文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(当事業年度末)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、企業理念及び経営方針を策定しております。
・企業理念
「世界のあらゆる物流シーンで、お客様にソリューションを提供し続け、未来創りに貢献する」
・経営方針
①「安全」……………安全がすべての基本であるという理念の下、常に「安全第一」を心がけます。
②「従業員」…………個性、創造性、挑戦する姿勢を尊重し、働き甲斐のある職場づくりを目指します。
③「お客様」…………物流に携わるすべての人々に心からご満足いただける商品・サービスを提供します。
④「技術」……………最先端の技術により、物流の未来に新しい価値を創造します。
⑤「品質」……………日々の研鑽に努め、世界に選ばれる品質を追求し続けます。
⑥「環境」……………グローバルな視点で地球環境の保全に努め、地域社会の継続的な発展に貢献します。
⑦「コンプライアンス」……法令その他の社会規範を遵守し、誠実かつ公正に事業活動を遂行します。
(2) 経営戦略等
当社は2016年12月に、新たに中期経営計画「Perfect Integration 2020」を策定いたしました。
中期経営計画「Perfect Integration 2020」では、当社の前身でありますニチユ三菱フォークリフト㈱並びにユニキャリア㈱両社がこれまで培ってきた販売、技術、生産のノウハウを結集し強固な事業体質を構築、全グループ一丸となって成長と収益力の向上に取り組んでまいります。
中期経営計画「Perfect Integration 2020」の骨子
1. 基本方針
「マルチブランド/グローカル戦略による成長」、「成長を支える経営基盤の強化」を基本方針に定め、世界トップクラスの総合物流メーカーを目指します。
2. マルチブランド/グローカル戦略による成長
「成熟国市場への対応」、「新興国市場での事業拡大」、「新規事業の創出」の3つの視点から持続的成長を図ります。
3. 成長戦略を支える経営基盤の強化
「サプライチェーンの最適化」、「コーポレート機能の効率化と強化」を柱に成長戦略を支え、収益力の向上を図ります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度を含む直近3事業年度の主要な経営指標は以下のとおりです。
当社は前述の中期経営計画「Perfect Integration 2020」において2020年度に売上高4,600億円、のれん等償却前営業利益率7%の達成を目指してまいりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大による経営環境の悪化から、その達成は困難と判断しております。
(単位:百万円)
|
|
117期 |
118期 |
119期 |
|
売上高 |
433,092 |
448,381 |
448,918 |
|
のれん等償却前営業利益 |
19,132 |
21,981 |
18,331 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) |
2,941 |
7,077 |
△5,243 |
|
純資産額 |
62,390 |
68,503 |
57,326 |
|
総資産額 |
374,940 |
367,662 |
373,640 |
|
のれん等償却前営業利益率 |
4.4% |
4.9% |
4.1% |
|
自己資本利益率 |
5.0% |
11.2% |
△8.7% |
|
総資本利益率 |
0.8% |
1.9% |
△1.4% |
(4) 経営環境
米中経済摩擦の影響が色濃く残る中で発生した、新型コロナウイルス感染症の世界的流行による経済活動の停滞は、世界経済に大打撃を与え、世界恐慌以来の大幅な景気後退が眼前の危機として迫ってきております。リーマンショック以来、右肩上がりで伸長してきた世界のフォークリフト販売も昨年は減少に転じ、新型コロナウイルス感染症の影響により今年は更なる落込みが懸念されております。一方で、生活必需品などの物資不足は、情報共有の促進と物流現場との連携による全体最適の早期実現へのニーズの高まりとなり、物流業界の動向が改めて注目を集めてきております。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
このような経営環境の下、当社においては新型コロナウイルス感染症による事業への影響を慎重に注視しつつ、環境変化に柔軟に対応できる体制を整えるとともに、以下の重要課題に対処することで、中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。
1.PMI(Post Merger Integration)の深化による収益力の強化
(国内)2020年10月予定の直系販社再編による効率化、顧客対応の向上
2019年11月販売開始の統合モデル「アレシス」の拡販強化
(海外)欧州、アジア(共に2020年4月)他での子会社統合、需要変動を見越した機種統合・生産再編の加速
2.直販網を活かした顧客ニーズの早期取込みとアフターサービス事業強化による収益源の多角化
(国内)営業網・サービス網の再編による人員配置最適化、サービス業務へのIT活用推進
(海外)2019年年7月に買収完了した北米販売会社を起点とする直販網の再編・強化
3.成長分野である省人化・自律化ニーズの取込み
標準化が難しい荷役作業にあって、喫緊の対応策として、人との協業を前提とした省人化・自律化のニーズの高まりがあり、国内及び欧州で培った自動化技術の進化と、他社との協業を推進し、今後成長が見込まれる米国を始め、グローバルな事業展開を加速してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)リスク管理体制
当社グループは、経営に重大な影響を及ぼすリスクに対して、リスクの未然防止及び顕在時のリスクの最小化を図るため、リスク管理の推進・運営上の最高機関としてリスク・コンプライアンス委員会を設置し、グループ全体のリスク情報を統括・集約し、統一管理する体制を構築しています。半期毎に各部門においてリスクの洗い出しを行い、リスクの分析・評価を実施し重大リスクを決定しております。重大リスクのうち特に優先度の高いリスクについてはアクションプランを作成し、日常よりリスクの低減活動に取り組んでいます。グループ会社についても、各社にリスク管理責任者を配置し、当社に準じたプロセスでリスク管理活動に取り組んでいます。
これらの活動状況については、四半期毎に開催するリスク・コンプライアンス委員会に報告され、重大リスクの状況及び対策の有効性についての評価を実施し、その結果を取締役会に報告しています。なお、リスク・コンプライアンス委員会には常勤監査役も陪席し、適宜意見を述べています。
《基本方針》
リスク管理体制を構築し、リスク管理活動を継続的に実践することで、当社の事業活動の永続的な発展を確保する。
1.重大なリスクを特定し、リスクの未然防止に努める。
2.リスクが顕在化した場合、リスクを最小化するとともに速やかな回復に努め、再発防止を図る。
3.お客様、社会、株主、役員及び従業員の利益を損なわないように活動する。
4.役員及び従業員のリスクに対する認識やリスク管理能力を向上させ、社会的要請に応える。
《リスク管理体制図》
《運用イメージ》
(2)リスクの分類
|
分類 |
リスク |
内容 |
主要な取組み |
|
マーケットリスク |
景気変動リスク |
米中経済摩擦や新型肺炎影響による景気後退 |
直販推進、サービス強化による収益源多角化 |
|
災害リスク |
事業継続リスク |
災害、パンデミック等による事業継続リスク |
BCP策定と定期的なメンテナンス |
|
オペレーションリスク |
M&A関連リスク |
・買収子会社の事業計画未達等による減損 ・シンジケートローンの財務制限条項抵触による資金繰りへの影響 |
・経営会議等による事前審議 ・買収後のシナジー創出の進捗確認や定期的なフォローアップ
|
|
品質リスク |
新製品の評価不足による市場クレームの発生 |
新型振動試験機の導入 |
|
|
販売リスク |
販社再編を契機にした既存顧客離れ |
シナジー創出案の提案と理解 |
|
|
調達リスク |
他業界影響により取引先生産能力が逼迫 |
モニタリングと計画的な転注推進 |
|
|
情報漏洩リスク |
外部ハッキング等による機密情報漏洩 |
ファイアウォール設置、脆弱性診断、セキュリティ教育の実施 |
|
|
財務リスク |
与信リスク |
得意先、取引先の経営破綻 |
定期的な与信管理 |
|
為替・金利変動リスク |
海外子会社の事業活動停滞及び円換算への影響 |
マルチカレンシーによるリスク分散 |
|
|
税制リスク |
移転価格税制対応等による課税リスク |
関係税務当局とのAPA(移転価格税制における事前確認制度)締結推進 |
|
|
カントリーリスク |
政変・テロ等による損害発生 |
事業展開の適度な分散 |
|
|
コンプライアンス |
法令順守リスク |
下請法、建業法、独禁法などに抵触するリスク |
教育の徹底と定期的なモニタリング |
|
人材リスク |
人材確保リスク |
組織統合による人材流出リスク |
事前の意見交換実施と実行計画への反映 |
|
訴訟リスク |
IPリスク |
知財侵害による訴訟提起 |
関連特許の継続的調査 |
|
PLリスク |
PL訴訟などの提起後の対応により損失が拡大する |
グループ会社間での情報共有推進 |
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、先行き不安を抱える中で手探り状態が続く形での推移となりました。長引く米中貿易摩擦に端を発した各国輸出産業の停滞は一部では底を打ったとの評もあるものの、経済環境の良化は顕著とは言えず、製造業を中心とした新規投資抑制の動きはむしろ加速する様相を呈しております。同様の傾向は日本経済にも見られ、他地域に比すれば堅調ではあるものの、今後の経済状況に対する様子見の状況にあることは同様であり、打開策が見えない状態が続いております。こうした中、中国では昨年発見されたCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)がその猛威を振るい始め、中国国内の人・物の流通は完全に停止状態に陥りました。
これら経済状況は当然物流業界にも大きな影響を及ぼしており、各地域で設備投資先送り等が数多く発生しております。このような中、競合環境も更に厳しさを増しており、今後の市場動向に対する大きな不安を拭い切れない状況が続いております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計は3,736億4千万円となり、前連結会計年度末より59億7千7百万円の増加となりました。主な要因は、Equipment Depot, Inc.(以下、「EQD社」)の買収取得による資産増加です。
負債合計は3,163億1千4百万円となり、前連結会計年度末より171億5千5百万円の増加となりました。主な要因は、EQD社の買収取得のための短期及び長期借入金による増加です。
また、新株予約権及び非支配株主持分を除く純資産につきましては、548億7千8百万円となり、前連結会計年度末より111億2千5百万円の減少となりました。これは、利益剰余金66億6千万円の減少、その他有価証券評価差額金10億1千1百万円の減少及び為替換算調整勘定30億8千3百万円の減少によるものであります。
この結果、自己資本比率は14.7%(前連結会計年度は18.0%)、1株当たり純資産額は515円15銭(前連結会計年度は619円85銭)となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における連結売上高は、4,489億1千8百万円(前連結会計年度比0.1%増加)となりました。利益面につきましては、営業利益は米州及び中国地域の減益が影響し、営業利益は84億3千7百万円(同35.9%減少)、経常利益は70億4千5百万円(同48.6%減少)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損失につきましては、欧州、中国及びタイの子会社が保有する固定資産・のれんの一部について、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響や足元の経済状況等を踏まえ、将来の回収可能価額を見直した結果、減損損失を特別損失として計上したこともあり、52億4千3百万円(前年同期70億7千7百万円の純利益)となりました。
なお、のれん等償却の影響を除くと、営業利益は183億3千1百万円(同16.6%減少)、営業利益率は4.1%(同0.8ポイント減少)となっております。
また、2019年7月1日にその全株式を取得したEQD社については、決算日を12月31日から3月31日に変更したことに伴い、当連結会計年度に係る連結損益計算書には2019年7月1日から2020年3月31日までの9ヶ月間の業績が含まれております。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(国内事業)
国内事業は、海外市場の停滞により輸出が減少した影響もあり、売上高は1,790億4千4百万円(前連結会計年度比2.5%減少)となりました。セグメント利益につきましても、セグメント間の内部売上高の減少、経費の増加等により、37億3千1百万円(同18.6%減少)となりました。
なお、のれん等償却の影響を除くと、セグメント利益は84億4千8百万円(同9.1%減少)となっております。
(海外事業)
海外事業は、米州、欧州、中国、アジアのフォークリフト需要の減少があったものの、米州のEQD社の新規連結が寄与して、売上高は2,698億7千3百万円(前連結会計年度比1.9%増加)となりました。セグメント利益につきましては、米中貿易摩擦、関税問題等を背景に米国を中心に競合環境が悪化したことに加え、EQD社取得に伴う関連費用の発生及びのれん等償却費の増加もあり、47億5百万円(同45.1%減少)となりました。
なお、のれん等償却の影響を除くと、セグメント利益は98億8千2百万円(同22.1%減少)となっております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ20億6千1百万円増加し、153億3千5百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は、前連結会計年度219億2千5百万円に比べ、200億7千9百万円増加し、420億4百万円(前年同期比91.6%増加)となりました。これは主に、売上債権・たな卸資産が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動で支出した資金は、前連結会計年度68億6千2百万円に比べ、420億9千万円増加し、489億5千3百万円(前年同期比613.3%増加)となりました。これは主に、EQD社株式の取得、有形固定資産取得による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加した資金は、前連結会計年度161億8千9百万円の支出に比べ、257億8千9百万円資金が増加し、96億円の収入となりました。これは主に、借入れによる収入が増加したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
|
国 内 事 業 |
222,632 |
93.5% |
|
海 外 事 業 |
203,331 |
91.1% |
|
合計 |
425,964 |
92.4% |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前連結会計年度比(%) |
受注残高 (百万円) |
前連結会計年度比 (%) |
|
国 内 事 業 |
176,736 |
91.9% |
31,852 |
93.2% |
|
海 外 事 業 |
263,793 |
101.6% |
54,096 |
98.9% |
|
合計 |
440,530 |
97.4% |
85,949 |
96.7% |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
|
国 内 事 業 |
179,044 |
97.5% |
|
海 外 事 業 |
269,873 |
101.9% |
|
合計 |
448,918 |
100.1% |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
当社グループの当連結会計年度における経営成績は、増収減益となり、依然として営業利益率は同業他社を下回っております。引き続き、国内事業、海外事業のいずれにおきましても、一層の売上増加、シェアアップを目指すとともに、原価低減の推進、固定費の削減等の業務効率化に取り組んでまいります。また、当社グループの財政状態については、116期において、ユニキャリア株式の取得に伴う多額の借入れを行ったため、有利子負債が事業規模に比べ比較的多額の状態が続いておりますが、フリーキャッシュ・フローの獲得を通じ、自己資本比率の向上を目指し、財務基盤の一層の強化を図ってまいります。
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因として、「2 事業等のリスク」に記載のとおり様々なものがありますが、各種市場情勢の変化に細心の注意を払い、変化への柔軟かつ迅速な対応を継続していくことに尽力いたします。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要」及び上述のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
フリーキャッシュ・フロー
当社は、フリーキャッシュ・フローを営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動に支出されたキャッシュ・フローの合計として定義しています。当社の経営者は、この指標を戦略的投資又は負債返済に充当可能な資金の純額、或いは、資金調達にあたって外部借入への依存度合いを測る目的から、投資家に有用な指標と考えており、以下の表のとおりフリーキャッシュ・フローを算出しています。
(単位:億円)
|
|
118期 |
119期 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
219 |
420 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△69 |
△490 |
|
フリーキャッシュ・フロー |
151 |
△70 |
当連結会計年度のフリーキャッシュ・フローは△70億円となりました。これは、売上債権及びたな卸資産の減少等により前連結会計年度に比べ201億円増加となる420億円の営業キャッシュ・フローを獲得した一方で、EQD社株式の取得、有形固定資産取得による支出等により、投資キャッシュ・フローの支出が前連結会計年度に比べ、421億円増加となる490億円の支出となったことによります。なお、前連結会計年度の投資キャッシュ・フローには、新川崎事業所移転のための土地・建物等、有形固定資産の売却による収入が含まれております。
当社グループは、フリーキャッシュ・フローの増加を図るため売上債権の流動化、たな卸資産の削減、アセットマネジメントに引き続き取り組んでまいります。
当連結会計年度におきましては、EQD社の新規連結という特殊要因の影響を除外しますと、運転資本は、前連結会計年度より66億円減少(前連結会計年度比7.9%減少)して762億円となっております。
(単位:億円)
|
|
117期 |
118期 |
119期 |
|
売上債権 |
836 |
886 |
818 |
|
棚卸資産 |
594 |
632 |
555 |
|
仕入債務 |
△722 |
△690 |
△611 |
|
運転資本 |
708 |
828 |
762 |
|
前期比増減 |
△7 |
120 |
△66 |
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローに加えて他社からの借入れにより事業活動に必要となる資金を調達しております。借入先は金融機関及び当社の親会社である三菱重工業㈱並びにその金融子会社であります。
当社グループの資金の流動性につきましては、当連結会計年度末において現金及び現金同等物を153億円有しており、事業活動のために必要な流動性を確保していると認識しておりますが、加えて当座貸越契約の締結や国内外で当社グループのCMS(キャッシュマネジメントシステム)及び三菱重工業㈱の金融子会社が提供するCMSの利用により機動的な資金需要に対応しております。
c.株主還元策
当社は、期中における急激な経済環境変動による業績変動に左右されない安定的、継続的な配当を実施する目的で、配当性向のみならず、「自己資本配当率(DOE※)」も考慮に入れながら、配当を決定しております。
※Dividend On Equity ratio=配当総額÷自己資本(=配当性向×ROE)
DOEは利益を積み上げた自己資本に対して、どの程度を配当に充てるかを表す指標であり、これを指標とすることで、自己資本に対する利益率の指標であるROEと株主還元の指標である配当性向のバランスを図ることが可能となります。
当連結会計年度も、株主各位への配当の充実と企業基盤確立のための内部留保とのバランスに配慮した利益配分を行うという基本方針に則り、1株当たり13円としております。(配当性向:-、DOE:2.5%)
(参考)118期 13円/株(配当性向19.6%、DOE:2.2%)
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成に際し、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、財政状態及び経営成績に影響を与える見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの経営成績等に重大な影響を及ぼす不確実性がある項目は、次のとおりであります。
のれん及びその他の無形固定資産
のれん及びその他の無形固定資産については、原則として毎期末に回収可能性を検討しており、期中においても当該資産又は資産グループの回収可能価額を著しく低下させる変化を生じさせるような意思決定や、経営環境の著しい悪化に該当する事象が発生した場合は減損損失の認識の判定を行っております。減損損失の認識の判定及び当該資産又は資産グループの回収可能価額を算出する際に用いる将来キャッシュ・フローの見積りにあたっては、過去の実績やPMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)活動に加え、当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症による影響といった状況に応じ合理的と考えられる様々な要因を考慮しております。減損損失の測定にあたり、将来キャッシュ・フローの現在価値を算定する際に用いられる割引率は独立した外部専門家による算出結果を用いております。
なお、のれんの減損の認識、測定に用いた具体的な仮定については、「第5 経理の状況」の(追加情報)をご参照ください。
当期の連結財務諸表に計上している金額は、現時点において入手可能な情報に基づいて合理的に判断したものでありますが、将来の予測不能な経営環境の変化等により、将来キャッシュ・フローが減少する場合は、翌年度以降の連結財務諸表に不利な影響を及ぼし、のれん及びその他の無形固定資産にかかる減損損失を計上する可能性があります。
当社は、2019年4月11日開催の取締役会において、当社の連結子会社であるMitsubishi Logisnext Americas Inc.(以下、「MLA社」)が米国の物流機器販売代理店であるPon Material Handling NA, Inc.(以下、「PMH社」)の全株式をPon North America, Inc.及びJET Holdings, LLCから取得すること(以下、「本取引」)により、PMH社を子会社化(当社の孫会社化)することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結しました。また、2019年6月6日開催の取締役会において、MLA社が本取引の実行資金及び運転資金を、またPMH社が本取引後の同社の運転資金を、それぞれ当社の親会社である三菱重工業株式会社の子会社であるMHI Capital America Inc.から借り入れることを決議し、2019年6月25日付で金銭消費貸借契約を締結しました。借入枠は、MLA社が180百万ドル、PMH社が30百万ドルです。
本取引は2019年7月1日に全ての手続きを完了し、またこれに伴い、同日付で、PMH社をEquipment Depot, Inc.へ商号変更しました。
当連結会計年度の研究開発活動は、新中期経営計画(Perfect Integration 2020)を見据えて、当社技術本部の持つ強みを最大限活かしつつ、海外開発拠点とも密接な連携を取って新製品の市場投入を計画通り達成しました。セグメント別の主な研究開発活動は次のとおりであります。
〔国内事業〕
(フォークリフト・特搬車両部門)
小型バッテリフォークリフトについては、新型「ALESIS(アレシス)」(0.9~2.5 トン積)を会社統合後初の新開発統合モデルとして市場投入しました。当社のキーテクノロジーである多機能集中制御システム「SiCOS(サイコス)」を進化させ、オペレーターのスキルに合わせて操作フィーリングを設定できる「カスタムフィーリングシステム」や作業時の安全を確保する「センシング制御システム」などの機能を追加しました。また、広く見やすい広視界設計や旋回時の安定性を改善する低重心構造設計の採用による「使いやすさ」と「快適性」、さらに防水・防塵規格「IPX4」レベルの達成による「信頼性」と「耐久性」も向上しました。オプションとして、路面から伝わる振動・衝撃を吸収する「グッドランニングシステム」やバッテリーのメンテナンスを軽減する「補水くん」、明るく省エネ性に優れた各種LED ライトなどの安全・安心装備を充実致しました。
中型エンジンフォークリフトについては、FXシリーズ(3.5~5トン積)を統合モデルとし、新たに三菱重工エンジン&ターボチャージャ㈱製のコモンレールターボエンジンを搭載し、低燃費・高トルクを実現したほか、騒音・振動を低減し、作業時の快適性・環境性を向上させました。
(物流システム部門)
販売開始以来、ご好評をいただているレーザー誘導方式無人フォークリフト「プラッターオート」に荷の収納効率が高く徹底した省スペースの実現可能な電動式移動ラック「ニチユパック」を組み合わせた無人搬送保管システムを開発、リリースいたしました。これまではニチユパックの停止誤差により、レーザー誘導方式無人フォークリフト「プラッターオート」との自動取合が困難でしたが、ストラドルアーム部に新たに設置した棚検出器による相対停止化とレーザー反射板の最適配置化による精度向上により自動取合を成立させました。床面レール工事が不要なタイヤ式ニチユパックとの組み合わせシステムも対応可能であるため、収納効率を重要視されるが床工事を嫌われる貸倉庫業様にも採用していただいております。
〔海外事業〕
(フォークリフト部門)
北米においては、小型バッテリフォークリフト(1.5~3トン積クッションタイヤ)をモデルチェンジし市場投入しました。本モデルは、先進のACモーターと制御システムの採用により電費を改善し稼働時間延長を実現させました、合わせて、安全装備の充実と快適性の向上を図っております。
欧州においては、昨年市場投入しました「360°操舵機能」を装備した1~2トン積カウンターバランス式バッテリフォークリフトの販売が好調で、加えて新型ローレベルオーダーピッカー、新型トーイングトラクターを市場投入しモデルラインナップの拡充を図りました。
当連結会計年度中の研究開発費のセグメント別金額は、国内事業
尚、2020年1月に、滋賀工場内に「技術開発センター」を新設し、当社が有していた新川崎事業所(神奈川県川崎市)、京都工場(京都府長岡京市)、滋賀工場の3拠点の実験施設を集約し、開発機能を強化することといたしました。
「技術開発センター」建設に加えて、新川崎事業所の技術本部を滋賀工場に移転することで「製品品質の向上」「業務効率の向上」「開発リードタイムの短縮」「成長分野への開発力強化」を図っております。