当連結会計年度の国内経済は緩やかな景気回復が続き、また、世界経済につきましても、新興国等の成長に弱さがみられるものの、先進国を中心に、全体としては景気の緩やかな回復がうかがえました。その一方で、今年1月以降の円高ドル安の大幅な進行、金融資本市場の変動の影響など、景気の先行きに対する不透明感が高まっております。
当社グループは、スバルがお客さまの心の中で際立った存在になることを目指して、平成26年に策定いたしました中期経営ビジョン「際立とう2020」の取り組みを通じ、徹底的に考え抜いたクルマづくり、確かなモノづくりを貫き、お客様への「安心と愉しさ」の提供を追求し続けていくための努力を続けてまいりました。
当連結会計年度は、当社の重点市場であります北米市場が前期に引き続き世界販売を牽引し、スバルの売上台数は過去最高を記録するなど、着実に取り組みの成果を出すことができました。
これらの取り組みの結果、当連結会計年度の連結決算は次のとおりとなりました。
売上高は、自動車売上台数の増加や為替変動に伴う売り上げの増加などにより、3兆2,323億円と前連結会計年度に比べ3,543億円(12.3%)の増収となりました。
利益面につきましては、売上高の増加に伴い、営業利益が5,656億円と前連結会計年度に比べ1,425億円(33.7%)の増益となり、経常利益につきましても、5,770億円と前連結会計年度に比べ1,833億円(46.6%)の増益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、防衛省向け戦闘ヘリコプターAH-64Dに関する初度費請求訴訟の判決確定に伴う特別利益を482億円計上したことなどにより、4,367億円と前連結会計年度に比べ1,748億円(66.7%)の増益となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
当連結会計年度の国内の自動車全体需要は、平成26年4月の消費税増税の影響による落込みが長引くなか、登録車は前連結会計年度並み、軽自動車は軽自動車税増税の影響が加わって前連結会計年度比16.6%の減少となり、国内自動車全体では493.8万台(前連結会計年度比6.8%の減少)となりました。
このような全需動向の中、国内の登録車につきましては、「インプレッサ」、「フォレスター」及び「クロスオーバー7」の販売が好調に推移したものの、発売から1年が経過した「レヴォーグ」、「レガシィ」の台数が減少したことにより、売上台数は11.2万台と前連結会計年度に比べ1.6万台(12.7%)の減少となりました。また、軽自動車につきましても、発売から1年が経過した「ステラ」の台数が減少したことにより、売上台数は3.4万台と前連結会計年度に比べ0.1万台(3.4%)の減少となりました。これらの結果、国内における売上台数の合計は14.5万台と前連結会計年度に比べ1.7万台(10.7%)の減少となりました。
海外につきましては、「アウトバック」が年度を通して好調を維持しました。また、北米で「クロストレック(日本名:SUBARU XV)」が好調に推移したこと、更に、欧州で年度後半から出荷を開始した「レヴォーグ」が売上台数の増加に貢献しました。これらの結果、売上台数の合計は81.3万台と前連結会計年度に比べ6.5万台(8.6%)の増加となりました。
地域別には、北米で63.0万台と前連結会計年度に比べ6.0万台(10.6%)の増加、ロシアを含む欧州で前連結会計年度並みの4.8万台、中国で4.4万台と0.9万台(17.5%)の減少、豪州で4.5万台と0.6万台(14.7%)の増加、その他地域で4.6万台と0.8万台(21.0%)の増加となりました。
以上の結果、国内と海外を合わせた売上台数は過去最高となる95.8万台と、前連結会計年度に比べ4.7万台(5.2%)の増加となり、為替変動の影響も加わり、自動車事業全体の売上高は3兆394億円と前連結会計年度に比べ3,405億円(12.6%)の増収となりました。セグメント利益につきましても、5,436億円と前連結会計年度に比べ1,427億円(35.6%)の増益となりました。
防衛省向け製品では、練習機「T-5」、航空模擬標的の減少などにより、売上高は前連結会計年度を下回りました。一方、民間向け製品では、為替変動に伴う売り上げの増加、及び「ボーイング777」の生産機数増加などにより、売上高は前連結会計年度を上回りました。
以上の結果、全体の売上高は1,528億円と前連結会計年度に比べ100億円(7.0%)の増収となりました。一方、セグメント利益につきましては、182億円と前連結会計年度に比べ7億円(3.8%)の減益となりました。
北米向けのレジャー用車載エンジンの売上が伸長したことにより、売上高は326億円と前連結会計年度に比べ35億円(12.2%)の増収となりました。一方、セグメント利益につきましては、北米向けレジャー用エンジンの不具合対策費として9億円を計上したことから、1億円と前連結会計年度に比べ7億円(89.5%)の減益となりました。
売上高は75億円と前連結会計年度に比べ4億円(5.2%)の増収となりました。セグメント利益につきましても、29億円と前連結会計年度に比べ10億円(53.6%)の増益となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、8,295億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は6,143億円(前連結会計年度は3,115億円の増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上6,190億円、売上債権の減少228億円、仕入債務の増加301億円、損害賠償金の受取482億円、法人税等の支払1,444億円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は2,557億円(前連結会計年度は1,728億円の減少)となりました。主な要因は、固定資産の取得による支出(売却による収入との純額)1,258億円、投資有価証券の取得による支出(売却による収入との純額)218億円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は1,262億円(前連結会計年度は1,105億円の減少)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出(借入れによる収入との純額)330億円、配当金の支払849億円などであります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.その他は、生産活動を行っていないため記載しておりません。
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
なお、自動車事業及び産業機器事業については見込生産を行っております。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、中期経営ビジョン「際立とう2020」におきまして、2020年の当社のありたい姿を「大きくはないが強い特徴を持ち質の高い企業」と定め、“お客様の信頼№1”という評価を頂く事ができるような高いブランド力と業界高位の利益率を実現することを目指しております。そして、その実現のため、個性的なスバルならではの特徴を活かし、付加価値経営の更なる推進を目指す「スバルブランドを磨く」、経営環境変化の耐性を高め持続的な成長を確実なものとする「強い事業構造を創る」という2つの活動に集中した取り組みを進めております。この取り組みを更に加速させるため、全力で以下の課題に取り組んでまいります。
(スバルらしさを追求した商品の拡充)
商品につきましては、次世代プラットフォームとして開発を進めている「Subaru Global Platform(スバルグローバルプラットフォーム)」を、平成28年度に発売予定の新型インプレッサを皮切りにフルモデルチェンジのタイミングで随時、他車種にも展開してまいります。また、販売が好調な北米市場において更なる顧客層拡大を狙い、平成30年に多人数SUVの投入を予定しております。
安全面では、運転支援システム「アイサイト」を更に進化させ、平成29年に自動車専用道路における渋滞時追従機能の実現を、更に、平成32年に高速道路における自動運転を目指して開発を進めております。
また、世界各国の環境規制に対応していくため、内燃機関の主力ユニットとしては、平成31年から順次新型ダウンサイジングターボエンジンを投入するとともに、米国のZEV※規制への対応として、グローバル展開も視野に入れ、平成30年にプラグインハイブリッド車、平成33年には電気自動車の投入を計画しております。
※ZEV(Zero Emission Vehicle):排出ガスを一切出さない電気自動車や燃料電池車
(自動車事業の開発リソース増強)
「スバルブランドを磨く」活動に集中し、取り組みを更に加速させるには、自動車事業の開発リソース増強が重点課題のひとつであると認識しております。そのため、全社的な経営資源の配分の最適化の観点から、産業機器カンパニーをスバル自動車部門の一部として組織を改正いたします。産業機器事業の既存製品の製造・販売・サービスは当面継続しますが、開発案件を停止することで、その開発人員などの経営資源を順次、自動車部門へ投入していくことを計画してまいります。
(ブランドの更なる向上・浸透)
商品・技術の強化に加えて、販売・アフターサービスに至る顧客接点における全ての質の向上を目指すとともに、「スバルブランドを磨く」取り組みを更に加速させ、スバルをグローバルブランドとして更に成長させるため、平成29年4月1日付で社名を「株式会社SUBARU」に変更することを予定しております。
(生産能力の増強)
販売が好調に推移するなか、継続して能力増強投資を行い、平成27年度末の生産能力※は、国内と海外の合計で85.4万台となりました。平成28年度は、スバル オブ インディアナ オートモーティブ インク(SIA)におきまして、トヨタ車「カムリ」の受託生産を5月末に終了し、スバル向けに能力を振り替えることにより、103万台のグローバル生産能力※を計画いたします。更に、国内、SIAで能力増強を行うことにより、平成30年度末のグローバル生産能力※を113万台まで引き上げます。これらの対応により、世界でスバルをお待ちいただいているお客様に商品をお届けできるよう、鋭意努力してまいります。
また、以上の取り組みに伴い、「際立とう2020」で掲げております2020年度のグローバル販売台数につきましても、「110万台+α」から「120万台+α」へ引き上げます。
※標準操業における生産能力
(質の高い企業を目指す取り組み)
ステークホルダーの皆様から満足と信頼を得ることができるよう、企業としての社会的責任を果たすために、コーポレートガバナンスの実効性を高め、コンプライアンスを順守し、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値向上を促進してまいります。また、会社の持続的成長を支える上で、人材育成、組織・風土改革を重要な課題と位置づけて取り組んでおります。なかでも重要課題であります女性の活躍推進につきましては、管理職への登用拡大を進めており、女性が更に活躍しやすい会社を目指してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、また、以下は当社グループに関する全てのリスクを列挙したものではありません。
(1)経済の動向
当社グループの主要な市場である国及び地域の経済情勢の動向は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。国内はもとより当社グループの主要市場である北米における景気後退及び需要減少、又は価格競争の激化が進むことにより、当社グループの提供する商品・サービスの売上高や収益性において悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)為替の変動
当社グループにおいて、海外売上高の割合は81.3%を占め、売上高、営業利益、資産等の中には、米ドルを中心とした現地通貨建ての項目が含まれており、連結財務諸表作成時に円換算しております。従って通期の見通しにおいて想定した為替レートに対し、実際の決算換算時の為替レートに乖離が生じた場合、主に円高局面では当社グループの業績と財務状況はマイナスに作用し、円安局面ではプラスに作用する可能性があります。
こうした為替リスクを最小限に軽減すべく、当社では為替予約等によるヘッジを実施しており、状況に応じ為替予約等のヘッジオペレーションを行っております。ただし、期末日の極端な為替変動によりデリバティブ評価損等に影響を及ぼし、営業外損益が大きく変動する可能性があります。
(3)特定事業への依存
当社グループは、自動車事業の他に産業機器事業・航空宇宙事業等の事業で構成されていますが、事業規模として自動車事業が突出しているため、自動車事業に関わる需要や市況、同業他社との価格競争力などが予測し得る水準を超えた場合に、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(4)市場評価の変動
市場の需要動向、お客様ニーズに基づく商品企画により、適切なタイミングと価格で新商品を開発・製造し、市場に投入することが、当社グループの安定した業績向上に関して最も大切なことであります。市場における新型車をはじめとした新商品の評価が当社グループの狙いとした販売計画の想定に満たない場合や、現行の商品の陳腐化が想定以上に進んだ場合には、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(5)特定の原材料及び部品の購入
当社グループでは、原材料及び部品等を多数の取引先から調達しておりますが、特定の原材料および取引先に依存している場合があり、需給状況の逼迫等により、安定したコスト・納期・品質で調達できない場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(6)知的財産の保護
当社グループでは、他社製品と差別化できる技術やノウハウ等の保護のために、特許、意匠、商標等の知的財産権のポートフォリオを構築しています。しかし、第三者が当社グループの知的財産を不当に使用した類似製品を製造した場合や知的財産権による保護が限定的である場合、販売減少や法的手続きの発生等、当社グループの事業性に影響を受ける可能性があります。
(7)製品の欠陥
当社グループでは、安全を最優先として製品の開発・製造・販売を行っておりますが、全ての製品、サービスに関して欠陥が無く、リコール等が発生する可能性がないとは言えません。大規模なリコール等を実施する事態になれば、多額のコストが発生することに加え、ブランドイメージの毀損等により、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(8)退職給付債務
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上設定した退職給付債務の割引率及び年金資産の長期期待運用収益率といった前提条件に基づいて算出しております。しかし、実際の結果が前提条件と異なる場合には、将来にわたって当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)環境等に関する法的規制
国内外ともに排出ガス規制、省エネルギーの推進、騒音、リサイクル、製造工場からの汚染物質排出レベル及び自動車等の安全性に関しては、様々な法的規制を受けております。今後、そうした法的規制が強化されることによるコストの増加が、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)災害・戦争・テロ・ストライキ等の影響
大規模な地震、台風等の自然災害、疾病、戦争、テロ等の発生により、当社グループの事業活動が妨げられ、原材料・部品の購入、生産、製品の販売及び物流、サービスの提供などに遅延や停止が生ずる可能性があります。こうした遅延や停止が発生し長引くようであれば、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
平成18年3月 トヨタ自動車株式会社と業務提携
平成20年4月 トヨタ自動車株式会社、ダイハツ工業株式会社と開発・生産における新たな協力関係に合意
当社グループは、中期経営ビジョン「際立とう 2020」におきまして、2020年の当社のありたい姿を、「大きくはないが強い特徴を持ち、質の高い企業」と定め、その実現のため、「スバルブランドを磨く」、「強い事業構造を創る」という2つの活動に集中し、研究開発活動を進めております。当連結会計年度におけるグループ全体での研究開発費総額は102,373百万円です。セグメン卜ごとの研究開発活動状況および研究開発費は次のとおりです。
(1)自動車事業
自動車の研究開発では、 「際立とう2020」 の 「スバルブランドを磨く6つの取り組み」 で掲げた総合性能、安全、デザイン、環境対応、品質向上に取り組み、「安心と愉しさ」でお客様の期待を超える商品の開発を推進しております。加えて 「強い事業構造を創る8つの取り組み」 での、アライアンス商品開発、コスト低減、人材育成、組織・風土改革などを通じ、開発力の基盤強化を図っております。
感性に響く動的質感と世界最高水準の安全性能を併せ持つ次世代プラットフォーム 「スバルグローバルプラットフォーム」 を開発し、平成28年3月に公開しました。「スバルグローバルプラットフォーム」 はスバルのコア技術である 「水平対向エンジン」、「シンメトリカルAWD」、「アイサイト」 とともに、次世代のスバルを構成する基盤技術であります。また、将来の電動化を含めた全車種の開発を一つのプラットフォーム設計思想で実現するもので、平成28年から投入する新型インプレッサを皮切りに、今後当社が独自に開発する新型車に採用していきます。この他にも、お客様に提供する価値である 「安心と愉しさ」 を進化させるべく、環境性能を更に高めたパワーユニット、 「アイサイト」 を正常進化させた渋滞時の自動運転、更にミニマムのデバイスを加えた高速道路自動運転、次期電動化商品など、多岐に渡り研究開発を推進しております。
市場導入した商品は、世界各国の第三者評価でトップクラスの評価を獲得し、商品力の高さを実証しています。米国コンシューマレポート誌のブランド総合ランキングでは、欧州を中心とした高価格ブランドが上位を占める中、総合2位を獲得しました。米国IIHS(道路安全保険協会)による安全性評価では、高い衝突性能と衝突予防性能が必要な最高評価 「TSP+」 を 「レガシィ」、「アウトバック」、「フォレスター」、「インプレッサ」、「SUBARU XV」、「WRX」 の6車種が獲得しました。日本では、国土交通省とNASVA(自動車事故対策機構)が実施する予防安全性能アセスメントにおいて、 「アイサイト」 を搭載する全ての車種が最高ランクの 「ASV+」 を獲得しております。アイサイトの高度な交通事故回避性能は市場事故の低減に大きく貢献しております。公益財団法人 交通事故総合分析センター(ITARDA)のデータを基に当社独自に算出した結果、車両同士の追突事故では約8割減、対歩行者事故では約5割減、調査対象全体では約6割減であることが分かっております。
平成27年4月に 「レヴォーグ」 の改良を行い、先進安全装備 「アドバンスドセイフティパッケージ」 を展開しました。「アドバンスドセイフティパッケージ」 は、「アイサイト」 が持つ高い前方安全性能に加えて、スバルリヤビークルディテクション(後側方警戒支援)/サイドビューモニター(左前方死角視認支援)/ハイビームアシスト(Hi/Lo自動切替)/アイサイトアシストモニター(フロントウインドウ表示)の4つの機能により車両周辺の全方位の安全性を高めることで総合安全性能の強化を図りました。平成27年6月には 「WRX S4/STI」 の改良を行い、「アドバンスドセイフティパッケージ」を展開しました。平成27年10月には、「レガシィ」、「アウトバック」 の改良を行い、滑らかなハンドリング、上質な乗心地、静寂性の向上などの走行時の質感を高めるとともに、「アドバンスドセイフティパッケージ」を標準装備し、スバルのフラグシップモデルとしての価値を更に高めました。
平成27年7月に “Fun to Drive な走りを愉しめるハイブリッド“の第2弾として 「インプレッサSPORTS HYBRID」 を発売しました。モーターアシストによるリニアで軽快な加速とスバルならではの低い重心高、優れた重量配分を活かしたスポーティなハンドリングにより、ハイブリッドモデルならではの走りの愉しさとJC08モード燃費値で20.4km/ℓの燃費性能を両立しました。
平成27年10月に 「フォレスター」 の大幅改良を実施しました。フロントフェイスの変更、内装の見直しにより、逞しさ、機能性を高め、加えて、操縦安定性、乗心地、静寂性などの上質感の向上を図りました。また 「アドバンスドセイフティパッケージ」 を展開するとともに、LEDヘッドランプやステアリング連動ヘッドランプを採用することで世界トップクラスの安全性能に更に磨きをかけました。
軽自動車は、平成27年4月に 「サンバー バン」、「ディアス ワゴン」 を改良しました。電子制御スロットルを採用するとともに、AT車には電子制御4ATを採用。NA車の燃焼効率向上などにより燃費改良を図りました。「サンバー バン」 は全車平成27年度燃費基準を達成しております。
平成27年5月に 「ステラ」 を改良しました。平成26年にフルモデルチェンジを行い好評を頂いていますが、従来の衝突回避システム「スマートアシスト」に、新たに単眼カメラを追加した 「スマートアシストⅡ」 として機能向上を図りました。車線逸脱警報機能などの機能追加により高速走行時での安全性能が更に進化しております。軽自動車は、ダイハツ工業より、アライアンスの成果としてOEM供給を受ける商品であります。
当事業に関わる研究開発費は99,276百万円であります。
※「スマートアシスト」はダイハツ工業株式会社の登録商標です。
(2)航空宇宙事業
航空宇宙カンパニーは将来にわたる持続的成長に向け、新規事業開拓のために、以下の研究開発を行っております。無人機分野では、防衛や防災等に活躍できる無人機の高機能・高信頼化の研究開発を推進し、固定翼機分野では、構造の軽量化及び高機能化に加えて、コスト低減を狙った部品加工・組立プロセスの研究開発を行っております。回転翼機分野では、新中型ヘリコプターの開発に着手致しました。また、炭素繊維強化複合材料や先進金属材料の高効率加工技術、組立・穿孔作業の自動化など生産技術分野においても積極的に取り組み、コスト競争力を高める研究開発を行っております。
当事業に関わる研究開発費は2,770百万円であります。
(3)産業機器事業
産業機器カンパニーは。「搭載サポート技術で日本のモノづくりを極める」をキーワードとして商品構成の拡充と商品力向上に取り組んでおります。
平成27年度は、汎用ガソリンエンジンでは、主力機種であるEXシリーズをモデルチェンジし、外観デザインの刷新を中心に性能品質向上や減速機付仕様追加等の商品力強化を行い、より多くのお客様ニーズに対応しました。
車載用エンジンでは、レジャービークル用エンジンの商品性向上や産業機器用エンジンをベースとした小型・軽量、高機能な車載用エンジンの拡充と共に、高出力、高効率化のお客様ニーズに応えるべく鋭意開発を推進しております。
また、完成機器では、コンシューマー向け発電機としてRGH50を新たにモデル追加し、RGHシリーズの商品ラインナップ拡充を行いました。
当事業に関わる研究開発費は326百万円であります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、様々な見積りによる判断が行なわれておりますが、見積りに内在する不確実性により、実際の結果は異なることがあります。
連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりですが、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある見積りを含む会計方針は以下のとおりであります。
① 貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しておりますが、将来、取引先等の財務状況が悪化するなどにより支払能力が低下した場合、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
② 製品保証引当金
販売した製品のアフターサービスに備えるため、原則として保証書の約款に従い、過去の実績を基礎に将来の保証見込みを加味して計上しておりますが、実際の保証費用が見積りと異なる場合、引当金の追加計上が必要になる可能性があります。
③ 退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産
将来の退職給付の支払いに備えるため、当連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しておりますが、この計算は主として数理計算上で設定される前提条件に基づいて行なわれております。この前提条件には、割引率、将来の給与水準、年金資産の長期期待運用収益率、退職率、死亡率などが含まれており、それぞれの条件は現時点で充分に合理的と考えられる方法で計算されておりますが、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合には、将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性があります。
④ 投資有価証券
価格変動性の高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式を保有しておりますが、投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。将来の市況悪化や投資先の業績不振など、現在の簿価に反映されていない損失が発生するなどにより簿価の回収が困難となる状況となった場合、減損の追加処理が必要となる可能性があります。
⑤ 繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性については、現時点において将来の課税所得を合理的に見積った上で判断しておりますが、将来、繰延税金資産の全部又は一部が回収できないと判断した場合、繰延税金資産の減額を行い、税金費用が発生する可能性があります。
(2) 資産・負債の状況の分析
総資産につきましては、2兆5,924億円と前連結会計年度末に比べ3,927億円の増加となりました。主な要因は、現金及び預金と有価証券を合わせた手許資金の増加3,346億円、有形固定資産の増加579億円などであります。
負債につきましては、1兆2,430億円と前連結会計年度末に比べ740億円の増加となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金と電子記録債務を合わせた仕入債務の増加259億円、未払法人税等の増加453億円などであります。
純資産につきましては、1兆3,494億円と前連結会計年度末に比べ3,187億円の増加となりました。主な要因は、当期純利益を計上したことなどによる利益剰余金の増加3,516億円などであります。
(3) 資本の財源及び資金の流動性に係わる分析
当社は、現金及び現金同等物に加え、主要銀行とコミットメントライン契約を締結しており、現在必要とされ
る資金水準を満たす流動性を保持していると考えています。
有利子負債は、1,700億円と前連結会計年度に比べて412億円の減少となりました。デット・エクイティ・レシ
オは12.6%になり、安全性を維持しています。
今後の設備投資や研究開発の支出計画によっては、資金の調達、また、現預金残高の取り崩しをする可能性があります。
(4) 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の売上高は3兆2,323億円と、前連結会計年度に比べ、3,543億円(12.3%)の増収となりました。国内売上高は、売上台数の減少などにより、6,054億円と475億円(7.3%)の減収となりました。海外売上高につきましては、売上台数の増加などにより、2兆6,269億円と4,018億円(18.1%)の増収となりました。
営業利益は、5,656億円と、前連結会計年度に比べ、1,425億円(33.7%)の増益となりました。主な増益要因は、売上台数の増加や為替レート差であります。
経常利益は、5,770億円と前連結会計年度に比べ、1,833億円(46.6%)の増益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、4,367億円と前連結会計年度に比べ、1,748億円(66.7%)の増益となりました。
(5) キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「1.業績等の概要」に記載しております。