第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における我が国経済は、海外情勢が厳しさを増したこと等により、景気の回復基調にもたつきが見られました。世界経済は、米国を中心とした先進国経済は景気回復局面が続いた一方で、中国経済の減速、原油価格の下落により新興国の経済成長が鈍化するなど、地域によりばらつきが見られました。また、金融市場においては、不安定な場面が多く見られました。

当連結会計年度の国内のトラック市場につきましては、景気回復により引き続き底堅く推移し、普通トラック(大型・中型トラック)の総需要は88.3千台と前期に比べ0.6千台(0.7%)の増加、小型トラックの総需要は98.2千台と前期に比べ1.6千台(1.7%)の増加となりました。当連結会計年度の普通トラック市場のシェアは、グループ一丸となった販売活動の結果、過去最高の37.4%となり、43年間連続して登録台数No.1となりました。また、小型トラック市場のシェアは、積極的な販売活動の結果、過去最高の24.8%を達成いたしました。なお、国内売上台数につきましても、普通トラック、小型トラック、バス総合計で61.3千台と前期に比べ2.3千台(3.9%)増加いたしました。

海外市場につきましては、インドネシアで市場の低迷が続きましたが、北米等で販売を伸ばし、当連結会計年度の海外トラック・バスの売上台数は106.9千台と前期に比べ0.6千台(0.6%)増加いたしました。

以上により、日野ブランド事業のトラック・バスの総売上台数は168.2千台と前期に比べ2.9千台(1.8%)増加し、過去最高となりました。

また、トヨタ向け車両台数につきましては、SUV、積載系車両ともに台数が減少した結果、総売上台数は154.9千台と前期に比べ13.3千台(△7.9%)減少いたしました。

以上により、当連結会計年度の連結売上高は1兆7,455億40百万円と前期に比べ602億42百万円(3.6%)の増収となりました。損益面では、研究開発費が増加したこと等により、連結営業利益は982億87百万円と前期に比べ72億32百万円(△6.9%)の減益、経常利益は958億92百万円と前期に比べ87億8百万円(△8.3%)の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は651億30百万円と前期に比べ93億69百万円(△12.6%)の減益となりました。

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

(日本)

日野ブランド事業の国内向けトラック・バスの売上高は、堅調な需要の中、グループ一丸となった販売活動で売上台数を伸ばしたこと等により、増収となりました。海外向けについては、米国・ベトナム向け等の売上台数が増加したものの、インドネシア向け等の売上台数が減少したこと等により、減収となりました。また、トヨタ向けについては、「FJクルーザー」が減少したものの「ランドクルーザープラド」が増加したこと等により、増収となりました。
 以上により、売上高は1兆3,806億13百万円と前期に比べ227億77百万円(1.7%)の増収となりました。損益面におきましては、主力市場であるタイ・インドネシアの販売環境が悪化したこと及び研究開発費等の経費が増加したこと等により、セグメント利益(営業利益)は676億38百万円と前期に比べ102億76百万円(△13.2%)の減益となりました。
 

 

(アジア)

為替が前期に比べ円安であったことによる換算差等により、売上高は3,819億67百万円と前期に比べ143億79百万円(3.9%)の増収となりました。損益面におきましては、インドネシア等における売上台数が減少したこと等により、セグメント利益(営業利益)は146億6百万円と前期に比べ7億19百万円(△4.7%)の減益となりました。

 

(その他)

為替が前期に比べ円安であったことによる換算差等により、売上高は2,314億46百万円と前期に比べ196億14百万円(9.3%)の増収となりました。損益面におきましては、欧州・中南米等における売上台数が減少したこと等により、セグメント利益(営業利益)は108億95百万円と前期に比べ10億45百万円(△8.8%)の減益となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益の計上、減価償却費の計上等による資金の増加があった一方で、有形固定資産の取得による支出、法人税等の支払等による資金の減少により、前期末に比べ16億9百万円減少(前期は219億53百万円減少)し、339億49百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、1,113億66百万円(前期は777億56百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上が968億82百万円(前期は1,032億33百万円)、減価償却費の計上が493億14百万円(前期は439億57百万円)あった一方で、法人税等の支払が△302億43百万円(前期は△404億1百万円)あったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、876億85百万円(前期は750億11百万円の減少)となりました。これは主に、国内生産体制最適化に向けた工場建設及び海外工場の製造設備を中心とした有形固定資産の取得による支出が791億6百万円(前期は676億71百万円)あったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、221億20百万円(前期は261億68百万円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払が240億79百万円(前期は217億66百万円)あったことによるものです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

 

(1) 生産実績

   当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

区分

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

  至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

日本

トラック・バス(台)

138,483

△8.8

トヨタ向け車両(台)

150,581

△4.3

アジア

トラック・バス(台)

24,387

+38.4

トヨタ向け車両(台)

4,232

△60.7

報告セグメント計

トラック・バス(台)

162,870

△3.9

トヨタ向け車両(台)

154,813

△7.9

その他

トラック・バス(台)

トヨタ向け車両(台)

合計

トラック・バス(台)

162,870

△3.9

トヨタ向け車両(台)

154,813

△7.9

 

 

(2) 受注状況

当社グループは国内及び海外の販売実績及び販売見込等の資料を基礎として見込生産を行っております。なお、トヨタ向け車両についてはトヨタ自動車株式会社からの受注に基づき生産しております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

  至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

日本(百万円)

1,380,613

+1.7

アジア(百万円)

381,967

+3.9

 報告セグメント計(百万円)

1,762,581

+2.2

その他(百万円)

231,446

+9.3

調整額(百万円)

△248,487

△1.4

合計(百万円)

1,745,540

+3.6

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  平成26年4月1日

至  平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

金額
(百万円)

割合
(%)

金額
(百万円)

割合
(%)

トヨタ自動車㈱

364,985

21.7

365,822

21.0

 

2.上記金額には、消費税等は含まれていません。

 

 

3 【対処すべき課題】

平成28年度は、日本においては景気回復基調が続くものと予想されますが、足元では個人消費の停滞感や企業の設備投資鈍化が見られます。世界経済は、米国やユーロ圏において緩やかな景気拡大が予想される一方、中国経済が安定的な成長へ移行できず減速した場合、東南アジアを中心とする新興国の経済成長は一層鈍化することが予想されます。また、資源安が及ぼす影響や為替の動向についても注視していく必要があると考えております。

このような中、当社グループは海外に軸足を置いた成長戦略と他社との競合に勝ち抜くための諸施策を実行し、経営環境の変化に強い企業体質の実現を通じて、持続的な成長を目指してまいります。具体的な施策は以下のとおりです。

 

①商品力の強化

当社グループは、商品の品質、耐久性、信頼性の更なる向上に加えて、各国地域市場の特性や用途に応じた適格商品の開発を推進いたします。

環境面においては、日本国内では平成28年度より次期排ガス規制が施行されますが、これを契機とした商品力向上を図ってまいります。その他、各国の排出ガス規制に対応した商品の提供はもちろん、低燃費商品としてハイブリッド車などの開発・普及をさらに推進いたします。

安全面では、衝突被害軽減装置などの安全装備の普及促進に引き続き努めてまいります。また、将来に向けた先進技術の研究開発を積極的に推進し、技術の蓄積に努めてまいります。

 

②「ものづくり改革」と生産供給体制の最適化

当社グループは、お客様や社会のニーズに適した商品を、最短のリードタイムでお客様へ提供するために、車の作り方を進化させるとともに、生産供給体制の最適化を進めております。この一環として、国内では工程再編を推進してまいりましたが、大中型車両生産のマザー工場となる古河工場は、平成29年の年初より本格稼働開始を予定しており、今後生産開始に向けた設備導入などを進めてまいります。一方、ユニット生産のマザー工場となる新田工場においては、平成28年の後半に大型エンジン工場が稼働を開始する計画であり、古河・新田という2つの工場における建設プロジェクトを着実に遂行してまいります。

 

③販売・サービス力の強化

当社グループでは、お客様へのより良い商品の提供に加え、迅速な補給部品供給や整備、お役立ち活動などより良いサービスも含めたトータルサポートで、お客様のビジネスを支えることを目指しております。この「トータルサポート」を通じて、国内外での当社グループの優位性を強化してまいります。

 

④信頼される人づくり

当社グループは、お客様に信頼される人材づくりを引き続き推進してまいります。感謝の気持ちや前向きな意欲、最善を尽くす努力を忘れず、お客様にとって頼りになる存在になるべく、グループ一丸となって進めてまいります。

 

⑤トヨタ事業

トヨタグループのトラック・バスなどの商用車事業の一翼を担う当社グループは、開発、生産、販売面でトヨタ自動車株式会社と連携した取り組みを実施するとともに、引き続きトヨタ自動車株式会社とともに国内外の商用車ニーズを満たすべく努力してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月24日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 需要及び価格の変動

国内においてのトラック・バス等の販売は、国及び地方自治体による環境規制強化の実施の有無による需要の変動に大きく影響を受けます。また、国内貨物輸送の低迷や物流改革の進行により今後のトラック需要は減少する可能性があります。さらに、他社との価格競争により当社製品の価格変動を引き起こす可能性があります。

海外においてのトラック・バス等の販売は、国・地域及びその市場における経済状況の影響を受け、かつ、他社との価格競争により当社製品の価格変動を引き起こす可能性があります。

 

(2) 材料価格の変動

当社グループは国内及び海外の複数のメーカーから鋼材等の資材、部品等を調達し、トラック・バス、エンジン等を生産しております。これらの材料価格は、業界の需要や原材料の価格に伴い変動しております。材料価格が高騰し、かつ、長期化する場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 為替の変動

当社は円表示で連結財務諸表を作成しており、海外における現地通貨建の売上高、費用、資産等の項目は、連結財務諸表作成時に円換算されるため、換算時の為替レートによって、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。

また、国内外での原材料等の仕入れや製品の販売において、外国為替相場の変動は当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。この為替変動リスクを抑えるために一部でデリバティブ取引を行っておりますが、それによって本来得られた利益を逸失する可能性があります。

 

(4) 金利の変動

資金調達に係るコストは、市場金利が急激に上昇した場合、支払利息の負担が増大するなど、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 貸倒れリスク

当社グループは当社で生産したトラック・バスを全国の販売会社を通し様々な取引先に販売をしております。これらの取引先において信用不安などにより予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、追加的な損失や引当の計上が必要となる場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 親会社との取引

当社グループは、親会社であるトヨタ自動車株式会社より乗用車及び一部の小型トラックの生産を委託されており、また小型トラックのOEM供給を行っております。当連結会計年度の売上高の21.0%を同社に依存しております。

なお、当社とトヨタ自動車株式会社との取引は、「関連当事者情報」に記載しております。

 

 

(7) 国内外での事業活動

当社グループは、日本をはじめアジアを中心とした世界各地で事業活動を展開しております。それらの事業活動には、通常、予期しない法律や規制の変更、産業基盤の脆弱性、人材の採用・確保の困難等、経済的に不利な要因の存在又は発生、テロ・戦争・自然災害・その他の要因による社会的又は政治的混乱等のリスクが存在します。こうしたリスクが顕在化することによって、当社グループの事業活動に支障が生じ、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループの世界各地域における事業活動は、「セグメント情報」に記載しております。

 

(8) 法規制等

当社グループは、国内外でのトラック・バス等の販売において、安全性や排出ガス、燃費、騒音、公害などに関する法規制等やその他各国の様々な法規制等の適用を受けているため、これらの規制に適合するために費用を負担しております。これら法規制等の制定又は改正が行われた場合、費用負担が増える可能性があります。

 

(9) 製造物責任(PL)

当社グループの事業運営上、製品の欠陥に起因して大規模な製品回収や損害賠償につながるリスクが現実化し、これを保険により填補できない事態が生じる可能性があります。また、これらのリスクが顕在化する場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) トヨタ自動車株式会社との業務提携

昭和41年10月より、当社はトヨタ自動車株式会社と業務提携を行っており、現在当社は同社より乗用車「ランドクルーザープラド」及び「FJクルーザー」の生産を受託し、小型トラック「ダイナ/トヨエース」を同社に対してOEM供給しております。また商品相互補完取引、台湾における合弁会社(国瑞汽車株式会社)への共同出資、トヨタ販売網を通じた当社製品の販売など各般にわたって提携関係の発展・強化を図っております。

 

(2) いすゞ自動車株式会社との株主間協定書締結

当社といすゞ自動車株式会社は、両社が保有するバス製造子会社である日野車体工業株式会社及びいすゞバス製造株式会社の株式を、バス事業統合準備会社として両社が折半出資により設立したジェイ・バス株式会社へ譲渡すること並びに統合の基本的事項について合意し、平成15年9月12日、株主間協定を締結いたしました。

さらにその統合効果を最大限に引き出すことを目的として、ジェイ・バス株式会社はその傘下の両バス製造子会社と、平成16年7月30日に合併契約を締結、平成16年10月1日に合併いたしました。

 

(3) 中国の上海日野エンジン有限会社の合弁契約締結

当社は、今後、トラック・バスの大市場と見込まれる中国で、エンジンの現地生産及び販売を行うことを目的とし、中国のエンジン製造会社である上海柴油機股有限公司との折半出資で合弁会社を設立する合弁契約を平成15年8月6日に調印いたしました。これにより、平成15年10月8日に合弁会社を設立いたしました。平成19年9月、上海柴油機股有限公司の出資持分の全部分を上海電気(集団)総公司に譲渡したため、当社は上海電気(集団)総公司と修正合弁契約を締結いたしました。平成22年4月、上海電気(集団)総公司が、出資持分の一部を広州汽車集団股有限公司に譲渡したため、当社は上海電気(集団)総公司及び広州汽車集団股有限公司と修正合弁契約を締結いたしました。

 

(4) 中国の広汽日野自動車有限会社の合弁契約締結

当社は、中国において、商用車、シャシ及びエンジン等部品の開発・設計・生産・販売・アフターサービスを行うことを目的とし、中国での自動車製造・販売等を主要事業とする広州汽車集団股有限公司と折半出資で合弁会社を設立する合弁契約を平成19年8月10日に調印し、平成19年11月28日に広汽日野自動車有限会社を設立いたしました。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは「人、そして物の移動を支え、豊かで住みよい世界と未来に貢献する」ことを使命とし、「技術の継承と革新を続け、より高い技術の開発に取組み、世界の人々から信頼される商品やサービスを提供する」ことを基本理念とし、時代の変化を的確に捉え、社会との調和を図り、安全で環境に優しい商品や質の高いサービスを提供するため、積極的な研究開発活動を行っております。

当社の研究開発は、当社を中心に、子会社をはじめとする関係各社との緊密な連携のもとで推進されております。また、基礎研究分野において、技術研究所を中心として環境、安全、材料などの分野における研究開発に取り組んでおります。

当社は、環境や安全に対する取組みに加え、耐久性や燃費などの性能向上、プロダクト・ライフサイクル・コストの低減など、よりよい商品とサービスを世界の人々に提供する為に商品・技術開発を行っております。

セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

 

(日本)

[最近の新製品]

1) 小型トラック「日野デュトロ」を改良して、平成27年5月7日に発売いたしました。
当社は、安全装備を標準装備として普及を促進することが交通事故削減に効果的と考え、従来より標準装備を推進してきましたが、今回の改良では、車両安定制御システム「VSC※1」及び「電動パーキングブレーキ」をディーゼル車及びハイブリッド車に標準装備※2とし、安全装備を充実させました。「日野デュトロ」のVSCは先進安全自動車(ASV)技術としての「車両安定制御装置」の技術的要件を満たしており、装着車はASV減税※3の対象となります。
 またハイブリッド車はエコカー減税の新たな区分「平成27年度燃費基準+15%達成」の適用対象となり、取得税、重量税がともに免税となります。
 VSCは、横転や滑りやすい路面でのドリフトアウトやスピンを抑制するために、警報音やエンジンの出力制御、またブレーキを作動させることでドライバーの危険回避操作を支援します。
 電動パーキングブレーキは、電動モーターがパーキングブレーキケーブルを牽引することで制動力を発生させる仕組みで、軽いレバースイッチのON・OFF操作だけでパーキングブレーキの作動・解除が可能です。また、車両の状況に応じて引き代を自動コントロールするため、常に制動力を確保し安全・確実な駐車をサポートします。
 今回発売した日野デュトロのディーゼル車及びハイブリッド車は、エコカー減税※4又はASV減税の対象※5となります。
※1 VSC=Vehicle Stability Control。「VSC」はトヨタ自動車㈱の登録商標です。
※2 「VSC」は、ガソリン車・LPG車には設定なし。「電動パーキングブレーキ」はダブルキャブ・ルート
   バン・ガソリン車・LPG車には設定なし。
※3 先進安全自動車(ASV)技術を備えるトラック・バスについて自動車取得税、自動車重量税を軽減する
   特例措置。
     VSCを装備した日野デュトロは、取得税については取得価額から350万円控除、重量税は50%減税と
   なります。
※4 ディーゼル車は取得税40%、重量税25%の減税、ハイブリッド車は取得税、重量税ともに免税となり
   ます。
※5 エコカー減税又はASV減税のどちらかを選択。排出ガス記号「TDG-」の車型はASV減税のみ対象です。

 

 

2) 大型路線バス「日野ブルーリボンⅡ」と「日野ブルーリボンシティ ハイブリッド」をモデルチェンジし、ディーゼル車を「日野ブルーリボン」として平成27年9月1日に、ハイブリッド車を「日野ブルーリボン ハイブリッド」として平成27年12月1日に発売いたしました。
  今回のモデルチェンジでは、エンジンの小排気量化とAMT(機械式自動変速機)の採用、また「日野ブルーリボン ハイブリッド」はEV走行も可能な新ハイブリッドシステムを搭載することにより大幅に燃費を向上させました。「日野ブルーリボン」は燃費基準値に対して+13%※1、「日野ブルーリボン ハイブリッド」は+20%の低燃費を達成、これによりエコカー減税の対象※2となります。
 今回「日野ブルーリボン」に搭載した4HK1型エンジン、「日野ブルーリボン ハイブリッド」に搭載したA05C型エンジンは、ともに排気量5.1Lのダウンサイジングエンジンで、小排気量でありながら低回転から高トルクを発揮し、十分な動力性能を確保しながら低燃費を実現しています。また新たに採用した6段AMTは、電子制御による自動変速でエンジンの燃費の良い領域を適切に使用することで燃費を向上させます。
 またホイールベースを延長してノンステップエリアを拡大するとともに新型客席シートの採用などにより乗客の利便性、快適性を向上させています。さらに設置の簡単な車いす用スロープや車いす固定装置を採用し、車いすの乗客にも優しいバスとしました。
 「日野ブルーリボン ハイブリッド」は、今回新たにエンジンとモーターの間にクラッチを配置することでエネルギー回生効率を向上させるとともに、発進時にはモーターのみによるEV走行※3を可能にしました。また、ハイブリッドシステムの高電圧によって乗客や車外に対して危険を及ぼすことを防止する対策を十分に実施しており、平成26年6月以降の新型自動車に適用される「バッテリー式電気自動車に係る協定規則(第100号)」に適合しています。
※1 車両総重量14トン超16トン以下のAMT搭載車。車両総重量クラスやトランスミッションによって異なり
   ます。
※2 「日野ブルーリボン」は+10%の区分に該当し取得税が80%、重量税が75%の減税、「日野ブルー
   リボン ハイブリッド」は+15%の区分に該当し取得税・重量税ともに免税となります。
※3 EV走行時もエンジンはアイドリングで稼働しています。

 

3) 「日野レンジャー」に低燃費を追求した新型ダウンサイジングエンジンを搭載し、VSC(車両安定制御システム)※1を標準装備とした新車型を追加設定して、平成27年10月1日に発売いたしました。
 今回追加した新車型は車両総重量14トンクラスの「日野レンジャーFE」で、新型エンジンの搭載と、新型7段トランスミッションの採用により重量車燃費基準+5%の低燃費※2を達成。これによりエコカー減税の対象となり取得税が60%、重量税が50%の減税となります。また「日野レンジャーFE」のVSCは先進安全自動車(ASV)技術としての「車両安定制御装置」の技術的要件を満たしており、装着車はASV減税※3の対象となります。
 今回新たに搭載したA05C型エンジンは、排気量5.1Lのダウンサイジングエンジンで、小排気量でありながら低回転から高トルクを発揮し、十分な動力性能を確保しながら低燃費を実現しています。
  VSCは、横転や滑りやすい路面でのドリフトアウトやスピンを抑制するために、警報音やエンジンの出力制御、またブレーキを作動させることでドライバーの危険回避操作を支援します。
※1 VSC=Vehicle Stability Control。「VSC」はトヨタ自動車㈱の登録商標です。
※2 重量車モード燃費値6.10km/L(平成27年度燃費基準値 5.69km/L:車両総重量12トン超~14トン
   以下) 
※3 先進安全自動車(ASV)技術を備えるトラック・バスについて自動車取得税、自動車重量税を軽減
   する特例措置。
     VSCを装備した日野レンジャーは、取得税については取得価額から350万円控除、重量税は50%減税と
   なります。

 

 

4) 中型トラック「HINO500シリーズ」の新モデル発表会を、平成27年9月にタイにおいて行いました。この新型車は、モジュール化による市場適格車の第一弾として開発したモデルで、平成27年1月のインドネシアに続く2ヶ国目の導入となります。タイ市場への適格モデルとして、同国のお客様ニーズに応える仕様の車型をラインアップしています。
 モジュール化新商品は、基幹部品であるコア部品と、お客様要望に応えてカスタマイズするための周辺部品に分け、コア部品は共通化を進めて日本で集中生産する一方、周辺部品を中心に現地調達を増やすことにより、市場ごとに異なる多種多様な適格モデルをお客様の近くで作り分けます。その結果、タイをはじめ、各市場のお客様ニーズを満たす多様なラインアップを、より短いリードタイムでお届けすることが可能になります。
 このモジュール化の考え方に基づく中型トラックは、インドネシア、タイに続き、今後数年間で各地域・市場ごとに適格化して、導入先を広げていきます。

 

5) 「日野レンジャー」に、燃費を向上させ重量車燃費基準値に対して+5%を達成した新車型を追加設定して、平成27年11月2日に発売いたしました。
  今回追加した新車型は車両総重量8トンクラスの「日野レンジャーFC」及び「日野レンジャーFD」の177kW(240PS)エンジン搭載車で、エンジンの低回転化とアイドル・ストップ・システム作動条件の変更により重量車燃費基準+5%の低燃費※を達成。これによりエコカー減税の減税率が取得税が60%、重量税が50%となります。
※ 重量車モード燃費値7.70km/L(平成27年度燃費基準値 7.24km/L:車両総重量7.5トン超~8トン以下)

 

[最近の主な成果]

 東京都で燃料電池バスの実証実験を実施

トヨタ自動車㈱と、平成27年7月24日から30日にかけて、東京都において燃料電池バス(以下、FCバス)の実証実験を実施しました。
 具体的には、燃料電池自動車(FCV)「MIRAI(ミライ)」向けに開発したシステム「トヨタフューエルセルシステム(TFCS)※」を搭載したFCバスで、非常時を想定した外部電源供給システムの公開給電実証と、路線バスなど公共交通としての実用性を確認する走行実証を、東京都の協力を得て実施しました。大都市における非常時の給電機能の実用性や、都内道路環境における走行性能を検証することにより、FCバスの技術開発を着実に推進していきます。
 水素を燃料として自ら発電して走るFCバスは、将来の水素社会実現に寄与する輸送手段として期待されており、トヨタと日野は、FCバスの市場導入に向けて技術開発を加速していきます。
※ FCスタック、モーター、高圧水素タンク、FC昇圧コンバーター、駆動用バッテリーなどで構成される。

 

以上、当連結会計年度の「日本」セグメントの研究開発費の総額は、609億97百万円であります。

 

(アジア)

該当事項はありません。

 

(その他)

該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ43億8百万円減少し、1兆1,198億88百万円となりました。これは、国内生産体制の最適化の一環として設備投資を行った結果により、有形固定資産が348億10百万円増加した一方で、売掛債権が166億22百万円減少したこと、並びに投資有価証券が220億23百万円減少したこと等によります。

負債につきましては、前連結会計年度末に比べ128億29百万円減少し、6,459億96百万円となりました。これは、買掛債務が92億86百万円減少したこと等によります。

また、純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ85億20百万円増加し、4,738億91百万円となりました。これは、退職給付に係る調整累計額が115億59百万円減少したこと、その他有価証券評価差額金が112億56百万円減少したこと、並びに剰余金の配当を240億79百万円行った一方で、親会社株主に帰属する当期純利益を651億30百万円計上したこと等によります。

 

(2) 経営成績の分析

①  売上高

当連結会計年度の売上高は、1兆7,455億40百万円と前期に比べ602億42百万円(3.6%)の増収となりました。

国内トラック・バスにつきましては、景気回復により引き続き底堅く推移し、売上高は4,439億73百万円と前期に比べ307億27百万円(7.4%)の増収となりました。

海外トラック・バスにつきましては、北米等で販売を伸ばしたこと及び為替が前期に比べ円安であったことによる換算差等により、売上高は4,852億64百万円と前期に比べ296億8百万円(6.5%)の増収となりました。

トヨタ向け車両につきましては、SUV・積載系車両ともに売上台数が減少したこと等により、売上高は3,418億23百万円と前期に比べ85億1百万円(△2.4%)の減収となりました。

その他の部門の売上高につきましては、国内・海外向け補給部品の売上高が増加したこと等により、4,744億79百万円と前期に比べ84億6百万円(1.8%)の増収となりました。

②  営業利益

主力市場であるタイ・インドネシアの販売環境が悪化したこと及び研究開発費等の経費が増加したこと等により、当連結会計年度の営業利益は、982億87百万円と前期に比べ72億32百万円(△6.9%)の減益となりました。なお、売上原価の売上高に対する比率は83.1%(前期は82.5%)、販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は11.2%(前期は11.3%)となりました。

③  経常利益

当連結会計年度は、持分法投資利益が17億27百万円、並びに受取配当金が9億75百万円前期に比べて増加した一方、営業利益の72億32百万円の減益に加え、為替差損益が前期に比べ64億58百万円悪化したこと等により、経常利益は958億92百万円と前期に比べ87億8百万円(△8.3%)の減益となりました。

④  税金等調整前当期純利益

当連結会計年度は、経常利益の87億8百万円の減益に加え、特別品質対策費を73億59百万円計上した一方、退職給付信託設定益を58億83百万円、投資有価証券売却益を9億4百万円(前期は83百万円)、負ののれん発生益を3億83百万円、段階取得に係る差益を5億81百万円計上したこと等により、税金等調整前当期純利益は968億82百万円と前期と比べ63億51百万円(△6.2%)の減益となりました。

⑤  親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の税金費用(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額)は、288億38百万円と前期に比べ47億14百万円の増加となりました。

また、非支配株主に帰属する当期純利益は、29億13百万円と前期に比べ16億95百万円減少しました。

以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は651億30百万円と前期に比べ93億69百万円(△12.6%)の減益となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、第2「事業の状況」 1「業績等の概要」(2)キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。