第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものでありますが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について、当社が保証するものではありません。

 

(1) 経営方針

当社は企業理念を、『私達は、「摩擦と振動、その制御と解析」により、ひとつひとつのいのちを守り、育み、支え続けて行きます。』と定め、経営方針である『お客様第一・技術の再構築・グローバルネットワークの確立』に基づき、独創的な発想・アプローチで社会に貢献し、ボーダーレス社会における不可欠な存在としての他に類を見ない地位の確立を目指しております。

21世紀を通じて当社グループが指向する姿として、「akebono21世紀宣言」すなわち『akebonoは曙の理念の基に21世紀を通して価値の創造を続けます。』のスローガンのもと、私達の提供する価値を正しく認識し、スピードとこだわりをもって新たな価値を創造し、ひとりひとりが誇りをもって夢を実現することを宣言いたしました。

曙の理念及び従業員自らの理解を深めるために策定した当社グループのブランドスローガン『さりげない安心と感動する制動を』をガイドとしつつ、「akebono21世紀宣言」に謳われた取り組み姿勢で、「企業理念」の基に、21世紀での勝ち残りのため、当社グループの継続的な構造改革を進めていきます。

 

(2) 対処すべき課題

当社グループは、平成28年(2016年)5月に平成30年度(2018年度)を最終年度とする新中期経営計画「akebono New Frontier 30 - 2016」(以下、aNF30-2016)を発表いたしました。当事業年度は、aNF30-2016の2年目にあたります。当事業年度では、売上高、営業利益については目標を達成し、特にフリー・キャッシュ・フローについては、目標の30億円を大幅に上回る83億円のキャッシュを創出することができました。

自動車産業は100年に一度の大変革期に突入していると言われております。こうした急激かつ急速に変化する経営環境にスピードを持って対応し、持続的成長につなげて、健全な財務体質への回復を図るため、当社グループの特徴である「小規模専業独立製造会社」という立ち位置を最大限に活かす製品別事業部制(BU制)という新たな組織体制を平成28年度(2016年度)より順次導入しております。BUと本社機能、BUと海外事業との効率的な連携などの課題は残されているものの、BU制の本格導入によって既存ビジネスにおける競争力の強化と新規ビジネス領域の拡大を図り、持続的成長につなげてまいります。

aNF30-2016では次の3つの柱を掲げ、諸施策を着実に進めていくことで「健全な財務体質への回復」を目指しております。

ⅰ.北米事業の立て直し

ⅱ.製品別事業部制への移行によるグローバルネットワークの確立

ⅲ.ハイパフォーマンスブレーキ(高性能量販車用ブレーキ)ビジネスの拡大と欧州事業の新築

 

なお、aNF30-2016の進捗及び今後の見通しは以下の通りです。

<北米事業の立て直し>

平成26年(2014年)から発生した受注急増による生産混乱の影響で、北米事業の業績は悪化し、ここ数年間は大きな損失の計上を余儀なくされました。そのため当社グループでは「北米事業の立て直し」を最大の経営課題として捉え、早期の収益安定に取り組んでまいりました。米国の収益安定に向けた4つの施策、①組織・管理体制の抜本的な改革、②生産性の改善、③生産能力の増強、④収支構造の改革に取り組み、さまざまな施策を実行した結果、平成29年度(2017年度)には米国だけで18億円の営業利益を計上することができました。

北米事業の立て直しは成果を出しているものの、一部のお客様による乗用車生産からの撤退や、生産混乱に起因して次期モデルの受注を逃したことなどにより、今後、数年間は売上高が減少する見通しですが、生産体制の最適化に向けた取り組みは継続してまいります。現地主導で大きな改革を実行したことによる課題も出てきており、米国のマネジメントだけでは対処できない改革フェーズに入ってきたものと考えております。今後の成長を実現するためには日本のモノづくりをベースとした製造会社という原点に立ち返り、さらに日米間の連携を強化し、北米事業のさらなる改善に向け努力してまいります。

 

 

<製品別事業部制への移行によるグローバルネットワークの確立>

製品ごとの収益性を向上させながらグローバルでの競争力を強化することを狙い、平成28年度(2016年度)から5つの製品別事業部制(BU制)への移行を開始いたしました。具体的には、当社グループの製品群を下記の5つに分け、BUがそれぞれの分野のマーケティング、製品開発、生産、販売について責任を持ち、収支も含めて一貫した事業運営をいたします。

ビジネスユニット(BU)

対象製品

HP BU

高性能量販車用ディスクブレーキ

Foundation BU

ディスクブレーキ、ドラムブレーキなど機構部品

インフラ&モビリティシステム(AIMS) BU

産業機械用製品、鉄道車両用製品、センサー製品

Friction  Material BU

ブレーキパッド、ライニングなどの摩擦材製品

補修品 BU

ブレーキパッド、ライニングなどの補修品

 

 

一方、当社グループにとって最重要課題のひとつである次世代製品の開発や新規分野での材料・技術開発、今後大きく変わるモビリティ分野でのビジネスの開拓、ビジネスモデルの構築などは本社機能が担当し、積極的に展開を図っていきます。各機能のBU制への移行はまだ途上ですが、当初計画通り平成30年度(2018年度末)までの移行完了を目指し、諸施策を順次実行しております。

現状での大きな課題としてはBUと本社機能、BUと海外事業との効率的な連携などがありますが、これらについても本年度中での実現に向けて取り組んでまいります。

次期中期経営計画では、半世紀間主流であった現行ディスクブレーキに対して、次世代型製品の立上げを本格化させます。インフラ&モビリティ分野では、自動車関連技術を応用した製品展開のみならず、今後はセンサー製品を核とした情報提供サービスへの展開につなげていく計画であり、その土台づくりを行います。

 

<ハイパフォーマンスブレーキ(高性能量販車用ブレーキ)ビジネスの拡大と欧州事業の新築>

当社グループは、数年前から高性能量販車用ディスクブレーキ製品の開発に取り組んでまいりました。高出力を誇る高性能車では、そのブレーキにかかる負荷は非常に高く、この負荷に耐えるブレーキの開発という大きなチャレンジに取り組み、製品としてお客様からの認知を得ることができました。平成29年度(2017年度)には、スロバキア工場の本格稼働に向け、米国のコロンビア工場で生産し欧州に輸出していた高性能量販車用ブレーキ製品を順次生産移管してまいりました。スロバキア工場内での想定以上のスクラップの発生や、現地スタッフの教育に日本人専門家を多数派遣する必要が出ていること、高性能量販車分野における新規のお客様やお取引先対応など、初期に起こりうる課題に対処し、本格稼働に向けた体制を構築中です。平成30年度(2018年度)も損失は残りますが、その翌年度(2019年度)に黒字転換できる体制を整えてまいります。

ハイパフォーマンスブレーキビジネスの今後の展開としては、最高性能への技術にこだわり、これまでの欧州一極だけでなく北米や日本も含めたグローバルでの展開に着手する計画です。

欧州事業としては、フランスで生産している摩擦材事業の製品群に高性能量販車用製品を加えるなど、選択と集中を踏まえた新たな経営計画を策定中であり、こちらについても2020年度の黒字化を目指して諸施策を実行する計画です。

 

<健全な財務体質への回復>

以上の3つの主要施策及びその他諸施策に取り組み、利益の拡大を図っています。これらの取り組みにより、アジア地域では計画を上回る業績を達成しました。aNF30-2016の目標である「健全な財務体質への回復」については、まだ道半ばながらもある程度の成果は出せたものと考えております。フリー・キャッシュ・フローは前期と比べ100億円増加し、83億円となりました。有利子負債は前期と比べ84億円削減し、ネット有利子負債は970億円となりました。自己資本比率も前期12.4%だったのに対し13.9%となるなど、一定の成果が出てきております。長期目標としている「自己資本比率20~30%」、「有利子負債の大幅な削減」の達成にはまだ時間が必要ですが、aNF30-2016の最終年度である平成30年度(2018年度)にはさらなる改善を目指してまいります。

 

 

(3) 株式会社の支配に関する基本方針

 当社は、株式会社の支配に関する基本方針について定めており、その内容は次のとおりであります。

Ⅰ 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

 当社取締役会は、公開会社として当社株式の自由な売買を認める以上、特定の者の大量の株式買付行為に応じて当社株式の売買を行うかどうかは、最終的には当該株式を保有する株主の皆様のご判断に委ねられるべきものであると考えます。

 しかし、当社グループの企業価値を将来にわたって向上させるためには、中長期的な視点での企業経営が必要不可欠であり、そのためには、お客様、お取引先、従業員、地域社会などとの良好な関係の維持はもとより、1929年の創業以来、当社が築き上げてきた様々な専門的・技術的なノウハウの活用など、当社グループの深い理解による事業の運営が必須です。

 また、突然の大量の株式買付行為がなされたときに、買付者の提示する当社株式の取得対価が妥当なものかどうかを株主の皆様が短期間の内に適切に判断するためには、買付者及び当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供されることが不可欠です。さらに、当社株式の継続保有をお考えの株主の皆様にとっても、かかる買付行為が当社に与える影響や、買付者が考える当社の経営に参画したときの経営方針、事業計画の内容、当該買付行為に対する当社取締役会の意見等の情報は、当社株式の継続保有を検討するうえで重要な判断材料になると考えます。

 そこで、当社としましては、大量の買付行為を行う買付者において、株主の皆様の判断のために、当社が設定し事前に開示する一定の合理的なルールに従って、買付行為に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供し、一定の評価期間の経過を待つべきであると考えております。また、かかる合理的なルールに違反する買付行為に対して、当社取締役会が当該ルールに従って適切と考える方策をとることは、当社株主共同の利益を守るために必要であると考えております。

 もっとも、当社は、大量の買付行為に応じて当社株式の売買を行うかどうかは、最終的には当社株式を保有する当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えておりますので、当該買付行為への対応策の導入・継続・廃止や当該対応策に基づく具体的な対抗措置の発動の是非については、基本的には当社株主総会における株主の皆様のご意向を直接確認することが望ましいと考えております(以上の当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する考え方について、以下「本基本方針」といいます。)。

 

Ⅱ 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の本基本方針の実現に資する特別な取組み

1.本基本方針の実現に資する特別な取組み

当社は、企業理念を『私達は、「摩擦と振動、その制御と解析」により、ひとつひとつのいのちを守り、育み、支え続けて行きます。』と定めております。「摩擦と振動、その制御と解析」は、当社の誇る世界トップレベルのコア技術です。「制御」が「解析」の前にあるのは、解析する前に、まず、困っているお客様の問題解決に取り組む、そして、その解析も怠らないという当社の姿勢を表しています。そして、守っているのは人のいのちだけではありません。「ひとつひとつのいのち」には、人間だけでなく、草木に至るまで、地球上のあらゆる生物、ひいては地球環境そのものもいのちのひとつとみなし、それらを守り、育み続けていくために、健全な経営のもとで企業価値を創出していくことを定めています。当社は、「曙の理念」を実現することで、持続可能な社会の発展に貢献していきます。

また、当社のさらなる発展のために、モノづくり、技術、グローバル展開の3つの側面からアプローチした経営方針(経営の三本柱)として「お客様第一」「技術の再構築」「グローバルネットワークの確立」と定めております。

お客様とは、当社の製品を使っていただくエンドユーザーです。実際にそれを使う人が何を望んでいるのか、「お客様第一」のモノづくりをしていこうとする当社の姿勢を表したものです。
 「技術の再構築」は、当社のコア技術である「摩擦と振動」をさらに追究することで、当社の新しい技術を創出していくことを表しています。
 そして、日米欧アジアといったグローバルベースでの知見を相互に深める体制を築いていくため、「グローバルネットワークの確立」をめざします。

これらに基づき、当社は独立系ブレーキ専業メーカーとして、世界中のお客様に安全と安心を提供し、社会において必要不可欠な存在となっております。創業以来、ブレーキパッドやブレーキライニングなどの摩擦材、ディスクブレーキやドラムブレーキなどの機構部品をグローバルで開発・製造し、供給しています。これらを通して培った技術を活かし、自動車のみならず鉄道・インフラなどの多様な分野への展開とともに、次世代技術の開発に注力することで、安全・安心な社会づくりに寄与してまいります。

 

 

当社グループは、平成28年(2016年)5月に平成30年度(2018年度)を最終年度とする新中期経営計画「akebono New Frontier 30 -2016」(以下、aNF30-2016)を発表いたしました。当連結会計年度は、aNF30-2016の2年目にあたります。当連結会計年度では、売上高、営業利益については目標を達成し、特にフリー・キャッシュ・フローについては、目標の30億円を大幅に上回る83億円のキャッシュを創出することができました。

自動車産業は100年に一度の大変革期に突入していると言われております。こうした急激かつ急速に変化する経営環境にスピードを持って対応し、持続的成長につなげて、健全な財務体質への回復を図るため、当社グループの特徴である「小規模専業独立製造会社」という立ち位置を最大限に活かす製品別事業部制(BU制)という新たな組織体制を平成28年度(2016年度)より順次導入しております。BUと本社機能、BUと海外事業との効率的な連携などの課題は残されているものの、BU制の本格導入によって既存ビジネスにおける競争力の強化と新規ビジネス領域の拡大を図り、持続的成長につなげてまいります。

aNF30-2016では次の3つの柱を掲げ、諸施策を着実に進めていくことで「健全な財務体質への回復」を目指しております。

1)北米事業の立て直し

2)製品別事業部制への移行によるグローバルネットワークの確立

3)ハイパフォーマンスブレーキ(高性能量販車用ブレーキ)ビジネスの拡大と欧州事業の新築

 

なお、aNF30-2016の進捗及び今後の見通しは以下の通りです。

<北米事業の立て直し>

平成26年(2014年)から発生した受注急増による生産混乱の影響で、北米事業の業績は悪化し、ここ数年間は大きな損失の計上を余儀なくされました。そのため当社グループでは「北米事業の立て直し」を最大の経営課題として捉え、早期の収益安定に取り組んでまいりました。米国の収益安定に向けた4つの施策、①組織・管理体制の抜本的な改革、②生産性の改善、③生産能力の増強、④収支構造の改革に取り組み、さまざまな施策を実行した結果、平成29年度(2017年度)には米国だけで18億円の営業利益を計上することができました。

北米事業の立て直しは成果を出しているものの、一部のお客様による乗用車生産からの撤退や、生産混乱に起因して次期モデルの受注を逃したことなどにより、今後、数年間は売上高が減少する見通しですが、生産体制の最適化に向けた取り組みは継続してまいります。現地主導で大きな改革を実行したことによる課題も出てきており、米国のマネジメントだけでは対処できない改革フェーズに入ってきたものと考えております。今後の成長を実現するためには日本のモノづくりをベースとした製造会社という原点に立ち返り、さらに日米間の連携を強化し、北米事業のさらなる改善に向け努力してまいります。

<製品別事業部制への移行によるグローバルネットワークの確立>

製品ごとの収益性を向上させながらグローバルでの競争力を強化することを狙い、平成28年度(2016年度)から5つの製品別事業部制(BU制)への移行を開始いたしました。具体的には、当社グループの製品群を下記の5つに分け、BUがそれぞれの分野のマーケティング、製品開発、生産、販売について責任を持ち、収支も含めて一貫した事業運営をいたします。

 

ビジネスユニット(BU)

対象製品

HP BU

高性能量販車用ディスクブレーキ

Foundation BU

ディスクブレーキ、ドラムブレーキなど機構部品

インフラ&モビリティシステム(AIMS) BU

産業機械用製品、鉄道車両用製品、センサー製品

Friction  Material BU

ブレーキパッド、ライニングなどの摩擦材製品

補修品 BU

ブレーキパッド、ライニングなどの補修品

 

  

一方、当社グループにとって最重要課題のひとつである次世代製品の開発や新規分野での材料・技術開発、今後大きく変わるモビリティ分野でのビジネスの開拓、ビジネスモデルの構築などは本社機能が担当し、積極的に展開を図っていきます。各機能のBU制への移行はまだ途上ですが、当初計画通り平成30年度(2018年度末)までの移行完了を目指し、諸施策を順次実行しております。

 

現状での大きな課題としてはBUと本社機能、BUと海外事業との効率的な連携などがありますが、これらについても本年度中での実現に向けて取り組んでまいります。

次期中期経営計画では、半世紀間主流であった現行ディスクブレーキに対して、次世代型製品の立上げを本格化させます。インフラ&モビリティ分野では、自動車関連技術を応用した製品展開のみならず、今後はセンサー製品を核とした情報提供サービスへの展開につなげていく計画であり、その土台づくりを行います。

 <ハイパフォーマンスブレーキ(高性能量販車用ブレーキ)ビジネスの拡大と欧州事業の新築>

当社グループは、数年前から高性能量販車用ディスクブレーキ製品の開発に取り組んでまいりました。高出力を誇る高性能車では、そのブレーキにかかる負荷は非常に高く、この負荷に耐えるブレーキの開発という大きなチャレンジに取り組み、製品としてお客様からの認知を得ることができました。平成29年度(2017年度)には、スロバキア工場の本格稼働に向け、米国のコロンビア工場で生産し欧州に輸出していた高性能量販車用ブレーキ製品を順次生産移管してまいりました。スロバキア工場内での想定以上のスクラップの発生や、現地スタッフの教育に日本人専門家を多数派遣する必要が出ていること、高性能量販車分野における新規のお客様やお取引先対応など、初期に起こりうる課題に対処し、本格稼働に向けた体制を構築中です。平成30年度(2018年度)も損失は残りますが、その翌年度(2019年度)に黒字転換できる体制を整えてまいります。

ハイパフォーマンスブレーキビジネスの今後の展開としては、最高性能への技術にこだわり、これまでの欧州一極だけでなく北米や日本も含めたグローバルでの展開に着手する計画です。

欧州事業としては、フランスで生産している摩擦材事業の製品群に高性能量販車用製品を加えるなど、選択と集中を踏まえた新たな経営計画を策定中であり、こちらについても2020年度の黒字化を目指して諸施策を実行する計画です。

 <健全な財務体質への回復>

以上の3つの主要施策及びその他諸施策に取り組み、利益の拡大を図っています。これらの取り組みにより、アジア地域では計画を上回る業績を達成しました。aNF30-2016の目標である「健全な財務体質への回復」については、まだ道半ばながらもある程度の成果は出せたものと考えております。フリー・キャッシュ・フローは前期と比べ100億円増加し、83億円となりました。有利子負債は前期と比べ84億円削減し、ネット有利子負債は970億円となりました。自己資本比率も前期12.4%だったのに対し13.9%となるなど、一定の成果が出てきております。長期目標としている「自己資本比率20~30%」、「有利子負債の大幅な削減」の達成にはまだ時間が必要ですが、aNF30-2016の最終年度である平成30年度(2018年度)にはさらなる改善を目指してまいります。

 

2.本基本方針の実現に資する特別な取組みに関する当社取締役会の考え方

上記の中期経営計画に基づく取組みは、収益構造の抜本的改善により当社グループの市場価値を向上させ、その結果、当社株主共同の利益を著しく損なう買付者が現れる危険性を低減するものであり、本基本方針に沿うものであると考えます。また、かかる取組みは、当社グループの価値を向上させるものですから、当社株主共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものでないことは明らかであると考えます。

 

Ⅲ 本基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み(当社株券等の大量買付行為に関する対応策)

当社は、本基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、当社株券等の大量の買付行為への対応策として、以下に定める内容の合理的なルール(以下「大量買付ルール」といいます。)を設定いたします。

なお、Ⅲに記載する当社株券等の大量買付行為への対応策を以下「本プラン」といいます。

 

1.本プランの対象

本プランは、特定株主グループ(注1)の議決権割合(注2)を20%以上とすることを目的とする当社株券等(注3)の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いません。)を適用対象とします。但し、あらかじめ当社取締役会が同意した買付行為は、本プランの適用対象からは除外いたします。

なお、本プランの適用を受ける買付行為を以下「大量買付行為」といい、大量買付行為を行う者を以下「大量買付者」といいます。

 

注1:特定株主グループとは、

(ⅰ)当社の株券等(金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。)の保有者(同法第27条の23第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。以下同じとします。)及びその共同保有者(同法第27条の23第5項に規定する共同保有者をいい、同条第6項に基づき共同保有者とみなされる者を含みます。以下同じとします。)並びに当該保有者との間で又は当該保有者の共同保有者との間で保有者・共同保有者間の関係と類似した一定の関係にある者(以下「準共同保有者」といいます。)又は、

(ⅱ)当社の株券等(同法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。)の買付け等(同法第27条の2第1項に規定する買付け等をいい、競売買の方法によるか否かを問わず取引所金融商品市場において行われるものを含みます。)を行う者及びその特別関係者(同法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいいます。)

を意味します。

注2:議決権割合とは、

(ⅰ)特定株主グループが、注1の(ⅰ)記載の場合は、①当該保有者の株券等保有割合(同法第27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいいます。この場合においては、当該保有者の共同保有者の保有株券等の数(同項に規定する保有株券等の数をいいます。以下同じとします。)も計算上考慮されるものとします。)と、②当該保有者の準共同保有者の株券等保有割合とを合わせた割合(但し、①と②の合算において、①と②との間で重複する保有株券等の数については、控除するものとします。)又は、

(ⅱ)特定株主グループが、注1の(ⅱ)記載の場合は、当該大量買付者及び当該特別関係者の株券等所有割合(同法第27条の2第8項に規定する株券等所有割合をいいます。)の合計

を意味します。

なお、各株券等保有割合及び各株券等所有割合の算出に当たっては、総議決権の数(同法第27条の2第8項に規定するものをいいます。)及び発行済株式の総数(同法第27条の23第4項に規定するものをいいます。)は、有価証券報告書、四半期報告書及び自己株券買付状況報告書のうち直近に提出されたものを参照することができるものとします。

注3:株券等とは、金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等を意味します。

 

2.大量買付ルールの内容

(1)大量買付ルールの概要

大量買付ルールは、大量買付行為が行われる場合に、(ⅰ)大量買付者に対し、事前に当該大量買付行為に関する必要かつ十分な情報の提供を求め、(ⅱ)当該大量買付行為についての情報収集・検討等を行う時間を確保した上で、(ⅲ)取締役会が株主の皆様に当社経営陣の計画、代替案等の提示や、大量買付者との交渉を行い、(ⅳ)当該大量買付行為に対し対抗措置を発動するか否かについて株主の皆様の意思を確認するための株主総会を開催する手続きを定め、かかる株主の皆様の意思を確認する機会を確保するため、大量買付者には、上記(ⅰ)から(ⅳ)の手続きが完了するまで大量買付行為の開始をお待ちいただくことを要請するものです。

(2)情報の提供

大量買付者には、大量買付行為の実行に先立ち、当社代表取締役宛に、大量買付者の名称、住所、設立準拠法、代表者の氏名、国内連絡先及び提案する大量買付行為の概要を明示した、大量買付ルールに従う旨の「意向表明書」をご提出いただいたうえで、当社取締役会に対して、当社株主の皆様の判断及び当社取締役会としての意見形成のために必要かつ十分な情報(以下「本必要情報」といいます。)を提供していただきます。

当社取締役会は、意向表明書受領後10営業日以内に、大量買付者から提供いただくべき本必要情報のリストを当該大量買付者に交付します。当社取締役会は、大量買付者から提供された情報を精査し、必要に応じて当社取締役会から独立した外部専門家等と協議の上、当該情報だけでは不十分と認められる場合には、大量買付者に対して本必要情報が揃うまで追加的に情報提供を求めます。

本必要情報の具体的内容は、大量買付者の属性、大量買付行為の目的及び内容によって異なりますが、一般的な項目の一部は以下のとおりです。

 

① 大量買付者及びそのグループ(共同保有者、準共同保有者及び特別関係者を含みます。)の概要(大量買付者の事業内容、資本構成、当社及び当社グループの事業と同種の事業についての経験等に関する情報を含みます。)

② 大量買付行為の目的及び内容(買付等の対価の価額・種類、買付等の時期、関連する取引の仕組み、買付等の方法の適法性、買付等及び関連する取引の実現可能性等を含みます。)

③ 当社株券等の取得対価の算定根拠及び取得資金の裏付け(資金の提供者(実質的提供者を含みます。)の具体的名称、調達方法、関連する取引の内容を含みます。)

④ 当社及び当社グループの経営に参画した後に想定している経営者候補(当社及び当社グループの事業と同種の事業についての経験等に関する情報を含みます。)、経営方針、事業計画、財務計画、資本政策、配当政策、資産活用策等(以下「買付後経営方針等」といいます。)

⑤ 当社及び当社グループの取引先、顧客、従業員等のステークホルダーと当社及び当社グループとの関係に関し、大量買付行為完了後に予定する変更の有無及びその内容

なお、大量買付行為の提案があった事実及び当社取締役会に提供された本必要情報は、当社株主の皆様の判断のために必要であると認められる場合には、当社取締役会が適切と判断する時点で、その全部又は一部を開示します。

(3)取締役会による評価期間

次に、当社取締役会は、本必要情報の提供が完了した後、60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付の場合)又は90日間(その他の大量買付行為の場合)を取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間(以下「取締役会評価期間」といいます。)として設定します。当社取締役会は、本必要情報の提供が完了した場合には、速やかにその旨及び取締役会評価期間が満了する日を公表いたします。

取締役会評価期間中、当社取締役会は、必要に応じて当社取締役会から独立した外部専門家等の助言を受けながら、提供された本必要情報を十分に評価・検討し、当社取締役会としての意見を慎重にとりまとめ、公表します。また、必要に応じ、大量買付者との間で大量買付行為に関する条件改善について交渉したり、当社取締役会として当社株主の皆様に対し代替案を提示することもあります。

(4)当社株主総会における株主意思の確認

当社取締役会は、大量買付者において大量買付ルールが遵守されている場合、原則として、取締役会評価期間満了後に以下に定める要領に従って、すみやかに当社株主総会(以下「株主意思確認総会」といいます。)を開催し、株主の皆様のご判断に基づいて、大量買付行為に対し、対抗措置を発動すべきか否かを決するものとします。

但し、当社取締役会は、株主の皆様に大量買付行為に応じるか否かの判断を委ねるのが相当と判断する場合には、株主意思確認総会を開催しないことができるものとします(この場合、当社取締役会は、当該大量買付行為に対し対抗措置をとりません。)。

① 当社取締役会は、株主意思確認総会において議決権を行使しうる株主を確定するために基準日(以下「本基準日」といいます。)を設定するため、本基準日の2週間前までに当社定款に定める方法により公告します。

② 株主意思確認総会において議決権を行使できる株主は、本基準日の最終の株主名簿に記載又は記録された株主とします。

③ 当社取締役会は、株主意思確認総会において株主の皆様に発動の是非をご判断いただくべき対抗措置の具体的な内容を、事前に決定のうえ、公表します。

④ 株主意思確認総会の決議は、法令及び当社定款第43条に基づき、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する当社株主が出席し、その議決権の過半数をもって行うものとします。

⑤ 大量買付者は、株主意思確認総会終結時まで、当社株券等の買付けを開始してはならないものとします。(なお、大量買付者が株主意思確認総会終結時までに当社株券等の買付けを開始したときは、当社取締役会は、株主意思確認総会の開催を中止し、当社取締役会の決議のみにより対抗措置を発動することができるものとします。)

 

⑥ 当社取締役会は、株主意思確認総会にて株主の皆様が判断するための情報等に関し、重要な変更等が発生した場合には、本基準日を設定した後であっても、本基準日の変更、又は株主意思確認総会の開催の延期若しくは中止をすることができるものとします。

 

3.大量買付者が大量買付ルールを遵守した場合

大量買付者により大量買付ルールが遵守された場合は、上述のとおり、当社取締役会は、株主意思確認総会において対抗措置の発動を承認する決議がなされない限り、大量買付行為に対する対抗措置をとりません。

 

4.大量買付者が大量買付ルールを遵守しない場合

大量買付者により大量買付ルールが遵守されなかった場合には、具体的な買付方法の如何にかかわらず、当社取締役会は、当社株主共同の利益を守ることを目的として、新株予約権の発行等、会社法その他の法律及び当社定款が認める対抗措置をとり、大量買付行為に対抗する場合があります。大量買付者が大量買付ルールを遵守したか否か及び対抗措置の発動の適否は、当社取締役会から独立した外部専門家等の意見も参考にし、当社取締役会が決定します。

具体的にいかなる手段を講じるかについては、その時点で最も適切と当社取締役会が判断したものを選択することとします。具体的対抗措置として新株予約権の無償割当てを行う場合の概要は(注)新株予約権概要に記載のとおりです。

なお、大量買付者により、大量買付ルールが遵守されなかった場合であっても、当社取締役会は、株主の皆様のご意思を尊重する趣旨から、上記2.(4)に定める要領に従って株主意思確認総会を開催し、対抗措置を発動することの是非について株主の皆様にご判断いただくこともできるものとします。

 

5.株主・投資家に与える影響等

(1)本プランの導入・継続が株主・投資家に与える影響等

本プランは、当社株主の皆様が大量買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や、現に当社の経営を担っている当社取締役会の意見を当社株主の皆様に提供し、さらには、当社株主の皆様が代替案の提示を受ける機会を確保し、最終的には大量買付行為の提案を受けた時点における株主の皆様により対抗措置の発動の是非を直接的に判断していただくことを目的としています。これにより、当社株主の皆様は、十分な情報のもとで、大量買付行為に応じるか否かについて適切な判断をすることが可能となり、そのことが当社の企業価値ひいては株主価値の確保・向上につながるものと考えます。従いまして、本プランの導入及び継続は、当社株主及び投資家の皆様が適切な投資判断を行う上での前提となるものであり、当社株主及び投資家の皆様の利益に資するものであると考えております。

なお、前記3.及び4.において述べたとおり、大量買付者が大量買付ルールを遵守するか否かにより大量買付行為に対する当社の対応方針が異なりますので、当社株主及び投資家の皆様におかれましては、大量買付者の動向にご注意ください。

(2)対抗措置発動時に株主・投資家に与える影響等

大量買付者が大量買付ルールを遵守しない場合等一定の場合には、当社取締役会は、当社株主共同の利益を守ることを目的として、会社法その他の法律及び当社定款により認められている対抗措置をとることがありますが、当該対抗措置の仕組上、当社株主の皆様(大量買付ルールを遵守しない大量買付者、及び株主の皆様が株主意思確認総会において対抗措置を発動することが相当と判断した大量買付者を除きます。)が法的権利又は経済的側面において格別の損失を被るような事態が生じることは想定しておりません。例えば、具体的対抗措置として無償割当てによる新株予約権の発行を決議した場合に、当該新株予約権の無償割当てに係る権利落ち日以後に当該決議を撤回することは想定しておりません。当社取締役会が具体的対抗措置をとることを決定した場合には、法令及び証券取引所規則に従って適時適切な開示を行います。

 

(3)対抗措置の発動に伴って株主の皆様に必要となる手続き

イ.株主名簿への記載・記録の手続き

対抗措置として、当社取締役会又は株主意思確認総会において、新株予約権無償割当てを実施することを決議した場合には、当社は、新株予約権無償割当てに係る割当期日を公告いたします。割当期日における当社の最終の株主名簿に記載又は記録された株主に新株予約権が無償にて割り当てられますので、株主の皆様が新株予約権の割当てを受けるためには、割当期日における最終の株主名簿に株主として記載又は記録される必要があります。

ロ.新株予約権の行使の手続き

対抗措置として、当社取締役会又は株主意思確認総会において、新株予約権無償割当てを実施することを決議した場合には、当社は、割当期日における当社の最終の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様に対し、原則として、新株予約権の行使請求書(行使に係る新株予約権の内容・数等の必要事項及び株主ご自身が特定株主グループに属する者でないこと等について確認する旨の文言を記載した当社所定の書式によるものとします。)その他新株予約権の権利行使に必要な書類を送付いたします。新株予約権の無償割当て後、株主の皆様においては、行使期間内に、これらの必要書類を提出した上、原則として、新株予約権1個当たり1円以上で当社取締役会が新株予約権無償割当て決議において定める価額を払込取扱場所に払い込むことにより、新株予約権1個につき、当社取締役会が別途定める数の当社株式が発行されることになります。

ハ.当社による新株予約権の取得の手続き

当社は、当社取締役会が新株予約権を取得する旨の決定をした場合、法定の手続きに従い、当社取締役会が別途定める日の到来日をもって新株予約権を取得します。また、新株予約権の取得と引換えに当社株式を株主の皆様に交付するときは、速やかにこれを交付いたします。なお、この場合、かかる株主の皆様には、別途、ご自身が特定株主グループに属する者でないこと等について確認する旨の文言を記載した当社所定の書式による書面をご提出いただくことがあります。また、新株予約権の取得と引換えに当社株式を株主の皆様に交付するために振替株式を記録するための口座の情報の提供をお願いすることがあります。

なお、割当て方法、行使の方法及び当社による取得の方法の詳細等につきましては、対抗措置に関する当社取締役会の決議が行われた後、株主の皆様に対して情報開示又は通知いたしますので、当該内容をご確認ください。
 

 6.本プランの有効期限

平成30年6月15日開催の当社第117回定時株主総会において本プラン継続の承認議案が可決されたため、本プランの有効期限は、平成31年6月30日までに開催される第118回定時株主総会の終結の時までとします。但し、当社第118回定時株主総会において本プランを継続することが承認された場合は、かかる有効期限は更に1年間延長されるものとし、その後も同様とします。当社取締役会は、本プランを継続することが承認された場合、その旨を速やかにお知らせします。

但し、本プランは、有効期限の満了前であっても、当社株主総会又は当社取締役会の決議に基づいて、廃止することができるものとします。また、当社株主共同の利益の保護の観点から、関係法令の整備や、東京証券取引所が定める上場制度の整備等を踏まえ随時見直しを行い、当社株主総会の承認を得て本プランの変更を行うことがあります。但し、関係法令及び取引所規則等の改廃に伴う、実質的な内容の変更を含まない本プランの技術的修正については、当社取締役会決議により行うことができるものとします。これらの変更又は修正を行う場合には、その内容を速やかにお知らせします。

 

なお、本プランの有効期限は当社第118回定時株主総会の終結の時までの約1年間ですので、取締役会が本プランの継続の承認を求める議案を同定時株主総会に提出しなければ本プランは延長されず失効しますし、また、有効期限の満了前に当社株主総会又は取締役会の決議に基づき本プランを廃止することもできます。さらに、本プランにおいては、取締役会があらかじめ同意をすれば、特定の当社株券等の買付行為に対する本プランの適用を排除することもできます。以上から、本プランはデッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させても、なお発動を阻止できない買収防衛策)ないしスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)のいずれにもあたりません。

 

7.本プランが本基本方針に沿うものであること、当社株主共同の利益を損なうものではないこと、及び当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと及びその理由

(1)本プランが本基本方針に沿うものであること

本プランは、大量買付ルールの内容、大量買付行為が為された場合の対応方針、株主及び投資家の皆様に与える影響等を規定するものです。

本プランは、大量買付者が大量買付行為に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供すること、及び当社取締役会のための一定の評価期間が経過し、株主の皆様に当社取締役会が対抗措置をとることの是非を株主意思確認総会において直接的に意思を確認した後にのみ当該大量買付行為を開始することを求め、これを遵守しない大量買付者に対して当社取締役会が対抗措置を講じることがある旨を定めております。

また、大量買付ルールが遵守されている場合は、原則として株主意思確認総会における株主の皆様のご判断に基づいて、大量買付行為に対して対抗措置を発動すべきか否かを決するものとしており、対抗措置の発動を承認する決議がなされない限り、大量買付行為に対する対抗措置をとらない旨を定めております。

このように本プランは、本基本方針の考え方に沿って設計されたものであるといえます。

(2)本プランが当社株主共同の利益を損なうものではないこと

本基本方針は、当社株主共同の利益を尊重することを前提としています。本プランは、本基本方針の考え方に沿って設計され、当社株主の皆様が大量買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や当社取締役会の意見の提供、代替案の提示を受ける機会の提供を保障し、最終的には大量買付行為の提案を受けた時点における株主の皆様により対抗措置の発動の是非を判断していただくことを目的としております。本プランによって、当社株主及び投資家の皆様は適切な投資判断を行うことができますので、本プランが当社株主共同の利益を損なうものではなく、むしろその利益に資するものであると考えます。

さらに、本プランの発効・延長が当社株主の皆様の承認を条件としており、当社株主が望めば本プランの廃止も可能であることは、本プランが当社株主共同の利益を損なわないことを担保していると考えられます。

(3)本プランが当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと

本プランは、大量買付行為を受け入れるか否かが最終的には当社株主の皆様の判断に委ねられるべきことを大原則としつつ、当社株主共同の利益を守るために必要な範囲で大量買付ルールの遵守の要請や対抗措置の発動を行うものです。本プランは当社取締役会が対抗措置を発動する場合を事前かつ詳細に開示しており、当社取締役会による対抗措置の発動は本プランの規定に従って行われ、原則として株主の皆様に株主意思確認総会において直接的に発動の是非を判断していただきます。また、当社取締役会は単独で本プランの発効・延長を行うことはできず、当社株主の皆様の承認を要します。

以上から、本プランが当社役員の地位の維持を目的とするものでないことは明らかであると考えております。

 

(注) 新株予約権概要

1.新株予約権付与の対象となる株主及びその発行条件

当社取締役会で定める割当期日における最終の株主名簿に記載又は記録された株主に対し、その所有する当社普通株式(但し、当社の所有する当社普通株式を除く。)1株につき1個の割合で新たに払込みをさせないで新株予約権を割当てる。

 

2.新株予約権の目的となる株式の種類及び数

新株予約権の目的となる株式の種類は当社普通株式とし、新株予約権の目的となる株式の総数は、当社取締役会で定める割当期日における当社発行可能株式総数から当社普通株式の発行済株式(当社の所有する当社普通株式を除く。)の総数を減じた株式数を上限とする。新株予約権1個当たりの目的となる株式の数は当社取締役会が別途定める数とする。但し、当社が株式分割又は株式併合を行う場合は、所要の調整を行うものとする。

 

3.発行する新株予約権の総数

新株予約権の割当総数は、当社取締役会が別途定める数とする。当社取締役会は、複数回にわたり新株予約権の割当を行うことがある。

 

4.各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額(払込みをなすべき額)

各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額(払込みをなすべき額)は1円以上で当社取締役会が定める額とする。

 

5.新株予約権の譲渡制限

新株予約権の譲渡による当該新株予約権の取得については、当社取締役会の承認を要する。

 

6.新株予約権の行使条件

議決権割合が20%以上の特定株主グループに属する者に行使を認めないこと等を行使の条件として定める。詳細については、当社取締役会において別途定めるものとする。

 

7.新株予約権の行使期間等

新株予約権の行使期間、取得事由及び取得条件その他必要な事項については、当社取締役会が別途定めるものとする。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業において、重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあると考えており、会社運営にあたり注意を払っております。

1) 技術革新・新製品開発におけるリスク

当社グループは、真のグローバリゼーションの中での事業拡大を目指し、将来のニーズを予測し、多大な経営資源を技術革新・新製品開発に投入しておりますが、市場、お客様ニーズ及び業界の技術の急激な変化等により、お客様の必要とする新技術・新製品がタイムリーに開発できなかった場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

2) 海外事業展開に伴うリスク

当社グループの生産及び販売活動は、日本のみならず、北米、欧州、アジア等の地域に展開しており、現時点で連結ベースでの海外売上高比率は約7割を占めるまでになりました。これらの海外での事業展開には、以下のようなリスクが内在しており、これらの事象が発生した場合、製品の生産、販売に遅延や停止が生じる可能性があります。これらの遅延・停止は当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

① 予期しえない法律・規則、不利な影響を及ぼす租税制度の変更

② 事業に対して不利な政治的または経済的要因の発生

③ 人財の採用と確保の難しさ及び労務問題の発生

④ 技術インフラの未整備

⑤ テロ・戦争・ストライキ等の社会的混乱

⑥ 大規模な自然災害や伝染病の発生

3) 生産技術・設備に関するリスク

当社グループは、お客様のグローバルプラットフォーム化などのニーズに対応するためには、モノづくりを世界共通にすることが必要と考え、安全、品質、効率、コスト面での更なる向上を図るため、IoTを含む生産技術開発及び生産設備への投資に積極的に取り組んでおりますが、これらを効果的かつタイムリーに実施できなかった場合、あるいは、当社戦略と市場のニーズにズレが生じた場合、その投資を回収できず、ビジネスチャンスを失い、結果として、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

4) 情報管理及び情報システムに関するリスク

当社グループでは、情報セキュリティ委員会を設置し、情報セキュリティ・個人情報保護について、ハード面・ソフト面(規則遵守・啓蒙活動)から漏洩防止等の情報管理の徹底に努めておりますが、当社グループで保有している機密情報、個人情報が漏洩した場合、会社の信用失墜により当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの殆どの業務は情報システムのサポートを受けており、システムも年々複雑化高度化しているため、想定を超える災害の発生やサイバー攻撃その他の原因で、システムの誤動作や停止が発生した場合、その内容や規模により、正常な事業の継続が困難になることから当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

5) 製品の品質に関するリスク

当社グループでは、安全・安心を支える上で品質は最も重要であると考え、常に、より高度な品質保証体制の構築を目指しております。自工程での品質保証、過去の不具合に学び失敗を繰り返さないなどの活動の浸透を進め、万全の体制をもって製品の生産に努めております。但し、当社グループの製品は直接安全に関わる製品であり、万が一、製品の欠陥等が発生し、お客様への流出が防止できなかった場合、多大な費用の発生と社会的信用の低下により、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

6) 人財育成及び確保に関するリスク

当社グループにとって人財は経営の基盤であり、競争力を維持・向上し続けるためには、高度な専門技術に精通した人財、経営のマネジメント能力に優れた人財を採用し、高齢化に対する技術を伝承する人財を計画的に育成することが重要であると考えております。特に近年、グローバルな事業活動を一層進めるなかで、それらの環境で活躍できる人財の育成・確保が急務であり、国内外での積極的な採用活動、研修・教育の充実、コア人財の流出の防止などの施策を講じています。これらの施策にも拘わらず、当社グループの人財育成・確保、適材適所の配置が計画通り進まなかった場合、長期的視点から当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

7) 市場・経済状況の変化によるリスク

当社グループにおける営業収入は当社グループが製品を生産・販売している国または地域の経済状況の影響を受けます。すなわち、日本・北米・欧州・アジアを含む当社グループの主要市場における景気後退、及びそれに伴う予測を超えた需要の縮小は当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループにおける営業収入のうち、OEM製品の依存度が大きく、そのため自動車メーカー及びTier1メーカー(自動車メーカーの1次取引先)の業績不振、予期せぬ契約の打ち切り、価格の値引き、調達方針の変更は当社グループの事業、業績及び財政状態に多大な影響を及ぼす可能性があります。また、国内外の競合他社との競争の激化等により、製品価格あるいは販売量が大幅に変動した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

8) 環境・安全に関する規制におけるリスク

当社グループでは、地球環境保全の見地から環境問題への対応は企業としての重要な社会的責任であると考えており、地球環境委員会を設置し、環境に配慮した製品の開発、CO2排出量削減を始めとして様々な環境対策を進めております。また、当社グループが事業を展開する各国における環境に関する規制及び自動車の安全性への規制は強化される傾向にあり、これらの規制を遵守するための技術的課題に適応する投資が増大すると予想しております。環境・安全規制への適応が難しい場合、当社グループへの社会的信頼が損なわれる可能性も想定され、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループが過去に原材料として使用していたアスベストの問題については、社内に特別委員会を設置し、従業員・近隣住民を含めての健康診断や相談窓口を設ける等積極的対応を実施しておりますが、アスベストを含む製品に関連して発生する訴訟や費用負担が当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

9) 災害等に関するリスク

当社グループは、国内外に多くの事業拠点を有しております。各拠点では、地震、台風、洪水等の自然災害や強毒化した新型インフルエンザなど疫病の流行による操業停止をせざるを得ない様な事態の発生に備え、従業員の安全確保、災害の未然防止、早期復旧、建物の耐震補強、設備の転倒防止、事業継続計画(BCP)及び危機管理マニュアルの整備、防災訓練の実施などの対策を進めております。但し、予想を超える規模の被災により建物や設備の倒壊・破損、ライフライン・輸送ルート・情報インフラの寸断、人的資源への重大な影響などによる生産の中断といった事態が生じた場合、当社グループの事業活動の一部または全体に大きな支障をきたす可能性があります。また、損害を蒙った建物・設備等の修復のために多額の費用が発生したり、顧客への製品供給が遅れること等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

10) コンプライアンスに関するリスク

当社グループでは、akebonoグローバル行動規範、akebonoグローバル行動基準やコンプライアンス規定等を整備し、定期的なコンプライアンス委員会の開催をはじめとしたコンプライアンス活動を行っております。コンプライアンス委員会において承認された年間活動計画に沿って、コンプライアンステストやヒアリング、下請法・インサイダー取引防止を含む各種研修など、社員のコンプライアンス意識向上のための各種施策を実施しております。また、コンプライアンスe-ラーニングをグローバルで導入しております。

社内・社外相談窓口に寄せられた相談については、適宜必要な調査を実施し、適切に対応しております。また、コンプライアンス活動状況と相談窓口への相談内容については、定期的に取締役会に報告しております。しかしながら、こうした対策は目的の達成を完全に保証したものではなく、役職員個人による法令違反を含むコンプライアンス上の問題が発生した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

11) 知的財産におけるリスク

当社グループは、他社製品と差別化できる技術とノウハウを保有しております。これらの技術とノウハウは今後の当社グループの発展に不可欠なものであり、これらの知的財産保護については最善の努力を傾注しておりますが、特定の地域では、知的財産権による保護が不完全であったり、限定的であったりします。このため、第三者が当社グループの知的財産を無断使用して類似した製品を製造することを防止できない可能性があり、このような場合、当社グループは損害を被ることになります。また、当社グループが知的財産権に関して、第三者より訴訟を提起されたり、当社グループが自らの知的財産権行使のために訴訟を提起しなければならないことがあります。その場合において、多額の訴訟費用が費やされる可能性もあり、また、当社グループが第三者の知的財産権を侵害しているとの申し立てが認められた場合には、当社グループが特定の技術を利用できない可能性や多額の損害賠償責任を負う可能性もあります。このように、知的財産権について重大な係争問題が発生した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

12) 原材料等の調達に関するリスク

当社グループは多数の外部取引先から原材料・鋼材・部品等を調達しておりますが、そのいくつかの原材料・鋼材・部品等については、市況変化による価格の高騰や品不足、特定の取引先への依存による取引先の生産能力不足による納入遅延、取引先が製造した製品の欠陥、経営状態の悪化、不慮の事故、自然災害等によって、当社グループの製造コストの上昇、生産遅延・停止が起こり、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

13) 為替・金利などの変動によるリスク

当社グループの事業は、各地域毎に原材料・部品の輸入、製品等の輸出の取引があります。また、当社グループの資産及び負債の一部は外貨建てであります。為替リスクを最小限に軽減すべく、当社グループは為替予約や資産と負債の額を通貨毎に同額とすることによるヘッジを実施しておりますが全てのリスクをヘッジすることは難しく、その変動は当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の海外関係会社財務諸表は現地通貨で作成されておりますが、当社グループの連結財務諸表作成時においてこれらの財務諸表は円換算されるため、現地における通貨金額が変わらない場合においても、換算時の為替レートにより円換算後の連結財務諸表上の金額が影響を受けることがあります。また、金利情勢や証券市場の変動が当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

14) 継続企業の前提に関する重要事象等について

平成26年度から発生した北米事業での生産混乱により、平成27年度に北米事業は2期連続で営業損失を計上し、かつ多額の減損損失を計上したことから、連結全体の財政状態が悪化しました。手元流動性や自己資本比率は十分には回復していない状況であり、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

当該重要事象等を解消、改善するための対応策は「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (5)事業等のリスクに記載した重要事象等を解消するための対応策」に記載のとおり、メインバンクを中心に取引銀行各行とは緊密な関係を維持しており、今後の継続的な支援についても合意をいただき、必要な新規の長期資金融資も受けております。

これらの状況を踏まえ、「継続企業の前提に関する重要な不確実性」は認められないと判断しております。

 

なお、上述した将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

(1) 業績

当連結会計年度(注)における当社グループの売上高は、欧州やアジア地域での需要は好調だったものの、北米での減収の影響で2,649億円前期比0.4%減)となりました。利益については、北米事業の収益改善に向けた施策の効果やアジア地域における受注増加などにより営業利益は81億円(前期は42億円)、経常利益は58億円(前期は8億円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、欧州のアラスおよびスロバキア工場で固定資産の減損損失を計上したこともあり8億円(前期は4億円)となりました。

(単位:億円)

 

前期

当期

増減

増減率

売上高

2,661

2,649

△12

△0.4%

営業利益

42

81

39

92.8%

経常利益

8

58

50

661.4%

税前当期純利益

26

42

17

64.4%

親会社株主に帰属する当期純利益

4

8

4

121.0%

 

 

地域セグメントごとの業績は次の通りです。

(単位:億円)

 

売上高

営業利益

前期

当期

増減

前期

当期

増減

日本

809

814

5

41

33

△8

北米

1,531

1,399

△133

△32

15

48

欧州

116

141

26

△13

△20

△8

中国

200

225

25

26

26

1

タイ

66

79

13

4

5

1

インドネシア

163

188

24

14

20

6

連結消去

△224

△196

28

2

2

0

連結

2,661

2,649

△12

42

81

39

 

 

①日本

SUVを中心とした新型車用製品の受注増のほか、フォークリフト用や鉄道車両挙動監視装置といった産業機械・鉄道車両用製品などが好調であったものの、中近東向け小型トラックの販売不振、また完成車メーカーの検査問題に起因した生産停止による受注の減少で、売上高は814億円前期比0.6%増)にとどまりました。利益面では、前期と比べ鋼材など材料の市況高騰や、当社の賃金制度である業績連動による賞与支給額が増加したことによる人件費の増加、電動ブレーキや環境対応型摩擦材といった次世代に向けた研究開発関連費用増加などの影響で、営業利益は33億円前期比19.0%減)となりました。

②北米

ピックアップトラック、SUV用製品の受注が好調であったことや、販売価格の適正化による増収効果がありましたが、一部の米系完成車メーカーの乗用車生産からの撤退や補修品市場の一時的な在庫調整による減収により売上高は1,399億円前期比8.7%減)となりました。利益面では、売上減による影響や鋼材価格の上昇による影響はあったものの、外部コンサルタント費用などの一時費用がなくなったことや、生産の安定化による緊急輸送費の大幅削減、残業や休日出勤が削減されたことによる労務費の圧縮などもあり、営業利益は15億円(前期は営業損失32億円)と大幅な増益となりました。

③欧州

補修品市場向けの摩擦材ビジネスが減少しましたが、高性能量販車用ディスクブレーキ製品販売の増加などにより売上高は141億円前期比22.1%増)となりました。利益面では、スロバキア工場において本格生産に向けた生産立ち上げの諸費用が発生したこと、生産ライン増設にともなう減価償却費の負担増、人員増加による労務費の増加や計画していた合理化の遅れ、フランスのアラス工場において利益率の高い摩擦材ビジネスが減少したことによる売上構成の変化などがあったため、営業損失20億円(前期は営業損失13億円)となりました。

 

④中国

SUV用製品の高い需要に加え、新規モデルの受注獲得により売上高は225億円前期比12.5%増)となりました。営業利益は、労務費の上昇に加え、減価償却費や環境規制対応コストの増加がありましたが、利益率の高い摩擦材製品の受注が好調であったこと、合理化が順調に達成できたことなどにより26億円前期比2.8%増)と増収増益となりました。

⑤タイ

国内向けおよび輸出向け小型車用製品の受注拡大と、補修用摩擦材製品の受注が好調であったことにより売上高は79億円前期比19.0%増)となりました。利益については、労務費の上昇や昨年度操業を開始した鋳造工場の立ち上げに関わる費用増がありましたが、売上増の効果により営業利益は5億円前期比14.4%増)と増収増益となりました。

⑥インドネシア

新型MPV(多目的乗用車)用製品の需要好調に加え、欧州向けグローバルプラットフォーム(全世界での車台共通化)車用製品の輸出や、自動二輪車用製品の受注の大幅拡大などにより売上高は188億円前期比14.9%増)となりました。利益については、労務費増の影響はあるものの、昨年度に発生した新規ビジネスの立ち上げにともなう一時費用がなくなったことや、合理化効果や受注拡大の影響で営業利益は20億円前期比41.4%増)と大幅な増益となりました。

 

※減損損失の計上について

アラスおよびスロバキアの欧州2工場は、過去において両工場の業績が計画を下回ったため、減損の兆候があると判断し、今後の回収可能性を保守的に見直しました。その結果、アラス工場については8億円(6百万ユーロ)、スロバキア工場については7億円(5百万ユーロ)の減損損失を計上することといたしました。両工場については、新規ビジネスの獲得や合理化(生産性および調達)改善など諸施策を立案・実行しており、それぞれ2020年度および2019年度に黒字転換させる計画です。

 

※為替変動の業績への影響について

当社グループでは為替リスクの回避に向けた施策を実行しておりますが、当連結会計年度においては、以下の影響がありました。

1)売上高:為替の影響により前期比で55.0億円増加しております。

2)営業利益:為替の影響により前期比で0.4億円減少しております。

3)営業外収益:売上、仕入の計上時と決済時の為替差によって1.5億円の為替差益が発生しております。

前期において売上、仕入の計上時と決済時の為替差以外の原因で発生した為替差損は日本国内での外貨借入れ、海外での現地通貨による借入れなどを実行することにより為替リスクをヘッジし、為替変動の影響を低減しております。

 

(注)当連結会計年度とは

(1) 北米・中国・タイ・インドネシア:平成29年1月~平成29年12月

(2) 日本・欧州                    :平成29年4月~平成30年3月 となります。

 

(2) 財政状態

当期末の総資産は、前期末比74億円減少1,943億円となりました。

(単位:億円)

(資産の部)

前期末

当期末

前期末比

(負債・純資産の部)

前期末

当期末

前期末比

流動資産

758

685

△73

流動負債

942

874

△68

現金及び預金

156

127

△29

有利子負債

476

425

△51

売掛債権

340

321

△20

その他

466

449

△17

その他

262

237

△24

固定負債

782

755

△28

固定資産

1,260

1,259

△2

有利子負債

705

672

△33

有形固定資産

1,050

1,035

△15

その他

78

83

5

投資有価証券

129

141

12

負債合計

1,724

1,629

△96

その他

81

82

1

純資産

294

315

21

総資産

2,018

1,943

△74

負債・純資産

2,018

1,943

△74

 

 

 

 (3) キャッシュ・フローの状況

当期末の現金及び現金同等物は、前期末比29億円減少127億円となりました。

(単位:億円)

 

前期

当期

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

141

194

52

投資活動によるキャッシュ・フロー

△159

△111

48

 

 

 

(フリー・キャッシュ・フロー)

△17

83

100

財務活動によるキャッシュ・フロー

△28

△113

△85

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

主な要因は、法人税等の支払額が28億円あった一方で、税金等調整前当期純利益42億円減価償却費124億円運転資本の増減額+29億円などにより、資金が増加したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

主な要因は、日米欧を中心とした設備投資により有形固定資産の取得による支出が114億円となり、資金が減少したことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

主な要因は、長期借入れによる収入192億円セール・アンド・リースバックによる収入21億円があった一方で、短期借入金の純減額34億円長期借入金の返済による支出253億円および非支配株主への配当金の支払額31億円などにより、資金が減少したことによるものです。

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

日本

72,216

3.3

北米

134,978

△8.4

欧州

12,676

26.6

中国

22,391

14.2

タイ

7,869

23.8

インドネシア

15,285

19.0

合計

265,414

△0.3

 

(注) 1 金額は、販売価格によるものであります。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

日本

72,188

2.3

7,008

△0.6

北米

132,539

△10.2

3,344

△46.6

欧州

12,555

25.3

909

11.1

中国

22,530

15.0

2,060

24.5

タイ

7,476

13.8

647

2.2

インドネシア

15,279

18.4

1,519

6.6

合計

262,568

△1.8

15,488

△13.2

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

日本

72,227

3.1

北米

135,458

△8.1

欧州

12,464

25.2

中国

22,124

12.9

タイ

7,462

17.4

インドネシア

15,185

18.6

合計

264,921

△0.4

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 セグメント間の取引については相殺消去しております。

3 前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先への販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。なお、本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

General Motors LLC

72,706

27.3

70,988

26.8

 

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものでありますが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について、当社が保証するものではありません。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、固定資産の減損、有価証券の減損、繰延税金資産の計上、引当金の計上等の重要な会計方針に沿った見積りを行い、継続して評価を実施しています。

なお、実際の結果は、見積りによる不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度は、売上高は2,649億円対前期比12億円(△0.4%)の減少となりました。売上原価は2,354億円対前期比42億円(△1.7%)の減少となり、販売費及び一般管理費は214億円対前期比9億円(△4.2%)の減少となりました。営業利益は対前期比39億円改善し81億円となりました。

営業外損益については、支払利息は対前期比4億円増加したものの、為替リスクに対応するためリスクヘッジを実施したことから為替差損が対前期比12億円減少するなど、経常利益は対前期比50億円改善し58億円となりました。

特別損益については、補助金収入1億円などを計上しましたが、欧州においてフランス、スロバキアの工場設備の将来のキャッシュ・フローを保守的に見直したことにより、減損損失15億円などを計上いたしました。

以上の結果、税金等調整前当期純利益は42億円(対前期比17億円の改善)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億円(対前期比4億円の改善)となりました。

なお、中期経営計画(平成28年4月~平成31年3月)の2年目である平成29年度の達成・進捗状況は以下のとおりです。

指標

平成29年度(計画)

平成29年度(実績)

平成29年度(計画比)

売上高

2,650億円

2,649億円

1億円減

(0.0%減)

営業利益

80億円

81億円

1億円増

(1.8%増)

親会社株主に帰属する当期純利益

30億円

8億円

22億円減

(73.9%減)

 

 

(3) 財政状態の分析

(単位:億円)

(資産の部)

前期末

当期末

前期末比

(負債・純資産の部)

前期末

当期末

前期末比

流動資産

758

685

△73

流動負債

942

874

△68

現金及び預金

156

127

△29

有利子負債

476

425

△51

売掛債権

340

321

△20

その他

466

449

△17

その他

262

237

△24

固定負債

782

755

△28

固定資産

1,260

1,259

△2

有利子負債

705

672

△33

有形固定資産

1,050

1,035

△15

その他

78

83

5

投資有価証券

129

141

12

負債合計

1,724

1,629

△96

その他

81

82

1

純資産

294

315

21

総資産

2,018

1,943

△74

負債・純資産

2,018

1,943

△74

 

 

(資産)

総資産の圧縮は当社の財務体質の改善の一つの大きな目標であり、諸施策を実行した結果、前期末比74億円削減することができ、当期末の総資産は1,943億円となりました。

流動資産は685億円前期末比73億円の減少となりました。主な要因は、借入金等の削減などにより現金及び預金を29億円減少させたことや北米において売上債権が減少できたことによるものです。

固定資産は1,259億円前期末比2億円の減少となりました。主な要因は、保有有価証券の株価上昇により投資有価証券が12億円増加した一方で、減損損失や設備の廃却などにより有形固定資産が15億円減少したことによるものです。

 

(負債)

流動負債は874億円前期末比68億円の減少となりました。主な要因は、有利子負債を北米を中心に51億円削減させたことによるものです。

固定負債は755億円前期末比28億円の減少となりました。主な要因は、有利子負債を33億円返済したことによるものです。

なお、有利子負債残高(1,097億円)から「現金及び預金」を控除したネット有利子負債残高は970億円と前期と比べ55億円削減しました。

(純資産)

当期末の純資産は315億円前期末比21億円の増加となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益8億円の計上により利益剰余金が増加したこと、株価の上昇によりその他有価証券評価差額金が8億円増加したこと、為替の影響により為替換算調整勘定が2億円増加したことによるものです。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を資金調達の基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,097億円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は127億円前期比29億円減少させております。

 

(5) 事業等のリスクに記載した重要事象等を解消するための対応策

当社グループは「2 事業等のリスク 14) 継続企業の前提に関する重要事象等について」に記載のとおり、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しておりますが、当該重要事象等を解消、改善するための対応策を新中期経営計画「akebono New Frontier 30 - 2016」(以下aNF30-2016)の中で取り組んでまいりました。当連結会計年度は、aNF30-2016の2年目にあたります。当連結会計年度では、売上高、営業利益については目標を達成し、特にフリー・キャッシュ・フローについては、目標の30億円を大幅に上回る83億円のキャッシュを創出することができました。

自動車産業は100年に一度の大変革期に突入していると言われております。こうした急激かつ急速に変化する経営環境にスピードを持って対応し、持続的成長につなげて、早期に健全な財務体質への回復を図るため、当社グループの特徴である「小規模専業独立製造会社」という立ち位置を最大限に活かす製品別事業部制(BU制)という新たな組織体制を平成28年度(2016年度)より順次導入しております。BUと本社機能、BUと海外事業との効率的な連携などの課題は残されているものの、BU制の本格導入によって既存ビジネスにおける競争力の強化と新規ビジネス領域の拡大を図り、持続的成長につなげてまいります。

aNF30-2016では次の3つの柱を掲げ、諸施策を着実に進めていくことで「健全な財務体質への回復」を目指しております。

ⅰ.北米事業の立て直し

ⅱ.製品別事業部制への移行によるグローバルネットワークの確立

ⅲ.ハイパフォーマンスブレーキ(高性能量販車用ブレーキ)ビジネスの拡大と欧州事業の新築

 

なお、aNF30-2016の進捗及び今後の見通しは以下の通りです。

<北米事業の立て直し>

平成26年(2014年)から発生した受注急増による生産混乱の影響で、北米事業の業績は悪化し、ここ数年間は大きな損失の計上を余儀なくされました。そのため当社グループでは「北米事業の立て直し」を最大の経営課題として捉え、早期の収益安定に取り組んでまいりました。米国の収益安定に向けた4つの施策、①組織・管理体制の抜本的な改革、②生産性の改善、③生産能力の増強、④収支構造の改革に取り組み、さまざまな施策を実行した結果、平成29年度(2017年度)には米国だけで18億円の営業利益を計上することができました。

 

北米事業の立て直しは成果を出しているものの、一部のお客様による乗用車生産からの撤退や、生産混乱に起因して次期モデルの受注を逃したことなどにより、今後、数年間は売上高が減少する見通しですが、生産体制の最適化に向けた取り組みは継続してまいります。現地主導で大きな改革を実行したことによる課題も出てきており、米国のマネジメントだけでは対処できない改革フェーズに入ってきたものと考えております。今後の成長を実現するためには日本のモノづくりをベースとした製造会社という原点に立ち返り、さらに日米間の連携を強化し、北米事業のさらなる改善に向け努力してまいります。

 

<製品別事業部制への移行によるグローバルネットワークの確立>

製品ごとの収益性を向上させながらグローバルでの競争力を強化することを狙い、平成28年度(2016年度)から5つの製品別事業部制(BU制)への移行を開始いたしました。具体的には、当社グループの製品群を下記の5つに分け、BUがそれぞれの分野のマーケティング、製品開発、生産、販売について責任を持ち、収支も含めて一貫した事業運営をいたします。

ビジネスユニット(BU)

対象製品

HP BU

高性能量販車用ディスクブレーキ

Foundation BU

ディスクブレーキ、ドラムブレーキなど機構部品

インフラ&モビリティシステム(AIMS) BU

産業機械用製品、鉄道車両用製品、センサー製品

Friction  Material BU

ブレーキパッド、ライニングなどの摩擦材製品

補修品 BU

ブレーキパッド、ライニングなどの補修品

 

 

一方、当社グループにとって最重要課題のひとつである次世代製品の開発や新規分野での材料・技術開発、今後大きく変わるモビリティ分野でのビジネスの開拓、ビジネスモデルの構築などは本社機能が担当し、積極的に展開を図っていきます。各機能のBU制への移行はまだ途上ですが、当初計画通り平成30年度(2018年度末)までの移行完了を目指し、諸施策を順次実行しております。

現状での大きな課題としてはBUと本社機能、BUと海外事業との効率的な連携などがありますが、これらについても本年度中での実現に向けて取り組んでまいります。

次期中期経営計画では、半世紀間主流であった現行ディスクブレーキに対して、次世代型製品の立上げを本格化させます。インフラ&モビリティ分野では、自動車関連技術を応用した製品展開のみならず、今後はセンサー製品を核とした情報提供サービスへの展開につなげていく計画であり、その土台づくりを行います。

 

<ハイパフォーマンスブレーキ(高性能量販車用ブレーキ)ビジネスの拡大と欧州事業の新築>

当社グループは、数年前から高性能量販車用ディスクブレーキ製品の開発に取り組んでまいりました。高出力を誇る高性能車では、そのブレーキにかかる負荷は非常に高く、この負荷に耐えるブレーキの開発という大きなチャレンジに取り組み、製品としてお客様からの認知を得ることができました。平成29年度(2017年度)には、スロバキア工場の本格稼働に向け、米国のコロンビア工場で生産し欧州に輸出していた高性能量販車用ブレーキ製品を順次生産移管してまいりました。スロバキア工場内での想定以上のスクラップの発生や、現地スタッフの教育に日本人専門家を多数派遣する必要が出ていること、高性能量販車分野における新規のお客様やお取引先対応など、初期に起こりうる課題に対処し、本格稼働に向けた体制を構築中です。平成30年度(2018年度)も損失は残りますが、その翌年度(2019年度)に黒字転換できる体制を整えてまいります。

ハイパフォーマンスブレーキビジネスの今後の展開としては、最高性能への技術にこだわり、これまでの欧州一極だけでなく北米や日本も含めたグローバルでの展開に着手する計画です。

欧州事業としては、フランスで生産している摩擦材事業の製品群に高性能量販車用製品を加えるなど、選択と集中を踏まえた新たな経営計画を策定中であり、こちらについても2020年度の黒字化を目指して諸施策を実行する計画です。

 

 

<健全な財務体質への回復>

以上の3つの主要施策及びその他諸施策に取り組み、利益の拡大を図っています。これらの取り組みにより、アジア地域では計画を上回る業績を達成しました。aNF30-2016の目標である「健全な財務体質への回復」については、まだ道半ばながらもある程度の成果は出せたものと考えております。フリー・キャッシュ・フローは前期と比べ100億円増加し、83億円となりました。有利子負債は前期と比べ84億円削減し、ネット有利子負債は970億円となりました。自己資本比率も前期12.4%だったのに対し13.9%となるなど、一定の成果が出てきております。長期目標としている「自己資本比率20~30%」、「有利子負債の大幅な削減」の達成にはまだ時間が必要ですが、aNF30-2016の最終年度である平成30年度(2018年度)にはさらなる改善を目指してまいります。

 

これらの状況を踏まえ、「継続企業の前提に関する重要な不確実性」は認められないと判断しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループでは、コア技術である「摩擦と振動、その制御と解析」技術を活かし、自動車のみならず、あらゆる交通機関、産業機械の各種ブレーキ製品を担う新摩擦材・次世代型のブレーキの開発を進めております。また製品開発を支える基礎技術、解析の深化を重点的に行うための研究開発への投資と開発体制の充実を図っております。

開発戦略としては、“技術の軸”と“技術の連続性”を基本とし、音・振動に対する知見をさらに深化させ、低引き摺り化・軽量化・グリーン材料化などの環境対応技術開発、電動ブレーキ開発を始めとした自動運転対応技術開発、高性能車両向けのブレーキ開発を継続し、推進してまいります。これらの開発は日本・米国・欧州・中国・タイの開発拠点を中心として、地産地消を基本に現地開発、現地調達を更に促進し、グローバル拠点それぞれの特長を活かしながら、必要な技術を駆使してグローバル競争力を高めた次期製品開発に注力しております。

 

(日本)

ブレーキ摩擦材開発については、環境対応技術開発を軸に取り組みを進めております。グローバルなニーズ及び米国ワシントン州を含む複数の州で条例化された銅に関する環境規制に対応する銅フリー摩擦材開発を中心に、高性能で音・振動特性に優れ、かつ昨今着目されてきているホイールダストについての制御に挑戦しながら、環境に配慮した摩擦材原材料を使用した高品質な製品の開発を進めております。同時に、低コスト化についても、性能や環境へ配慮しながら開発を進めております。また、EV・PHV・HVのブレーキ特性にあわせた摩擦材の開発を進めております。

ディスクブレーキ・ドラムブレーキの開発においても、高性能車両向け、環境対応、自動運転への対応の取り組みを軸に開発に注力しております。

高性能車両向けアルミ合金製対向型ブレーキにおいては、F1用ブレーキ開発で培った技術を盛り込み、製品化を実現しております。部品の共通化・標準化を徹底的に実行し、コスト競争力を向上させつつ、新規開発へのリソースの配分を増加させる事によって、差別化製品を提供してまいります。

環境に配慮した製品開発に対しても、車の燃費向上の観点から革新的な軽量化と引き摺り低減に取り組んでおります。自動運転に対応するための電動化技術では、ブレーキに小型電気モーターを搭載し、まずはパーキングブレーキ機能を電動化した電動パーキングブレーキといった製品の技術開発を北米開発拠点と連携しながら行っております。また、グローバルでの供給を更に強化させるため、技術面とコスト面のベンチマークを徹底して行い、使用地域の独自性や使用状況に応じた製品造りへの技術開発を進めております。

㈱曙ブレーキ中央技術研究所においては、低環境負荷、省エネルギー、危機管理(脱枯渇、戦略物質)、安全/快適性を中長期主要課題と捉え、これら環境対応を中心とする将来に向けた技術の差別化を図るべく、独自材料開発、次世代コンセプトブレーキ開発を軸として課題解決に向けた取り組みを展開しております。(1)独自材料開発では、摩擦材バインダー(結合材)として植物由来の木質ナノ繊維を複合化した樹脂の開発・適用化検討をはじめ、持続可能資源・低環境負荷物質の活用を前提とした材料技術による摩擦材の高機能化を進めるとともに、技術の連続性から生み出される摩擦材材料技術の拡大を追求するとともに、新しい分野への独自材料の展開の試みを進めてまいります。(2)次世代コンセプトブレーキ開発では、摩擦ブレーキとは大きく異なる構造を持つMR流体(Magneto Rheological Fluid)を用いた新発想のブレーキの開発をはじめ、応答性、コントロール性向上による自働化、摩耗粉ゼロ・鳴き振動制御による低環境負荷・快適性の追求、構造設計・軽量素材による小型・軽量化を研究開発戦略として取り組んでおります。2017年東京モーターショウでは、その応答性・コントロール性の差別化、優位性をABS制御や体感型デモ機を通して実証しました。さらにコア技術による新分野開拓を目指した機能性粒子の創製も積極的に行っております。

今後も中長期を見据えた研究開発に取り組み、他社との差別化、優位性確保を図っていきます。

 

(北米)

北米自動車メーカーはもとより、グローバルなニーズ及び米国ワシントン州を含む複数の州で条例化された摩擦材の環境規制に対応する新摩擦材や次世代ブレーキの製品開発に取り組んでおります。日系自動車メーカーについても、開発から量産までの現地完結型開発を展開しております。摩擦材においては、乗用車からピックアップトラック用まで高性能で音・振動特性に優れ、さらに環境に配慮した材料開発を行っております。

 

ブレーキの機構開発については、乗用車からSUV(スポーツ用多目的車)、ピックアップトラック用まで幅広く開発活動を行っており、軽量アルミ合金によるディスクブレーキの開発も展開しております。また、ディスクローター/ドラムブレーキについても量産展開しており、ブレーキモジュール開発による軽量で音・振動特性に優れた高性能、高品質な製品開発を行っております。電動化技術につきましては、日本と連携しながらお客様の声を反映させた開発を進めております。

 

(欧州)

欧州における摩擦材開発に関しては、フランスの研究開発拠点を中心に、高速でのブレーキ特性に対応する高性能(効き、ジャダー)及び、音・振動特性など、環境規制の厳しい欧州市場に適合する摩擦材から日米市場向け輸出欧州車に適合する摩擦材まで幅広いお客様ニーズに対応できる開発を行っております。日系のお客様のみならず、欧州市場でのお客様に対する摩擦材の開発、生産の供給体制を整えております。現地調達原材料による材料の共通化により、コスト競争力の強化を目的とした開発も進めております。

上記のほか、ドイツに開発機関(現地法人)を置き、よりお客様に密接したディスクブレーキ適用開発を進めており、イギリスにある開発機関では、F1を含むモータースポーツ用ディスクブレーキ開発を通じた技術開発に特化し、日本と連携しながらお客様の声を反映させた開発を進めております。

 

(中国)

新興国市場のニーズに合わせた製品を提供するため、現地のお客様の声を反映させた製品の開発・設計を進めております。摩擦材においては、部品・原材料の現地調達化と現地の環境に適したつくり方により、新興国市場で通用するコストと性能特性を有する製品開発を行っております。ディスクブレーキにおいては、中国市場のお客様の要求や使われ方を調査・分析し、必要な機能・性能を低コストで提供できる製品の開発と提案を行っております。

 

(タイ)

タイのブレーキ開発拠点を軸に成長著しいASEAN諸国のニーズに合わせ、地産地消を基本に現地開発、現地調達を更に促進し、お客様のニーズを反映した開発を推進してまいります。

 

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は2,303百万円であり、この他に日常的な改良に伴って発生した研究開発関連の費用は8,037百万円であります。