当社代表取締役社長執行役員兼CEO 川瀬正裕及び取締役副社長執行役員兼CFO 齋藤考は、当社及び連結子会社の財務報告に係る内部統制の整備及び運用に責任を有しており、企業会計審議会の公表した「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の改訂について(意見書)」に示されている内部統制の基本的枠組みに準拠して財務報告に係る内部統制を整備及び運用しています。
なお、内部統制は、内部統制の各基本的要素が有機的に結びつき、一体となって機能することで、その目的を合理的な範囲で達成しようとするものであります。このため、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性があります。
1)評価の範囲
財務報告に係る内部統制の評価の範囲は、当社並びに連結子会社及び持分法適用会社(以下「当社グループ」という)について、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性の観点から必要な範囲を決定しました。財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性は、金額的及び質的影響の重要性を考慮して決定しており、当社及び連結子会社17社を対象として行った全社的な内部統制の評価結果を踏まえ、業務プロセスに係る内部統制の評価範囲を合理的に決定しました。
全社的な内部統制及び全社的な観点から評価することが適切な決算・財務報告プロセスの評価範囲については、原則として当連結会計年度の売上高(連結会社間取引消去後)の概ね95%に達している事業拠点を対象としました。なお、連結子会社12社及び持分法適用関連会社4社については、金額的及び質的重要性の観点から僅少であると判断し、全社的な内部統制の評価範囲に含めていません。
業務プロセスに係る内部統制の評価範囲については、財務報告の信頼性に及ぼす影響を適切に考慮するため、複数の指標を用いて合理的に決定しました。当社グループの主な事業は油圧緩衝器・油圧機器等の製造・販売事業であることから、事業拠点の重要性を判断する指標として売上高が適切と判断し、各事業拠点の当連結会計年度の売上高(連結会社間取引消去後)の概ね2/3に達している4事業拠点を「重要な事業拠点」としました。選定した重要な事業拠点においては、企業の事業目的に大きく関わる勘定科目として売上高、売掛金、売上原価及び棚卸資産に係る業務プロセスを評価の対象としました。
次に、当社グループはグローバルな製造・販売体制を有しておりグループ間取引が比較的多い事業であり売上高の連結消去の影響を伴うことから、事業拠点の重要性を判断する指標として売上原価が適切と判断し、重要な事業拠点に含まれない事業拠点のうち、各事業拠点の前連結会計年度の売上原価(連結会社間取引消去後)の概ね2/3に達している2事業拠点を「重要な事業拠点に準ずる事業拠点」としました。選定した重要な事業拠点に準ずる事業拠点においては、売上原価及び棚卸資産に係る業務プロセスを評価の対象としました。
さらに、製造・販売事業としての事業特性を踏まえ、棚卸資産が財務報告に与える影響が大きいことから、事業拠点の重要性を判断する指標として棚卸資産が適切と判断し、各事業拠点の前連結会計年度の棚卸資産(連結会社間取引消去後)の概ね2/3に達している1事業拠点を「個別に重要な勘定科目の評価が必要な事業拠点」としました。選定した個別に重要な勘定科目の評価が必要な事業拠点においては、棚卸資産に係る業務プロセスを評価の対象としました。
また、選定した重要な事業拠点にかかわらず、それ以外の事業拠点をも含めた範囲について、重要な虚偽記載の発生可能性が高く、見積りや予測を伴う重要な勘定科目に係る業務プロセスやリスクが大きい取引を行っている事業又は業務に係る業務プロセスを財務報告への影響を勘案して重要性の大きい業務プロセスとして以下の通り評価対象に追加しています。
・当社グループでは、原則として、会社別・事業別に資金生成単位としてグルーピングを行っています。各年度において、各資産についての減損の兆候の有無の判定を行います。減損の兆候が存在する場合、その資産の回収可能価額を見積ります。減損の兆候の識別、回収可能価額の算定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しており、見積りと判断には不確実性を伴うものであるため、固定資産の減損に関する業務プロセスを内部統制の評価対象に追加しています。
・当社は、現時点において収集可能な情報、及びその情報が合理的な事実に基づくものであると判断された免震・制振用オイルダンパーの交換工事に要する費用及び営業補償等について、製品保証引当金を計上しています。今後の交換工事の進捗等の状況により、翌事業年度の財務諸表において認識する金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。このため、当該引当金に関する業務プロセスを内部統制の評価対象に追加しています。
・メキシコ拠点のKYB Mexico S.A. de C.V.においては、IMMEX制度に基づく一時的輸入制度を活用した製造・輸出活動を行っており、関税・付加価値税(VAT)の免除等の税務上の優遇措置を受けています。この制度に関連する業務プロセスは、制度要件の不履行が税務リスクや財務報告への影響を及ぼす可能性があることから、当該業務プロセスを内部統制の評価対象に追加しています。
2)基準日及び評価手続
財務報告に係る内部統制の評価は、当事業年度の末日である2025年3月31日を基準日として行われており、評価に当たっては、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠しています。
本評価においては、連結ベースでの財務報告全体に重要な影響を及ぼす内部統制(全社的な内部統制)の評価を行った上で、その結果を踏まえて、評価対象とする業務プロセスを選定しています。当該業務プロセスの評価においては、選定された業務プロセスを分析した上で、財務報告の信頼性に重要な影響を及ぼす統制上の要点を識別し、当該統制上の要点について整備及び運用状況を評価することによって、内部統制の有効性に関する評価を行いました。
上記の評価の結果、当事業年度末日時点において、当社グループの財務報告に係る内部統制は有効であると判断いたしました。
付記すべき事項はありません。
特記すべき事項はありません。