文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、建築物用免震・制振用オイルダンパーにおける不適切行為に関する外部調査委員会の原因分析および再発防止策の提言を踏まえ、今後は断じて不適切行為を発生させず、信頼回復に取り組むという覚悟を示すため、2019年10月1日付で経営理念の改定を行いました。具体的には、「規範の遵守」および「真摯に向き合う」という再発防止の趣意を新たに加えております。
当社グループは、持続的な成長と企業価値向上の実現を通してステークホルダーの期待に応えるとともに、社会に貢献するという企業の社会的責任を果たすため、この改定後の経営理念および以下の基本方針に基づき、取締役会を中心に迅速かつ効率的な経営体制の構築並びに公正性かつ透明性の高い経営監督機能の確立を追求し、コーポレート・ガバナンスの強化及び充実に取り組んでまいります。
<経営理念>
「人々の暮らしを安全・快適にする技術や製品を提供し、社会に貢献するKYBグループ」
1.規範を遵守するとともに、何事にも真摯に向き合います。
2.高い目標に挑戦し、より活気あふれる企業風土を築きます。
3.優しさと誠実さを保ち、自然を愛し環境を大切にします。
4.常に独創性を追い求め、お客様・株主様・お取引先様・社会の発展に貢献します。
<基本方針>
1.当社は、株主の権利を尊重し、平等性を確保する。
2.当社は、株主を含むステークホルダーの利益を考慮し、それらステークホルダーとの適切な協働に努める。
3.当社は、法令に基づく開示はもとより、ステークホルダーにとって重要または有用な情報についても主体的に開示する。
4.当社の取締役会は、株主受託者責任および説明責任を認識し、持続的かつ安定的な成長および企業価値の向上ならびに収益力および資本効率の改善のために、その役割および責務を適切に果たす。
5.当社は、株主との建設的な対話を促進し、当社の経営方針などに対する理解を得るとともに、当社への意見を経営の改善に繋げるなど適切な対応に努める。
新型コロナウイルスの感染拡大は変異を重ねながら第三波、第四波に至り収束の目途は立たず、米国大統領交代による米中対立の動向、新興国経済の伸び鈍化に加え、世界的な半導体や樹脂の需給逼迫など、更に不安定要素が増大しています。当社を取り巻く事業環境は、AC事業はMaaS、CASEに代表される100年に一度と言われる変革期を迎え、その潮流に遅れることなく対応を迫られる一方、HC事業は欧米、日本の成熟市場、中国、ASEANなどの新規・成長市場と発展段階に応じた戦略を求められています。航空機器事業では、新型コロナウイルスの世界的感染拡大により民需が激減する一方、特装車両事業では堅調な国内需要に支えられ順調に推移しています。システム製品では、免震・制振用オイルダンパーの適合化終結も近づきつつあり、お客様からの信頼回復を進めています。
一方、グローバルでの法規制の強化と企業のESGやSDGsに対する取り組みへの評価の高まり、更には、人口や社会の変化による働き方の多様化とグローバル化や経済成長に伴う賃金上昇の加速、IoT、AI、自動運転などの技術進化の加速と業界の垣根を越えた連携や異業種自体の台頭など、当社を取り巻く環境は急速な変化を見せています。昨年度より開始した2020中期経営計画では、新型コロナウイルス感染拡大による計画の遅れを取り戻すべく、不適切行為の再発防止とコンプライアンス遵守を根幹とし高収益体質への変革を目指す各種施策を着実に実行しております。
1.建築物用免震・制振用オイルダンパーにおける不適切行為に関する、再発防止策、対応の進捗
本問題に関する再発防止策および対応についての進捗状況は、2019年7月5日以降、以下の当社ホームページ上で3か月に1回、公表しておりますのでご参照ください。
なお、2021年3月末時点で、再発防止策の具体策全67項目の内、63項目を「完了」しており、全項目の完了に向けた取り組みを継続しております。
再発防止策の進捗状況:https://www.kyb.co.jp/company/progress/prevent.html
対応の進捗状況:https://www.kyb.co.jp/company/progress/exchange_progress.html
2.新型コロナウイルスの世界的感染拡大
新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的感染拡大による各国政府・自治体等の外出禁止や移動制限等の措置に伴う、当社グループの主要顧客の減産により、経営成績の悪化影響が生じております。また、現在収束に向かいつつある地域においても数次の再拡大があり、先行きが不透明な状況が続いています。当社グループ各社は、各国政府・自治体等の感染拡大防止の規制やガイドラインに従い、衛生管理の徹底、国内外の出張制限、テレワークやWeb会議の拡大等を実施し感染拡大防止を図っています。
3.マネジメント
「規範意識とコンプライアンス遵守」「人財育成・健康経営」「安全第一・品質経営」「高収益体質」
当社は、持続的な成長と企業価値向上の実現を通じて、ステークホルダーの期待に応えるとともに、社会に貢献するという企業の社会的責任を果たす一方、コーポレートガバナンスの強化に取り組んでまいりました。
信頼回復への取組みとしては、その前提となる免震・制振用オイルダンパーの適合化は2020年度末で約90%まで進み、終結の目途が付きました。引き続き、「規範意識とコンプライアンス遵守」を根幹にして、内部統制・監査機能の強化、企業風土改革を推進するとともに、グループ企業再編によるガバナンス強化、中国/北米/欧州の地域統轄会社体制の見直し、グループ財務体質の改善、またESG、SDGsといった社会からの期待への対応を取り組みの柱としてまいります。
また、働き方改革については、あらゆるハラスメントを許さない姿勢を明確に、適材適所の人員配置・人事ローテーションの実施により、風通しの良い職場作りを進めてまいります。
安全・品質については、引き続き重大災害、品質問題ゼロの達成と定着、各拠点の自立化を進めてまいります。
高収益体質の実現に向けては、2020年下期より強力に推進中の固定費管理を継続、原価低減活動や需要変動に強い生産体制作りを引き続き推進します。利益が確保できないビジネスについては撤退も辞さない姿勢で臨む一方、MaaSやCASE、DXといった新潮流を捉え、次世代の収益源に繋がる新市場、新製品創出の取組みは、歩みを止めることなく積極的に進めてまいります。
4.オートモーティブコンポーネンツ事業
「AC事業真価の発揮-深化-進化-新化-」
2020中期経営計画では「AC事業真価の発揮」をスローガンに既存事業の深堀り「深化」をはかり「進化」を進めるとともに、成長戦略として「新化」を図ってまいります。2021年度は2020年度下期より強化している固定費削減を継続し、各種再編計画の遂行による各拠点単体での利益確保、事業統制のしくみと体制強化、コスト競争力確保による利益重視の経営活動、客先開発パートナーの地位確立によるMaaS、CASEによる新市場・新製品開発と新顧客開拓とシステム、モジュールへの対応を、市販市場では「生・販・技」が連携して一体となった構造改革を進めてまいります。
5.ハイドロリックコンポーネンツ事業
「お客様から信頼され一番最初に頼りにされるメーカーとなる」「“稼ぎきる”=収益重視への転換」
HC事業では、2020中期経営計画における基本方針として選択と集中による長期的収益性向上を掲げ、欧米、日本の成熟市場においては高付加価値製品による収益の最大化を、中国、ASEANなどの新規・成長市場においては原価低減を重視して安定した利益確保を目指すなど、市場の発展段階に応じた地域別戦略と製品機能別戦略を進めております。2021年度はその展開を更に進め、また、将来に向けて、地域別戦略を核として次世代電子油圧機器の開発を進める一方、営業・間接部門再編により、HC事業全体での最適体制に転換し、機能強化を図ってまいります。
6.システム製品
「再び信頼される会社になろう」
免震・制振用オイルダンパーの早期適合化を図るとともに、ガバナンス強化を図り第三者からも認められる体制を構築してまいります。
7.航空機器事業
「生産体制・コストの見直しを図り事業再生」
航空機器事業は、コンプライアンス強化、安全第一・品質経営のもと、採算の好転を目指し、生産混乱でのロスの改善活動に注力し、生産体制の再整備を行ってまいります。
8.特装車両事業
「国内のさらなる体質強化と新たな海外展開に向けたグローバル体制の確立」
国内については、環境や人にやさしい、市場ニーズに資する高付加価値製品の開発による利益体質の強化を図ります。海外については、新たな海外ビジネスプランの策定による特装グローバル体制の基盤整備を進めてまいります。
9.技術・製品開発
「デジタル技術の活用と融合でイノベーションを起こす」
効率的な技術・製品開発と高利益率の製品の創出を図るため、商品企画書の運用と定着を進める一方、開発段階でのコストの作りこみ、優位性のある特許取得、モデルベース開発(MBD)手法の全社展開、更にIPランドスケープの試行等を進めてまいります。また、将来を見据えた技術/製品開発とモノづくりや技術革新への対応のため、中長期的視点に立った技術ロードマップの充実化、各事業と連携した革新的モノづくりの推進とデジタル技術を活用した競争力・独自性のあるモノづくりへの取組み、情報サービスの提供、クラウドを活用したIoTプラットフォームの構築など、新価値創出・新技術創造を図ってまいります。
10.人財育成
「心身ともに健康で働きがいのある職場の創出」「経営理念の実践に貢献できる人財育成」
「間接部門生産性向上の取り組み」
健康経営推進の取組みとして昨年度に続き健康経営優良法人2021の認定を取得、当社では従業員やその家族の健康を重要な経営資源、企業活力の源泉と位置付け、従業員一人ひとりが心身ともに健康で働きがいのある職場づくりに取り組んでおります。また、信頼回復に向けた規範意識醸成、風通しが良くハラスメントのない職場づくり、人財の多様化を図り、小集団活動を通じ次世代リーダーや、グローバルでの拠点経営者の育成を進める一方、RPA化を軸に間接部門の付加価値生産性の向上へ取り組み、固定費削減につなげてまいります。
11.モノづくり
「量変動に追従できる革新的モノづくりの実現 ~できる改善からやらねばならない改善~」
事業毎に最適な革新的モノづくりを実現し、安定して利益を生み出し続ける生産部門への改新を進めてまいります。その実現には、生産・物流改革、在庫低減によるコスト改善、革新的モノづくりを実現する生産設備、製品評価技術の開発、また設備投資の実効性向上、それらの改善を推進する人財の育成を進めてまいります。
当社グループは、これらの重点方策活動を着実に実施し信頼回復を図る一方、筋肉質で高収益な企業体質への改革に取り組んでまいります。
≪再発防止策の進捗状況≫
2019年2月13日付当社ホームページにて「当社及び当社の子会社が製造した建築物用免震・制振用オイルダンパーにおける不適切行為に関する原因究明・再発防止策について」を公表後、着実に再発防止策を遂行し、信頼回復に取り組んでまいりました。
2021年3月31日時点で、再発防止策の具体策全67項目の内、63項目を「完了」しており、未了の具体策についても「完了」に向けた取り組みを継続しております。
主な進捗状況は、再発防止策の4つの切り口ごとに以下の通りとなります。
①『厳格な規範意識の醸成及び企業風土の改革』
経営理念ならびに企業行動指針の改定、品質基本方針の新規策定などを実施しました。また、企業倫理の繰返し教育の体系化、事業および製品特有の法令に関する教育について、さらに深堀を行っております。
②『事業性の評価、事業運営体制及び情報共有体制等の見直し』
内部通報制度の周知教育ならびに製品の品質や安全に関わる不適切行為などについての通報を義務化しました。また、新たに整備した受注決定判断の運用状況の確認、計画的な人事ローテーションの推進などを継続しております。
③『検査体制・方法の改善』
製品の性能検査員の製造部門以外の部署への異動を実施するとともに、人為作業を介さない形でのオイルダンパー検査結果の自動保存等、新しい検査システムの導入を進めております。
④『内部監査・統制体制の強化』
グループ企業に対して品質不正を念頭においた監査を実施し、また、グループ企業に対する管理体制強化として、内部統制部と不正リスク特別監査委員会を新設しました。
なお、「完了」とした具体策についても、継続して運用してまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、3年間(2021年3月期~2023年3月期)の2020中期経営計画を策定しております。開始年度である昨年度の2021年3月期につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による影響を見通すことが極めて困難であったことから、目標とする経営指標の公表を控えておりました。
今般、外部環境を踏まえ見直しを行いました。目標数値は以下のとおりです。
(注) セグメント利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出したもので、日本基準の営業利益に相当いたします。
また、収益基盤の安定化を図るため、収益力改善については、固定費管理体制強化、不採算事業/拠点/製品の再編実施、グローバル総原価低減の推進、グループ生産体制の最適化を、財務体質改善については、当社単体の利益確保及び当社グループ自己資本比率改善を基本方針として、2023年3月期34%を目標としています。
当社グループの経営成績および財政状態のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主なリスクには、以下のようなものがあります。当社グループでは「リスク管理規程」に基づき、取締役会の下部組織であるリスク管理委員会において、全社的に対策を講じる必要のある重点リスクと責任部署を決定し、各責任部署がリスク管理活動を行うとともに、全社BCPプロジェクト活動により大規模自然災害に対処しております。また、事業リスクに関しては当該リスクを抱える事業部が責任をもって取り扱う一方、リスク管理委員会はモニタリングを行います。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社および連結会社)が判断したものであります。
当社及び当社の子会社であるカヤバシステムマシナリー株式会社は、建築物用の免震・制振部材としてオイルダンパーを製造・販売してまいりましたが、その一部について、性能検査記録データの書き換え行為により、大臣認定の性能評価基準(※)に適合していない、または、お客様の基準値を外れた製品(以下、「不適合品」といいます。)を建築物に取り付けていた事実(以下、「本件」といいます。)が判明し、国土交通省に報告を行うとともに、対応状況について、2018年10月16日に公表いたしました。(※)制振用オイルダンパーについては、大臣認定制度はありません。
本問題に関する再発防止策および対応についての進捗状況は、2019年7月5日以降、以下の当社ホームページ上で3か月に1回、公表しておりますのでご参照ください。
なお、2021年3月末時点で、再発防止策の具体策全67項目の内、63項目を「完了」しており、全項目の完了に向けた取り組みを継続しております。
再発防止策の進捗状況:https://www.kyb.co.jp/company/progress/prevent.html
対応の進捗状況:https://www.kyb.co.jp/company/progress/exchange_progress.html
本件に関し、現時点において収集可能な情報、及びその情報が合理的な事実に基づくものであると判断された免震・制振用オイルダンパーの製作費用、交換工事に要する費用、構造再計算費用、及び補償等について製品保証引当金を計上しております。一方、現時点においては、本件に関する訴訟等の費用について、その費用を信頼性のある合理的な見積りを行うことが困難なものは引当金を計上しておりません。
このことから、今後の進捗により、追加で引当金を計上することとなった場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
昨年来の新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的感染拡大による各国政府・自治体等の外出禁止や移動制限等の措置により、当社グループの主要顧客の減産による経営成績の悪化影響が生じております。また、現在収束に向かいつつある地域においても数次の再拡大があり、先行きが不透明な状況が続いています。このため、当社グループの経営成績や財政状態に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループ各社は、各国政府・自治体等の感染拡大防止の規制、ガイドラインに従い、衛生管理の徹底、国内外の出張制限、テレワークやWeb会議の拡大展開等を実施、感染拡大防止を図っております。
当社グループのAC(オートモーティブコンポーネンツ)事業・HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業の主要製品は自動車、建設機械および産業車両メーカー等(以下、お客様といいます)へ供給する組付用部品であり、世界的な自動車生産台数や建設機械生産台数に大きく依拠しています。世界的な景気悪化による自動車ならびに建設機械需要の減退、あるいは半導体等主要部材の需給状況によるお客様の生産調整等が、この部門の収益性に大きな影響を与えます。システム製品、航空機器事業、特装車両事業の製品は、国内を中心に展開しております。特にコンクリートミキサ車を主力とする特装車両は、景気の先行きと相関の深い建設工事の増減により需要が変動する可能性があります。
価格に関しては、国内・海外市場共に熾烈な価格競争にさらされており、お客様からのコスト低減、価格引下げ要請が常に存在します。品質に関しても、自動車では操縦安定性を支えるショックアブソーバや操舵力を補助するパワーステアリング等の重要な部品を供給しており、建設機械・産業車両等では母機を駆動させるシリンダ、モータ等の主要な機能部品を供給していることから、仮に当社グループが供給した製品に品質不良が発生した場合、その損害賠償をお客様から求められる等で多額の費用が発生する可能性があります。補修市場向けの四輪車用ショックアブソーバについては、販売数量や価格に関して、その地域の経済状況や競合他社の影響を受けることが予想されます。
当社グループは、原材料、構成部品等を多数の取引先から購入しておりますが、調達する原材料等は国際商品市況等の影響を大きく受け、原材料等の価格上昇を当社の販売価格に十分に反映出来ない場合、あるいは、販売価格引下げを原材料および構成部品価格に十分に反映出来ない場合、経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループは、主に国内外の金融機関等より設備資金ならびに運転資金の借入を実施しております。金融市場の動向には十分留意しておりますが、全般的な市況および景気の後退、金融収縮、当社グループの信用力の低下等の要因により、当社グループが望む条件で適時に資金調達できない可能性もあります。その結果、当社グループの財政状況や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
海外展開をしております生産拠点並びに販売拠点が受注量の減少や採算悪化等により経営が破綻した場合には、当社グループの経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループは、自動車並びに建設機械メーカー各社をはじめ多くのお客様と取引を行っております。客先の予期せぬ信用リスクにより、経営成績に影響を与える可能性があります。
国内外の当社グループは全社BCPプロジェクト活動により大規模自然災害に対処しておりますが、生産拠点での地震や風水害、火災等の災害、戦争、テロ等が起こった場合、当社グループの生産能力が著しく低下する可能性があります。
当社の国内の主要工場及び取引先の多くが中部地区に所在しております。従って中部地区で大規模な地震や風水害、その他の操業を妨げる事象が発生した場合、当社グループの生産能力が著しく低下する可能性があります。
また、当社グループの多くの工場では、油の特性を利用した油圧製品の生産を行っております。また、有機溶剤を使用する塗装設備、作動油・化学薬品等を貯蔵するタンク等があり、火災の発生や有害物質が流出する可能性があります。万が一、事故が発生した場合には生産活動が一時的に停止する可能性があります。
(5) 為替相場と金利上昇リスク
当社グループは、海外売上高が55.9%と海外市場に大きく依存しているため日本からの輸出はもとより在外関係会社の経営成績等も為替の影響を大きく受けます。
また、日本および海外における将来の金利上昇は、経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループを相手とした訴訟が起こされ、当社の主張と相違する結果となった場合には、その請求内容等によっては、当社グループの経営成績に多大な影響を及ぼす可能性があります。
(7) 情報セキュリティに係るリスク
当社グループは、情報資産の保護のために「情報セキュリティ基本方針」を定め、「情報セキュリティ管理責任者」を設置し情報セキュリティの確保、また定期的に全役員・従業員を対象にした教育・訓練を実施、管理体制の評価と見直しを行い継続的な改善に努めております。しかしながら、近年の情報システム環境の進化・複雑化に加え、テレワークの常態化による従業員の外部からのアクセス機会が増える一方、サイバー攻撃は複雑・多様化しており、情報セキュリティに係るリスクが高まっています。これらにより、情報漏えいやシステム障害等が発生した場合、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(百万円未満四捨五入)
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、厳しい状況が続いております。米国や中国をはじめとして、一部で経済活動に回復の兆しが見られたほか、ワクチン接種による新型コロナウイルス感染症の収束の期待も高まっておりますが、変異株の出現による感染再拡大など、予断を許さない状況が続いております。また、わが国経済においても、政府による景気刺激策により、一部の産業では輸出や生産が持ち直し、経済活動に動きが見られましたが、新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境のもと、当社製品の主要な需要先である自動車市場は、世界経済が失速し、新型コロナウイルスの感染拡大によりお取引先様各社も工場の操業停止等の影響を受けたことにより、前連結会計年度に比べ需要が減少しました。また、建設機械市場も、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、前連結会計年度に比べ需要が減少しました。
当社グループの売上高につきましては、3,280億円と前連結会計年度に比べ535億円の減収となりました。
損益につきましては、当連結会計年度において、免震・制振用オイルダンパーの製品保証引当金について取崩を行った影響等により、営業利益は182億97百万円(前連結会計年度営業損失402億98百万円)、税引前利益は163億40百万円(前連結会計年度税引前損失414億19百万円)となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は、170億87百万円(前連結会計年度親会社の所有者に帰属する当期損失618億79百万円)となりました。
(建築物用免震・制振用オイルダンパーの検査工程等における不適切行為の影響について)
2019年3月期において、当社及び当社の子会社であるカヤバシステムマシナリー株式会社にて、製造・販売してきた免震・制振用オイルダンパーの一部について、性能検査記録データの書き換え行為により、大臣認定の性能評価基準(※)に適合していない、または、お客様の基準値を外れた製品を建築物に取り付けていた事実が判明いたしました。(※)制振用オイルダンパーについては、大臣認定制度はありません。
当連結会計年度において、状況が進捗したことから免震・制振用オイルダンパーの製作費用、交換工事に要する費用、構造再計算費用、及び補償等の製品保証引当金について繰入及び取崩を行った影響額、並びに対応本部の人件費等の諸費用をその他の費用に計上しております。
なお、当連結会計年度においては、2021年3月31日時点で交換が未完了の不適合品及び不明の対象製品全数(免震用オイルダンパー626本、制振用オイルダンパー1,715本の合計2,341本)、並びに台湾輸出品のうち交換が未完了の不適合品及び不明の対象製品全数を製品保証引当金の対象としております。
本件に係る製品保証引当金の当連結会計年度末の残高は、223億31百万円であります。
セグメント別の業績は次のとおりです。
当セグメントは、四輪車用油圧緩衝器、二輪車用油圧緩衝器、四輪車用油圧機器とその他製品から構成されております。
ⅰ) 四輪車用油圧緩衝器
四輪車用油圧緩衝器は、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動停滞の影響により、売上高は1,427億円と前連結会計年度に比べ14.6%の減収となりました。
ⅱ) 二輪車用油圧緩衝器
二輪車用油圧緩衝器は、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動停滞の影響により、売上高は261億円と前連結会計年度に比べ7.6%の減収となりました。
ⅲ) 四輪車用油圧機器
パワーステアリング製品を主とする四輪車用油圧機器は、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動停滞の影響により、売上高は248億円と前連結会計年度に比べ22.8%の減収となりました。
ⅳ) その他製品
ATV(全地形対応車)用機器を中心とするその他製品の売上高は39億円と前連結会計年度に比べ16.7%の減収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は1,975億円となり、営業利益は74億30百万円(営業利益率3.8%)となりました。
当セグメントは、産業用油圧機器、その他製品から構成されております。
ⅰ) 産業用油圧機器
建設機械向けを主とする産業用油圧機器は、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動停滞の影響により、売上高は1,040億円と前連結会計年度に比べ11.1%の減収となりました。
ⅱ) その他製品
鉄道用アクティブサスペンションシステム及び緩衝器を主とするその他製品の売上高は74億円と前連結会計年度に比べ11.2%の減収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は1,113億円となり、営業利益は59億37百万円(営業利益率5.3%)となりました。
(c) システム製品
当セグメントは、舞台機構、艦艇機器、免制振装置等から構成されております。
システム製品は、売上高は60億円と前連結会計年度に比べ26.5%の減収となりましたが、当連結会計年度において、免震・制振用オイルダンパーの製品保証引当金について取崩を行った影響等により、営業利益は66億87百万円(営業利益率111.6%)となりました。
(d) 航空機器事業
当セグメントは、航空機器用離着陸装置、同操舵装置等から構成されております。
航空機器事業は、売上高は39億円と前連結会計年度に比べ29.6%の減収となり、営業損失は26億75百万円となりました。
当セグメントは、特装車両及び電子機器等から構成されております。
ⅰ) 特装車両
コンクリートミキサ車を主とする特装車両の売上高は83億円と前連結会計年度に比べ3.8%の減収となりました。
ⅱ) 電子機器等
電子機器等の売上高は11億円と前連結会計年度に比べ42.5%の減収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は94億円となり、営業利益は9億16百万円(営業利益率9.8%)となりました。
(百万円未満四捨五入)
流動資産は、現金及び現金同等物が増加しました。また、非流動資産につきましては、その他の金融資産が増加しました。この結果、総資産は162億円増加し、4,266億円となりました。
負債につきましては、製品保証引当金が減少したことにより、負債総額は207億円減少し、3,099億円となりました。
資本は、当期利益に伴う利益剰余金の増加、為替影響によるその他の資本の構成要素の増加により、369億円増加して1,167億円となりました。
親会社所有者帰属持分比率は、資本が増加したことから25.9%と前連結会計年度末に比べ7.8ポイント好転しました。
② キャッシュ・フローの状況
(百万円未満四捨五入)
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせて145億円の資金流入、また財務活動によるキャッシュ・フローは11億円の資金流入となり、為替換算により26億円増加し、現金及び現金同等物は前連結会計年度末比183億円増加し、687億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により当連結会計年度は208億円の資金流入となりました。これは主に税引前利益163億円、減価償却費及び償却費186億円、製品保証引当金の減少238億円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、前連結会計年度比70.8%減少の63億円となりました。これは主に有形固定資産の取得112億円等の資金流出、その他の金融資産の売却による収入45億円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は、11億円となりました。主な流出は、長期借入金の返済による支出285億円、主な流入は、長期借入金による収入224億円、短期借入金の純増減額74億円です。
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
四輪車用・二輪車用油圧緩衝器およびパワーステアリング製品を主とするAC(オートモーティブコンポーネンツ)事業、建設機械向け産業用油圧機器を主とするHC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業は、見込み生産を行っております。舞台機構、艦艇機器、免制振装置等を主とするシステム製品、航空機用の離着陸装置、操舵装置、制御装置等を主とする航空機器事業についても、一部製品においても正式受注が納期間際であることから、その殆どが内示に基づく見込み生産となっております。
特装車両事業および電子機器等についても、同様にその殆どが内示に基づく見込み生産となっております。 従って、受注高および受注残高を算出することは困難であることから、記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.主要な販売先(総販売実績に対する割合が10%以上)に該当するものは、ありません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりであります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、お取引先様各社も工場の操業停止等の影響を大きく受けたことにより、当社製品の主要な需要先である自動車市場、建設機械市場共に、前連結会計年度に比べ需要が大幅に減少しました。このため、売上高は四輪車用油圧緩衝器や建設機械用油圧機器を中心に数量減となり、前連結会計年度比14.0%減少の3,280億円、セグメント利益は前連結会計年度比24.2%減少の133億円に留まりました。一方で、免震・制振用オイルダンパーの適合化が進み、製品保証引当金の取崩しを行ったことにより、営業利益は183億円の黒字に転じることができました。新型コロナウイルス感染症はワクチン接種による収束の期待が高まっておりますが、変異株の出現による感染拡大が見られること、また、新たに世界的な半導体不足による経済活動への影響も出てきていることから、翌連結会計年度以降も不透明な状況が続くものと思われます。
当連結会計年度は、2018年度に公表しました免震・制振用オイルダンパーの検査工程等における不適切行為より、失った信頼を回復すべく、前連結会計年度に続きグループガバナンス強化を含めた各種再発防止策を進めると共に、不適合ダンパーの適合化に向けて全力を挙げて取り組んだ一年でした。なお、不適合ダンパーの適合化につきましては9割を超え、早期の完了を目指しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、鋼材等の原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては金融機関からの長期借入を基本としております。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響による資金需要に備えるため、2020年6月19日付で、総額446億円のコミットメントライン型シンジケートローン契約の締結及び160億円の資金の借入を実行いたしました。なお、本契約および資金の借入に係る当連結会計年度末における借入残高はありません。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース負債を含む有利子負債の残高は1,603億円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は687億円となっております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、次のとおりであります。中期経営計画において、売上高3,780億円、セグメント利益250億円(セグメント利益率6.6%)、親会社所有者に帰属する持分比率34.0%を2022年度に達成することを目標としております。2020年度の経営成績は、それぞれ売上高3,280億円、セグメント利益133億円(セグメント利益率4.1%)、親会社所有者に帰属する持分比率25.9%となっており、更なる業績向上に向けた努力が必要ですが、引き続きコンプライアンス遵守とガバナンス強化を経営の根幹に据えながら、収益基盤の安定化(不採算事業・拠点・製品の撤退)と、当社を支える2大コア事業であるAC(オートモーティブコンポーネンツ)事業とHC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業の成長戦略を確実に推進することで、2022年度の目標達成に向けてグループ会社総力を挙げて取り組んで参ります。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
なお、2大コア事業であるAC(オートモーティブコンポーネンツ)事業とHC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業の2020年度の目指す姿と基本戦略は、以下の通りです。
AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業は、「既存事業とコア技術の深化によるコアサプライヤーとしての地位確立」を目指す姿とし、主要拠点集約及び再編による生産最適化・原価低減活動・市販事業の構造改革による「収益基盤の安定化」、コスト競争力をつけるための「革新的モノづくり」、独自技術の深化(EV化・ CASE・MaaSへの対応)による「高付加価値製品の創出」を基本戦略として取り組んでおります。
HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業は、「お客様に信頼され世界で採用され続けるメーカー」を目指す姿とし、電子制御化・ロードセンシング(LS)化製品の開発と中・大型ポンプの開発による「自動化・複合化ニーズへの対応」、原低モデル投入による市場競争力の向上による「原価低減・現調化活動推進」を基本戦略として取り組んでおります。
この他、航空機器事業については、2018年度に判明いたしました防衛装備品の不適切事項からお客様からの信頼を取り戻すべく、コンプライアンス強化・安全第一・品質経営のもと、受注から納入までの一貫した仕組み作りを基本戦略として事業再生を図っております。
特装車両事業については、国内ではミキサトップメーカーとして高付加価値製品の市場投入と黒字体質の強化、海外では新たなビジネスプランの策定と実行による特装グローバル体制の確立を基本戦略として取り組んでおります。
システム製品については、免震・制振用オイルダンパーの適合化の早期完了と再発防止策の確実な実施により、第三者からも認められる体制の構築を進めております。
当社は、新型コロナウイルス感染拡大の影響による資金需要に備えるため、2020年6月19日付で、総額446億円のコミットメントライン型シンジケートローン契約の締結及び160億円の資金の借入を実行いたしました。
なお、本契約および資金の借入に係る当連結会計年度末における借入残高はありません。
当社では、モノづくりを通して豊かな社会づくりに貢献する信頼のブランドを確立していくため、昨年度よりスタートした新中期経営計画の「取り戻そう信頼と誇り」をスローガンとして、KYBグループ一丸となり研究開発活動を今後も精力的に推進してまいります。
現行製品の性能向上はもとより、高機能化やシステム化への対応および軽量化や省エネルギー、環境負荷物質削減などを通して世界中の至る所で地域の人々の暮らしを支え、安心・安全・快適さを提供するための新製品開発と革新的なモノづくりに挑戦し続けています。また、グローバル化の加速に伴い、国際感覚を身につけた人財の育成やマネジメントシステムの構築も進め、グローバル生産・販売・技術の一体活動でイノベーションを起こすことによってKYBの新しい価値を創造し、企業価値の向上に繋げ、技術の持続的成長を目指します。
当社では、基盤技術研究所と生産技術研究所を中核として、独創性に優れた先行技術の研究開発を行っています。
研究所では基礎研究や要素技術開発を、各事業の技術部門は新製品および性能向上や低コスト化など商品力向上のための開発を担うとともに、全社を横断して研究所と各事業技術部門が一体となったプロジェクト活動も推進しています。また、研究開発からモノづくりまでを無駄なく連続的に、スムーズかつタイムリーに実施していくために、長期的な環境変化とそれに伴う社会ニーズや顧客ニーズの調査、分析、予測に基づいた将来技術のあるべき姿とそこに向けた持続的成長戦略を、ロードマップとして明確に定め、活動を進めています。また、工機センターでは、先進性に溢れた信頼性の高い設備や金型の内製化に取り組んでおり、生産技術研究所で開発された新しい工法や各工場で培われたノウハウの具現化を推進しています。
一方で、従来からの研究開発および製品化に向けた体制に加え、新しい時代に対応するための取組みも始めています。
まず、欧州 の技術者駐在員事務所を活用し(欧州テクニカルセンターと同敷地内)、自動車、油圧機器を問わず、欧州地区をはじめとする世界の最先端情報を収集することで、技術トレンドの把握と社内の研究開発テーマへのブレークダウンを行っています。
更に、AIやIoTなどのデジタル技術の全社的推進ならびにこれらの醸成を目的とし、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進部を創設しています。当社グループのIoTプラットフォームの構築をはじめ、生産性や品質の向上、AIを活用したモノづくりをはじめ、製品開発や新サービスの展開により、今まで以上にお客様に安心してお使いいただける製品のご提供を目指していきます。
当社グループの関係会社は、主に自動車機器・油圧機器・電子機器の製造販売および製品の改良開発を行っています。そして、課題の解決にあたっては、当社の研究所をはじめとする機能部門や、各事業の技術・生産・品質部門が支援、協業する体制をとっています。
製品の高機能化やシステム化におきましては、当社独自の取組みは勿論のこと、お客様あるいは関連機器サプライヤーとの共同研究開発を推進するとともに、効率的な研究開発推進のために産学交流による最先端技術開発にも積極的に取り組んでいます。また、昨今、製品機能の高度化・複雑化に対応すると共に、開発効率の向上を図るため、全社的にモデルベース開発(MBD)の推進に取り組んでいます。これにより、開発期間の短縮と共にお客様からのニーズに素早く対応し、ご高評をいただけるように努めていきます。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発活動の金額は
四輪車用の油圧緩衝器では、極微低速減衰力のコントロールが可能なSwing Valveの採用拡大を図っており、同技術が自動車技術会賞を受賞しました。また、世界最小の減衰力調整部により車両搭載性に優れ、かつ世界トップレベルの性能を有する電子制御サスペンションにおいて更なる性能向上を果たしました。減衰力調整部に用いる比例ソレノイドは当社関係会社であるタカコと共同開発し、世界初となる機構の採用により減衰力の設定自由度を向上しました。また減衰力調整バルブにも改良を加え、圧倒的な静粛性と乗り心地・操縦安定性の高次元での両立を果たしました。この結果、トヨタ自動車様のLexus LSにご採用頂き高評価を頂いております。
欧州テクニカルセンターでは、電子制御サスペンション(制御ソフト開発を含めたシステム提供)やProsmooth技術(摺動部品改良)、DHS(Double Hydraulic Stop)の採用拡大を推進しています。現在、多数のお客様より開発依頼をいただき、量産化に向けた各種評価に取り組んでいます。トヨタ自動車様のヤリスにご採用頂いたProsmooth技術は2020年2月から量産化をはじめ、高い評価を頂きました。また、並行してお客様のご要望のもと、性能向上や軽量化等の要素部品開発や新構造の電子制御サスペンションの開発にも着手しております。
そして、第11回 国際ミュンヘン・シャシー・シンポジウムにおいて、当社が独自に開発しているショックアブソーバ用オイルの性能向上に関する技術を紹介し、大きな反響を呼びました。
二輪車用の油圧緩衝器でも、四輪車用と同様に高性能・高機能化に加え、電子制御式サスペンションの開発を進めてまいりました。この度、ヤマハ発動機様の2021年度モデルに採用となり、高い評価を頂きました。更にボンバルディアグループ社様のスノーモービルの2022年度モデルにも採用予定となりました。当社独自開発による制御システムと新開発サスペンションを組み合わせた新システムを、お客様と一体となり、それぞれの車両の特徴にあった特性に進化させ、商品化に至りました。今後、システムに磨きを掛けることで、モデル展開のみならず、電動ステアリングの技術を融合した新用途への製品展開を目指しています。
四輪車用電動パワーステアリング機器では、当社関係会社であるKYBトロンデュールで生産するコントローラ一体型モータ(MCU)による高出力、内製によるソフトウェア対応自由度の高さを活かして、新製品への採用拡大を推進しています。新規のお客様としてオフロード車両(ROV)世界シェア№1のポラリス社様への量産提供機種が増え、日系メーカー様も従来製品から新製品への切替も決定いただきました。また、MCUは変速機制御用にも採用が決まり、ステアリングに留まらない販路開拓にも力を入れています。
四輪用トランスミッション用オイルポンプ製品では、CVT(無段変速機)で世界トップシェアを持つジヤトコ様向け新機種CVT用ベーンポンプ(6K3)を開発し量産化いたしました。従来製品と比較して、騒音の改良及び小容量化、アルミ製カバー採用による軽量化を実現し、車両の静粛性、燃費向上に貢献しています。このベーンポンプは日本生産を初め、海外でも生産され、世界中の同社様製のCVT搭載車両へ展開されていきます。
一方では、将来の自動運転に向けて、電子制御サスペンションと電動ステアリングの技術を融合した統合システムの開発を進めています。また、イスラエルのスタートアップ企業であるREE社様と技術提携を行い、新しい車両プラットフォーム(スケードボードシャシー)のサスペンション開発(コーナーモジュール)を開始しました。加えて、当社の基盤技術研究所とタイアップして道路モニタリングシステムの開発も進めており、CASE/MaaSに向けて新用途・新商品開発を目指しています。
当セグメントにおける研究開発費の金額は
② HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業
建設機械、農業機械の情報化施工や自動化が進む中で、これに対応するため油圧機器の電子制御化モデルの開発とラインアップ化を継続して進めています。また2021年3月より中国に技術者を駐在させ、現地で図面作成を含む技術対応を可能とすることで中国市場に対応した製品開発とスピードアップを図っています。
また、電子制御化に対応した3トン~4トンミニショベル用ロードセンシングシステムPSVL-42(ポンプ)とKVSX12C(バルブ)をセット開発し、2020年6月から量産を開始しました。農業機械用としては一体型HST(Hydro-Static Transmission)HVFD23F-R35を開発、更に2020年度よりインド向けに量産化、小型車両用に対応したタンデムポンプPSVH2-30の電子制御化も開発を完了し、現在無人走行車両への搭載テストを実施、製品化に向け活動を展開中です。鉄道用製品として2019年より量産化したフルアクティブサスペンションに、センサーを搭載しサスペンションの動作、車両の動作をリアルタイムに監視するシステムを開発中で安全・安心を提供、お客様より高い評価を得ています。
当セグメントにおける研究開発費の金額は
システム製品は、舞台装置の主幹製品である舞台機構操作卓の機能拡充として、エンドユーザー様が直接手に触れる操作系デバイスの開発に注力しております。
当セグメントにおける研究開発費の金額は
航空機器事業は、防衛省および民間航空機向けの製品開発を実施しております。Boeing社様で開発中のB777Xが2020年より飛行試験を継続して実施しており、当社はアクチュエータやブレーキアキュムレータを供試しています。
当セグメントにおける研究開発費の金額は
⑤ 特装車両事業および電子機器等
特装車両事業は、環境対応型(省エネ・低騒音・排ガス削減)電子制御ミキサ車(eミキサⅢ)を開発中で、機器のメンテナンス時期や現在の車両の状況を通知できる表示機を搭載し、2021年度にモニタ評価を行います。更に、ユーザー様のニーズにお応えするために、軽量化ミキサ、安全設計ミキサの開発に注力していきます。
当セグメントにおける研究開発費の金額は