なお、本四半期報告書提出日現在において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクに関連して発生した事項は以下のとおりとなります。また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」の項目番号に対応したものであります。
また、文中の将来に関する事項は、本四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(5)特定の原材料及び部品の購入
当社グループでは、原材料及び部品等を多数の取引先から調達しておりますが、特定の原材料および取引先に依存している場合があり、需給状況の逼迫等により、安定したコスト・納期・品質で調達できない場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。
以上のような事業等のリスクを認識した上でその対策を行って参りましたが、2019年1月16日、当社の一部車種で使用している電動パワーステアリング装置に不良部品の発生が確認されたため、品質第一の観点から、安全を最優先し、同日より群馬製作所(本工場・矢島工場)での全ての車両生産・出荷を停止し、当該車種の新車登録を一時停止いたしました。その後、不良が生じる原因等について確認が取れ、それに基づき対策を施した部品の準備ができたことから、同年1月28日から生産・出荷ともに再開いたしました。
当社では、開発・設計段階、取引先での部品製造段階、当社での製造・最終組立段階、完成検査工程といった各段階で多層の品質チェックを行うことで品質確保に努めており、今回の事案で得られた教訓を今後に活かして参ります。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、会計方針等を変更しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更等)および(追加情報)」に記載のとおりであります。また、以下の前年同四半期の売上高につきましては、会計方針等の変更を遡及適用した数値で比較・分析を行っております。
(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間の売上高につきましては、自動車売上台数の減少および為替変動に伴う売り上げの減少などにより、2兆3,774億円と前年同期比603億円(2.5%)の減収となりました。
利益面につきましては、2018年11月に届出いたしましたリコールなどによる品質関連費用の増加および自動車売上台数の減少などにより、営業利益は1,537億円と前年同期比1,526億円(49.8%)の減益となり、経常利益につきましても、1,570億円と前年同期比1,461億円(48.2%)の減益となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益につきましても、1,182億円と前年同期比346億円(22.7%)の減益となりました。
当第3四半期連結累計期間のセグメントの状況は以下のとおりであります。
① 自動車事業部門
国内につきましては、7月に全面改良を行った「フォレスター」の販売が好調に推移したものの、「インプレッサ」、「SUBARU XV」および「レヴォーグ」の販売が減少したことなどにより、売上台数は9.8万台と前年同期比2.0万台(17.1%)の減少となりました。
海外につきましては、当社の重点市場であります北米において、新たに販売を開始した新型車「アセント」および「クロストレック(日本名:SUBARU XV)」の好調持続などが寄与し、現地での小売販売は堅調に推移しました。しかし、当事業年度前半は全面改良前であった「フォレスター」の出荷台数の減少および主に米国で現地在庫の調整を行ったことなどにより、売上台数は66.4万台と前年同期比1.9万台(2.8%)の減少となりました。
以上の結果、国内と海外の売上台数の合計は76.2万台と前年同期比4.0万台(5.0%)の減少となり、売上高は、2兆2,719億円と前年同期比351億円(1.5%)の減収となりました。また、セグメント利益につきましても、1,454億円と前年同期比1,449億円(49.9%)の減益となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間の地域別の連結売上台数は以下のとおりであります。
② 航空宇宙事業部門
防衛省向け製品では、輸送機「C-2」の生産の増加およびその他研究開発契約の増加などにより、売上高は前年同期を上回りました。
民間向け製品では、「ボーイング777」の生産が減少したことなどにより、売上高は前年同期を下回りました。
以上の結果、全体の売上高は943億円と前年同期比123億円(11.6%)の減収となりました。また、セグメント利益につきましても、49億円と前年同期比67億円(58.0%)の減益となりました。
③ その他事業部門
売上高は111億円と前年同期比129億円(53.6%)の減収となりました。また、セグメント利益につきましても、29億円と前年同期比11億円(26.8%)の減益となりました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、2兆8,701億円と前期末に比べ36億円の増加となりました。主な要因は、商品及び製品の増加498億円、固定資産の増加361億円、仕掛品の増加227億円、原材料及び貯蔵品の増加185億円、短期貸付金の増加95億円、有価証券の減少1,363億円などであります。
負債につきましては、1兆2,900億円と前期末に比べ154億円の減少となりました。主な要因は、エアバッグ関連損失引当金の減少431億円、未払法人税等の減少421億円、短期借入金の減少174億円、未払費用の増加829億円などであります。
純資産につきましては、1兆5,800億円と前期末に比べ190億円の増加となりました。主な要因は、為替換算調整勘定の増加147億円、利益剰余金の増加78億円などであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、6,364億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は1,123億円(前年同四半期連結累計期間は2,546億円の増加)となりました。主な要因は、税金等調整前四半期純利益1,580億円、未払費用の増加788億円、減価償却費784億円、法人税等の支払955億円、たな卸資産の増加860億円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は1,129億円(前年同四半期連結累計期間は1,320億円の減少)となりました。主な要因は、固定資産の取得による支出(売却による収入との純額)1,074億円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は1,454億円(前年同四半期連結累計期間は1,650億円の減少)となりました。主な要因は、配当金の支払1,101億円、短期借入金の減少171億円、長期借入金の返済による支出(借入れによる収入との純額)168億円などであります。
当社は、「安心と愉しさ」の提供を通じて、お客様から共感され、信頼していただける存在となることを目指して、新たな中期経営ビジョン「STEP」を策定し、2018年7月10日に公表いたしました。
新中期経営ビジョン「STEP」では、当社の“不変の経営理念”である、「お客様第一を基軸に『存在感と魅力ある企業』を目指す」の下、2017年の創業100年を機に掲げた“ありたい姿”である、「モノをつくる会社から笑顔をつくる会社へ」に向けた“2025年ビジョン”として、次の3項目を掲げ、取り組んでまいります。
1. 個性を磨き上げ、お客様にとってDifferentな存在になる
2. お客様一人一人が主役の、心に響く事業活動を展開する
3. 多様化する社会ニーズに貢献し、企業としての社会的責任を果たす
新中期経営ビジョン「STEP」の取り組みの全体像は、以下のとおりであります。

また、2019年3月期から2021年3月期の3カ年の連結収益につきましては、売上高は10兆円、営業利益は9,500億円、営業利益率は9.5%を計画しております。
なお、当社は株主の皆様の利益を重要な経営課題と位置付けております。自己資本比率は50%を確保し、また、ネットキャッシュは2月商分を下限としたうえで、毎期の業績、投資計画、経営環境を勘案しながら、すべてのステークホルダーに対してバランスの良い利益還元の配分を行います。株主還元につきましては配当を主とし、継続的・安定的な還元を重視いたします。2019年3月期から2021年3月期は、年間配当144円をベースとし、キャッシュ・フローに応じて自己株式取得を機動的に実施いたします。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」につきまして、以下の追加すべき事項が生じております。
当社は、2018年6月5日に国土交通省より、燃費・排出ガスの抜き取り検査に関する二事案(トレースエラー・湿度エラー)および他に完成検査に係る不適切事案がないか徹底調査を行い、それに基づく再発防止策を策定し、報告するよう要請を受けておりました。これを客観的・中立的な立場から徹底調査を行うため、弁護士などの社外専門家によるチームに調査を委託し、同年9月28日にその調査結果の報告書(以下、報告書という。)を受領、国土交通省へ提出し、その内容を公表いたしました。報告書によれば、当社が既に公表していた不正行為に加え、新たに、燃費・排出ガスの抜き取り検査ならびに燃費・排出ガスの測定以外の完成検査業務においても、不適切行為が行われていたことが判明いたしました。同時に、報告書に基づき、完成検査に係る不適切行為が2017年12月末日まで行われていたと判断し、対象となる約6千台について、2018年10月11日にリコールを届出ました。
当社では、完成検査員の教育・啓蒙の再徹底は勿論のこと、完成検査ラインにおいて、直ちに実施可能な設備の改修および不正を防止するための検査装置のソフト変更を実施するとともに、完成検査工程に係る負荷を再検証し、必要に応じた是正を行うなどの諸対策を進めて参りました。しかし、同年10月の国土交通省の立入検査を契機とした社内調査において、報告書の作成時に把握されたものと一部不整合な供述の存在、ならびに報告書には含まれていなかった行為の存在が判明したことから、同年11月14日に国土交通大臣より再発防止策の見直しおよび徹底などの勧告を受けました。
再発防止に取り組んでいる最中にも不適切行為が続いてしまったことから、経営・管理者層が、今まで以上に深く完成検査の現場に寄り添い、現場からの意見に耳を傾け、要望をしっかり受けとめて改善に繋げるとともに、それを現場の完成検査員が実感し、自らが積極的に再発防止に取り組むように環境を整えることが必要であると認識いたしました。まず現場の完成検査員と話し合い、再発防止策として実施した様々な取り組みの検証を行い、有効に機能していることを確認いたしました。そして、同年10月26日以降、完成検査工程の健全性が維持できていることを確認し、同日を以て不適切検査の終期といたしました。さらに同年11月2日には、群馬製作所の全ての生産ラインを終日停止し、改めて群馬製作所長と完成検査員全員とで正しく完成検査が実施されていることを再確認するとともに、改善点について話し合いも行いました。これらの活動を経て、不適切事案を断ち切るべく、同年1月9日から10月26日までに生産された国内向け車両のリコール届出を同年11月8日に実施いたしました。
そして、群馬製作所における一連の完成検査問題に対する再発防止の手を緩めることなく、より強固に推し進めるために、製造部門担当役員を2019年1月1日付で一新いたしました。
同年1月30日に国土交通省へ報告いたしました再発防止策の四半期報告では、国土交通大臣より発出された勧告の内容を踏まえ、再発防止策の内容を下記の大項目4項目、小項目65項目といたしました。
① コンプライアンス・品質保証に対する経営層の当事者意識強化と役割責任の明確化
② 不適切作業の検出と防止のための施策
③ 不適切作業が発生した際に速やかに是正する態勢の構築
④ 速やかに実施し、今後も継続して運用していく施策
なお、小項目65項目のうち、実施済みもしくは運用継続中のものが55項目、検討が完了しこれから実行に移すものが2項目、検討中が8項目であります。
また、2018年12月19日、不適切な抜き取り検査の一部が重大な完成検査の一部未実施事案であることから、国土交通省より東京地方裁判所に対して、当社の道路運送車両法に基づく過料を適用するよう通知がなされました。
当社は、一連の不適切事案の結果、このような事態に至ったことを極めて厳粛に受け止めております。
今後も、経営トップが先頭に立って「品質第一」の意識を徹底し、真に現場に寄り添い、もう一度、皆様からの信頼を可及的速やかに回復すべく、全力で努めて参ります。
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体での研究開発費総額は、78,021百万円であります。
当第3四半期連結累計期間における自動車セグメントの国内生産につきましては、全面改良を行った国内向け「フォレスター」および海外向け「クロストレック(日本名:SUBARU XV)」の生産が増加したものの、全面改良前の海外向け「フォレスター」などの生産が減少したことにより、前年同期を下回りました。また、海外生産につきましては、スバル オブ インディアナ オートモーティブ インク(SIA)において、新型車「アセント」の生産を開始したことなどにより、前年同期を上回りました。以上の結果、国内と海外の生産台数の合計は762,266台と前年同期比3.8%の減少となりました。