第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成30年6月28日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは産業の高度化と社会資本の充実に役立つ製品を提供し、より豊かな人間環境づくりをめざすことを基本理念としております。また、株主・取引先・従業員・地域社会など関係するすべての人々の信頼と期待に応えるために、事業を遂行するに当たり、絶えざる革新による新たな価値の創造に努めることを行動指針としております。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、連結売上高経常利益率5%の安定的確保を中長期の目標としております。

 

(3)中長期的な経営戦略

当社グループは、近年の業績の悪化や、より厳しさを増す市場環境を踏まえ、下記の3つの基本方針のもと、経営資源の一層の効率活用を図り、中長期経営目標を実現する業務管理体制の構築に取り組んでまいります。また、親会社であるJR東海との技術・人材交流を通じて相互補完・協力・連携関係を一層強化し、鉄道車両および周辺分野での総合的な技術の磨き上げを図ってまいります。

 

業務管理体制の強化と人材育成

品質、コスト、工程をはじめとする業務管理体制の強化を図るとともに、部門内・部門間の円滑な連携により、着実な業務遂行の定着と組織・社員の活性化を図ってまいります。また、社員教育の充実を図り、職務スキルの一段の向上を図ってまいります。

当社の強みを発揮できる事業展開による利益の確保

基幹事業である鉄道車両事業を中心に、顧客ニーズにマッチした製品・サービスを提供することにより各事業分野の得意領域で強みを発揮し、また、コストダウン推進により競争力を高めて安定した受注の確保に総力を挙げて努めてまいります。また、こうした取り組みの中では、親会社との協力関係緊密化により、JR東海グループ全体の企業価値向上に貢献するとともに、当社グループの事業の育成に繋げてまいります。

総合力発揮による技術・製品開発の推進

各事業部門と開発部門の効果的な連携により計画的かつ効率的な開発を推進するとともに、親会社との共同研究・開発を推進し、既存事業の競争力強化と新規事業の創出を図ってまいります。

 

(4)対処すべき課題

鉄道車両事業は、今後も厳しい受注環境が継続することを踏まえ、技術開発による差別化と、生産プロセスの効率化等によるコスト低減に努め、高速鉄道を中心とする各種鉄道車両について競争力の強化を継続して進めてまいります。なお、損失を発生させている案件につきましては、プロジェクト推進体制の見直しを図るなど改善に努めてまいります。

輸送用機器・鉄構事業は、輸送用機器は厳しい受注環境の中、市場トレンドを機敏に捉えた製品開発とコスト低減を進め、受注確保と新規顧客の開拓に努めてまいります。鉄構では、橋梁工事などでの客先仕様に応える技術提案能力の強化やコスト低減に努め、受注量を確保するとともに、補修・保全案件などの周辺分野への事業展開も進めてまいります。

建設機械事業は、堅調な国内需要に応える生産体制の維持・強化とアジアを中心とした海外市況に対して各地域ニーズに合った柔軟な対応を進めることで、事業機会の確実な取り込みに努めてまいります。

エンジニアリング事業は、市場ニーズにきめ細かく対応する製品提案を進めることにより、収益確保に努めてまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

当社グループの業績や財務状況などに影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成30年6月28日)現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクがこれらに限られるものではありません。

 

(1)政治・経済情勢

当社グループは国内外で事業展開しており、日本での民間設備投資や公共投資等の推移、米国、アジア諸国等の経済情勢変動の影響、相手国における紛争・政変等による社会的混乱の影響を受ける可能性があります。

(2)原材料調達

当社グループの事業には、受注から納入まで時間を要する個別受注案件が多いことから、その間の需給環境の変化による原材料、部品等の急激な価格変動が、業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(3)為替レートの変動

当社グループの海外向け売上高について、外貨建て部分については為替予約等によりリスクヘッジに努めていますが、為替レートの変動が業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(4)受注契約

当社グループは、請負金額が大きい等の重要な受注案件について、受注契約締結前に社内検討を十分行なっていますが、契約締結後の設計変更や調達部品の納入遅延等の発生が、当該案件の収支悪化を通じて、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(5)輸出・海外事業

当社グループは、世界各国へ鉄道車両等を輸出するとともに、米国に工場を設置するなど海外事業に取り組んでおります。このため、対応能力を有する人材の確保・部品の現地調達等に予期せぬ支障を来したことによる事業採算の悪化、さらには海外の法律や規制の変更への追加対応等により、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(6)退職給付債務

当社グループの退職給付債務および費用は、割引率など数理計算上で設定される前提条件や年金資産・退職給付信託の期待収益率に基づき算出しております。実績が前提条件と異なった場合又は前提条件が変更された場合に、業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(7)知的財産権

技術革新が目覚しい中、他社との競争を勝ち抜くためには、製品・技術に関わる知的財産権の十分な取得、適確な技術供与や技術導入が必要で、その成否により、業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(8)法令・規制

当社グループの事業活動の上で各国・各地域の各種法令や規制の制約を受けておりますが、法令・規制の変更への対応が適切でない等の場合には、過料・課徴金等による損失や行政処分等による受注機会損失の可能性があり、またそれらに伴う社会的評価の低下により業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(9)環境規制

社会の環境意識の高まりに伴って各種規制が厳格化された場合、過去を含めて法的ないし社会的責任を負った場合は、業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(10)情報セキュリティ

当社グループは、技術や営業等事業の機密情報を有するとともに、取引先等の機密情報に接しております。情報管理上不測の事態が生じて機密情報が滅失ないし漏洩した場合に、事業に影響を及ぼす可能性があります。

(11)訴訟リスク

当社グループの事業活動に関連して、重要な訴訟等が提起された場合は、業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(12)大規模災害等

地震・台風等の大規模災害や感染症の流行等が、当社グループの業績や財政状況に直接的または間接的に影響を及ぼす可能性があります。

(13)重要事象等について

当社グループは、これまで大きな損失を発生させていた米国向け大型鉄道車両案件に関して、案件遂行の方向性について協議を行ってまいりました。その結果、当連結会計年度に、関係当事者への影響を最小限にする方策として当社とは別の車両メーカー(以下、「代替メーカー」という。)が当該案件における車両の製造を行うこととなりました。これに伴い、当社は当該案件の直接の受注者である住友商事株式会社及び米州住友商事会社(以下、あわせて「住友商事グループ」という。)と交渉を進めてまいりましたが、当社およびNIPPON SHARYO MANUFACTURING,LLC(以下、「日車MFG」という。)が、住友商事グループに対して合計328,942千米ドルを解決金として支払い、当該案件を住友商事グループとの間で終局的に解決することを内容とする和解契約の締結を平成29年11月6日開催の取締役会で決定し、同日付けで締結しました。この結果、当連結会計年度において、親会社株主に帰属する当期純損失82億71百万円を計上しています。

これを踏まえ、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していると認識しておりますが、上記解決金の支払いにより、今後、当該案件に関する新たな損失は発生しない見通しとなりました。また、主力の国内事業については、安定的に利益を計上しており、鉄道車両や橋梁は高水準の受注残がある中で、引き続き受注獲得に努めていくとともに、好調な建設機械事業においては他事業の生産設備の活用などにより最大限の売上の確保を図ってまいります。同時に、原価低減および経費の削減を一層推し進め、利益体質の強化を図ってまいります。これらの施策については当社グループの総力を挙げて取り組み、業績改善に繋げてまいります。

資金面については、健全な財務バランスを保ちつつ、事業活動に必要な資金の安定的な確保および流動性の維持に努めております。具体的には、上記解決金の支払いに充てることを目的とした資金については、平成29年11月30日に親会社(東海旅客鉄道㈱)から借入を行い、当連結会計年度において解決金の支払いを完了しております。また、当社は親会社グループが運営するCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)に参画しております。これにより、資金調達については、設備投資資金および運転資金等の必要資金は内部資金を充当するほか、親会社との連携強化により当座必要となる資金をCMSから機動的に調達できる状態としているため、資金流動性については、資金計画に基づき想定される需要に十分対応できる資金を確保しております。

以上のとおり、重要事象等を解消し、改善するための対応策を講じていることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。

 

 ①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度のわが国経済は、各種政策の効果や海外景気の緩やかな回復を背景に、生産、輸出、雇用などにおいて改善の動きが続いています。

このような経営環境のもと、当連結会計年度の当社グループの業績は、鉄構や建設機械の売上が増加しましたが、鉄道車両や輸送用機器の売上が減少したことなどから、売上高は前連結会計年度に比べ5.7%減少の953億10百万円となりました。利益面につきましては、米国向け大型鉄道車両案件について引当計上していた金額の戻し入れを行ったほか、建設機械事業の利益が増加したことなどにより、営業利益は72億66百万円(前連結会計年度は営業損失51億4百万円)、経常利益は73億15百万円(前連結会計年度は経常損失51億49百万円)となりました。しかしながら、米国向け大型鉄道車両案件の解決金を支払うことによる特別損失を計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純損失は82億71百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失51億24百万円)となりました。

セグメント別の状況は以下のとおりです。

・鉄道車両事業

JR向け車両は、JR東海向けN700S確認試験車、JR東海向けおよびJR西日本向けN700A新幹線電車、JR東日本向けレール運搬車などの売上があり、売上高は285億53百万円となりました。公営・民営鉄道向け車両では、小田急電鉄向け70000形ロマンスカー、京成電鉄向け3000形電車、名古屋市交通局向けN3000形電車、名古屋鉄道向け3150系電車および3300系電車、遠州鉄道向け2000形電車などの売上があり、その売上高は72億55百万円となりました。海外向け車両では、米国向け二階建て客車などの売上があり、売上高は56億46百万円となりました。 この結果、鉄道車両事業としましては、JR向け車両は増加しましたが、海外向け車両および公営・民営鉄道向け車両が減少したことなどにより、売上高は414億54百万円となり、前連結会計年度に比べ14.6%減少となりました。

・輸送用機器・鉄構事業

輸送用機器におきましては、受注が堅調に推移したLPG民生用バルクローリを中心とした化工機製品やキャリヤ·AGVなどの産業車両製品が増加しましたが、コンテナ貨車等の物流機器製品が減少したことなどにより、売上高は112億29百万円となり、前連結会計年度に比べ16.1%減少しました。

鉄構におきましては、東海環状自動車道長深4橋梁、北関東自動車道太田パーキングエリアランプ橋、国道1号静清バイパス丸子高架橋、富士川第一跨線橋、東海道新幹線大規模改修工事などの売上があり、売上高は112億45百万円となり、前連結会計年度に比べ30.7%増加となりました。

以上の結果、輸送用機器・鉄構事業の売上高は224億74百万円となり、前連結会計年度に比べ2.2%増加となりました。

・建設機械事業

建設機械におきましては、国内向けで東日本大震災復興工事や東京オリンピック関連工事の需要などにより、大型杭打機が引き続き堅調に推移したほか、全回転チュービング装置や小型杭打機などが増加しました。海外向けでは大型杭打機などを輸出しました。この結果、売上高は213億60百万円となり、前連結会計年度に比べ10.8%増加しました。

発電機におきましては、海外向けが減少しましたが国内向けが増加し、売上高は32億12百万円となり、前連結会計年度に比べ2.4%増加しました。

以上の結果、建設機械事業の売上高は245億73百万円となり、前連結会計年度に比べ9.6%増加となりました。

・エンジニアリング事業

JR東海向けリニア用機械設備、JA向け営農プラント、家庭紙メーカー向け製造設備などの売上がありましたが、鉄道車両検修設備が減少したことなどにより、エンジニアリング事業の売上高は65億59百万円となり、前連結会計年度に比べ12.5%減少となりました。

・その他

レーザ加工機、不動産賃貸などの売上がありました。なお、当連結会計年度に鉄道グッズ販売事業を終了しております。

 

  また、財政状態は以下のとおりです。

  ・資産

流動資産は前期末に比べ3.7%減少し722億65百万円となりました。これは、米国子会社の売上減少に伴う資金収支の悪化のため現金及び預金が減少したことなどによるものであります。固定資産は前期末に比べ1.9%増加し551億47百万円となりました。これは、運用資産の評価額が増したことから退職給付に係る資産が増加したことなどによるものであります。

この結果、総資産は前期末に比べ1.4%減少し1,274億13百万円となりました。

  ・負債

流動負債は前期末に比べ40.2%減少し420億53百万円となりました。これは、米国向け大型鉄道車両案件の和解に伴い受注損失引当金が減少したことなどによるものであります。固定負債は前期末に比べ109.7%増加し644億5百万円となりました。これは、米国向け大型鉄道車両案件の和解に伴う解決金の支払いに充当することを目的として調達した長期借入金が増加したことなどによるものであります。

この結果、負債合計は前期末に比べ5.3%増加し1,064億58百万円となりました。

  ・純資産

前期末に比べ25.4%減少し209億54百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純損失のため利益剰余金が減少したことなどによるものであります。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ41億23百万円増加し、158億37百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

  ・営業活動によるキャッシュ・フロー

371億92百万円の資金の使用(前連結会計年度は23億38百万円の資金の使用)となりました。これは、当連結会計年度は米国向け大型鉄道車両案件の和解に伴い解決金を支払ったことなどから、前連結会計年度に比べて資金の使用が多いことによるものであります。

  ・投資活動によるキャッシュ・フロー

117億93百万円の資金の獲得(前連結会計年度は5億53百万円の資金の使用)となりました。これは、当連結会計年度は非事業用資産を売却したことなどから、前連結会計年度に比べて資金の獲得が多いことによるものであります。

  ・財務活動によるキャッシュ・フロー

298億30百万円の資金の獲得(前連結会計年度は11億75百万円の資金の獲得)となりました。これは、当連結会計年度は借入による資金調達が大幅に増加したことなどから、前連結会計年度に比べて資金の獲得が多いことによるものであります。

 

 

③生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

  至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

鉄道車両事業(百万円)

39,251

+4.2

輸送用機器・鉄構事業(百万円)

22,188

△0.8

建設機械事業(百万円)

21,639

+0.8

エンジニアリング事業(百万円)

6,685

△5.5

その他(百万円)

91

△34.5

合計(百万円)

89,856

+1.3

 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.金額は、販売価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

b.受注状況

 当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(百万円)

前年同期比

(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比

(%)

鉄道車両事業

16,171

△79.3

62,766

△50.0

輸送用機器・鉄構事業

23,150

△12.2

26,635

+2.6

建設機械事業

24,548

+12.3

2,549

△1.0

エンジニアリング事業

6,088

△10.0

2,316

△16.9

その他

234

△59.7

42

△23.9

合計

70,193

△47.5

94,310

△39.9

 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

    2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

    3.米国向け大型鉄道車両案件の製造を代替メーカーが行うこととなったため、鉄道車両事業の受注残高が減少しております。

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

  至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

鉄道車両事業(百万円)

41,454

△14.6

輸送用機器・鉄構事業(百万円)

22,474

+2.2

建設機械事業(百万円)

24,573

+9.6

エンジニアリング事業(百万円)

6,559

△12.5

その他(百万円)

247

△61.3

合計(百万円)

95,310

△5.7

 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成28年4月1日

  至 平成29年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

  至 平成30年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

東海旅客鉄道(株)

18,350

18.2

24,000

25.2

3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 当社グループの当連結会計年度の経営成績について

(売上高)

前期に比べ57億83百万円減少の953億10百万円となりました。セグメント別の売上高については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

(営業利益)

黒字に転換し、前期に比べ123億70百万円増加の72億66百万円となりました。これは主に米国向け大型鉄道車両案件について引当計上していた金額の戻し入れを行ったことなどによるものです。

(経常利益)

黒字に転換し、前期に比べ124億64百万円増加の73億15百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純損失)

前期に比べ31億46百万円減少の82億71百万円の損失となりました。これは主に米国向け大型鉄道車両案件の解決金の支払いに伴う損失を計上したことによるものです。

 

・鉄道車両事業

セグメント利益は、インドネシア向け大型鉄道車両案件や国内向け鉄道車両案件の損失引当を計上したものの、米国向け大型鉄道車両案件の損失引当を計上していた金額の戻入れがあったことなどにより、前期に比べ112億49百万円増加の14億12百万円となりました。

セグメント別資産は、米国子会社の棚卸資産の減少等により、前期に比べ116億10百万円減少の461億76百万円となりました。

 

・輸送用機器・鉄構事業

 セグメント利益は、増収のほか、原価低減が進んだことなどにより、前期に比べ2億30百万円増加の19億90百万円となりました。

 セグメント別資産は、前期に比べ2億36百万円減少の197億34百万円となりました。

 

・建設機械事業

 セグメント利益は、増収のほか、原価低減が進んだことなどにより、前期に比べ10億75百万円増加の52億70百万円となりました。

 セグメント別資産は、前期に比べ3億81百万円減少の227億23百万円となりました。

 

・エンジニアリング事業

 セグメント利益は、営農プラントの損失を計上したことなどにより、前期に比べ83百万円減少の74百万円の損失となりました。

 セグメント別資産は、前期に比べ6億93百万円増加の46億84百万円となりました。

 

財政状態について

財政状態については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グル-プの主要製品は、鉄道車両や橋梁など受注生産品がその多くを占め、それぞれの受注単位も比較的大きいことから、各年度により製造ないし売上の製品構成が大きく変化します。このため、操業度の平準化や製品毎に異なる仕様への効率的な対応が恒常的な課題となります。また、受注から納入まで時間を要する案件が多いため、原材料価格の変動や為替変動が経営成績に大きく影響します。このため、原材料については、適時調達や歩留まりの向上、材質の変更等を進めてコスト上昇の抑制に努め、為替変動については、為替予約等のヘッジを行ってリスク低減に努めてまいります。

 

当社グループの資本の財源および資金の流動性について

当社グループは、健全な財務バランスを保ちつつ、事業活動に必要な資金の安定的な確保および流動性の維持に努めております。当社は親会社(東海旅客鉄道㈱)グループが運営するCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)に参画しております。これにより、資金調達については、設備投資資金および運転資金等の必要資金は内部資金を充当するほか、親会社との連携強化により当座必要となる資金をCMSから機動的に調達できる状態としているため、資金流動性については、資金計画に基づき想定される需要に十分対応できる資金を確保しております。

なお、当連結会計年度に、工場資産の親会社への譲渡および非事業用資産の譲渡を実施し、これで得た資金を充当して取引金融機関に対し長期借入金全額の繰上げ返済を行いました。これにより、経営資源の有効活用及び財務状況の改善を図っております。また、米国向け大型鉄道車両案件の解決金の支払いに充てることを目的とした資金については、平成29年11月30日付で親会社(東海旅客鉄道㈱)より借入を行っております。

 

事業等のリスクに記載した重要事象等を解消、改善するための対応策について

当社グループは、「2.事業等のリスク」に記載した重要事象等に対処するため、以下の対応策を実施しております。

米国向け大型鉄道車両案件については、「2.事業等のリスク」に記載した通り、解決金の支払いにより、今後、当該案件に関する新たな損失は発生しない見通しとなりました。

主力の国内事業については、安定的に利益を計上しており、基幹事業である鉄道車両事業を中心に、品質、コスト、工程をはじめとする業務管理体制の強化を図るとともに、顧客ニーズにマッチした製品・サービスを提供することにより各事業分野の得意領域で強みを発揮し、また、コストダウンの推進により競争力を高めて、安定した受注の確保に総力を挙げて努め、業績改善に繋げてまいります。

資金面については、上記の「当社グループの資本の財源および資金の流動性ついて」に記載のとおり、資金計画に基づき想定される資金需要に十分対応できる資金を確保しております。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)技術受入契約

なし

 

(2)技術援助契約

契約会社名

相手方の名称

契約品目

契約内容

契約期間

日本車輌製造株式会社

(当社)

ピーティー(プルセロ)・インダストリ・クレタ・アピ社

(インドネシア)

客車高速走行用台車

・契約調印後一定額の一時金

・売上数量に対し一定額

・技術指導料

平成5年10月28日~

平成30年10月27日

(自動延長条項付)

日本車輌製造株式会社

(当社)

上海工程機械廠有限公司(中国)

クローラ式三点杭打機

(DH558-110M型)

・一定条件により一定額の一時金

・売上高に対し一定率

平成10年7月6日~

平成30年7月5日

(延長条項付)

日本車輌製造株式会社

(当社)

上海工程機械廠有限公司(中国)

クローラ式三点杭打機

(DH658-135M型)

・一定条件により一定額の一時金

平成16年4月12日~

平成30年7月5日

(延長条項付)

日本車輌製造株式会社

(当社)

VIET SINH

 MECHANICAL CO,LTD

(ベトナム)

アースドリル機

(ED6300V型)

・アースドリルの生産に関する技術供与

平成27年5月12日~

平成30年5月11日

(注)

(注)契約期間満了により、平成30年5月11日にて終了しました。

 

(3)固定資産の賃貸借契約に関する契約

平成29年4月20日に工場資産を当社の親会社である東海旅客鉄道㈱へ譲渡しましたが、工場資産は当社の事業用資産であり、譲渡後においても当社の使用継続を可能とするため、当社は東海旅客鉄道㈱との間で賃貸借契約を締結し、従前どおり工場として使用を継続しております。

 

(4)和解契約の締結

米国向け大型鉄道車両案件については、平成28年12月に当該案件を予定通り遂行することが困難になった旨を客先に申し入れ、案件遂行の方向性について、関係当事者と協議を行ってまいりましたが、当連結会計年度において、関係当事者への影響を最小限にする方策として代替メーカーが当該案件における車両の製造を行うこととなりました。これに伴い、当社は当該案件の直接の受注者である住友商事グループと交渉を進めてまいりましたが、当社およびNIPPON SHARYO MANUFACTURING, LLCが、住友商事グループに対して合計328,942千米ドルを解決金として支払い、本案件を住友商事グループとの間で終局的に解決することを内容とする和解契約の締結を平成29年11月6日開催の取締役会で決定し、同日付けで締結しました。

5【研究開発活動】

当社グループの事業の主幹をなす鉄道車両、輸送用機器・鉄構、建設機械、エンジニアリングなどの各分野では、技術力の強化と生産性の向上を図り各製品の競争力を強化するとともに、変化する社会ニーズに対応して新技術を取り入れた新商品、新工法の開発を進めております。

当連結会計年度における研究開発は以下の通りであります。なお、研究開発費については、各セグメントに配分できない費用4億77百万円が含まれており、当連結会計年度の当社グループの研究開発費は12億60百万円であります。

 

(1) 鉄道車両事業

鉄道車両本部が中心となり、鉄道車両関連の開発を行っております。当連結会計年度の主な成果として衝突対策を備えた車両の車体構造の開発、車体傾斜制御装置及び制振装置を備えた乗り心地の良い車両の開発、VR(Virtual Reality)を用いたデジタルモックアップ技術の開発等が挙げられます。

鉄道車両事業に係る研究開発費は、3億28百万円であります。

(2) 輸送用機器・鉄構事業

輸機・インフラ本部が中心となり、化工機、産業車両等の輸送用機器の開発、道路橋、鉄道橋などの鋼構造物の開発を行っております。当連結会計年度の主な成果として、産業車両走行装置の要素技術の開発、橋梁のコンクリート施工および防食に関する要素技術の開発が挙げられます。

輸送用機器・鉄構事業に係る研究開発費は、95百万円であります。

(3) 建設機械事業

機電本部が中心となり、杭打機、全回転チュービング装置などの基礎工事関連製品およびディーゼル発電機などの開発を行っております。当連結会計年度の主な成果として、国内・海外向け大型杭打機の開発、低空頭型全回転チュービング装置の開発、市場要望を実現する多目的掘削機の開発、中型ディーゼル発電機のコンパクト化・軽量化モデルチェンジ等が挙げられます。

建設機械事業に係る研究開発費は、3億32百万円であります。

 (4) エンジニアリング事業

エンジニアリング本部が中心となり、リニア用機械設備、営農施設関連の研究開発を行い、製品の競争力強化と新商品開発に取り組んでおります。

エンジニアリング事業に係る研究開発費は、20百万円であります。

  (5) その他

   その他に係る研究開発費は、5百万円であります。