文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月23日)現在において、当社、連結子会社および持分法適用会社(以下「当社グループ」という。)が判断したものです。
当社グループは、「人間尊重」と「三つの喜び」(買う喜び、売る喜び、創る喜び)を基本理念としています。「人間尊重」とは、自立した個性を尊重しあい、平等な関係に立ち、信頼し、持てる力を尽くすことで、共に喜びをわかちあうという理念であり、「三つの喜び」とは、この「人間尊重」に基づき、お客様の喜びを源として、企業活動に関わりをもつすべての人々と、共に喜びを実現していくという信念であります。
こうした基本理念に基づき、「わたしたちは、地球的視野に立ち、世界中の顧客の満足のために、質の高い商品を適正な価格で供給することに全力を尽くす」という社是を実践し、株主の皆様をはじめとするすべての人々と喜びを分かち合い、企業価値の向上に努めていきます。
また、2030年に向けた全社ビジョンとして、「すべての人に、“生活の可能性が拡がる喜び”を提供する」と定め、次の3つの方向性に基づいて、様々な取り組みを行っていきます。
① クリーンで安全・安心な社会へ
② 移動と暮らしの価値創造
③ 多様な社会・個人への対応
当社グループは、「地球環境への負荷をなくすこと」、「尊い命を守る安全を達成すること」の価値を改めて認識し、環境と安全について、徹底的に取り組んでいきます。
① クリーンで安全・安心な社会へ
2050年カーボンニュートラル、交通事故死者ゼロの実現をめざす、という目標を掲げ各領域で取り組んでいきます。
1.カーボンニュートラルの実現に向けて
当社グループは、環境のトップランナーとして今まで開発してきた電動化技術をもとに、今後は電動車の導入を積極的に進めていきます。カーボンニュートラルの実現に向けて、地球上で人々が持続的に生活していくための、「環境負荷ゼロ」の循環型社会をめざします。そこでカーボンニュートラル、クリーンエネルギー、リソースサーキュレーションの3つを柱として取り組んでいきます。当社グループが生産・販売する製品だけではなく、企業活動を含めた、ライフサイクルでの環境負荷ゼロをめざし、パリ協定における「1.5℃シナリオ」に沿った目標値を設定します。
2.交通事故死者ゼロの実現に向けて
モビリティを提供する企業の責任として、当社グループは、「Safety for Everyone」という考え方のもと、道を使うすべての人が安心して暮らせる「事故に遭わない社会」の実現をめざし、安全技術の研究開発と普及に努めています。2050年に全世界で、当社グループの二輪、四輪製品が関与する、交通事故死者ゼロをめざして取り組んでいきます。従来から取り組んできた衝突安全性能に加え、現在は事故そのものを未然に防ぐ、安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」の普及と進化に取り組んでいます。
こうした安全技術に加え、運転者や歩行者など、道を使うすべての人が、安全の意識を持ち、安心して移動できる社会を実現するために、交通安全の啓発にも長年取り組んでおり、今後もグローバルで展開していきます。
② 移動と暮らしの価値創造
モビリティ・ロボティクス・エネルギーの3つの分野で自由で楽しい移動の喜びの提供と生活が変わる・豊かになる喜びの提供をめざしていきます。
1.自由で楽しい移動の喜び
二輪・四輪など、幅広いモビリティを持つ当社グループならではの強みを活かし、生活の隅々まで移動の自由を提供する、新たなモビリティサービスの取り組みを、各地域で、他社とのパートナーシップも活用しながら始めていきます。
2.生活が変わる・豊かになる喜び
安全・安心でクリーンなエネルギーを、モビリティを通じて生活の中で共有利用できる取り組みを行っていきます。
③ 多様な社会・個人への対応
先進国や新興国にかかわらず多様な社会に向けて、また、多様な文化・価値観を持つすべての人に向けて、最適な商品・サービスの提供をめざしていきます。
これらの方向性への取り組みの一つとして、当社グループは「Honda eMaaS」というコンセプトの実現に向けて取り組みを始めています。「Honda eMaaS」は、モビリティサービスとエネルギーサービスをつなげることで、人々に自由な移動を提供すると同時に、再生可能エネルギーの拡大に貢献することです。
この「Honda eMaaS」は、今後増えてくる当社グループの電動モビリティやエネルギー機器などの電動製品群を統合管理することにより、お客様の移動と暮らしをシームレスにつなげ、生活が変わる・豊かになる喜びをカーボンフリーで提供することをめざしていきます。
当社グループを取り巻く経営環境は、大きな転換期を迎えています。価値観の多様化や、高齢化の進展、都市化の加速、気候変動の深刻化、さらに電動化、自動運転化、IoTといった技術の進化による産業構造の変化が、グローバルレベルで進んでいます。さらに新型コロナウイルス感染症の拡大による社会や個人の価値観や、地球環境問題への意識は大きく変化しています。将来の成長に不可欠な「強い商品・強いものづくり・強い事業」を確実につくりあげることが必要です。
二輪事業は市場環境を見ると、従来の既存メーカーに加え、新興メーカーとの競争がさらに激しくなっています。また、各国での環境規制強化への対応、新たな市場の拡大に向けた取り組みが必要となるなど、事業環境はこれまで以上に急激に変化を続けています。当社グループは新興国すべての政府目標を、大きく上回るCО2削減目標率を掲げ、電動化だけでなく燃費改善やバイオ燃料の活用などにも取り組み、二輪の環境トップランナーをめざしていきます。
四輪事業における電動化については、お客様の受容性やインフラ環境、再生可能エネルギーの普及など、地域の特性に合わせカーボンニュートラルの実現に向けて取り組んでいきます。
ライフクリエーション事業及びその他の事業は従来からの「パワープロダクツ商品の提供」と、エネルギーなど「将来に向けた新事業」で、移動と暮らしに新価値を提供していきます。さらに電動モビリティとエネルギーサービスをつなぐことで、自由な移動と再生可能エネルギーの利用拡大へ貢献し、カーボンニュートラルの実現に向けて取り組んでいきます。
経営環境を踏まえ、当社グループが持続的な成長を続け、様々な社会の課題解決に貢献するために、当社グループならではの価値提供の実現に向けた、次世代への新たなチャレンジとして以下の課題に取り組んでいきます。
① 将来の成長に向けた仕込み
1.次世代技術への取り組み
今後の自動車業界は電動化、安全運転支援技術、コネクテッドなどの技術革新への対応が企業の競争力を左右することが考えられます。当社グループは二輪、四輪、ライフクリエーションの各事業でこれらの次世代技術を搭載した製品・サービスの開発、早期の事業性の確立に取り組んでいきます。
電動化については、今まで開発してきた電動化技術をもとに、今後はEV(電気自動車)・FCV(燃料電池自動車)の拡大を積極的に進めていきます。そのためにバリューチェーン全体で車づくりの変化への対応に取り組んでいきます。特にバッテリーについては、独自で全固体電池の開発を行っており、2021年度より実証ラインでの生産技術の検証を開始します。
安全運転支援技術については、事故そのものを未然に防ぐ、安全運転支援システム「Honda SENSING」の普及と進化に取り組んでいきます。今後も他社とのパートナーシップも活用しながら将来社会を見据えた共同開発、事業化に向けた取り組みを進め、さらにレベル3自動運転での研究開発で培われた知見、ノウハウをADAS(先進運転支援システム)のさらなる知能化に活かし、事故カバー率を向上させることで、クリーンで安全・安心な社会の実現をめざしていきます。
2.新事業への取り組み
「Honda eMaaS」では、当社グループの電動モビリティやエネルギー機器が、電力の一時的な蓄放電装置として機能し、電力の安定化に貢献するなど、社会全体の電力の有効活用に、当社グループのエネルギー技術が寄与することを想定しています。これを実現するためにはモビリティサービスにおいては、電動車による移動やモノの運搬サービスといった領域への取り組みが必要です。また、エネルギーサービスにおいては、エネルギー機器をモビリティの動力として「つかう」だけでなく、電力を「つくり」、家庭の電源と「つながる」ことで、必要な時に必要な場所で効率的に電気を使えるようになるなど移動する電源としての領域への取り組みが必要です。
これらの各領域にソリューションを提案していくことで、すべての人に“生活の可能性が拡がる喜び”を提供したいと考えています。
② 既存事業の盤石化
次の取り組みを着実に進めることで戦略立案機能の強化、ならびに対他競争力の高いものづくり基盤を構築し、強い事業を実現していきます。
1.戦略実現に向けた体制の構築
環境変化に即座に対応でき、お客様に喜んでいただける商品をタイムリーに世の中へ提供できる強い事業をつくりあげるため、営業(S)、生産(E)、開発(D)、購買(B)の各領域を統合した一体運営体制としています。
これにより、商品企画・開発・購買・生産・販売の全体を捉えた事業戦略の立案とスピーディな実行が可能となるとともに、フロントローディングによる高精度な新機種開発と、開発から量産までの一貫したオペレーションで、ものづくりの改革と安定生産を実現していきます。
2.ものづくりの改革
四輪車は、Hondaらしいチャレンジングな商品づくりを目標に、各地域のニーズに応じてグローバルモデルと、地域専用モデルを強化してまいりました。これらの競争力をさらに高めるためには、商品力に加え、効率のよいものづくりも不可欠です。それを実現するために、各領域での体質強化にも取り組んでいます。量産車の開発効率や、部品の共有化を高める全社的な取り組みである「ホンダ アーキテクチャー」を導入し、グローバルモデルから順次投入し、適用を拡大することなどにより、既存事業の効率を高め、その工数を先進領域の研究・開発に充てることで、将来に向けた開発を加速していきます。
生産能力の適正化は、各地域で着実に進めており、グローバルでの稼働率を向上させていきます。
3.品質の一層の向上
当社グループでは桁違いに高い品質の商品を実現していくために、サプライヤーを含め設計・開発から生産、販売・サービスに至る各段階での品質の一層の向上のための活動を継続的に行ってきました。今後は電動化、安全運転支援技術、そしてIoTを取り入れた新たなモビリティへのチャレンジなど異業種を含む他社との連携を行い、オープンイノベーションを通じた「新たな価値」の創造に向けチャレンジします。そのため、お客様に提供する製品・サービスなどの品質だけでなく、「移動」と「暮らし」の進化に合わせ、お客様とのあらゆる接点において各領域で質を追求し、桁違いに高い品質を実現する活動を進化させます。
また、四輪事業において2020年4月より、各本部の品質改革部門を統合し、品質改革本部を新設し、取り組みを始めています。
4.社会からの信頼と共感の向上
引き続き先進の安全・環境技術を適用した商品の提供を行っていくことに加え、コーポレート・ガバナンスやコンプライアンス、リスク管理、社会貢献活動などの取り組みを通じ、社会から信頼と共感を得られるよう努めていきます。
以上のような企業活動全体を通した取り組みを行い、株主、投資家、お客様をはじめ、広く社会から「存在を期待される企業」となることをめざしていく所存でございます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月23日)現在において当社が判断したものであり、不確実性を内包しているため、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響
新型コロナウイルス感染症は、世界保健機関(WHO)が2020年3月にパンデミック宣言を行った後も世界的に感染が拡大し、多くの国々で外出や移動が制限され、世界各地で経済・企業活動が停滞しました。各国でワクチンの普及が進みつつあるものの、新型コロナウイルス感染症の収束時期は不透明な状況です。
当社グループにおいても、各国政府による行動制限措置の実施などに伴い、従業員の出社規制およびサプライチェーンにおける部品の供給遅延などによる一部の生産拠点の生産活動への影響のほか、一部の販売店の営業休止、営業時間の短縮、点検・修理に関する業務の縮小などの影響が発生しています。
当社グループにおいては、お客様、お取引先および従業員をはじめとするステークホルダーの安全を最優先にしつつ、事業継続の観点から事業、業績への悪影響を最小化するための対応を行っています。WHOおよび各国政府の指針に基づく感染防止策の徹底をはじめとして、各国の渡航制限に伴う感染リスクが高い国への渡航禁止、出社規制の導入による在宅勤務の拡大、多くのステークホルダーが集まるイベントの中止・縮小など、感染拡大の防止に取り組んだうえで、各国政府の規制、部品の供給状況などの動向を踏まえ、順次事業活動を再開しています。
上記のとおり、事業活動は順次再開していますが、新型コロナウイルス感染症の収束時期や市場動向、経済動向などは依然として不透明です。今後の動向により、工場の稼働低下、販売店の営業休止・営業時間の短縮、およびこれらに伴う販売台数の減少、感染防止策の長期化による対応費用の増加などにより、事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大は、下記に記載されたリスクに影響を与える可能性があります。
(1) 地域リスク
当社グループは、世界各国において事業を展開しており、それらの国や近隣地域での関税、輸出入規制、租税を含む現地法令・制度・協定・商習慣の変化、戦争・テロ・政情不安・治安の悪化、政治体制の変化、ストライキなどのリスクにさらされています。これら予期せぬ事象が発生し、事業活動の遅延・停止が発生した場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
その中でも、主に以下のリスクを認識しています。これらは、当社グループのさらなる、電動化の推進・安全運転支援技術の普及と進化・モビリティサービスなどの提供に関する中長期的な取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。これらの現地法令・制度等の変更が将来及ぼしうる各地域の事業規模については、連結財務諸表注記の「4 セグメント情報 (4) 地域別セグメント補足情報」を参照ください。
(貿易協定の状況)
米国を中心とした貿易協定交渉をめぐる今後の動向が当社グループの事業・業績に悪影響を与える可能性があります。引き続き交渉状況のモニタリングを行い、当社グループへの影響を踏まえた対応を行っていきます。米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)は2020年7月に発効されました。協定域内で販売する自動車の原産地規則など各種規則の見直しが当社グループの北米地域における事業に悪影響を与える可能性があります。引き続き、規制の状況を注視したうえで、最適な生産・開発体制の構築などの対応を行っていきます。
(個人情報保護規則の状況)
2020年1月に施行されたカリフォルニア州消費者プライバシー法をはじめ、近年世界各国で個人情報保護規則が急速に整備されており、個人情報漏洩など、規則への違反が発生した場合には、各国規則に基づき罰金を科され、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。モビリティサービスなどの提供をはじめとした次世代技術への取組みにおいても、個人情報保護に向けた対策の重要性は高まっています。現行の規制のほか、今後施行が見込まれている日本、タイ、ブラジルなどの個人情報保護規則の動向を把握したうえで、対応を行っていきます。
(経済安全保障の状況)
米国および中国において輸出管理、データ保護などに関する政策が強化された場合、生産・開発・購買・営業などの事業活動にかかる対応費用などが生じる可能性があり、当社グループの北米地域、アジアなどにおける事業に悪影響を与える可能性があります。引き続き、両国の政策動向を情報収集し注視するとともに、関係部門が参画した管理体制を構築し全社横断的な観点で対応を行っていきます。
(2) 購買・調達リスク
当社グループは、良い物を、適正な価格で、タイムリーにかつ永続的に調達することを目指して、多数の外部の取引先から原材料および部品を購入していますが、製品の製造において使用するいくつかの原材料および部品については、特定の取引先に依存しています。効率的かつ適正なコストで継続的に供給を受けられるかどうかは、当社グループがコントロールできないものも含めて、多くの要因に影響を受けます。それらの要因のなかには、取引先が継続的に原材料および部品を確保できるかどうか、また、供給を受けるにあたって、当社グループがその他の需要者に対してどれだけ競争力があるか等が含まれます。
取引先から原材料および部品が継続的に供給を受けられなかった場合や、主要な取引先を失った場合、生産活動の停滞や遅延、当社グループの競争力の損失に繋がる等、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。これらのリスクは、当社グループのさらなる、電動化の推進・安全運転支援技術の普及と進化・モビリティサービスなどの提供に関する中長期的な取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。
当社グループにおいては、事業、業績への影響を最小化するため、サプライチェーンの見直しおよび強化を継続的に行っています。また、部品の供給状況についてモニタリングを行い、当社グループの生産などの事業活動に悪影響を与える可能性がある事象が発生した場合には、取引先と連携し速やかに対応を実施しています。
当社グループにおいて、半導体の調達不足が顕在化し、国内外の一部の生産拠点において四輪車の生産停止、減産といった影響が発生しています。当社グループにおいては、取引先と連携し事業継続の観点から事業、業績への影響を最小化するための対応を行っています。
(3) 情報セキュリティリスク
当社グループは、委託先によって管理されているものを含め、事業活動および当社製品において情報サービスや運転支援に関する様々な情報システムやネットワークを利用しています。特に近年急速に進化するIoTなどの情報技術が自動車の制御に不可欠なものになっています。
その中でも、サイバー攻撃は攻撃手法の高度化、複雑化が進んでおり、その攻撃対象は世界各国に渡っています。当社グループのさらなる、安全運転支援技術の普及と進化・モビリティサービスなどの提供に関する中長期的な取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。この傾向は今後も加速すると予想されます。
外部からのサイバー攻撃のほか、機器の不具合、当社グループや委託先内部での管理上の不備や人為的な過失、さらには自然災害やインフラ障害等の不測の事態により、重要な業務やサービスの停止、機密情報・個人情報等の漏洩、不適切な事務処理、あるいは重要データの破壊、改ざん等が発生する可能性があります。
このような事象が起きた場合、ブランドイメージや社会的信用の低下、影響を受けた顧客やその他の関係者への損害責任、制裁金の支払い、生産活動の停滞や遅延、当社グループの競争力の損失に繋がる等、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループにおいては、事業、業績への悪影響を最小化するため、情報システムのセキュリティに関する管理体制および基準を定めています。本基準に基づき、ハード面およびソフト面でのセキュリティ対策を実施し、情報システムのセキュリティ強化を図っています。
製品へのサイバー攻撃に対しては、サイバーセキュリティ委員会を設置し、グローバルでの対応体制を構築しています。法規を踏まえた規程・手順書などの整備、対応フロー策定、サイバーセキュリティに関する演習を通じた改善点の検証・対策、人材育成などを行っています。
サイバー攻撃の脅威および脆弱性の分析を行うとともに、サイバー攻撃に関するインシデントが発生した場合には、迅速に実態把握を行ったうえで、影響を最小化するための対応を行っています。
また、生産設備へのサイバー攻撃に対しては、国内外の各拠点で生産設備の検証を行うとともに、セキュリティ強化に向けた対策を行っています。
当社グループにおいて、2020年6月8日、サイバー攻撃によりオフィスパソコンなどの接続障害が広範囲で発生し、生産拠点などを含む一部拠点において業務の一時中断が発生しました。当社グループにおいては、障害が発生したオフィスパソコンなどの復旧作業を実施したほか、原因およびサイバー攻撃の経路などについて調査を実施したうえで、再発防止策を策定し運用しております。当社グループが実施した調査においては、現時点において、顧客やその他の関係者に関する情報流出などの被害は確認されていません。
(4) 環境規制に関わるリスク
当社グループは、世界各国において事業を展開しており、燃費、排出ガス、騒音、有害物質、リサイクルをはじめとする環境問題などに関する様々な規制の適用を受けています。
その中でも、燃費・排出ガスに関する規制について、世界各国で見直しが実施もしくは今後予定されています。規制内容または見直しの動向によっては、二輪事業、四輪事業、ライフクリエーション事業及びその他の事業において、生産・開発・購買・営業などにかかる対応費用などが生じる可能性があり、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
これらは、当社グループのさらなる、電動化の推進に関する中長期的な取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。この傾向は今後も加速すると予想されます。
引き続き、政策・規制動向を注視するとともに、それらの状況に基づく最適な生産・開発体制の構築などの対応を行っていきます。
(5) 知的財産リスク
当社グループは、長年にわたり、自社が製造する製品に関連する多数の特許および商標を保有し、もしくはその権利を取得しています。これらの特許および商標は、当社グループのさらなる、安全運転支援技術の普及と進化・モビリティサービスなどの提供に関する中長期的な取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。
当社グループの知的財産が広範囲にわたって保護できないこと、あるいは、広範囲にわたり当社グループの知的財産権が違法に侵害されること、さらには特許権侵害訴訟による製造・販売の差し止めや高額の損害賠償金、ライセンス料の請求によって、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループにおいては、外部の専門家、取引先と連携し、特許保有者からの特許権侵害訴訟を想定した対策を実施しています。また、関連法規の動向を注視・分析し、将来の法的手続で不利な判断がなされた場合など当社グループの事業、業績への悪影響が発生する可能性がある場合には、影響を最小化するための対応を行っています。
(6) 自然災害等リスク
地震、風水害、感染症などの発生時に当社グループの拠点や従業員が被害を受け、生産・開発・購買・営業などの事業活動の停止・遅延が発生した場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。また、これらの事象によって取引先が被害を受けた場合、あるいはインフラの停止が発生した場合にも、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループは、事業、業績への影響を最小化するため、これらの事象のリスク評価や事業継続計画(BCP)の策定および定期的な見直しを行っています。
また、各国で顕在化した事象に基づき、対応体制および規程・手順書の見直し、訓練実施による改善点の検証・対策などを行っています。
なお、当社グループに重大な影響を与える事象が発生した場合には、グローバル危機対策本部を設置し、各地域の情報収集および影響の最小化に向けた対応を全社横断的な観点で実施します。
(7) 金融・経済リスク
当社グループにおいては、金融・経済などの動向をモニタリングし当社グループに対する事業影響を把握するとともに、事業計画に反映し、対応を実施しています。
① 経済動向、景気変動リスク
当社グループは、世界各国で事業を展開しており、様々な地域、国で生産活動を行い、製品を販売しています。これらの事業活動は経済低迷、通貨変動などの影響を受けることで、市場の縮小による販売台数の減少、部品調達価格および製品の販売価格の上昇、信用リスクの上昇、資金調達金利の上昇などに繋がる可能性があります。その結果として当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
② 為替変動リスク
当社グループは、日本をはじめとする世界各国の生産拠点で生産活動を行っており、その製品および部品の多くを複数の国に輸出しています。各国における生産および販売では、外貨建てで購入する原材料および部品や、販売する製品および部品があります。したがって、為替変動は、購入価格や販売価格の設定に影響し、その結果、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(8) 他社との業務提携・合弁リスク
当社グループは、相乗効果や効率化などを期待、もしくは事業展開している国の要件に従う場合に、他社と業務提携・合弁による事業運営を行っています。
当社グループのさらなる、電動化の推進・安全運転支援技術の普及と進化・モビリティサービスなどの提供に関する中長期的な取り組みを進めるにあたっては、業務提携などの活用の重要性は高まっています。
業務提携などにおいて、当事者間で業務上の不一致、利益や技術の流出、意思決定の遅れ、業務提携先などの業績不振が生じた場合、あるいは提携内容の変更や解消が生じた場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループにおいては、中長期の事業戦略に基づき業務提携などの戦略を議論・策定したうえで、デューデリジェンスを通じた情報収集・リスク検証を行っています。契約締結後においても業務提携などに関する運営状況のモニタリングを行い、当社グループの事業、業績への影響が発生する可能性がある場合には、提携先などと連携し影響を最小化するための対応を行っています。
(9) 市場環境変化リスク
当社グループは、日本、北米、欧州およびアジアを含む世界各国で事業を展開しています。これらの市場の長期にわたる経済低迷、消費者の価値観、ニーズの変化や、燃料価格の上昇および金融危機、原材料の高騰・供給量低下による製品価格上昇などによる購買意欲の低下、他社との競争激化は、当社グループの製品の需要低下につながり、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(10) 金融事業特有のリスク
当社グループの金融サービス事業は、お客様に様々な資金調達プログラムを提供しており、それらは、製品の販売をサポートしています。しかしながら、お客様は当社グループの金融サービス事業からではなく、競合する他の銀行およびリース会社等を通して、製品の購入またはリースの資金を調達することができます。当社グループが提供する金融サービスは、残存価額および資本コストに関するリスク、信用リスク、資金調達リスクなどを伴います。お客様獲得に関する競合および上記金融事業特有のリスクは、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(11) 法務リスク
当社グループは、訴訟、関連法規に基づく様々な調査、法的手続を受ける可能性があります。係争中、または将来の法的手続で不利な判断がなされた場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(12) 退職後給付に関わるリスク
当社グループは、各種退職給付および年金制度を有しています。これらの制度における給付額は、基本的に従業員の給与水準、勤続年数およびその他の要素に基づいて決定されます。また、掛金は法令が認める範囲で定期的に見直されています。確定給付制度債務および確定給付費用は、割引率や昇給率などの様々な仮定に基づいて算出されています。仮定の変更は将来の確定給付費用、確定給付制度債務および制度への必要拠出額に影響を与えることにより、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(13) ブランドイメージに関連するリスク
当社グループのブランドに対するお客様や当社グループを取り巻く社会からの信頼・支持が、企業の永続性において重要な要素の一つとなっています。このブランドイメージを支えるため、製品の品質や法規制への対応、リスク管理の実施、内部統制の充実などあらゆる企業活動において常に社会からの信頼に応えられるように努めています。しかしながら予測できない事象により、当社グループのブランドイメージを毀損した場合や迅速で適切な情報発信などの対応が実施出来なかった場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
当連結会計年度の当社、連結子会社および持分法適用会社(以下「当社グループ」という。)をとりまく経済環境は、新型コロナウイルス感染症の拡大や世界的な半導体供給不足の影響などにより、厳しい状況が続きました。米国では、政府の景気刺激策の効果などはあったものの、失業率や個人消費の悪化などにより、景気は減速しました。欧州では、景気は厳しい状況にあるなかで、経済活動が抑制されており、弱い動きとなりました。アジアの景気においては、インド、タイ、インドネシアでは減速しました。一方、中国では政府の景気刺激策の効果などにより、緩やかに回復しました。日本では、経済活動が制限されており、景気は減速しました。
主な市場のうち、二輪車市場は前年度にくらべ、ブラジル、ベトナム、インド、タイでは縮小、インドネシアでは大幅に縮小となりました。四輪車市場は前年度にくらべ、中国では回復しましたが、インド、米国、日本では縮小、インドネシア、ブラジル、欧州、タイでは大幅に縮小となりました。
このような中で、当社グループは、お客様や社会の多様なニーズの変化に迅速かつ的確に対応するため、企業体質の強化に努めてまいりました。研究開発面では、安全・環境技術や商品の魅力向上、モビリティの変革にむけた先進技術開発に外部とのオープンイノベーションも活用し、積極的に取り組みました。生産面では、生産体質の強化や、グローバルでの需要の変化に対応した生産配置と生産能力の適正化をさらに進めました。販売面では、新価値商品の積極的な投入や、グローバルでの商品の供給などにより、商品ラインアップの充実に取り組みました。
なお、2020年4月より、主な四輪商品開発機能を営業・生産・購買領域との一体運営体制へ変更しました。これにより、開発から生産まで一貫した効率のよいオペレーションを通じてものづくりを進化させます。また、㈱本田技術研究所を、設立時の趣旨である「未知の世界の開拓を通じた新価値創造」をさらに強化する体制に変更しました。
当連結会計年度の連結売上収益は、全ての事業における減少などにより、13兆1,705億円と前連結会計年度にくらべ11.8%の減収となりました。
営業利益は、売上変動及び構成差に伴う利益減などはあったものの、販売費及び一般管理費の減少やコストダウン効果などにより、6,602億円と前連結会計年度にくらべ4.2%の増益となりました。税引前利益は、9,140億円と前連結会計年度にくらべ15.7%の増益、親会社の所有者に帰属する当期利益は、6,574億円と前連結会計年度にくらべ44.3%の増益となりました。
事業の種類別セグメントの状況
(二輪事業)
二輪事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の減少などにより、1兆7,872億円と前連結会計年度にくらべ13.2%の減収となりました。営業利益は、コストダウン効果や販売費及び一般管理費の減少などはあったものの、台数変動及び構成差に伴う利益減などにより、2,246億円と前連結会計年度にくらべ21.4%の減益となりました。
※Hondaグループ販売台数は、当社および連結子会社、ならびに持分法適用会社の完成車(二輪車・ATV・Side-by-Side)販売台数です。一方、連結売上台数は、外部顧客への売上収益に対応する販売台数であり、当社および連結子会社の完成車販売台数です。
(四輪事業)
四輪事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の減少などにより、8兆5,672億円と前連結会計年度にくらべ14.0%の減収となりました。営業利益は、販売費及び一般管理費の減少やコストダウン効果などはあったものの、台数変動及び構成差に伴う利益減などにより、902億円と前連結会計年度にくらべ41.1%の減益となりました。
※Hondaグループ販売台数は、当社および連結子会社、ならびに持分法適用会社の完成車販売台数です。一方、連結売上台数は、外部顧客への売上収益に対応する販売台数であり、当社および連結子会社の完成車販売台数です。また、当社の日本の金融子会社が提供する残価設定型クレジットが、IFRSにおいてオペレーティング・リースに該当する場合、当該金融サービスを活用して連結子会社を通して販売された四輪車は、四輪事業の外部顧客への売上収益に計上されないため、連結売上台数には含めていませんが、Hondaグループ販売台数には含めています。
(金融サービス事業)
金融サービス事業の外部顧客への売上収益は、リース車両売却売上の減少などにより、2兆4,942億円と前連結会計年度にくらべ3.6%の減収となりました。営業利益は、販売費及び一般管理費の減少などにより、3,569億円と前連結会計年度にくらべ62.5%の増益となりました。
(ライフクリエーション事業及びその他の事業)
ライフクリエーション事業及びその他の事業の外部顧客への売上収益は、その他の事業の売上収益の減少などにより、3,217億円と前連結会計年度にくらべ1.2%の減収となりました。営業損失は、その他の事業の売上収益の減少などはあったものの、販売費及び一般管理費の減少やコストダウン効果などにより116億円と前連結会計年度にくらべ134億円の改善となりました。なお、ライフクリエーション事業及びその他の事業に含まれる航空機および航空機エンジンの営業損失は、323億円と前連結会計年度にくらべ99億円の改善となりました。
※Hondaグループ販売台数は、当社および連結子会社、ならびに持分法適用会社のパワープロダクツ販売台数です。一方、連結売上台数は、外部顧客への売上収益に対応する販売台数であり、当社および連結子会社のパワープロダクツ販売台数です。なお、当社は、パワープロダクツを販売している持分法適用会社を有しないため、ライフクリエーション事業においては、Hondaグループ販売台数と連結売上台数に差異はありません。
所在地別セグメントの状況
(日本)
売上収益は、四輪事業における減少などにより、3兆8,678億円と前連結会計年度にくらべ12.6%の減収となりました。営業損失は、販売費及び一般管理費の減少などはあったものの、売上変動及び構成差に伴う利益減などにより、759億円と前連結会計年度にくらべ477億円の悪化となりました。
(北米)
売上収益は、四輪事業における減少などにより、7兆4,808億円と前連結会計年度にくらべ12.6%の減収となりました。営業利益は、売上変動および構成差に伴う利益減などはあったものの、販売費及び一般管理費の減少やコストダウン効果などにより、4,558億円と前連結会計年度にくらべ49.3%の増益となりました。
(欧州)
売上収益は、四輪事業における減少などにより、6,818億円と前連結会計年度にくらべ11.7%の減収となりました。営業利益は、販売費及び一般管理費の減少などにより、274億円と前連結会計年度にくらべ83.1%の増益となりました。
(アジア)
売上収益は、四輪事業や二輪事業における減少などにより、3兆4,587億円と前連結会計年度にくらべ10.4%の減収となりました。営業利益は、販売費及び一般管理費の減少などはあったものの、売上変動及び構成差に伴う利益減などにより、2,518億円と前連結会計年度にくらべ21.2%の減益となりました。
(その他の地域)
売上収益は、四輪事業における減少や為替換算による減少影響などにより、4,344億円と前連結会計年度にくらべ37.4%の減収となりました。営業損失は、コストダウン効果などはあったものの、売上変動及び構成差に伴う利益減などにより、50億円と前連結会計年度にくらべ423億円の減益となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2兆7,580億円と前連結会計年度末にくらべ856億円の増加となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況と、前連結会計年度に対する各キャッシュ・フローの増減状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、1兆723億円となりました。この営業活動によるキャッシュ・インフローは、顧客からの現金回収の減少などはあったものの、販売費及び一般管理費、部品や原材料の支払いの減少などにより、前連結会計年度にくらべ929億円の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果減少した資金は、7,968億円となりました。この投資活動によるキャッシュ・アウトフローは、有形固定資産の取得による支出の減少などはあったものの、その他の金融資産の取得による支出の増加などにより、前連結会計年度にくらべ1,774億円の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果減少した資金は、2,839億円となりました。この財務活動によるキャッシュ・アウトフローは、資金調達に係る債務の返済の増加などにより、前連結会計年度にくらべ1,965億円の増加となりました。
(注) 1 生産台数は、当社および連結子会社の完成車の生産台数の合計です。
2 二輪事業には二輪車、ATVおよびSide-by-Sideが含まれています。
3 ライフクリエーション事業及びその他の事業にはパワープロダクツの生産台数を記載しています。
見込生産のため、大口需要等の特別仕様のものを除いては、受注生産はしていません。
仕向地別(外部顧客の所在地別)売上収益は、以下のとおりです。
(注) 各事業の主要製品およびサービス、事業形態につきましては、連結財務諸表注記の「4 セグメント情報」を参照ください。
(2) 経営成績等の状況の分析
この経営成績等の状況の分析は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与えた事象や要因を経営者の立場から分析し、説明したものです。
なお、この経営成績等の状況の分析に記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月23日)現在において判断したものであり、リスクと不確実性を内包しているため、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う当社グループの業績への影響
当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の拡大により世界的に減速していた景気は回復基調となりましたが、依然として当社グループの業績にも影響を及ぼしています。
各国政府による行動制限措置の実施などに伴い、国内外の生産拠点において、従業員の出社規制およびサプライチェーンにおける部品の供給遅延などによる製品の生産停止・減産といった影響が発生しました。国内外の一部の販売店においては、店舗で営業休止、営業時間の短縮、点検・修理に関する業務の縮小などの影響が発生しました。当連結会計年度末においては、事業活動は概ね再開し、主要な国又は地域において重要な事業影響は発生していません。
なお、「2 事業等のリスク 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響」をあわせて参照ください。
当社グループの業績
当連結会計年度の連結売上収益は、全ての事業における減少などにより、前連結会計年度にくらべ減収となりました。
営業利益は、売上変動及び構成差に伴う利益減などはあったものの、販売費及び一般管理費の減少やコストダウン効果などにより、増益となりました。
二輪事業の概要
当連結会計年度の連結売上台数は、インドやベトナムなどで販売が減少したことにより、1,026万4千台と前連結会計年度にくらべ17.4%の減少となりました。
四輪事業の概要
当連結会計年度の連結売上台数は、全ての地域で販売が減少したことにより、261万7千台と前連結会計年度にくらべ21.1%の減少となりました。
ライフクリエーション事業及びその他の事業の概要
当連結会計年度のライフクリエーション事業の連結売上台数は、欧州地域やアジア地域などで販売が増加したものの、北米地域で減少したことにより、562万3千台と前連結会計年度にくらべ1.4%の減少となりました。
(当連結会計年度の連結業績の概況)
売上収益
当連結会計年度の連結売上収益は、全ての事業における減少などにより、13兆1,705億円と前連結会計年度にくらべ1兆7,604億円、11.8%の減収となりました。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約1兆4,109億円、約9.4%の減収と試算されます。
営業費用
営業費用は、12兆5,103億円と前連結会計年度にくらべ1兆7,870億円、12.5%の減少となりました。売上原価は、全ての事業における連結売上収益の減少に伴う費用の減少などにより、10兆4,396億円と前連結会計年度にくらべ1兆4,119億円、11.9%の減少となりました。販売費及び一般管理費は、1兆3,317億円と前連結会計年度にくらべ3,098億円、18.9%の減少となりました。研究開発費は、7,388億円と前連結会計年度にくらべ652億円、8.1%の減少となりました。
営業利益
営業利益は、売上変動及び構成差に伴う利益減などはあったものの、販売費及び一般管理費の減少やコストダウン効果などにより、6,602億円と前連結会計年度にくらべ265億円、4.2%の増益となりました。なお、為替影響約471億円の減益要因を除くと、約736億円の増益と試算されます。
ここで記載されている変動要因の各項目については、当社が現在合理的であると判断する分類および分析方法に基づいています。なお、一部の分析項目において、当社および主要な連結子会社を対象に分析しています。「為替影響」については、海外連結子会社の財務諸表の円換算時に生じる「為替換算差」と外貨建取引から生じる「実質為替影響」について分析しています。「実質為替影響」については、米ドルなどの取引通貨の、対円および各通貨間における為替影響について分析しています。また、為替影響を除いた試算数値は、当社の連結財務諸表の金額とは異なっており、IFRSに基づくものではなく、IFRSで要求される開示に代わるものではありません。しかしながら、これらの為替影響を除いた試算数値は当社の業績をご理解頂くために有用な追加情報と考えています。
税引前利益
税引前利益は、9,140億円と前連結会計年度にくらべ1,241億円、15.7%の増益となりました。営業利益の増加を除く要因は、以下のとおりです。
持分法による投資利益は、アジア地域の持分法適用会社における増収に伴う利益の増加や、一部の持分法で会計処理されている投資について、過去に認識した減損損失の戻入れを計上したことなどにより、1,085億円の増益要因となりました。
金融収益及び金融費用は、受取利息の減少などにより、109億円の減益要因となりました。なお、詳細については、連結財務諸表注記の「22 金融収益及び金融費用」を参照ください。
法人所得税費用
法人所得税費用は、2,186億円と前連結会計年度にくらべ613億円、21.9%の減少となりました。また、当連結会計年度の平均実際負担税率は、前連結会計年度より11.5ポイント低い23.9%となりました。なお、詳細については、連結財務諸表注記の「23 法人所得税 (1) 法人所得税費用」を参照ください。
当期利益
当期利益は、6,954億円と前連結会計年度にくらべ1,855億円、36.4%の増益となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益
親会社の所有者に帰属する当期利益は、6,574億円と前連結会計年度にくらべ2,016億円、44.3%の増益となりました。
非支配持分に帰属する当期利益
非支配持分に帰属する当期利益は、380億円と前連結会計年度にくらべ161億円、29.8%の減益となりました。
(二輪事業)
連結売上台数は、アジア地域で減少したことなどにより、1,026万4千台と前連結会計年度にくらべ17.4%の減少となりました。二輪事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の減少などにより、1兆7,872億円と前連結会計年度にくらべ2,720億円、13.2%の減収となりました。なお、販売価格の変動が売上収益に与える影響は軽微でした。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約1,745億円、約8.5%の減収と試算されます。
営業費用は、1兆5,626億円と前連結会計年度にくらべ2,109億円、11.9%の減少となりました。売上原価は、連結売上台数の減少などにより、1兆3,249億円と前連結会計年度にくらべ1,697億円、11.4%の減少となりました。販売費及び一般管理費は、1,714億円と前連結会計年度にくらべ281億円、14.1%の減少となりました。研究開発費は、662億円と前連結会計年度にくらべ131億円、16.5%の減少となりました。
営業利益は、コストダウン効果や販売費及び一般管理費の減少などはあったものの、台数変動及び構成差に伴う利益減などにより、2,246億円と前連結会計年度にくらべ610億円、21.4%の減益となりました。
日本
日本の2020年度二輪車総需要(注)は、約37万台と前年度にくらべ約4%の増加となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、新型「CT125・ハンターカブ」の投入効果などにより、21万5千台と前連結会計年度にくらべ4.9%の増加となりました。
(注) 出典:JAMA(日本自動車工業会)
北米
主要市場である米国の2020年(暦年)二輪車・ATV総需要(注)は、約78万台と前年にくらべ約18%の増加となりました。
当連結会計年度の北米地域の連結売上台数は、33万2千台と前連結会計年度にくらべ0.6%の増加となりました。
(注) 出典:MIC(米国二輪車工業会)
二輪車・ATVの合計であり、Side-by-Side(S×S)は含まない。
欧州
欧州地域の2020年(暦年)二輪車総需要(注)は、約97万台と前年にくらべ約1%の増加となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、「CB500」シリーズの減少などにより、23万4千台と前連結会計年度にくらべ2.1%の減少となりました。
(注) 英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、スイス、ポルトガル、オランダ、ベルギー、オーストリアの10ヵ国の合計、当社調べ
アジア
最大市場のインドの2020年(暦年)二輪車総需要は、約1,411万台と前年にくらべ約24%の減少となりました。その他のアジア地域主要国の2020年(暦年)二輪車総需要(注)は、インドネシアや中国などで減少したことにより、約1,719万台と前年にくらべ約23%の減少となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、インドにおける「Activa」シリーズ、ベトナムにおける「Wave」シリーズや「Air Blade」シリーズの減少などにより、845万1千台と前連結会計年度にくらべ18.3%の減少となりました。
なお、持分法適用会社であるインドネシアのピー・ティ・アストラホンダモーターの販売台数は連結売上台数に含まれませんが、当連結会計年度の販売台数は、「BeAT」シリーズや「Variо」シリーズの減少などにより、約269万台と前連結会計年度にくらべ約45%の減少となりました。
(注) タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、パキスタン、中国の7ヵ国の合計、当社調べ
その他の地域
主要市場であるブラジルの2020年(暦年)二輪車総需要(注)は、約93万台と前年にくらべ約14%の減少となりました。
その他の地域(南米・中東・アフリカ・大洋州など)における当連結会計年度の連結売上台数は、ブラジルにおける「CG160」シリーズや「Biz」シリーズの減少などにより、103万2千台と前連結会計年度にくらべ20.9%の減少となりました。
(注) 出典:ABRACICLO(ブラジル二輪車製造者協会)
(四輪事業)
連結売上台数は、全ての地域で減少したことなどにより、261万7千台と前連結会計年度にくらべ21.1%の減少となりました。四輪事業の外部顧客への売上収益は、連結売上台数の減少などにより、8兆5,672億円と前連結会計年度にくらべ1兆3,918億円、14.0%の減収となりました。なお、販売価格の変動が売上収益に与える影響は軽微でした。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約1兆2,028億円、約12.1%の減収と試算されます。セグメント間取引を含む四輪事業の売上収益は、8兆7,793億円と前連結会計年度にくらべ1兆4,152億円、13.9%の減収となりました。
営業費用は、8兆6,890億円と前連結会計年度にくらべ1兆3,522億円、13.5%の減少となりました。売上原価は、連結売上台数の減少に伴う費用の減少などにより、6兆9,728億円と前連結会計年度にくらべ1兆1,521億円、14.2%の減少となりました。販売費及び一般管理費は、1兆690億円と前連結会計年度にくらべ1,523億円、12.5%の減少となりました。研究開発費は、6,471億円と前連結会計年度にくらべ477億円、6.9%の減少となりました。
営業利益は、販売費及び一般管理費の減少やコストダウン効果などはあったものの、台数変動及び構成差に伴う利益減などにより、902億円と前連結会計年度にくらべ630億円、41.1%の減益となりました。
各カテゴリ別の販売台数構成比は概ね以下のとおりです。(小売販売台数ベース)
パッセンジャーカー(セダン・コンパクト等):前連結会計年度48%、当連結会計年度43%
ライトトラック(SUV・ミニバン等):前連結会計年度45%、当連結会計年度50%
軽自動車:前連結会計年度7%、当連結会計年度7%
四輪事業における主要な製品は以下のとおりです。
パッセンジャーカー(セダン・コンパクト等):
「ACCORD」 、「CITY」 、「CIVIC」 、「CRIDER」 、「FIT(JAZZ)」
ライトトラック(SUV・ミニバン等):
「BREEZE」 、「CR-V」 、「FREED」、「ODYSSEY」 、「PILOT」 、
「VEZEL(HR-V)」 、「XR-V」
軽自動車:
「N-BOX」
カテゴリ別の収益性を決定する要因はさまざまですが、販売価格は重要な要素の一つと考えています。上記カテゴリごとの販売価格については、各モデルによって異なるものの、全体的には、ライトトラックは比較的高く、軽自動車は比較的低い傾向があります。
車両の貢献利益も各モデルによって異なりますが、一般的にライトトラックは販売価格が高いことから貢献利益も高く、軽自動車は販売価格が低いことから貢献利益も低い傾向があります。例えば、当社グループの主要な販売地域である日本市場と米国市場における、当連結会計年度のカテゴリ別の貢献利益は、ライトトラックは全カテゴリ平均より約25%高く、パッセンジャーカーは約10%低く、軽自動車は約45%低いと試算されます。上記の貢献利益は売上収益から販売量に比例して発生すると考えられる材料費を控除した金額の台当たり金額と定義して算定したものです。
日本
日本の2020年度四輪車総需要(注1)は、約465万台と前年度にくらべ、約8%の減少となりました。
当連結会計年度の連結売上台数(注2)は、「N-BOX」シリーズの減少などにより、52万台と前連結会計年度にくらべ11.7%の減少となりました。
当連結会計年度の日本での生産台数は、部品供給制限影響や需要の減少などにより、68万7千台と前連結会計年度にくらべ14.9%の減少となりました。
(注) 1 出典:JAMA(日本自動車工業会:登録車+軽自動車)
2 当社の日本の金融子会社が提供する残価設定型クレジットが、IFRSにおいてオペレーティング・リースに該当する場合、当該金融サービスを活用して連結子会社を通して販売された四輪車は、四輪事業の外部顧客への売上収益に計上されないため、連結売上台数には含めていません。
北米
主要市場である米国の2020年(暦年)四輪車総需要(注)は、約1,457万台と前年にくらべ約15%の減少となりました。
当連結会計年度の北米地域での連結売上台数は、「ACCORD」や「CIVIC」の減少などにより、148万台と前連結会計年度にくらべ18.9%の減少となりました。
当連結会計年度の北米地域での生産台数は、需要の減少や部品供給制限影響などにより、139万7千台と前連結会計年度にくらべ19.5%の減少となりました。
(注) 出典:Autodata
欧州
欧州地域の2020年(暦年)四輪車総需要(注)は、約1,196万台と前年にくらべ約24%の減少となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、「CIVIC」や「CR-V」の減少などにより、10万1千台と前連結会計年度にくらべ24.1%の減少となりました。
当連結会計年度の英国工場での生産台数は、「CIVIC」の販売の減少により、7万1千台と前連結会計年度にくらべ、24.0%の減少となりました。
(注) 出典:ACEA(欧州自動車工業会)乗用車部門(EU27ヵ国、EFTA3ヵ国、英国)
アジア
最大市場の中国の2020年(暦年)四輪車総需要は、約2,531万台(注1)と前年にくらべ約2%の減少となりました。その他のアジア地域主要国の2020年(暦年)四輪車総需要は、インドやインドネシアなどで減少したことにより、約605万台(注2)と前年にくらべ約24%の減少となりました。
当連結会計年度の連結売上台数の合計は、インドネシアにおける「BRIO」や「HR-V」、タイにおける「JAZZ」や「CIVIC」の減少などにより、39万台と前連結会計年度にくらべ30.7%の減少となりました。
なお、持分法適用会社である中国の東風本田汽車有限公司および広汽本田汽車有限公司の販売台数は連結売上台数に含まれませんが、当連結会計年度の販売台数は、「BREEZE」や「CR-V」の増加などにより、185万8千台と前連結会計年度にくらべ33.8%の増加となりました。
アジア地域の連結子会社の当連結会計年度の生産台数は、40万2千台(注3)と前連結会計年度にくらべ33.6%の減少となりました。
なお、中国の持分法適用会社である東風本田汽車有限公司および広汽本田汽車有限公司の当連結会計年度の生産台数は187万7千台と前連結会計年度にくらべ37.0%の増加となりました。
(注) 1 出典:中国汽車工業協会
2 タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、台湾、インド、パキスタンの8ヵ国の合計、当社調べ
3 タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、台湾、インド、パキスタンの8ヵ国の合計
その他の地域
主要市場であるブラジルの2020年(暦年)の四輪車総需要は、約195万台(注)と前年にくらべ約27%の減少となりました。
当連結会計年度の連結売上台数は、ブラジルにおける「FIT」や「HR-V」の減少などにより、12万6千台と前連結会計年度にくらべ39.4%の減少となりました。
当連結会計年度のブラジル工場での生産台数は、需要の減少などにより、7万2千台と前連結会計年度にくらべ42.1%の減少となりました。
(注) 出典:ANFAVEA(ブラジル自動車製造業者協会:乗用車+軽商用車)
(金融サービス事業)
当社グループは、製品販売のサポートを主な目的として、日本・米国・カナダ・英国・ドイツ・ブラジル・タイにある金融子会社を通じて、顧客に対する金融サービス(小売金融、オペレーティング・リースおよびファイナンス・リース)および販売店に対する金融サービス(卸売金融)を提供しています。
金融サービスに係る債権およびオペレーティング・リース資産残高の合計は、10兆3,344億円と前連結会計年度末にくらべ5,472億円、5.6%の増加となりました。また、前連結会計年度末の為替レートで換算した場合、前連結会計年度末にくらべ約2,570億円、約2.6%の増加と試算されます。
金融サービス事業の外部顧客への売上収益は、リース車両売却売上の減少などにより、2兆4,942億円と前連結会計年度にくらべ926億円、3.6%の減収となりました。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約331億円、約1.3%の減収と試算されます。セグメント間取引を含む金融サービス事業の売上収益は、2兆5,067億円と前連結会計年度にくらべ941億円、3.6%の減収となりました。
営業費用は、2兆1,498億円と前連結会計年度にくらべ2,314億円、9.7%の減少となりました。売上原価は、リース車両売却売上の減少に伴う費用の減少などにより、2兆992億円と前連結会計年度にくらべ1,147億円、5.2%の減少となりました。販売費及び一般管理費は、クレジット損失引当金の減少などにより、505億円と前連結会計年度にくらべ1,166億円、69.8%の減少となりました。
営業利益は、販売費及び一般管理費の減少などにより、3,569億円と前連結会計年度にくらべ1,372億円、62.5%の増益となりました。
(ライフクリエーション事業及びその他の事業)
ライフクリエーション事業の連結売上台数は、北米地域で減少したことなどにより、562万3千台と前連結会計年度にくらべ1.4%の減少となりました。ライフクリエーション事業及びその他の事業の外部顧客への売上収益は、その他の事業の売上収益の減少などにより、3,217億円と前連結会計年度にくらべ38億円、1.2%の減収となりました。また、前連結会計年度の為替レートで換算した場合、前連結会計年度にくらべ約4億円、約0.1%の減収と試算されます。セグメント間取引を含むライフクリエーション事業及びその他の事業の売上収益は、3,418億円と前連結会計年度にくらべ88億円、2.5%の減収となりました。
営業費用は、3,534億円と前連結会計年度にくらべ222億円、5.9%の減少となりました。売上原価は、その他の事業の売上収益の減少に伴う費用の減少などにより、2,874億円と前連結会計年度にくらべ51億円、1.8%の減少となりました。販売費及び一般管理費は、406億円と前連結会計年度にくらべ126億円、23.8%の減少となりました。研究開発費は、254億円と前連結会計年度にくらべ43億円、14.7%の減少となりました。
営業損失は、その他の事業の売上収益の減少などはあったものの、販売費及び一般管理費の減少やコストダウン効果などにより116億円と前連結会計年度にくらべ134億円の改善となりました。なお、ライフクリエーション事業及びその他の事業に含まれる航空機および航空機エンジンの営業損失は、323億円と前連結会計年度にくらべ99億円の改善となりました。
日本
当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジン(注)や発電機が増加したことなどにより、33万6千台と前連結会計年度にくらべ7.7%の増加となりました。
(注) 相手先ブランドで販売される商品に搭載されるエンジン
OEM:Original Equipment Manufacturer
北米
当連結会計年度の連結売上台数は、発電機の増加などはあったものの、OEM向けエンジンが減少したことなどにより、261万7千台と前連結会計年度にくらべ8.1%の減少となりました。
欧州
当連結会計年度の連結売上台数は、発電機の減少はあったものの、芝刈機やOEM向けエンジンが増加したことなどにより、92万9千台と前連結会計年度にくらべ9.9%の増加となりました。
アジア
当連結会計年度の連結売上台数は、発電機の減少などはあったものの、OEM向けエンジンが増加したことなどにより、140万5千台と前連結会計年度にくらべ2.2%の増加となりました。
その他の地域
当連結会計年度の連結売上台数は、OEM向けエンジンが増加したことなどにより、33万6千台と前連結会計年度にくらべ4.7%の増加となりました。
特に重要な見積りを伴う会計方針とは、本質的に不確実性があり、次連結会計年度以降に変更する可能性がある事項、または当連結会計年度において合理的に用いうる他の見積りがあり、それを用いることによっては財政状態および経営成績に重要な相違を及ぼすであろう事項の影響に関して見積りを行う必要がある場合に、最も困難で主観的かつ複雑な判断が要求されるものです。また、当社および連結子会社をとりまく市場の動向や為替変動などの経済情勢により、これらの見積りの不確実性は増大します。
現時点において、新型コロナウイルス感染症の拡大について、主要な国又は地域の経済活動は回復傾向です。当社および連結子会社は新型コロナウイルス感染症拡大前に近い水準に向けて市場が徐々に回復していくとの仮定を利用した見積りに基づき会計処理しています。新型コロナウイルス感染症の拡大により、市場の動向や経済情勢に与える影響が増大した場合には、事後的な結果との間に重要な乖離が生じる可能性があります。
次に挙げるものは、当社および連結子会社のすべての会計方針を包括的に記載するものではありません。当社および連結子会社の重要な会計方針は、連結財務諸表注記の「3 重要な会計方針」に記載されています。
連結財務諸表に関して、認識している特に重要な見積りを伴う会計方針は、以下のとおりです。
(製品保証)
当社および連結子会社は、特定の期間、製品に保証を付与しているとともに、必要に応じて主務官庁への届出等に基づいて個別に無償の補修を行っています。製品保証は、製品の種類、販売地域の特性およびその他の要因に応じて異なります。
製品保証引当金には、保証書に基づく無償の補修費用、主務官庁への届出等に基づく個別の無償補修費用が含まれます。保証書に基づく無償の補修費用は、製品を販売した時点で認識しており、主務官庁への届出等に基づく新規の保証項目に関連する費用については、経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、その債務の金額について信頼性をもって見積ることができる場合に、引当金を認識しています。製品保証引当金は、過去の補修実績、過去の売上実績、予測発生台数および予測台当たり補修費用等を含む将来の見込みに基づいて見積り、計上しています。当社および連結子会社の製品の構成部品の一部は、部品供給会社によって製造され、部品取引基本契約書に基づき、当社および連結子会社に対し、保証されています。
当社は、見積りの変化が親会社の所有者に帰属する当期利益に重要な影響を及ぼす可能性があり、本質的に不確実な将来のクレームの頻度と金額を見積ることが必要となるため、製品保証引当金に関する見積りを、「特に重要な会計上の見積り」に該当すると考えています。
当社および連結子会社は、製品保証引当金が適切かどうかを常に確認しています。したがって、発生が見込まれる製品保証に関連する費用について、必要十分な金額を引当計上していると考えています。
実際の発生は、それらの見積りと異なることがあり、引当金の計上金額が大きく修正される可能性があります。
製品保証引当金の増減および売上収益は、以下のとおりです。
(注) 前連結会計年度および当連結会計年度における繰入額は、主に四輪事業における主務官庁への届出等に基
づく無償の補修費用によるものです。
(クレジット損失)
当社の金融子会社は、製品の販売をサポートするために、顧客に対する金融サービス(小売金融、オペレーティング・リースならびにファイナンス・リース)および販売店に対する金融サービス(卸売金融)を提供しています。当社は、顧客に対する金融サービスのうち、小売金融およびファイナンス・リースに係る債権(以下「顧客に対する金融債権」という。)を金融サービスに係る債権に含めており、オペレーティング・リースをオペレーティング・リース資産として区分掲記しています。また、販売店に対する金融債権を金融サービスに係る債権に含めています。
クレジット損失は、金融サービスに係る債権に対して見積られる費用です。信用リスクの大部分は、顧客に対する金融債権に関して発生しており、一般的な経済動向によって影響を受けることがあります。失業率の上昇などの経済情勢悪化は貸倒れのリスクを高め、中古車価格の下落は、担保の回収による補填金額を減少させる可能性があります。当社の金融子会社は、信用リスクに影響を与えると考えられる審査基準のモニタリングおよび見直し、見積損失を考慮した契約金利の設定、損失を最小化する回収努力を通じ顧客に対する金融債権に係る信用リスクに対処しています。
また、当社の金融子会社はオペレーティング・リースの貸手として、オペレーティング・リースの借手の信用リスクにさらされています。オペレーティング・リースの一部は、リースの借手が債務不履行に陥った場合、リース期間満了前に終了することが見込まれます。通常、顧客の不払いによるリース資産の損失は、回収車両の処分によって実現します。オペレーティング・リースの信用リスクに影響を与える要因および信用リスクに対する管理方法は、顧客に対する金融債権と同様です。
販売店に対する金融債権に係る信用リスクは、販売店の財務体質、担保の価値、販売店の信用力に影響を与える可能性のある経済要因などにより影響を受けます。当社の金融子会社は、融資前に実施する販売店の財務体質の包括的な審査、支払実績と既存の融資に対する弁済能力の継続的なモニタリングなどを通じ、直面する信用リスクに対処しています。
当社の金融子会社は、金融サービスに係る債権の見積損失額をクレジット損失引当金として計上しています。当社の金融子会社は、少なくとも四半期に一度、これらの見積りを評価しています。
当社の金融子会社は、クレジット損失引当金について次の3つのステージからなる予想損失モデルにより測定しています。
ステージ1 当初認識以降に信用リスクが著しく増大していない金融資産に対する12ヵ月の予想信用損失
ステージ2 当初認識以降に信用リスクが著しく増大したが、信用減損はしていない金融資産に対する全期間の予想信用損失
ステージ3 信用減損金融資産に対する全期間の予想信用損失
全期間の予想信用損失は金融資産の予想存続期間にわたるすべての生じ得る債務不履行事象から生じる予想信用損失であり、12ヵ月の予想信用損失は全期間の予想信用損失のうち報告日後12ヵ月以内に生じ得る債務不履行事象から生じる予想信用損失です。予想信用損失は契約上のキャッシュ・フローと回収が見込まれるキャッシュ・フローの差額を当初の実効金利で割引き、確率加重した見積りです。
信用リスクが著しく増大しているかの判定にあたり、顧客に対する金融債権については、個別的にも集合的にも評価しています。個別的な評価は延滞状況に基づいています。過去の実績では30日以上支払いを延滞した顧客に対する金融債権は貸倒れの可能性が高くなっているため、30日以上期日を超過している場合に信用リスクが著しく増大しているとみなしています。集合的な評価は当初認識した会計期間、担保の形態、契約期間、クレジットスコア等のリスク特性が共通するグループごとに当初認識時からの予想債務不履行率の相対的な変化に基づき行っています。販売店に対する金融債権については、信用リスクが著しく増大しているかの判定は販売店ごとに行われており、支払状況のほか、財政状態の変化や財務制限条項の順守状況等の要素を考慮しています。
金融サービスに係る債権に関する債務不履行の定義は、各金融子会社の内部リスク管理の実務によって定められています。米国に所在する当社の最も重要な金融子会社においては、60日の期日超過を債務不履行とみなしています。60日以上期日を超過している顧客に対する金融債権については、担保車両の差押えを含む回収活動を強化しており、債務不履行の顧客に対する金融債権を信用減損しているとみなしています。販売店に対する金融債権は販売店の重大な財政的困難、債務不履行や延滞等の契約違反、破産等、当初の契約条件に従ってすべての金額を回収できないという証拠が存在する場合に、信用減損しているとみなしています。
当社の米国の金融子会社は、顧客に対する金融債権のうち回収不能と見込まれる部分について、期日を120日超過した時点または担保車両を差し押さえた時点で直接償却しています。履行強制活動が行われる期間や方法は、様々な法的規制により制限されますが、未回収残高は通常、直接償却後も数年間は履行強制活動の対象となります。回収不能額の見積りには、履行強制活動による回収見込額が反映されています。販売店に対する金融債権は回収するという合理的な予想を有していない場合に直接償却しています。
当社の米国の金融子会社において、顧客に対する金融債権に係る予想信用損失の測定は、リスク特性が共通するグループごとに行われ、過去の実績、現在の状況、失業率、中古車価格、消費者の債務返済負担などの将来予測に基づく要素を反映しています。オペレーティング・リース資産の早期処分に伴う損失についても顧客に対する金融債権と類似の見積り技法を用いて集合的に見積っています。
当社は、基本的に不確実な要因に基づいて重要な判定を行わなければならないため、クレジット損失引当金およびオペレーティング・リース資産の減損損失に関する会計上の見積りが「特に重要な会計上の見積り」に該当すると考えています。当社の金融子会社は、クレジット損失引当金およびオペレーティング・リース資産の減損損失が適切かどうかを定期的に確認しています。これらの見積りは、報告期間の期末日時点で利用可能な情報に基づいていますが、実際に発生する損失は、前提条件の変化により、当初の見積りと異なることがあります。
引当金計算の影響度に関して、引当金計算における主な前提条件の1つの変化が、クレジット損失引当金の再測定による変動額および引当金残高にどのくらい影響を及ぼすかについては、もし、当社の金融子会社の金融サービスに係る債権において、当連結会計年度の直接償却額が10%増加した場合、クレジット損失引当金の再測定による変動額およびクレジット損失引当金残高は、それぞれ約58億円、約37億円の増加となります。これらの影響度は、あくまでも試算ベースであり、当連結会計年度に関してのものです。
クレジット損失の増減に関する追加説明
当社の金融子会社における、金融サービスに係る債権に関するクレジット損失の引当金は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
当社の金融子会社における、顧客の不払いに伴う、オペレーティング・リースに係る損失の実績は、以下のとおりです。
当連結会計年度における前連結会計年度との比較
当社の金融子会社における、当連結会計年度のクレジット損失引当金の再測定による変動額は、前連結会計年度にくらべ619億円減少しました。直接償却は、前連結会計年度にくらべ125億円、37.6%減少しました。
オペレーティング・リース資産の早期処分に伴う損失(戻入)は、前連結会計年度にくらべ523億円減少しました。
クレジット損失引当金の再測定による変動額の減少およびオペレーティング・リース資産の早期処分に伴う損失の戻入れは、主に北米における政府の景気刺激策などによる経済情勢の改善に伴い、失業率などの将来予測が変動し、北米地域の金融子会社において信用リスクが減少したことなどによるものです。
また、直接償却の減少は、北米地域の金融子会社において主に北米における政府の景気刺激策や顧客の支払延期などの救済措置により貸倒実績率が減少したことなどによるものです。
(リース残価損失)
当社の北米地域の金融子会社は、リース開始時において、過去の実績および第三者機関のデータを考慮に入れた将来の中古車価格の見積りに基づいて、リース車両の契約上の残存価額を設定しています。車両をリースしている顧客は、リース期間満了時において、そのリース車両を契約上の残存価額で買い取るか、もしくは販売店に返却する選択権を持っています(リース期間満了前にリース車両を買い取る場合は、契約上の未払残高で買い取ります)。リース車両を返却された販売店は、リース期間満了時に顧客から返却されたリース車両を契約上の残存価額で買い取るか、市場価格で買い取る選択権を持っています(リース期間満了前にリース車両を買い取る場合は、契約上の未払残高で買い取ります)。リース車両を返却された販売店がリース車両を買い取らなかった場合は、市場のオークションによってリース車両を売却します。リース期間が満了し、当社の北米地域の金融子会社にリース車両が返却された際に、リース車両の売却額が契約上の残存価額を下回っている場合、その差額が損失となるリスクがあります。
当社の北米地域の金融子会社は、少なくとも四半期に一度、見積残存価額を見直しています。リース残価損失の見積りは以下の2つの重要な構成要素に基づき行っています。
① 予測リース車両返却率、すなわちリース期間満了時に、顧客から金融子会社に返却されると予測されるリース車両の割合
② 予測リース残価損失の金額、すなわち見積残存価額と、車両売却金額との差額
また、新車および中古車の市場価格の傾向および一般的な経済指標等を含む上記以外のさまざまな要素も勘案してリース残価損失を見積っています。
オペレーティング・リースについては、見積残存価額の修正をオペレーティング・リース資産の減価償却費として、残存リース期間にわたり均等償却しています。また、ファイナンス・リースについては、リース残価損失の認識が必要なことを示す客観的な証拠が存在すると考えられる場合に、見積損失のうち残存価額の未補償部分の減額修正をリース残価損失として、ファイナンス・リース債権に含めています。
当社の北米地域の金融子会社は、オペレーティング・リース資産の帳簿価額の回収可能性については、疑義を生じさせる事象の発生および状況変化がある場合、減損の判定を行っています。減損が発生していると考えられる場合、帳簿価額のうち回収可能価額を上回る金額を減損損失として認識します。
市場の変動に影響を受けやすいこと、本質的に不確定な将来の経済状況およびリース残存価額についての仮定を要求されることから、当社は、当該リース残価損失および減損損失に関する会計上の見積りを、「特に重要な会計上の見積り」に該当すると考えています。当社および当社の金融子会社は、現在使用している仮定は妥当であると考えています。しかしながら、実際に発生するリース残価損失および減損損失は、前提条件の変化により、当初の見積りと異なることがあります。
当連結会計年度の当社の北米地域のオペレーティング・リースに関して、他の条件は一定とみなして、販売店で扱っているすべての車両の将来の中古車価格が現在の見積りよりも、それぞれ約1万円下落した場合、減価償却費は、残存リース期間において、約72億円の増加となります。また、当連結会計年度末の販売店で扱っているすべてのリース車両についての将来の返却率が現在の見積りより1%増加した場合、減価償却費は、残存リース期間において、約14億円の増加となります。これらの影響度は、あくまでも試算ベースであり、当連結会計年度に関してのものです。また、中古車価格が下落した場合、返却率が増加する可能性が高いため、影響度が変化する可能性があります。
(退職後給付)
当社および連結子会社は、各種退職給付および年金制度を有しており、ほぼすべての日本における従業員および一部の海外の従業員を対象としています。当社および連結子会社は、確定給付制度債務および確定給付費用を、割引率や昇給率などのさまざまな仮定に基づいて算出しています。割引率は、確定給付制度債務と概ね同じ支払期日を有し、支払見込給付と同じ通貨建ての優良社債の報告期間の期末日時点における市場利回りに基づいて決定しています。昇給率については、直近の見通しと実績を反映しています。当連結会計年度末の国内制度における割引率および昇給率は、それぞれ0.7%、1.5%であり、海外制度における割引率および昇給率は、それぞれ2.1%~3.4%、2.0%~3.1%です。
当社は、見積りの変化が当社および連結子会社の財政状態および経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があることから、確定給付制度債務および確定給付費用に関する会計上の見積りが「特に重要な会計上の見積り」に該当すると考えています。
当社および連結子会社は、現在使用している仮定は妥当であると考えています。しかしながら、仮定の変更は将来の確定給付費用、確定給付制度債務および制度への必要拠出額に影響を与える可能性があります。また、実際の結果は、当社および連結子会社の仮定と異なることがあり、当該差異は、発生時にその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金に振り替えています。
割引率が変動した場合の確定給付制度債務に与える影響額については、連結財務諸表注記の「18 従業員給付 (1) 退職後給付 ④ 感応度分析」を参照ください。
(繰延税金資産)
繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異、繰越欠損金および繰越税額控除の一部又は全部が将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮しています。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される繰延税金負債の取崩し、予測される将来課税所得およびタックス・プランニングを考慮しています。
当社は、繰延税金資産に関する会計処理が、基本的に不確実な、将来課税所得や事業計画の評価や見積りを伴うため、「特に重要な会計上の見積り」に該当すると考えています。
当社および連結子会社は、過去の課税所得水準および繰延税金資産が控除可能な期間における将来課税所得の予測に基づき、前連結会計年度末および当連結会計年度末における繰延税金資産は、回収される可能性が高いものと考えていますが、当社および連結子会社をとりまく市場の動向や為替変動などの経済情勢により、将来課税所得の予測の不確実性は増大します。
(資金需要、源泉、使途に関する概要)
当社および連結子会社は、事業活動のための適切な資金確保、適切な流動性の維持および健全なバランスシートの維持を財務方針としています。当社および連結子会社は、主に二輪車、四輪車およびパワープロダクツの製造販売を行うとともに、製品の販売をサポートするために、顧客および販売店に対する金融サービスを提供しています。生産販売事業における主な運転資金需要は、製品を生産するために必要となる部品および原材料や完成品の在庫資金のほか、販売店向けの売掛金資金です。また設備投資資金需要のうち主なものは、新機種の投入に伴う投資や、生産設備の拡充、合理化および更新ならびに販売施設や研究開発施設の拡充のための必要資金です。
生産販売事業における必要資金については、主に営業活動から得られる資金、銀行借入金および社債の発行などによりまかなっており、現在必要とされる資金水準を十分確保していると考えています。これら生産販売事業の資金調達に伴う当連結会計年度末の債務残高は4,800億円となっています。また、顧客および販売店に対する金融サービスでの必要資金については、主にミディアムタームノート、銀行借入金、金融債権の証券化、オペレーティング・リース資産の証券化、コマーシャルペーパーの発行および社債の発行などによりまかなっています。これら金融子会社の資金調達に伴う当連結会計年度末での債務残高は7兆2,482億円となっています。
当社および連結子会社の借入必要額に、重要な季節的変動はありません。
(流動性)
当社および連結子会社の当連結会計年度末の現金及び現金同等物2兆7,580億円は、主に米ドル建てと円建てを中心としていますが、その他の外貨建てでも保有しています。
当社および連結子会社の当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、売上収益の約2.5ヵ月相当の水準となっており、当社および連結子会社の事業運営上、十分な流動性を確保していると考えています。
しかしながら、景気後退による市場の縮小や金融市場・為替市場の混乱などにより、流動性に一部支障をきたす場合も考えられます。このため、特に9,839億円の短期債務を負う金融子会社では、継続的に債務を借り換えしているコマーシャルペーパーについて、代替流動性として合計1兆1,228億円相当の契約信用供与枠(コミットメントライン)を保有しています。さらに、有価証券報告書提出日(2021年6月23日)現在、当社および連結子会社は世界的に有力な銀行と契約に基づかない信用供与限度額を十分に設定しています。
当社および連結子会社の当連結会計年度末の資金調達に係る債務は、主に米ドル建てを中心としていますが、円建てやその他の外貨建てでも保有しています。
資金調達に係る債務の追加情報については、連結財務諸表注記の「15 資金調達に係る債務」および「25 金融リスク管理」を参照ください。
また、当社および連結子会社が発行する短期および長期債券は、ムーディーズ・インベスターズ・サービス、スタンダード・アンド・プアーズおよび格付投資情報センターなどから、2021年3月31日現在、以下の信用格付を受けています。
なお、これらの信用格付は、当社および連結子会社が格付機関に提供する情報または格付機関が信頼できると考える他の情報に基づいて行われるとともに、当社および連結子会社の発行する特定の債券に係る信用リスクに対する評価に基づいています。各格付機関は当社および連結子会社の信用格付の評価において異なった基準を採用することがあり、かつ各格付機関が独自に評価を行っています。これらの信用格付はいつでも格付機関により改訂または取り消しされることがあります。また、これらの格付は債券の売買・保有を推奨するものではありません。
(貸出コミットメント)
当社および連結子会社は、販売店に対する貸出コミットメント契約に基づき、貸付金の未実行残高を有しています。当連結会計年度末において、販売店への保証に対する割引前の将来最大支払額は、927億円です。これらの貸出コミットメント契約には、貸出先の信用状態等に関する審査を貸出の条件としているものが含まれているため、必ずしも貸出実行されるものではありません。
(従業員の債務に対する保証)
当社および連結子会社は、当連結会計年度末において、従業員のための銀行住宅ローン83億円を保証しています。従業員が債務不履行に陥った場合、当社および連結子会社は、保証を履行することを要求されます。債務不履行が生じた場合に、当社および連結子会社が負う支払義務の割引前の金額は、当連結会計年度末において、上記の金額です。2021年3月31日現在、従業員は予定された返済を行えると考えられるため、当該支払義務により見積られた損失はありません。
当連結会計年度末における契約上の債務は、以下のとおりです。
(注) 1 当社および連結子会社の発注残高は、設備投資に関するものです。
2 2022年度以降の拠出額は未確定であるため、確定給付制度への拠出は、次連結会計年度に拠出するもののみ記載しています。
連結財務諸表注記の「25 金融リスク管理 (2) 市場リスク」を参照ください。
該当事項はありません。
当社および連結子会社の研究開発は、先進の技術によって、個性的で国際競争力のある商品群を生み出すことを目的としています。製品に関する研究開発につきましては、当社のほか、㈱本田技術研究所、ホンダアールアンドディ・アメリカズ・インコーポレーテッドを中心に、また、生産技術に関する研究開発につきましては、当社のほか、ホンダエンジニアリングノースアメリカ・インコーポレーテッドを中心に、それぞれ現地に密着した研究開発を行っています。
当連結会計年度より、当社と㈱本田技術研究所のデザインなど一部機能を除く四輪商品開発機能を統合、ならびにホンダエンジニアリング㈱を合併し、営業・生産・開発・購買の各部門が自立した運営体制から、新機種の企画構想・開発・生産立上げと量産の各プロセスの連携を密にして行う体制を構築しています。
さらに、㈱本田技術研究所に先進パワーユニット・エネルギー研究所およびデザインセンターを新設しました。先進パワーユニット・エネルギー研究所は二輪・四輪・パワープロダクツ・航空機の先進のパワーユニット・エネルギー技術の研究開発機能を統合することで、Hondaの競争力の源泉であるパワーユニット領域において、幅広い商品・技術を持つHondaの強みを最大限に発揮し、将来に向けた商品価値の向上を目指します。また、デザインセンターは二輪・四輪・ライフクリエーションのデザイン機能を統合することで、商品の枠を超えた一貫したブランドの強化を図ります。
当連結会計年度に発生した研究開発支出は、
なお、当社および連結子会社では研究開発支出の一部について、無形資産に計上しています。連結損益計算書に計上されている研究開発費の詳細については、連結財務諸表注記の「21 研究開発費」を参照ください。
セグメントごとの研究開発活動の状況につきましては、以下のとおりです。
(二輪事業)
二輪事業では、「チャレンジする組織風土を最大化し、今後の環境変化を乗り越え、手の届く価格で、お客様に喜んでもらえる商品を創造し続けられるものづくり集団となる」を方針として、研究開発活動に取り組んでまいりました。
主な成果として、2021年1月に「PCX」シリーズの3モデルに、高出力と環境性能を両立させた新設計エンジン「eSP+」を搭載し発売しました。中でも、「PCX e:HEV」では高出力型リチウムイオンバッテリーをエネルギー源としたモーターアシストを組み合わせ、駆動アシストの機能を追加したハイブリッドシステムを採用しました。
また、2020年12月に「Honda e:ビジネスバイク」の展開を開始しました。可搬型バッテリー「Honda Mobile Power Pack」を動力用電源とし、充電済みのモバイルパワーパックに交換することで、充電待機時間なしでの走行を可能としています。その一つである、2021年3月に発売した「GYRO e:」は、三輪車ならではの安心感のある走りに加え、大型の低床リアデッキや後進アシスト機能を採用し、集配業務における操作性を高めています。環境にもユーザーにも優しい「Honda e:ビジネスバイク」シリーズの普及に向けた取り組みを進め、より静かでクリーンな生活環境の提供に寄与していきます。
2021年3月には、軽量かつ低重心で取り回しやすいサイズの車体に、扱いやすい出力特性エンジンを搭載した「Rebel 1100」を発売しました。「Rebel」シリーズ共通のスタイリングイメージはそのままに、乗車時の快適性を確保し、クルーザーモデルでありながらスポーティーな走行を可能としています。力強いトラクション性能とパルス感、高回転域までスムーズに吹け上がるエンジン特性や、好みに合わせ走行フィーリングを選択できるライディングモードを搭載し、操る楽しさを提供しています。
同月、動力性能と利便性を高めた大型クロスオーバーモデル「X-ADV」を発売しました。パワーユニットは、ピストンをはじめとする各部の軽量化や吸排気系の最適化により、最高出力の向上と優れた環境性能を両立しています。さらに、スロットルバイワイヤシステムを新たに採用し、「Rebel 1100」同様にライディングモードが選択可能です。
これら、多品種で少量生産の大型二輪車ならではのアーキテクチャスキームにより、多様で魅力的な商品を効率的にご提供できる体制を構築し、大型モデルの開発に取り組んでいきます。
二輪事業に係る研究開発支出は、
(四輪事業)
四輪事業では、「魅力ある強い商品の為に総合力を発揮し、ものづくりプロセスの深化により、四輪事業を永続的に成長させる」を方針として、研究開発活動に取り組んでまいりました。
主な成果として、2021年2月に、新型「VEZEL」を世界初公開しました。オンラインで実施したワールドプレミアイベントでは、フルモデルチェンジにあたって全面刷新したエクステリア・インテリアのデザインを発表したほか、新たにHondaの2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」搭載のハイブリッドモデルを追加しました。リニアで心地よい加速感を提供し、3つの走行モードやアクセルオフ時の異なる減速度合いの選択を可能としました。「Honda SENSING」を標準装備とし、車載通信モジュール「Honda CONNECT」によるHonda車初の機能を多数搭載するなど、利便性を向上しながら安全運転支援装備を充実させました。
2020年12月には、ラグジュアリーSUV「MDX」の2022年モデルを発表しました。ライトトラック向けの新開発プラットフォームに、「MDX」初搭載となるダブルウィッシュボーンフロントサスペンションの採用により剛性を高め、3.5L VTEC V6エンジンと10速オートマチックトランスミッションを搭載し、快適な乗り心地とスポーティなハンドリングを両立しました。
新型電気自動車「Honda e」を、欧州では2020年8月にデリバリー開始、日本では10月に発売しました。Hondaは、“2050年にカーボンニュートラルを実現する”という目標を掲げ、モビリティの電動化を加速させています。「Honda e」は、EVの本質を見つめ、柔軟な発想で未来を見据えてつくりあげたモビリティとして、シンプルでモダンなデザインと、力強くクリーンな走りや取り回しの良さを実現し、多彩な先進機能を搭載しました。Honda車として世界初採用の「ワイドビジョンインストルメントパネル」は、運転席や助手席での自在な操作性やスマートフォン接続によるアプリ利用を可能としたほか、クラウドAIの音声認識と情報提供を行う「Honda パーソナルアシスタント」などの先進技術も搭載しました。駐車支援システム「Honda パーキングパイロット」は、狭い場所でも安心して駐車できるよう、自動運転での駐車を可能としました。建物への給電や電子機器の電源としても利用可能なため、日常利用だけでなく災害時の安心を提供しています。
また、2020年9月には、中国で初となるHondaブランド電気自動車の量産方向性を示すコンセプトモデル「Honda SUV e:concept」を公開しました。次世代の「Honda SENSING」として、認識・予測・判断性能を向上させた安全運転支援システム「全方位ADAS」や先進のコネクテッド機能の搭載により、乗る楽しさを備えたモビリティ価値の提供を目指して開発を進めています。
“2050年 交通事故死者ゼロの実現”という目標のもと、先進安全技術の新たな一歩となる「Honda SENSING Elite」を開発、「LEGEND」へ搭載し、2021年3月に日本で発売しました。「トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)」は、国土交通省より自動運行装置として型式指定を取得した自動運転レベル3:条件付自動運転車(限定領域)に適合する技術であり、一定の条件下でシステムがドライバーに代わって運転操作を行うことが可能となりました。また、衛星情報等を用いた車内のモニタリングによりドライバーの状態を検知するなど、さまざまな情報を元にメインECUが認知・予測・判断を適切に行い、運転操作を高度に制御することで上質でスムーズな運転操作支援を実現しました。
四輪事業に係る研究開発支出は、
(ライフクリエーション事業及びその他の事業)
ライフクリエーション事業では、「暮らしの“未来”を創造し「役立ち」と「喜び」を更なる高みへ」との方針に基づき、研究開発活動に取り組んでまいりました。
主な成果として、Honda独自の正弦波インバータを採用した小型軽量で堅牢な業務用蓄電機「LiB-AID E500 for Work」を2020年10月に発売しました。従来モデルの高品位の電気供給や、製品の並列接続による大容量発電可能な拡張性の特徴を活かし、作業現場で求められる堅牢性、紫外線耐性や運搬時の耐衝撃性向上を実現しました。
2021年3月には、「移動」と「暮らし」の可能性を拡げる可搬型バッテリー「Honda Mobile Power Pack」の活用事例を発表しました。「Honda Mobile Power Pack e: Prototype」は1.3kWh以上の大容量電力の貯蔵するリチウムイオンバッテリーで、さまざまなモビリティや機器の動力源として使うことを想定しています。実証実験で得た意見を反映し、利便性と操作性を高めた外観となっています。「Honda Power Pod e: Prototype」は、非常時の家庭内や屋外での電源利用を目的とした充電・給電器で、2台並列することで長時間運転を可能とします。「Honda Power Storage e: Concept」では、モビリティ用途に適さなくなったモバイルパワーパックの、家庭用蓄電池としての二次利用を提案しました。
2020年8月には災害時における給電不足の問題解決の一助を目指し、トヨタ自動車株式会社の「大容量水素を搭載する燃料電池バス」に、Hondaの「可搬型外部給電器・可搬型バッテリー」を搭載した、移動式発電・給電システム「Moving e」の実証実験計画を発表しました。災害時の電力供給だけでなく、日常的な利用を可能とするフェーズフリーなシステムであることを、自治体や企業に活用いただきながら実証していきます。
このように「すべての人に生活の可能性が拡がる喜び」を提供することを目指し、新たな価値の創造に取り組んでいます。
航空機においては、Honda独自の最先端技術を開発して、空の世界においても新しい価値を創造し、長期的な観点から航空機ビジネスを成長させていくためのビジネス基盤の構築をしてまいりました。2021年1月に「HondaJet」のロシアにおける型式証明を取得し、初号機の運用を開始しました。同月には、お客様サポート体制強化の一環として各種スペアパーツなどの在庫保管能力の向上等を目的とした、新ハンガーの稼働を開始しております。2020年(暦年)小型ジェット機カテゴリーでデリバリー数世界第1位を4年連続で達成し、全世界で50%以上のシェアを獲得しました。今後もビジネスジェット市場のさらなる活性化へ向けた体制整備に取り組みます。
ライフクリエーション事業及びその他の事業に係る研究開発支出は、
当連結会計年度末時点において、当社および連結子会社は、国内で17,900件以上、海外で25,200件以上の特許権を保有しています。また、出願中の特許が国内で7,300件以上、海外で16,200件以上あります。当社および連結子会社は、特許の重要性を認識していますが、特許のうちのいくつか、または、関連する一連の特許が終了または失効したとしても、当社および連結子会社の経営に重要な影響を及ぼすことはないと考えています。