文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものでありますが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について、当社が保証するものではありません。
(1) 経営方針
当社は企業理念を、『私達は、「摩擦と振動、その制御と解析」により、ひとつひとつのいのちを守り、育み、支え続けて行きます。』と定め、経営方針である『お客様第一・技術の再構築・グローバルネットワークの確立』に基づき、独創的な発想・アプローチで社会に貢献し、ボーダーレス社会における不可欠な存在としての他に類を見ない地位の確立を目指しております。
21世紀を通じて当社グループが指向する姿として、「akebono21世紀宣言」すなわち『akebonoは曙の理念の基に21世紀を通して価値の創造を続けます。』のスローガンのもと、私達の提供する価値を正しく認識し、スピードとこだわりをもって新たな価値を創造し、ひとりひとりが誇りをもって夢を実現することを宣言いたしました。
曙の理念及び従業員自らの理解を深めるために策定した当社グループのブランドスローガン『さりげない安心と感動する制動を』をガイドとしつつ、「akebono21世紀宣言」に謳われた取り組み姿勢で、「企業理念」の基に、21世紀での勝ち残りのため、当社グループの継続的な構造改革を進めていきます。
(2) 対処すべき課題
前中期経営計画「akebono New Frontier 30-2016」では、製品別の事業展開をグローバルベースで行うことを基軸としたさらなる競争力の強化及び経営基盤の確立を目的として、「北米事業の立て直し」、「製品別事業部制への移行によるグローバルネットワークの確立」、「ハイパフォーマンスブレーキ(高性能量販車用ブレーキ)ビジネスの拡大と欧州事業の新築」の3つを重点目標として掲げ、これらを達成することにより「健全な財務体質への回復」につなげることを目指して活動してまいりました。
「北米事業の立て直し」につきましては、現地主導によるマネジメント体制を強化することにより組織の抜本的改革を実行し、売上重視から利益重視の経営に転換してまいりました。具体的には不採算製品の収益性改善を完成車メーカーの協力も得て実施したほか、「安全・品質・納期」の原点に戻り、生産性改善や販管費を含めた間接業務の改善などを実施したことにより、2017年には黒字化を達成することができました。しかしながら、中期経営計画最終年度の2018年には、前年度からの経営体制が機能せず、原材料市況の高騰によるコストの増加、次期モデルの受注ができなかったことによる売上の減少に対応した固定費削減が計画通りに進まなかったことなどから、大幅な損失を計上する結果となりました。
「製品別事業部制への移行によるグローバルネットワークの確立」につきましては、グローバルレベルでビジネスの多様化が進む中で、当社は、日本・北米・欧州・アジアの各地域で展開しているビジネスの連携をさらに深めることを目的に、地域を限定しない製品別事業部制(ビジネスユニット(BU)制)を発足させました。①Foundation BU(ブレーキ機構製品担当BU)、②Friction Material BU(摩擦材製品担当BU)、③HP BU(高性能量販車用製品担当BU)、④補修品BU、⑤インフラ&モビリティシステムBUの5つの事業部を設け、2016年以降、日本・アジアを皮切りに、2019年1月からは北米にも事業部制を展開してグローバルネットワークの確立を進めてまいりました(なお、2019年4月よりHP BUをFoundation BUに集約し4つの事業部となっております。)。
「ハイパフォーマンスブレーキ(高性能量販車用ブレーキ)ビジネスの拡大と欧州事業の新築」につきましては、F1で培った高性能ブレーキ技術を量販製品にも活用し、製品の差別化、高付加価値化を進めてまいりました。2014年に設立したスロバキア工場においては、高性能6ポットキャリパーを生産し、2018年度には年間100万個体制となりました。もう一つの欧州拠点であるフランスのアラス工場においては、競争力向上のために現地マネジメントの強化を図り、生産体制を整えるとともに生産性の改善に取り組んでおり、早期の黒字化の達成と次期モデルの受注確保に努めております。
これらの取り組みを通じて「健全な財務体質への回復」を目指してまいりましたが、日本・北米を中心とした原材料価格の大幅な高騰の影響、受注減少にあわせた生産体制や本社機能の適正化などの対応が遅れたこともあり、2019年3月期の連結営業利益は2億円にとどまりました。また、北米、欧州及びタイにおいて減損損失を計上したことなどにより最終損益は183億円の損失となりました。
このような状況下、当社及び当社子会社6社(注)(以下「当社ら」といいます。)は、今後の再成長に向けた課題として、強固な収益体質の確立と財務体質の抜本的な改善を図るため、2019年1月29日に事業再生実務家協会に対し、産業競争力強化法に基づく特定認証紛争解決手続(以下「事業再生ADR手続」といいます。)について申請を行い、同日付で受理され、同日付で事業再生実務家協会と連名にて、全てのお取引金融機関に対して、一時停止の通知書(借入金元本の返済の一時停止等の要請)を送付いたしました(2019年1月30日付の「事業再生ADR手続の正式申込および受理に関するお知らせ」にて公表)。
2019年2月12日開催の事業再生計画案の概要の説明のための債権者会議においては、上記一時停止の通知書にかかる同意(追認)及び一時停止の期間を事業再生計画案の決議のための債権者会議の終了時(会議が延期・続行された場合には、延期・続行された期日を含みます。)まで延長することについてご承認いただきました。
その後、2019年6月11日開催の事業再生計画案の協議のための債権者会議の続会及び事業再生計画案の決議のための債権者会議において、同日時点における事業再生計画案の策定状況等の報告を行うとともに、事業再生計画案の協議継続のため、事業再生ADR手続を継続し、2019年7月22日(予定)に事業再生計画案の協議のための債権者会議の再続会を、2019年9月18日(予定)に、事業再生計画案の決議のための債権者会議の続会を開催すること等について、お取引金融機関のご承認をいただきました。
当社らは、引き続き事業再生ADR手続の中で、全てのお取引金融機関と協議を進めながら、事業再生実務家協会より調査・指導・助言をいただいて、全てのお取引金融機関の同意による事業再生計画案の成立を目指してまいります。
(注)Akebono Brake Corporation、Akebono Brake Mexico S.A. de C.V.、Akebono Brake Slovakia s.r.o.、広州曙光制動器有限公司、曙光制動器(蘇州)有限公司及びA&M Casting(Thailand) Co., Ltd.の6社
(3) 株式会社の支配に関する基本方針
当社は、株式会社の支配に関する基本方針について定めており、その内容は次のとおりであります。
Ⅰ 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社取締役会は、公開会社として当社株式の自由な売買を認める以上、特定の者の大量の株式買付行為に応じて当社株式の売買を行うかどうかは、最終的には当該株式を保有する株主の皆様のご判断に委ねられるべきものであると考えます。
しかし、当社グループの企業価値を将来にわたって向上させるためには、中長期的な視点での企業経営が必要不可欠であり、そのためには、お客様、お取引先、従業員、地域社会などとの良好な関係の維持はもとより、1929年の創業以来、当社が築き上げてきた様々な専門的・技術的なノウハウの活用など、当社グループの深い理解による事業の運営が必須です。
また、突然の大量の株式買付行為がなされたときに、買付者の提示する当社株式の取得対価が妥当なものかどうかを株主の皆様が短期間の内に適切に判断するためには、買付者及び当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供されることが不可欠です。さらに、当社株式の継続保有をお考えの株主の皆様にとっても、かかる買付行為が当社に与える影響や、買付者が考える当社の経営に参画したときの経営方針、事業計画の内容、当該買付行為に対する当社取締役会の意見等の情報は、当社株式の継続保有を検討するうえで重要な判断材料になると考えます。
そこで、当社としましては、大量の買付行為を行う買付者において、株主の皆様の判断のために、当社が設定し事前に開示する一定の合理的なルールに従って、買付行為に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供し、一定の評価期間の経過を待つべきであると考えております。また、かかる合理的なルールに違反する買付行為に対して、当社取締役会が当該ルールに従って適切と考える方策をとることは、当社株主共同の利益を守るために必要であると考えております。
もっとも、当社は、大量の買付行為に応じて当社株式の売買を行うかどうかは、最終的には当社株式を保有する当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えておりますので、当該買付行為への対応策の導入・継続・廃止や当該対応策に基づく具体的な対抗措置の発動の是非については、基本的には当社株主総会における株主の皆様のご意向を直接確認することが望ましいと考えております(以上の当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する考え方について、以下「本基本方針」といいます。)。
Ⅱ 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の本基本方針の実現に資する特別な取組み
1.本基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、企業理念を『私達は、「摩擦と振動、その制御と解析」により、ひとつひとつのいのちを守り、育み、支え続けて行きます。』と定めております。「摩擦と振動、その制御と解析」は、当社の誇る世界トップレベルのコア技術です。「制御」が「解析」の前にあるのは、解析する前に、まず、困っているお客様の問題解決に取り組む、そして、その解析も怠らないという当社の姿勢を表しています。そして、守っているのは人のいのちだけではありません。「ひとつひとつのいのち」には、人間だけでなく、草木に至るまで、地球上のあらゆる生物、ひいては地球環境そのものもいのちのひとつとみなし、それらを守り、育み続けていくために、健全な経営のもとで企業価値を創出していくことを定めています。当社は、「曙の理念」を実現することで、持続可能な社会の発展に貢献していきます。
また、当社のさらなる発展のために、モノづくり、技術、グローバル展開の3つの側面からアプローチした経営方針(経営の三本柱)として「お客様第一」「技術の再構築」「グローバルネットワークの確立」と定めております。
お客様とは、当社の製品を使っていただくエンドユーザーです。実際にそれを使う人が何を望んでいるのか、「お客様第一」のモノづくりをしていこうとする当社の姿勢を表したものです。
「技術の再構築」は、当社のコア技術である「摩擦と振動」をさらに追究することで、当社の新しい技術を創出していくことを表しています。
そして、日米欧アジアといったグローバルベースでの知見を相互に深める体制を築いていくため、「グローバルネットワークの確立」をめざします。
これらに基づき、当社は独立系ブレーキ専業メーカーとして、世界中のお客様に安全と安心を提供し、社会において必要不可欠な存在となっております。創業以来、ブレーキパッドやブレーキライニングなどの摩擦材、ディスクブレーキやドラムブレーキなどの機構部品をグローバルで開発・製造し、供給しています。これらを通して培った技術を活かし、自動車のみならず鉄道・インフラなどの多様な分野への展開とともに、次世代技術の開発に注力することで、安全・安心な社会づくりに寄与してまいります。
当社グループは、2016年5月に前中期経営計画「akebono New Frontier 30-2016」を発表し、製品別の事業展開をグローバルベースで行うことを基軸としたさらなる競争力の強化及び経営基盤の確立を目的として、「北米事業の立て直し」、「製品別事業部制への移行によるグローバルネットワークの確立」、「ハイパフォーマンスブレーキ(高性能量販車用ブレーキ)ビジネスの拡大と欧州事業の新築」の3つを重点目標として掲げ、これらを達成することにより「健全な財務体質への回復」につなげることを目指して活動してまいりました。
「北米事業の立て直し」につきましては、現地主導によるマネジメント体制を強化することにより組織の抜本的改革を実行し、売上重視から利益重視の経営に転換してまいりました。具体的には不採算製品の収益性改善を完成車メーカーの協力も得て実施したほか、「安全・品質・納期」の原点に戻り、生産性改善や販管費を含めた間接業務の改善などを実施することにより、2017年には黒字化を達成することができました。しかしながら、中期経営計画最終年度の2018年には、前年度からの経営体制が機能せず、原材料市況の高騰によるコストの増加、次期モデルの受注ができなかったことによる売上の減少に対応したコスト削減が計画通りに進まなかったことなどから、大幅な損失を計上する結果となりました。
「製品別事業部制への移行によるグローバルネットワークの確立」につきましては、グローバルレベルでビジネスの多様化が進む中で、当社は、日本・北米・欧州・アジアの各地域で展開しているビジネスの連携をさらに深めることを目的に、地域を限定しない製品別事業部制(ビジネスユニット(BU)制)を発足させました。①Foundation BU(ブレーキ機構製品担当BU)、②Friction Material BU(摩擦材製品担当BU)、③HP BU(高性能量販車用製品担当BU)、④補修品BU、⑤インフラ&モビリティシステムBUの5つの事業部を設け、2016年以降、日本・アジアを皮切りに、2019年1月からは北米にも事業部制を展開してグローバルネットワークの確立を進めてまいりました(なお、2019年4月よりHP BUをFoundation BUに集約し4つの事業部となっております。)。
「ハイパフォーマンスブレーキ(高性能量販車用ブレーキ)ビジネスの拡大と欧州事業の新築」につきましては、F1で培った高性能ブレーキ技術を量販製品にも活用し、製品の差別化、高付加価値化を進めてまいりました。2014年に設立したスロバキア工場においては、高性能6ポットキャリパーを生産し、2018年度には年間約100万個体制となりました。もう一つの欧州拠点であるフランスのアラス工場においては、競争力向上のために現地マネジメントの強化を図り、生産体制を整えるとともに生産性の改善に取り組んでおり、早期の黒字化の達成と次期モデルの受注確保に努めております。
これらの取り組みを通じて「健全な財務体質への回復」を目指してまいりましたが、日本・北米を中心とした原材料価格の大幅な高騰の影響、受注減少にあわせた生産体制や本社機能の適正化などの対応が遅れたこともあり、2019年3月期の連結営業利益は2億円となりました。また、北米、欧州及びタイにおいて減損損失を計上したことにより最終損益は183億円の損失となりました。
このような状況下、当社並びに当社子会社であるAkebono Brake Corporation、Akebono Brake Mexico S.A. de C.V.、Akebono Brake Slovakia s.r.o.、広州曙光制動器有限公司、曙光制動器(蘇州)有限公司及びA&M Casting(Thailand)Co., Ltd.(以下「当社ら」といいます。)は、今後の再成長に向けた課題として、強固な収益体質の確立と財務体質の抜本的な改善を図るため、2019年1月29日に事業再生実務家協会に対し、産業競争力強化法に基づく特定認証紛争解決手続(以下「事業再生ADR手続」といいます。)について申請を行い、同日付で受理され、同日付で事業再生実務家協会と連名にて、全てのお取引金融機関に対して、一時停止の通知書(借入金元本の返済の一時停止等の要請)を送付いたしました(2019年1月30日付の「事業再生ADR手続の正式申込および受理に関するお知らせ」にて公表しております。)。
2019年2月12日開催の事業再生計画案の概要の説明のための債権者会議においては、上記一時停止の通知書にかかる同意(追認)及び一時停止の期間を事業再生計画案の決議のための債権者会議の終了時(会議が延期・続行された場合には、延期・続行された期日を含みます。)まで延長することについてご承認いただきました。
その後、2019年6月11日開催の事業再生計画案の協議のための債権者会議の続会及び事業再生計画案の決議のための債権者会議において、同日時点における事業再生計画案の策定状況等の報告を行うとともに、事業再生計画案の協議継続のため、事業再生ADR手続を継続し、2019年7月22日(予定)に事業再生計画案の協議のための債権者会議の再続会を、2019年9月18日(予定)に、事業再生計画案の決議のための債権者会議の続会を開催すること等について、お取引金融機関のご承認をいただきました。
当社らは、引き続き事業再生ADR手続の中で、全てのお取引金融機関と協議を進めながら、事業再生実務家協会より調査・指導・助言をいただいて、全てのお取引金融機関の同意による事業再生計画案の成立を目指してまいります。
2.本基本方針の実現に資する特別な取組みに関する当社取締役会の考え方
上記の取組みは、今後の再成長に向けた強固な収益基盤の確立と財務体質の抜本的な改善により当社グループの市場価値を向上させ、その結果、当社株主共同の利益を著しく損なう買付者が現れる危険性を低減するものであり、本基本方針に沿うものであると考えます。また、かかる取組みは、当社グループの価値を向上させるものですから、当社株主共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものでないことは明らかであると考えます。
Ⅲ 本基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み(当社株券等の大量買付行為に関する対応策)
当社は、本基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、当社株券等の大量の買付行為への対応策として、以下に定める内容の合理的なルール(以下「大量買付ルール」といいます。)を設定いたします。
なお、Ⅲに記載する当社株券等の大量買付行為への対応策を以下「本プラン」といいます。
1.本プランの対象
本プランは、特定株主グループ(注1)の議決権割合(注2)を20%以上とすることを目的とする当社株券等(注3)の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いません。)を適用対象とします。但し、あらかじめ当社取締役会が同意した買付行為は、本プランの適用対象からは除外いたします。
なお、本プランの適用を受ける買付行為を以下「大量買付行為」といい、大量買付行為を行う者を以下「大量買付者」といいます。
注1:特定株主グループとは、
(ⅰ)当社の株券等(金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。)の保有者(同法第27条の23第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。以下同じとします。)及びその共同保有者(同法第27条の23第5項に規定する共同保有者をいい、同条第6項に基づき共同保有者とみなされる者を含みます。以下同じとします。)並びに当該保有者との間で又は当該保有者の共同保有者との間で保有者・共同保有者間の関係と類似した一定の関係にある者(以下「準共同保有者」といいます。)又は、
(ⅱ)当社の株券等(同法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。)の買付け等(同法第27条の2第1項に規定する買付け等をいい、競売買の方法によるか否かを問わず取引所金融商品市場において行われるものを含みます。)を行う者及びその特別関係者(同法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいいます。)
を意味します。
注2:議決権割合とは、
(ⅰ)特定株主グループが、注1の(ⅰ)記載の場合は、①当該保有者の株券等保有割合(同法第27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいいます。この場合においては、当該保有者の共同保有者の保有株券等の数(同項に規定する保有株券等の数をいいます。以下同じとします。)も計算上考慮されるものとします。)と、②当該保有者の準共同保有者の株券等保有割合とを合わせた割合(但し、①と②の合算において、①と②との間で重複する保有株券等の数については、控除するものとします。)又は、
(ⅱ)特定株主グループが、注1の(ⅱ)記載の場合は、当該大量買付者及び当該特別関係者の株券等所有割合(同法第27条の2第8項に規定する株券等所有割合をいいます。)の合計
を意味します。
なお、各株券等保有割合及び各株券等所有割合の算出に当たっては、総議決権の数(同法第27条の2第8項に規定するものをいいます。)及び発行済株式の総数(同法第27条の23第4項に規定するものをいいます。)は、有価証券報告書、四半期報告書及び自己株券買付状況報告書のうち直近に提出されたものを参照することができるものとします。
注3:株券等とは、金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等を意味します。
2.大量買付ルールの内容
(1)大量買付ルールの概要
大量買付ルールは、大量買付行為が行われる場合に、(ⅰ)大量買付者に対し、事前に当該大量買付行為に関する必要かつ十分な情報の提供を求め、(ⅱ)当該大量買付行為についての情報収集・検討等を行う時間を確保した上で、(ⅲ)取締役会が株主の皆様に当社経営陣の計画、代替案等の提示や、大量買付者との交渉を行い、(ⅳ)当該大量買付行為に対し対抗措置を発動するか否かについて株主の皆様の意思を確認するための株主総会を開催する手続きを定め、かかる株主の皆様の意思を確認する機会を確保するため、大量買付者には、上記(ⅰ)から(ⅳ)の手続きが完了するまで大量買付行為の開始をお待ちいただくことを要請するものです。
(2)情報の提供
大量買付者には、大量買付行為の実行に先立ち、当社代表取締役宛に、大量買付者の名称、住所、設立準拠法、代表者の氏名、国内連絡先及び提案する大量買付行為の概要を明示した、大量買付ルールに従う旨の「意向表明書」をご提出いただいたうえで、当社取締役会に対して、当社株主の皆様の判断及び当社取締役会としての意見形成のために必要かつ十分な情報(以下「本必要情報」といいます。)を提供していただきます。
当社取締役会は、意向表明書受領後10営業日以内に、大量買付者から提供いただくべき本必要情報のリストを当該大量買付者に交付します。当社取締役会は、大量買付者から提供された情報を精査し、必要に応じて当社取締役会から独立した外部専門家等と協議の上、当該情報だけでは不十分と認められる場合には、大量買付者に対して本必要情報が揃うまで追加的に情報提供を求めます。
本必要情報の具体的内容は、大量買付者の属性、大量買付行為の目的及び内容によって異なりますが、一般的な項目の一部は以下のとおりです。
① 大量買付者及びそのグループ(共同保有者、準共同保有者及び特別関係者を含みます。)の概要(大量買付者の事業内容、資本構成、当社及び当社グループの事業と同種の事業についての経験等に関する情報を含みます。)
② 大量買付行為の目的及び内容(買付等の対価の価額・種類、買付等の時期、関連する取引の仕組み、買付等の方法の適法性、買付等及び関連する取引の実現可能性等を含みます。)
③ 当社株券等の取得対価の算定根拠及び取得資金の裏付け(資金の提供者(実質的提供者を含みます。)の具体的名称、調達方法、関連する取引の内容を含みます。)
④ 当社及び当社グループの経営に参画した後に想定している経営者候補(当社及び当社グループの事業と同種の事業についての経験等に関する情報を含みます。)、経営方針、事業計画、財務計画、資本政策、配当政策、資産活用策等(以下「買付後経営方針等」といいます。)
⑤ 当社及び当社グループの取引先、顧客、従業員等のステークホルダーと当社及び当社グループとの関係に関し、大量買付行為完了後に予定する変更の有無及びその内容
なお、大量買付行為の提案があった事実及び当社取締役会に提供された本必要情報は、当社株主の皆様の判断のために必要であると認められる場合には、当社取締役会が適切と判断する時点で、その全部又は一部を開示します。
(3)取締役会による評価期間
次に、当社取締役会は、本必要情報の提供が完了した後、60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付の場合)又は90日間(その他の大量買付行為の場合)を取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間(以下「取締役会評価期間」といいます。)として設定します。当社取締役会は、本必要情報の提供が完了した場合には、速やかにその旨及び取締役会評価期間が満了する日を公表いたします。
取締役会評価期間中、当社取締役会は、必要に応じて当社取締役会から独立した外部専門家等の助言を受けながら、提供された本必要情報を十分に評価・検討し、当社取締役会としての意見を慎重にとりまとめ、公表します。また、必要に応じ、大量買付者との間で大量買付行為に関する条件改善について交渉したり、当社取締役会として当社株主の皆様に対し代替案を提示することもあります。
(4)当社株主総会における株主意思の確認
当社取締役会は、大量買付者において大量買付ルールが遵守されている場合、原則として、取締役会評価期間満了後に以下に定める要領に従って、すみやかに当社株主総会(以下「株主意思確認総会」といいます。)を開催し、株主の皆様のご判断に基づいて、大量買付行為に対し、対抗措置を発動すべきか否かを決するものとします。
但し、当社取締役会は、株主の皆様に大量買付行為に応じるか否かの判断を委ねるのが相当と判断する場合には、株主意思確認総会を開催しないことができるものとします(この場合、当社取締役会は、当該大量買付行為に対し対抗措置をとりません。)。
① 当社取締役会は、株主意思確認総会において議決権を行使しうる株主を確定するために基準日(以下「本基準日」といいます。)を設定するため、本基準日の2週間前までに当社定款に定める方法により公告します。
② 株主意思確認総会において議決権を行使できる株主は、本基準日の最終の株主名簿に記載又は記録された株主とします。
③ 当社取締役会は、株主意思確認総会において株主の皆様に発動の是非をご判断いただくべき対抗措置の具体的な内容を、事前に決定のうえ、公表します。
④ 株主意思確認総会の決議は、法令及び当社定款第43条に基づき、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する当社株主が出席し、その議決権の過半数をもって行うものとします。
⑤ 大量買付者は、株主意思確認総会終結時まで、当社株券等の買付けを開始してはならないものとします。(なお、大量買付者が株主意思確認総会終結時までに当社株券等の買付けを開始したときは、当社取締役会は、株主意思確認総会の開催を中止し、当社取締役会の決議のみにより対抗措置を発動することができるものとします。)
⑥ 当社取締役会は、株主意思確認総会にて株主の皆様が判断するための情報等に関し、重要な変更等が発生した場合には、本基準日を設定した後であっても、本基準日の変更、又は株主意思確認総会の開催の延期若しくは中止をすることができるものとします。
3.大量買付者が大量買付ルールを遵守した場合
大量買付者により大量買付ルールが遵守された場合は、上述のとおり、当社取締役会は、株主意思確認総会において対抗措置の発動を承認する決議がなされない限り、大量買付行為に対する対抗措置をとりません。
4.大量買付者が大量買付ルールを遵守しない場合
大量買付者により大量買付ルールが遵守されなかった場合には、具体的な買付方法の如何にかかわらず、当社取締役会は、当社株主共同の利益を守ることを目的として、新株予約権の発行等、会社法その他の法律及び当社定款が認める対抗措置をとり、大量買付行為に対抗する場合があります。大量買付者が大量買付ルールを遵守したか否か及び対抗措置の発動の適否は、当社取締役会から独立した外部専門家等の意見も参考にし、当社取締役会が決定します。
具体的にいかなる手段を講じるかについては、その時点で最も適切と当社取締役会が判断したものを選択することとします。具体的対抗措置として新株予約権の無償割当てを行う場合の概要は(注)新株予約権概要に記載のとおりです。
なお、大量買付者により、大量買付ルールが遵守されなかった場合であっても、当社取締役会は、株主の皆様のご意思を尊重する趣旨から、上記2.(4)に定める要領に従って株主意思確認総会を開催し、対抗措置を発動することの是非について株主の皆様にご判断いただくこともできるものとします。
5.株主・投資家に与える影響等
(1)本プランの導入・継続が株主・投資家に与える影響等
本プランは、当社株主の皆様が大量買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や、現に当社の経営を担っている当社取締役会の意見を当社株主の皆様に提供し、さらには、当社株主の皆様が代替案の提示を受ける機会を確保し、最終的には大量買付行為の提案を受けた時点における株主の皆様により対抗措置の発動の是非を直接的に判断していただくことを目的としています。これにより、当社株主の皆様は、十分な情報のもとで、大量買付行為に応じるか否かについて適切な判断をすることが可能となり、そのことが当社の企業価値ひいては株主価値の確保・向上につながるものと考えます。従いまして、本プランの導入及び継続は、当社株主及び投資家の皆様が適切な投資判断を行う上での前提となるものであり、当社株主及び投資家の皆様の利益に資するものであると考えております。
なお、前記3.及び4.において述べたとおり、大量買付者が大量買付ルールを遵守するか否かにより大量買付行為に対する当社の対応方針が異なりますので、当社株主及び投資家の皆様におかれましては、大量買付者の動向にご注意ください。
(2)対抗措置発動時に株主・投資家に与える影響等
大量買付者が大量買付ルールを遵守しない場合等一定の場合には、当社取締役会は、当社株主共同の利益を守ることを目的として、会社法その他の法律及び当社定款により認められている対抗措置をとることがありますが、当該対抗措置の仕組上、当社株主の皆様(大量買付ルールを遵守しない大量買付者、及び株主の皆様が株主意思確認総会において対抗措置を発動することが相当と判断した大量買付者を除きます。)が法的権利又は経済的側面において格別の損失を被るような事態が生じることは想定しておりません。例えば、具体的対抗措置として無償割当てによる新株予約権の発行を決議した場合に、当該新株予約権の無償割当てに係る権利落ち日以後に当該決議を撤回することは想定しておりません。当社取締役会が具体的対抗措置をとることを決定した場合には、法令及び証券取引所規則に従って適時適切な開示を行います。
(3)対抗措置の発動に伴って株主の皆様に必要となる手続き
イ.株主名簿への記載・記録の手続き
対抗措置として、当社取締役会又は株主意思確認総会において、新株予約権無償割当てを実施することを決議した場合には、当社は、新株予約権無償割当てに係る割当期日を公告いたします。割当期日における当社の最終の株主名簿に記載又は記録された株主に新株予約権が無償にて割り当てられますので、株主の皆様が新株予約権の割当てを受けるためには、割当期日における最終の株主名簿に株主として記載又は記録される必要があります。
ロ.新株予約権の行使の手続き
対抗措置として、当社取締役会又は株主意思確認総会において、新株予約権無償割当てを実施することを決議した場合には、当社は、割当期日における当社の最終の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様に対し、原則として、新株予約権の行使請求書(行使に係る新株予約権の内容・数等の必要事項及び株主ご自身が特定株主グループに属する者でないこと等について確認する旨の文言を記載した当社所定の書式によるものとします。)その他新株予約権の権利行使に必要な書類を送付いたします。新株予約権の無償割当て後、株主の皆様においては、行使期間内に、これらの必要書類を提出した上、原則として、新株予約権1個当たり1円以上で当社取締役会が新株予約権無償割当て決議において定める価額を払込取扱場所に払い込むことにより、新株予約権1個につき、当社取締役会が別途定める数の当社株式が発行されることになります。
ハ.当社による新株予約権の取得の手続き
当社は、当社取締役会が新株予約権を取得する旨の決定をした場合、法定の手続きに従い、当社取締役会が別途定める日の到来日をもって新株予約権を取得します。また、新株予約権の取得と引換えに当社株式を株主の皆様に交付するときは、速やかにこれを交付いたします。なお、この場合、かかる株主の皆様には、別途、ご自身が特定株主グループに属する者でないこと等について確認する旨の文言を記載した当社所定の書式による書面をご提出いただくことがあります。また、新株予約権の取得と引換えに当社株式を株主の皆様に交付するために振替株式を記録するための口座の情報の提供をお願いすることがあります。
なお、割当て方法、行使の方法及び当社による取得の方法の詳細等につきましては、対抗措置に関する当社取締役会の決議が行われた後、株主の皆様に対して情報開示又は通知いたしますので、当該内容をご確認ください。
6.本プランの有効期限
2019年6月27日開催の当社第118回定時株主総会において本プラン継続の承認議案が可決されたため、本プランの有効期限は、2020年6月30日までに開催される第119回定時株主総会の終結の時までとします。但し、当社第119回定時株主総会において本プランを継続することが承認された場合は、かかる有効期限はさらに1年間延長されるものとし、その後も同様とします。当社取締役会は、本プランを継続することが承認された場合、その旨を速やかにお知らせします。
但し、本プランは、有効期限の満了前であっても、当社株主総会又は当社取締役会の決議に基づいて、廃止することができるものとします。また、当社株主共同の利益の保護の観点から、関係法令の整備や、東京証券取引所が定める上場制度の整備等を踏まえ随時見直しを行い、当社株主総会の承認を得て本プランの変更を行うことがあります。但し、関係法令及び取引所規則等の改廃に伴う、実質的な内容の変更を含まない本プランの技術的修正については、当社取締役会決議により行うことができるものとします。これらの変更又は修正を行う場合には、その内容を速やかにお知らせします。
なお、本プランの有効期限は当社第119回定時株主総会の終結の時までの約1年間ですので、取締役会が本プランの継続の承認を求める議案を同定時株主総会に提出しなければ本プランは延長されず失効しますし、また、有効期限の満了前に当社株主総会又は取締役会の決議に基づき本プランを廃止することもできます。さらに、本プランにおいては、取締役会があらかじめ同意をすれば、特定の当社株券等の買付行為に対する本プランの適用を排除することもできます。以上から、本プランはデッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させても、なお発動を阻止できない買収防衛策)ないしスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)のいずれにもあたりません。
7.本プランが本基本方針に沿うものであること、当社株主共同の利益を損なうものではないこと、及び当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと及びその理由
(1)本プランが本基本方針に沿うものであること
本プランは、大量買付ルールの内容、大量買付行為が為された場合の対応方針、株主及び投資家の皆様に与える影響等を規定するものです。
本プランは、大量買付者が大量買付行為に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供すること、及び当社取締役会のための一定の評価期間が経過し、株主の皆様に当社取締役会が対抗措置をとることの是非を株主意思確認総会において直接的に意思を確認した後にのみ当該大量買付行為を開始することを求め、これを遵守しない大量買付者に対して当社取締役会が対抗措置を講じることがある旨を定めております。
また、大量買付ルールが遵守されている場合は、原則として株主意思確認総会における株主の皆様のご判断に基づいて、大量買付行為に対して対抗措置を発動すべきか否かを決するものとしており、対抗措置の発動を承認する決議がなされない限り、大量買付行為に対する対抗措置をとらない旨を定めております。
このように本プランは、本基本方針の考え方に沿って設計されたものであるといえます。
(2)本プランが当社株主共同の利益を損なうものではないこと
本基本方針は、当社株主共同の利益を尊重することを前提としています。本プランは、本基本方針の考え方に沿って設計され、当社株主の皆様が大量買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や当社取締役会の意見の提供、代替案の提示を受ける機会の提供を保障し、最終的には大量買付行為の提案を受けた時点における株主の皆様により対抗措置の発動の是非を判断していただくことを目的としております。本プランによって、当社株主及び投資家の皆様は適切な投資判断を行うことができますので、本プランが当社株主共同の利益を損なうものではなく、むしろその利益に資するものであると考えます。
さらに、本プランの発効・延長が当社株主の皆様の承認を条件としており、当社株主が望めば本プランの廃止も可能であることは、本プランが当社株主共同の利益を損なわないことを担保していると考えられます。
(3)本プランが当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと
本プランは、大量買付行為を受け入れるか否かが最終的には当社株主の皆様の判断に委ねられるべきことを大原則としつつ、当社株主共同の利益を守るために必要な範囲で大量買付ルールの遵守の要請や対抗措置の発動を行うものです。本プランは当社取締役会が対抗措置を発動する場合を事前かつ詳細に開示しており、当社取締役会による対抗措置の発動は本プランの規定に従って行われ、原則として株主の皆様に株主意思確認総会において直接的に発動の是非を判断していただきます。また、当社取締役会は単独で本プランの発効・延長を行うことはできず、当社株主の皆様の承認を要します。
以上から、本プランが当社役員の地位の維持を目的とするものでないことは明らかであると考えております。
(注) 新株予約権概要
1.新株予約権付与の対象となる株主及びその発行条件
当社取締役会で定める割当期日における最終の株主名簿に記載又は記録された株主に対し、その所有する当社普通株式(但し、当社の所有する当社普通株式を除く。)1株につき1個の割合で新たに払込みをさせないで新株予約権を割当てる。
2.新株予約権の目的となる株式の種類及び数
新株予約権の目的となる株式の種類は当社普通株式とし、新株予約権の目的となる株式の総数は、当社取締役会で定める割当期日における当社発行可能株式総数から当社普通株式の発行済株式(当社の所有する当社普通株式を除く。)の総数を減じた株式数を上限とする。新株予約権1個当たりの目的となる株式の数は当社取締役会が別途定める数とする。但し、当社が株式分割又は株式併合を行う場合は、所要の調整を行うものとする。
3.発行する新株予約権の総数
新株予約権の割当総数は、当社取締役会が別途定める数とする。当社取締役会は、複数回にわたり新株予約権の割当を行うことがある。
4.各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額(払込みをなすべき額)
各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額(払込みをなすべき額)は1円以上で当社取締役会が定める額とする。
5.新株予約権の譲渡制限
新株予約権の譲渡による当該新株予約権の取得については、当社取締役会の承認を要する。
6.新株予約権の行使条件
議決権割合が20%以上の特定株主グループに属する者に行使を認めないこと等を行使の条件として定める。詳細については、当社取締役会において別途定めるものとする。
7.新株予約権の行使期間等
新株予約権の行使期間、取得事由及び取得条件その他必要な事項については、当社取締役会が別途定めるものとする。
当社グループの事業において、重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあると考えており、会社運営にあたり注意を払っております。
当社グループは、真のグローバリゼーションの中での事業拡大を目指し、将来のニーズを予測し、多大な経営資源を技術革新・新製品開発に投入しておりますが、市場、お客様ニーズ及び業界の技術の急激な変化等により、お客様の必要とする新技術・新製品がタイムリーに開発できなかった場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの生産及び販売活動は、日本のみならず、北米、欧州、アジア等の地域に展開しており、現時点で連結ベースでの海外売上高比率は約7割を占めるまでになりました。これらの海外での事業展開には、以下のようなリスクが内在しており、これらの事象が発生した場合、製品の生産、販売に遅延や停止が生じる可能性があります。これらの遅延・停止は当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
① 予期しえない法律・規則、不利な影響を及ぼす租税制度の変更
② 事業に対して不利な政治的または経済的要因の発生
③ 人財の採用と確保の難しさ及び労務問題の発生
④ 技術インフラの未整備
⑤ テロ・戦争・ストライキ等の社会的混乱
⑥ 大規模な自然災害や伝染病の発生
当社グループは、お客様のグローバルプラットフォーム化などのニーズに対応するためには、モノづくりを世界共通にすることが必要と考え、安全、品質、効率、コスト面での更なる向上を図るため、IoTを含む生産技術開発及び生産設備への投資に積極的に取り組んでおりますが、これらを効果的かつタイムリーに実施できなかった場合、あるいは、当社戦略と市場のニーズにズレが生じた場合、その投資を回収できず、ビジネスチャンスを失い、結果として、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、情報セキュリティ委員会を設置し、情報セキュリティ・個人情報保護について、ハード面・ソフト面(規則遵守・啓蒙活動)から漏洩防止等の情報管理の徹底に努めておりますが、当社グループで保有している機密情報、個人情報が漏洩した場合、会社の信用失墜により当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの殆どの業務は情報システムのサポートを受けており、システムも年々複雑化高度化しているため、想定を超える災害の発生やサイバー攻撃その他の原因で、システムの誤動作や停止が発生した場合、その内容や規模により、正常な事業の継続が困難になることから当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、安全・安心を支える上で品質は最も重要であると考え、常に、より高度な品質保証体制の構築を目指しております。自工程での品質保証、過去の不具合に学び失敗を繰り返さないなどの活動の浸透を進め、万全の体制をもって製品の生産に努めております。但し、当社グループの製品は直接安全に関わる製品であり、万が一、製品の欠陥等が発生し、お客様への流出が防止できなかった場合、多大な費用の発生と社会的信用の低下により、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにとって人財は経営の基盤であり、競争力を維持・向上し続けるためには、高度な専門技術に精通した人財、経営のマネジメント能力に優れた人財を採用し、高齢化に対する技術を伝承する人財を計画的に育成することが重要であると考えております。特に近年、グローバルな事業活動を一層進めるなかで、それらの環境で活躍できる人財の育成・確保が急務であり、国内外での積極的な採用活動、研修・教育の充実、コア人財の流出の防止などの施策を講じています。これらの施策にも拘わらず、当社グループの人財育成・確保、適材適所の配置が計画通り進まなかった場合、長期的視点から当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおける営業収入は当社グループが製品を生産・販売している国または地域の経済状況の影響を受けます。すなわち、日本・北米・欧州・アジアを含む当社グループの主要市場における景気後退、及びそれに伴う予測を超えた需要の縮小は当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループにおける営業収入のうち、OEM製品の依存度が大きく、そのため自動車メーカー及びTier1メーカー(自動車メーカーの1次取引先)の業績不振、予期せぬ契約の打ち切り、価格の値引き、調達方針の変更は当社グループの事業、業績及び財政状態に多大な影響を及ぼす可能性があります。また、国内外の競合他社との競争の激化等により、製品価格あるいは販売量が大幅に変動した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、地球環境保全の見地から環境問題への対応は企業としての重要な社会的責任であると考えており、地球環境委員会を設置し、環境に配慮した製品の開発、CO2排出量削減を始めとして様々な環境対策を進めております。また、当社グループが事業を展開する各国における環境に関する規制及び自動車の安全性への規制は強化される傾向にあり、これらの規制を遵守するための技術的課題に適応する投資が増大すると予想しております。環境・安全規制への適応が難しい場合、当社グループへの社会的信頼が損なわれる可能性も想定され、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが過去に原材料として使用していたアスベストの問題については、社内に特別委員会を設置し、従業員・近隣住民を含めての健康診断や相談窓口を設ける等積極的対応を実施しておりますが、アスベストを含む製品に関連して発生する訴訟や費用負担が当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内外に多くの事業拠点を有しております。地震、台風、洪水等の自然災害や強毒化した新型インフルエンザなど疫病の流行による操業停止をせざるを得ない様な事態の発生に備え、国内においては事業継続計画(BCP)の策定により危機管理マニュアルの整備から、従業員の安全確保、災害の未然防止、早期復旧、建物の耐震補強、設備の転倒防止、また、防災訓練・危機状態を想定した演習の実施など事業継続マネジメント(BCM)体制を構築中です。但し、予想を超える規模の被災により建物や設備の倒壊・破損、ライフライン・輸送ルート・情報インフラの寸断、人的資源への重大な影響などによる生産の中断といった事態が生じた場合、当社グループの事業活動の一部または全体に大きな支障をきたす可能性があります。また、損害を蒙った建物・設備等の修復のために多額の費用が発生したり、顧客への製品供給が遅れること等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、akebonoグローバル行動規範、akebonoグローバル行動基準やコンプライアンス規定等を整備し、定期的なコンプライアンス委員会の開催をはじめとしたコンプライアンス活動を行っております。コンプライアンス委員会において承認された年間活動計画に沿って、コンプライアンステストやヒアリング、下請法・インサイダー取引防止を含む各種研修など、社員のコンプライアンス意識向上のための各種施策を実施しております。また、コンプライアンスe-ラーニングをグローバルで導入しております。
社内・社外相談窓口に寄せられた相談については、適宜必要な調査を実施し、適切に対応しております。また、コンプライアンス活動状況と相談窓口への相談内容については、定期的に取締役会に報告しております。しかしながら、こうした対策は目的の達成を完全に保証したものではなく、役職員個人による法令違反を含むコンプライアンス上の問題が発生した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
11) 知的財産におけるリスク
当社グループは、他社製品と差別化できる技術とノウハウを保有しております。これらの技術とノウハウは今後の当社グループの発展に不可欠なものであり、これらの知的財産保護については最善の努力を傾注しておりますが、特定の地域では、知的財産権による保護が不完全であったり、限定的であったりします。このため、第三者が当社グループの知的財産を無断使用して類似した製品を製造することを防止できない可能性があり、このような場合、当社グループは損害を被ることになります。また、当社グループが知的財産権に関して、第三者より訴訟を提起されたり、当社グループが自らの知的財産権行使のために訴訟を提起しなければならないことがあります。その場合において、多額の訴訟費用が費やされる可能性もあり、また、当社グループが第三者の知的財産権を侵害しているとの申し立てが認められた場合には、当社グループが特定の技術を利用できない可能性や多額の損害賠償責任を負う可能性もあります。このように、知的財産権について重大な係争問題が発生した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
12) 原材料等の調達に関するリスク
当社グループは多数の外部取引先から原材料・鋼材・部品等を調達しておりますが、そのいくつかの原材料・鋼材・部品等については、市況変化による価格の高騰や品不足、特定の取引先への依存による取引先の生産能力不足による納入遅延、取引先が製造した製品の欠陥、経営状態の悪化、不慮の事故、自然災害等によって、当社グループの製造コストの上昇、生産遅延・停止が起こり、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
13) 為替・金利などの変動によるリスク
当社グループの事業は、各地域毎に原材料・部品の輸入、製品等の輸出の取引があります。また、当社グループの資産及び負債の一部は外貨建てであります。為替リスクを最小限に軽減すべく、当社グループは為替予約や資産と負債の額を通貨毎に同額とすることによるヘッジを実施しておりますが全てのリスクをヘッジすることは難しく、その変動は当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の海外関係会社財務諸表は現地通貨で作成されておりますが、当社グループの連結財務諸表作成時においてこれらの財務諸表は円換算されるため、現地における通貨金額が変わらない場合においても、換算時の為替レートにより円換算後の連結財務諸表上の金額が影響を受けることがあります。また、金利情勢や証券市場の変動が当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
14) 継続企業の前提に関する重要事象等について
当社グループは、米系完成車メーカーの乗用車生産からの撤退や、生産混乱に起因して次期モデル用ブレーキ製品の受注を逃したこと等の新たな北米事業の課題が発生し、当連結会計年度において、多額の減損損失を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純損失183億円となり、連結貸借対照表の株主資本は△55億円となりました。その結果、財務制限条項に抵触し、一部の銀行借入の弁済を約定どおり進めることも困難となっていることから、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当該重要事象等を解消、改善するための対応策は「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (5)事業等のリスクに記載した重要事象等を解消するための対応策」に記載のとおり、当該重要事象等を解消すべく、当社らは、事業再生ADR手続を利用して関係当事者であるお取引金融機関の合意のもとで、今後の再成長に向けた強固な収益体質の確立と財務体質の抜本的な改善を目指しております。
事業再生ADR手続のもとで、全てのお取引金融機関から一時停止の通知書(借入金元本の返済の一時停止等の要請)にかかる同意(追認)、及び、コミットメントライン契約に基づくプレDIPファイナンスにより借入れをすることを含めた主要取引金融機関による資金支援を頂いたことによって、当社グループの当面の資金繰りを確保しております。かかる事業再生ADR手続の中で、現在、事業再生計画案の協議を継続し、事業再生計画の成立を目指しておりますが、仮に事業再生計画が予定どおりに成立しない場合には、今後の資金繰りに重要な影響を及ぼし、当社の取引先に対する信用が悪化すること等により当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、「第5 経理の状況 注記事項 (継続企業の前提に関する事項)」に記載のとおり、現在策定中の事業再生計画案においては、財務体質の大幅な改善のため、スポンサーによる出資を受けることも検討しております。かかるスポンサー出資の具体的な金額や内容は本有価証券報告書提出日現在において未定ですが、これにより既存株主の皆様が保有する普通株式について希薄化が生じる可能性があります。
なお、上述した将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度(注)における当社グループの売上高は、欧州とアジア地域での受注は好調だったものの、日本、北米での減収の影響で2,437億円(前期比8.0%減)となりました。利益については、日本および北米における受注減少や鋼材など資材の市況高騰の影響が大きく営業利益は2億円(前期比97.4%減)、経常利益は28億円の損失(前期は58億円の利益)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、米国の4工場、スロバキア工場ならびにタイの鋳物工場で合計151億円の固定資産の減損損失を計上したことが大きく影響し、183億円の損失(前期は8億円の利益)となりました。
地域セグメントごとの業績は次の通りです。
①日本
SUV(スポーツ用多目的車)用製品や小型トラック用製品、フォークリフト用をはじめとした産業機械用製品などの受注の好調に加え、新型車の立ち上げによる売上増があったものの、一部の国内完成車メーカーにおける欧米向け輸出車両の販売低迷、当社製品採用車の生産打ち切りなどの影響が大きく、売上高は772億円(前期比5.2%減)となりました。
利益面では、生産性向上や材料スクラップ率改善といった生産の合理化や調達の合理化効果があったものの、大幅な受注の減少や鋼材など資材の市況大幅高騰によるコスト増およびその他経費の増加等により、6億円の営業損失(前期は営業利益33億円)となりました。
②北米
補修品業界全体の在庫調整のために低迷していた補修品ビジネスは、市場の回復に加え、販売チャネルの増加など拡販に努めた結果、前期と比べ17.6%の増収となりました。しかしながら、米系完成車メーカーにおける主要車種の新規モデルへの切り換えと同時に受注を逃したこと、米系完成車メーカーの乗用車生産からの撤退などの影響で、売上高は1,196億円(前期比14.5%減)となりました。
利益面では、人員の適正化、生産や調達の合理化などの取り組みにおいて一定の効果が出ているものの、大幅な受注の減少と鋼材など資材の市況高騰により、40億円の営業損失(前期は営業利益15億円)となりました。
③欧州
補修品市場向け摩擦材ビジネスは減少しましたが、高性能量販車用製品やグローバルプラットフォーム(全世界での車台共通化)車用製品の受注増加が大きく貢献し、売上高は158億円(前期比12.3%増)と大幅な増収となりました。
利益面では、スロバキア工場における受注増の影響に加え、生産性改善と品質の向上によるスクラップ費用の大幅削減や、米国から調達していたキャリパー用基幹部品を欧州現地調達に切り替えるなど材料費の購入価格低減に取り組んだ結果、営業損失は7億円(前期比13億円の改善)と大幅に改善しました。第4四半期にはスロバキア工場の営業利益が0.6億円の黒字となるなど、予定より少し遅れがあったものの、ハイパフォーマンスブレーキ(高性能量販車用ブレーキ)ビジネス拡大を進めてきた成果が出てまいりました。
④中国
SUV用製品や新型車の生産立ち上げにともなう受注増があったものの、第4四半期における中国自動車需要縮小の影響により一部の日本メーカーや欧州メーカー向け製品の売上が減少し、売上高は218億円(前期比2.9%減)にとどまりました。
利益面では、環境規制強化にともなう設備投資を含めた環境対策コストの増加、資材の市況高騰、労務費の上昇、供給価格の値下げ要求などがあり、生産性向上などの合理化に努めましたが、コスト増を吸収しきれず営業利益は23億円(前期比13.0%減)となりました。
⑤タイ
タイ国内向け小型車用製品やピックアップトラック用製品の受注が拡大したものの、当社製品採用車の生産打ち切りの影響などにより売上高は79億円(前期比0.2%減)にとどまりました。
利益面では、利益率の高い摩擦材製品の生産が減少したことに加え、新規モデル向け製品立ち上げのための先行費用の発生など減益要因がありましたが、合理化や償却費減少などの効果があり、営業利益は6億円(前期比13.4%増)となりました。
⑥インドネシア
インドネシアの自動車市場全体が好調に推移する中、MPV(多目的乗用車)用製品の新規立ち上げや、既存車種のフルモデルチェンジなどが相次ぎ、受注は好調に推移しました。また、小型トラック用製品の立ち上げや、自動二輪車用製品の受注増、欧州向けグローバルプラットフォーム車用製品の好調な需要も続き、売上高は204億円(前期比8.4%増)となりました。
利益面では、円高による為替換算の影響や人員増による労務費の上昇、輸送費などの経費増があったものの、受注増による増益効果とともに、生産性改善などの合理化も大きく貢献し、営業利益は24億円(前期比23.5%増)となりました。
(注)当連結会計年度とは
(1) 北米・中国・タイ・インドネシア:2018年1月~2018年12月
(2) 日本・欧州 :2018年4月~2019年3月 となります。
当期末の総資産は、前期末比248億円減少の1,686億円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当期末の現金及び現金同等物は、前期末比61億円増加の188億円となりました。
主な要因は、利息の支払額21億円や法人税等の支払額20億円あった一方で、税金等調整前当期純損失△131億円、減損損失151億円、減価償却費117億円および運転資本の増減額△28億円などにより、資金が増加したことによるものです。
主な要因は、投資有価証券の売却による収入82億円があった一方で、日米を中心とした設備投資により有形固定資産の取得による支出が123億円となり、資金が減少したことによるものです。
主な要因は、長期借入金の返済による支出123億円があった一方で、短期借入金の純増額138億円や社債の発行による収入20億円などにより、資金が増加したことによるものです。
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によるものであります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
3 前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先への販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。なお、本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものでありますが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について、当社が保証するものではありません。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、固定資産の減損、有価証券の減損、繰延税金資産の計上、引当金の計上等の重要な会計方針に沿った見積りを行い、継続して評価を実施しています。
なお、実際の結果は、見積りによる不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
当連結会計年度は、売上高は2,437億円と対前期比213億円(△8.0%)の減少となりました。欧州での17億円の増収はあったものの、北米での203億円の減収、日本での42億円の減収が主な要因です。
売上原価は2,216億円と対前期比138億円(△5.8%)の減少となり、販売費及び一般管理費は218億円と対前期比4億円(+2.1%)の増加となりました。日本・北米での大幅な減収に対して固定費の削減が追いつかなかったことや、鋼材など資材の想定以上の高騰が大きく影響し、営業利益は2億円と対前期比79億円(△97.4%)の大幅な減益となりました。
営業外損益については、支払利息は対前期比2億円増加したことなどにより、経常利益は対前期比86億円減少し、△28億円となりました。特別損益については、投資有価証券売却益51億円等を計上しましたが、米国の4工場、欧州のスロバキア工場、タイの鋳物工場において、合計で151億円の減損損失等を計上いたしました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は△131億円(対前期比173億円の悪化)、親会社株主に帰属する当期純利益は△183億円(対前期比190億円の悪化)となりました。
なお、中期経営計画(2016年4月~2019年3月)の最終年度である2018年度の達成・進捗状況は以下のとおりです。
(3) 財政状態の分析
(資産)
流動資産は708億円と前期末比31億円の増加となりました。主な要因は、有利子負債の増加などにより現金及び預金が61億円増加したことや、たな卸資産が33億円減少したことによるものです。
固定資産は978億円と前期末比280億円の減少となりました。主な要因は、上場有価証券の売却などにより投資有価証券が88億円減少したこと、減損損失151億円の計上などにより有形固定資産が176億円減少したことによるものです。
(負債)
流動負債は1,101億円と前期末比227億円の増加となりました。主な要因は、有利子負債が日本と北米を中心に274億円増加したことによるものです。
固定負債は506億円と前期末比239億円の減少となりました。主な要因は、有利子負債が235億円減少したことによるものです。
(純資産)
当期末の純資産は79億円と前期末比236億円の減少となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失183億円の計上により利益剰余金が大幅に減少したこと、上場有価証券の売却などによりその他有価証券評価差額金が40億円減少したこと、為替の影響により為替換算調整勘定が11億円減少したことによるものです。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を資金調達の基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,137億円、現金及び現金同等物の残高は188億円となっております。
また、有利子負債残高から「現金及び預金」を控除したネット有利子負債残高は949億円と前期末と比べ22億円減少しました。
当社グループは「2 事業等のリスク 14) 継続企業の前提に関する重要事象等について」に記載のとおり、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当該重要事象等を解消、改善するための対応策として、当社は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (継続企業の前提に関する事項)」に記載のとおり、事業再生ADR手続を利用して関係当事者である金融機関の合意のもとで、今後の再成長に向けた強固な収益体質の確立と財務体質の抜本的な改善を目指すことといたしました。今後の事業再生ADR手続の中で、全てのお取引金融機関と協議を進めながら、公平中立な立場から事業再生実務家協会より調査・指導・助言をいただき、事業再生計画案を策定・実行していくことで、当該重要事象等の改善に努めてまいります。
該当事項はありません。
当社グループでは、コア技術である「摩擦と振動、その制御と解析」技術を活かし、自動車のみならず、あらゆる交通機関、産業機械の各種ブレーキ製品を担う新摩擦材・次世代型のブレーキの開発を進めております。また製品開発を支える基礎技術、解析の深化を重点的に行うための研究開発への投資と開発体制の充実を図っております。
開発戦略としては、“技術の軸”と“技術の連続性”を基本とし、音・振動に対する知見をさらに深化させ、低引き摺り化・軽量化・グリーン材料化などの環境対応技術開発、電動ブレーキ開発を始めとした自動運転対応技術開発、高性能車両向けのブレーキ開発を継続し、推進してまいります。これらの開発は日本・米国・欧州・中国・タイの開発拠点を中心として、地産地消を基本に現地開発、現地調達を更に促進し、グローバル拠点それぞれの特長を活かしながら、必要な技術を駆使してグローバル競争力を高めた次期製品開発に注力しております。
(日本)
ブレーキ摩擦材開発については、環境対応技術開発を軸に取り組みを進めております。グローバルなニーズ及び米国ワシントン州を含む複数の州で条例化された銅に関する環境規制に対応する銅フリー摩擦材開発を中心に、高性能で音・振動特性に優れ、かつ昨今着目されてきているホイールダストの制御に挑戦しながら、環境に配慮した摩擦材原材料を使用した高品質な製品の開発を進めております。同時に、低コスト化についても、性能や環境へ配慮しながら開発を進めております。また、EV・PHV・HV車のブレーキ特性にあわせた摩擦材の開発を進めております。
ディスクブレーキの開発においても、高性能車両向け、環境対応、自動運転への対応、更には新構造ブレーキの開発取り組みを軸に開発に注力しております。
高性能車両向けアルミ合金製対向型ブレーキにおいては、F1用ブレーキ開発で培った技術を盛り込み、製品化を実現しております。部品の共通化・標準化を徹底的に実行し、コスト競争力を向上させつつ、新規開発へのリソースの配分を増加させる事によって、差別化製品を提供してまいります。
環境に配慮した製品開発に対しても、車の燃費向上の観点から革新的な軽量化と引き摺り低減に取り組んでおります。自動運転に対応する為の電動化技術として、パーキングブレーキ機構を電動化した電動パーキングブレーキ製品、及び、サービスブレーキ機構も電動化した電動サービスブレーキ製品の技術開発を進めております。また、電動パーキングブレーキにおいては、量産立上げに向けた事業化準備も併せて展開しております。
ブレーキの基本構造を新たに開発した新構造ブレーキ開発も進めております。従来製品に対して、ブレーキが安定するほか、大幅な軽量化も狙っております。この開発を軸に低燃費車や電気自動車(EV)へのシフトに対応してまいります。
また、グローバルでの供給を更に強化させる為、技術面とコスト面のベンチマークを徹底して行い、使用地域の独自性や使用状況に応じた製品造りへの技術開発を進めております。
㈱曙ブレーキ中央技術研究所においては、環境対応を中心とし将来に向けた技術の差別化によって低環境負荷、省エネルギー、危機管理(脱枯渇、戦略物質)、安全/快適性などの追求を中長期主要課題と捉え、独自材料開発、次世代コンセプトブレーキ開発を軸として課題解決に向けた取り組みを展開しております。(1)独自材料開発では、摩擦材向けバインダー(結合材)として植物由来のリグノセルロースナノファイバーを複合化した樹脂をはじめ、持続可能資源・低環境負荷物質の活用を前提とした材料技術による高機能化、技術の連続性・拡大性の追求を進めております。(2)次世代コンセプトブレーキ開発では、摩擦ブレーキとは大きく異なる構造を持つMR流体(Magneto Rheological Fluid)を用いた新発想のブレーキの開発をはじめ、応答性、コントロール性向上による自働化、摩耗粉ゼロ・鳴き振動制御による低環境負荷・快適性の追求、構造設計・軽量素材による小型・軽量化を研究開発戦略として取り組んでおります。さらに、摩擦材向け材料開発で培った機能性粒子創製技術を活用し、新市場向けへの積極的な材料適用化検討を推進し、新規事業分野の開拓に取り組んでまいります。
今後も中長期を見据えた研究開発に取り組み、他社との差別化、優位性確保を図っていきます。
北米自動車メーカー向けはもとより、グローバルなニーズに対応できる製品開発に取り組んでおります。日系自動車メーカー向けにおいても、開発から量産までの現地完結型開発を展開しております。摩擦材においては、2019年1月から製品別事業部制に移行し、北米での製品開発においてもグローバルでの連携を一段と進めております。米国ワシントン州を含む複数の州で条例化された環境規制に対応した、乗用車からピックアップトラック用まで高性能で音・振動特性に優れた材料開発を行っております。ブレーキの機構開発に関しては、新構造ブレーキ開発、電動ブレーキ開発を日本と連携しながら進めております。
欧州における摩擦材開発に関しては、フランスの研究開発拠点を中心に、高速でのブレーキ特性に対応する高性能(効き、ジャダー)及び、音・振動特性など、環境規制の厳しい欧州市場に適合する摩擦材から日米市場向け輸出欧州車に適合する摩擦材まで幅広いお客様ニーズに対応できる開発を行っております。日系のお客様のみならず、欧州市場でのお客様に対する摩擦材の開発、生産の供給体制を整えております。現地調達原材料による材料の共通化により、コスト競争力の強化を目的とした開発も進めております。
上記のほか、ドイツに開発機関(現地法人)を置き、よりお客様に密接したディスクブレーキ適用開発を進めており、イギリスにある開発機関では、F1を含むモータースポーツ用ディスクブレーキ開発を通じた技術開発に特化し、日本と連携しながらお客様の声を反映させた開発を進めております。
(中国)
新興国市場のニーズに合わせた製品を提供するため、現地のお客様の声を反映させた製品の開発・設計を進めております。摩擦材においては、部品・原材料の現地調達化と現地の環境に適したつくり方により、新興国市場で通用するコストと性能特性を有する製品開発を行っております。ディスクブレーキにおいては、中国市場のお客様の要求や使われ方を調査・分析し、必要な機能・性能を低コストで提供できる製品の開発と提案を行っております。
(タイ)
タイのブレーキ開発拠点を軸に成長著しいASEAN諸国のニーズに合わせ、地産地消を基本に現地開発、現地調達を更に促進し、お客様のニーズを反映した開発を推進してまいります。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は