第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「インフラストラクチャー創造企業」として、健全経営のもと、最高品質のものづくりを通じて社会基盤の充実と発展に幅広く貢献していくことを企業理念としております。その実現に向けて、「お客様の満足」「会社の発展」「規範の遵守」に価値を置き、「責任感」「コミュニケーション」「人材育成」「自己変革」「挑戦」の5つを社員一人ひとりの行動指針として掲げて、事業を運営しております。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、2021年3月に公表しました2021年度~2023年度中期経営計画「日車変革2030」において、2024年3月期に連結売上高営業利益率8.0%、ROIC(投下資本利益率)6.5%を達成することを目標としております。

 

(3)中長期的な経営戦略

2021年の中期経営計画「日車変革2030」策定にあたり、2030年までになりたい姿を表す長期ビジョン「現場に安全と信頼をスマートに提供し、お客様の課題を解決するビジネスパートナーになる」を策定しました。これは、今後加速する少子高齢化やカーボンニュートラルに対する意識の高まりなど外部環境の大きな変化を踏まえ、製品の需要変動に極力左右されない収益構造への転換が不可欠であるとの認識に立ったものです。

この長期ビジョンを踏まえ、中期経営計画「日車変革2030」では重点的に取り組む事項を3本柱として掲げております。

①「収益力(利益を稼ぎ出す力)の徹底強化」

②「成長のための事業基盤改革」

③「ビジネスモデル変革の実現」

 加えて、中長期的な企業価値の向上に向け、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティを巡る課題にも適切に対応すべく、取締役会においてサステナビリティ基本方針を策定しました。また、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ推進委員会」を設置し、長期的な視点で重要課題を特定した上で、その解決に向けた取り組みを推進しています。

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

(鉄道車両事業)

新型コロナウイルス感染症の影響長期化による更新需要の縮小など、今後も厳しい受注環境が継続すると見込まれます。

このような環境下において、新幹線電車をはじめ、特急型車両、通勤型車両、事業用車両等、幅広い車種に対応できる強みを生かしつつ、新ブランドN-QUALISや状態監視技術等を活用した技術開発による差別化と生産プロセスの改善等によるコスト低減に努め、競争力の強化を継続して進めていきます。

(輸送用機器・鉄構事業)

輸送用機器は、新型コロナウイルス感染症の影響長期化による内外経済の不透明感からくる設備投資の抑制などにより厳しい受注環境にあります。このような環境下において、主力の高圧ガスタンクローリや大型陸上車両(キャリヤ)を中心に、市場ニーズを捉えた新製品の投入や新技術の導入に向けた技術開発を進めるとともに、設計の標準化等によるコスト低減を進め、競争力の強化と新規顧客の開拓に努めていきます。

鉄構は、新設橋梁は引き続き一定量の発注量があるものと予測されますが、厳しい受注環境が継続するものと思われます。一方、高速道路の大規模更新・大規模修繕の発注量が増加傾向にあるなど老朽化対策による補修・保全事業の重要性が一層高まっています。このような環境を踏まえ、コスト低減を進めるほか、新設橋梁は引き続き技術提案能力の強化に努め、受注量を確保するとともに、補修・保全事業では、東海道新幹線の大規模改修工事における橋梁補修の工事実績を通じて蓄積したノウハウを活かして道路橋の補修・保全工事の受注拡大に努めていきます。

以上の取組みを通じて、輸送用機器・鉄構事業の損失改善に努めていきます。

(建設機械事業)

国内外の市場においては、新型コロナウイルス感染症の影響長期化に伴う景気への下振れリスクにより、需要の不透明感が増しています。このような環境下において、杭打機をはじめとする建設機械の製造・開発ノウハウを生かし、各地域のニーズに合った柔軟な対応を進めるとともに、自動化・省力化などを実現することにより、競争力の強化に努めていきます。

(エンジニアリング事業)

鉄道事業者向け機械設備、穀物乾燥調製貯蔵施設及び製紙機械は社会基盤として不可欠な設備であり、今後も一定の需要が継続すると見込まれます。これらの設備には安全性向上、省力化に加え、高齢化や労働力不足を補う省人化や保守性の向上が求められており、市場ニーズにきめ細かく対応する提案を進めることにより、収益確保に努めていきます。

 

加えて、2021年度より、親会社から2017年11月に借り入れた長期借入金の返済が始まりました。引き続き、長期借入金を着実に縮減し、財務基盤の強化に努めていきます。

 

なお、新型コロナウイルス感染症の影響長期化に伴い、当社グループの業績や財政状況に影響を及ぼす可能性がありますが、各事業において懸念される受注環境への対策を行うとともに、企業活動の一時的な停止を防止するため、営業活動におけるオンライン会議の導入、操業の維持を図った上での時差出勤や在宅勤務の実施、勤務中のマスクの着用等の感染防止対策を徹底しております。

 

2【事業等のリスク】

当社グループの業績や財務状況などに影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年6月29日)現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクがこれらに限られるものではありません。また、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

 

(販売活動に係るリスク)

(1)受注契約

当社グループは、請負金額が大きい等の重要な受注案件について、受注契約締結前に工程、原価、契約等のリスクについて各部門における受注審査や取締役会等の会議体を通じ社内検討を十分行っておりますが、原材料の高騰や設計変更など受注時の社内検討を超えた変更があった場合には、事業採算の悪化により、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)法令・規制

当社グループにおいては、法令・規制の遵守を徹底するために「日本車両グループ倫理規程」を定め、その規程に基づいて遵守体制のチェックや発生した問題への対処策の検討を行うためコンプライアンス委員会を設置しております。また、法令遵守のための行動基準を定めた「私たちの行動規範」を全社員へ配布することや知悉度確認の実施などコンプライアンス意識の浸透・定着及び知識の向上に努めております。しかしながら、当社グループの事業活動の上で各国・各地域の各種法令や規制等の制約を受けており、法令・規制の変更への対応が適切でない等の場合には、過料・課徴金等による損失や行政処分等による受注機会損失、またそれらに伴う社会的評価の低下により、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(生産活動・開発に係るリスク)

(3)原材料及び部品調達

当社グループの事業には、受注から納入まで時間を要する個別受注案件が多いことから、その間の需給環境の変化による影響を受けやすくなっております。適時調達や歩留まりの向上を進めるなど需給環境の変化に対応するよう努めておりますが、原材料、部品等の急激な価格変動が発生し製品の販売価格に十分に転嫁できない場合や、部品等の大幅な納期遅延により工程に影響が及んだ場合には、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)クレームの発生

当社グループは、健全経営のもと、最高品質のものづくりを通じて社会基盤の充実と発展に幅広く貢献することを企業理念として掲げており、品質について、製作所相互の現場点検や過去の不具合情報から同種事象を未然に防ぐ取り組みなどにより、各職場のレベルアップを図っております。しかしながら、予測できない原因により品質問題が発生し、重大なクレームが発生した場合には当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)特定ベンダーへの依存

当社グループは、部品のさらなる安定的な供給を目指すべくベンダーの拡大に努めておりますが、部品によっては供給できるベンダーが少なく、予期せぬベンダーの廃業や操業停止等があった場合には、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(気候変動・環境に関するリスク)

(6)気候変動

当社グループは、「環境活動方針」を制定し、低炭素社会・循環型社会の実現に向けた取組みを推進しています。とりわけ気候変動への対処は重要な課題であると認識しており、災害時の事業継続計画を策定するとともに、カーボンニュートラルに資する製品・サービス開発を進めてまいります。気候変動に起因する自然災害が激甚化し、当社グループやベンダーの施設が損傷などの被害を受け、生産・販売等の事業活動に影響が及んだ場合には、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)環境規制

当社グループは、有害物質の使用及び取り扱い、廃棄物処理、製品含有化学物質ならびに土壌・地下水汚染の規制などを目的とした様々な環境法令の適用を受けており、環境規制及び関連法規等を順守するため、リサイクル推進による廃棄物の最終処分量の削減やエネルギー効率の良い生産設備への更新などを順次進めています。しかし、将来における環境規制の変更により、当社グループにとって更に多くの対応が必要になった場合、あるいは製品の開発、生産、販売・サービス活動等に支障をきたした場合、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(事故・災害等に関するイベント性のリスク)

(8)訴訟リスク

当社グループの各事業活動に関連して、事業運営に関する訴訟リスクが継続的に存在することから、重要な訴訟等が提起された場合は、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)情報セキュリティ

当社グループは、技術や営業等事業の機密情報を有するとともに、取引先等の機密情報に接しております。機密情報の外部への流出を防止するため、社内規程の整備やセキュリティシステムの強化等を講じているほか、情報セキュリティに関する教育を実施するなどコンプライアンス意識の浸透・定着に努めております。しかしながら、情報管理上不測の事態が生じて機密情報が滅失ないし漏洩し、社会的評価が低下した場合に、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)事故・災害等

当社グループにおいては、発生した労働災害について取締役会等の会議体へ報告を行い実施された対策等についてチェックを行う体制を整備することでリスク管理を徹底し労働安全に取り組んでいます。また、地震・台風等を想定した事業継続計画を策定しております。加えて、新型コロナウイルス感染症の影響長期化に対しては、営業活動におけるオンライン会議の導入や操業の維持を図った上で時差出勤や在宅勤務を取り入れるなど影響を最小化するよう努めております。しかしながら、製作所における不測の事故、大規模災害や感染症の大規模な流行等が発生した場合には、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度の売上高は80百万円増加し、売上原価は77百万円増加し、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ2百万円増加しております。詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

 ①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動の制限と緩和が繰り返される中で、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られました。しかし、半導体の供給不足及び原材料価格の動向、また変異株をはじめ感染症による内外経済の影響、更にウクライナ情勢の緊迫化等による下振れリスクを注視する必要があり、依然として先行きが不透明な状況が続いております。

このような経営環境のもと、当連結会計年度の当社グループの業績は、エンジニアリング事業の売上が増加した一方、鉄道車両事業、輸送用機器・鉄構事業、建設機械事業の売上が減少したことなどにより、売上高は前連結会計年度に比べ5.5%減少の94,022百万円となりました。利益面につきましては、エンジニアリング事業の利益が増加した一方、鉄道車両事業、輸送用機器・鉄構事業、建設機械事業の利益が減少したことなどにより、営業利益は31.1%減少の6,237百万円、経常利益は32.1%減少の6,317百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ34.1%減少の5,226百万円となりました。

セグメント別の経営成績は以下のとおりです。

・鉄道車両事業

JR向け車両は、JR東海向けN700S新幹線電車や315系電車、JR東日本向けレール輸送車などの売上があり、売上高は38,882百万円となりました。公営・民営鉄道向け車両では、小田急電鉄向け電車、名古屋市交通局向け電車などの売上があり、売上高は9,075百万円となりました。以上の結果、鉄道車両事業としましては、前連結会計年度に比してJR東日本向けレール輸送車が減少したことなどにより、売上高は47,958百万円となり、前連結会計年度に比べ5.0%減少となりました。

・輸送用機器・鉄構事業

輸送用機器におきましては、貨車の売上が前連結会計年度に比して増加しましたが、無人搬送装置や民生用バルクローリなどが減少しました。

鉄構におきましては、大野油坂道路中津川高架橋鋼上部工事、谷郷池橋、圏央道島名第一橋、東海道新幹線大規模改修工事などの売上がありましたが、官公庁向けの道路橋などが前連結会計年度に比して減少しました。

以上の結果、輸送用機器・鉄構事業の売上高は13,855百万円となり、前連結会計年度に比べ25.1%減少となりました。

・建設機械事業

都市再開発工事の需要などにより建設機械の売上が引き続き高い水準となりましたが、既に撤退した発電機事業が前連結会計年度に比して減少したことなどにより、建設機械事業の売上高は20,185百万円となり、前連結会計年度に比べ6.7%減少となりました。

・エンジニアリング事業

鉄道事業者向け機械設備のほか、家庭紙メーカー向け製造設備、各地のJA向け営農プラントなどの売上があり、鉄道事業者向け機械設備や家庭紙メーカー向け製造設備が前連結会計年度に比して増加したことなどにより、エンジニアリング事業の売上高は11,957百万円となり、前連結会計年度に比べ36.8%増加となりました。

 

  また、財政状態は以下のとおりです。

  ・資産

前連結会計年度末に比べ2.7%減少し132,868百万円となりました。これは、短期貸付金が増加した一方で、全事業で受取手形及び売掛金が減少したことや、保有する投資有価証券の評価額が下落したことなどによるものであります。

  ・負債

前連結会計年度末に比べ7.1%減少し84,849百万円となりました。これは、長期借入金の返済や、保有する投資有価証券の評価額の下落に伴い繰延税金負債が減少したことなどによるものであります。

  ・純資産

前連結会計年度末に比べ6.0%増加し48,018百万円となりました。これは、その他有価証券評価差額金が減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したため利益剰余金が増加したことなどによるものであります。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、29,111百万円(前連結会計年度末は20,766百万円)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

  ・営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果獲得した資金は14,507百万円(前連結会計年度は11,537百万円の獲得)となりました。これは、前連結会計年度に比べて、当連結会計年度は全事業に係る売上債権の減少による資金の獲得が多いことなどによるものであります。

  ・投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は2,637百万円(前連結会計年度は2,294百万円の使用)となりました。これは、前連結会計年度に比べて、当連結会計年度は投資有価証券の売却による資金の獲得が少ないことなどによるものであります。

  ・財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果使用した資金は3,571百万円(前連結会計年度は1,638百万円の使用)となりました。これは、前連結会計年度に比べて、当連結会計年度は借入金の返済による資金の使用が多いことなどによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

鉄道車両事業(百万円)

49,421

△0.7

輸送用機器・鉄構事業(百万円)

14,349

△19.7

建設機械事業(百万円)

17,235

△8.6

エンジニアリング事業(百万円)

11,773

+27.0

その他(百万円)

6

△51.6

合計(百万円)

92,785

△3.1

 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.金額は、販売価格によっております。

b.受注状況

 当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(百万円)

前年同期比

(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比

(%)

鉄道車両事業

26,626

△56.2

89,529

△20.2

輸送用機器・鉄構事業

15,222

△8.0

18,025

+1.4

建設機械事業

22,738

△22.4

13,976

+22.3

エンジニアリング事業

10,281

+0.1

1,961

△46.1

その他

65

△12.8

合計

74,934

△36.0

123,494

△14.9

 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

鉄道車両事業(百万円)

47,958

△5.0

輸送用機器・鉄構事業(百万円)

13,855

△25.1

建設機械事業(百万円)

20,185

△6.7

エンジニアリング事業(百万円)

11,957

+36.8

その他(百万円)

65

△15.0

合計(百万円)

94,022

△5.5

 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

  至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

東海旅客鉄道㈱

31,605

31.8

41,807

44.5

 

(2)経営者の視点による経営成績などの状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 当社グループの当連結会計年度の経営成績について

(売上高)

エンジニアリング事業の売上が増加した一方で、鉄道車両事業、輸送用機器・鉄構事業、及び建設機械事業の減少により、前連結会計年度に比べ5,426百万円減少の94,022百万円となりました。

(営業利益)

エンジニアリング事業の増益の一方で、鉄道車両事業、輸送用機器・鉄構事業、及び建設機械事業における減益により、前連結会計年度に比べ2,810百万円減少の6,237百万円となりました。

(経常利益)

前連結会計年度に比べ2,983百万円減少の6,317百万円となりました。これは、営業利益の減少などによるものです。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

前連結会計年度に比べ2,701百万円減少の5,226百万円となりました。これは、経常利益の減少などによるものです。

 

セグメント別の売上高については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

・鉄道車両事業

JR東日本向けレール輸送車が減少したことなどにより、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ588百万円減少の4,418百万円となりました。

セグメント別資産は、前連結会計年度に比べ4,467百万円減少の40,848百万円となりました。

 

・輸送用機器・鉄構事業

無人搬送装置、民生用バルクローリ、及び官公庁向けの道路橋などが減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ1,976百万円減少のセグメント損失1,264百万円となりました。

セグメント別資産は、前連結会計年度に比べ1,868百万円減少の18,248百万円となりました。

 

・建設機械事業

既に撤退した発電機事業が減少したことなどにより、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ587百万円減少の3,392百万円となりました。

セグメント別資産は、前連結会計年度に比べ1,624百万円減少の20,773百万円となりました。

 

・エンジニアリング事業

鉄道事業者向け機械設備や家庭紙メーカー向け製造設備が増加したことなどにより、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ276百万円増加の608百万円となりました。

セグメント別資産は、前連結会計年度に比べ1,096百万円減少の4,804百万円となりました。

 

財政状態について

財政状態については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

キャッシュ・フローの状況の分析・検討について

キャッシュ・フローの状況の分析・検討については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの主要製品は、鉄道車両や橋梁など受注生産品がその多くを占め、それぞれの受注単位も比較的大きいことから、各年度により製造ないし売上の製品構成が大きく変化します。このため、操業度の平準化や製品毎に異なる仕様への効率的な対応が恒常的な課題となります。この課題に対し、受注案件毎の工程・原価等の変動を適時適切に管理する体制を整備しております。

また、受注から納入まで時間を要する案件が多いため、原材料価格の変動が経営成績に大きく影響することから、原材料については、適時調達や歩留まりの向上を進めるなど需給環境の変化に対応するための取り組みを行い、コスト上昇の抑制に努め、リスク低減に努めてまいります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性について

当社グループは、健全な財務バランスを保ちつつ、事業活動に必要な資金の安定的な確保及び流動性の維持に努めております。主な資金使途としては、製造能力の維持・向上を目的とした設備投資、生産する製品の原材料費、人件費や外注費、各製品の競争力を強化するための新技術・新工法の導入に係る研究開発費等があります。それらの資金については、内部資金を充当するほか、親会社(東海旅客鉄道㈱)グループが運営するCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)に参画し、親会社との連携強化により当座必要となる資金をCMSから機動的に調達できる状態としているため、資金流動性については、資金計画に基づき想定される需要に十分対応できる資金を確保しております。

 

重要な会計上の見積り及び仮定について

当社グループの連結財務諸表の作成にあたり、経営者は会計方針の適用ならびに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行っております。当社グループが行った重要な会計上の見積り及び使用した仮定は継続して見直しを行っており、その変更による影響は、見積り及び仮定の不確実性により、将来の期間において資産又は負債の帳簿価額に対して重要な修正を求める可能性があります。当社グループが行った重要な会計上の見積り及び使用した仮定は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)技術受入契約

なし

 

(2)技術援助契約

契約会社名

相手方の名称

契約品目

契約内容

契約期間

日本車輌製造株式会社

(当社)

ピーティー(プルセロ)・インダストリ・クレタ・アピ社

(インドネシア)

客車高速走行用台車

・契約調印後一定額の一時金

・売上数量に対し一定額

・技術指導料

1993.10.28~

2022.10.27

(自動延長条項付)

 

(3)固定資産の賃貸借契約に関する契約

2017年4月20日に工場資産を当社の親会社である東海旅客鉄道㈱へ譲渡しましたが、工場資産は当社の事業用資産であり、譲渡後においても当社の使用継続を可能とするため、当社は東海旅客鉄道㈱との間で賃貸借契約を締結し、従前どおり工場として使用を継続しております。

 

5【研究開発活動】

当社グループの事業の主幹をなす鉄道車両、輸送用機器・鉄構、建設機械、エンジニアリングなどの各分野では、「日車変革2030」に掲げた長期ビジョン「現場に安全と信頼をスマートに提供し、お客様の課題を解決するビジネスパートナーになる」に基づき、技術力の強化と品質・生産性の向上を図り各製品の競争力を強化するとともに、環境負荷低減や省人化など変化する社会ニーズに対応して新技術を取り入れた新商品、新工法の開発を進めております。

また、当社のものづくりの基盤となる技術の研究を大学などの研究機関と連携し積極的に取り組んでいます。

当連結会計年度における研究開発は以下のとおりであります。なお、研究開発費については、各セグメントに配分できない費用595百万円が含まれており、当連結会計年度の当社グループの研究開発費は2,127百万円であります。

 

(1)鉄道車両事業

鉄道車両本部が中心となり、鉄道車両関連の開発を行っております。当連結会計年度の主な成果として新ブランドN-QUALISのコンセプトである安全性・品質・保守性の向上に関する技術開発及びその実用化が挙げられます。

鉄道車両事業に係る研究開発費は、707百万円であります。

(2)輸送用機器・鉄構事業

輸機・インフラ本部が中心となり、化工機、産業車両等の輸送用機器の開発、道路橋、鉄道橋などの鋼構造物の開発を行っております。当連結会計年度の主な成果として、新型タンクローリの開発、省人化に対応した重量物運搬車両の開発、橋梁における現場施工の品質向上に関する技術の開発が挙げられます。

輸送用機器・鉄構事業に係る研究開発費は、306百万円であります。

(3)建設機械事業

機電本部が中心となり、杭打機、全回転チュービング装置などの基礎工事用機械の開発を行っております。当連結会計年度の主な成果として、韓国向け大型杭打機の開発、小型杭打機の地盤改良仕様開発、低空頭全回転チュービング装置の開発、施工管理システムの機能強化開発等が挙げられます。

建設機械事業に係る研究開発費は、496百万円であります。

(4)エンジニアリング事業

エンジニアリング本部が中心となり、鉄道用機械設備、営農施設関連の研究開発を行い、製品の競争力強化と新商品開発に取り組んでおります。

エンジニアリング事業に係る研究開発費は、21百万円であります。