(1) 会社の経営の基本方針
当社は、お客さまをはじめとするステークホルダーの皆様から信頼され、選ばれ続けるブランドとなることを目指し、全社一丸となって事業活動を推進すべく、下記の「コーポレートビジョン」を策定しています。
私たちはクルマをこよなく愛しています。
人々と共に、クルマを通じて豊かな人生を過ごしていきたい。
未来においても地球や社会とクルマが共存している姿を思い描き、
どんな困難にも独創的な発想で挑戦し続けています。
1.カーライフを通じて人生の輝きを人々に提供します。
2.地球や社会と永続的に共存するクルマをより多くの人々に提供します。
3.挑戦することを真剣に楽しみ、独創的な“道(どう)”を極め続けます。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
「構造改革ステージ2最終年度」について
「構造改革ステージ2」の最終年度となる平成31年3月期の経営指標につきましては、グローバル販売台数は目標の165万台を超える計画であり、自己資本比率についても目標を若干下回るものの着実な改善が進む見通しです。一方、連結売上高営業利益率につきましては、主に米国での台数・収益の未達に加え、環境対応コストや米国の販売ネットワーク改革に伴う費用などにより、5%以上の目標に対して3.0%にとどまる見通しです。
平成31年3月期(2019年3月期)経営指標の見通し
次期においては、販売強化及び収益改善の施策として、商品改良モデルや次世代商品の投入、新型「CX-8」のオーストラリア、中国などへの海外展開を実施するほか、生産面においても、防府第2工場の2直化により、クロスオーバー系車種の生産体制の柔軟性強化を推進してまいります。
「今後の取組み方向性」について
現在、中期経営計画「構造改革ステージ2」を踏まえた次期中期経営計画を策定中です。
当該中期経営計画の公表に先立ち、持続的な成長に向けた基本的な取り組みの方向性として、「今後の取組み方向性」を以下のとおりまとめました。
当社グループは、今後3年間を、2022年3月期以降の本格的成長に向けた足場固めの期間として位置付け、年5万台の台数成長を行いながら、次世代商品、新技術の開発・導入による商品競合力の向上や米国を中心とした販売ネットワーク改革の加速に取り組みます。
加えて、トヨタ自動車株式会社などとのアライアンスを推進し、米国新工場の稼働を契機に2024年3月期には200万台生産体制の構築を目指してまいります。
商品領域では、次世代商品群を新たに「Small(スモール)商品群」と「Large(ラージ)商品群」という二つの商品構成に分離し、顧客ニーズやセグメント特性、収益とコストの面から商品戦略の最適化を行います。新商品戦略により、「米国市場強化」、「グローバルでのクロスオーバー系車種の拡充」、「高付加価値商品群の強化によるネットレベニューの向上」の実現を目指します。
同時にグローバルでの販売強化も推進します。米国市場では、2021年に40万台体制の構築に向けて、市場特性に応じたマーケティング戦略を展開し、次世代ブランド店舗の拡大を行うことで、再購入率の改善と店舗あたりの販売台数の向上を目指します。なお、販売網強化のためのネットワーク再構築費用として、今後4年間で約400億円の投資を行う見込みです。
また、米国工場投資を含め、次世代商品など将来の成長のために、今後4年間は、通常規模の投資に対して、約2,500億円レベルの上乗せとなる見通しです。高水準の投資が継続しますが、生産効率の最大化とコスト改善活動の強化により営業キャッシュ・フローを創出し、成長投資を推進していきます。
当社グループは、成長投資を行いつつ、主要市場での台数成長と収益性の向上を実現し、持続的成長と株主還元の両立を目指してまいります。
次期中期経営計画につきましては、詳細が決定次第公表する予定です。
※ 文中における将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末時点において当社グループが判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は実際の結果とは異なる可能性があり、その達成を保証するものではありません。
当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主として以下のようなものがあります。
以下に記載する事項は、当連結会計年度末現在において予想される主なリスクを記載したものであり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。なお、文中における将来に関する事項につきましては当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、日本を始め北米、欧州、アジアを含む世界各地域に製品を販売しており、それぞれの市場における景気動向や需要変動に強い影響を受けています。従いまして、当社グループの主要市場において、景気の減速または後退、需要構造の変化、需要減少、価格競争の激化等が進むことにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、日本から世界各地域へ製品を輸出しているほか、海外の工場で製造した製品を世界の他の市場へ輸出するなど、グローバルな事業活動を展開しています。これらの取引は様々な通貨を通じて行われているため、為替レートの変動は当社グループの経営成績と財政状態に影響を与えます。加えて、海外の現地通貨建の資産・負債等を円換算しているため、為替レート変動により、為替換算調整勘定を通じて自己資本に悪影響を及ぼす可能性があります。また、為替レート変動リスクを最小限にするために為替予約を行っていますが、為替レートの変動状況によっては機会損失が発生する可能性があります。
当社グループは、商品の開発、生産、販売に関し、技術提携や合弁等の形で、他社と共同活動を実施、もしくは検討を行っています。これにより経営資源の最適化、集中化及び相乗効果を期待しています。しかしながら、経営、財務またはその他の理由により当事者間で不一致が生じた場合、あるいは、提携や合弁の変更または解消等により、期待される結果を生まなかった場合には、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、意図しない提携や合弁の変更または解消が、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業展開する各国において、燃費及び排気ガス、車両の安全性、製造工場からの汚染物質排出レベルに関する規制などの環境規制のほか、労働規制など、様々な法的規制を受けています。今後、法的規制の強化によるコストの増加などにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが製品を販売している世界各地域の自動車市場においては、多様な競合相手が存在しています。ブランド価値の維持発展を含む市場での競争力の維持強化は当社グループの成長にとって非常に重要であり、そのために開発・製造・販売等において競争力の強化に向けた取り組みを進めています。しかしながら、市場の予測が十分でなかった場合、あるいは技術力や生産上の問題等により、魅力ある製品を適切な時期に投入することが出来なかった場合、あるいはお客さまの価値観または変化に対応した流通網、販売手法を効果的に展開できなかった場合、販売シェアの低下や製品価格の低下を含め、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、原材料及び部品の購入を複数のグループ外のサプライヤーに依存しています。従って、これらの供給元企業が災害等により被災した場合等の供給能力の制約や物流機能の低下、また需給の逼迫や契約条件の変更または破棄等により、当社グループの生産に必要な量を確保することが困難になる場合、あるいは当社グループが調達している原材料の価格が高騰し、生産性向上などの内部努力や価格への転嫁などによりその影響を吸収できない場合や、調達した原材料または部品の品質が不十分であった場合には、製品の生産状況の悪化やコスト上昇を招く可能性があり、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、日本を始め世界各地域に製品を販売しており、米国、欧州及び発展途上市場や新興市場を含む海外市場において事業活動を行っています。これらの海外市場での事業展開には以下のようなリスクが内在しており、当該リスクの顕在化により、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
・不利な政治、経済要因
・法律または規則の変更による障害
・関税などの輸出入規制、不利な税制及びその他の規制
・人材の採用と確保の難しさ
・未整備のインフラ
・ストライキ等の労働争議
・テロ、戦争あるいは疾病その他の要因による社会的混乱
当社グループは、事業の優位性を確保するために他社製品と区別化できる技術とノウハウの蓄積、それらの保護並びに、第三者の知的財産権に対する侵害予防に努めています。それにもかかわらず、認識または見解相違により、第三者からその知的財産権を侵害したとして訴訟を受け、当社グループとして製造販売中止、あるいは損害賠償などが必要となった場合には、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、特定の地域では当社グループの知的財産権が完全に保護されない場合があります。第三者が当社グループの知的財産権を無断使用して類似した製品を製造した場合、多額の訴訟費用のみならず製品区別化が図れないことによる販売減少により、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、市場の要求に応えるべく品質改善に努める一方で、製品の安全性の確保にも最善の努力を注いでいます。しかしながら、予測できない原因により製品に欠陥が生じ、大規模なリコール等が発生した場合には、多額のコストの発生、ブランドイメージの低下、市場信頼性の失墜などにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、製造設備等の主要施設に関して、防火、耐震対策などを実施すると共に、財務リスクを最小化すべく災害保険加入等の対策を行っています。しかしながら、大規模な地震、台風、洪水等の自然災害及び火災等の事故の発生により製品供給に重大な支障を来たした場合、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、製品の開発、生産、販売など、様々なビジネス活動の遂行において、情報技術やネットワーク、システムを利用しています。また、当社製品にも、運転支援システムなど、これら技術を採用した装備が搭載されています。情報技術やネットワーク、システムには、安全な運用のため対策が施されていますが、インフラ障害、サイバー攻撃、コンピューターウイルスへの感染等などによって、各種業務活動の停止、データの喪失、機密情報の漏洩、当社製品の機能低下などが発生する可能性があります。この場合、対策費用の発生、当社製品の信用の失墜やブランドイメージの毀損などにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの経営成績及び財政状態は、以下の財務会計的な要因を含む、資産及び負債への財務会計上の評価や、会計基準の変更及び新たな適用により、影響を受ける可能性があります。
① 繰延税金資産
繰延税金資産は、将来減算一時差異等に対して、将来の課税所得に関する予想等に基づく回収可能性を評価することにより計上されていますが、経営状況の悪化により回収できないと判断された場合や、税率変更を含む税制改正等があった場合には、評価性引当額の計上などにより、繰延税金資産の額が減額され、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 固定資産の減損
固定資産について、経営状況の悪化等により帳簿価額を回収できないと判断された場合には、対象資産の帳簿価額に対する減損損失の計上により、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 退職給付関係
退職給付に係る負債は、退職給付債務と年金資産の動向によって変動しますが、数理計算上の前提条件が変動した場合、あるいは、運用環境の悪化等により年金資産が減少した場合などには、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、銀行からの借入に加え、株式及び社債の発行等により資金調達を行っています。しかしながら、今後、金融市場が混乱した場合、税制改正や政府系金融機関の制度変更等がなされた場合、もしくは当社グループの信用格付けが引き下げられた場合等においては、資金調達コストの増加や必要とする金額の資金調達が困難となること等により、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの有利子負債には金利変動の影響を受けるものが含まれており、金利上昇により金融コストが上昇した場合には、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループの財務内容の悪化が一部借入金等の財務制限条項に抵触し、期限の利益を喪失することとなった場合には、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、個人情報や機密情報の保護のための情報セキュリティの取り組みをはじめとして、法令等の遵守については未然防止の対策を講じています。さらに、コンプライアンスに係る案件を察知した場合には速やかに対応する体制も整備しており、当社グループの社会的信用や評判に与える影響を防いでいます。しかしながら、将来にわたって法令違反が発生する可能性は皆無ではなく、法令違反の事実、あるいは対応の内容や迅速性等が不十分な場合には、当社グループの社会的信用や評判に悪い影響を及ぼし、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、将来の更なる成長に向け、ビジネスの質的成長を図り、ブランド価値の向上を加速するため、平成29年3月期をスタートとする中期経営計画「構造改革ステージ2」を策定しています。また、現在、次期中期経営計画を策定中でありますが、その公表に先立ち、本年4月に持続的な成長に向けた基本的な取り組みの方向性として「今後の取組み方向性」を公表いたしました。これら計画等の実行にあたっては、想定とは大きく異なる環境変化の発生や、計画どおりに進捗しない場合など、期待される効果が実現しないことにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度の当社グループを取り巻く事業環境は、世界的な景気の回復を受け、全体として緩やかな改善基調となりました。海外では、米国経済は良好な雇用・所得環境を背景に着実な改善が続き、欧州においても海外経済の持ち直しを受けた輸出の増加などにより景気は好調に推移しました。また、新興国経済も、中国で安定した成長が続くなど、概ね好調を維持しました。日本は、個人消費の増加や企業収益の改善などにより、景気は緩やかな回復となりました。
このような状況の中、当社グループは、中期経営計画「構造改革ステージ2」の下、「走る歓び」と「優れた環境・安全性能」を両立する魅力ある商品をお届けするとともに、全領域でビジネスの質的成長を目指し、ブランド価値のさらなる向上に向けて取り組んでまいりました。
当連結会計年度においては、新型「マツダ CX-8」を日本市場に導入いたしました。新型「CX-8」は、多人数乗用車の新たな選択肢として当社が提案する3列シートクロスオーバーSUVです。また、世界的に高まるクロスオーバー系車種の需要に迅速に対応するため、新型「マツダ CX-5」の生産を新たに防府工場においても開始するなど、柔軟性のある生産体制の構築を図ってまいりました。一方、先進安全技術の拡充にも取り組み、日本市場では、コンパクトカーから3列シートクロスオーバーSUVまでの主要6車種全機種が、「安全運転サポート車」の「サポカーS・ワイド(※)」に該当することとなりました。
また、昨年8月、当社はトヨタ自動車株式会社との間で、持続的な協業関係のさらなる強化を目的として、業務資本提携に関する合意書を締結しました。本年3月には、米国に完成車の生産合弁会社を設立し、2021年の生産開始に向けて準備を開始しております。
(※) 経済産業省や国土交通省などが普及啓発を推進する「安全運転サポート車」のうち、ペダル踏み間違い時加速抑制装置などを搭載することで特に高齢運転者に推奨される「セーフティ・サポートカーS」の区分のひとつ。
[グローバル販売]
当連結会計年度のグローバル販売台数は、前期比4.6%増の1,631千台と過去最高の販売台数となりました。車種別では新型「CX-5」のグローバル展開が販売増加に貢献し、地域別では中国やタイなどが台数成長を牽引しました。
市場別の販売台数は、次のとおりであります。
<日本>
昨年12月の発売開始以降、新型「CX-8」は計画を上回る受注を継続しているほか、新型「CX-5」も通年で台数貢献し、前年を大きく上回る販売台数を達成したことから、前期比3.8%増の210千台となりました。
<北米>
米国は、セダン系車種の需要縮小や競合激化の影響があったものの、新型「CX-5」等のクロスオーバー系車種の販売が好調であったことから、前期比0.7%増の304千台となりました。北米市場全体では、カナダやメキシコの販売台数が増加したことから、前期比1.5%増の435千台となりました。
<欧州>
主要市場であるドイツの販売が好調であったほか、ロシアにおいても販売台数が前年を大きく上回るなど、前期比2.6%増の269千台となりました。車種別では、導入以来欧州各国において販売が好調に推移している新型「CX-5」が台数増加に貢献しております。
<中国>
好調な販売を維持する「Mazda3」に加え、「マツダ CX-4」や新型「CX-5」等のクロスオーバー系車種の販売も順調であったことから、前期比10.5%増の322千台と、通期としては過去最高の販売台数となりました。
<その他の市場>
その他の市場全体では、前期比5.3%増の394千台となりました。主要市場のオーストラリアでは、前期比2.2%減の116千台となりましたが、新型「CX-5」等のクロスオーバー系車種は好調な販売を継続しております。ASEAN市場では、タイの販売が前年を大きく上回ったほか、その他の地域においても、ニュージーランド、チリ等で過去最高の販売となりました。
[財政状態及び経営成績]
a. 経営成績
当連結会計年度の当社グループの連結業績は、売上高は、3兆4,740億円(前期比2,597億円増、8.1%増)となり、営業利益は1,464億円(前期比207億円増、16.5%増)、経常利益は1,721億円(前期比326億円増、23.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,121億円(前期比183億円増、19.5%増)となりました。
b. 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、短期の資金運用に係る有価証券の増加やトヨタ自動車株式会社の株式取得による投資有価証券の増加等により、前連結会計年度末より2,035億円増加し、2兆7,281億円となりました。
負債合計は、買掛金の増加や社債の発行などにより、前連結会計年度末より481億円増加し、1兆5,086億円となりました。有利子負債は、短期借入金が減少した一方で、社債の発行などにより、前連結会計年度末より65億円増加し、4,979億円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益1,121億円に加え、トヨタ自動車株式会社を割当先とした第三者割当増資の実施等により、前連結会計年度末より1,554億円増加し、1兆2,195億円となりました。自己資本比率は、前連結会計年度末より2.5ポイント増加し、43.7%(劣後特約付ローンの資本性考慮後45.0%)となりました。
c. セグメントごとの財政状態及び経営成績
<日本>
売上高は、2兆8,540億円(前期比1,760億円増、6.6%増)、セグメント別営業利益(以下、営業利益)は816億円(前期比157億円増、23.8%増)となりました。これは主に、出荷台数の増加や為替の円安影響等によるものです。セグメント資産は、前期比1,843億円増加の2兆1,829億円となりました。
<北米>
売上高は1兆3,584億円(前期比397億円増、3.0%増)、営業利益は270億円(前期比3億円増、1.1%増)となりました。これは、米国の販売環境に厳しさが見られたものの、カナダやメキシコで出荷台数が増加したことによるものです。セグメント資産は、前期比210億円減少の3,980億円となりました。
<欧州>
売上高は7,129億円(前期比1,081億円増、17.9%増)、営業利益は87億円(前期比33億円増、61.7%増)となりました。これは、主要市場のドイツやロシアなどにおいて出荷台数が増加したことや、為替の円安影響等によるものです。セグメント資産は、前期比138億円増加の2,165億円となりました。
<その他の地域>
売上高が6,780億円(前期比889億円増、15.1%増)、営業利益は254億円(前期比52億円増、25.9%増)となりました。これは、販売好調なタイで出荷台数が増加したことや為替の円安影響などによるものです。セグメント資産は、前期比336億円増加の3,094億円となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,575億円等により2,078億円の増加(前期は1,611億円の増加)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出871億円のほか、トヨタ自動車株式会社との業務資本提携に係る同社株式の取得等により、1,600億円の減少(前期は638億円の減少)となりました。これらの結果、連結フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、478億円の増加(前期は973億円の増加)となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払209億円に対し、第三者割当増資の実施や社債の発行等により、305億円の増加(前期は1,499億円の減少)となりました。
当連結会計年度末において、現金及び現金同等物は前連結会計年度末より780億円増加の6,049億円、有利子負債は前連結会計年度末より65億円増加の4,979億円となり、この結果、1,070億円のネット・キャッシュ・ポジションとなっております。
当連結会計年度における車両生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当社グループは、主として販売会社の販売実績及び受注状況等を考慮して生産計画をたて、見込生産を行っております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 主要な販売先については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす見積り及び仮定を行うことが求められます。当期の連結財務諸表の作成において設定した様々な見積り及び仮定は、当社経営者がその内容について合理的であると判断したものであります。
なお、実際の業績は、これらの見積り及び仮定とは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。
なお、当社グループの経営に影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク 」に記載しております。
<売上高>
当連結会計年度における売上高は、出荷台数増加や為替の円安影響により、3兆4,740億円(前期比2,597億円増、8.1%増)となりました。
仕向地別では、国内は、出荷台数の増加などにより6,312億円(前期比442億円増、7.5%増)となり、海外は、新型「CX-5」等のクロスオーバー系車種の出荷台数増加や為替の円安影響等により2兆8,428億円(前期比2,155億円増、8.2%増)となりました。
製品別では、車両売上高は、主として出荷台数の増加により、2兆8,439億円(前期比1,857億円増、7.0%増)となり、海外生産用部品売上高は、販売が好調な中国向けの増加により、1,085億円(前期比257億円増、31.0%増)となりました。部品売上高は2,661億円(前期比297億円増、12.6%増)、その他売上高は2,555億円(前期比186億円増、7.9%増)となりました。
<営業利益>
主に米国におけるセダン系車種の出荷台数減少や競合激化による販売費用の増加、次世代技術・商品等への成長投資の強化に対し、クロスオーバー系車種の販売拡大やグローバルでのコスト改善活動、ドルやユーロなどの為替の円安影響等により、1,464億円(前期比207億円増、16.5%増)となりました。この結果、連結売上高営業利益率は、4.2%(前期比0.3ポイント増)となりました。
<経常利益>
主に業績が好調な中国の関連会社などの寄与により、持分法による投資利益324億円を計上したことから、1,721億円(前期比326億円増、23.4%増)となりました。
<親会社株主に帰属する当期純利益>
特別損失として、米国におけるエアバッグインフレーターに関連した集団訴訟に係る訴訟和解金75億円を計上したことや、税金費用429億円等により、1,121億円(前期比183億円増、19.5%増)となりました。
当連結会計年度の財政状態の分析、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、キャッシュ・フローの創出に努めております。また、自動車及び同部品の製造販売事業を行うために必要となる設備投資等に充当することを目的として、銀行借入や社債発行などにより、必要な資金を調達しております。資金の流動性管理にあたっては、資金繰り計画を作成し、適時に更新するなどにより、リスク管理を行っているほか、急激な外部環境変化に対応できるよう、一定水準の手元流動性を確保することを方針としております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループは、中期経営計画「構造改革ステージ2」の下、「走る歓び」と「優れた環境・安全性能」を両立する魅力ある商品をお届けするとともに、全領域でビジネスの質的成長を目指し、ブランド価値の更なる向上に向け取り組んでおります。
「構造改革ステージ2」の進捗状況及び最終年度となる平成31年3月期の経営指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
当社グループは、平成19年に策定した技術開発の長期ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言」に基づき、「走る歓び」と「優れた環境・安全性能」の両立に取り組んでまいりました。そして平成29年に、2030年を見据えた技術開発の長期ビジョン「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」を策定しました。これは世界の自動車産業を取り巻く環境の急激な変化を踏まえ、より長期的な視野に立ち、クルマの持つ魅力である「走る歓び」によって、「地球」、「社会」、「人」それぞれの課題解決を目指す新しいチャレンジとなる取り組みです。
セグメントごとの研究開発体制は、日本では本社R&D部門とマツダR&Dセンター横浜にて新商品の企画・デザイン・設計・実験研究、並びに新技術の先行研究を行っています。海外では、北米は米国のマツダモーターオブアメリカ, Inc.、欧州はドイツのマツダモーターヨーロッパGmbH、その他の地域は中国のマツダ(中国)企業管理有限公司の各R&D部門と連携し、それぞれの市場特性に適合した商品の研究開発に取り組んでいます。
当連結会計年度の新商品は、新型「マツダ CX-8」です。
新型「CX-8」は、マツダの国内向けSUVラインアップにおける最上位モデルであり、「走りやデザインを諦めたくない。でも家族や友人ともドライブを楽しみたい」と考えるお客さまに対し、多人数乗用車の新たな選択肢としてマツダが提案した3列シートクロスオーバーSUVです。「SKYACTIV(スカイアクティブ)技術」とデザインテーマ「魂動(こどう)-Soul of Motion」を全面的に採用し、「上質かつ洗練されたデザイン」、「街乗りから高速走行まで余裕のある走り」、「3列目を含むすべての乗員が楽しめる快適性と静粛性」を特長としています。新型「CX-8」は、進化したクリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 2.2」を採用し、マツダ独自の技術「G-ベクタリングコントロール」を搭載しており、ドライバーとともに乗員全員が街乗りから長距離ドライブまで楽しめるクルマです。加えて、「MAZDA PROACTIVE SAFETY(マツダ・プロアクティブ・セーフティ)」(*1)の安全思想にもとづき開発したマツダの先進安全技術「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」を標準装備し、「走る歓び」の土台となる安心・安全なドライブ体験をサポートしています。デザインは、「魂動」をより高い次元へと深化させました。時を経てもお客さまの感性を刺激し続ける先進性を目指し、国内における最上位SUVとして、風格や質感にこだわり、インテリアも色や素材の一つ一つにまで吟味を重ねています。
当社は、「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言2030」の実現に向けて、ガソリンエンジンにおける圧縮着火を世界で初めて実用化(*2)した次世代エンジン「SKYACTIV-X(スカイアクティブ・エックス)」を含めた次世代技術を、2019年から導入することを発表しました。これはマツダ独自の燃焼方式「SPCCI(Spark Controlled Compression Ignition)」(火花点火制御圧縮着火)によって、従来ガソリンエンジンにおける圧縮着火の実用化で課題となっていた圧縮着火の成立範囲を拡大することで、火花点火と圧縮着火のシームレスな切り替えを実現し、優れた環境性能と出力・動力性能を妥協なく両立することができる新しい内燃機関です。圧縮着火によるこれまでにないエンジンレスポンスの良さと、燃費改善目的で装備したエア供給機能を活用し、現行の「SKYACTIV-G」に比べて全域で10%以上、最大30%におよぶ大幅なトルク向上(*3)を実現しており、また、圧縮着火で可能となるスーパーリーン燃焼(*4)によって、エンジン単体の燃費率は現行の「SKYACTIV-G」と比べて最大で20~30%程度改善(*3)される技術です。
また、当社は、平成29年10月に開催された「第45回東京モーターショー」において、「マツダ 魁 CONCEPT(マツダ・カイ・コンセプト)」と「マツダ VISION COUPE(マツダ・ビジョン・クーペ)」の2台のコンセプトモデルを世界初公開しました。「魁 CONCEPT」は、マツダの次世代商品群の先駆けとなるコンパクトハッチバックコンセプトです。次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X(スカイアクティブ・エックス)」、次世代車両構造技術「SKYACTIV-Vehicle Architecture(スカイアクティブ・ビークル・アーキテクチャー)」と深化した魂動デザインを採用、マツダが目指す次世代のクルマづくりを体現したモデルです。「VISION COUPE」は、日本の美意識の本質を突き詰め、「エレガントで上質なスタイル」をつくり上げることを目指す魂動デザインの深化を表現した次世代デザインビジョンモデルです。
当連結会計年度の研究開発費の総額は1,360億円で、セグメントごとの研究開発費は、日本は1,312億円、北米は20億円、欧州は21億円、その他の地域は7億円であります。なお、当社のセグメントは、生産・販売の管理体制を基礎とした地域別のセグメントから構成されており、研究開発活動の大部分を日本セグメントで行っているため、セグメントごとの研究開発活動の状況につきましては、記載を省略しております。
(*1)「MAZDA PROACTIVE SAFETY」は人間を理解・信頼・尊重することを重視した中で、ドライバーが安全に運転できる状態を最大限に確保し、事故のリスクを最小限に抑制することを目指すマツダ独自の安全思想。
(*2)平成29年8月現在当社調べ。
(*3)現開発段階における当社の測定に基づく。
(*4)通常の火花点火では失火してしまうレベルまで燃料を希薄化した状態。