計期間の売上高は1,162百万円(前年同期比65.4%減)、営業利益は68百万円(前年同期比79.2%減)となりましたが、オリイメック株式会社を除いた前年同期と比較しますと、佐世保重工業株式会社が担う舶用機器分野において、厳しい業界環境にも関わらず積極的な事業活動を展開した結果、売上高は51.9%増となり、営業利益も改善しています。
なお、当第1四半期連結会計期間末の受注残高は5,527百万円(前年同期比0.3%増)であります。
その他事業
当第1四半期連結累計期間の売上高は、1,464百万円(前年同期比27.6%増)、営業利益は163百万円(前年同期比19.0%増)となりました。
なお、当第1四半期連結会計期間末の受注残高は706百万円(前年同期比7.4%減)であります。
(2) 財政状態の状況
流動資産
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は、主に受取手形及び売掛金が減少したことにより、前連結会計年度末比7,669百万円減少し、113,289百万円となりました。
固定資産
当第1四半期連結会計期間末における固定資産は、有形固定資産の償却による減少のほか、投資有価証券の時価の下落の影響等により、前連結会計年度末比916百万円減少し、52,943百万円となりました。
流動負債
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は、前受金および短期借入金が減少したこと等により、前連結会計年度末比2,020百万円減少し、75,684百万円となりました。
固定負債
当第1四半期連結会計期間末における固定負債は、主に長期借入金が減少したことにより、前連結会計年度末比309百万円減少し、21,839百万円となりました。
純資産
当第1四半期連結会計期間末における純資産は、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上等に伴い、利益剰余金が減少したこと等により、前連結会計年度末比6,256百万円減少し、68,709百万円となりました。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当企業集団の経営方針・経営戦略等に重要な変更及び新たに定めたものはありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当企業集団の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
① 会社の財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの財務および事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えています。
この観点から当社の企業価値・株主共同の利益に資さない当社株式等の大量取得を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量取得に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
② 会社財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
(企業価値の源泉)
当社は、1911年(明治44年)の創業以来今日まで、「存在感」を経営理念として、船舶の製造を基軸とした事業活動を営んでおり、顧客のニーズに応えた高品質の船舶を長年に亘り安定的に製造・供給することを基軸とする経営を続けることにより顧客の信頼を獲得し、全社一丸となって企業価値の向上に努めてまいりました。
当社の企業価値の源泉は、具体的には以下の点にあると考えております。
第一に、わが国の主要海運会社をはじめとする国内外の顧客との長期的視野に立った緊密な相互信頼関係にあります。
第二に、高品質の製品を安定的に供給するためには、わが国の大手製鉄会社をはじめとする舶用資機材供給者との信頼関係に基づく中・長期的かつ安定的な取引関係が重要です。
第三に、顧客ニーズを的確に捉えた高品質な製品を開発・受注・製造するための、開発力・技術力および生産管理ノウハウです。
第四に、地域社会との良好な相互関係が重要です。
以上のように、当社は、顧客、舶用資機材供給者などの取引先、従業員も含めたステークホルダーを対象として包含する「顧客信頼度」というキーワードを掲げて経営を続けております。
(企業価値向上のための取組み)
新たに2017年度から2019年度までの3ヶ年間の中期経営計画「攻めて勝つ!」を策定し、国内外の同業他社との厳しい競争に打ち勝つために将来に向けた成長戦略に積極的に取り組む方針を掲げました。新造船事業における厳しい市場環境を競合他社との差別化の好機と捉え、グループ全体として戦略的かつ積極的な受注を展開し、コスト競争力と生産性、技術開発力、品質の向上を図り、顧客満足度のさらなる改善に努めてまいります。また修繕船事業、鉄構・機械事業、その他事業につきましても、急速かつ多様な環境変化への対応力や技術力を強化することで事業基盤を強化し、各事業における強みを活かし弱みを克服し、収益構造の安定化に努めてまいります。
(コーポレート・ガバナンスの強化)
当社は法令遵守が企業の基本的かつ最低限の社会的責務であるとの考え方に立っており、適法・適正かつ透明性の高い経営を保つことにより株主、取引先および社会の信頼を得ることが企業の発展と企業価値の向上に繋がるものと確信しております。
このような考えの下、当社では豊かな社会創りに貢献するとともに、コンプライアンスの推進・実行を図るため、すべての役員・従業員が遵守すべき企業行動の基本原則および行動指針として「株式会社名村造船所 行動憲章および行動指針」を定め、さらなる企業倫理の確立と社会責任の遂行に努めております。
また、コンプライアンスとそのリスク管理、財務報告の適正性等の促進に関しては、内部統制・コンプライアンス委員会と内部監査室を中心に、内部統制システムの評価およびその維持・改善を行っております。
当社の経営上の意思決定、業務執行および監督に係わる経営管理組織体制等の状況は次のとおりであります。
取締役会は、原則として毎月1回、監査役出席の下、重要な業務執行について、適法性、妥当性、効率性、戦略性、社会性および適正性等について十分に審議を尽くした後に決するとともに、取締役の職務執行を監督しております。なお、独立性の高い社外取締役を2名選任し、当社経営の意思決定の妥当性および当社経営に対する監督の有効性を確保しております。さらに、取締役会は実効性についての評価・分析を毎年実施することとし、評価・分析の結果を今後の改善につなげます。
また、執行役員制度を採用して、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能を分離・強化することで迅速な意思決定と事業遂行を実現し、企業価値の最大化を目指しております。
さらに執行役員会を原則として月1回執り行い、経営に関する重要業務の執行に関する審議を尽くしております。
企業グループの経営状況の監督については、担当の取締役または執行役員が往査するほか、各社の経営状況を3ヶ月に1回執行役員会の場で担当の取締役または執行役員より、また、6ヶ月に1回開催される部長・関係会社報告会の場でグループ各社の代表者より報告せしめ、実態の把握と的確な経営管理および業務執行を監督・指導しております。
監査役の業務監査および会計監査については、常勤監査役が執行役員会、部長会等の重要な会議に出席して必要に応じて意見を述べ、稟議書などの決裁手続についても審議段階から意見を述べることができることとし、監査機能の強化を図っております。なお、会計監査人から監査結果の報告を受けるほか、定期的・臨時的な情報・意思の交換を行うなど、監査役・会計監査人間で緊密な連携をとっております。また、監査役2名が非常勤の社外監査役であり、社外監査役と当社の間に取引関係その他利害関係はありません。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
当社は、上記①の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定を支配されることを防止するための取組みとして、当社株式等の大量取得が行われる場合に、株主の皆様が適切な判断をするために必要・十分な情報と時間を確保するとともに、買収者との交渉の機会を確保すること等を通じて、当社の企業価値・株主共同の利益に反する買収を抑止し、当社の企業価値を向上させ、株主共同の利益を確保することを目的とし、当社株式等の20%以上を取得しようとする者が現れた際に、買収者に事前の情報提供を求める等、上記の目的を実現するために必要な手続きを定めております。
なお、対応方針の詳細については、2017年5月12日付「当社株式等の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)の更新について」をご参照ください。
(当社ホームページ:https://www.namura.co.jp/)
④ 上記取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由
(基本方針の実現に資する特別な取組みについて)
企業価値向上のための取組みやコーポレート・ガバナンスの強化といった各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに基本方針の実現に資するものです。
従って、これらの各施策は、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
(基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みについて)
・当該取組みが基本方針に沿うものであること
当該取組みは、当社株式等に対する買付等がなされた際に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提案するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保するための枠組みであり、基本方針に沿うものです。
・当該取組みが当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないこと
当社は、以下の理由により、当該取り組みは、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
ア.買収防衛策に関する指針の要件を充足していること
イ.株主意思を重視するものであること
ウ.独立委員会による判断の重視と情報開示
エ.合理的な客観的要件の設定
オ.第三者専門家の意見の取得
カ.デッドハンド型・スローハンド型の買収防衛策ではないこと
(5) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発活動は、顧客ニーズに対応すべく新船型や新機種の開発、既存製品の品質向上、生産性向上などを中心に取り組み、研究開発費の総額は113百万円となりました。
研究開発活動をセグメント別に示すと、主なものは次のとおりであります。
新造船事業
環境に配慮した省燃費船型の研究や既存製品の品質向上、船型開発を中心とした開発等を外部研究機関とも連携し取り組み成果をあげつつあります。研究開発費の総額は81百万円であります。
修繕船事業
修繕技術の向上や取扱商品の拡大をねらい新たな製品等の研究開発等を行い成果をあげつつあります。研究開発費の総額は31百万円であります。
鉄構・機械事業及びその他事業
取扱商品の拡大を狙い新たな製品等の研究開発、既存製品の品質向上を目的とした開発等を行い成果をあげつつあります。研究開発費の総額は1百万円であります。
当第1四半期連結会計期間において、特に記載すべき事項はありません。