当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間における世界経済は、地政学的緊張が続く中でディスインフレの進展に混乱が生じて金融政策の正常化を複雑にしており、経済成長の伸長は足踏み状態にあります。米国の景気拡大ペースは減速しながらも底堅く推移、欧州の景気は持ち直しつつある中でドイツ経済の低調もあって景況感に勢いはなく、中国は足許ではやや回復も不動産不況を始めとして内需は依然低迷を続けています。また、ウクライナ侵攻や中東情勢といった長期化する地政学的リスクもあり、景気の動向は地域ごとに異なる様相を呈しています。一方、我が国経済は、インバウンド需要の好調や物価上昇に対応した価格転嫁の進展などもあって企業の景況感は良好、設備投資も堅調に推移しており、物価上昇により実質賃金の上昇が感じられず伸び悩んでいた個人消費も下げ止まって、景気は緩やかに持ち直しています。
このような中、フォークリフトを始めとする物流機器市場は、国内においては、引き続き安定的・堅調に推移しています。海外においては、米州では代理店在庫の調整局面が想定よりも長引き、卸売受注は弱含みに推移していましたが、その局面も徐々に解消に向かいつつあります。一方で、欧州では一時回復基調にあったものの需要は伸び悩んでいる状況です。堅調であったアジアもここに来て伸長が見られず、中国は景気停滞にあって物流機器需要も減退傾向です。
当社においては、課題であったリードタイムを正常化させ、価格適正化による収益性の改善も進めながら、安心・安全、自動化・自律化、脱炭素といった物流機器市場のニーズの高まりにも応えています。そのような中で生じた北米におけるエンジン認証遅延による一部機種の出荷停止については、当局との調整の結果、主力機種の出荷を再開して引き続き挽回に努めているところです。しかしながら、世界経済の成長が鈍化する中で、米国大統領選挙後の動静や中国を含むサプライチェーンに対するリスク、金利や為替の動向、地政学的リスクの長期化などにより、不確実性を増す世界経済の先行きは不透明で予断を許さない状況となっています。
このような状況のもと、当中間連結会計期間における売上高は、価格適正化効果や為替の円安影響があったものの、北米でのエンジン認証遅延による影響に加えて、代理店における在庫調整もあり、3,285億4千9百万円(前年同期比4.4%減少)となりました。
利益面では、米州での売上減少の影響が大きく、営業利益は154億4千6百万円(同32.1%減少)、経常利益は123億3千2百万円(同41.4%減少)となりました。また、親会社株主に帰属する中間純利益は、固定資産の譲渡に伴う売却益、中国販売子会社の譲渡に伴う売却損が計上されたこともあり、99億7千3百万円(同39.8%減少)となりました。
なお、のれん等償却の影響を除くと、営業利益は207億4千1百万円(同25.4%減少)となり、営業利益率は6.3%(同1.8ポイント減)となっております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
〔国内事業〕
国内事業は、受注が堅調に推移する中、価格適正化の効果も寄与したことから、売上高は945億9千1百万円(前年同期比1.8%増加)となりました。セグメント利益は、国内販売においては堅調に推移しているものの、海外生産拠点からのライセンス収入の減少や研究開発費等の経費の増加もあって、16億8千4百万円(同46.2%減少)となりました。
なお、のれん等償却の影響を除くと、セグメント利益は41億1千9百万円(同25.8%減少)となっております。
〔海外事業〕
海外事業は、為替の円安影響はあったものの、北米での一時出荷停止の影響に加え、地域によっては市場の減速もあり、売上高は2,339億5千7百万円(前年同期比6.7%減少)となりました。セグメント利益は、売上高の減少及びインフレ等における経費の増加により、137億6千2百万円(同29.8%減少)となりました。
特に海外事業の前年同期は、部品欠品が解消されていく中で生産を拡大、出荷を促進して、加えて価格適正化効果の寄与もあり、売上高並びにセグメント利益を大きく伸長させましたが、それに反して当期は、北米での一部機種の一時出荷停止や地域によっては市場の減速などがあったために、売上高、セグメント利益ともに減少しています。
なお、のれん等償却の影響を除くと、セグメント利益は166億2千1百万円(同25.3%減少)となっております。
(2)財政状態の状況
当中間連結会計期間末における資産合計は5,172億9千5百万円となり、主に為替相場が円安基調から一転円高になったことで、前連結会計年度末より142億円減少しました。流動資産は棚卸資産が増加したものの、売上債権等の減少により、36億8千4百万円減少、固定資産は円高による換算影響が大きく、105億1千5百万円減少しました。
負債合計は3,981億1千6百万円となり、主に買掛金が減少し、また円高影響も加わり、前連結会計年度末より160億4千5百万円減少しました。
また、純資産については、新株予約権及び非支配株主持分を除くと1,185億8千7百万円となり、前連結会計年度末より18億4千7百万円増加しました。主な要因は、為替相場が円安基調から一転円高になったことで為替換算調整勘定の減少があったものの、親会社株主に帰属する中間純利益の獲得による利益剰余金の増加があったためです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ22億6千1百万円減少し、179億5百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、前年同期229億2千5百万円に比べ、69億5千7百万円減少し、159億6千8百万円(前年同期比30.4%減少)となりました。主たる要因は、売上債権の回収額の増加があった一方で、税金等調整前中間純利益が減少し、棚卸資産の増減額が増加したためです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、前年同期271億2千5百万円に比べ、43億3千7百万円減少し、227億8千7百万円(前年同期比16.0%減少)となりました。連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出や短期貸付金の増加はあったものの、有形固定資産の売却による収入があったため、当中間連結会計期間の支出は大きく減少しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、前年同期81億3千4百万円に比べ、35億7千8百万円収入が減少し、45億5千5百万円の収入(前年同期比44.0%減少)となりました。これは主に、長期借入金借入額の減少、配当金支払の増加によるものです。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、30億1千万円です。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。