第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

第121期

第122期

第123期

第124期

第125期

決算年月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

売上高

(百万円)

111,887

98,403

83,423

124,080

135,006

経常利益又は経常損失(△)

(百万円)

16,284

10,607

8,244

11,369

20,007

親会社株主に帰属する当期純利益又は
親会社株主に帰属する当期純損失(△)

(百万円)

18,030

18,778

8,419

11,194

19,954

包括利益

(百万円)

18,240

15,493

4,264

12,726

30,577

純資産額

(百万円)

56,048

40,358

37,173

49,964

79,899

総資産額

(百万円)

138,122

111,562

123,721

124,901

174,791

1株当たり純資産額

(円)

804.74

580.15

534.32

717.83

1,145.39

1株当たり当期
純利益又は
当期純損失(△)

(円)

261.05

271.84

121.88

161.85

287.86

潜在株式調整後
1株当たり
当期純利益

(円)

160.43

285.52

自己資本比率

(%)

40.2

35.9

29.8

39.8

45.4

自己資本利益率

(%)

25.9

30.9

株価収益率

(倍)

2.2

6.9

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

11,639

26,636

15,096

8,999

27,405

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

6,983

4,065

715

1,262

1,919

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

3,297

124

2,500

3,384

571

現金及び現金同等物
の期末残高

(百万円)

44,256

13,507

25,276

29,456

55,386

従業員数

(名)

2,676

2,642

2,294

2,213

2,232

 

(注) 1 従業員数は、就業人員数を表示しております。

2 第121期、第122期および第123期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。

3 第121期、第122期および第123期の自己資本利益率については、親会社株主に帰属する当期純損失であるため、記載しておりません。

4 第121期、第122期および第123期の株価収益率については、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。

5 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第123期の期首から適用しており、第123期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第121期

第122期

第123期

第124期

第125期

決算年月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

売上高

(百万円)

96,092

78,863

68,838

85,507

104,852

経常利益又は経常損失(△)

(百万円)

8,618

5,416

6,361

8,512

15,870

当期純利益又は当期純損失(△)

(百万円)

17,798

17,557

7,310

8,423

15,048

資本金

(百万円)

8,135

8,135

8,135

8,168

8,189

発行済株式総数

(千株)

69,100

69,100

69,100

69,253

69,345

純資産額

(百万円)

52,162

36,535

32,275

41,807

64,255

総資産額

(百万円)

101,244

85,904

88,365

101,331

144,166

1株当たり純資産額

(円)

751.05

524.68

462.84

600.04

922.89

1株当たり配当額
(内1株当たり中間配当額)

(円)

8.00

5.00

20.00

(5.00)

(-)

(-)

(-)

(5.00)

1株当たり当期純利益又は当期純損失(△)

(円)

257.64

254.11

105.80

121.70

217.09

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

120.64

215.32

自己資本比率

(%)

51.2

42.2

36.2

41.0

44.4

自己資本利益率

(%)

22.9

28.5

株価収益率

(倍)

2.9

9.2

配当性向

(%)

9.2

従業員数

(名)

1,041

1,037

1,055

1,028

1,055

株主総利回り

(%)

58.7

63.7

93.1

100.0

560.9

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

90.5

128.6

131.2

138.8

196.2

最高株価

(円)

404

263

355

760

2,361

最低株価

(円)

173

145

164

308

326

 

(注) 1 従業員数は、就業人員数を表示しております。

2 第121期、第122期および第123期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため、記載しておりません。

3 第121期、第122期および第123期の自己資本利益率については、当期純損失であるため、記載しておりません。

4 第121期、第122期および第123期の株価収益率および配当性向については、1株当たり当期純損失であるため、第124期の配当性向についてはその他資本剰余金を配当原資としているため記載しておりません。

5 最高・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。

6 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第123期の期首から適用しており、第123期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

 

2 【沿革】

当社グループの沿革については、以下のとおりです。

 

1911年2月

名村源之助個人により大阪市大正区において名村造船鉄工所の名称のもとに創業

1931年4月

大阪市住之江区において旧村尾造船所の施設一切を買収し、株式会社に改組、株式会社名村造船所として新発足

1942年5月

東京事務所開設

1949年6月

大阪証券取引所に株式上場(資本金8百万円)

1949年9月

増資を実施(資本金20百万円)

1951年11月

増資を実施(資本金60百万円)

1956年3月

増資を実施(資本金180百万円)

1960年10月

増資を実施(資本金360百万円)

1961年9月

鉄構工場新設 陸上部門に進出

1963年10月

増資を実施(資本金720百万円)

1966年10月

増資を実施(資本金1,008百万円)

1972年4月

増資を実施(資本金1,550百万円)

1972年10月

伊万里工場建設起工

1972年12月

名和産業株式会社を設立(現 連結子会社)

1974年11月

伊万里工場竣工

1979年10月

大阪工場の設備売却

1981年8月

資本金、35%減資で1,008百万円

1981年10月

資本金、1,500百万円に増資

1982年7月

本社を大阪市住之江区から西区に移転

1983年1月

伊万里事業所(伊万里工場 改称)に海洋陸機工場新設

1983年7月

玄海テック株式会社を設立(現 連結子会社)

1983年7月

名村情報システム株式会社を設立(現 連結子会社)

1986年1月

福岡事務所開設(福岡営業所 改称)

1986年9月

名村エンジニアリング株式会社を設立(現 連結子会社)

1988年1月

モーニング ダイダラス ナビゲーション社を買収(現 連結子会社)

1990年4月

名古屋営業所開設

1990年10月

事業部制実施

1992年1月

メックマシナリー株式会社を買収

1992年3月

鉄構工場(海洋陸機工場 改称)増設

1992年8月

第一回・物上担保付転換社債70億円発行

1993年3月

転換社債3,756百万円が転換、資本金が1,500百万円から3,380百万円へ、

 

資本準備金が1,875百万円増加

1993年12月

転換社債2,173百万円が追加転換、資本金が4,468百万円へ、資本準備金が1,085百万円増加

1994年2月

第二回・無担保転換社債70億円発行

1994年9月

ISO9001及びJIS9901審査登録完了

1995年3月

転換社債51百万円が追加転換、資本金が4,494百万円へ、資本準備金が26百万円増加

1997年2月

福岡営業所開設

1997年8月

株式会社オリイ株式を公開買付により31.6%取得

1998年4月

佐賀営業所開設

1998年9月

名村マリン株式会社を設立(現 連結子会社)

2000年7月

環境ISO14001審査登録完了

2000年12月

株式会社オリイとメックマシナリー株式会社は合併し、オリイメック株式会社が発足

2001年3月

函館どつく株式会社に資本参加

2003年11月

オリイメック株式会社株式を公開買付により、議決権比率87.1%取得

2004年4月

オリイメック株式会社を株式交換により、完全子会社化

2004年6月

第三者割当増資(約38億円)を実施、資本金が6,384百万円に、資本準備金が1,890百万円増加

2006年2月

伊万里事業所の船舶建造設備を増強(第一次大型設備投資)

2006年12月

第三者割当増資(約34億円)を実施、資本金が8,083百万円に、資本準備金が1,700百万円増加

2007年7月

伊万里事業所の船舶建造設備を増強(第二次大型設備投資)

 

2008年3月

函館どつく株式会社の第三者割当増資の全額引受けにより、議決権比率88.7%取得(追加取得により現在議決権比率92.3%)

2013年7月

東京証券取引所及び大阪証券取引所の現物市場の統合に伴い、東京証券取引所市場第一部に上場

2014年10月

佐世保重工業株式会社を株式交換により、完全子会社化

2017年11月

エヌウェーブ ベトナム社を設立(現 連結子会社)

2018年10月

オリイメック株式会社を株式会社アマダホールディングスに全株譲渡

2018年10月

大阪営業所開設

2019年6月

函館どつく株式会社の第三者割当増資の全額引受けにより、優先株式6万株を取得

2022年1月

佐世保重工業株式会社の新造船事業を休止し、艦艇修繕と機械の両事業を柱とする事業構造改革を実施

2022年3月

持分法適用会社であった株式会社伊万里鉄鋼センター(現 連結子会社)の持分を追加取得し、完全子会社化

2022年3月

佐世保重工業株式会社(現 連結子会社)に対する債権の株式化(デット・エクイティ・スワップ)を実施

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所市場第一部からスタンダード市場に移行

2022年7月

函館どつく株式会社(現 連結子会社)に対する債権の株式化(デット・エクイティ・スワップ)による第三者割当増資の全額引受けにより、優先株式6万株を取得

 

 

 

3 【事業の内容】

当企業集団は、株式会社名村造船所(当社)、子会社14社および関連会社4社より構成されており、船舶、機械および鉄鋼構造物の製造販売ならびに船舶の修繕を主な事業内容としているほか、これらに付帯する業務等を営んでおります。

当企業集団の事業に係る位置づけおよびセグメントとの関連は次のとおりであります。

なお、次表の区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (セグメント情報等)」に掲げるセグメント区分と同一であります。

 

(新造船事業)

当社および函館どつく㈱(連結子会社)が、各種船舶の製造販売を行っております。
製造につきましては、鋼材ショット加工を㈱伊万里鉄鋼センター(連結子会社)に委託しております。
船舶資材の一部につきましては、名和産業㈱(連結子会社)を通じて仕入を行っております。
船型の技術開発の一部につきましては、名村エンジニアリング㈱(連結子会社)が行っております。

船舶の設計の一部につきましては、エヌウェーブ ベトナム社(連結子会社)が行っております。

 

(修繕船事業)

佐世保重工業㈱(連結子会社)および函館どつく㈱(連結子会社)は、船舶の修繕を行っております。

名村マリン㈱(連結子会社)は、当社より船舶の修繕を受託しております。

 

(鉄構・機械事業)

当社および函館どつく㈱(連結子会社)が、製造販売を行っております。
資材の一部につきましては、名和産業㈱(連結子会社)を通じて仕入を行っております。

佐世保重工業㈱(連結子会社)において、クランク軸等の船舶用機器などの製造を行っております。

(その他事業)

名村情報システム㈱(連結子会社)は、ソフトウェア開発、情報機器の販売を当社および関係会社に対して行っております。
玄海テック㈱(連結子会社)は、当社および関係会社より、設備の保全、保安業務を受託しております。
名村マリン㈱(連結子会社)は、当社より船舶の保守およびアフターサービスを受託しております。
モーニング ダイダラス ナビゲーション社(連結子会社)、アイボリーホワイト ナビゲーション社(連結子会社)、コバルトブルー ナビゲーション社(連結子会社)およびエヌアイ カラマリ マリタイム社(関連会社)は、船舶貸渡業を営んでおります。
佐世保マリン・アンド・ポートサービス㈱(連結子会社)は、曳船業務に従事、また佐世保重工業㈱(連結子会社)より設備の保全、保安業務を受託しております。
函館ポートサービス㈱(関連会社)は、曳船業務および内航運送業務に従事しております。

 

 

以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

 


 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金または
出資金
(百万円)

主要な事業
の内容

議決権の所有
または被所有
割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

函館どつく㈱
     (注)4

北海道
函館市

100

新造船事業
修繕船事業
鉄構・機械事業
その他事業

92.3

当社からの新造船の受託建造を行っております。

債務保証をしております。
役員兼任5名 (うち当社従業員1名)

佐世保重工業㈱
 

長崎県
佐世保市

100

修繕船事業
鉄構・機械事業
その他事業

99.9

(0.3)

当社と役員兼任4名

佐世保マリン・
アンド・
ポートサービス㈱

長崎県
佐世保市

50

その他事業

100.0

(100.0)

佐世保重工業㈱の工場設備の保全業務及び運輸業務等を行っております。

 

名和産業㈱

佐賀県
伊万里市

80

新造船事業
鉄構・機械事業
その他事業

100.0

当社及び関係会社に対し原材料を販売しております。
役員兼任4名 (うち当社従業員3名)

玄海テック㈱

佐賀県
伊万里市

50

その他事業

100.0

当社及び関係会社の設備保全工事を請け負っております。
役員兼任3名 (うち当社従業員2名)

名村情報システム㈱

佐賀県
伊万里市

50

その他事業

100.0

当社及び関係会社に対してソフト開発及び情報機器を販売しております。
役員兼任2名 (うち当社従業員1名)

名村マリン㈱

佐賀県
伊万里市

10

修繕船事業
その他事業

100.0

当社の船舶の修繕・保守及びアフターサービスを請け負っております。

当社より設備を賃借しております、
役員兼任3名 (うち当社従業員3名)

モーニング ダイダラス
ナビゲーション社

パナマ共和国
パナマ市

千米ドル
150

その他事業

100.0

債務保証をしております。

役員兼任3名 (うち当社従業員3名)

名村
エンジニアリング㈱

佐賀県
伊万里市

20

新造船事業

100.0

当社船型の技術開発を行っております。
役員兼任4名 (うち当社従業員4名)

エヌウェーブ
ベトナム社

ベトナム社会主義共和国

ホーチミン市

千米ドル

450

新造船事業

100.0

当社の船舶の設計を請け負っています。

役員兼任1名

アイボリーホワイト
ナビゲーション社

パナマ共和国
パナマ市

千米ドル
10 

その他事業

100.0

役員兼任3名 (うち当社従業員3名)

コバルトブルー
ナビゲーション社

パナマ共和国
パナマ市

千米ドル
10 

その他事業

100.0

役員兼任3名 (うち当社従業員3名)

㈱伊万里鉄鋼センター

佐賀県
伊万里市

200

新造船事業
鉄構・機械事業

100.0

当社鋼材のショット加工を行っております。

当社に土地等を賃貸しております。
役員兼任4名 (うち当社従業員4名)

(持分法適用関連会社)

 

 

 

 

 

エヌアイ カラマリ
マリタイム社

パナマ共和国
パナマ市

千米ドル
250

その他事業

50.0

役員兼任2名 (うち当社従業員2名)

函館ポートサービス㈱

北海道
函館市

 10

その他事業

23.1

(23.1)

 

 

(注) 1 「主要な事業の内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。

2 「議決権の所有または被所有割合」欄の( )内は間接所有の割合であります。

3 有価証券届出書または有価証券報告書を提出している会社はありません。

4 特定子会社であります。

    

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2024年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

新造船事業

1,148

修繕船事業

388

鉄構・機械事業

153

その他事業

325

全社(共通)

218

合計

2,232

 

(注) 1 従業員数は、就業人員であります。

2 臨時従業員につきましては従業員の100分の10未満のため記載を省略しております。

 

(2) 提出会社の状況

2024年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

1,055

41.3

18.0

6,011

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

新造船事業

898

鉄構・機械事業

71

全社(共通)

86

合計

1,055

 

(注) 1 従業員数は、就業人員であります。

2 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3 臨時従業員につきましては従業員の100分の10未満のため記載を省略しております。

 

(3) 労働組合の状況

当社の労働組合は次のとおりであります。

 

組合名称

所属上部団体

名村造船労働組合

日本基幹産業労働組合連合会

 

 

当企業集団の労使関係は安定しており、特記すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性の割合、男性の育児休業取得率および男女の賃金の差異

① 提出会社

 

当事業年度

管理職に占める

女性の割合(%)

(注1)

男性の

育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

6.1

43.3

77.5

83.5

61.4

 

 

② 連結子会社

 

当事業年度

名称

管理職に占める女性の割合(%)

(注1)

男性の

育児休業取得率(%)(注2)

労働者の男女の賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

函館どつく㈱

0.0

27.3

88.5

86.9

佐世保重工業㈱

0.0

31.3

70.1

80.8

53.0

 

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。