① 中期経営計画(T.RAD-12)――目指すべき姿と企業ビジョン
当社は、2023年3月期から2026年3月期までの4か年を計画期間とした新中期経営計画(T.RAD-12)を策定致しました。
② 企業ビジョンに基づく基本戦略
③ 業績目標
第12次中期経営計画(T.RAD-12)の目標項目達成による収益力強化及び積極的な投資政策により、連結自己資本比率を40%以上に維持しながら、連結ROE 10%を目指します。
④ カーボンニュートラルに向けた取り組み
当社は、2050年にカーボンニュートラル、足元ではCO₂の削減目標を3%/年として、2030年には2021年比で27%削減することを目標にしております。
活動としましては、当社が直接排出するCO₂(Scope1)や、供給されたエネルギーを使用することで間接的に排出されるCO₂(Scope2)につきましては、エネルギー効率の高い設備、太陽光発電、地下水と熱交換器を利用した空調システムなどを順次導入してまいります。
また、材料・部品製造、物流、廃棄・リサイクルにおいて排出されるCO₂(Scope3)につきましては、熱交換器の主な材料であるアルミニウム材の製造過程でのCO₂排出量を削減すべく、グリーン材料の採用、リサイクル材料の開発、製品の小型化・軽量化を推進してまいります。
以上の施策を実現するために、当社は、新たにカーボンニュートラル推進室を設置いたしました。
⑤ DX推進について
当社は、多様化する顧客ニーズへの迅速な対応とカーボンニュートラル推進のためにDX推進が、重要な施策と位置付けております。
具体的には、
・設計・生産性及び業務効率の向上
・投資や経営改善意思決定の迅速化
・新機種立ち上げのスピードアップ
・営業戦略立案サポート、技術、ナレッジも伝承等の経営課題解決となります。
当社DXの全体構想として、システム同士を連携させ、あらゆるデータを収集・一元管理することにより、ユーザが当該データの分析により、気付きを得て、様々な経営課題解決のための判断や戦略・施策立案に集中できるサイクル構築を目指してまいります。
また、仕入先ポータルを活用し、取引先への情報共有を図るとともに、これらのシステムをパッケージ提供することにより、DXの輪を拡大し、社会に貢献してまいります。
当社グループの戦略・事業その他を遂行する上でのリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。当社グループは「リスクマネジメント基本規定」を定め、自然災害や火災等のみならず会社の存続に係る重要なリスクを適切に認識し評価した上で、それらリスクを適切に管理するための管理体制を構築しております。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)海外事業展開
自動車業界を中心とする当社グループの取引先は、新しい市場への対応やコスト削減のためグローバル化が進展しており、これに対応するため当社グループは積極的な海外事業展開を進め、米国・欧州・アジア・中国に進出しております。
一方、海外事業には以下のようなリスクが内在しております。
①関税制度をはじめとする法規制の予測不能な変更
②政治的な不安定要因
③人材確保・教育の難しさ
④テロ・戦争・伝染病の流行などによる混乱
⑤為替相場の変動による採算の悪化や、損失の発生
これらのリスクが顕在化することにより、当社グループの経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)経済状況
当社グループの製品の需要は、当社グループが製品を販売している国または地域の経済状況の影響を受ける可能性があるため、日本はもとより主要な市場である米国、欧州、アジア、中国における景気悪化及びそれに伴う需要減少は当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。とくに、建設産業機械用熱交換器につきましては、好不況の影響により、販売数量が大きく増減しますが、当社グループの生産設備・人員等は、販売数量が増加した場合に備えたものとなっており、販売数量が大幅に減少した場合、当社グループの経営成績及び財政状況等に大きな影響を及ぼすこととなります。
(3)OEM(※)製品への依存
当社グループの販売は、OEM製品の依存度が大きく、そのため自動車メーカー及び建設産業機械メーカー等顧客企業の業績不振、価格の値引き及び調達方針の変更等は当社グループの経営成績及び財政状況等に多大な影響を及ぼす可能性があります。また、OEM取引においては、当社グループ独自の観点のみで、事業撤退等の経営戦略を決定することが、困難であり、不採算事業の継続等により、当社グループの経営成績及び財政状況等に多大な影響を及ぼす可能性があります。
(※)Original Equipment Manufacturer「相手先(委託者)ブランド名製造」
(4)災害等の発生
当社グループは、国内外に事業拠点を有しており、地震、台風、洪水等の自然災害や新型ウイルスなどによる疫病流行の発生時の事業継続に備え、BCM(事業継続マネジメント)体制の構築をすすめております。しかし、予想を超える規模の被災により、物的資源・人的資源への重大な影響や、ライフライン・輸送ルート等の寸断などによる生産の中断といった事態が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状況等に多大な影響を及ぼす可能性があります。また、災害の影響が、当社グループに直接大きな影響を与えない場合においても、当社取引先に重大な影響を与えた場合、当社グループにおいても、生産の中断を余儀なくされ、当社グループの経営成績及び財政状況等に多大な影響を及ぼす可能性があります。
(5)原材料価格の上昇
当社グループが購入する主要な原材料はアルミ・銅などの非鉄金属ですが、これらの購入価格は非鉄金属市場の市況の影響や為替相場により、変動するリスクを持っております。購入価格の上昇分を販売価格に転嫁できる取引先もありますが、転嫁できない取引先や、一部の転嫁にとどまる取引先もあります。また、購入価格上昇時と、転嫁時の時期的なずれもあり、原材料価格の上昇リスクが、当社グループの経営成績及び財政状況等に影響を与える可能性があります。
(6)サプライチェーンの分断
当社グループは、原材料、部品を複数の供給元から調達しています。供給元とは、安定的な取引を前提としていますが、供給元の突発的な事故、新型コロナウイルス感染症拡大等による生産停止や納入遅延、及び物流網の問題などにより、原材料、部品の不足が生じ、当社グループの生産に支障が生じる可能性があります。また、当社の供給先である自動車メーカー等において、当社グループ以外の供給元からの半導体等主要部品の供給に支障が生じた場合、自動車メーカー等の減産により、当社グループの生産に影響を与える可能性があります。このような場合、当社グループにおいて、生産の中断、原材料調達コスト上昇、及び物流コスト上昇により、当社グループの経営成績及び財政状況等に多大な影響を及ぼす可能性があります。
(7)品質不具合
当社グループでは、品質保持・向上を最重要課題と考え、グローバルな品質保証体制の構築を目指しております。自工程での品質保証、過去の不具合に学び失敗を繰り返さないなどの活動の浸透を進め、万全の体制をもって製品の生産に努めております。ただし、万が一、主要製品において、予期せぬ品質不具合が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状況等に多大な影響を及ぼす可能性があります。
(8)設備投資
当社グループにおいては、新機種対応等において、新たな設備投資が必要になるため、設備投資額が多額に上っております。設備の汎用化などにより、設備投資額を抑制する活動は実施しておりますが、一定の品質水準の確保などの観点から、ある程度の設備投資が必要となります。このため、多額の設備投資を実施した事業において、販売減少等により、想定した利益確保ができない場合、多額の減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状況等に多大な影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクコントロールのため、当社グループでは、新規投資時において、投資回収分析によるリスク評価を行うとともに、投資回収実績のモニタリングを実施しております。
(9)気候変動によるリスク
当社グループの事業に影響を与える気候変動によるリスクには、脱炭素社会への移行リスクと、物理リスクがあります。主な移行リスクは、燃費・排ガス規制や電動化の拡大に、当社製品が適切に対応できないことで、売上が減少する可能性があります。また、物理リスクとしては、洪水などの異常気象の深刻化と頻度の上昇により、工場操業停止やサプライチェーンの分断により、生産活動に支障を来たす可能性があります。
当社グループは、これらのリスクに対応するため、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」に賛同し、今後、気候変動に関する具体的なシナリオ分析を実施し、当該リスクに対応するとともに、状況を開示してまいります。
(10)情報セキュリテイ
当社グループは、業務効率化のため、様々な情報技術システムを利用しており、外部からのサイバー攻撃(侵入防止・検知)への対策、これらの攻撃に対する社員への啓発・教育などの対策を強化しております。しかし万一、外部からのサイバーテロやコンピューターウィルスの侵入により機密情報の漏洩または喪失があった場合、生産等の業務の継続に支障を来たし、当社グループの経営成績及び財政状況等に多大な影響を及ぼす可能性があります。
(1)業績等の概要
①全般的概況
当連結会計年度の経済環境は、昨年のコロナ禍より持ち直しの動きがみられたものの、半導体不足、原材料の高騰、及びウクライナ情勢の緊迫化等により依然として厳しい状況にあり、不透明感が引き続き継続することが懸念されます。以下の環境下、当社グループは国内外の従業員への感染防止対策に万全を期しながら、顧客の信頼に応えるべく、資材調達に関わる情報の早期収集等により、サプライチェーンの確保に努め、生産体制を維持してまいります。
2022年3月期の業績については、当社グループの売上高(外貨ベース)は、中国、及びその他(含む消去)を除き、前年同期比大幅増加しました。営業利益は、中国を除き、増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、売上高の大幅増加等により、前年同期比増益となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は前年同期比20,534百万円増加し、133,581百万円(18.2%増)、営業利益は3,776百万円増加し、5,041百万円(298.7%増)、経常利益は4,457百万円増加し、5,997百万円(289.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,840百万円増加し、3,600百万円となりました。
②セグメント別概況
セグメント別の状況は、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析(ⅰ)売上高、営業利益増減分析」に記載しております。
③キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況は「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況(ⅰ)キャッシュ・フローの分析」に記載しております。
④生産、受注及び販売の実績
(ⅰ)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(金額単位:百万円)
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 生産高 |
当連結会計年度 生産高 |
増減 |
増減率(%) |
|
日本 |
46,872 |
57,256 |
10,383 |
22.2 |
|
米国 |
23,560 |
29,259 |
5,698 |
24.2 |
|
欧州 |
2,888 |
3,126 |
237 |
8.2 |
|
アジア |
11,722 |
15,383 |
3,660 |
31.2 |
|
中国 |
23,465 |
24,227 |
762 |
3.2 |
|
報告セグメント計 |
108,510 |
129,254 |
20,744 |
19.1 |
|
その他 |
1,043 |
270 |
△773 |
△74.1 |
|
合計 |
109,554 |
129,524 |
19,970 |
18.2 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、運送業などを営む国内子会社の事業活動を含んでおります。
(ⅱ)受注状況
当社グループは、主に、各納入先より生産計画の提示を受け、これに基づき当社グループの生産能力を勘案して、生産計画を立て見込生産を行っております。
(ⅲ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(金額単位:百万円)
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 販売高 |
当連結会計年度 販売高 |
増減 |
増減率(%) |
|
日本 |
50,177 |
60,560 |
10,383 |
20.7 |
|
米国 |
23,567 |
29,104 |
5,537 |
23.5 |
|
欧州 |
2,982 |
4,432 |
1,449 |
48.6 |
|
アジア |
11,774 |
15,325 |
3,550 |
30.1 |
|
中国 |
23,465 |
23,888 |
423 |
1.8 |
|
報告セグメント計 |
111,967 |
133,311 |
21,343 |
19.1 |
|
その他 |
1,078 |
270 |
△808 |
△75.0 |
|
合計 |
113,046 |
133,581 |
20,534 |
18.2 |
(注)1.主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
|
販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
|
トヨタ自動車㈱ |
13,928 |
12.3 |
13,376 |
10.0 |
(注)2.用途別製品販売の概況は次のとおりであります。
|
用途別売上高 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増 減 |
|||
|
(百万円) |
構成比(%) |
(百万円) |
構成比(%) |
(百万円) |
増減率(%) |
|
|
自動車用 |
85,817 |
75.9 |
97,452 |
73.0 |
11,634 |
13.6 |
|
建設産業機械用 |
22,381 |
19.8 |
31,814 |
23.8 |
9,432 |
42.1 |
|
空調機器用 |
1,961 |
1.7 |
2,128 |
1.6 |
166 |
8.5 |
|
その他 |
2,885 |
2.6 |
2,186 |
1.6 |
△698 |
△24.2 |
|
合 計 |
113,046 |
100.0 |
133,581 |
100.0 |
20,534 |
18.2 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年6月28日)現在において当社グループが判断したものであります。
①当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析
(ⅰ)売上高、営業利益増減分析
セグメントごとの、売上高、営業損益の増減要因は、以下の通りです。
|
・日本 自動車用売上高は、主要客先の半導体不足などによる減産等もありましたが、前年同期並みとなりました。建設産業機械用売上高は、受注の増加等により、前年同期比大幅に増加しました。この結果、当該セグメントの売上高は、10,383百万円増加し、60,560百万円となりました。 営業利益は、売上の大幅増加等により、前年同期比1,990百万円増加し、1,484百万円となりました。
|
|
|
|
|
|
|
|
・米国 自動車用売上高は、新規受注機種の量産開始等により、前年同期比大幅に増加しました。建設産業機械用売上高は、旧型品の生産停止により、前年同期比減少しました。この結果、当該セグメントの売上高は、前年同期比5,537百万円増加し、29,104百万円となりました。外貨ベースでは、11.1%の増加となりました。 営業利益は、売上の大幅増加等により、前年同期比563百万円改善し、△1,374百万円となりました。外貨ベースでは、36.2%の増益となりました。 |
|
|
|
・欧州 チェコ及びロシアにおいて自動車用売上高については、受注の増加等により、前年同期比大幅に増加しました。この結果、当該セグメントの売上高は、前年同期比1,449百万円増加し、4,432百万円となりました。外貨ベースでは、36.3%の増加となりました。 営業利益は、売上の大幅増加等により、前年同期比234百万円改善し、△101百万円となりました。外貨ベースでは、72.1%の増益となりました。 |
|
|
|
|
|
|
|
・アジア タイ、インドネシア及びベトナム拠点ともに自動車用売上高は、受注の増加等により、前年同期比大幅に増加しました。この結果、当該セグメントの売上高は、前年同期比3,550百万円増加し、15,325百万円となりました。外貨ベースでは、22.2%の増加となりました。 営業利益は、売上の大幅増加等により、前年同期比1,142百万円増加し、2,308百万円となりました。外貨ベースでは、92.0%の増益となりました。 |
|
|
|
|
|
|
|
・中国 自動車用売上高は、商用車の販売が減少、及び日系客先の受注減少等により、前年同期比減少しました。建設産業機械用売上高は、受注の減少等により、前年同期比減少しました。この結果、当該セグメントの売上高は、外貨ベースで9.3%の減少となりましたが、為替の影響もあり、前年同期比423百万円増加し、23,888百万円となりました。 営業利益は、前年同期比217百万円減少し、2,738百万円となりました。外貨ベースで18.5%の減益となりました。 |
|
|
(ⅱ)親会社株主に帰属する当期純利益の増減分析
以上のセグメント別概況の通り、当連結会計年度の当社グループ営業利益は、5,041百万円(前期比3,776百万円増加)となりました。これに対し、営業外損益・特別損益・法人税等・非支配株主に帰属する当期純利益が、前期比1,063百万円増加したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比4,840百万円増加し、3,600百万円となりました。
(営業外損益・特別損失・法人税等の増減要因)
(金額単位:百万円)
|
項目(損△) |
前連結会計年度 (2021年3月期) |
当連結会計年度 (2022年3月期) |
増減 |
主な要因 |
|
営業利益 |
1,264 |
5,041 |
3,776 |
|
|
為替損益 |
169 |
315 |
145 |
提出会社の外貨建資産に係る為替差益。 |
|
持分法投資損益 |
△142 |
435 |
578 |
インド持分法適用会社の業績改善のため。 |
|
その他営業外損益 |
248 |
205 |
△43 |
補助金収入減少のため。 |
|
減損損失 |
△1,274 |
△15 |
1,258 |
米国子会社での当期減損損失計上のため。 |
|
その他特別利益 |
△214 |
△83 |
131 |
固定資産除却損減少のため。 |
|
法人税、住民税及び事業税 |
△1,605 |
△2,187 |
△581 |
提出会社、及びアジア子会社の課税所得増加のため。 |
|
法人税等調整額 |
593 |
△71 |
△664 |
提出会社の法人税等調整額減少、及び関係会社留保利益増加にともなう繰延税金負債増加のため。 |
|
非支配株主に帰属する当期純利益 |
△278 |
△39 |
239 |
|
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
△1,239 |
3,600 |
4,840 |
|
(ⅲ)経営方針、経営戦略等、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2018年度より第11次中期経営計画『T.RAD-11』(2018~2021年度の4年間)をスタートしており、2022年3月期は最終年度にあたります。最終年度である2022年3月期の達成状況は、次表のとおりで、売上高、経常利益率、ROEともに、目標未達となりました。目標未達の要因については、外部環境によるものもありますが、次期中期経営計画『T.RAD-12』(2022~2025年度)におきましては、前中期経営計画における反省点も踏まえた計画としております。
|
指標 |
2021年3月期 (実績) |
2022年3月期 (実績) |
|
売上高 目標 |
139,000百万円 |
146,000百万円 |
|
売上高 実績・見込 (達成率) |
113,046百万円 (81.3%) |
133,581百万円 (91.5%) |
|
経常利益率 目標 |
6.7% |
7.2% |
|
経常利益率 実績・見込 (達成率) |
1.4% (20.9%) |
4.5% (62.5%) |
|
ROE 目標 |
10.4 |
10.7 |
|
ROE 実績・見込 (達成率) |
△3.0 (-) |
8.4 (78.5%) |
(ⅳ)財政状態の分析
(金額単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
増減率(%) |
|
流動資産合計 |
53,326 |
57,835 |
4,508 |
8.5 |
|
固定資産合計 |
33,474 |
35,921 |
2,446 |
7.3 |
|
資産合計 |
86,800 |
93,756 |
6,955 |
8.0 |
|
負債合計 |
43,582 |
47,024 |
3,441 |
7.9 |
|
純資産合計 |
43,218 |
46,732 |
3,514 |
8.1 |
|
自己資本比率 |
47.3% |
47.5% |
0.2% |
- |
・資産合計
資産合計は、棚卸資産及び有形固定資産等の増加により、前期末比6,955百万円増加し、93,756百万円になりました。
・負債合計
負債合計は、買掛金及び長期借入金の増加等により、3,441百万円増加し、47,024百万円になりました。
・純資産合計
純資産合計は、為替換算調整勘定等の増加により、3,514百万円増加し、46,732百万円になりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況
(ⅰ)キャッシュ・フローの分析
(金額単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
7,475 |
7,262 |
△213 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△5,840 |
△5,839 |
1 |
|
フリー・キャッシュ・フロー |
1,635 |
1,422 |
△212 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△588 |
△3,391 |
△2,802 |
|
現金及び現金同等物期末残高 |
14,614 |
13,404 |
△1,210 |
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの増減要因は次のとおりであります。
・営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期利益により増加しましたが、棚卸資産の増加等により前年同期比213百万円減少し、7,262百万円のキャッシュインとなりました。
・投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期比1百万円増加し、5,839百万円のキャッシュアウトとなりました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計であるフリー・キャッシュ・フローは、前年同期比212百万円減少し、1,422百万円のキャッシュインとなりました。
・財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得及び長期借入金の返済等により、支出が前年同期比2,802百万円増加し、3,391百万円のキャッシュアウトとなりました。
・その結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末比1,210百万円減少し、13,404百万円となりました。
(ⅱ)財政政策
・当社グループは、健全な財務体質を維持しつつ、成長分野への投資と、株主還元の両立を目指しております。現在、連結自己資本比率は、47.5%でありますが、ROE向上のため、財務レバレッジの観点から、より適切な自己資本比率を目指します。中期経営計画(T.RAD-12)においては、健全な財務体質との両立をはかり、自己資本比率40%程度を目指しております。
・資金調達については、総合的な見地から、最も有利な手段での調達を目指しており、現在では、金融機関からの借入金を主としております。また、海外子会社の余剰資金については、配当金等により、当社に集約のうえ、各子会社の資金需要にあわせて、適正に再配分を行っております。
(ⅲ)資金需要及び調達
・当社グループの中期経営計画(T.RAD-12)における投資は、電動化、DX及び環境など、当社の競争力(技術力・生産性)を更に強化する投資を行うとともに、既存設備の更新・保全投資も確実に行い、収益基盤を確保してまいります。これらの投資については、主に自己資金により、充当する予定です。
さらに将来の成長に繋がる新工場建設やM&A、新規事業等の戦略投資を実施してまいります。これら戦略投資資金の調達については、主に金融機関からの借入金による調達する予定です。
また、不測の事態により、資金不足が生じる場合に備えて、財務の健全性を維持するとともに、各金融機関と良好な関係を維持し、安定的で低コストの資金調達が可能な体制を維持してまいります。
重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、一定の仮定にもとづく、見積り、判断を必要とするものがあります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」「1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表」[注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しておりますが、一定の仮定にもとづく、見積り、判断を必要とするもののうち、特に以下の重要な会計方針が、財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(ⅰ)固定資産の減損処理
当社グループが有する固定資産のうち、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされるものについては、損益報告や経営計画などの企業内部の情報、経営環境や資産の市場価格などの企業外部の要因に関する情報に基づき、資産又は資産グループ別に減損の兆候の有無を確認し、企業環境の変化や経済事象の発生可能性なども考慮し、減損損失の認識・測定を行っております。
この会計処理にあたっては、一定の仮定にもとづく見積りを行っております。新型コロナウイルスの感染拡大の影響につきましては、当連結会計年度においては、ほぼ解消しており、翌連結会計年度においても、この状況が引き続くものという仮定に基づいて、当連結会計年度の会計上の見積りを行っております。
また、重要な会計上の見積りとして、米国子会社における有形固定資産減損に関して、連結財務諸表において、「重要な会計上の見積り」として、注記しております。
(ⅱ)繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。新型コロナウイルスの感染拡大にともなう将来の課税所得の見積もりにあたっては、固定資産の減損処理に記載したものと同じ想定にもとづいております。
また、当事業年度に計上した重要な繰延税金資産である提出会社の繰延税金資産の回収可能性に関しては、財務諸表において、「重要な会計上の見積り」として、注記しております。
技術援助契約
契約会社名:株式会社ティラド(当社)
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相手方の名称 |
契約内容 |
契約期間 |
対価 |
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インドネシア PT. BATARASURA MULIA |
ラジエータ製造に関する技術 |
自 2019年12月16日 至 2024年12月16日 |
一定料率のロイヤルティの受取 |
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インド TATA TOYO RADIATOR Ltd. |
ラジエータ製造に関する技術 |
自 2020年1月1日 至 2026年12月31日 |
一定料率のロイヤルティの受取 |
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タイ TORC Co.,Ltd. |
熱交換器製造に関する技術 |
自 2022年1月1日 至 2022年12月31日 |
一定料率のロイヤルティの受取 |
当連結会計年度の研究開発活動としましては、自動車・建設産業機械・燃料電池等の関連分野の新製品開発・改良開発に取り組むと共に、中長期的成長の基盤となる基礎研究にも努めてまいりました。
その主たる活動は日本で行っておりますが、日本以外でも、米国、インド、中国にも研究開発拠点を設置し、これにより日系及びローカルメーカーの要求を満足する製品をこれまで以上に強化した体制にて開発することで、さらなるビジネス拡大に貢献する事が可能となっております。
更に、車両電動化含め大きく変化する市場に対応して、技術本部と生産技術センターの統合を実施しました。これにより製品開発と生産技術開発が一体となり、高い競争力を持った画期的な商品開発を目指していきます。
(1)研究開発活動
① 新製品開発と現有製品の改良開発
・研究開発活動では、主に環境・エネルギー関連に着目し環境対応自動車分野・建産機分野における新製品の開発・改良開発に注力しております。
・環境対応自動車分野におきましては、ハイブリッド車・電気自動車・燃料電池車等の車両電動化に対応した冷却システムの開発を進めております。ここには、従来の熱交換器の技術の他、先進的な当社独自の技術も盛り込み、高性能・小型軽量かつ低コストを実現してまいります。
・建産機分野におきましては、これまでのように高性能かつ高強度の熱交換器の他、超大型機械に対応した熱交換器の開発も完了し、市場に投入することができました。
また、小型建機の電動化も視野に入れた開発も進めております。
・その他の分野を含めて、多種にわたる現有製品群の更なる高性能・小型軽量化及び低コストを目指した製品の開発を進めております。また、冷却系のモジュール化や機能の複合化等の他、リサイクル性に配慮した製品やエンジン排気ガス・燃費の改善に貢献する熱交換器の改良開発を日々続けております。
② 基礎研究
材料及び新加工の基礎研究、すなわち熱交換器用各種材料、表面処理やろう付け接合技術の研究を推進すると共に、特にコンピュータによる数値解析・基礎評価技術の向上に注力し、開発の効率化を推進しております。さらに熱から電気を生み出す新しい熱エネルギー変換技術の研究開発等、将来の視点にたった研究を進めております。
③ 2022年3月31日現在の産業財産権の総数は215件であります。
(2)支出した研究開発費は以下のとおりであります。
(単位=百万円)
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セグメントの名称 |
前連結会計年度 研究開発費 |
当連結会計年度 研究開発費 |
増減 |
増減率 |
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日本 |
2,291 |
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113 |
4.7% |
|
米国 |
78 |
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△10 |
△14.9% |
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欧州 |
11 |
|
22 |
66.7% |
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アジア |
42 |
|
11 |
22.1% |
|
中国 |
87 |
|
8 |
8.5% |
|
その他 |
3 |
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△3 |
- |
|
合計 |
2,513 |
|
142 |
5.4% |