第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、お客さまをはじめとするステークホルダーの皆様から信頼され、選ばれ続けるブランドとなることを目指し、全社一丸となって事業活動を推進すべく、下記の「コーポレートビジョン」を策定しています。

 

私たちはクルマをこよなく愛しています。

人々と共に、クルマを通じて豊かな人生を過ごしていきたい。

未来においても地球や社会とクルマが共存している姿を思い描き、

どんな困難にも独創的な発想で挑戦し続けています。

 

1.カーライフを通じて人生の輝きを人々に提供します。

2.地球や社会と永続的に共存するクルマをより多くの人々に提供します。

3.挑戦することを真剣に楽しみ、独創的な“道(どう)”を極め続けます。

 

(2) 経営環境及び対処すべき課題

「中期経営方針」について

当社は、2020年に創立100周年という大きな節目を迎えます。100年の長きにわたり、マツダを支えてくださった多くの方々に大変感謝しています。次の100年に向けて、会社を持続、発展させることが大きな責任と考えています。当社が企業として持続、発展し続けるために大切にしなければならないものは「マツダの独自性」です。その独自性を当社と関わるすべての人々と共に創ることだと考えています。また、人と共に創ることこそを、当社の独自性として持ち続けたいと思っています。

この考えの下、次の100年に至る一里塚として、2030年から2040年のマツダブランドのありたい姿を描きました。そして、ありたい姿の実現に向けて、新型「MAZDA3」から始まる新世代商品群の完遂までの6年間を新しい中期経営計画の期間として、経営方針を策定しました。策定にあたっては、これまで取り組んできた中期経営計画「構造改革プラン」と「構造改革ステージ2」を振り返り、マツダの強み・弱みを再認識し、自動車業界を取り巻く外部環境を考慮しました。そして、重点的に経営資源の配分を行い、取り組むべき3つの領域と、各領域での施策の方向性を定めました。

取り組むべき領域の1つ目は、ブランド価値をさらに高めるための「独自の商品・顧客体験への投資」です。マツダの強みである独自性をもつ商品や技術、および顧客体験の向上への投資を継続、強化し、より多くのお客さまにマツダの提供する価値に共感していただけるよう取り組み、売上の成長を図ります。2つ目は、「ブランド価値を低下させる支出の抑制」です。販売奨励金や品質対応費用など相対的にブランド価値を低下させる支出の徹底的な抑制を図ります。そして3つ目の領域は、これまで十分な取り組みができていないと考える「遅れている領域への投資」です。具体的には、2021年に稼働開始予定の米国合弁新工場など地産地消を考慮した生産拠点の最適化、コネクティッドやシェアリング等のインフラ、今後のCASE(*)に対応するためのアライアンス強化、従業員・働く環境などへの投資です。

この方針に基づき、さらに施策を具体化し、ありたい姿と2025年3月期の経営指標の実現に向けて挑戦と努力を続け、持続的成長と中長期的な企業価値の向上に向けて取り組んでいきます。

(*)コネクティビティ技術/自動運転技術/シェアード・サービス/電動化技術といった新技術の総称

 

 

 
 中期経営方針(2020年3月期~2025年3月期)

重点的に経営資源の配分を行い、取り組むべき3つの領域

・独自の商品、顧客体験への投資

・ブランド価値を低下させる支出の抑制

・遅れている領域への投資

 

2025年3月期指標

売上

 

約4.5兆円

収益性

 

安定的利益創出

ROS:5%以上/ROE:10%以上

将来投資

 

設備投資+開発投資:売上高比7-8%(平均)

販売ネットワーク、顧客体験、インフラ、従業員/働く環境等

財務基盤

 

ネットキャッシュ維持

株主還元

 

安定的に配当性向30%以上

販売台数

 

約180万台

 

 

※ 文中における将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末時点において当社グループが判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は実際の結果とは異なる可能性があり、その達成を保証するものではありません。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主として以下のようなものがあります。

以下に記載する事項は、当連結会計年度末現在において予想される主なリスクを記載したものであり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。なお、文中における将来に関する事項につきましては当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 当社グループの事業を取り巻く経済情勢

当社グループは、日本を始め北米、欧州、アジアを含む世界各地域に製品を販売しており、それぞれの市場における景気動向や需要変動に強い影響を受けています。従いまして、当社グループの主要市場において、景気の減速または後退、需要構造の変化、需要減少、価格競争の激化等が進むことにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替レートの変動

当社グループは、日本から世界各地域へ製品を輸出しているほか、海外の工場で製造した製品を世界の他の市場へ輸出するなど、グローバルな事業活動を展開しています。これらの取引は様々な通貨を通じて行われているため、為替レートの変動は当社グループの経営成績と財政状態に影響を与えます。加えて、海外の現地通貨建の資産・負債等を円換算しているため、為替レート変動により、為替換算調整勘定を通じて自己資本に悪影響を及ぼす可能性があります。また、為替レート変動リスクを最小限にするために為替予約を行っていますが、為替レートの変動状況によっては機会損失が発生する可能性があります。

 

(3) 他社との提携、合弁の成否

当社グループは、商品の開発、生産、販売に関し、技術提携や合弁等の形で、他社と共同活動を実施、もしくは検討を行っています。これにより経営資源の最適化、集中化及び相乗効果を期待しています。しかしながら、経営、財務またはその他の理由により当事者間で不一致が生じた場合、あるいは、提携や合弁の変更または解消等により、期待される結果を生まなかった場合には、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、意図しない提携や合弁の変更または解消が、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 環境等に関する法的規制

当社グループは、事業展開する各国において、燃費及び排気ガス、車両の安全性、製造工場からの汚染物質排出レベルに関する規制などの環境規制のほか、労働規制など、様々な法的規制を受けています。今後、法的規制の強化によるコストの増加などにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 市場競争力

当社グループが製品を販売している世界各地域の自動車市場においては、多様な競合相手が存在しています。ブランド価値の維持発展を含む市場での競争力の維持強化は当社グループの成長にとって非常に重要であり、そのために開発・製造・販売等において競争力の強化に向けた取り組みを進めています。しかしながら、市場の予測が十分でなかった場合、あるいは技術力や生産上の問題等により、魅力ある製品を適切な時期に投入することが出来なかった場合、あるいはお客さまの価値観または変化に対応した流通網、販売手法を効果的に展開できなかった場合、販売シェアの低下や製品価格の低下を含め、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 原材料、部品の調達

当社グループは、原材料及び部品の購入を複数のグループ外のサプライヤーに依存しています。従って、これらの供給元企業が災害等により被災した場合等の供給能力の制約や物流機能の低下、また需給の逼迫や契約条件の変更または破棄等により、当社グループの生産に必要な量を確保することが困難になる場合、あるいは当社グループが調達している原材料の価格が高騰し、生産性向上などの内部努力や価格への転嫁などによりその影響を吸収できない場合や、調達した原材料または部品の品質が不十分であった場合には、製品の生産状況の悪化やコスト上昇を招く可能性があり、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(7) 国際的な事業活動に伴うリスク

当社グループは、日本を始め世界各地域に製品を販売しており、米国、欧州及び発展途上市場や新興市場を含む海外市場において事業活動を行っています。これらの海外市場での事業展開には以下のようなリスクが内在しており、当該リスクの顕在化により、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

・不利な政治、経済要因

・法律または規則の変更による障害

・関税などの輸出入規制、不利な税制及びその他の規制

・人材の採用と確保の難しさ

・未整備のインフラ

・ストライキ等の労働争議

・テロ、戦争あるいは疾病その他の要因による社会的混乱

 

(8) 知的財産権による保護

当社グループは、事業の優位性を確保するために他社製品と区別化できる技術とノウハウの蓄積、それらの保護並びに、第三者の知的財産権に対する侵害予防に努めています。それにもかかわらず、認識または見解相違により、第三者からその知的財産権を侵害したとして訴訟を受け、当社グループとして製造販売中止、あるいは損害賠償などが必要となった場合には、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、特定の地域では当社グループの知的財産権が完全に保護されない場合があります。第三者が当社グループの知的財産権を無断使用して類似した製品を製造した場合、多額の訴訟費用のみならず製品区別化が図れないことによる販売減少により、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 製品の品質

当社グループは、市場の要求に応えるべく品質改善に努める一方で、製品の安全性の確保にも最善の努力を注いでいます。しかしながら、予測できない原因により製品に欠陥が生じ、大規模なリコール等が発生した場合には、多額のコストの発生、ブランドイメージの低下、市場信頼性の失墜などにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 自然災害や事故に関するリスク

当社グループは、製造設備等の主要施設に関して、防火、耐震対策などを実施すると共に、財務リスクを最小化すべく災害保険加入等の対策を行っています。しかしながら、大規模な地震、台風、洪水等の自然災害及び火災等の事故の発生により製品供給に重大な支障を来たした場合、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 情報技術への依存

当社グループは、製品の開発、生産、販売など、様々なビジネス活動の遂行において、情報技術やネットワーク、システムを利用しています。また、当社製品にも、運転支援システムなど、これら技術を採用した装備が搭載されています。情報技術やネットワーク、システムには、安全な運用のため対策が施されていますが、インフラ障害、サイバー攻撃、コンピューターウイルスへの感染等などによって、各種業務活動の停止、データの喪失、機密情報の漏洩、当社製品の機能低下などが発生する可能性があります。この場合、対策費用の発生、当社製品の信用の失墜やブランドイメージの毀損などにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 財務会計リスク

当社グループの経営成績及び財政状態は、以下の財務会計的な要因を含む、資産及び負債への財務会計上の評価や、会計基準の変更及び新たな適用により、影響を受ける可能性があります。

① 繰延税金資産

繰延税金資産は、将来減算一時差異等に対して、将来の課税所得に関する予想等に基づく回収可能性を評価することにより計上されていますが、経営状況の悪化により回収できないと判断された場合や、税率変更を含む税制改正等があった場合には、評価性引当額の計上などにより、繰延税金資産の額が減額され、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 固定資産の減損

固定資産について、経営状況の悪化等により帳簿価額を回収できないと判断された場合には、対象資産の帳簿価額に対する減損損失の計上により、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 退職給付関係

退職給付に係る負債は、退職給付債務と年金資産の動向によって変動しますが、数理計算上の前提条件が変動した場合、あるいは、運用環境の悪化等により年金資産が減少した場合などには、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 資金調達環境の変化と金利の変動等

当社グループは、銀行からの借入に加え、株式及び社債の発行等により資金調達を行っています。しかしながら、今後、金融市場が混乱した場合、税制改正や政府系金融機関の制度変更等がなされた場合、もしくは当社グループの信用格付けが引き下げられた場合等においては、資金調達コストの増加や必要とする金額の資金調達が困難となること等により、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの有利子負債には金利変動の影響を受けるものが含まれており、金利上昇により金融コストが上昇した場合には、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループの財務内容の悪化が一部借入金等の財務制限条項に抵触し、期限の利益を喪失することとなった場合には、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) コンプライアンス、レピュテーション

当社グループは、個人情報や機密情報の保護のための情報セキュリティの取り組みをはじめとして、法令等の遵守については未然防止の対策を講じています。さらに、コンプライアンスに係る案件を察知した場合には速やかに対応する体制も整備しており、当社グループの社会的信用や評判に与える影響を防いでいます。しかしながら、将来にわたって法令違反が発生する可能性は皆無ではなく、法令違反の事実、あるいは対応の内容や迅速性等が不十分な場合には、当社グループの社会的信用や評判に悪い影響を及ぼし、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 将来の見通し等

当社グループは、本年5月、2030年~40年のマツダブランドのありたい姿を描き、その実現に向けた2020年3月期から始まる6年間の中期経営期間における経営方針と施策の方向性を定めた中期経営方針(2020年3月期~2025年3月期)を公表いたしました。なお、各種施策等の実行にあたっては、想定とは大きく異なる環境変化の発生や、計画どおりに進捗しない場合など、期待される効果が実現しないことにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 「税効果会計に係る会計基準の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財務状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。

 

(1)  経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は、次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の当社グループを取り巻く事業環境は、主要国間の通商摩擦や英国のEU離脱問題など先行き不透明な要素があったものの、総じて緩やかな回復基調となりました。海外は、米国経済は良好な雇用・所得環境を背景に好調に推移したほか、欧州でも英国のEU離脱問題による混乱はありましたが景気は緩やかな回復を持続しました。一方、中国では、通商問題等の影響により経済成長に減速感が強まりました。日本は、雇用・所得環境の改善などにより、内需主導の緩やかな景気回復が続きました。

このような状況の中、当社グループは、中期経営計画「構造改革ステージ2」の最終年度となる当期におきましても、「走る歓び」と「優れた環境・安全性能」を両立する魅力ある商品をお届けするとともに、全領域でビジネスの質的成長を目指し、ブランド価値のさらなる向上に向けて取り組んでまいりました。

当連結会計年度においては、新世代商品の第一弾として新型「MAZDA3」を発表し、北米より販売を開始しました。新型「MAZDA3」は、人間の持つバランス能力を最大限に引き出すことを追求した新世代車両構造技術「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE(スカイアクティブ ビークル アーキテクチャー)」や、幅広い走行シーンで意のままの加減速を可能にする「SKYACTIV-X」を始めとした最新のSKYACTIVエンジンシリーズを搭載しており、人間を中心に設計するという思想でクルマとしての基本性能を飛躍的に向上させております。また本年3月には、新世代商品の第二弾となる新型コンパクトクロスオーバーSUV「マツダ CX-30(シーエックス サーティー)」をジュネーブモーターショーにて世界初公開しました。「CX-30」は、当社の新たな基幹車種として、今夏より欧州から順次グローバルに販売を開始する予定です。これら新商品のほか当連結会計年度では、「マツダ CX-5」や「マツダ CX-8」等の主要車種において商品改良モデルを導入しました。今後も継続した商品改良の実施により、お客さまに日常のさまざまなシーンで「走る歓び」と「優れた環境・安全性能」を感じていただける商品を提供してまいります。

 

[グローバル販売]

当連結会計年度のグローバル販売台数は、市場別では、日本やアセアン地域での販売が増加した一方で、中国や米国、オーストラリアで販売が減少したことにより、前期比4.2%減1,561千台となりました。車種別では、「CX-5」や「CX-8」等のクロスオーバーSUVの販売は引き続き好調に推移しております。

市場別の販売台数は、次のとおりであります。

<日本>

「CX-5」、「CX-8」及び「マツダ アテンザ」の商品改良モデルが販売を牽引したことにより、前期比2.0%増215千台となりました。「CX-8」は、日本国内の3列シートSUV市場における2018年販売台数第1位(*)を獲得するなど、導入以来、好調な販売が続いております。 (*)当社調べ。

<北米>

米国は、需要の縮小が続くセダン系車種の販売減少に加え、競合激化によりクロスオーバーSUVの販売環境も厳しさを増したことから、前期比5.7%減287千台となりました。北米市場全体では、メキシコで販売台数が増加したものの、前期比3.2%減421千台となりました。

<欧州>

ドイツの販売が減少した一方で、ロシアでは需要の伸びを上回る販売台数となったほか、スペイン等でも台数が増加したことにより、前期比同水準の270千台となりました。車種別では、「MAZDA2」と「CX-5」の販売が好調に推移しております。

<中国>

景気減速による需要縮小や販売競争の激化により、主要車種の販売台数が減少したことから、前期比23.3%減247千台となりました。

 

<その他の市場>

主要市場であるオーストラリアは、競合激化等による販売環境の悪化で、前期比5.0%減110千台となりましたが、タイやベトナムなどアセアン地域で前年を大きく上回る販売となったことにより、その他の市場全体では、前期比3.7%増409千台となりました。

 

[財政状態及び経営成績]

a. 経営成績

当連結会計年度の当社グループの連結業績は、売上高は、3兆5,647億円(前期比907億円増2.6%増)となり、営業利益は830億円(前期比634億円減43.3%減)、経常利益は1,168億円(前期比553億円減32.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は635億円(前期比486億円減43.4%減)となりました。

 

b. 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、現金及び預金や有形固定資産の増加等により、前連結会計年度末より1,469億円増加し、2兆8,710億円となりました。

負債合計は、買掛金や借入金の増加等により、前連結会計年度末より1,175億円増加し、1兆6,221億円となりました。有利子負債は、設備投資等を目的とした長期借入金の調達等により、前連結会計年度末より1,092億円増加し、6,071億円となりました。

純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益635億円に対し、配当金の支払い220億円等により、前連結会計年度末より294億円増加し、1兆2,489億円となりました。自己資本比率は、前連結会計年度末より1.4ポイント減少し、42.4%(劣後特約付ローンの資本性考慮後43.7%)となりました。

 

c. セグメントごとの財政状態及び経営成績

<日本>

売上高は、2兆8,840億円(前期比301億円増1.1%増)、セグメント別営業利益(以下、営業利益)は225億円(前期比591億円減72.5%減)となりました。これは、出荷台数が増加した一方で、為替の円高影響があったこと等によるものです。セグメント資産は、前期比800億円増加2兆2,588億円となりました。

<北米>

売上高は1兆3,462億円(前期比122億円減0.9%減)、営業利益は217億円(前期比53億円減19.6%減)となりました。これは、販売環境の厳しい米国での出荷台数の減少や販売費用の増加等によるものです。セグメント資産は、前期比280億円増加4,260億円となりました。

<欧州>

売上高は7,231億円(前期比102億円増1.4%増)、営業利益は129億円(前期比41億円増47.1%増)となりました。これは、販売が好調なロシア等での出荷台数の増加等によるものです。セグメント資産は、前期比218億円増加2,384億円となりました。

<その他の地域>

売上高が6,941億円(前期比161億円増2.4%増)、営業利益は242億円(前期比12億円減4.7%減)となりました。これは、アセアン市場が好調な一方で、主要市場であるオーストラリアでの出荷台数の減少や為替の円高影響等があったことによるものです。セグメント資産は、前期比37億円増加3,131億円となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末において、現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より968億円増加7,016億円、有利子負債は、前連結会計年度末より1,092億円増加の6,071億円となり、この結果、946億円のネット・キャッシュ・ポジションとなっております。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。

 

営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,083億円に加え、配当金の受取等により、1,467億円の増加(前期は2,078億円の増加)となりました。

 

投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,102億円等により、1,316億円の減少(前期は1,600億円の減少)となりました。

 

 以上により、連結フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、151億円の増加(前期は478億円の増加)となりました。

 

財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動によるキャッシュ・フローは、設備投資等を目的とした長期借入金の調達に対し、長期借入金の返済や配当金の支払等により、834億円の増加(前期は305億円の増加)となりました。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における車両生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

台数(千台)

前期比(%)

日本

1,010

2.4

北米

169

△6.5

合計

1,179

1.0

 

 

b. 受注実績

当社グループは、主として販売会社の販売実績及び受注状況等を考慮して生産計画をたて、見込生産を行っております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

日本

1,106,715

4.4

北米

1,135,034

1.9

欧州

699,045

0.6

その他の地域

623,902

3.2

合計

3,564,696

2.6

 

(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.主要な販売先については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2)  経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす見積り及び仮定を行うことが求められます。当期の連結財務諸表の作成において設定した様々な見積り及び仮定は、当社経営者がその内容について合理的であると判断したものであります。

なお、実際の業績は、これらの見積り及び仮定とは異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。

なお、当社グループの経営に影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク 」に記載しております。

<売上高>

当連結会計年度における売上高は、主として出荷台数の増加により、3兆5,647億円(前期比907億円増2.6%増)となりました。

仕向地別では、国内は、新型「CX-5」や「CX-8」等のクロスオーバーSUVの出荷台数が増加したこと等により、6,936億円(前期比624億円増9.9%増)となり、海外は、主としてアセアン市場向けの出荷台数の増加等により、2兆8,711億円(前期比283億円増1.0%増)となりました。

製品別では、車両売上高は、主として出荷台数の増加により、2兆9,444億円(前期比1,005億円増3.5%増)となり、海外生産用部品売上高は、需要の減速により厳しい販売環境が続く中国向けの減少により、880億円(前期比206億円減19.0%減)となりました。部品売上高は2,729億円(前期比68億円増2.5%増)、その他売上高は2,595億円(前期比40億円増1.6%増)となりました。

<営業利益>

出荷台数の増加やグローバルでのコスト改善活動の取り組みの一方で、米国等で販売費用が増加したことや、為替の円高影響、米国販売ネットワーク改革への投資等により、830億円(前期比634億円減43.3%減)となりました。この結果、連結売上高営業利益率は、2.3%(前期比1.9ポイント減)となりました。

なお、営業利益の主な増減要因は、次のとおりです。

 

台数・車種構成

△147億円

 

為替

△381億円

 

コスト改善

198億円

 

研究開発費

13億円

 

その他

△317億円

 

 

 

<経常利益>

主に持分法による投資利益307億円を計上したことから、1,168億円(前期比553億円減32.2%減)となりました。

<親会社株主に帰属する当期純利益>

特別損失として、平成30年7月豪雨による影響37億円を計上したことや、税金費用415億円等により、635億円(前期比486億円減43.4%減)となりました。

 

当連結会計年度の財政状態の分析、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

 

③ 資本の財源、資金の流動性

当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、キャッシュ・フローの創出に努めております。また、自動車及び同部品の製造販売事業を行うために必要となる設備投資等に充当することを目的として、銀行借入や社債発行などにより、必要な資金を調達しております。資金の流動性管理にあたっては、資金繰り計画を作成し、適時に更新するなどにより、リスク管理を行っているほか、急激な外部環境変化に対応できるよう、一定水準の手元流動性を確保することを方針としております。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、本年5月、2030年~40年のマツダブランドのありたい姿を描き、その実現に向けた2020年3月期から始まる6年間の中期経営期間における経営方針と施策の方向性を定めた中期経営方針(2020年3月期~2025年3月期)を公表いたしました。本経営方針に係る経営指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

 

契約会社名

契約締結先

国名

契約の内容

契約締結日

マツダ株式会社
(当社)

トヨタ自動車株式会社

日本

業務資本提携に関する合意書

2017年8月4日

マツダ株式会社
(当社)

トヨタ自動車株式会社

日本

米国における乗用車共同生産
に関する合弁契約

2017年11月28日

 

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、2007年に策定した技術開発の長期ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言」に基づき、「走る歓び」と「優れた環境・安全性能」の両立に取り組んでまいりました。そして2017年に、2030年を見据えた技術開発の長期ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」を策定しました。これは世界の自動車産業を取り巻く環境の急激な変化を踏まえ、より長期的な視野に立ち、クルマの持つ魅力である「走る歓び」によって、「地球」、「社会」、「人」それぞれの課題解決を目指す新しいチャレンジとなる取り組みです。

セグメントごとの研究開発体制は、日本では本社R&D部門とマツダR&Dセンター横浜にて新商品の企画・デザイン・設計・実験研究、並びに新技術の先行研究を行っています。海外では、北米は米国のマツダモーターオブアメリカ, Inc.、欧州はドイツのマツダモーターヨーロッパGmbH、その他の地域は中国のマツダ(中国)企業管理有限公司の各R&D部門と連携し、それぞれの市場特性に適合した商品の研究開発に取り組んでいます。

 

当連結会計年度の新商品は、新型「MAZDA3」です。

新型「MAZDA3」は、マツダの新世代商品の第一弾です。日本の美意識の本質を体現することを目指す深化した「魂動デザイン」を採用し、ワンモーションのシンプルな動きでフォルムを描きつつ、繊細なボディ造形による光の移ろいや反射の動きによって、これまで以上に力強く、味わい深い生命感をつくり込みました。そのうえで、ハッチバックモデルではエモーショナルさを、セダンモデルではエレガンスさを追求し、「MAZDA3」というひとつのネームプレートのもと、まったく異なる2つの個性をつくり上げています。また、人間の持つバランス能力を最大限に引き出すことを追求した新世代車両構造技術「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE(スカイアクティブ ビークル アーキテクチャー)」や、幅広い走行シーンで意のままの加減速を可能にする最新の「SKYACTIV-X」、「SKYACTIV-G」及び「SKYACTIV-D」を搭載し、人間を中心に設計するという思想に基づき、クルマとしての基本性能を飛躍的に向上させ、走る・曲がる・止まるというクルマの動きが自然に感じられるよう磨き上げています。

2003年のデビュー以来、累計販売台数が600万台(*)を超える「MAZDA3」は、マツダの「走る歓び」を世界中のお客さまにお届けするとともに、主要な生産拠点において生産の中核を担うなど、ブランドとビジネスの両面で当社をけん引してきたグローバル戦略車です。

また、当社は、本年3月に開催されたジュネーブモーターショーにおいて、新世代商品の第二弾となる新型コンパクトクロスオーバーSUV「マツダ CX-30(シーエックス サーティー)」を世界初公開しました。「CX-30」は、マツダのデザインテーマ「魂動デザイン」を具現化したエレガントなスタイルと、SUVらしい力強さとを融合させた新しいコンパクトクロスオーバーSUVです。「日々の生活の中で、大切な人と新しい発見や刺激を感じ、人生を豊かに過ごしていただきたい」との想いを込め開発いたしました。ご家族やご友人と、どこにでも気軽に出かけ、歓びを分かち合っていただけるよう、大人4人がゆったりと座れる空間と、くつろげる使い勝手の良いパッケージングを実現しました。さらに乗用車よりも高い車高による視認性や乗降性の良さに加え、道幅や駐車場を選ばない小回りが利くボディサイズがもたらす運転のしやすさを追求しています。また、新型「MAZDA3」と同様、新世代車両構造技術「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE」や、最新の「SKYACTIV-X」を始めとした、幅広い走行シーンで意のままの加減速を可能にする「SKYACTIV」エンジンシリーズを搭載し、走る・曲がる・止まるといったクルマの基本性能を飛躍的に向上させています。

 

当連結会計年度の研究開発費の総額は1,347億円で、セグメントごとの研究開発費は、日本は1,298億円、北米は21億円、欧州は21億円、その他の地域は7億円であります。なお、当社のセグメントは、生産・販売の管理体制を基礎とした地域別のセグメントから構成されており、研究開発活動の大部分を日本セグメントで行っているため、セグメントごとの研究開発活動の状況につきましては、記載を省略しております。

 

(*)2018年時点、当社調べ。