第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、当企業集団の事業等のリスクに重要な変更及び新たに生じたリスクはありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当企業集団が判断したところによるものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題などによる海外経済の減速などの影響を受け、製造業を中心に景況感が悪化しています。

当社グループの中核事業である新造船事業を取り巻く環境は、日本造船工業会の発表では2019年1月から9月までの世界新造船受注量は2,845万総トン(前年同期比31.1%減)、世界新造船竣工量は5,180万総トン(前年同期比11.6%増)と、新造船受注量が竣工量を大幅に下回る流れが2016年から続いております。本年1月から全海域においてSOx規制が適用され、様子見していた船主の新造船発注活動が回復するものと期待されていましたが、状況を見極めたいとする動きも強く、新造船マーケットは停滞した状態が続いております。船価は徐々に改善されてはおりますが、ここ数年続く鋼材価格の値上げや新規ルールの適用により上昇した建造コストをカバーしきれておりません。このように新造船需給の不均衡が続く中、将来的な環境規制強化を見据えた造船所間の技術開発競争が激化するとともに、韓国では最大手造船所の経営統合計画が進められ、中国でも国営造船所の集約による巨大造船所グループが発足しており、国内においては今治造船株式会社とジャパン マリンユナイテッド株式会社が資本提携および業務提携で基本合意するなど、世界的に業界再編と供給力調整の動きが活発化しております。

当第3四半期連結累計期間の売上高は、中核である新造船事業では若干の増収となりましたものの、修繕船事業において国内艦艇の大型定期検査工事の端境期であったことや前第2四半期連結累計期間まで鉄構・機械事業の主要子会社でありましたオリイメック株式会社の業績が当連結会計年度には連結対象外となったこと等により83,966百万円(前年同期比5.1%減)となりました。損益面では、中核事業である新造船事業においてグループを挙げて取り組んでおりますコスト合理化計画の進捗の遅れと主要子会社であります佐世保重工業株式会社において納期遵守を優先させるために投入した協力会社の人員過剰による原価増や当第3四半期連結会計期間末の米ドル為替レートが前年同期末と比較して円高になったことなどによる工事損失引当金の実質的な繰入額の増加などの影響により、営業損失は13,140百万円(前年同期は3,489百万円の営業損失)、経常損失は13,342百万円(前年同期は3,089百万円の経常損失)、税金等調整前四半期純損失は13,729百万円(前年同期は2,427百万円の純利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は13,811百万円(前年同期は1,844百万円の純利益)となりました。

新造船事業においてはグループ3社の一体運営による受注・製造・設計・品質保証・資材調達と組織・人員の最適化を加速させ、生産計画を見直すことでコスト合理化と収益の改善を必達すべく、現在不退転の覚悟で取り組んでおります。

また、修繕船や鉄構・機械などの非新造船事業においてもグループメリットの最大化を図ることにより事業基盤の拡大と収益の改善に取り組んでまいります。

主力の新造船事業は、売上の対象となる隻数・船型・船価は四半期毎に異なります。また、資機材価格や為替などの大きな変動要因があり、それに伴って採算も変動いたします。工事損失引当金額につきましても、受注残全船を対象に四半期毎の洗い替えによる増減に加え、新規受注に伴う新たな計上もあり得ます。これらの事情もあって第3四半期業績と年度業績とは必ずしも連動いたしません。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

なお、「機械事業」につきまして、オリイメック株式会社が連結子会社から外れたことにより事業内容の類似性および関連性の観点からセグメント区分の見直しを行い、佐世保重工業株式会社における舶用機械事業を第1四半期連結会計期間より従来の「鉄構陸機事業」と統合し、セグメントの名称を「鉄構・機械事業」に変更しております。これにより報告セグメントを従来の「新造船事業」、「修繕船事業」、「機械事業」、「鉄構陸機事業」および「その他事業」から、「新造船事業」、「修繕船事業」、「鉄構・機械事業」および「その他事業」の区分に変更しております。以下の前年同期比較につきましては、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。

 

新造船事業

受注から完工まで1年を超える新造船事業では工事進行基準を採用しております。

当第3四半期連結累計期間の売上高は超大型油送船(VLCC)や大型鉱石運搬船(VLOC)等を予定どおり完工し、70,398百万円(前年同期比2.8%増)となりました。損益面では、当社伊万里事業所において大量の手直し工事が発生したことや佐世保重工業株式会社において構内協力会社を含めた人員の適正化と生産体制の抜本的な見直しに時間を要したことによりコスト合理化計画の進捗が遅れたことに加え、必要操業量の確保と将来を見据えて戦略的に受注活動を行ったことや円高がもたらす工事損失引当金への影響等により、12,480百万円の営業損失(前年同期は3,316百万円の営業損失)となりました。なお、函館どつく株式会社における新造船のコスト削減は着実に進んでおります。

当第3四半期連結累計期間におきましては、超大型油送船(VLCC)2隻、大型鉱石運搬船(VLOC)3隻、大型撒積運搬船1隻、中型油送船4隻、中型撒積運搬船3隻、ハンディ型撒積運搬船4隻の合計17隻を完工し、超大型油送船(VLCC)1隻、大型撒積運搬船1隻、中型撒積運搬船5隻、ハンディ型撒積運搬船1隻、小型内航船1隻の合計9隻を受注した結果、受注残高は153,494百万円(前年同期比 28.4%減)となりました。

研究開発部門では、環境規制が国際的に強化される中、次世代を見据えた環境負荷の低い船舶の開発に取り組み、昨年12月にはLNGを燃料とする世界初の大型石炭専用船の受注が内定いたしました。本船は燃料にLNGを使用することにより、CO₂、SOxおよびNOxの排出量を大幅に削減しております。

なお、当第3四半期連結累計期間における売上計上の米ドル額は648百万米ドルで、その平均レートは1米ドル当たり108円62銭であります。

 

修繕船事業

佐世保重工業株式会社および函館どつく株式会社が担う修繕船事業におきましては、艦艇工事を主力としつつ、立地特性を生かした官庁船、一般商船、特殊船、漁船の修繕工事に積極的に取り組んでおります。当第3四半期連結累計期間の売上高は、国内艦艇の定期検査工事等の期中完工が減少した影響により5,958百万円(前年同期比30.2%減)となり、損益面につきましては売上高減少の影響などにより148百万円の営業損失(前年同期は224百万円の営業利益)となりました。

なお、当第3四半期連結会計期間末の受注残高は5,655百万円(前年同期比69.0%増)と好調であります。

 

鉄構・機械事業

当第3四半期連結累計期間の売上高は、主要子会社でありましたオリイメック株式会社の業績が当連結会計年度には連結対象外となったことにより減少し、3,756百万円(前年同期比53.0%減)、営業利益は304百万円(前年同期比53.7%減)となりましたが、佐世保重工業株式会社が担う舶用機器分野をはじめとして業績は安定的に推移しており、オリイメック株式会社の影響を除きますと、売上高は35.9%増、営業利益は230.6%増と大幅に改善しております。

なお、当第3四半期連結会計期間末の受注残高は6,844百万円(前年同期比15.4%減)であります。

 

その他事業

当第3四半期連結累計期間の売上高は3,854百万円(前年同期比10.3%増)、営業利益は761百万円(前年同期比47.1%増)となりました。

なお、当第3四半期連結会計期間末の受注残高は727百万円(前年同期比24.8%減)であります。

 

(2) 財政状態の状況

流動資産

当第3四半期連結会計期間末における流動資産は、現金及び預金が減少したこと、新造船事業において前期末までに計上済みの売掛金が工事完成に伴って減少したこと等により、前連結会計年度末比26,431百万円減少し、94,527百万円となりました。

 

固定資産

当第3四半期連結会計期間末における固定資産は、有形固定資産の償却による減少等により、前連結会計年度末比13百万円減少し、53,846百万円となりました。

 

流動負債

当第3四半期連結会計期間末における流動負債は、主に前受金および工事損失引当金が減少したこと等により、前連結会計年度末比12,519百万円減少し、65,185百万円となりました。

 

固定負債

当第3四半期連結会計期間末における固定負債は、主に長期借入金が減少したこと等により、前連結会計年度末比134百万円減少し、22,014百万円となりました。

 

純資産

当第3四半期連結会計期間末における純資産は、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上等に伴い、利益剰余金が減少したこと等により、前連結会計年度末比13,791百万円減少し、61,174百万円となりました。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当企業集団の経営方針・経営戦略等に重要な変更及び新たに定めたものはありません。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当企業集団の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

 

① 会社の財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針の内容の概要

当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの財務および事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えています。

この観点から当社の企業価値・株主共同の利益に資さない当社株式等の大量取得を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量取得に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。

 

② 会社財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組みの概要

 (企業価値の源泉)

当社は、1911年(明治44年)の創業以来今日まで、「存在感」を経営理念として、船舶の製造を基軸とした事業活動を営んでおり、顧客のニーズに応えた高品質の船舶を長年に亘り安定的に製造・供給することを基軸とする経営を続けることにより顧客の信頼を獲得し、全社一丸となって企業価値の向上に努めてまいりました。

当社の企業価値の源泉は、具体的には以下の点にあると考えております。

第一に、わが国の主要海運会社をはじめとする国内外の顧客との長期的視野に立った緊密な相互信頼関係にあります。

 

第二に、高品質の製品を安定的に供給するためには、わが国の大手製鉄会社をはじめとする舶用資機材供給者との信頼関係に基づく中・長期的かつ安定的な取引関係が重要です。

第三に、顧客ニーズを的確に捉えた高品質な製品を開発・受注・製造するための、開発力・技術力および生産管理ノウハウです。

第四に、地域社会との良好な相互関係が重要です。

以上のように、当社は、顧客、舶用資機材供給者などの取引先、従業員も含めたステークホルダーを対象として包含する「顧客信頼度」というキーワードを掲げて経営を続けております。

 (企業価値向上のための取組み)

新たに2017年度から2019年度までの3ヶ年間の中期経営計画「攻めて勝つ!」を策定し、国内外の同業他社との厳しい競争に打ち勝つために将来に向けた成長戦略に積極的に取り組む方針を掲げました。新造船事業における厳しい市場環境を競合他社との差別化の好機と捉え、グループ全体として戦略的かつ積極的な受注を展開し、コスト競争力と生産性、技術開発力、品質の向上を図り、顧客満足度のさらなる改善に努めてまいります。また修繕船事業、鉄構・機械事業、その他事業につきましても、急速かつ多様な環境変化への対応力や技術力を強化することで事業基盤を強化し、各事業における強みを活かし弱みを克服し、収益構造の安定化に努めてまいります。

 (コーポレート・ガバナンスの強化)

当社は法令遵守が企業の基本的かつ最低限の社会的責務であるとの考え方に立っており、適法・適正かつ透明性の高い経営を保つことにより株主、取引先および社会の信頼を得ることが企業の発展と企業価値の向上に繋がるものと確信しております。

このような考えの下、当社では豊かな社会創りに貢献するとともに、コンプライアンスの推進・実行を図るため、すべての役員・従業員が遵守すべき企業行動の基本原則および行動指針として「株式会社名村造船所 行動憲章および行動指針」を定め、さらなる企業倫理の確立と社会責任の遂行に努めております。

また、コンプライアンスとそのリスク管理、財務報告の適正性等の促進に関しては、内部統制・コンプライアンス委員会と内部監査室を中心に、内部統制システムの評価およびその維持・改善を行っております。

当社の経営上の意思決定、業務執行および監督に係わる経営管理組織体制等の状況は次のとおりであります。

取締役会は、原則として毎月1回、監査役出席の下、重要な業務執行について、適法性、妥当性、効率性、戦略性、社会性および適正性等について十分に審議を尽くした後に決するとともに、取締役の職務執行を監督しております。なお、独立性の高い社外取締役を2名選任し、当社経営の意思決定の妥当性および当社経営に対する監督の有効性を確保しております。さらに、取締役会は実効性についての評価・分析を毎年実施することとし、評価・分析の結果を今後の改善につなげます。

また、執行役員制度を採用して、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能を分離・強化することで迅速な意思決定と事業遂行を実現し、企業価値の最大化を目指しております。

さらに執行役員会を原則として月1回執り行い、経営に関する重要業務の執行に関する審議を尽くしております。

企業グループの経営状況の監督については、担当の取締役または執行役員が往査するほか、各社の経営状況を3ヶ月に1回執行役員会の場で担当の取締役または執行役員より、また、6ヶ月に1回開催される部長・関係会社報告会の場でグループ各社の代表者より報告せしめ、実態の把握と的確な経営管理および業務執行を監督・指導しております。

監査役の業務監査および会計監査については、常勤監査役が執行役員会、部長会等の重要な会議に出席して必要に応じて意見を述べ、稟議書などの決裁手続についても審議段階から意見を述べることができることとし、監査機能の強化を図っております。なお、会計監査人から監査結果の報告を受けるほか、定期的・臨時的な情報・意思の交換を行うなど、監査役・会計監査人間で緊密な連携をとっております。また、監査役2名が非常勤の社外監査役であり、社外監査役と当社の間に取引関係その他利害関係はありません。

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要

当社は、上記①の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定を支配されることを防止するための取組みとして、当社株式等の大量取得が行われる場合に、株主の皆様が適切な判断をするために必要・十分な情報と時間を確保するとともに、買収者との交渉の機会を確保すること等を通じて、当社の企業価値・株主共同の利益に反する買収を抑止し、当社の企業価値を向上させ、株主共同の利益を確保することを目的とし、当社株式等の20%以上を取得しようとする者が現れた際に、買収者に事前の情報提供を求める等、上記の目的を実現するために必要な手続きを定めております。

なお、対応方針の詳細については、2017年5月12日付「当社株式等の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)の更新について」をご参照ください。

(当社ホームページ:https://www.namura.co.jp/)

 

④ 上記取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由

 (基本方針の実現に資する特別な取組みについて)

企業価値向上のための取組みやコーポレート・ガバナンスの強化といった各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに基本方針の実現に資するものです。

従って、これらの各施策は、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

 (基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みについて)

・当該取組みが基本方針に沿うものであること

当該取組みは、当社株式等に対する買付等がなされた際に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提案するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保するための枠組みであり、基本方針に沿うものです。

・当該取組みが当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないこと

当社は、以下の理由により、当該取り組みは、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

ア.買収防衛策に関する指針の要件を充足していること

イ.株主意思を重視するものであること

  ウ.独立委員会による判断の重視と情報開示

  エ.合理的な客観的要件の設定 

  オ.第三者専門家の意見の取得

  カ.デッドハンド型・スローハンド型の買収防衛策ではないこと

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発活動は、顧客ニーズに対応すべく新船型や新機種の開発、既存製品の品質向上、生産性向上などを中心に取り組み、研究開発費の総額は429百万円となりました。

研究開発活動をセグメント別に示すと、主なものは次のとおりであります。

 

 新造船事業

環境に配慮した省燃費船型の研究や既存製品の品質向上、船型開発を中心とした開発等を外部研究機関とも連携し取り組み成果をあげつつあります。研究開発費の総額は304百万円であります。

 

 修繕船事業

修繕技術の向上や取扱商品の拡大をねらい新たな製品等の研究開発等を行い成果をあげつつあります。研究開発費の総額は95百万円であります。

 

 鉄構・機械事業及びその他事業

取扱商品の拡大を狙い新たな製品等の研究開発、既存製品の品質向上を目的とした開発等を行い成果をあげつつあります。研究開発費の総額は30百万円であります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、特に記載すべき事項はありません。