文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)企業理念
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企業理念 1.私たちは常に先進の技術創造に努め、お客様に喜ばれる高品質で個性のある商品を提供します。 2.私たちは常に人、社会、環境の調和を目指し、豊かな社会づくりに貢献します。 3.私たちは常に未来を見つめ国際的な視野に立ち、進取の気性に富んだ活力ある企業を目指します。 |
当社は、上記に掲げる企業理念に基づき、「存在感と魅力ある企業」を目指し、「お客さま第一」を基軸に、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。
また、当社は、2017年4月1日をもちまして、社名を株式会社SUBARUに変更いたしました。社名とブランド名の統一を実施することにより、現在、中期経営ビジョン「際立とう2020」で取り組んでいる「SUBARUブランドを磨く」ことをさらに加速させ、SUBARUを自動車と航空宇宙事業における魅力あるグローバルブランドとして成長させてまいります。
(2)中期経営ビジョン
当社グループは、中期経営ビジョン「際立とう2020」におきまして、2020年のありたい姿を「大きくはないが強い特徴を持ち質の高い企業」と定め、“お客様の信頼№1”という評価をいただくことができるような高いブランド力と業界高位の利益率を実現することを目指しております。そして、その実現のため、個性的なSUBARUならではの特徴を活かし、付加価値経営のさらなる推進を目指す「SUBARUブランドを磨く」、経営環境変化への耐性を高め持続的な成長を確実なものとする「強い事業構造を創る」という2つの活動に集中した取り組みを進めております。
(3)対処すべき課題
当事業年度におきまして、国土交通省平成29年9月29日付文書「日産自動車の完成検査の不正事案を受けた確認の実施について」に基づいて社内調査を行った結果、当社群馬製作所において完成検査員の資格を有していない者が完成検査を行っているなどの不適切な運用が判明したため、外部専門家(長島・大野・常松法律事務所)に対して不適切な完成検査の過去からの運用状況などに係る調査を依頼し、再発防止策とあわせ、同年12月19日に国土交通省に報告の上、調査報告書を公表しました。さらに、再発防止策の進捗状況を2018年4月27日に国土交通省に報告いたしました。
また、当該調査の過程において、完成検査工程に属する燃料消費率(燃費)の抜き取り検査を実施するに際し、その測定値の一部を変更した可能性があることが確認されたため、技術的な知識・経験が豊富な者を中心とした社内調査チームが、外部専門家(長島・大野・常松法律事務所)の補助を受けて調査の客観性を確保した上で、事実関係の調査を実施しました。その結果、燃費・排出ガスの抜き取り検査に際して測定値を書き換えるという不正行為が明らかとなったため、再発防止策とあわせ、2018年4月27日に国土交通省に報告の上、調査報告書を公表しました。
さらに、この燃費・排出ガスの抜き取り検査に関し、その後の国土交通省の立入検査を契機とした社内調査において、運転が測定モードに合わせられず失敗するというトレースエラー、および測定室内の湿度が試験条件として規定された範囲の外であったという湿度エラーが生じていたにもかかわらず、それぞれ有効な測定として処理したという二つの不適切な測定手続が、過去に行われていたことが新たに判明いたしました。そのため、2018年6月5日時点で当社が把握することができた内容を国土交通省に報告の上、この二つの問題のみならず完成検査業務全体のプロセスについて、社外専門家による徹底した再調査に着手しました。なお、この二つの問題および他に完成検査に係る不適切事案がないかどうかについて、同日、国土交通省より、事実関係の調査を行い報告すること等の指示を受けております。
当社としては、これらの事案について真摯に反省し、判明した事実を隠すことなく詳細に公表するとともに、すべての業務においてコンプライアンスを重視する意識を醸成し、自らの企業体質を根幹から変革していくことが必要であると強く認識しています。経営トップが先頭に立ち、全ての役員および従業員が一丸となり、これらの再発防止策を徹底的に遂行し、失われた信頼を回復してまいる所存です。
(真の実力の向上)
当社はここ数年、様々な要因が重なり合い、順調に成長を遂げてまいりました。しかし一方で、企業としての真の実力が伴っていなかったことを痛感し、いま一度根本に立ち返り、実力を高めることが必要だと認識しております。
① 基本的な仕事の進め方・組織風土の改革
完成検査に係る不適切事項などから、技術偏重の風土を背景とした業務の公益性・重要性に対する自覚の乏しさや規範意識の欠如を改めて認識いたしました。また、教育・社内ルール・コミニュケーション・システムなど、適切に業務を進める上での基盤が脆弱であることも再認識いたしました。
今回確認された事案に対する再発防止策を徹底的に遂行し、同時に認識した本質的な課題に取り組むべく、「正しい会社推進部」および「コンプライアンス室」を設置いたしました。質の高い企業を目指す取り組みを抜本的に強め、不退転の決意で推し進めたいと考えております。そして、二度と今回のようなことを起こさない、真に「正しい会社」に生まれ変わっていく決意でございます。
② 品質への取り組み
生産・販売台数が急拡大するなかで、エアバッグ関連をはじめとする商品品質に関する問題が継続して発生しております。当社に対するお客様の信頼の根幹は品質にあり、品質を全社的な取り組みの最上位に位置付けて、CQO(最高品質責任者)を中心に抜本的な改善に取り組んでまいります。また、対策部品のスムーズな供給や販売特約店での作業効率向上などを行い、お客様対応品質についても同様に向上に取り組んでまいります。
株主、お客様をはじめとする当社を取り巻くステークホルダーの皆様に、多大なご心配、ご迷惑をおかけしたことを心より反省し、課題に真摯に向き合い、真の実力の向上に努めてまいります。
(ブランド価値の向上)
自動車事業・航空宇宙事業ともに、事業規模が大きくはない当社としては、お客様に認めていただける付加価値の創出が重要であり、SUBARUらしい商品を拡充し、ブランド価値を高め続けるべく、以下に取り組んでまいります。
① お客様からの「信頼・共感」を高め、「お客様の笑顔」をつくる企業活動
② 「安心と愉しさ」を核としたSUBARUらしい商品・サービスの拡充
・多人数乗り新SUV「ASCENT(アセント)」の北米市場への投入/グローバル基幹車種「フォレスター」の全面改良と全世界への投入
・テレマティクス※技術などを活用したコネクトサービスの拡充
※: 自動車などの移動体に通信システムを搭載して利用することで様々な情報・サービスを提供することをいいます。
③ 「人の命」と「地球環境」を守る新たな安全・環境技術の開発
・安全技術の持続的な進化と発展による、業界トップクラスの安全性能の提供の継続
・2018年の米国市場へのプラグインハイブリッド車を皮切りに、電動車の市場への投入
また、これらの活動を加速するために組織や人材のレベルアップは不可欠であり、強化・育成に取り組んでまいります。さらに他社との協業をこれまで以上に拡大・深化させていく所存でございます。
なお、次期の中期経営ビジョンを今夏に発表する予定としております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、また、以下は当社グループに関する全てのリスクを列挙したものではありません。
(1)経済の動向
当社グループの主要な市場である国及び地域の経済情勢の動向は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。国内はもとより当社グループの主要市場である北米における景気後退及び需要減少、又は価格競争の激化が進むことにより、当社グループの提供する商品・サービスの売上高や収益性において悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)為替の変動
当社グループにおいて、海外売上高の割合は80.4%を占め、売上高、営業利益、資産等の中には、米ドルを中心とした現地通貨建ての項目が含まれており、連結財務諸表作成時に円換算しております。従って通期の見通しにおいて想定した為替レートに対し、実際の決算換算時の為替レートに乖離が生じた場合、主に円高局面では当社グループの業績と財務状況はマイナスに作用し、円安局面ではプラスに作用する可能性があります。
こうした為替リスクを最小限に軽減すべく、当社では為替予約等によるヘッジを実施しており、状況に応じ為替予約等のヘッジオペレーションを行っております。ただし、期末日の極端な為替変動によりデリバティブ評価損益等に影響を及ぼし、営業外損益が大きく変動する可能性があります。
(3)特定事業への依存
当社グループは、自動車事業の他に航空宇宙事業等の事業で構成されていますが、事業規模として自動車事業が突出しているため、自動車事業に関わる需要や市況、同業他社との価格競争力などが予測し得る水準を超えた場合に、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(4)市場評価の変動
市場の需要動向、お客様ニーズに基づく商品企画により、適切なタイミングと価格で新商品を開発・製造し、市場に投入することが、当社グループの安定した業績向上に関して最も大切なことであります。市場における新型車をはじめとした新商品の評価が当社グループの狙いとした販売計画の想定に満たない場合や、現行の商品の陳腐化が想定以上に進んだ場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(5)特定の原材料及び部品の購入
当社グループでは、原材料及び部品等を多数の取引先から調達しておりますが、特定の原材料および取引先に依存している場合があり、需給状況の逼迫等により、安定したコスト・納期・品質で調達できない場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(6)知的財産の保護
当社グループでは、他社製品と差別化できる技術、ノウハウ等の知的財産の保護のために最善の努力を尽くしておりますが、第三者が当社グループの知的財産を不当に使用した類似製品を製造した場合や、知的財産に係わる紛争が生じて当社に不利な判断がなされる場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(7)製品の欠陥
当社グループでは、安全を最優先として製品の開発・製造・販売を行っておりますが、全ての製品、サービスに関して欠陥が無く、リコール等が発生する可能性がないとは言えません。大規模なリコール等を実施する事態になれば、多額のコストが発生することに加え、ブランドイメージの毀損等により、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(8)退職給付債務
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上設定した退職給付債務の割引率及び年金資産の長期期待運用収益率といった前提条件に基づいて算出しております。しかし、実際の結果が前提条件と異なる場合には、将来にわたって当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)環境等に関する法的規制
国内外ともに自動車の燃費、排出ガス、省エネルギーの推進、騒音、リサイクル、製造工場からの汚染物質排出レベル及び自動車等の安全性に関しては、様々な法的規制を受けております。今後、そうした法的規制が強化されることによるコストの増加が、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)災害・戦争・テロ・ストライキ等の影響
大規模な地震、台風等の自然災害、疾病、戦争、テロ等の発生により、当社グループの事業活動が妨げられ、原材料・部品の購入、生産、製品の販売及び物流、サービスの提供などに遅延や停止が生ずる可能性があります。こうした遅延や停止が発生し長引くようであれば、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)国際的な事業活動
当社グループは、米国を中心に世界各国において事業を展開しております。海外市場での事業活動には、以下のようなリスクが内在しており、当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
・不利な政治、経済的要因
・法律又は規制の変更による障害
・課税、関税、その他の税制変更
・人材採用と確保の難しさ
(12)情報セキュリティの影響
当社グループは、製品の開発、生産、販売など、事業活動において、情報技術やネットワーク、システムを利用しています。これらの情報技術やネットワーク、システムは、安全対策が施されているものの、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウィルスによる攻撃などによって、重要な業務やサービスの中断や、データの破損・喪失、機密情報の漏洩などが発生する可能性があります。この場合、ブランドイメージの低下や当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13)コンプライアンス、レピュテーション
当社グループは、コンプライアンスの徹底を経営の最重要課題のひとつと位置付け、企業活動上求められるあらゆる法令・社内諸規程等の順守はもとより、社会規範に則した公明かつ公正な企業活動を遂行することにより、コンプライアンスリスクの回避または最小化に努めております。それにも関わらず、重大な法令違反等が発生した場合、お客様の信用・信頼を失うことや社会的評価・評判の低下等により当社グループの事業基盤に重大な影響を与え、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度の国内経済は、雇用・所得環境の改善のなかで、各種政策の効果もあり、緩やかな景気回復が続きました。また、世界経済も、中国を始めアジア新興国などの経済の先行き、政策に関する不確実性による影響や金融・資本市場の動向などに留意する必要があるものの、米国を中心に緩やかな景気回復が続きました。これらを背景に、為替の動向は、第4四半期はやや円高ドル安に推移したものの、おおむね安定して推移いたしました。
当社グループは、SUBARUがお客様の心の中で際立った存在になることを目指して、2014年に策定いたしました中期経営ビジョン「際立とう2020」の取り組みを通じ、徹底的に考え抜いたクルマづくりや確かなモノづくりを貫き、お客様への「安心と愉しさ」の提供を追求していくための努力を続けてまいりました。
当連結会計年度は、当社の重点市場の北米が前連結会計年度に引き続き世界販売を牽引し、自動車売上台数は過去最高を記録するなど、着実に取り組みの成果を出すことができました。
これらの取り組みの結果、当連結会計年度の連結決算は次のとおりとなりました。
売上高は、為替変動に伴う売り上げの増加や自動車売上台数の増加などにより、過去最高となる3兆4,052億円と前連結会計年度に比べ792億円(2.4%)の増収となりました。
利益面につきまして、営業利益は、為替変動による増益影響があったものの、米国の金利上昇に伴う販売費の増加、原材料市況の影響および試験研究費の増加などにより、3,794億円と前連結会計年度に比べ314億円(7.6%)の減益、経常利益は、3,799億円と前連結会計年度に比べ144億円(3.7%)の減益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、エアバッグ関連損失として813億円の特別損失を計上したことなどにより、2,204億円と前連結会計年度に比べ620億円(22.0%)の減益となりました。
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(単位 金額:百万円、比率:%) |
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売上高 |
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|
親会社株主 |
為替レート |
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営業利益 |
経常利益 |
に帰属する |
|||
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(利益率) |
(利益率) |
当期純利益 |
|||
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|
|
|
|
(利益率) |
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2018年3月期 |
3,405,221 |
379,447 |
379,934 |
220,354 |
111円/米ドル |
|
|
(11.1) |
(11.2) |
(6.5) |
130円/ユーロ |
|
|
2017年3月期 |
3,325,992 |
410,810 |
394,330 |
282,354 |
108円/米ドル |
|
|
(12.4) |
(11.9) |
(8.5) |
119円/ユーロ |
|
|
増減 |
79,229 |
△31,363 |
△14,396 |
△62,000 |
|
|
増減率 |
2.4 |
△7.6 |
△3.7 |
△22.0 |
|
当連結会計年度のセグメントの状況は次のとおりであります。
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(単位 金額:百万円、比率:%) |
||||||||
|
|
売上高 |
セグメント利益 |
||||||
|
2017年3月期 |
2018年3月期 |
増減 |
増減率 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
増減 |
増減率 |
|
|
自動車 |
3,151,961 |
3,234,866 |
82,905 |
2.6 |
397,657 |
361,454 |
△36,203 |
△9.1 |
|
航空宇宙 |
138,759 |
142,163 |
3,404 |
2.5 |
9,102 |
12,259 |
3,157 |
34.7 |
|
その他 |
35,272 |
28,192 |
△7,080 |
△20.1 |
3,512 |
5,066 |
1,554 |
44.2 |
|
調整額 |
- |
- |
- |
- |
539 |
668 |
129 |
23.9 |
|
合計 |
3,325,992 |
3,405,221 |
79,229 |
2.4 |
410,810 |
379,447 |
△31,363 |
△7.6 |
|
(注)1.売上高は、外部顧客への売上高であります。 |
||||||||
|
2.セグメント利益の調整額は、セグメント間取引消去であります。 |
||||||||
当連結会計年度の国内の自動車全体需要は、登録車は前連結会計年度並み、軽自動車は前連結会計年度を上回り、519.7万台(前連結会計年度に比べ2.3%の増加)となりました。また、当社の重点市場であります米国の自動車全体需要は、1,730.8万台(前連結会計年度に比べ1.0%の減少)となり、乗用車系からSUV(多目的スポーツ車)を含むライトトラック系へ移行が進みました。
このような全需動向のなか、国内につきましては、軽自動車の販売が前連結会計年度を下回ったものの、登録車では全面改良を行った「SUBARU XV」を中心に販売が好調に推移し、売上台数は16.3万台と前連結会計年度に比べ0.5万台(2.8%)の増加となりました。
海外につきましては、当社の重点市場であります北米において、売上台数が9期連続過去最高を更新し、好調を維持したものの、競争環境の厳しい中国の売上台数が減少したことにより、90.3万台と前連結会計年度に比べ0.2万台(0.2%)の減少となりました。
以上の結果、国内と海外の売上台数の合計は、過去最高となる106.7万台と前連結会計年度に比べ0.2万台(0.2%)の増加となり、全体の売上高は3兆2,349億円と前連結会計年度に比べ829億円(2.6%)の増収となりました。一方、セグメント利益につきましては、3,615億円と前連結会計年度に比べ362億円(9.1%)の減益となりました。
なお、当連結会計年度の連結売上台数は以下のとおりです
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|
(単位 台数:万台、比率:%) |
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|
2017年3月期 |
2018年3月期 |
増減 |
増減率 |
|
|
国内合計 |
15.9 |
16.3 |
0.5 |
2.8 |
|
|
|
登録車 |
12.6 |
13.3 |
0.6 |
4.9 |
|
|
軽自動車 |
3.3 |
3.1 |
△0.2 |
△5.1 |
|
海外合計 |
90.6 |
90.3 |
△0.2 |
△0.2 |
|
|
|
北米 |
72.1 |
72.8 |
0.7 |
1.0 |
|
|
欧州・ロシア |
4.6 |
4.8 |
0.2 |
3.7 |
|
|
豪州 |
4.9 |
5.6 |
0.7 |
13.4 |
|
|
中国 |
4.4 |
2.7 |
△1.7 |
△38.9 |
|
|
その他地域 |
4.6 |
4.5 |
△0.0 |
△0.8 |
|
総合計 |
106.5 |
106.7 |
0.2 |
0.2 |
|
防衛省向け製品では、新多用途ヘリコプター「UH-X」の契約に基づく開発本格化などにより、売上高は前連結会計年度を上回りました。
民間向け製品では、「ボーイング777」の生産が減少したものの、「ボーイング787」の生産が増加したため、売上高は前連結会計年度を上回りました。
以上の結果、全体の売上高は1,422億円と前連結会計年度に比べ34億円(2.5%)の増収となりました。また、セグメント利益につきましても、123億円と前連結会計年度に比べ32億円(34.7%)の増益となりました。
売上高は282億円と前連結会計年度に比べ71億円(20.1%)の減収となりました。一方、セグメント利益につきましては、51億円と前連結会計年度に比べ16億円(44.2%)の増益となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
前年同期比(%) |
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|
自動車 |
|
|
|
|
小型・普通自動車 |
(台) |
1,049,749 |
△0.6 |
|
航空宇宙 |
(百万円) |
153,267 |
+26.8 |
|
その他 |
(百万円) |
22,715 |
△6.3 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
なお、自動車事業については見込生産を行っております。
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セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
航空宇宙 |
132,129 |
△25.3 |
284,026 |
△3.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
自動車 |
(百万円) |
3,234,866 |
+2.6 |
|
航空宇宙 |
(百万円) |
142,163 |
+2.5 |
|
その他 |
(百万円) |
28,192 |
△20.1 |
|
合計 |
(百万円) |
3,405,221 |
+2.4 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
総資産につきましては、2兆8,843億円と前連結会計年度末に比べ1,220億円の増加となりました。主な要因は、有形固定資産の増加458億円、現金及び預金と有価証券を合わせた手許資金の増加286億円、繰延税金資産の増加265億円などであります。
負債につきましては、1兆3,233億円と前連結会計年度末に比べ259億円の増加となりました。主な要因は、エアバッグ関連損失引当金の増加647億円、未払費用の増加346億円、1年内返済予定を含めた長期借入金および短期借入金の減少621億円などであります。
純資産につきましては、1兆5,610億円と前連結会計年度末に比べ961億円の増加となりました。主な要因は、利益剰余金の増加1,103億円などであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、7,656億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は3,663億円(前連結会計年度は3,454億円の増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上2,973億円、エアバッグ関連損失引当金の計上647億円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は1,507億円(前連結会計年度は2,543億円の減少)となりました。主な要因は、固定資産の取得による支出(売却による収入との純額)1,465億円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は1,709億円(前連結会計年度は1,890億円の減少)となりました。主な要因は、配当金の支払1,103億円、長期借入金の返済による支出(借入れによる収入との純額)409億円、短期借入金の減少184億円などであります。
(4) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、様々な見積りによる判断が行なわれておりますが、見積りに内在する不確実性により、実際の結果は異なることがあります。
連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりですが、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある見積りを含む会計方針は以下のとおりであります。
① 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しておりますが、将来、取引先等の財務状況が悪化するなどにより支払能力が低下した場合、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
② 製品保証引当金
販売した製品のアフターサービスに備えるため、原則として保証書の約款に従い、過去の実績を基礎に将来の保証見込みを加味して計上しておりますが、実際の保証費用が見積りと異なる場合、引当金の追加計上が必要になる可能性があります。
③ 退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産
将来の退職給付の支払いに備えるため、当連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しておりますが、この計算は主として数理計算上で設定される前提条件に基づいて行なわれております。この前提条件には、割引率、将来の給与水準、年金資産の長期期待運用収益率、退職率、死亡率などが含まれており、それぞれの条件は現時点で充分に合理的と考えられる方法で計算されておりますが、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合には、将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性があります。
④ 投資有価証券
価格変動性の高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式を保有しておりますが、投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。将来の市況悪化や投資先の業績不振など、現在の簿価に反映されていない損失が発生するなどにより簿価の回収が困難となる状況となった場合、減損の追加処理が必要となる可能性があります。
⑤ 繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性については、現時点において将来の課税所得を合理的に見積った上で判断しておりますが、将来、繰延税金資産の全部又は一部が回収できないと判断した場合、繰延税金資産の減額を行い、税金費用が発生する可能性があります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性に係わる分析
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、主要銀行とコミットメントライン契約を締結しており、現在必要とされる資金水準を満たす流動性を保持していると考えています。
有利子負債は、862億円と前連結会計年度に比べて621億円の減少となりました。デット・エクイティ・レシオは5.6%になり、安全性を維持しています。
今後の設備投資や研究開発の支出計画によっては、資金の調達、また、現預金残高の取り崩しをする可能性があります。
2006年3月 トヨタ自動車株式会社と業務提携
2008年4月 トヨタ自動車株式会社、ダイハツ工業株式会社と開発・生産における新たな協力関係に合意
当社グループは、中期経営ビジョン「際立とう2020」におきまして、2020年の当社のありたい姿を、「大きくはないが強い特徴を持ち、質の高い企業」と定め、その実現のため、「SUBARUブランドを磨く」、「強い事業構造を創る」という2つの活動に集中し、研究開発活動を進めております。当連結会計年度におけるグループ全体での研究開発費総額は121,084百万円です。セグメン卜ごとの研究開発活動状況および研究開発費は次のとおりです。
(1)自動車事業
自動車の研究開発では、中期経営ビジョン「際立とう2020」の「SUBARUブランドを磨く6つの取り組み」で掲げた、総合性能、安全、デザイン、環境対応、品質向上に取り組み、「安心と愉しさ」でお客様の期待を超える商品の開発を推進しております。加えて「強い事業構造を創る8つの取り組み」での、商品戦略、アライアンス商品開発、コスト低減、人材育成、組織・風土改革などを通じ、開発力の基盤強化を図っております。
① 「SUBARUブランドを磨く」取り組み
当社は、「SUBARUブランドを磨く」取り組みの一環として、総合安全NO.1ブランドを目指し技術開発を進めています。なかでも、運転支援システム「アイサイト」の進化に注力しており、開発をさらに加速させるため、「高速道路のカーブ」、「高速道路の分合流」、「市街地を想定した交差点」、「北米のフリーウェイを模した路面」など、高度化していく運転支援技術開発に必要となるテストコースを、美深試験場に新設しました。このテストコースを活用して、技術開発をさらに加速させています。
この他にも、当社がお客様に提供する「安心と愉しさ」を進化させるべく、環境性能をさらに高めたパワーユニット、次期電動化商品など、研究開発を促進しました。
② 「強い事業構造を創る」取り組み
「強い事業構造を創る」取り組みとして、「強みであるSUVセグメントを中心にラインナップを強化」、「主力車種FMC、新商品を間断なく投入」、「STIブランドの活用拡大、環境対応商品を順次展開」を商品戦略として掲げ、研究開発を推進しています。
その一環として、北米市場専用車であります新型「ASCENT(アセント)」の2018年発売を発表しました。新型「アセント」は、SUBARUの北米市場での更なる成長を追求し、特にファミリーユーザーに向けて新規開発した3列ミッドサイズSUVです。家族全員が移動を愉しむことができるよう、快適で安全な移動空間を提供します。また、グローバル戦略車であります新型「フォレスター」を発表しました。新型「フォレスター」は、乗る人すべてが愉しく、快適な空間を共有できるよう、取り回しのよさと室内の広さを両立したパッケージングを実現し、またSUBARU初となる顔認識技術活用による「ドライバーモニタリングシステム」の採用により、運転者の脇見や居眠りの注意機能と、個別にシートポジションや空調などを自動設定する機能を持たせました。
③ 「安全性能向上」への取り組み
米国IIHS(道路安全保険協会)が行う2018年型トップセーフティピック・トップセーフティピックプラス評価において、「インプレッサ」、「レガシィ」、「アウトバック」、「WRX」(いずれもアイサイト装着車)が、最高評価の「トップセイフティピック+」を、「SUBARU Crosstrek」、「フォレスター」(いずれもアイサイト装着車)が「トップセイフティピック」を獲得しました。
欧州の新車評価基準である 「ユーロNCAP」における2017年安全性能総合評価において、「インプレッサ」、「SUBARU XV」が、最高評価の「ファイブスター」を獲得しました。2017ユーロNCAPでは、「乗員(大人)保護性能」、「乗員(幼児)保護性能」、「歩行者保護性能」、「安全補助性能」の4分野において安全性能が試されます。また、「インプレッサ」、「SUBARU XV」は、スモールファミリーカー部門において2017年ユーロNCAP「ファイブスター」獲得車中でトップとなる「ベスト・イン・クラス・セーフティ賞」を受賞しました。
国内では、国土交通省と独立行政法人 自動車事故対策機構が実施する、自動車の安全性能を比較評価する自動車アセスメント(JNCAP)において、「インプレッサ」、「SUBARU XV」が過去最高の得点を獲得し、2016年度「衝突安全性能評価大賞」 を受賞しています。
④ 新商品の開発状況
当連結会計年度において、「安心と愉しさ」でお客様の笑顔に応えるべく、下記商品を展開しました。
i. 2017年5月に 新型「SUBARU XV」を発売しました。「Fun Adventure」をコンセプトに、都会的で洗練されたデザインとSUBARUらしいSUVとしての走破性、世界トップクラスの安全性能を兼ね備えたクロスオーバーSUVです。歩行者保護エアバッグと運転支援システム「アイサイト」を全車に標準装備。次世代プラットフォーム「スバルグローバルプラットフォーム」を採用し、高い操舵応答性と操縦安定性を実現しました。また、200mmの最低地上高を兼ね備え、本格SUV並みの悪路走破性を実現しました。
ii. 2017年8月に「レヴォーグ」、「WRX S4」の大幅改良を実施しました。全車速域でアクセル・ブレーキ・ステアリング操作をサポートするアイサイトの新機能「ツーリングアシスト」をSUBARU初搭載し、ロングツーリングの際の快適性と安心感を高めました。さらに、「後退時自動ブレーキシステム」、「フロントビューモニター」、「スマートリヤビューミラー」、「ステアリング連動ヘッドランプ」等の先進安全機能を新たに追加し、全方位にわたってドライバーの安全運転支援を実現しました。
iii. 2017年10月に「BRZ」最上級グレード「STI Sport」を発売しました。SUBARUのモータースポーツ統括会社であるスバルテクニカインターナショナル(STI)との共同開発により、「BRZ」が持つ走行性能や走りの質感、内外装の質感をこれまでよりもさらに高めた最上級グレードとして設定しました。
当事業に関わる研究開発費は117,622百万円です。
(2)航空宇宙事業
航空宇宙カンパニーは将来にわたる持続的成長に向け、新規事業開拓及び生産性向上を中心とした以下の研究開発を行っております。回転翼機分野では、新中型ヘリコプタのトランスミッションの能力向上や機体耐久性改善等の国際共同開発を行っています。また、パイロットの負担軽減技術の研究開発にも取り組みました。また、無人機分野では、防衛や防災等に活躍できる無人機の高機能・高信頼化の研究開発を推進し、固定翼機分野では、構造の軽量化及び高機能化に加えて、コスト低減を狙った部品加工・組立プロセスの研究開発を行っております。さらに、炭素繊維強化複合材料や先進金属等の高効率加工技術、組立・穿孔作業の自動化など生産技術分野においても積極的に取り組み、コスト競争力を高める研究開発を行っております。
当事業に関わる研究開発費は3,162百万円であります。
(3)その他事業
産業機器事業終了決定に伴い、研究開発活動は基本的に停止しておりますが、従前からのお客様との契約等に基づき、2017年度もエンジン開発を一部継続しておりました。その研究開発費を中心とした、その他事業全体の研究開発費は300百万円であります。