第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)が判断したものであります。

 

当社グループは以下に掲げる企業理念ならびに経営理念、基本方針に基づき、選択と集中を進め、限られた経営資源を最大限活用することで高収益なビジネスモデルを展開し、SUBARUを自動車と航空宇宙事業における魅力あるグローバルブランドとして持続的に成長させ、中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。

 

(1) 企業理念、経営理念

<企業理念>

1.私たちは常に先進の技術の創造に努め、お客様に喜ばれる高品質で個性のある商品を提供します。
2.私たちは常に人・社会・環境の調和を目指し、豊かな社会づくりに貢献します。
3.私たちは常に未来をみつめ国際的な視野に立ち、進取の気性に富んだ活力ある企業を目指します。

 

<経営理念>

お客様第一を基軸に「存在感と魅力ある企業」を目指す。

 

(2) 基本方針

<品質方針>

 私たちは何より品質を大切にしてお客様の信頼に応えます

 1.お客様に安心して長くお使いいただける商品をお届けします
 2.お客様の声に常に耳を傾け、商品とサービスに活かします
 3.法令・社会規範・社内規則を遵守し、お客様に信頼される仕事をします

 

<SUBARUグローバルサステナビリティ方針>

 私たちSUBARUグループ※は、人・社会・環境の調和を目指し、
1.事業を通じて、地球環境の保護を含む様々な社会課題の解決と、持続可能な社会の実現に貢献します。
2.高品質と個性を大切にし、先進の技術で、SUBARUならではの価値を提供し続け、SUBARUグループ

  に関わるすべての人々の人生を豊かにしていきます。

3.国際社会における良き企業市民として、人権および多様な価値観・個性を尊重し、すべてのステークホルダー

  に誠実に向き合います。

4.従業員一人ひとりが、安全に安心して働くことができ、かつ働きがいを感じられるよう職場環境を向上させま

  す。

5.国際ルールや各国・地域の法令を遵守するとともに、その文化・慣習等を尊重し、公正で透明な企業統治を行 

  います。

6.ステークホルダーとの対話を経営に活かすとともに、適時かつ適切に企業情報を開示します。

 

 ※ SUBARUグループ:株式会社SUBARUおよびすべての子会社

 

(3) 中期経営ビジョン「STEP」

自動車業界が大変革期にある中で、この大きな事業環境の変化を見極め、スピード感をもって対応していくことが必要であると認識しております。当社グループは「安心と愉しさ」の提供を通じてお客様から共感され信頼していただける存在となることを目指し、2018年7月に中期経営ビジョン「STEP」を公表いたしました。当社のありたい姿を「モノをつくる会社から笑顔をつくる会社へ」とし、その実現に向け2025年ビジョンとして次の3項目を掲げております。

 

<2025年ビジョン>

1.個性を磨き上げ、お客様にとってDifferentな存在になる
2.お客様一人一人が主役の、心に響く事業活動を展開する
3.多様化する社会ニーズに貢献し、企業としての社会的責任を果たす

 

 

なお、中期経営ビジョン「STEP」の取り組みの全体像は次のとおりです。

 

中期経営ビジョン「STEP」取り組み全体像(9Box+1)


 

 

(4) 対処すべき課題

①新型コロナウイルス感染症への対応

(事業への影響と対応)

当社グループにおける新型コロナウイルスの全世界的な感染拡大による影響については、同感染症発生の初期段階よりCEO(最高経営責任者)をトップとした「新型肺炎対策本部」を設置し、CRMO(最高リスク管理責任者)による全体統括のもと、国内外のグループ各社等からの情報収集と政府・自治体における政策動向等に関する情報管理の一元化を行ってまいりました。お客様やお取引先様、従業員の健康と安全を最優先に、感染予防策の徹底、時差通勤や在宅勤務の拡充、さらに地域医療現場へはフェイスシールドの開発・製造・納入や病院内の飛沫感染防止間仕切り制作等の支援を行いました。生産面では、国内の群馬製作所及び米国のスバル オブ インディアナ オートモーティブ インク(SIA)における操業の一時停止を含む生産調整を行いました。また、販売面でも、外出規制等により様々な制約を受ける事態となりました。現在、徐々に回復の兆しが見えておりますが、このような生産・販売活動における急激な変化は当社グループの事業活動に大きな影響を及ぼしております。

 

(今後の取り組み)

当社グループは新型コロナウイルス感染症の影響を受け、環境の変化に負けない強い事業構造を作る必要性を改めて認識いたしました。今後の先行きは不透明ではありますが、これを好機と捉え様々な領域での構造改革を実行してまいります。具体的には、働き方改革の実践による業務効率の向上を図るとともに、従業員の意欲・能力の向上につながる施策をこれまでの対応で得た知見も活かしつつ果断に実行していくこと、また固定費構造の改革、投資の選択と集中をさらに推進し、強靭な事業基盤と収益構造を構築することに取り組んでまいります。

 

新型コロナウイルス感染症が当社グループの事業活動に与える影響につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク 新型コロナウイルスの感染拡大の影響と対応策」に記載のとおりであります。

 

②中期経営ビジョン「STEP」の推進

 当社グループは「安心と愉しさ」の提供を通じてお客様から共感され信頼していただける存在となることを目指し、「STEP」を推進しております。最重要テーマの活動状況と今後の取り組みは以下のとおりです。

 

(組織風土改革)

「風通しの良い何でも言える会社」を目指し、経営陣が自ら率先して全社で継続的に組織風土改革を推進しております。社内報を通じた定期的な経営メッセージや全社の活動状況の情報発信に加え、2019年度は「役員講話リレー」を年間を通じて実施いたしました。経営層が現場へ赴き自らの言葉で改革の本気度を従業員へ直接伝え、率直な意見交換を行う機会を設ける等、全社一丸となって改革を進めてまいりました。良い変化や兆しが現れてきている職場の活動を全社に拡げるべく、2020年度は対話の機会をさらに増やし全従業員の変化やその実感につなげてまいります。

 

(品質改革)

2019年4月に品質方針を改訂し「お客様が安心して長く使い続けることが出来る品質」№1を目指して品質改革を進めております。中期経営ビジョン「STEP」を策定した際に設定した品質向上に向けた投資枠1,500億円(5年間)につきましても、部品やその構成を決める商品企画段階から生産に至るプロセスの改善、品質マネジメントの強化など、具体的な品質改善計画と併せて策定いたしました。その他に、完成検査問題を風化させないために全従業員を対象に振り返りを行うイベント等を開催し、全社一丸となって品質最優先の土壌の強化を図っております。

 

(SUBARUづくりの刷新)

SUBARUが提供するお客様価値の向上を目指す活動として「新SUBARUづくり活動」を進めております。「高品質」「高付加価値」「低コスト」の商品の実現に向けて、開発初期の構想段階から生産、アフターサービスまでを考慮したクルマづくりを目指し、これまで以上に開発の上流の段階から品質を向上させる開発プロセスの改革に取り組み、「生まれの品質」の向上を進めております。

 

(アライアンスの強化)

自動車業界の大変革期を乗り越えるためには、CASE※を含む新しい領域への対応が必須です。この課題に対し、当社はトヨタ自動車株式会社と長期的提携関係のさらなる発展・強化を目的に、2019年9月に新たな業務資本提携を行いました。「SUBARU BRZ」「TOYOTA 86」の次期モデル共同開発に加え、全輪駆動(AWD)技術、電動化技術、コネクテッド領域及び自動運転分野で協業を拡大し、両社の絆をさらに強め力を合わせていくことでCASE時代においてもSUBARUらしさを磨き続け、お客様に強く共感いただけるクルマづくりを目指します。

※CASE:Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の略称

 

その他の活動についても計画どおり進めており、中期経営ビジョン「STEP」の実現に邁進いたします。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループはSUBARUを自動車と航空宇宙事業における魅力あるグローバルブランドとして持続的に成長させ、中長期的な企業価値の向上を図っております。また、中期経営ビジョン「STEP」において「安心と愉しさ」の提供を通じて、お客様から共感され信頼していただける存在となることを目指し、ありたい姿である「モノをつくる会社から笑顔をつくる会社へ」の実現に向け、最重要テーマとして「組織風土改革」「品質改革」「SUBARUづくりの刷新」を推進しております。

当社グループでは事業活動を取り巻くリスク全般について、以下の体制によりリスクの特性に応じた未然防止策や低減策を講じたリスクマネジメントを行っております。

 

当社グループのリスクマネジメント体制

2019年4月よりグループ全体の内部統制とリスクマネジメントの実効性をより高めていくことを目的として、CEO(最高経営責任者)を補佐し当社グループのリスクマネジメント及びコンプライアンス活動を統括するCRMO(最高リスク管理責任者)を設置しました。CRMO管轄下にあるリスクマネジメント・コンプライアンス室が共通部門をはじめとした各部門・カンパニーと密接に連携することでグループ全体を取り巻くリスク顕在化の把握と拡大防止を図っております。

また、取締役会では、リスクマネジメントに関する体制整備や内部監査部門(監査部)の独立性の確保、また子会社に対する内部統制に係る基本的な考え方の明確化等の議論の機会を充実させることにより、リスク把握・管理体制の強化及び定着化を図っております。さらに、平時のリスクマネジメントの取り組みの総括の場として、従前のコンプライアンス委員会を2020年度より「リスクマネジメント・コンプライアンス委員会」に発展させ、リスクマネジメント及びコンプライアンスに関する事項の審議・報告等を行っております。

 

中期経営ビジョン「STEP」や事業活動を推進する上で、当社グループの経営成績及び財務状況、キャッシュ・フロー等に数百億円以上の大きな影響を与え、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事業等のリスクならびに新型コロナウイルスの感染拡大の影響と対応策は以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、当社グループに関するすべてのリスクを列挙したものではありません。

 

主要な事業等のリスク

経済・金融環境の変動に関連するリスク

 

(1) 主要市場の経済動向

当社グループの主要な市場である国及び地域の経済情勢は当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。国内はもとより当社グループの売上収益の約7割を占める北米における景気後退及び需要減少、価格競争の激化等が進むことにより、当社グループの提供する商品・サービスの売上収益や収益性において悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替の変動

当社グループにおいて北米売上収益は約7割を占め、売上収益、営業利益、資産等の中には、米ドルを中心とした現地通貨建ての項目が含まれており、連結財務諸表作成時に円換算しております。通期の業績見通しにおいて想定した為替レートに対し、実際の決算換算時の為替レートに乖離が生じた場合、主に円高局面では当社グループの売上収益と財務状況はマイナスに作用し、円安局面ではプラスに作用する可能性があります。当社では為替リスクを最小限にすべく、状況に応じ為替予約等によるヘッジを実施しておりますが、期末日に極端な為替変動が生じた場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 金融市場の変動

 当社は事業活動の資金を内部資金及び金融機関からの借入や社債の発行によって確保しております。また、十分な手元流動性を確保するために一定額の現金及び現金同等物残高の確保を行っております。しかしながら、経済・金融危機等の発生により金融市場から適切な条件で資金調達が出来なくなった場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは市場性のある証券や債券等の金融資産を保有しており、金融市場の影響により公正価値や金利等が著しく変動した場合、金融資産の減損及び年金資産の減少による従業員給付債務の増加により、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 原材料価格の変動

当社グループは原材料を多数のお取引先様から適時適切な量で調達しておりますが、特定の原材料及びお取引先様に依存している場合があり、需給状況の逼迫等により安定したコストで調達できない場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

業界及び事業活動に関連するリスク

 

(5) 特定の事業および市場への集中

当社グループは主に自動車と航空宇宙の2つの事業で構成され、お客様第一を基軸に「存在感と魅力ある企業」を目指し、選択と集中を進め、限られた経営資源を最大限活用することで高収益なビジネスモデルを展開しております。自動車事業の売上収益が9割以上を占め、販売市場は主に北米を中心とした先進国となります。主要拠点である国内の群馬製作所及び米国のスバル オブ インディアナ オートモーティブ インク(SIA)においてはSUV(多目的スポーツ車)を中心とした生産をしております。このため、自動車事業に関わる需要や市況、同業他社との価格競争等が予測し得る水準を超えた場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 市場における需要・競争環境の変化

当社グループの主力事業である自動車業界は大きな環境変化を迎えております。このような状況の中、当社グループは中期経営ビジョン「STEP」を推進し、安心・安全への取り組みやアライアンスの強化、強固なブランドの構築を推進することで新たなモビリティ領域への対応、商品の環境性能向上を強化しております。常に市場の需要動向、お客様ニーズに基づく商品企画を行い、適切なタイミングと価格で新商品を開発・製造し、市場に投入することに努めております。また、デジタルイノベーションの強化に向け最新のデジタル技術やデータの戦略的活用によるビジネスプロセスの改革、新たなビジネスイノベーションの機会創出と推進を行っております。しかしながら、モビリティサービスの普及に伴う異業種からの参入や環境対応に伴うガソリン車以外の自動車へのシフト、シェアリングや自動運転普及に伴う移動手段の多様化によって、お客様の価値観や嗜好ニーズはさらに多様化していくことが予想されます。今後、当社グループの新型車や新商品が販売計画に満たない場合、デジタルイノベーションに遅れが生じた場合、現行の商品の陳腐化等が想定以上に進んだ場合には、販売台数の減少等により当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 商品ならびに販売・サービスに関する責任

当社グループは中期経営ビジョン「STEP」において、「品質改革」を最重要テーマの一つとして、品質マネジメントの強化を図っております。2019年4月には品質方針を「私たちは何より品質を大切にしてお客様の信頼に応えます」に改定しました。商品の企画から生産・販売・サービスに至るまであらゆるプロセスにおいて質の向上を図り「お客様が安心して長く使い続けることが出来る品質」№1を目指して品質改革を進めております。「生まれの品質」の向上を図るべく、これまで以上に開発の上流の段階から品質を向上させる開発プロセスの改革に取り組んでいます。CQO(最高品質責任者)が中心となり、お客様に当社製品を安心して長くお使いいただけるよう「品質を万全に仕上げる」、そして万が一品質問題が生じた際は「早く、正確に改善する」との方針のもと、抜本策に取り組んでおります。また、品質最優先の徹底に向けて従業員一人ひとりの品質意識をさらに高めるための取り組みを進めております。具体的には、全従業員へ品質意識醸成講座等を通じた啓蒙活動や、全従業員に加えお取引先様も対象とした「品質キャラバン」を開催し、SUBARUの品質の現状やお客様の声を直接伝える取り組みを行っております。さらに、2020年4月よりCQO直属の組織として当社グループ全体の品質保証を統括する品質保証統括室を設置し、グローバルレベルでの品質改革を加速しております。このような品質改革への取り組みの一方で、大規模なリコール等が起こった場合、多額のコストとして品質関連費用等が発生することに加え、ブランドイメージの毀損等により、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) サプライチェーンの分断

 当社グループは自動車や航空機等の製造にあたり、多数のお取引先様から部品や材料を調達しております。定期的にお取引先様の品質保証力や供給能力のチェックを行うとともに、必要に応じお取引先様の経営状況のチェックも行い、安定調達に努めております。また、有事が発生した際は、平時より整備をしております一次・二次お取引先様の部品ごとの「サプライチェーン情報データベース」に基づき、影響を受ける可能性のあるお取引先様や部品を早期に特定することにより、生産継続に必要な在庫数の確認や代替品の生産検討、さらには生産設備の復旧支援を行う等、サプライチェーン分断の影響を最小限に留める対応を取っております。しかしながら、大規模な地震や台風等の自然災害、新型コロナウイルス等の感染症の発生やその他の要因により、サプライチェーンの分断や需給の逼迫が発生した場合、安定したコスト・納期・品質で調達が維持出来ず、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

 (9) 知的財産の侵害

当社グループは「安心と愉しさ」等のSUBARUらしさを際立たせるため、他社製品と差別化できる技術を知的財産として保護するとともに、コーポレートブランド管理規程を定め、SUBARUのブランド価値を維持・向上させることに努めております。しかしながら、第三者が当社グループの知的財産を不当に使用した類似製品を製造した場合、知的財産に係わる紛争が生じて当社に不利な判断がなされる場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

 (10) 情報ネットワークセキュリティ

当社グループは製品の開発・生産・販売など、事業活動において情報技術やネットワーク、システムを利用しております。これらの資産を守るためにサイバーセキュリティ基本方針を定め、従業員のセキュリティ意識向上に向け、セキュリティ教育を定期的に実施するとともに、IT戦略部門が中心となり、サイバー攻撃検知の迅速化を図るための監視とセキュリティインシデント発生時のSIRT(Security Incident Response Team)体制を整備しております。データのバックアップ体制につきましては、当社データセンター内の自社運用ならびにクラウド環境において、複数個所に分散しバックアップが取れる体制を整えており、局所的な災害等においても、事業継続や復旧の早期化に向けた対策を講じております。当社グループの情報技術やネットワーク、システムは、安全対策が施されているものの、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウィルスによる攻撃や大規模な停電、火災等が発生した場合、重要な業務やサービスの中断、データの破損・喪失、機密情報の漏洩等が発生し、ブランドイメージの毀損や当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

 (11) コンプライアンス

当社グループは中期経営ビジョン「STEP」において、「組織風土改革」を最重要テーマの一つとして掲げ、「正しい会社をつくる」活動を加速してまいりました。特に、コンプライアンスの徹底を経営の最重要課題の一つと位置付け、企業活動上求められるあらゆる法令・社内諸規程等の遵守はもとより、社会規範に則した公明かつ公正な企業活動を遂行することを従業員一人ひとりに浸透させ、行動の実践につなげるべく、コンプライアンス体制・組織の構築および運営、ならびに各種研修等の活動を行うことにより、コンプライアンスリスクの回避または最小化に努めております。それにも関わらず、当社グループ及び委託先等において重大な法令違反等が発生した場合、お客様の信用・信頼を失うことや社会的評価・評判の低下等によるブランドイメージの毀損等が事業基盤に重大な影響を与え、経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 人材の確保と育成

当社グループは持続的な成長に向けて中期ビジョン「STEP」で掲げたありたい姿「モノをつくる会社から笑顔をつくる会社へ」を実現するために、人材育成を極めて重要なテーマと位置付けております。従業員自らが高い意欲を持って成長していくことを支援するため、職能資格制度、人事考課制度、目標管理制度、人事ローテーション、教育体系で構成される「人事制度」を整備しております。また、業界を取り巻く激しい環境変化に迅速に対応できる多様な価値観や専門性を持った人材の確保を行っております。しかしながら、労働市場の逼迫により人材確保が出来ない場合、専門性の高い人材の流出が続いた場合等、長期的に当社グループの事業活動や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

その他事業活動に影響を与える各国規制やイベント性のリスク

 

(13) 事業活動に影響を与える各国の政治・規制・法的手続き

当社グループは米国を中心に世界各国において事業を展開しております。海外市場での事業活動には、以下のようなリスクが内在しており、当該リスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

・不利な政治、経済的要因

・法律または規制の変更による障害
・課税、関税、その他の税制変更

 また、環境等に関して当社グループが受ける主な法的規制は、国内外ともに自動車の燃費、排出ガス、省エネルギーの推進、騒音、リサイクル、製造工場からの汚染物質排出レベル及び自動車等の安全性に関するものであります。今後、法的規制が強化されることによるコスト等の増加が、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

 (14) 気候変動

当社グループは気候変動を最も重要な課題の一つと認識し、21世紀後半の早い段階で脱炭素社会を目指す「パリ協定」の趣旨を支持し、SCOPE1・2及びSCOPE3(商品)に関する中長期目標を掲げ、取り組んでいます。SCOPE1・2に関しては、2050年度にカーボン・ニュートラルを目指し、そのマイルストーンとして2030年度までに2016年度比で30%(総量ベース)のCO2削減に取り組みます。SCOPE3(商品)に関しては、2050年にWell to Wheelで新車平均(走行時)のCO2排出量を2010年比で90%以上削減を目指し、2030年までに全世界販売台数の40%以上を電気自動車(EV)+ハイブリッド車とし、2030年代前半には生産・販売するすべてのSUBARU車への電動技術の搭載に取り組みます。しかしながら、これらの取り組みが適切に進まない場合、異常気象による調達・生産・物流活動の停滞等が生じた場合、現時点での将来予測が極めて困難な移行リスク・物理的リスクの影響及び発現度によっては、研究開発費用等の増加、顧客満足やブランドイメージの低下等による販売機会の逸失、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 災害・戦争・テロ・感染症等の影響

当社グループは特に経営に重要な影響を及ぼしかつ通常の意思決定ルートでは対処困難な緊急性が求められるクライシスリスクについては、自然災害、事故、内部人的要因、外部人的要因、社会的要因(国内・海外)、コンプライアンスリスクに分類し、有事の際に最適な対応ができる体制を整備しております。しかしながら、事業継続に影響を及ぼす災害・戦争・テロ・感染症等の発生により、当社グループの事業活動が妨げられ、原材料・部品の購入、生産、製品の販売及び物流、サービスの提供等に遅延や停止が生ずる可能性があります。このような遅延や停止が長期化する場合、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響と対応策

当社グループは新型コロナウイルスの感染拡大の初期段階からお客様、お取引先様、従業員の健康と安全を最優先に、以下の取り組みを進め感染拡大の防止や地域医療現場への支援に努めた事業活動を行っております。引き続き中期経営ビジョン「STEP」の推進を加速させるために、固定費構造の改革や投資の選択と集中等に取り組むとともに、在宅勤務の拡大等に合わせた働き方改革や間接業務の生産性向上、経費の全面見直しによる経営の筋肉質化等によって強靭な収益構造と事業基盤を作るべく、あらゆる改革にグループ一丸となって取り組んでおります。しかしながら、同感染症の世界的な再流行等により、新たな外出規制やサプライチェーンへの影響が発生し、想定を上回る経済活動の停滞が続いた場合、当社グループの生産・販売活動が経営成績や財政状態に大きく影響を及ぼす可能性がありますが、有価証券報告書提出日現在において影響額を合理的に見積ることは困難であります。

 

① 新型肺炎対策本部の設置

2020年2月上旬にCEO(最高経営責任者)をトップとした「新型肺炎対策本部」を立ち上げ、実務面ではCRMO(最高リスク管理責任者)による全体統括のもと国内外グループ各社等から情報収集を行い、状況の変化に応じて、お客様やお取引先様、従業員の健康と安全を最優先に感染拡大の防止と事業活動の継続を図るべく施策を講じております。

 

② 従業員への対応

本感染症発生の初期段階より従業員とその家族の安全確保を最優先としつつ、事業活動を継続させるために柔軟な対応を進めております。具体的には、2020年1月下旬から2月上旬にかけて段階的に中国全域やその他海外各国、国内への出張を中止いたしました。2月中旬からは社内外イベントの開催や参加の自粛、フレックスタイムを活用した時差出勤の推奨、オフィスにおける昼食の時差対応等を実施し、IT対応の強化を段階的に図りながら4月以降には東京地区を中心に本格的な在宅勤務体制を取りました。6月以降も東京地区では引き続き出勤率を最大5割とした体制で在宅勤務や時差出勤等の柔軟な働き方を推進し、感染リスクを軽減させる取り組みを続けております。

 

③ 生産・販売活動への影響

生産については、米国の生産拠点であるスバル オブ インディアナ オートモーティブ インク(SIA)は2020年3月23日より、国内の群馬製作所は4月9日より生産活動を一時停止し、いずれも5月11日に再開いたしましたが、サプライチェーン及び販売活動への影響が続いたことから、国内については6月19日まで生産量を調整いたしました。米国についても正常な操業に向けた体制が整い始めております。販売については、米国を中心に多くの販売店において様々な制約を受ける事態が続いておりましたが、徐々に回復の兆しが見え始めております。

 

④ 手元流動性の確保

本感染症の影響による資金需要に備え、一定額の現金及び現金同等物の確保に加え、2020年4月から5月にかけて運転資金として金融機関からコミットメントライン契約1,515億円及び証書貸付契約により600億円の資金調達を行いました。また、同感染症の影響が長期化した場合に備え、コミットメントライン約2,000億円(既借入分を含む)に加え、社債発行枠の設定800億円、コマーシャル・ペーパー発行枠の設定1,000億円等、合計約3,800億円の資金調達枠を確保し、資金需要に機動的に対応できる体制を整えております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

※当社グループは当連結会計年度(2019年4月1日から2020年3月31日まで)より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しております。

 

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度の世界経済は通商問題の長期化等により減速いたしましたが、当社グループの重点市場である米国においては良好な雇用・所得環境を背景に個人消費は堅調に推移いたしました。国内においては輸出の減少や自然災害の発生等で設備投資や国内需要が減少し、個人消費は力強さを欠く状況が続きました。2020年1月以降には、新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な経済活動の停滞により景気の先行きが不透明な状況となりました。

このような環境の中、当社グループは「安心と愉しさ」の提供を通じてお客様から共感され信頼していただける存在となることを目指し、中期経営ビジョン「STEP」を推進しております。2年目となる当連結会計年度においては、風通しの良い会社づくりのための「組織風土改革」とブランドの根幹である信頼をより強固にするための「品質改革」及び「SUBARUづくりの刷新」を最重要テーマとして掲げ、これらの改革を当社グループ一丸となって推進いたしました。

さらに、自動車業界が大きな変革期を迎えている中で、強固なブランドを構築し持続的に成長していくための基盤強化に取り組んでおります。2019年9月にアライアンスの強化としてトヨタ自動車株式会社との長期的連携関係のさらなる発展を目指し、新たな業務資本提携に合意いたしました。また、2020年1月には気候変動に関する中長期目標(ロードマップ)を公表いたしました。これらの取り組みにより、個性と技術革新で脱炭素社会の実現に貢献する活動を着実に進めてまいります。

 

当連結会計年度の主な内容と前連結会計年度との増減要因は次のとおりです。

(売上収益)

3兆3,441億円と前連結会計年度に比べ1,880億円6.0%)の増収となりました。主な要因は、海外の自動車売上台数の増加による売上構成差等の改善2,446億円、為替変動による594億円の減収等によるものです。

(営業利益)

2,103億円と前連結会計年度に比べ286億円15.7%)の増益となりました。主な増益要因は、海外の自動車売上台数の増加及び販売奨励金の抑制等による売上構成差等の改善が392億円、研究開発費のうち、資産化される部分が増加したことにより研究開発費が161億円減少したことによるものです。主な減益要因は、為替レートが2円米ドル対比で円高に推移したことによる為替レート差290億円等によるものです。

(税引前利益)

2,077億円と前連結会計年度に比べ216億円(11.6%)の増益となりました。

(親会社の所有者に帰属する当期利益)

1,526億円と前連結会計年度に比べ112億円7.9%)の増益となりました。

なお、新型コロナウイルスの感染拡大による当連結会計年度への影響は軽微であります。

 

(単位 金額:百万円、比率:%)

 

売上収益

 

 

親会社の所有者

為替レート

営業利益

税引前利益

に帰属する

(利益率)

(利益率)

当期利益

 

 

 

 

(利益率)

 

2020年3月

3,344,109

210,319

207,656

152,587

  109円/米ドル

 

6.3

(6.2)

(4.6)

  121円/ユーロ

2019年3月

3,156,150

181,724

186,026

141,418

 111円/米ドル

 

5.8

(5.9)

(4.5)

 129円/ユーロ

増減

187,959

28,595

21,630

11,169

 

増減率

6.0

15.7

11.6

7.9

 

 

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

(単位 金額:百万円、比率:%)

 

売上収益

セグメント利益

2019年3月

2020年3月

増減

増減率

2019年3月

2020年3月

増減

増減率

自動車

3,007,637

3,193,949

186,312

6.2

172,083

200,263

28,180

16.4

航空宇宙

134,144

142,141

7,997

6.0

6,025

5,065

△960

△15.9

その他

14,369

8,019

△6,350

△44.2

3,287

3,577

290

8.8

調整額

329

1,414

1,085

329.8

合計

3,156,150

3,344,109

187,959

6.0

181,724

210,319

28,595

15.7

(注)1.売上収益は、外部顧客への売上収益であります。

   2.セグメント利益の調整額は、セグメント間取引消去であります。

 

 
(自動車事業)

当社の重点市場である米国の自動車全体需要はSUV(多目的スポーツ車)を含むライトトラック系が前期を上回ったものの、乗用車系は前期を下回り1,654.9万台(前期比3.6%の減少)となりました。また、国内の自動車全体需要は登録車、軽自動車とも前期を下回り503.9万台(前期比4.2%の減少)となりました。

このような自動車全体需要において、海外は米国で「フォレスター」及び「アセント」が好調に推移したこと等により売上台数は90.8万台と前期比4.3万台5.0%)の増加となりました。また、国内は「インプレッサ」の販売が減少したこと等により売上台数は12.6万台と前期比1.0万台7.7%)の減少となりました。

以上の結果、海外と国内の売上台数の合計は103.4万台と前期比3.3万台3.3%)の増加となり、売上収益は3兆1,939億円と前連結会計年度に比べ1,863億円6.2%)の増収となりました。また、セグメント利益も2,003億円と前連結会計年度に比べ282億円16.4%)の増益となりました。

 

なお、当連結会計年度の連結売上台数は以下のとおりです。

 

(単位 台数:万台、比率:%)

 

2019年3月

2020年3月

増減

増減率

国内合計

13.6

12.6

△1.0

△7.7

 

登録車

11.0

10.2

△0.8

△7.5

 

軽自動車

2.6

2.4

△0.2

△8.3

海外合計

86.5

90.8

4.3

5.0

 

北米

71.7

76.2

4.5

6.3

 

欧州・ロシア

4.0

4.6

0.5

13.4

 

豪州

4.2

4.3

0.1

3.3

 

中国

2.3

2.1

△0.2

△9.4

 

その他地域

4.3

3.7

△0.7

△15.3

総合計

100.1

103.4

3.3

3.3

 

 

(航空宇宙事業)

「ボーイング787」及び「ボーイング777X」の生産が増加したこと等により、売上収益1,421億円と前連結会計年度に比べ80億円6.0%)の増収となりました。一方、セグメント利益は51億円と前連結会計年度に比べ10億円15.9%)の減益となりました。

 

(その他事業)

売上収益は80億円と前連結会計年度に比べ64億円44.2%)の減収となりました。一方、セグメント利益は36億円と前連結会計年度に比べ3億円8.8%)の増益となりました。

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 ① 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、自動車の生産台数 

 は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて2020年3月に米国のスバル オブ インディアナ オートモーティブ    

 インク(SIA)の操業を一時停止したものの、国内生産において「フォレスター」が増加したこと等により、前期

 を上回りました。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

  至 2020年3月31日

前年同期比(%)

自動車

 

 

 

小型・普通自動車

(万台)

103.1

+4.2

航空宇宙

(百万円)

129,588

△16.9

 

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 ② 受注状況

 当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 なお、自動車事業については見込生産を行っております。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

航空宇宙

103,603

△30.0

264,444

△12.1

 

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

  至 2020年3月31日

前年同期比(%)

自動車

(百万円)

3,193,949

+6.2

航空宇宙

(百万円)

142,141

+6.0

その他

(百万円)

8,019

△44.2

合計

(百万円)

3,344,109

+6.0

 

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

  

(2) 財政状態

当連結会計年度末の資産は、3兆2,939億円と前連結会計年度末に比べ1,133億円の増加となりました。主な要因は、現金及び現金同等物の増加1,566億円、棚卸資産の増加565億円、無形資産及びのれんの増加543億円、流動資産のその他の金融資産の減少1,900億円等であります。

負債は、1兆5,738億円と前連結会計年度末に比べ831億円の増加となりました。主な要因は、流動負債及び非流動負債の資金調達に係る債務の増加1,355億円、その他の流動負債及びその他の非流動負債の増加478億円、営業債務及びその他の債務の減少682億円、流動負債及び非流動負債の引当金の減少279億円等であります。

資本は、1兆7,201億円と前連結会計年度末に比べ302億円の増加となりました。主な要因は、利益剰余金の増加466億円、その他の資本の構成要素の減少161億円等であります。

 

 

 

                                          (単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

  至 2019年3月31日

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

  至 2020年3月31日

増減

資産合計

3,180,597

3,293,908

113,311

負債合計

1,490,698

1,573,785

83,087

資本合計

1,689,899

1,720,123

30,224

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、8,590億円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は2,101億円(前連結会計年度は2,507億円の増加)となりました。主な要因は、税引前利益2,077億円、減価償却費及び償却費1,927億円、棚卸資産の増加702億円、営業債務及びその他の債務の減少679億円等であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は258億円(前連結会計年度は1,901億円の減少)となりました。主な要因は、その他の金融資産の売却または回収による収入3,197億円、その他の金融資産の取得による支出2,600億円等であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は158億円(前連結会計年度は1,416億円の減少)となりました。主な要因は、親会社の所有者への配当金の支払1,104億円、長期借入れによる収入(返済による支出との純額)984億円等であります。

 

                                          (単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

  至 2019年3月31日

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

   至 2020年3月31日

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

250,732

210,134

△40,598

投資活動によるキャッシュ・フロー

△190,119

△25,844

164,275

財務活動によるキャッシュ・フロー

△141,551

△15,818

125,733

現金及び現金同等物の期末残高

702,328

858,966

156,638

 

 

(4)資本政策の方針

① 財務戦略の基本的な考え方

当社グループはお客様第一を基軸に選択と集中を進め、経営資源を最大限活用することで高収益なビジネスモデル

を展開し、強固な財務体質と高い資本効率を維持し中長期的な企業価値の向上を図っております。中期経営ビジョ

ン「STEP」において、「資本収益性」「財務健全性」「株主還元」の3つの要素を資本政策の重要な指標とし、中

長期的に自己資本利益率(ROE)と自己資本比率のバランスを高次元で保ちつつ、適切な株主還元を行うことを基本

方針としております。具体的には、自己資本比率50%を下限とし、ネットキャッシュについては売上収益2月商分

の確保を行い、ROE10%を岩盤として15%以上を目指すことを目標としております。

 

② 経営資源の配分に関する考え方と資金調達及び資金の流動性に係る分析

 当社グループは経営環境を考慮しつつ、適切な手元資金水準を維持しながら、資金調達計画を経営会議において審

議し、戦略的投資と研究開発費等の成長に向けた経営資源の適切な配分を安定的に行っております。当社グループ

の資金調達及び資金の流動性については、現金及び現金同等物に加え、主要銀行からの借入とコミットメントライ

ン契約の締結、ならびに社債の発行を行っており、現在必要とされる流動性の水準を満たしていると考えておりま

す。当連結会計年度末における有利子負債の残高(リース債務を含まず)は2,392億円と、前連結会計年度に比べて

1,355億円の増加となりました。デット・エクイティ・レシオは0.14になり、安全性を維持しています。今後の設備

投資や研究開発の投資計画によっては資金の追加調達、現預金残高の取り崩しをする可能性があります。

 なお、当社は新型コロナウイルスの感染拡大の影響に伴う資金需要に備え、2020年4月から5月にかけて運転資

金として金融機関から資金調達を行いました。また同感染症の影響が長期化した場合に備え、コミットメントライ

ン約2,000億円(既借入分を含む)に加え、社債ならびにコマーシャル・ペーパー発行枠を設定する等、合計約

3,800億円の資金調達枠を確保し、資金需要に機動的に対応できる体制を整えております。

 

 (5) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、様々な見積りによる判断が行なわれておりますが、見積りに内在する不確実性により、実際の結果は異なることがあります。

連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針、4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しており、特に重要な見積りを伴う会計方針は以下のとおりであります。

なお、新型コロナウイルスの感染拡大による影響等については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」をご参照ください。

 

① 損失評価引当金

当社グループは、各報告日において、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価 しており、当該信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る損失評価引当金を12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。また、当該金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。ただし、営業債権、リース債権及び契約資産については、常に損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。

将来、取引先等の財務状況が悪化するなどにより支払能力が低下した場合、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があるため、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があると考えております。

 製品保証引当金

当社グループは、製品販売時に付与した保証約款に基づく製品保証とともに、必要に応じて主務官庁への届出等に基づいて個別に無償の補修を行っております。

保証約款に基づく製品保証の対象は、各国における保証約款に基づき、期間および走行距離や不具合の原因等により決定しております。

保証約款に基づく製品保証の保証修理費用は、製品を販売した時点で引当金を認識しており、保証期間内に不具合が発生して部品を修理または交換する際に発生する費用の総額について、過去の補修実績、過去の売上台数を基礎として将来の発生見込みに基づく最善の見積りにより引当計上しております。

主務官庁への届出等に基づく個別の保証修理費用は、経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、その債務の金額について信頼性をもって見積ることができる場合に引当金を認識しており、製品の不具合に関する過去の経験を基礎として算定した台当たり補修費用等及び対象台数に基づく最善の見積もりにより引当計上しております。

当社グループは、発生が見込まれる保証修理費用について、現在入手可能な情報に基づき必要十分な金額を引当計上していると考えていますが、製品保証引当金の計算には将来複数年にわたる見積りが必要となるため、実際の保証修理費用が見積りと乖離することにより、製品保証引当金を追加計上する必要が生じる可能性があることから、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があると考えております。

③ 退職給付

当社グループは、将来の退職給付の支払いに備えるため、当連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき、退職給付を計上しておりますが、この計算は主として数理計算上で算定される前提条件に基づいて行われております。この前提条件には、割引率、将来の給与水準、退職率、死亡率などが含まれており、それぞれの条件は現時点で十分に合理的と考えられる方法で計算されております。当社は、実際の結果が前提条件とことなる場合、又は前提条件が変更された場合には、将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性があるため、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があると考えております。

④ 金融資産

当社グループは、価格変動性の高い公開会社の株式、株価の決定が困難である非公開会社の株式、国債、社債及び、投資信託等を保有しております。

純損益を通じて公正価値で測定する金融資産については、投資価値の変動により損失が発生することがあるため、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があると考えております。

⑤繰延税金資産

当社グループは、現時点における将来の課税所得を合理的に見積ったうえで繰延税金資産の回収可能性について判断しておりますが、将来、繰延税金資産の全部又は一部が回収できないと判断した場合、繰延税金資産の減額を行い、税金費用が発生する可能性があるため、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があると考えております。

 

 (6) 並行開示情報

連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更は、次のとおりであります。

なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。

また、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、百万円未満を四捨五入して表示しております。

 

① 要約連結貸借対照表

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2019年3月31日)

当連結会計年度

(2020年3月31日)

資産の部

 

 

 流動資産

1,826,219

1,865,357

 固定資産

 

 

  有形固定資産

717,394

765,034

  無形固定資産

33,754

63,741

  投資その他の資産

405,358

402,737

  固定資産合計

1,156,506

1,231,512

 資産合計

2,982,725

3,096,869

負債の部

 

 

 流動負債

1,012,171

934,247

 固定負債

357,729

541,028

 負債合計

1,369,900

1,475,275

純資産の部

 

 

 株主資本

1,627,254

1,654,375

 その他の包括利益累計額

△21,963

△39,684

 非支配株主持分

7,534

6,903

 純資産合計

1,612,825

1,621,594

負債純資産合計

2,982,725

3,096,869

 

 

② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書
要約連結損益計算書

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

売上高

3,160,514

3,340,811

売上原価

2,561,753

2,725,225

売上総利益

598,761

615,586

販売費及び一般管理費

403,232

427,053

営業利益

195,529

188,533

営業外収益

17,580

18,264

営業外費用

16,870

21,618

経常利益

196,239

185,179

特別利益

6,953

6,441

特別損失

7,354

10,722

税金等調整前当期純利益

195,838

180,898

法人税等

48,499

44,854

当期純利益

147,339

136,044

非支配株主に帰属する当期純損失(△)

△473

△218

親会社株主に帰属する当期純利益

147,812

136,262

 

 

要約連結包括利益計算書

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当期純利益

147,339

136,044

 その他の包括利益合計

15,498

△18,134

包括利益

162,837

117,910

(内訳)

 

 

 親会社株主に係る包括利益

163,482

118,429

 非支配株主に係る包括利益

△645

△519

 

 

 

③ 要約連結株主資本等変動計算書

前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)

 

(単位:百万円)

 

株主資本

その他の
包括利益累計額

非支配株主持分

純資産合計

当期首残高

1,590,477

△37,633

8,179

1,561,023

当期変動額

36,777

15,670

△645

51,802

当期末残高

1,627,254

△21,963

7,534

1,612,825

 

 

当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)

 

(単位:百万円)

 

株主資本

その他の
包括利益累計額

非支配株主持分

純資産合計

当期首残高

1,627,254

△21,963

7,534

1,612,825

当期変動額

27,121

△17,721

△631

8,769

当期末残高

1,654,375

△39,684

6,903

1,621,594

 

 

④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

174,006

97,999

投資活動によるキャッシュ・フロー

△158,327

48,454

財務活動によるキャッシュ・フロー

△96,617

22,019

現金及び現金同等物に係る換算差額

17,675

△11,834

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

△63,263

156,638

現金及び現金同等物の期首残高

765,591

702,328

現金及び現金同等物の期末残高

702,328

858,966

 

 

 

⑤ 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更

前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)

(連結の範囲の変更)

スバルコネクテッドサービス インクを設立したこと等に伴い、3社を当連結会計年度より連結範囲に含めております。

 

(持分法適用の範囲の変更)

SUBARU-SBI Innovation Fundを新たに設立したこと等に伴い、2社を当連結会計年度より持分法の適用範囲に含めております。

 

(会計方針の変更)

(売上高の計上方法の変更)

当社グループは、従来、販売奨励金を販売費及び一般管理費に計上しておりましたが、当連結会計年度より売上高から控除する方法に変更しております。

この会計方針の変更は、当社グループを取り巻く経営環境において、販売奨励金が増加傾向にあることから、取引実態を改めて精査したところ、取引条件の決定時に販売奨励金が考慮され、実質的に販売価格を構成する一部として捉えられること、及び業務プロセスやシステム構築など経営管理体制が整ったことに伴い、売上高から控除して計上する方法が当該状況をより適切に反映できると判断したことによるものであります。

 

(会計上の見積りの変更と区別することが困難な会計方針の変更)

(有形固定資産の減価償却方法の変更)

当社及び主要な国内連結子会社は、従来、有形固定資産の減価償却方法について、主として定率法によっておりましたが、当連結会計年度から、一部の有形固定資産について定額法に変更しております。

この会計方針の変更は、近年、車種のラインナップ強化とフルモデルチェンジ・新商品の間断ない投入により、発売時以降も販売台数が安定化する傾向にあり、また、生産設備の複数車種への汎用化を進めていることから、今後は耐用年数にわたり長期安定的に稼動する傾向になると見込まれるため、当該設備の償却費を耐用年数にわたって均等償却により費用配分を行うことが有形固定資産の使用実態をより適切に反映できると判断したことによるものであります。

これにより、従来の方法と比べて、当連結会計年度の営業利益が12,898百万円増加しており、経常利益及び税金等調整前当期純利益がそれぞれ13,049百万円増加しております。

 

当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)

(連結の範囲の変更)

産業機器事業に係る子会社の清算、及び、富士重工ハウス株式会社を譲渡したこと等により、5社を連結の
範囲から除外しております。

 

経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報

前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)

「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「39.初度適用」をご参照ください。

 

当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)

(収益の認識)

新車販売については、新車の引渡時点において顧客が当該車両に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しており、当該車両の引渡時点で収益を計上しております。また、自動車の販売価格に含まれるサービス要素については、別個の履行義務として、サービス期間にわたり収益認識しておりますが、連結財務諸表に与える影響は軽微であります。

(研究開発費)

開発活動による支出については、信頼性をもって測定可能であり、技術的かつ商業的に実現可能であり、将来的に経済的便益を得られる可能性が高く、当社グループが開発を完成させ、当該資産を使用または販売する意図及びそのための十分な資質を有している場合にのみ、無形資産として資産認識し、定額法で償却しております。この処理により従来の方法によった場合に比べて、営業利益は268億円増加しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

2006年3月 トヨタ自動車株式会社と業務提携

2008年4月 トヨタ自動車株式会社、ダイハツ工業株式会社と開発・生産における新たな協力関係に合意

2019年9月 トヨタ自動車株式会社と長期的連携関係のさらなる発展・強化を目指し、新たな業務資本提携に合意

 

5 【研究開発活動】

当社グループは中期経営ビジョン「STEP」において、2025 年ビジョンとして次の3項目を掲げております。

 

1.個性を磨き上げ、お客様にとってDifferentな存在になる

2.お客様一人一人が主役の、心に響く事業活動を展開する

3.多様化する社会ニーズに貢献し、企業としての社会的責任を果たす

 

その実現のため、「会社の質の向上」「強固なブランドの構築」「集中戦略を軸とした持続的成長」の3つの取り組みに集中し、研究開発活動を進めております。当連結会計年度におけるグループ全体での研究開発支出は1,187億円です。セグメントごとの研究開発活動状況及び研究開発支出は次のとおりです。このうち、連結損益計算書の一般管理費に計上されている研究開発費は925億円であります。

 

(1) 自動車事業

自動車の研究開発では、中期経営ビジョン「STEP」で掲げる「安心と愉しさ」の提供を通じて、お客様から共感され、信頼していただける存在となることを目指し商品の開発を推進しております。2020年1月に報道関係者等を対象に「SUBARU技術ミーティング」を開催し、これからも人を中心とした開発を続け、人々が生きる地球の環境を考えたクルマづくり・自らの運転であらゆる場所へ移動できるよろこびを追求し続けることを報告しました。

 ① 「SUBARU技術ミーティング」抜粋 (https://www.subaru.co.jp/press/news/2020_01_20_8233/)

i. SUBARUが生み出してきたこと

「人を中心としたクルマづくり」により、クルマに新しい価値を提供し続けています。スバルグローバルプラットフォームにより「安心」「愉しさ」という価値を拡張し、「安全」という価値を各国から高く評価されています。

昨年のJNCAPでのASV+++獲得に続き、欧州では「フォレスター」が、欧州各国の交通関連当局等で構成された独立機関が実施している安全性能評価プログラム「ユーロNCAP」における2019年安全性能テストで、最高評価である「ファイブスター」を獲得しました。さらに評価を受けた全車のうち、各部門で最高得点を獲得したモデルに与えられる「ベスト・イン・クラス賞」をスモールオフロード/MPV部門において受賞しました。

米国では、2020年モデル「アウトバック」「レガシィ」「フォレスター」「クロストレック ハイブリッド」が、IIHS(道路安全保険協会)によって行われた2020年の安全性評価において、「トップセイフティピックプラス(TSP+)」を獲得しました。また、「アセント」「クロストレック」「インプレッサ(セダン、5ドア)」「WRX」は「トップセイフティピック(TSP)」を獲得しました。(アセント、クロストレック、インプレッサ(セダン、5ドア)はハイビームアシスト機能付きステアリング連動ヘッドライト、WRXはステアリング連動ヘッドライト装着車)

ⅱ.「SUBARUらしさ」を際立たせる技術「安心と愉しさ」

SUBARUは「人の命を守る」ことにこだわり、米国・日本で低い死亡交通事故率を実現しています。さらに、アイサイトの自動化技術進化+つながる安全・衝突安全との連携により、2030年「死亡交通事故ゼロ」を目指し、研究開発を進めております。アイサイトの事故回避機能・運転支援機能の進化、ステレオカメラとAIの融合、アイサイトとドライバーモニタリングシステムの連携、先進事故自動通報によるつながる安全と共に、ADASで防げない激しい衝突やもらい事故に備えた衝突安全の継続的な強化しております。動的質感として「あらゆる環境下で誰もがコントロールしやすく、意のままに操れる」ことを目指しております。自動運転の時代でも、安心で愉しい走りを知能化技術で磨いていきます。AWD技術を進化させ、車両応答の速さ・正確性、外乱に対する直進性の高さ等を実現すると共に、人体構造に着目し動的質感を磨いていきます。

ⅲ.「SUBARUらしさ」を際立たせる技術「環境技術」

ガソリンエンジン車では、走りの愉しさと環境性能を高次元で両立し、お客様の期待に応えるべく独自技術(水平対向エンジン+シンメトリカルAWD)を磨き、SUVカテゴリートップの燃費を実現しています。さらに、豊かなトルクと環境性能を両立する新時代水平対向エンジンの開発に取り組んでいます。

また、環境貢献のため電動化でCO2を削減しながら、環境時代も「SUBARUらしさ」を際立たせます。ハイブリッドシステムは、トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)とのアライアンスを活用し、独自技術にTHS(TOYOTA Hybrid System)を融合し、走りの愉しさと環境性能を高次元で両立します。電動システムを活かし、水平対向エンジンの強みを最大化することでCO2を削減し、独自のAWD技術を活用し安全性能・AWD性能・動的質感を高める取り組みを進めています。

お客様の期待に応えられる「SUBARUらしい」EVを市場に早期に投入すべく、中・大型乗用車向けのEV 専用プラットフォーム、及びCセグメントクラスのSUVモデルのEVをトヨタと共同で開発しています。

 

 ②  新商品開発状況

当連結会計年度において、「安心と愉しさ」でお客様の笑顔に応えるべく、下記商品を展開しました。

i. 2019年7月、当社の米国生産拠点で、新型「レガシィ」「アウトバック」の生産を開始しました。「レガシィ」「アウトバック」は、発売以来、SUBARUの北米での成長を支えてきた主力車種です。車体剛性を最適化するスバルグローバルプラットフォームの採用で、高い動的質感をさらに向上させるとともに、安全運転を支援するドライバーモニタリングシステムの採用で安心感を高める等、北米市場での持続的成長の牽引役となるフラッグシップ車として更なる進化を遂げています。

ⅱ. 2019年11月より「インプレッサ」大幅改良モデルを発売しました。今回の大幅改良では、ドライバーの運転負荷を軽減するアイサイト・ツーリングアシストを全車に標準装備するとともに、「アダプティブドライビングビーム」等の先進安全技術を採用し、総合安全性能をさらに進化させました。また、スバルグローバルプラットフォームの強みを引き出すサスペンションの改良により、乗り心地の良さとハンドリング性能を高い次元で両立。デザインは、フロントフェイスやアルミホイールなどを刷新し、走りの愉しさを予感させる躍動感を表現しました。さらに、「アクセスキー対応運転席シートポジションメモリー機能」をはじめ、日々の使用シーンで役立つ機能を拡充し、利便性を向上させました。

 

当事業に関わる研究開発支出は1,161億円であります。

 

(2) 航空宇宙事業 

 航空宇宙カンパニーは将来にわたる持続的成長に向け、新規事業開拓及び生産性向上を中心とした以下の研究開発を  行っております。回転翼機分野では、新中型ヘリコプターの生産性向上活動とともに、さらなる機能・性能向上に関する研究を継続しております。固定翼機分野では、構造の軽量化及び高機能化に加えて、コスト低減を狙った部品加工・組立プロセスの研究開発を行っております。その他、様々な飛行安全技術、自律化技術等、将来モビリティに向けた研究開発に取り組んでおります。さらに、炭素繊維強化複合材料や先進金属等の高効率加工技術、組立・塗装作業の自動化等、生産技術分野においても積極的に取り組み、コスト競争力を高める研究開発を行っております。

 

  当事業に関わる研究開発支出は26億円であります。

 

(3) その他事業 

 株式会社スバルITクリエーションズにおける情報システム開発に係る研究開発費を中心とした、その他事業全体の研究開発支出は43百万円であります。