第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している以下の主要なリスクが発生しております。

なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(継続企業の前提に関する重要事象等について)

当社グループは、2019年9月18日付「『事業再生計画』の株式会社東京証券取引所への提出に関するお知らせ」にて公表したとおり、産業競争力強化法に基づく特定認証紛争解決手続(事業再生ADR手続)の中で全てのお取引金融機関からご同意いただいた事業再生計画に沿って、事業再構築のための各施策に引き続き取り組んでおります。しかしながら、近年においては新型コロナウイルス感染症の世界的流行や部品不足による完成車メーカーの減産、原材料価格やエネルギーコストの市況高騰などの影響を大きく受け、安定的に資金を創出するに至っておりません。

このような状況下、当第1四半期連結累計期間末において、事業再生計画期間の末日である2024年6月30日を一括返済期日としている借入金48,513百万円(1年内返済予定長期借入金32,572百万円、長期借入金15,941百万円)が、手元流動性25,834百万円(現金及び預金)に比して高水準となり、借入金の一括での返済に困難性が生じていることから、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しております。このような状況を早期に解消するために、以下の対応策を実行し、収益性及び財務体質の改善を図ってまいります。

 

(1) 収益性の改善

事業再生計画に沿って、全ての拠点・事業部門において、できる限り早期の赤字脱却を実現すべく、聖域なき構造改革を実行しております。米国においては、引き続き1工場体制へのシフトの検討も含め、売上規模減少に応じた米国本社間接人員の削減により販管費を圧縮するとともに、オペレーションの適正化と生産性の向上により収益の確保を目指します。また、全ての地域において、原材料価格やエネルギーコストの市況高騰による影響の一部を販売価格へ転嫁することや、人員の適正化、生産性改善などの合理化を進めることにより、収益性の改善を図ってまいります。

 

(2) 財務体質の改善

保有資産の売却や投資案件の厳選及び抑制などを通じて、運転資金の安定的な確保に努めております。お取引金融機関に対しては、事業再生計画の進捗状況や当社グループの経営成績及び財政状態を定期的に報告し、事業再生計画期間終了後においても継続的な支援が得られるよう緊密な連携を続けてまいります。

 

しかしながら、これらの対応策は進捗の途上であり、お取引金融機関からの支援につきましても一定の理解は得られているものの、確約されているものではないことから、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。

 

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものでありますが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について、当社が保証するものではありません。

 

(1) 経営成績の状況

当社第1四半期(2023年4月1日2023年6月30日)における当社グループを取り巻く事業環境は、世界的なインフレによる原材料価格・エネルギーコストの市況高騰や、各国の利上げによる景気の下振れリスクなど、依然として不透明な状況が続いております。

このような状況下、当第1四半期連結累計期間(注)における当社グループの業績は、半導体供給不足の影響が段階的に改善していることや、日本・北米・欧州を中心とした自動車需要の回復、円安の影響などにより、売上高は410億円対前年同期比64億円(+18.7%)の増収となりました。

利益面では、原材料価格やエネルギーコストの市況高騰影響の販売価格への転嫁や生産性改善などの合理化を進めたものの、原材料価格・エネルギーコストの高止まりによる負担増などにより、営業損失は1億円(前期は営業利益2億円)となりました。経常利益は、為替相場の変動により当社が保有する海外子会社への外貨建ての貸付金に対して発生した為替差益などにより12億円対前年同期比20億円(△61.7%)の減益となりました。

特別損益については、2022年6月に閉鎖したアラス工場(フランス)の不動産売却により固定資産売却益を計上しました。これにより、親会社株主に帰属する四半期純利益は13億円となったものの、対前年同期比では16億円(△56.7%)の減益となりました。

 

(単位:億円)

 

前期

当期

増減

増減率

売上高

345

410

64

18.7%

営業利益

2

△1

△3

-%

経常利益

32

12

△20

△61.7%

税金等調整前四半期純利益

35

17

△19

△52.7%

親会社株主に帰属する四半期純利益

29

13

△16

△56.7%

 

 

セグメントごとの業績は次のとおりです。

(単位:億円)

 

売上高

営業利益

前期

当期

増減

増減率

前期

当期

増減

増減率

日本

154

167

13

8.7%

1

5

4

413.3%

北米

85

119

33

39.3%

△4

△10

△6

-%

欧州

32

41

10

30.1%

△3

2

5

-%

中国

29

28

△1

△4.4%

△0

△3

△3

-%

タイ

17

17

△1

△3.0%

2

1

△1

△47.8%

インドネシア

54

63

9

17.2%

5

4

△2

△33.4%

連結消去

△26

△25

1

-%

1

1

0

17.4%

連結

345

410

64

18.7%

2

△1

△3

-%

 

 

① 日本

半導体の供給改善に伴う完成車メーカーの挽回生産による受注の増加、原材料価格やエネルギーコストの市況高騰影響の販売価格への転嫁などにより、売上高は167億円対前年同期比13億円(+8.7%)の増収となりました。

利益面では、前期から継続する原材料価格やエネルギーコストの市況高騰影響があるものの、売上高の増加に加え、前期に実施した早期退職措置等による労務費の適正化や生産性向上などの合理化により、営業利益は5億円対前年同期比4億円(+413.3%)の増益となりました。

 

 

② 北米

半導体の供給改善に伴う完成車メーカーの挽回生産による受注増加に加え、前期の後半に立ち上がった新型車向け製品により、売上高は119億円対前年同期比33億円(+39.3%)の増収となりました。

利益面では原材料価格やエネルギーコストの市況高騰影響の販売価格への転嫁や生産性改善に努めているものの、新型車向け製品の開発費用の増加、賃金上昇による労務費の増加、生産合理化や経費削減の大幅な遅れを背景に、営業損失は10億円(前期は営業損失4億円)となりました。

 

③ 欧州

前期にフランスのアラス工場を閉鎖したことによる売上高の減少がありましたが、半導体の供給改善に伴う完成車メーカーの挽回生産によりスロバキア工場の受注が増加したため、売上高は41億円対前年同期比10億円(+30.1%)の増収となりました。

利益面では、アラス工場閉鎖による固定費削減効果や受注増加の影響により、営業利益は2億円(前期は営業損失3億円)となりました。

 

④ 中国

前期の後半に立ち上がった中国系完成車メーカー向け製品の売上が増加した一方で、ガソリン車の購入税優遇政策の終了等で主要な日系完成車メーカーを中心に受注が減少したことにより、売上高は28億円対前年同期比1億円(△4.4%)の減収となりました。

利益面では、生産性向上などの合理化に取り組んだものの、受注減少や利益率の高い摩擦材製品の生産が減少した影響により、営業損失は3億円(前期は営業損失0.1億円)となりました。

 

⑤ タイ

一部車種の半導体不足により主要な日系完成車メーカー向け製品の受注が減少し、売上高は17億円対前年同期比1億円(△3.0%)の減収となりました。

利益面では、生産性向上などの合理化に取り組んだものの、受注減少及びエネルギーコストなどの市況高騰影響により、営業利益は1億円対前年同期比1億円(△47.8%)の減益となりました。

 

⑥ インドネシア

インドネシア経済全体が回復傾向にあり、小型乗用車用製品を中心とした受注が好調なことから、売上高は63億円対前年同期比9億円(+17.2%)の増収となりました。

利益面では、受注増加の影響に加え、生産性向上などの合理化に取り組んだものの、前期から継続する原材料価格の市況高騰、賃金上昇による労務費の増加が影響し、営業利益は4億円対前年同期比2億円(△33.4%)の減益となりました。

 

(注) 当第1四半期連結累計期間とは

(1) 北米・中国・タイ・インドネシア:2023年1月~2023年3月

(2) 日本・欧州          :2023年4月~2023年6月 となります。

 

 

(2) 財政状態の状況

資産、負債及び純資産の状況

(単位:億円)

(資産の部)

前期末

当期末

増減

(負債・純資産の部)

前期末

当期末

増減

流動資産

739

747

8

流動負債

329

666

337

現金及び預金

255

258

3

仕入債務

205

207

2

売上債権

285

288

3

有利子負債

14

328

314

棚卸資産

177

174

△3

その他

110

131

22

その他

22

26

5

固定負債

581

243

△338

固定資産

674

694

19

有利子負債

482

161

△321

有形固定資産

494

497

2

その他

99

82

△17

投資有価証券

66

80

15

負債合計

910

909

△1

その他

115

117

2

純資産

503

532

29

総資産

1,413

1,440

27

負債・純資産

1,413

1,440

27

 

 

(資産)

当期末の資産は1,440億円と前期末比27億円の増加となりました。流動資産は747億円と前期末比8億円の増加となりました。これは主に、円安の影響や受注の回復などにより現金及び預金が3億円売上債権が3億円それぞれ増加したことによるものです。固定資産は694億円と前期末比19億円の増加となりました。これは主に、株価の上昇により投資有価証券が15億円増加したこと並びに減価償却費を計上した一方で設備投資及び円安の影響により有形固定資産が2億円増加したことによるものです。

(負債)

当期末の負債は909億円と前期末比1億円の減少となりました。これは主に、円安の影響や受注の回復などにより仕入債務が2億円増加した一方で返済などにより有利子負債が8億円減少したことによるものです。なお、前期末比で固定負債の有利子負債が321億円減少し、流動負債の有利子負債が314億円増加しております。これは主に、返済期日が1年内となったことから、長期借入金の一部が1年内返済予定の長期借入金に振り替わったことによるものです。

有利子負債残高489億円から「現金及び預金」を控除したネット有利子負債残高は230億円であります。

(純資産)

当期末純資産は532億円と前期末比29億円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が13億円増加したことや株価の上昇により有価証券評価差額金が10億円増加したことによるものです。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当期末の現金及び現金同等物は、前期末比3億円増加258億円となりました。

(単位:億円)

 

前期

当期

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

39

27

△12

投資活動によるキャッシュ・フロー

△15

△4

12

 

 

 

(フリー・キャッシュ・フロー)

23

23

△0

財務活動によるキャッシュ・フロー

△13

△14

△1

換算差額

△21

△6

15

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

主な要因として、税金等調整前四半期純利益17億円減価償却費16億円があった一方で、法人税等の支払額4億円事業再編による支出4億円などがあり、資金が増加となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

主な要因として、フランスにおける閉鎖した拠点の資産売却などにより有形及び無形固定資産の売却による収入5億円があった一方で、日本・インドネシアを中心とした設備投資により有形及び無形固定資産の取得による支出9億円の計上などがあり、資金が減少となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

主な要因として、長期借入金の返済による支出9億円及び非支配株主への配当金の支払額4億円などにより、資金が減少となりました。

 

(4) 経営方針

第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は600百万円であり、この他に日常的な改良に伴って発生した研究開発関連の費用は1,143百万円であります。

なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。

2019年9月18日付「『事業再生計画』の株式会社東京証券取引所への提出に関するお知らせ」にて公表したとおり、産業競争力強化法に基づく特定認証紛争解決手続(事業再生ADR手続)の中で全てのお取引金融機関からご同意いただいた事業再生計画に沿って、事業再構築のための各施策に引き続き取り組んでまいります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。