【要約四半期連結財務諸表注記】
1.報告企業
当社は、日本に所在する株式会社であり、その本社は愛知県豊田市に登記されています。当第1四半期連結会計期間 (2020年6月30日に終了した3ヶ月間) および当第1四半期連結累計期間 (2020年6月30日に終了した3ヶ月間) の要約四半期連結財務諸表は、当社および連結子会社 (以下、トヨタという。) および関連会社ならびに共同支配企業に対する持分により構成されています。
当社および当社の関係会社は主にセダン、ミニバン、2BOX、スポーツユーティリティビークル、トラック等の自動車とその関連部品・用品の設計、製造および販売を世界的規模で行っています。また、当社および当社の関係会社が製造する自動車および他の製品の販売を補完するための金融ならびに車両のリース事業を、主として販売代理店およびその顧客に対して行っています。
2.作成の基礎
トヨタの要約四半期連結財務諸表は、四半期連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たしており、同規則第93条の規定によりIAS第34号に準拠して作成しています。
この要約四半期連結財務諸表は、当社がIFRSに従って作成する最初の要約四半期連結財務諸表であり、IFRSへの移行日は、2019年4月1日です。当社はIFRSへの移行にあたり、IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」 (以下、IFRS第1号という。) を適用しています。IFRSへの移行が、トヨタの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に与える影響は、注記12.「初度適用」に記載しています。
当要約四半期連結財務諸表は、2020年8月6日に取締役会にて承認されています。
トヨタの要約四半期連結財務諸表は、注記3.「重要な会計方針」に記載している公正価値で測定する金融商品、退職給付制度に係る負債等を除き、取得原価を基礎として作成しています。
トヨタの要約四半期連結財務諸表の表示通貨は、当社の機能通貨である日本円であり、百万円未満を四捨五入しています。各数値の合計が合計額と一致しない場合があります。
3.重要な会計方針
トヨタの要約四半期連結財務諸表は、当社および当社が支配する子会社を含んでいます。子会社には、当社または他の子会社が支配するストラクチャード・エンティティも含まれています。
トヨタは、トヨタがある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当該企業を支配していると判断しています。
連結子会社が適用する会計方針がトヨタの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えています。連結会社間の債権債務残高および内部取引高、ならびに連結会社間の取引から発生した未実現損益は、要約四半期連結財務諸表の作成に際して消去しています。
連結子会社持分を一部処分した際、支配が継続する場合には、資本取引として会計処理しています。支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得または損失を純損益として認識しています。
関連会社とは、トヨタが当該企業に対し、財務および営業の方針に重要な影響力を有しているものの、支配または共同支配をしていない企業をいいます。
共同支配企業とは、契約上の取決めによりトヨタを含む複数の当事者が共同して支配をしており、その活動に関連する財務上および経営上の決定に際して、支配を共有する当事者の一致した合意を必要とする企業をいいます。
関連会社および共同支配企業への投資は、持分法によって会計処理しています。関連会社または共同支配企業が適用する会計方針がトヨタの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該関連会社または共同支配企業の財務諸表に調整を加えています。
関連会社または共同支配企業に該当しなくなり、持分法の適用を中止した場合には、持分法の適用を中止したことから生じた利得または損失を純損益として認識しています。
外貨建取引は、取引日の為替レートでトヨタの機能通貨に換算しています。期末における外貨建貨幣性資産および負債は、報告期間の期末日の為替レートでトヨタの各機能通貨に換算しています。公正価値で測定する外貨建非貨幣性資産および負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に換算しています。その結果生じる為替差損益は純損益として計上しています。なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産から生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しています。
在外の連結子会社、関連会社および共同支配企業 (以下、在外営業活動体という。) の資産および負債については報告期間末日の為替レート、収益および費用については、為替レートが著しく変動している場合を除き、期中平均為替レートを用いて円貨に換算しています。その結果生じた換算差額は、その他の包括利益として認識し、要約四半期連結財政状態計算書のその他の資本の構成要素に含めています。在外営業活動体の換算差額の累積額は、在外営業活動体を処分し、支配、重要な影響力または共同支配企業の取決めを喪失した期間に純損益として認識しています。
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金および容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されています。
トヨタは、金融資産について契約の当事者となった時点で当初認識し、デリバティブ以外について、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性および資本性金融資産、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。なお、金融資産の通常の方法による売買は、約定日において認識または認識の中止を行っています。
純損益を通じて公正価値で測定する区分に分類される金融資産は公正価値で測定していますが、それ以外の金融資産は取得に直接起因する取引コストを公正価値に加算した金額で測定し、当初に認識しています。重要な金融要素を含んでいない営業債権は、取引価格で測定しています。
以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、金融資産が保有されていること。
・金融資産の契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる取引。
以下の要件をともに満たす場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方の目的で金融資産を管理する事業モデルに基づいて、金融資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
投資先との取引関係の維持または強化を主な目的として保有する株式などの資本性金融資産については、当初認識時にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定し、当該指定を継続的に適用しています。
(a) ~ (c) 以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて次のとおり測定しています。
償却原価で測定する金融資産については、実効金利法による償却原価により測定しています。
当該金融資産の公正価値の事後的な変動額はその他の包括利益として認識しています。減損に係る利得又は損失、利息収益、及び為替差損益は純損益として認識しています。当該金融資産の認識を中止した場合は、その他の包括利益を通じて認識された利得または損失の累計額をその他の資本の構成要素から純損益に組替調整しています。
当該金融資産の公正価値の事後的な変動額はその他の包括利益として認識しています。当該金融資産の認識を中止した場合は、その他の包括利益を通じて認識された利得または損失の累計額をその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えています。
なお、当該金融資産からの配当金については、純損益として認識しています。
当該金融資産の公正価値の事後的な変動額は、純損益として認識しています。
償却原価で測定する金融資産およびその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産の予想信用損失について、金融損失引当金を計上しています。オフバランスの信用エクスポージャーであるローン・コミットメントおよび金融保証契約について、予想信用損失に対する金融損失引当金を認識しています。
金融損失引当金は、報告期間末日ごとに金融資産に係る信用リスクが当初認識時点以降に著しく増大しているかどうかの評価に基づき測定しています。報告期間末日において、ある金融商品に関する信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、金融損失引当金は、当該金融商品の存続期間にわたって発生する可能性のあるすべての債務不履行事象から生じる予想信用損失 (全期間の予想信用損失) に等しい金額で測定しています。
報告期間末日において、ある金融商品に関する信用リスクが当初認識以降に著しくは増大していない場合には、金融損失引当金は、報告期間末日から12ヶ月以内に発生する可能性のある債務不履行事象によって生じる予想信用損失 (12ヶ月の予想信用損失) に等しい金額で測定しています。
ただし、「営業債権及びその他の債権」に含まれる営業債権およびファイナンス・リース債権については、常に全期間の予想信用損失を引当金として認識しています。
予想信用損失の金額は、トヨタに支払われるべき契約上のキャッシュ・フローの総額と、トヨタが受け取ると見積られる将来キャッシュ・フローとの差額の現在価値として測定し、純損益として認識しています。金融損失引当金を減額する場合における戻入額は純損益として認識しています。
なお、債務者の財務状況の著しい悪化、債務者による債務不履行または延滞等の契約違反等、金融資産が信用減損している証拠がある場合、金融損失引当金を控除後の帳簿価額の純額に対して、実効金利法を適用し利息収益を測定しています。金融資産の全体または一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合は、当該金額を金融資産の帳簿価額から直接減額しています。
トヨタは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する、またはトヨタが金融資産の所有のリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合において、金融資産の認識を中止しています。トヨタは、金融資産を譲渡した場合でも、実質的にそのリスクと経済価値のほとんどすべてを移転したわけでもなく、また、そのほとんどすべてを保持してもいない状況において、当該譲渡金融資産に対する支配を継続している場合には、その金融資産に対する留保持分および関連して支払う可能性がある負債を認識しています。
トヨタは、デリバティブ以外の金融負債について、当初認識時に公正価値から発行に直接起因する取引コストを控除した金額で測定しています。
当初認識後については、実効金利法による償却原価で測定しています。実効金利法による償却および認識が中止された場合の利得および損失については、金融収益または費用の一部として、純損益に認識しています。
トヨタは、金融負債が消滅したとき、すなわち、契約において特定された債務が履行による消滅、免責、取消し、または失効した時に、金融負債の認識を中止しています。
③デリバティブ金融商品
トヨタは、金利および為替の変動によるリスクを管理するために、先物為替予約取引、通貨オプション取引、金利スワップ取引、金利通貨スワップ取引および金利オプション取引を含むデリバティブ金融商品を利用しており、すべてのデリバティブ取引を公正価値で資産または負債として計上しています。
トヨタはデリバティブ金融商品を投機もしくは売買目的で使用していません。
(5) 金融事業に係る債権
金融事業に係る債権 (以下、金融債権という。) は、要約四半期連結財政状態計算書上において、未稼得金融収益、繰延融資初期費用および金融損失引当金を加味した純額で表示しています。なお、繰延融資初期費用は契約期間にわたり利益率が一定となるように償却しています。
金融債権のポートフォリオは主にトヨタの事業の性質と金融債権の特性を質的側面から考慮して決定しており、以下の3つに分類しています。
小売債権ポートフォリオは、主にディーラーから取得した車両販売の割賦債権 (以下、自動車割賦債権という。) により構成され、クレジット・カード債権を含んでいます。これらの債権は、取得時に所定の信用基準を満たさなければなりません。また、取得後、トヨタは割賦代金の回収および契約の管理について責任を有します。
自動車割賦債権の契約期間は主に2年から7年です。トヨタは、融資対象となった車両に対する担保権を取得し、顧客が債務不履行に陥った場合、担保権を実行できます。ほとんどすべての自動車割賦債権に遡求権はなく、担保権を実行した場合にもディーラーは債務履行責任を負うことはありません。
金融債権に内在する一般的なリスク特性や信用リスクの類似性を基礎としながら、金額的重要性を考慮して、小売債権ポートフォリオを信用リスク管理の実務上、1つのポートフォリオとして管理しています。
ファイナンス・リース債権は、主にディーラーから取得した新車のリース契約に係る債権です。リース契約の期間は主に2年から5年です。当該債権は、取得時に所定の信用基準を満たさなければならず、取得後、トヨタはリース車両の所有権を引き受けます。また、トヨタはリース料金の回収および契約の管理について責任を有します。
トヨタは、リース契約者が債務不履行に陥った場合、通常、当該車両を占有することが認められます。残存価額は車両が新規にリースされた時点で評価され、リース終了時にトヨタに返却された車両はオークションにて売却されます。
金融債権に内在する一般的なリスク特性や信用リスクの類似性を基礎として、ファイナンス・リース債権ポートフォリオを信用リスク管理の実務上、1つのポートフォリオとして管理しています。
トヨタは、適性を満たしたディーラーに対して、在庫購入のための融資を行っています。トヨタは、融資対象となった車両に対する担保権を取得し、さらに必要がある場合、ディーラーの資産または経営者の個人資産あるいはその両方に担保権を設定します。ディーラーが債務不履行に陥った場合、トヨタは取得した資産を処分する権利を有します。
また、トヨタは、ディーラーに対して事業買収、設備の改修、不動産購入および運転資金のための期限付融資も行っています。当該融資は、通常、不動産への担保権、その他のディーラーの資産または経営者の個人資産により保全されています。
金融債権に内在するリスク特性を基礎として、卸売債権およびその他のディーラー貸付金ポートフォリオを信用リスク管理の実務上、1つのポートフォリオとして管理しています。
(6) 金融事業に係る金融損失引当金
金融債権に対する予想損失は、信用リスク評価プロセスの一環として行われている体系的かつ継続的なレビューおよび評価、過去の損失の実績、ポートフォリオの規模および構成、現在の経済的な事象および状況、担保物の見積公正価値およびその十分性、経済状況の動向などの将来予測情報、ならびにその他の関連する要因に基づき、ポートフォリオ別に測定しています。なお、集合的に予想信用損失を算定する場合、商品の種類、担保の種類など、共通のリスク特性に基づいてポートフォリオをグルーピングしています。
小売債権については、債務不履行となる確率の変化や延滞日数を指標として当該金融債権の信用リスクが著しく増大したか否かを判定しています。30日超期日経過の場合には、その信用リスクは著しく増大したものとみなしています。期末日時点で、貸付金に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、12ヵ月の予想信用損失を見積もって当該金融債権に係る金融損失引当金の額を算定しています。
一方、期末日時点で、信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合は、その金融債権の回収に係る全期間の予想信用損失を見積もって当該金融債権に係る金融損失引当金の額を算定しています。債務者の財務状況の著しい悪化、債務者による債務不履行または延滞等の契約違反等、金融債権が信用減損している証拠がある場合に信用減損していると判断し、過去の貸倒実績や将来の回収可能価額などをもとに、その金融債権の回収に係る全期間の予想信用損失を見積もって当該金融債権に係る金融損失引当金の額を算定しています。
予想信用損失の算定にあたっては、過去の実績に基づく債務不履行の確率と債務不履行時損失率をもとに、現在および将来の経済状況の予測を反映させています。
内部管理規程に基づき、相当期間の延滞、もしくは、顧客が契約上の義務を期日に履行できないことが明らかになった場合に、債務不履行と判断しています。
ファイナンス・リース債権ポートフォリオについては、常に全期間の予想信用損失をもって金融損失引当金の額を算定しています。内部管理規程に基づき、相当期間の延滞、もしくは、顧客が契約上の義務を期日に履行できないことが明らかになった場合に、債務不履行と判断しています。
卸売債権およびその他のディーラー貸付金ポートフォリオについては、内部におけるリスク評価を基礎として信用状況別に債権を区分しています。この区分の変化を指標として、金融債権の信用リスクが当初認識以降に著しく増大したか否かを判定しています。なお、30日超期日経過の場合には、その信用リスクは著しく増大したものとみなしています。期末時点で信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、12ヵ月の予想信用損失を見積もって当該金融債権に係る金融損失引当金の額を算定しています。
一方、期末日時点で、信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合は、その金融債権の回収に係る全期間の予想信用損失を見積もって当該金融債権に係る金融損失引当金の額を算定しています。債務者の財務状況の著しい悪化、債務者による債務不履行または延滞等の契約違反等、金融債権が信用減損している証拠がある場合に信用減損していると判断し、過去の貸倒実績や将来の回収可能価額などをもとに、その金融債権の回収に係る全期間の予想信用損失を個別に見積もって当該金融債権に係る金融損失引当金の額を算定しています。
予想信用損失の算定にあたっては、過去の実績に基づく債務不履行の確率と債務不履行時損失率をもとに、現在および将来の経済状況の予測を反映させています。
内部管理規定に基づき、相当期間の延滞、もしくは、顧客が契約上の義務を期日に履行できないことが明らかになった場合に、債務不履行と判断しています。
(7) 棚卸資産
棚卸資産は正味実現可能価額を超えない範囲において、取得原価で評価しています。正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積売価から、完成までに要する見積原価および見積販売費用を控除した額です。取得原価は、主として総平均法に基づいて算定しており、購入原価、加工費および、現在の場所および状態に至るまでに要したすべての費用を含んでいます。
(8) 有形固定資産
有形固定資産は、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した額で表示しています。重要な更新および改良のための支出は資産計上しており、少額の取替、維持および修理のための支出は発生時の費用として認識しています。有形固定資産の減価償却は、当該資産の区分、構造および用途等により見積もられた耐用年数に基づき、定額法で計算しています。見積耐用年数は、建物については2年から65年を、機械装置については2年から20年を使用しています。
なお、見積耐用年数、残存価額および減価償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用します。
賃貸用車両及び器具は第三者に対する賃貸であり、販売代理店が賃貸を開始して特定の連結子会社が取得したものです。そうした子会社は、各社が直接取得した資産についても賃貸を行っています。賃貸用車両及び器具は見積残存価額まで、主として2年から5年のリース期間にわたり定額法で償却しています。賃貸契約の取得に際して直接発生した費用は資産計上し、リース期間にわたり定額法で償却しています。
(9) 無形資産
無形資産は、原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額および減損損失累計額を控除した額で表示しています。
見積耐用年数および償却方法は、各連結会計年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用します。
①開発資産
開発活動における支出については、その開発を完成させる技術上の実行可能性に加えて、その成果を使用または売却する意図・能力およびそのための財務その他の資源を十分に有し、かつ将来において経済的便益を得られる可能性が高く、信頼性をもってその支出を測定可能な場合に、無形資産として認識しています。
開発資産の取得原価は、主に5年から10年にわたり定額法で償却しています。
②その他の無形資産
その他の無形資産は主としてソフトウェアであり、定額法により償却しています。その見積耐用年数は主として5年です。のれんはトヨタの要約四半期連結財政状態計算書に対して重要ではありません。
(10) 非金融資産の減損
棚卸資産および繰延税金資産を除く非金融資産については、各報告期間の末日において、資産が減損している可能性を示す兆候の有無を評価しています。その帳簿価額の回収可能性について疑義を生じさせる事象または状況変化がある場合に減損の判定を行っています。帳簿価額が非金融資産の使用および最後の処分から得られる割引後の見積キャッシュ・フローを超えている場合に、減損を計上しています。計上する減損の金額は、帳簿価額が回収可能価額を超過する場合のその超過額です。
(11) リース
トヨタは、契約の締結時に契約がリースであるか、またはリースを含んでいるかを判定しています。
①借手
借手のリース取引は、リースの開始日に使用権資産とリース負債を認識します。使用権資産は、リース負債の当初測定額に前払リース料等を調整した取得原価で当初測定しています。リース負債は、開始日時点で支払われていないリース料の割引現在価値で当初測定しています。
使用権資産は原価モデルを採用し、リースの開始日から、耐用年数またはリース期間のいずれか短い期間にわたって、定額法で償却しています。リース負債は実効金利法による償却原価で測定しています。リース負債は要約四半期連結財政状態計算書において、有利子負債に含めて表示しています。利息費用は、各期間においてリース負債残高に対して一定の利子率となるように、リース期間にわたって純損益として認識しています。
トヨタが締結する土地、建物にかかるリース契約の多くには、事業上の柔軟性を確保するため等の様々な目的で、借手であるトヨタが行使可能である延長オプションが付されています。トヨタは延長オプションを行使することが合理的に確実であるかどうかを評価し、合理的に確実であると評価した場合には延長オプション期間をリース期間に含めています。
リース期間が12ヶ月以内の短期リースは、リース料をリース期間にわたって、定額法により純損益として認識しています。
②貸手
貸手のリース取引は、契約時にリースをファイナンス・リースまたはオペレーティング・リースに分類します。
ファイナンス・リースは、原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてが移転するリース取引であり、オペレーティング・リースはそれ以外のリース取引です。
オペレーティング・リースのリース料は、リース期間にわたって、定額法により純損益として認識しています。
(12) 退職後給付
トヨタは、従業員の退職給付に関して確定給付制度および確定拠出制度の双方を有しています。
①確定給付制度
確定給付制度債務の現在価値および勤務費用を予測単位積増方式により算定しています。確定給付負債 (資産) の純額は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除して算定しています。当期勤務費用および確定給付負債 (資産) の純額に係る利息純額は純損益として認識しています。
過去勤務費用は、発生時に純損益として認識しています。
数理計算上の差異を含む、確定給付負債 (資産) の純額の再測定は、発生時にその他の包括利益として認識しており、発生した連結会計年度において利益剰余金に振り替えています。
②確定拠出制度
確定拠出制度の拠出は、従業員がサービスを提供した時点で純損益として認識しています。
(13) 品質保証に係る負債
トヨタは通常、製品の製造過程およびその他の理由による製品の欠陥に対して保証を行っています。製品保証規定は、期間および使用方法あるいはそのいずれかに対応して決めており、製品の特性、販売地域およびその他の要因によって異なります。トヨタは製品販売時点において、当該製品の保証期間中に発生が予想される製品部品の修理または取替に係る費用を品質保証に係る負債として見積計上しています。品質保証に係る負債の金額は、主に、修理費用に関する現在の情報および製品の欠陥に関する過去の実績に基づいて見積もっています。
また、リコール等の市場処置に係る負債は、それらの支出が発生する可能性が高く、かつ合理的に見積もることができる場合に計上しています。トヨタは過去の発生状況を基礎にして主に製品販売時点においてリコール等の市場処置に係る支出を見積もる方法を採用しています。
(14) 収益認識
自動車事業では、完成車両および部品は、原則として販売代理店に対して販売代理店と合意した場所において製品を引き渡した時点で、生産用部品は、原則として製造会社に対して製品を船積みもしくは引き渡した時点で、履行義務を充足したと判断しています。対価については、販売時点またはその直後に支払いを受けており、重要な支払条件はありません。
トヨタの販売奨励プログラムは、主に、販売代理店が特定期間に販売した車両総台数もしくは特定のモデルの販売台数に基づいて算定される販売代理店への現金支払の形態をとっています。トヨタは、プログラムで定める車両の販売時に、最頻値法を用いて、これらの販売奨励金をプログラムで定める金額だけ営業収益から控除しています。
特定の完成車両の販売には、顧客が無償メンテナンスを受ける契約上の権利が含まれています。当該履行義務の独立販売価格は、観察可能な価格を用いて、それが利用可能でない場合は予想コストにマージンを加算するアプローチを用いて算定しています。この無償メンテナンス契約による収益は繰り延べられ、契約に基づく履行義務を充足する際に発生する費用に応じて、契約期間にわたり収益として認識されます。
車両の最低再販売価額をトヨタが条件付きで保証する場合の収益は、リース会計の方法により売上の日から保証の最初の実行日までの間に期間配分して計上しています。これらの取引の対象になっている車両は資産として計上し、トヨタの減価償却方針に従い償却しています。
金融事業における利息収益は、実効金利法に基づき認識しています。
オペレーティング・リースの収益は、リース期間にわたり均等に計上しています。
なお、履行義務の充足時点と対価の受領時点との間が1年以内と見込まれる場合、実務上の簡便法を採用しており、重大な金融要素の調整は行っていません。
また、営業収益は、通常顧客から徴収し政府機関へ納付される税金が控除された後の純額で計上しています。
(15) 法人所得税
法人所得税は、当期税金と繰延税金から構成されています。
資産と負債の帳簿価額と税務基準額との間の一時差異、税務上の繰越欠損金および繰越税額控除に対して将来の期に課されるまたは回収される税額について、繰延税金資産・負債を認識しています。
繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金および繰越税額控除について、将来それらを利用できる課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で認識しています。
子会社、関連会社および共同支配企業に対する投資に関連する将来加算一時差異については、原則として繰延税金負債を認識しますが、当社が一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な将来にその差異が解消されない可能性が高い場合には、繰延税金負債を認識していません。
繰延税金資産および負債は、報告期間の期末日に制定または実質的に制定されている税率および税法に基づいて、資産が実現する期間または負債が決済される期間に適用されると予測される税率で測定しています。繰延税金資産および負債の測定に当たっては、報告期間の期末日において当社が意図する資産および負債の帳簿価額の回収または決済の方法から生じる税務上の帰結を反映しています。
なお、当第1四半期連結累計期間の法人所得税費用は、見積年次実効税率を基に算定しています。
(16) 1株当たり利益
基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する四半期利益は、親会社の所有者に帰属する四半期利益を、その期間の自己株式を調整した加重平均普通株式数で除すことにより計算しています。希薄化後1株当たり親会社の所有者に帰属する四半期利益は、希薄化株式の影響を考慮し、親会社の所有者に帰属する四半期利益および加重平均普通株式数を調整することにより計算しています。
4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
トヨタは、IFRSに準拠した要約四半期連結財務諸表を作成するにあたり、会計方針の適用、資産・負債および収益・費用の報告額ならびに偶発資産・偶発債務の開示に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定の設定を行っています。実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。なお、これらの見積りおよび仮定は継続して見直しています。会計上の見積りの変更による影響は、見積りを変更した報告期間およびその影響を受ける将来の報告期間において認識しています。
当社の要約四半期連結財務諸表に重要な影響を与える会計方針の適用に際して行った判断に関する情報は、次のとおりです。
・連結子会社、関連会社及び共同支配企業の範囲 (注記3(1))
・開発から生じた無形資産の認識 (注記3(9))
IFRSに準拠した要約四半期連結財務諸表を作成するにあたり、会計方針の適用、資産・負債及び当社の要約四半期連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の見積りおよび仮定に関する情報は、次のとおりです。
・品質保証に係る負債 (注記3(13))
・金融事業に係る金融損失引当金 (注記3(6))
・非金融資産の減損 (注記3(10))
・退職給付に係る負債 (注記3(12))
・公正価値測定 (注記7)
・繰延税金資産の回収可能性 (注記3(15))
5.追加情報
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴う自動車市場の落ち込みなどの影響から、当第1四半期連結累計期間における営業収益は4,600,796百万円と、前年同四半期連結累計期間に比べて3,120,477百万円 (40.4%) の減収となり、営業利益は13,920百万円と、前年同四半期連結累計期間に比べて726,691百万円 (98.1%) の減益となりました。また、税引前四半期利益は118,233百万円と、前年同四半期連結累計期間に比べて732,752百万円 (86.1%) の減益、親会社の所有者に帰属する四半期利益は158,843百万円と、前年同四半期連結累計期間に比べて460,288百万円 (74.3%) の減益となりました。
6.セグメント情報
以下に報告されているオペレーティング・セグメントは、そのセグメントの財務情報が入手可能なもので、その営業損益がマネジメントによって経営資源の配分の決定および業績の評価に定期的に使用されているものです。
トヨタの世界的事業の主要部分は、自動車および金融で成り立っています。自動車セグメントでは、セダン、ミニバン、2BOX、スポーツユーティリティビークル、トラック等の自動車とその関連部品・用品の設計、製造および販売を行っています。金融セグメントでは、主として当社および当社の関係会社が製造する自動車および他の製品の販売を補完するための金融ならびに車両のリース事業を行っています。その他セグメントでは、情報通信事業等を行っています。
(2) 報告セグメントの収益および業績
前第1四半期連結累計期間 (2019年6月30日に終了した3ヶ月間)
(単位:百万円)
当第1四半期連結累計期間 (2020年6月30日に終了した3ヶ月間)
(単位:百万円)
各セグメントにおける会計方針は、当社の要約四半期連結財務諸表における会計方針と一致しています。事業別セグメント間取引は、通常の業務上行う取引条件で行っています。
(3) 地域に関する情報
前第1四半期連結累計期間 (2019年6月30日に終了した3ヶ月間)
(単位:百万円)
当第1四半期連結累計期間 (2020年6月30日に終了した3ヶ月間)
(単位:百万円)
(注) 「その他」は、中南米、オセアニア、アフリカ、中近東からなります。
上記の金額は、当社または連結子会社の所在国の位置を基礎とした地域別に集計されています。所在地別セグメント間取引は、通常の業務上行う取引条件で行っています。
(4) 外部顧客の所在地別営業収益
トヨタは、IFRSで要求される情報に加え、財務諸表利用者に有用な情報を提供するため、当該情報を開示しています。
(注) 「その他」は、中南米、オセアニア、アフリカ、中近東ほかからなります。
7.公正価値測定
トヨタはIFRSに基づき、公正価値の測定を、それに用いたインプットの観察可能性および重要性によって以下の3つのレベルに分類しています。
レベル1:活発な市場における同一資産および負債の市場価格
レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接または間接的に使用して測定した公正価値
レベル3:観測不能なインプットを用いて測定した公正価値
(2) 公正価値の測定方法
資産および負債の公正価値は、関連市場情報および適切な評価方法を使用して決定しています。
資産および負債の公正価値の測定方法および前提条件は、次のとおりです。
現金同等物は、契約上の満期が3ヶ月以内のマネー・マーケット・ファンド等から構成されています。通常の事業において、ほとんどすべての現金及び現金同等物は極めて流動性が高く、購入時点から満期日までの期間が短期であり、その公正価値は帳簿価額と近似しています。
②営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務
これらの公正価値は、短期間で決済されるため、帳簿価額と近似しています。
③金融事業に係る債権
金融事業に係る債権の公正価値は、期限前返済率、予想信用損失および担保価値など、社内の仮定を用いて、将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引く事により見積もっています。
金融事業に係る債権の公正価値は、これらの観測不能なインプットを利用しているため、レベル3に分類しています。
④その他の金融資産
(公社債)
公社債には国債等が含まれ、2019年4月1日、2020年3月31日および2020年6月30日現在、その構成割合は、それぞれ国内債券17%、米国・欧州などの海外債券83%、国内債券20%、米国・欧州などの海外債券80%、および国内債券21%、米国・欧州などの海外債券79%となっています。これらは主に、それぞれ同一資産の市場価格により測定しています。
(株式)
株式は2019年4月1日、2020年3月31日および2020年6月30日現在、それぞれ92%、90%および89%が日本市場の上場株式です。これらは主に、それぞれ同一資産の市場価格により測定しています。したがって、活発な市場のある株式はレベル1に分類しています。
活発な市場のない株式の公正価値は、類似企業の市場価格に基づく評価技法等を用いて測定しています。したがって、活発な市場のない株式はレベル3に分類しています。
レベル3に区分された株式の公正価値の測定に関する重要な観察不能なインプットは、類似企業の株価純資産倍率および割引キャッシュ・フロー法に用いられる割引率です。公正価値は類似企業の株価純資産倍率の上昇 (低下) 、割引率の低下 (上昇) により増加 (減少) します。なお、観察不能なインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に見込まれる公正価値の増減は重要ではありません。
レベル3に区分された株式は、トヨタの連結決算会計方針に従い、トヨタの担当部門が四半期ごとに入手可能な情報を用いて測定し、公正価値の変動の根拠と併せて上位者に報告がなされています。
⑤デリバティブ金融商品
トヨタは、金利および為替の変動によるリスクを管理するために、先物為替予約取引、通貨オプション取引、金利スワップ取引、金利通貨スワップ取引および金利オプション取引等のデリバティブ金融商品を利用しています。デリバティブ金融商品は主に、金利、為替レートなどの観測可能な市場情報および契約条項を利用した標準的な評価手法を用いて測定しており、測定に重要な判断を必要としません。これらのデリバティブ金融商品はレベル2に分類しています。観測可能な市場情報を入手できない場合には、取引相手から入手した価格やその他の市場情報により測定し、観測可能な市場情報を用いて当該価格の変動の妥当性を検証しています。これらのデリバティブ金融商品はレベル3に分類しています。また、倒産確率などを用い、取引相手およびトヨタの信用リスクを考慮して測定しています。
⑥有利子負債 (短期借入債務および長期借入債務)
特別目的事業体を通じて行った証券化取引に基づく担保付きの借入金 (以下、証券化に基づく借入金という。) を除く、短期借入債務および長期借入債務 (1年以内に返済予定の長期借入債務を含む) の公正価値は、類似した負債をトヨタが新たに借入れる場合に適用される利率を用いて、将来キャッシュ・フローを現在価値に割引くことにより見積もっています。当該観測可能なインプットの利用により、公正価値はレベル2に分類しています。
証券化に基づく借入金の公正価値は、直近の市場レートおよび支払期日が類似する債務の信用スプレッドに基づいて見積もられます。また、トヨタは証券化された原債権に対して支払われるキャッシュ・フローのタイミングを見積もるために、期限前返済率や予想信用損失など、社内の仮定も用います。証券化に基づく借入金の公正価値については、これらの観測不能なインプットを利用しているため、レベル3に分類しています。
トヨタが継続的に公正価値で測定している金融商品は次のとおりです。なお、公正価値のレベル間振替は、各四半期連結会計期間末に認識されています。
レベル3に分類された継続的に公正価値で測定している金融資産および負債の変動の内訳は次のとおりです。
なお、公社債、株式およびデリバティブ金融商品の純損益計上額は金融事業にかかる取引を除き、要約四半期連結損益計算書上、それぞれ「その他の金融収益」および「その他の金融費用」に含めて計上しています。金融事業にかかる取引については、それぞれ「金融事業に係る金融収益」および「金融事業に係る金融費用」に含めて計上しています。
上記のデリバティブ金融商品は、資産と負債 (△) を合計して純額で表示しています。2019年6月30日および2020年6月30日に終了した各3ヶ月間における「その他」には、外貨換算調整額が含まれています。
2019年6月30日に終了した3ヶ月間に認識されたレベル3からの振替は、投資先が取引所に上場したことによるものです。
(5) 償却原価で測定する金融資産および金融負債
償却原価で測定する金融資産および金融負債の帳簿価額と公正価値は次のとおりです。
上記の表には、償却原価で測定する金融資産および金融負債のうち、帳簿価額が公正価値と近似するものを含めていません。
8.配当金
配当金支払額は、次のとおりです。
前第1四半期連結累計期間 (2019年6月30日に終了した3ヶ月間)
当第1四半期連結累計期間 (2020年6月30日に終了した3ヶ月間)
9.営業収益
外部顧客向け営業収益の事業別・商品別内訳は次のとおりです。
10.1株当たり情報
基本的および希薄化後1株当たり親会社の所有者に帰属する四半期利益の差異の調整は次のとおりです。
2020年6月30日に終了した3ヶ月間において、47,100千株の第1回AA型種類株式は、逆希薄化効果を有するため希薄化後1株当たり親会社の所有者に帰属する四半期利益の計算から除外しています。
11.偶発債務
トヨタは、トヨタの製品販売にあたり、販売店と顧客が締結した割賦契約について、販売店の要請に応じ顧客の割賦債務の支払いに関し保証を行っています。顧客が必要な支払いを行わない場合には、トヨタに保証債務を履行する責任が発生します。
将来の潜在的保証支払額は、2020年6月30日現在、最大で3,358,745百万円です。トヨタは、保証債務の履行による損失の発生に備え未払費用を計上しており、2020年6月30日現在の残高は、13,081百万円です。保証債務を履行した場合、トヨタは、保証の対象となった主たる債務を負っている顧客から保証支払額を回収する権利を有します。
トヨタは、フロリダ州南地区連邦地方裁判所で、タカタや他の自動車メーカーに対して提起された類似訴訟とともに、多管轄係属訴訟に併合されたタカタ製エアバッグインフレーター (膨張装置) が欠陥との主張に基づく経済的損失に関する33件の米国集団訴訟で、被告として名前を挙げられていました。トヨタは、経済的損失に関する米国集団訴訟につき原告と和解合意に至り、裁判所は2017年10月31日に当該和解を承認しました。その後、一部の原告が提起した上訴が取り下げられたため、当該集団訴訟は終了しました。トヨタと他の自動車メーカーは、メキシコ、カナダ、オーストラリア、イスラエルおよびブラジルの集団訴訟および米国の州や属領による訴訟でも名前を挙げられていました。メキシコ、オーストラリア、イスラエル、ブラジルの集団訴訟および米国の州や属領による訴訟は係属中です。
トヨタは、米国環境保護局およびカリフォルニア州大気資源局に対し、排ガス不具合情報の報告要請における手続上の齟齬を解消すべく、排ガス部品の市場処置実施率の更新および排ガス関連不具合に関するその他の報告等について、自主届出を行いました。トヨタは、当該報告案件について米国環境保護局および連邦検事局民事部の調査に協力しており、協議を継続しています。当局の調査結果によっては、当局より、民事制裁金、罰金その他の処分又は訴訟の提起を受ける可能性があります。
この他にも、トヨタに対して、米国における人身傷害や死亡に関わる訴訟および請求を含む、様々な訴訟や請求があり、また、トヨタは行政調査の対象となる場合もあります。
トヨタは、上述の訴訟等に関して見積計上した金額以上の合理的な可能性がある損失の範囲を現時点で予測することはできません。その理由は以下のとおりです。 (1) 多くの訴訟手続が証拠収集の段階にあること、(2) 関連する多くの事実関係が確定される必要があること、(3) 申し立ての法的根拠および性質が不明であること、(4) 申し立てや上訴に対する今後の裁判所の判断が不明であること、(5) 同種の他の案件の結果が様々で、意味ある指針となるような十分な類似性を見出せないことによります。そのため、解決のため協議をおこなっているこれらの訴訟および調査等の結果により、見積計上した金額以上の損失が生じた場合、トヨタの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。
12.初度適用
(1) IFRSに基づく報告への移行
当社は、当第1四半期連結会計期間からIFRSに準拠した要約四半期連結財務諸表を作成しています。
米国会計基準に準拠して作成された直近の連結財務諸表は、2020年3月31日に終了した連結会計年度に関するものであり、IFRSへの移行日は2019年4月1日です。
IFRS第1号は、原則として遡及的にIFRSを適用することを求めています。ただし、一部については任意に免除規定を適用することができるものと、遡及適用を禁止する強制的な例外規定を設けています。当社は以下の項目について当該免除規定を採用しています。
①企業結合
移行日より前に行われた企業結合については、IFRS第3号「企業結合」を遡及適用していません。
②在外営業活動体の為替換算差額
移行日における累積為替換算差額の全額を、その他の包括利益累計額から利益剰余金に振り替えています。
③資本性金融資産の指定
移行日より前に認識した資本性金融資産については、移行日において存在する事実および状況に基づき、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するものとして指定しています。
④みなし原価
IFRS第1号では、有形固定資産について、移行日における公正価値をみなし原価として使用することを選択することができます。一部の有形固定資産について、移行日における公正価値をみなし原価として使用しています。
⑤使用権資産およびリース負債の認識
IFRS第1号では、借手のリースにおける使用権資産およびリース負債を認識する際に、すべてのリース取引について使用権資産およびリース負債を移行日において測定することが認められています。トヨタは、リース負債を移行日において測定しており、当該リース負債について、残りのリース料を移行日における借手の追加借入利率で割り引いた現在価値としています。また、使用権資産を移行日において測定しており、リース負債と同額としています。なお、リース期間が移行日から12ヶ月以内に終了するリースについて、当該リースに関連したリース料をリース期間にわたって、定額法により純損益として認識しています。
(2) 米国会計基準からIFRSへの調整
当社は、IFRSに移行するにあたり、既に開示された米国会計基準による連結財務諸表または四半期連結財務諸表に対して必要な調整を加えています。
なお、調整表上の「表示組替」には利益剰余金および包括利益に影響を及ぼさない項目を、「認識及び測定の差異」は利益剰余金および包括利益に影響を及ぼす項目を示しています。
① 移行日 (2019年4月1日) 現在の資本に対する調整
② 前第1四半期連結会計期間 (2019年6月30日) 現在の資本に対する調整
③ 前連結会計年度 (2020年3月31日) 現在の資本に対する調整
④ 前第1四半期連結累計期間 (2019年6月30日に終了した3ヶ月間) の純損益に対する調整
⑤ 前第1四半期連結累計期間 (2019年6月30日に終了した3ヶ月間) の包括利益に対する調整
⑥ 前連結会計年度 (2020年3月31日に終了した1年間) の純損益に対する調整
⑦ 前連結会計年度 (2020年3月31日に終了した1年間) の包括利益に対する調整
(3) 調整に関する注記
①表示組替
A.米国会計基準で区分掲記していた「未収入金」について、IFRSでは「営業債権及びその他の債権」へ組み替えています。
B.米国会計基準で区分掲記していた「有価証券」について、IFRSでは流動資産の「その他の金融資産」へ組み替えています。
C.米国会計基準で「前払費用及びその他」に含めていた流動資産の「その他の金融資産」について、IFRSでは区分掲記しています。
D.米国会計基準で相殺表示していた一定の要件を満たすデリバティブ資産とデリバティブ負債について、IFRSでは総額表示しています。
E.米国会計基準で「前払費用及びその他」に含めていた「未収法人所得税」について、IFRSでは区分掲記しています。
F.米国会計基準で区分掲記していた「従業員に対する長期貸付金」について、IFRSでは非流動資産の「その他の金融資産」へ組み替えています。
G.米国会計基準で投資及びその他の資産の「その他」に含めていた「使用権資産」、「無形資産」、「繰延税金資産」および非流動資産の「その他の金融資産」について、IFRSでは区分掲記しています。
H.米国会計基準で区分掲記していた「未払金」について、IFRSでは「営業債務及びその他の債務」へ組み替えています。
I.米国会計基準で区分掲記していた「1年以内に返済予定の長期借入債務」について、IFRSでは流動負債の「有利子負債」へ組み替えています。
J.米国会計基準で「未払費用」に含めていた「品質保証に係る負債」について、IFRSでは区分掲記しています。
K.米国会計基準で流動負債の「その他」に含めていた「その他の金融負債」について、IFRSでは区分掲記しています。
L.米国会計基準で「中間資本」に表示していたAA型種類株式について、IFRSでは非流動負債の「有利子負債」へ組み替えています。
M.米国会計基準で固定負債の「その他」に含めていたリース負債について、IFRSでは非流動負債の「有利子負債」へ組み替えています。
②認識及び測定の差異
以下の調整に対して、関連する非支配持分への按分を行っています。
a.棚卸資産の評価方法
米国会計基準では一部の子会社の棚卸資産について後入先出法により取得原価を算定していますが、IFRSでは総平均法により算定しています。
b.資本性金融資産の公正価値測定
非上場株式について、米国会計基準では取得原価で計上していますが、IFRSではその他の包括利益を通じて公正価値で測定しています。また、資本性金融資産について、米国会計基準では評価損益、売却損益および減損損失を純損益として認識していますが、IFRSでは公正価値の変動額をその他の包括利益として認識しています。
c.みなし原価
IFRS第1号の免除規定を適用し、一部の有形固定資産について移行日における公正価値をみなし原価として使用しています。当該免除規定を適用した有形固定資産の米国会計基準における帳簿価額は59,456百万円であり、公正価値は21,225百万円です。
d.使用権資産およびリース負債の認識
米国会計基準では、使用権資産およびリース負債の認識前の金額を記載していますが、IFRSでは、IFRS第16号「リース」の適用により新たに認識された使用権資産およびリース負債を計上しています。
e.開発費の資産計上
米国会計基準では開発費を費用処理していますが、IFRSでは資産化の要件を満たすものについて資産計上しています。
f.税効果会計
米国会計基準からIFRSへの調整に伴い一時差異が発生したこと等により、繰延税金資産および繰延税金負債の金額を調整しています。このうち、開発費の資産計上に係る繰延税金負債は、移行日、前第1四半期連結会計期間および前連結会計年度において、それぞれ188,837百万円、186,321百万円および193,271百万円です。
g.在外営業活動体の為替換算差額
IFRS第1号の免除規定により、移行日における在外営業活動体の為替換算差額を、その他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えています。
h.確定給付制度に係る退職給付債務
米国会計基準では数理計算上の差異および過去勤務費用については発生時にその他の包括利益として認識しその後の期間において償却しています。一方、IFRSでは数理計算上の差異を含む確定給付制度の再測定については発生時にその他の包括利益として認識し直ちに利益剰余金に振り替え、過去勤務費用については発生時に一時の損益として認識しています。
i.報告期間の統一
当社と決算日が異なる一部の連結子会社および持分法適用会社について、移行日において当社の決算日に合わせた報告期間の統一を行っています。
j.利益剰余金に対する調整
小計については、その他の資本の構成要素との組替です。
キャッシュ・フローに対する調整
米国会計基準に準拠して開示している連結キャッシュ・フロー計算書では、金融債権の増加、金融債権の回収、および金融債権の売却を投資活動によるキャッシュ・フローとして区分しています。一方で、IFRSに準拠して開示している連結キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローとして区分しています。