(1) 会社の経営の基本方針
当社グループの経営の基本的な考え方は、以下のとおりであります。
1. お客様第一の心で商品を創り
2. 知恵と技術で高品質を実現し
3. 人を大切にする明るい職場を築いて
企業の繁栄と豊かな環境作りで社会に貢献する
(2) 中長期的な目標指標
当社グループは、営業利益率ならびにROE(自己資本当期純利益率)の向上を中長期的な目標指標として掲げております。ROEにつきましては、10%以上を目標としております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、「VISION 2020」で掲げた企業グループのめざす姿の実現に向けた活動に全力で取り組んでまいります。
・ビジョン:「Carving the future for Customers 世界のお客様に感動を・・・」
・めざす姿:「システムサプライヤーとして、あらゆる動力源の制御で世界に貢献する」
(4) 会社の対処すべき課題
①商品力強化
クルマの電動化は当面の間、ハイブリッド車などエンジン搭載車を主体に進むと見られ、エンジンはさらなる効率化が求められています。当社は主力製品の商品力をさらに強化し、クルマのCO2削減に引続き貢献するとともに、商品・顧客ならびに地域軸での戦略を再整理しながら、収益基盤を維持・拡大してまいります。
②成長事業の推進
市場や環境規制の動向、顧客ニーズなどを的確に捉えて、成長分野・地域の事業を着実に前進させてまいります。今後も進化するエンジンや次世代動力源など、あらゆる動力源の制御で世界に貢献するため、適合事業の領域拡大を進めるとともに、付加価値の高いシステム製品を開発してまいります。インド2輪事業においては、合弁パートナーであるフィエム社と協力しながら事業拡大をはかってまいります。
③ものづくり深化
新機種への切替えやグローバル事業拡大にともない設備投資が増加傾向にあるなか、製品の種類集約や設備仕様の見直しにより、投資効率を向上するとともに、新たな工法やスマート・スリムな設備開発を強化してまいります。
これらの活動を通じて、当社グループは、世界のお客様に感動いただける商品・サービスを提供できる企業をめざして努力する所存です。
当社グループの財政状態、経営成績および株価などに影響を及ぼす可能性のあるリスクとしては、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 経済状況
当社グループの全世界における営業収入のうち、重要な部分を占める自動車部品の需要は当社グループが製品を販売している国または地域の自動車生産台数に影響を受けます。
従って、日本、アジアおよび米州等の当社グループの市場における景気後退、およびそれに伴う自動車生産台数の減少は当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 為替レートの変動
当社グループの事業には、世界の各地域における製品の生産・販売が含まれております。一般に現地通貨に対する円高は当社グループの事業に悪影響を及ぼし、円安は好影響をもたらします。為替レートの大幅な変動は、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 原材料や部品の価格
当社グループは、製品の製造に使用する原材料や部品を複数の供給元から調達しております。これらの供給元とは取引基本契約を締結し、安定的な取引を行っておりますが、市況の変化による価格の高騰や品不足が生じないという保証はありません。その場合、当社グループの製造原価の上昇を招き、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 新製品開発
当社グループはお客様が期待される以上の品質・性能・コストの実現、安全・環境を配慮し、あらゆる動力源に対応したシステム・製品の開発を行い、エンジン制御分野での世界トップメーカーをめざしております。
当社グループは今後も継続して魅力ある製品を開発できると考えておりますが、当社グループが属する自動車部品業界の技術的な進歩をはじめとする急速な変化に対応できない場合、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 価格競争
自動車部品業界における価格競争は大変厳しいものとなっており、販売している各製品が各地域においてさらに厳しい価格競争に直面することが予想されます。このような価格競争に対処すべく、生産性向上などの合理化活動や最適調達などによりコスト低減を図っておりますが、全世界の競合他社との価格競争に打ち勝てない場合、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 特定の取引先への依存
当社グループの主要な販売先として、その他の関係会社であるトヨタ自動車株式会社があります。当連結会計年度における当社グループの売上高の5割程度はトヨタ自動車株式会社向けであり、同社の販売動向は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 国際活動および海外進出に潜在するリスク
当社グループは、様々な国で製品の生産と販売を行っております。その国々における予期しない政治的要因、テロ、戦争などの社会的混乱、経済状況の変化に加え、ストライキによる操業の中断などは、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 製品の欠陥
当社グループは、世界のお客様に「安心」「信頼」される品質を実現するため、設計から生産、販売をはじめ、あらゆる工程で品質の造り込みに全力をあげて活動しております。しかしすべての製品に欠陥がなく、将来においてリコール等が発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については万一に備え保険に加入していますが、この保険が、最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。大規模なリコール等や製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストを要するとともに、当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9) 災害や停電等による影響
当社グループは、製造ラインの中断やサプライチェーンの分断による影響を最小化するために、定期的な災害防止検査と点検を行っております。しかしサプライチェーンを含めた生産施設で発生する災害、停電またはその他の中断事象による影響を完全に防止または軽減できる保証はありません。従って大規模な地震やその他の操業を中断する事象が発生した場合、当社グループの生産能力が著しく低下する可能性があります。
(10) 退職給付債務
当社グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等の数理計算上の前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されております。従って、実際の結果が前提条件と異なった場合、または前提条件が変更された場合は、将来の期間に認識される費用および計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 訴訟および法的手続
当社グループは、ビジネス活動において、継続的な法令遵守に努めています。それにも関わらず、様々な訴訟および規制当局による法的手続の当事者となる可能性があり、その場合には当社グループの業績および財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
また、当社グループは、他社製品との差別化をはかるために、独自の技術ノウハウの蓄積と知的財産の保護に努めておりますが、当社グループの製品は広範囲にわたる技術を利用しているため、第三者の知的財産権を侵害しているとして、訴訟の当事者となる可能性があります。
当連結会計年度の世界経済は、米欧など先進国が堅調であったことに加え、中国など新興国でも持ち直しの動きが見られ、緩やかな回復基調が続きました。自動車業界におきましては、世界の自動車生産は、総じて堅調に推移しました。
このような情勢のなかで、当社グループは、主力製品の商品力強化、グローバルでの事業拡大、経営基盤の強化に取り組んでまいりました。
「商品力強化」としましては、シンプルで造り易い製品構造に変革するとともに、新たな工法や設備技術の開発により、小規模・フレキシブルな生産ラインづくりを進めてまいりました。活動の成果としましては、TNGA(Toyota New Global Architecture)によりパワートレーンを一新した新型カムリに、軽量・コンパクトで燃費向上に貢献するスロットルボデーやEGRバルブなどが採用されました。また、様々な人に優しく快適なタクシー専用車として開発されたジャパンタクシーには、省電力化をはかった燃料ポンプモジュールなどが搭載されました。
「グローバル事業拡大」としましては、成長地域を主体として継続的に供給体制の拡充を進めてまいりました結果、アジアにおきましては、中国自動車市場の好調とアセアン2輪車市場の回復基調もあり販売数量が拡大しました。世界最大の2輪車市場であるインドでは、環境規制強化による燃料噴射システムの需要拡大に対応するため、インド・フィエム社と合弁契約を締結するとともに、現地生産体制の拡充に着手しました。
「経営基盤強化」としましては、国内においては、購入費改善や生産性向上など変動費率の改善を重点に収益構造改革を継続するとともに、成長の主体である海外拠点での収益体質強化を進めてまいりました。
当連結会計年度の業績といたしましては、売上高は212,524百万円と前期に比べて4.3%の増収となりました。利益につきましては、営業利益は9,421百万円(営業利益率4.4%)と前期に比べて15.5%の増益、経常利益は9,770百万円と31.9%の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前期並みの4,526百万円となりました。
地域別の業績は、次のとおりであります。なお、売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
[日本]売上高は98,895百万円(前期比0.6%増)、営業利益は収益改善効果により992百万円(前期比44.0%増)となりました。
[アジア]各国での販売量の増加で売上高は80,718百万円(前期比8.4%増)、営業利益は6,561百万円(前期比8.6%増)となりました。
[米州]米国の販売量の減少で売上高は34,869百万円(前期比2.6%減)となりましたが、営業利益はメキシコ生産拠点の安定化などにより1,567百万円(前期比111.9%増)となりました。
[欧州]売上高は販売量の増加で15,473百万円(前期比15.8%増)となりましたが、営業利益はチェコの人手不足によるコスト増により178百万円(前期比80.9%減)となりました。
生産、受注および販売の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
71,988 |
100.3 |
|
アジア |
66,029 |
107.9 |
|
米州 |
31,185 |
95.9 |
|
欧州 |
13,321 |
123.0 |
|
合計 |
182,525 |
103.5 |
(注) 1 金額は製造原価によっており、セグメント間内部振替後の数値によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、トヨタ自動車株式会社はじめ各納入先よりおおむね四半期ごとの生産計画の提示をうけ、当社グループの生産能力を勘案して、これにより生産計画をたてております。なお、主たる受注先は、トヨタ自動車株式会社で約50%を占めております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
83,173 |
101.9 |
|
アジア |
79,156 |
108.2 |
|
米州 |
34,766 |
97.5 |
|
欧州 |
15,428 |
116.1 |
|
合計 |
212,524 |
104.3 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2016年4月1日 至 2017年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
||
|
販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
|
トヨタ自動車㈱ |
97,939 |
48.1 |
99,298 |
46.7 |
|
現代自動車㈱ |
26,654 |
13.1 |
27,006 |
12.7 |
当連結会計年度末の総資産は、現金及び預金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ17,735百万円増加し、196,650百万円となりました。
負債は、社債および借入金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ11,488百万円増加し、105,688百万円となりました。
また、純資産は、利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ6,246百万円増加し、90,961百万円となりました。
地域別の資産は、次のとおりであります。
[日本]投資有価証券の増加などにより、前連結会計年度末に比べ、1,539百万円増加し、79,065百万円となりました。
[アジア]円安による海外子会社資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べ、3,243百万円増加し、63,373百万円となりました。
[米州]円高による海外子会社資産の減少などにより、前連結会計年度末に比べ、257百万円減少し、20,202百万円となりました。
[欧州]受注増加に伴う設備投資の増加などにより、前連結会計年度末に比べ、2,516百万円増加し、11,955百万円となりました。
なお、当社グループの連結財務諸表は、我が国で一般に公正妥当と認められている会計基準に従って作成されております。これらの連結財務諸表の作成にあたって、期末日における資産・負債の金額および報告期間における収益・費用の金額に影響する見積り、判断および仮定を使用する必要があります。当社グループの会計方針のうち、見積り等の重要性が高いものを以下に挙げております。
① 製品保証引当金
当社グループは、製品の品質保証費用の支出に充てるため、納入先とのクレーム補償契約に基づくクレームは過去の実績を基礎にして当連結会計年度売上高に対応する発生見込額を繰り入れ、当連結会計年度保証期間経過対応分を取崩しており、そのほか臨時多額に発生したクレームに対応するため、その支出見込額を繰り入れ、支出額を取崩しております。この計算は見積りによるものであり、本質的に不確実性を内包しております。従って、実際のクレーム費は見積りと異なることがあり、製品保証引当金の積み増しの必要性が生じる可能性があります。
② 退職給付費用
退職給付費用および債務の計算は、その計算の際に使われた仮定により異なります。これらの仮定には、割引率、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率などの要因が含まれております。これらの仮定と実際の結果との差額は発生した連結会計年度に債務認識しております。当社は使用した仮定は妥当なものと考えておりますが、実績との差異または仮定自体の変更により、当社グループの退職給付費用および債務に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は43,537百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,856百万円増加いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、13,767百万円の収入となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上および減価償却費によるもので、前年同期に比べ627百万円の収入減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、11,145百万円の支出となりました。これは主に設備投資によるもので、前年同期に比べ5,285百万円の支出減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、11,779百万円の収入となりました。これは主に社債発行によるもので、前年同期に比べ15,289百万円の収入増加となりました。
資本の財源および資金の流動性については、下記のとおりとしております。
① 資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは、当社グループ製品の製造のための材料や部品の購入および新製品生産や増産対応等にかかる設備投資によるものであります。
② 財務政策
当社グループは現在、運転資金および設備投資資金については、原則内部資金または借入および社債の発行により資金調達することとしております。借入による資金調達に関しては、運転資金としての短期借入金を各連結子会社が、設備等の長期借入金を当社および各連結子会社が調達しております。また、その一部はグループ内資金の効率化を目的としグループ会社間で融資を行っております。
当社グループは財務の健全性を保ち、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことによって、当社グループの将来必要な運転資金および設備投資資金を調達することが可能と考えております。
該当事項はありません。
当社グループは、「豊かなモビリティ社会の実現に向け、技術とものづくりで貢献」をミッションに掲げ、よりよい製品の提案と新たな価値の創造をめざして研究開発活動を進めています。
コアとなる技術は、制御技術とエンジニアリング(適合)。制御技術:あらゆる流体を精密にコントロールする流体制御技術や、センサによって運転状況を瞬時に判断し、エンジン性能を最大限に発揮できるようコントロールするモータ制御技術。エンジニアリング:走行性能や環境性能、乗り心地のよさなど相反する要素を高い次元で実現させ、クルマの構成に合う最適解を導き出す。これらのコア技術を高めながら、製品開発を行っています。
クルマの電動化は当面の間、ハイブリッド車やプラグイン ハイブリッド車などのエンジン搭載車を主体に進むと見られ、エンジンはさらなる効率化が求められています。エンジン熱効率向上とクルマのCO2削減に引続き貢献するため、既存のエンジン部品を、より軽量・コンパクトで高効率に進化させるとともに、より付加価値の高いシステム製品の開発を進めています。
エンジニアリングにつきましては、強みであるエンジン制御をベースに、モータ制御、さらにはシステム制御へと領域拡大とレベルアップをはかってまいります。
活動の成果としましては、設計から評価まで一貫して開発を行った「LPGハイブリッドシステム」がトヨタ自動車株式会社のジャパンタクシーに採用されました。
当連結会計年度における研究開発費は、日本で10,554百万円、アジアで642百万円、総額で11,196百万円であります。