文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月26日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「インフラストラクチャー創造企業」として、健全経営のもと、最高品質のものづくりを通じて社会基盤の充実と発展に幅広く貢献していくことを基本理念としております。その実現に向けて、「お客様の満足」「会社の発展」「規範の遵守」に価値を置き、「責任感」「コミュニケーション」「人材育成」「自己変革」「挑戦」の5つを社員一人ひとりの行動指針として掲げて、事業を運営しております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、連結売上高経常利益率5%の安定的確保を中長期的な目標としております。
(3)中長期的な経営戦略
当社グループは、過去の米国における鉄道車両事業を中心とした損失が累積し財務基盤を大きく毀損したことやより厳しさを増す市場環境を踏まえ、以下の3つの基本方針のもと、中長期経営目標を実現するため、マネジメント強化と基礎経営資源のブラッシュアップに取り組んでまいります。また、親会社である東海旅客鉄道㈱との技術・人材交流を通じて相互補完・協力・連携関係を一層強化し、鉄道車両および周辺分野での総合的な技術の磨き上げを図ってまいります。
①業務管理体制の強化と人材育成
原価の算出根拠および想定リスクの明確化、販価設定の妥当性の検証などを行う受注審査や全体を俯瞰した工程管理、情報の共有および課題・進捗状況の見える化などを行うプロジェクト管理強化を通じ、業務管理体制の強化を図るとともに、部門内・部門間の円滑な連携により、着実な業務遂行の定着と組織・社員の活性化を図ってまいります。また、OJTや集合研修および自己啓発支援等の社員教育の体系を検証し充実させることで、職務スキルの一段の向上を図ってまいります。さらに、2019年度に刷新した企業理念の浸透とより風通しの良い組織文化の醸成、一体感の実現を目指した取り組みを進めてまいります。
加えて、2019年度からは、更なる品質向上を目的に「全社品質保証委員会」を設置し、各事業本部間の情報共有・連携強化を図っております。
②当社の強みを発揮できる事業展開による利益の確保
基幹事業である鉄道車両事業を中心に、顧客ニーズにマッチした製品・サービスを提供することにより各事業分野の得意領域で強みを発揮し、また、コストダウン推進により競争力を高めて安定した受注の確保に総力を挙げて努めてきております。さらに、こうした取り組みの中では、親会社との協力関係緊密化により、JR東海グループ全体の企業価値向上に貢献するとともに、当社グループの事業の育成に繋げてまいります。
③総合力発揮による技術・製品開発の推進
各事業部門と開発部門の効果的な連携により計画的かつ効率的な開発を推進するとともに、親会社との共同研究・開発を推進し、既存事業の競争力強化と新規事業の創出を図ってまいります。
(4)経営環境および対処すべき課題
(鉄道車両事業)
既存の国内市場における更新需要は一定程度あるものの、長期的には厳しい受注環境が継続すると見込まれます。このような環境下において、2019年8月に製作数4,000両を達成した新幹線電車をはじめ、特急型車両、通勤型車両、事業用車両等、幅広い車種に対応できる強みを生かしつつ、状態監視技術等を活用した技術開発による差別化と、生産プロセスの効率化等によるコスト低減に努め、高速鉄道を中心とする各種鉄道車両についての競争力の強化を進めてまいります。
(輸送用機器・鉄構事業)
各種タンクローリ、製鉄所向けキャリヤ、大型無人搬送車(AGV)および貨車については今後も更新需要を中心に一定程度の需要があると見込まれるものの、厳しい受注環境であることは変わりありません。このような環境下において、2019年5月に納入台数2,000台を達成し得意分野としている民生用バルクローリや製鉄所向けキャリヤなどを中心に、トレンドを捉えた製品開発とコスト低減を進めることで、受注確保と新規顧客の開拓に努めてまいります。
新設橋梁は、新設道路計画の減少により発注量の低迷が続いており、今後も厳しい受注環境が継続すると見込まれます。一方、高度成長期に一斉に建設された道路橋をはじめとして橋梁の老朽化が進んでいることから補修・保全事業の重要性がこれまで以上に高まっています。このような環境を踏まえ、新設橋梁では客先仕様に応える技術提案能力の強化やコスト低減に取り組み、受注量の確保に努めてまいります。また、補修・保全事業では、東海道新幹線の大規模改修工事における橋梁補修の工事実績を通じて補修・保全のノウハウを蓄積するなど競争力強化の取り組みを進めてまいります。
(建設機械事業)
国内外の市場においては、都市部における再開発等の予定はあるものの、新型コロナウイルス感染症拡大による経済への影響により需要の不透明感が増しています。このような環境下において、これまで累計5,000台以上を製造し得意分野である杭打機をはじめとする建設機械の製造・開発ノウハウを生かし、国内とアジアを中心とした海外市場に対して各地域ニーズに合った柔軟な対応を進めることで、事業機会を確実に取り込むよう努めてまいります。
(エンジニアリング事業)
鉄道車両検修設備、穀物乾燥調製貯蔵施設および製紙機械は社会基盤として不可欠な設備であり、今後も一定の需要が継続すると見込まれます。これらの設備には安全性向上、省力化に加え、高齢化や労働力不足を補う省人化や保守性の向上が求められており、市場ニーズにきめ細かく対応する提案を進めることにより、収益確保に努めてまいります。
なお、新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い、当社グループの業績や財政状況に影響を及ぼす可能性がありますが、企業活動の一時的な停止を防止するため、毎日の体調不良者を一元的に把握する体制を整備し感染の疑いがある場合には必要な措置を取るなど影響を最小化するよう努めてまいります。
当社グループの業績や財務状況などに影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月26日)現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクがこれらに限られるものではありません。また、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため、記載しておりません。
(販売活動に係るリスク)
(1)受注契約
当社グループは、請負金額が大きい等の重要な受注案件について、受注契約締結前に工程、原価、契約等のリスクについて各部門における受注審査や取締役会等の会議体を通じ社内検討を十分行っておりますが、原材料の高騰や設計変更など受注時の社内検討を超えた変更があった場合には、事業採算の悪化により、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)輸出・海外事業
当社グループは、鉄道車両を輸出するなど海外事業を営んでおり、海外事業への対応能力を有する人材の育成・確保や部品の現地調達等に取り組んでおりますが、人材の確保・部品の現地調達等に予期せぬ支障を来した場合には、追加の費用発生など事業採算の悪化により、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)法令・規制
当社グループにおいては、法令・規制の遵守を徹底するために「日本車両グループ倫理規程」を定め、その規程に基づいて遵守体制の日々のチェックや発生した問題への対処策の検討を行うためコンプライアンス委員会を設置しております。また法令遵守のための各役職員の行動基準を定めた「私たちの行動規範」を全社員に配布するなどコンプライアンス意識の浸透・定着に努めております。しかしながら、当社グループの事業活動の上で各国・各地域の各種法令や規制等の制約を受けており、法令・規制の変更への対応が適切でない等の場合には、過料・課徴金等による損失や行政処分等による受注機会損失、またそれらに伴う社会的評価の低下により、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(生産活動・開発に係るリスク)
(4)原材料調達
当社グループの事業には、受注から納入まで時間を要する個別受注案件が多いことから、その間の需給環境の変化による影響を受けやすくなっております。適時調達や歩留まりの向上を進めるなど需給環境の変化に対応するよう努めておりますが、原材料、部品等の急激な価格変動が発生し製品の販売価格に十分に転嫁できないなどの場合には、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)クレームの発生
当社グループは、健全経営のもと、最高品質のものづくりを通じて社会基盤の充実と発展に幅広く貢献することを企業理念として掲げており、2019年7月より「全社品質保証委員会」を設置し、推奨事例を積極的に水平展開することなどにより、各職場のレベルアップを図っております。しかしながら、予測できない原因により品質問題が発生し、重大なクレームが発生した場合には当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)特定ベンダーへの依存
当社グループは、部品のさらなる安定的な供給を目指すべくベンダーの拡大に努めておりますが、部品によっては供給できるベンダーが少なく、予期せぬベンダーの廃業や操業停止等があった場合には、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7)技術開発
当社グループは、技術革新が目覚しい中、他社との競争を勝ち抜くために、鉄道車両をはじめとした当社製品の競争力強化と高付加価値化を方針に掲げ、技術開発を行っています。その研究成果を的確に導入し製品に活用していくとともに、製品・技術に関わる知的財産権についても十分に取得できるよう努めておりますが、技術開発の成否及び当社の想定を超える市場環境の変化に伴う技術の陳腐化等により、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(事故・災害等に関するイベント性のリスク)
(8)訴訟リスク
当社グループの各事業活動に関連して、事業運営に関する訴訟リスクが継続的に存在することから、重要な訴訟等が提起された場合は、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9)情報セキュリティ
当社グループは、技術や営業等事業の機密情報を有するとともに、取引先等の機密情報に接しております。機密情報の外部への流出を防止するため、社内規程の整備やセキュリティシステムの強化等を講じているほか、法令遵守のための各役職員の行動基準を定めた「私たちの行動規範」を全社員に配布することに加え、情報セキュリティに関する教育を実施するなどコンプライアンス意識の浸透・定着に努めております。しかしながら、情報管理上不測の事態が生じて機密情報が滅失ないし漏洩し、社会的評価が低下した場合に、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10)事故・災害等
当社グループにおいては、発生した労働災害について取締役会等の会議体へ報告を行い実施された対策等についてチェックを行う体制を整備することでリスク管理を徹底し労働安全に取り組んでいます。また、地震・台風等を想定した事業継続計画を策定しております。加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、企業活動の一時的な停止を防止するため、毎日の体調不良者を一元的に把握する体制を整備し感染の疑いのある場合には必要な措置を取るなど影響を最小化するよう努めております。しかしながら、製作所における不測の事故、地震・台風等による大規模災害や感染症の大規模な流行等が発生した場合には、当社グループの業績や財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、世界経済が減速する中、年度後半には消費増税や自然災害等に加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、個人消費を中心に減速傾向となりました。
このような経営環境のもと、当連結会計年度の当社グループの業績は、鉄道車両の売上が増加したことなどから、売上高は前連結会計年度に比べ3.8%増加の94,634百万円となりました。利益面につきましては、鉄道車両事業の利益が増加した一方、輸送用機器・鉄構事業の利益が減少したことなどにより、営業利益は0.5%増加の8,538百万円、経常利益は2.5%減少の8,641百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、米国子会社における工場売却の決定に伴い減損損失を計上したことなどにより、前連結会計年度に比べ14.2%減少の7,895百万円となりました。
セグメント別の経営成績は以下のとおりです。
・鉄道車両事業
JR向け車両は、JR東海向けおよびJR西日本向けN700A新幹線電車、JR東海向けハイブリッド方式特急車両試験走行車などの売上があり、売上高は23,637百万円となりました。公営・民営鉄道向け車両では、東京メトロ向け丸ノ内線2000系電車、京成電鉄向けスカイライナーAE形電車、3100形電車、新京成電鉄向け80000形電車、名古屋鉄道向け9500系電車、2200系電車などの売上があり、その売上高は13,841百万円となりました。海外向け車両では、インドネシア向け電車などの売上があり、売上高は4,892百万円となりました。この結果、鉄道車両事業としましては、前連結会計年度に比べ海外向け車両は減少しましたが、公営・民営鉄道向け車両が増加したことなどにより、売上高は42,371百万円となり、前連結会計年度に比べ11.4%増加となりました。
・輸送用機器・鉄構事業
輸送用機器におきましては、タンク貨車が増加したほか、キャリヤなどの大型陸上車両、LPG民生用バルクローリなどの売上があり、売上高は8,979百万円となり、前連結会計年度に比べ2.9%増加しました。
鉄構におきましては、福岡高速6号線香椎浜高架橋、新東名高速道路新駒門東第三高架橋、関西本線春田跨線橋架設工事、東海道新幹線大規模改修工事などの売上がありましたが、官公庁向けの道路橋が減少したことなどから、売上高は12,097百万円となり、前連結会計年度に比べ7.4%減少となりました。
以上の結果、輸送用機器・鉄構事業の売上高は21,077百万円となり、前連結会計年度に比べ3.3%減少となりました。
・建設機械事業
建設機械におきましては、東日本大震災復興工事や都市再開発工事の需要などにより、全回転チュービング装置、大型杭打機、小型杭打機などの売上が引き続き高い水準となり、売上高は22,332百万円となり、前連結会計年度に比べ1.6%増加となりました。
発電機におきましては、可搬式発電機の売上が減少したことなどにより、売上高は2,605百万円となり、前連結会計年度に比べ18.4%減少となりました。
以上の結果、建設機械事業の売上高は24,938百万円となり、前連結会計年度に比べ0.9%減少となりました。
・エンジニアリング事業
JR東海向けリニア用機械設備や鉄道事業者向け車両検修設備のほか、各地のJA向け営農プラント、家庭紙メーカー向け製造設備などの売上があり、エンジニアリング事業の売上高は、6,099百万円となり、前連結会計年度に比べ1.6%増加となりました。
なお、新型コロナウィルス感染症の拡大に伴う影響は、第2(事業の状況)2(事業等のリスク)(10)に記載の通り、当社グループの業績や財政状況に影響を及ぼす可能性がありますが、当社グループの製品は、受注から売上まで時間を要し、また受注残高も多いことなどから、その影響は限定的であると判断しております。
また、財政状態は以下のとおりです。
・資産
前連結会計年度末に比べ4.8%減少し127,813百万円となりました。これは、保有する投資有価証券や退職給付に係る資産の評価額が下落したことなどによるものであります。
・負債
前連結会計年度末に比べ8.3%減少し93,308百万円となりました。これは、鉄道車両に係る前受金や、保有する投資有価証券および退職給付に係る資産の評価額の下落に伴い繰延税金負債が減少したことなどによるものであります。
・純資産
前連結会計年度末に比べ6.3%増加し34,504百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益計上により利益剰余金が増加したことなどによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は13,255百万円(前連結会計年度は12,720百万円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
・営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果獲得した資金は1,309百万円(前連結会計年度は1,336百万円の資金の使用)となりました。これは、前連結会計年度に比べて、当連結会計年度は鉄道車両事業を中心に、たな卸資産の増加や受注損失引当金の減少などから資金の使用が少ないことによるものであります。
・投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は1,901百万円(前連結会計年度は1,246百万円の資金の使用)となりました。これは、前連結会計年度に比べて、当連結会計年度は有形固定資産の取得による資金の使用が多いことなどによるものであります。
・財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果獲得した資金は1,147百万円(前連結会計年度は473百万円の資金の使用)となりました。これは、前連結会計年度に比べて、当連結会計年度は長期借入による資金の獲得が多いことなどによるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
鉄道車両事業(百万円) |
44,314 |
+4.6 |
|
輸送用機器・鉄構事業(百万円) |
20,477 |
△8.9 |
|
建設機械事業(百万円) |
21,387 |
△3.6 |
|
エンジニアリング事業(百万円) |
6,869 |
+13.8 |
|
その他(百万円) |
112 |
+156.8 |
|
合計(百万円) |
93,161 |
+0.1 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
|
鉄道車両事業 |
96,031 |
+308.6 |
101,878 |
+111.3 |
|
輸送用機器・鉄構事業 |
15,794 |
△21.7 |
19,732 |
△21.1 |
|
建設機械事業 |
25,760 |
+0.8 |
3,769 |
+27.9 |
|
エンジニアリング事業 |
6,334 |
+14.0 |
2,102 |
+12.5 |
|
その他 |
149 |
+23.5 |
2 |
+537.5 |
|
合計 |
144,070 |
+92.3 |
127,485 |
+63.3 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
鉄道車両事業(百万円) |
42,371 |
+11.4 |
|
輸送用機器・鉄構事業(百万円) |
21,077 |
△3.3 |
|
建設機械事業(百万円) |
24,938 |
△0.9 |
|
エンジニアリング事業(百万円) |
6,099 |
+1.6 |
|
その他(百万円) |
147 |
△9.5 |
|
合計(百万円) |
94,634 |
+3.8 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
東海旅客鉄道㈱ |
19,955 |
21.9 |
18,289 |
19.3 |
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績などの状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績について
(売上高)
鉄道車両事業の売上の増加により、前連結会計年度に比べ3,455百万円増加の94,634百万円となりました。
(営業利益)
前連結会計年度に比べ39百万円増加の8,538百万円となりました。これは、鉄道車両事業における増益の一方で、輸送用機器・鉄構事業の利益率が前連結会計年度に及ばなかったことなどによるものです。
(経常利益)
前連結会計年度に比べ220百万円減少の8,641百万円となりました。これは為替差損の計上によるものです。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
前連結会計年度に比べ1,303百万円減少の7,895百万円となりました。これは子会社であるNIPPON SHARYO U.S.A.,INC.の米国工場の売却に伴い減損損失が発生したことによるものです。
セグメント別の売上高については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
・鉄道車両事業
公営・民営向け車両が増加したことに伴う増収や子会社であるNIPPON SHARYO U.S.A.,INC.の米国工場の閉鎖に伴い工場を維持するための固定費が減少したことなどにより、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ979百万円増加の3,013百万円となりました。
セグメント別資産は、前連結会計年度に比べ620百万円減少の46,827百万円となりました。
・輸送用機器・鉄構事業
主に官公庁向け橋梁の減少による減収や各案件の利益率が前連結会計年度に及ばなかったことなどにより、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ1,145百万円減少の895百万円となりました。
セグメント別資産は、前連結会計年度に比べ858百万円増加の23,415百万円となりました。
・建設機械事業
事業全体の売上は減少したものの、売上製品構成の違いにより利益率が前連結会計年度に比べて高くなったことからセグメント利益は、前連結会計年度に比べ65百万円増加の4,951百万円となりました。
セグメント別資産は、前連結会計年度に比べ160百万円増加の23,138百万円となりました。
・エンジニアリング事業
事業全体では増収となったものの、売上製品構成の違いにより利益率が前連結会計年度に及ばなかったことからセグメント利益は、前連結会計年度に比べ36百万円減少の349百万円となりました。
セグメント別資産は、前連結会計年度に比べ1,762百万円増加の4,668百万円となりました。
当社グループは、中長期経営目標である連結売上高経常利益率5%の安定的確保を実現するべく、マネジメント強化と基礎経営資源のブラッシュアップに取り組んでおります。
今期においては、昨期に引き続き①業務管理体制の強化と人材育成、②当社の強みを発揮できる事業展開による利益の確保、③総合力発揮による技術・製品開発の推進の3つの基本方針のもと、各セグメント毎に受注案件を管理する体制や工程・原価・契約を管理する仕組みの強化を進めるとともに、「全社品質保証委員会」を設置し更なる品質の向上に取り組んでまいりました。
また、2019年4月に制定した新・企業理念「私たちが大切にする価値~日車Value、私たちの行動指針~日車Way」の浸透とより風通しの良い組織文化を目指し人材育成に取り組みました。
上述の取り組みにより、今期においては、目標とする連結売上高経常利益率5%を上回る9.1%を確保いたしました。引き続き当該指標の維持・向上に取り組んでまいります。
財政状態について
財政状態については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
キャッシュ・フローの状況の分析・検討について
キャッシュ・フローの状況の分析・検討については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グル-プの主要製品は、鉄道車両や橋梁など受注生産品がその多くを占め、それぞれの受注単位も比較的大きいことから、各年度により製造ないし売上の製品構成が大きく変化します。このため、操業度の平準化や製品毎に異なる仕様への効率的な対応が恒常的な課題となります。この課題に対し、受注案件毎の工程・原価等の変動を適時適切に管理する体制を整備しております。
また、受注から納入まで時間を要する案件が多いため、原材料価格の変動が経営成績に大きく影響することから、原材料については、適時調達や歩留まりの向上を進めるなど需給環境の変化に対応するための取り組みを行い、コスト上昇の抑制に努め、リスク低減に努めてまいります。
当社グループの資本の財源および資金の流動性について
当社グループは、健全な財務バランスを保ちつつ、事業活動に必要な資金の安定的な確保および流動性の維持に努めております。主な資金使途としては、製造能力の維持・向上を目的とした設備投資、生産する製品の原材料費、人件費や外注費、各製品の競争力を強化するための新技術・新工法の導入に係る研究開発費等があります。それらの資金については、内部資金を充当するほか、親会社(東海旅客鉄道㈱)グループが運営するCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)に参画し、親会社との連携強化により当座必要となる資金をCMSから機動的に調達できる状態としているため、資金流動性については、資金計画に基づき想定される需要に十分対応できる資金を確保しております。
重要な会計上の見積りおよび仮定
当社グループの連結財務諸表の作成にあたり、経営者は会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の金額に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定を行っております。当社グループが行った重要な会計上の見積りおよび使用した仮定は継続して見直しを行っており、その変更による影響は、見積りおよび仮定の不確実性により、将来の期間において資産または負債の帳簿価額に対して重要な修正を求める可能性があります。なお、新型コロナウィルス感染症の拡大に伴う影響は、第2(事業の状況)2(事業等のリスク)(10)に記載の通り、当社グループの業績や財政状況に影響を及ぼす可能性がありますが、当社グループの製品は、受注から売上まで時間を要し、また受注残高も多いことなどから、新型コロナウィルス感染症の影響は限定的であるとの仮定を置き、当事業年度末時点で入手可能な情報に基づき会計上の見積りを行っております。当社グループが行った重要な会計上の見積りおよび使用した仮定は以下のとおりであります。
①重要な収益の計上基準(工事進行基準)
当社グループは工事進行基準の適用にあたり、工事契約単位ごとの請負金額に、見積原価を基に発生済原価を用いて計算した進捗度を乗じて工事収益の金額を算定しております。見積原価は、工事場所、工期、工事内容に基づいて見積りを行っています。
②繰延税金資産の回収可能性
当社グループは繰延税金資産の回収可能性についての判断にあたり、将来減算一時差異および税務上の繰越欠損金のうちスケジューリングによる解消見込年度に応じて、将来の合理的な見積可能期間における課税所得の見込額の範囲内で繰延税金資産を計上しております。課税所得の見込額の算定には業績予想などを使用しております。
③たな卸資産の評価および受注損失引当金
当社グループは仕掛品の評価損および受注損失引当金の算定にあたり、受注件名ごとに受注金額と見積原価の比較を行っております。見積原価の算定においては、過去の生産実績に基づき設計・製造等の負荷予測を行うとともに、量産進捗時の習熟度向上による原価改善等を考慮しております。
(1)技術受入契約
なし
(2)技術援助契約
|
契約会社名 |
相手方の名称 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
日本車輌製造㈱ (当社) |
ピーティー(プルセロ)・インダストリ・クレタ・アピ社 (インドネシア) |
客車高速走行用台車 |
・契約調印後一定額の一時金 ・売上数量に対し一定額 ・技術指導料 |
1993.10.28~ 2020.10.27 (自動延長条項付) |
(3)固定資産の賃貸借契約に関する契約
2017年4月20日に工場資産を当社の親会社である東海旅客鉄道㈱へ譲渡しましたが、工場資産は当社の事業用資産であり、譲渡後においても当社の使用継続を可能とするため、当社は東海旅客鉄道㈱との間で賃貸借契約を締結し、従前どおり工場として使用を継続しております。
当社グループの事業の主幹をなす鉄道車両、輸送用機器・鉄構、建設機械、エンジニアリングなどの各分野では、技術力の強化と生産性の向上を図り各製品の競争力を強化するとともに、変化する社会ニーズに対応して新技術を取り入れた新商品、新工法の開発を進めております。
当連結会計年度における研究開発は以下の通りであります。なお、研究開発費については、各セグメントに配分で
きない費用469百万円が含まれており、当連結会計年度の当社グループの研究開発費は
(1)鉄道車両事業
鉄道車両本部が中心となり、鉄道車両関連の開発を行っております。当連結会計年度の主な成果として衝突対策等の安全性向上に関する技術開発、状態監視システム等の信頼性向上に関する技術開発、騒音・振動低減等の快適性向上に関する技術開発が挙げられます。
鉄道車両事業に係る研究開発費は、
(2)輸送用機器・鉄構事業
輸機・インフラ本部が中心となり、化工機、産業車両等の輸送用機器の開発、道路橋、鉄道橋などの鋼構造物の開発を行っております。当連結会計年度の主な成果として、市場拡大を目指したタンクローリ車および重量物運搬車両の製品開発、橋梁における現場施工コンクリートの品質向上技術の開発が挙げられます。
輸送用機器・鉄構事業に係る研究開発費は、
(3)建設機械事業
機電本部が中心となり、杭打機、全回転チュービング装置などの基礎工事用機械およびディーゼル発電機などの開発を行っております。当連結会計年度の主な成果として、小型杭打機のモデルチェンジ開発、軽量型全回転チュービング装置の開発、センサネットワーク方式施工管理装置の開発、海外向け専用中型ディーゼル発電機の開発等が挙げられます。
建設機械事業に係る研究開発費は、
(4)エンジニアリング事業
エンジニアリング本部が中心となり、リニア用機械設備、営農施設関連の研究開発を行い、製品の競争力強化と新商品開発に取り組んでおります。
エンジニアリング事業に係る研究開発費は、