当連結会計年度の世界経済は緩やかな成長がみられましたが、新興国の経済減速やイギリスのEU離脱決定、米国の政権交代など不透明な状況が続きました。自動車業界におきましては、世界の自動車販売台数は比較的堅調に推移しました。
このような情勢のなかで、当社グループは、商品開発の強化をはかるとともに、グローバル事業拡大、ものづくり進化、経営基盤の強化に取り組んでまいりました。
「商品開発の強化」につきましては、主力製品の競争力強化に向けたコア技術の手の内化やシステム化対応を進めてまいりました。活動の成果としましては、自動車の排出ガス抑制と燃費向上に貢献する新型のEGRバルブを開発いたしました。
「グローバル事業拡大」につきましては、メキシコに設立した「アイサン オートパーツ メキシコ株式会社」において第2工場を稼働させるなど成長地域を主体に供給体制の拡充を進めてまいりました。
「ものづくり進化」につきましては、新工法の開発を進めるとともに、ものづくり主導で設計・調達と一体となり製品構造を見直す3Cue(Concurrent unified engineering)活動などに取り組んでまいりました。
「経営基盤の強化」につきましては、設計・生産技術・製造の三位一体活動により、お客様から信頼いただける品質の確保と生産性向上に努めてまいりました。また、自動車生産の伸びが期待できない国内においては、固定費の抑制や変動費率の改善などの収益構造改革に取り組んでまいりました。一方で、成長が期待できる海外拠点での収益体質強化を進めてまいりました。
当連結会計年度の業績といたしましては、売上高は203,769百万円と前期に比べて5.4%の減収となりました。利益につきましては、営業利益は8,159百万円と前期に比べて17.2%の減益となり、経常利益は7,407百万円と20.8%の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は、4,505百万円と27.4%の減益となりました。
地域別の業績は次のとおりであります。なお、売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
[日本]海外への生産移管の影響などにより、売上高は98,303百万円(前期比9.2%減)となりました。営業利益は、売上高の減少および退職給付費用の増加などにより、689百万円(前期比78.6%減)となりました。
[アジア]為替の影響がありましたものの販売量の増加により、売上高は74,496百万円(前期比1.1%増)となりました。営業利益は、売上高の増加および収益改善などにより、6,043百万円(前期比3.1%増)となりました。
[米州]販売量の増加はありましたものの為替の影響などにより、売上高は35,818百万円(前期比8.8%減)となりました。一方、米国の収益改善などにより、営業利益は739百万円(前期比347.0%増)となりました。
[欧州]販売量の増加はありましたものの為替の影響により、売上高は13,361百万円(前期比3.9%減)となり、営業利益は938百万円(前期比1.2%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は28,680百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,138百万円減少いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、14,395百万円の収入となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上および減価償却費によるもので、前年同期に比べ9,737百万円の収入減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、16,431百万円の支出となりました。これは主に設備投資によるもので、前年同期に比べ2,990百万円の支出増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、3,510百万円の支出となりました。これは主に短期借入および配当金の支払によるもので、前年同期に比べ1,925百万円の支出増加となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
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日本 |
71,742 |
93.8% |
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アジア |
61,180 |
100.2% |
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米州 |
32,528 |
88.8% |
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欧州 |
10,828 |
94.6% |
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合計 |
176,280 |
95.0% |
(注) 1 金額は製造原価によっており、セグメント間内部振替後の数値によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、トヨタ自動車株式会社はじめ各納入先よりおおむね四半期ごとの生産計画の提示をうけ、当社グループの生産能力を勘案して、これにより生産計画をたてております。なお、主たる受注先は、トヨタ自動車株式会社で約50%を占めております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
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日本 |
81,635 |
90.6 |
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アジア |
73,181 |
101.2 |
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米州 |
35,657 |
91.2 |
|
欧州 |
13,294 |
96.3 |
|
合計 |
203,769 |
94.6 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
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販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
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トヨタ自動車㈱ |
108,389 |
50.3 |
97,939 |
48.1 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループの経営の基本的な考え方は、以下のとおりであります。
1. お客様第一の心で商品を創り
2. 知恵と技術で高品質を実現し
3. 人を大切にする明るい職場を築いて
企業の繁栄と豊かな環境作りで社会に貢献する
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、2018年度 連結売上高2,500億円、連結営業利益150億円を中期経営目標として掲げております。
ROE(自己資本当期純利益率)につきましては、10%以上を目標としております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、「VISION 2020」で掲げた企業グループのめざす姿の実現に向けた活動に全力で取り組んでまいります。
・ビジョン:「Carving the future for Customers 世界のお客様に感動を・・・」
・めざす姿:「システムサプライヤーとして、あらゆる動力源の制御で世界に貢献する」
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループは全社一丸となって、次の重点課題に取り組んでまいります。
①成長のための事業戦略
市場動向や技術トレンドを的確に捉え、成長地域・分野の事業拡大を積極的にはかるとともに、当社のコア技術を活用した新規事業分野の開拓にも取り組んでまいります。
②商品開発・ものづくりでの競争力強化
当社が長年培ってきたバルブ、ポンプ、モータ、センサなどのコア製品・技術に一層の磨きをかけ、次世代・将来製品の開発や自動車の電動化に対応した製品の開発を進めてまいります。また、コストハーフをめざした3Cue活動を継続し、ものづくり主導の競争力強化に努めてまいります。
③グループ経営基盤の強化
働き方改革を通じた効果的・効率的なリソーセス活用などにより収益体質を一層強化するとともに、グループ全体でのコーポレートガバナンスの充実をはかり、経営基盤の強化を進めてまいります。
これらの活動を通じて、当社グループは、世界のお客様に感動いただける商品・サービスを提供できる企業を目指して努力する所存です。
当社グループの財政状態、経営成績および株価などに影響を及ぼす可能性のあるリスクとしては、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 経済状況
当社グループの全世界における営業収入のうち、重要な部分を占める自動車部品の需要は当社グループが製品を販売している国または地域の自動車生産台数に影響を受けます。
従って、日本、アジアおよび米州等の当社グループの市場における景気後退、およびそれに伴う自動車生産台数の減少は当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 為替レートの変動
当社グループの事業には、世界の各地域における製品の生産・販売が含まれております。一般に現地通貨に対する円高は当社グループの事業に悪影響を及ぼし、円安は好影響をもたらします。為替レートの大幅な変動は、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 原材料や部品の価格
当社グループは、製品の製造に使用する原材料や部品を複数の供給元から調達しております。これらの供給元とは取引基本契約を締結し、安定的な取引を行っておりますが、市況の変化による価格の高騰や品不足が生じないという保証はありません。その場合、当社グループの製造原価の上昇を招き、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 新製品開発
当社グループはお客様が期待される以上の品質・性能・コストの実現、安全・環境を配慮し、あらゆる動力源に対応したシステム・製品の開発を行い、エンジン制御分野での世界トップメーカーをめざしております。
当社グループは今後も継続して魅力ある製品を開発できると考えておりますが、当社グループが属する自動車部品業界の技術的な進歩をはじめとする急速な変化に対応できない場合、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 価格競争
自動車部品業界における価格競争は大変厳しいものとなっており、販売している各製品が各地域においてさらに厳しい価格競争に直面することが予想されます。このような価格競争に対処すべく、生産性向上などの合理化活動や最適調達などによりコスト低減を図っておりますが、全世界の競合他社との価格競争に打ち勝てない場合、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 特定の取引先への依存
当社グループの主要な販売先として、その他の関係会社であるトヨタ自動車株式会社があります。当連結会計年度における当社グループの売上高の5割程度はトヨタ自動車株式会社向けであり、同社の販売動向は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 国際活動および海外進出に潜在するリスク
当社グループは、様々な国で製品の生産と販売を行っております。その国々における予期しない政治的要因、テロ、戦争などの社会的混乱、経済状況の変化に加え、ストライキによる操業の中断などは、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 製品の欠陥
当社グループは、世界のお客様に「安心」「信頼」される品質を実現するため、設計から生産、販売をはじめ、あらゆる工程で品質の造り込みに全力をあげて活動しております。しかしすべての製品に欠陥がなく、将来においてリコール等が発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については万一に備え保険に加入していますが、この保険が、最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。大規模なリコール等や製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストを要するとともに、当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9) 災害や停電等による影響
当社グループは、製造ラインの中断やサプライチェーンの分断による影響を最小化するために、定期的な災害防止検査と点検を行っております。しかしサプライチェーンを含めた生産施設で発生する災害、停電またはその他の中断事象による影響を完全に防止または軽減できる保証はありません。従って大規模な地震やその他の操業を中断する事象が発生した場合、当社グループの生産能力が著しく低下する可能性があります。
(10) 退職給付債務
当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等の数理計算上の前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されております。従って、実際の結果が前提条件と異なった場合、または前提条件が変更された場合は、将来の期間に認識される費用および計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 訴訟および法的手続
当社グループは、ビジネス活動において、継続的な法令遵守に努めています。それにも関わらず、様々な訴訟および規制当局による法的手続の当事者となる可能性があり、その場合には当社グループの業績および財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
また、当社グループは、他社製品との差別化をはかるために、独自の技術ノウハウの蓄積と知的財産の保護に努めておりますが、当社グループの製品は広範囲にわたる技術を利用しているため、第三者の知的財産権を侵害しているとして、訴訟の当事者となる可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、地球環境にやさしく省エネルギーで世界の人たちに安全にご利用いただけるクルマの創造に貢献できる企業集団を目指して技術開発を進めております。自動車の燃料系・吸排気系製品の専門メーカーとして、低燃費、排出ガス低減、さらには性能向上、安全性・快適性に応えられる製品の開発を強化しております。
その中でも、低燃費、排出ガス低減に関して、排気ガス循環(EGR)システムの流量制御を行うEGRバルブの開発を、排出ガス低減に関し、各国のエバポ規制強化に対応したキャニスタの開発に取り組んでまいりました。
成果として、EGRバルブについては、要求される流量・応答性・密閉性の全てを高い次元で対応したDCモータ式EGRバルブを量産化しました。このEGRバルブは、弊社独自の回転式偏心ポペット弁構造を組み込んで、大流量・高応答・高密閉を実現しました。なお、従来から量産化しておりますステップモータ式EGRバルブに関しましても、性能、信頼性の向上と低価格化の改良を続けております。
キャニスタに関しては、北米LEVⅢ規制に加え、欧州のユーロ6規制に対応した製品を量産化いたしました。なお、これらの製品は、今後規制強化が予定される中国へも展開予定です。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は、日本において10,052百万円、アジアにおいて870百万円、総額で10,922百万円であります。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国で一般に公正妥当と認められている会計基準に従って作成されております。これらの連結財務諸表の作成にあたって、期末日における資産・負債の金額および報告期間における収益・費用の金額に影響する見積り、判断および仮定を使用する必要があります。当社グループの会計方針のうち、見積り等の重要性が高いものを以下に挙げております。
① 製品保証引当金
当社グループは、製品の品質保証費用の支出に充てるため、納入先とのクレーム補償契約に基づくクレームは過去の実績を基礎にして当連結会計年度売上高に対応する発生見込額を繰り入れ、当連結会計年度保証期間経過対応分を取崩しており、そのほか臨時多額に発生したクレームに対応するため、その支出見込額を繰り入れ、支出額を取崩しております。この計算は見積りによるものであり、本質的に不確実性を内包しております。従って、実際のクレーム費は見積りと異なることがあり、製品保証引当金の積み増しの必要性が生じる可能性があります。
② 退職給付費用
退職給付費用および債務の計算は、その計算の際に使われた仮定により異なります。これらの仮定には、割引率、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率などの要因が含まれております。これらの仮定と実際の結果との差額は発生した連結会計年度に債務認識しております。当社は使用した仮定は妥当なものと考えておりますが、実績との差異または仮定自体の変更により、当社グループの退職給付費用および債務に影響を与える可能性があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
売上高は、前連結会計年度に比べ11,591百万円減収の203,769百万円となりました。これは主にフューエルポンプモジュール、キャニスタ、インジェクタが減少していることによるものであります。
また、海外売上高はアジア、米州地域が減少したため、3,752百万円減少し、124,565百万円となりました。
セグメントの売上高は、日本ではフューエルポンプモジュール、インジェクタ、スロットルボデーの減少により98,303百万円(前期比9,942百万円減、9.2%減)となりました。
アジアはEGRクーラバイパスバルブ、フューエルポンプモジュールの増加により74,496百万円(前期比833百万円増、1.1%増)となりました。
米州はキャニスタ、フューエルポンプモジュールの減少により35,818百万円(前期比3,446百万円減、8.8%減)となりました。
欧州はフューエルポンプモジュールの減少により13,361百万円(前期比535百万円減、3.9%減)となりました。
利益につきましては、為替により売上高が増加したものの数量の減少などにより営業利益は8,159百万円と前連結会計年度に比べて17.2%の減益となりました。また、経常利益は7,407百万円と前連結会計年度に比べて20.8%の減益となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、4,505百万円と前連結会計年度に比べて27.4%の減益となりました。
セグメントの営業利益は、日本は海外への生産移管の影響による売上高の減少により、営業利益は689百万円(前期比2,539百万円減、78.6%減)となりました。
アジアは主に自動車生産の増加による売上高の増加により、営業利益は6,043百万円(前期比184百万円増、3.1%増)となりました。
米州は為替により売上高が減少したものの、米国の収益改善などにより、営業利益は739百万円(前期比574百万円増、347.0%増)となりました。
欧州は為替により売上高が減少したものの、営業利益は938百万円(前期比11百万円増、1.2%増)となりました。
(3) 資本の財源および資金の流動性
① 資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは、当社グループ製品の製造のための材料や部品の購入および新製品生産や増産対応等にかかる設備投資によるものであります。
② 財務政策
当社グループは現在、運転資金および設備投資資金については、原則内部資金または借入により資金調達することとしております。借入による資金調達に関しては、運転資金としての短期借入金を各連結子会社が、設備等の長期借入金を当社および各連結子会社が調達しております。また、その一部はグループ内資金の効率化を目的としグループ会社間で融資を行っております。
当社グループは財務の健全性を保ち、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことによって、当社グループの将来必要な運転資金および設備投資資金を調達することが可能と考えております。