第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

 

・会社の経営の基本方針

 当社グループは、「技術と信用を重んじ 一致協力して企業の生々発展に努力し広く社会に奉仕する」ことを経営理念としています。

 お客様や取引先をはじめ株主・従業員・地域社会などの数多くの人々との関係の中で、企業としての社会的役割、責任を自覚した経営を行い、公正で健全な企業活動を通じて、安全で高性能・高品質な製品とサービスを提供して、社会への貢献と企業価値の拡大を図ることを経営の基本方針としています。

 このような方針のもと、当社グループは特装車事業、環境事業、不動産賃貸等事業の3つを展開しています。

 なお、2022年4月1日付で不動産賃貸等事業のセグメント名称をパーキング等事業に変更いたしました。

 

・中長期的な会社の経営戦略

 2030年度を見据えた長期経営ビジョン ~Kyokuto Kaihatsu 2030~及び、本長期経営ビジョン実現に向けた第1ステップである新中期経営計画(3カ年計画)2022-24 ~Creating The Future As One~(2022年4月1日~2025年3月31日)では、以下の方針のもと、グループの成長に向けた重点戦略を推進しています。

 

<長期経営ビジョン ~Kyokuto Kaihatsu 2030~>

 長期経営ビジョンでは、「サステナブル社会の実現・発展に貢献する業界をリードするグローバルな総合インフラメーカー」を目指します。

 

(1)サステナビリティビジョン

・CO2排出量削減率:△38%以上

※当社、日本トレクス、極東開発パーキングにおける2013年度比の原単位

・リサイクル率  :99.0%以上の維持

 

(2)経営業績ビジョン

・連結売上高   :2,000億円

・連結営業利益率 :10%以上

・ROE     :10%

 

<新中期経営計画 2022-24 ~Creating The Future As One~>

 長期経営ビジョンの第1ステップとして策定した本計画では、4つの基本方針を定め、確実な計画実行により極東開発グループの基盤確立を図ります。また、企業価値向上のため、これまでの事業活動で得た資金や有利子負債の活用により、「成長への積極的投資」と「社会・ステークホルダーへの還元」とのバランスを考慮した戦略を実行いたします。

 

1.基本方針

(1)社会的課題解決への貢献と価値提供の追求

(2)生産性向上と利益体質の強化

(3)持続的成長と変革を支える強固な事業基盤の構築

(4)企業価値向上を目指したキャッシュ・フローの最適分配

 

2.サステナビリティ目標(2025年3月期)

・CO2排出量削減率 :△10%以上

※当社、日本トレクス、極東開発パーキングにおける2020年度比の原単位

・リサイクル率   :99.0%以上の維持

 

3.業績目標(2025年3月期)

・連結売上高  :1,400億円以上(新規M&A成長含む)

・連結営業利益率:9%以上

 

4.財務方針

・戦略投資:成長投資300億円以上

新規M&A投資 約100億円

・株主還元:総還元性向50%(2025年3月期)

1株当たり年間配当金額 下限54円

 

・目標とする経営指標

 長期経営ビジョン ~Kyokuto Kaihatsu 2030~では、連結ベースで売上高200,000百万円以上、営業利益率10%以上、ROE10%とすることを経営目標としています。

 また、新中期経営計画 2022-24 ~Creating The Future As One~ (2022年4月1日~2025年3月31日)の最終年度である2025年3月期に連結ベースで売上高140,000百万円以上、営業利益率9%以上とすることを経営目標としています。

 

・経営環境及び対処すべき課題

 当社グループの展開する事業セグメントには、特装車事業、環境事業、不動産賃貸等事業(※)の3つがあります。各セグメントの連結売上高に占める割合は、主力の特装車事業が約84%、環境事業が約10%、不動産賃貸等事業が約6%となっています。

 

特装車事業について

 当社グループの特装車事業の売上高の大半は、主に極東開発工業株式会社と日本トレクス株式会社によって構成されています。製品の主な販売先として、トラックメーカー、トラックの販売会社(ディーラー)、レンタル会社、建機商社、自治体、ユーザー(運送会社や廃棄物処理企業等)への直接販売等があります。

 受注生産を基本としており、一部の例外を除き先行生産や在庫を保有することはなく、顧客からの注文を受けて製造に着手します。

 

 主要な製品群は次のとおりです。これらに大型・中型・小型の分類があり、かつ仕様についても顧客のカスタムオーダーを細かく織り込んで生産していくため、「多品種少量生産」が当社グループにおける特装車事業の特徴となっています。

 

1.建設系車両(ダンプトラック、コンクリートポンプ車)

2.物流・省力関連車両(トレーラー、ウイング、バン、テールゲートリフタ、タンクローリ、散水車、給水車、粉粒体運搬車、車輛運搬車)

3.環境関連その他(ごみ収集車、脱着ボデー車、その他特殊車)

 

 次に主要な生産拠点は次のとおりです。工場ごとに担当製品を定め、それに応じた共通及び固有の設備を設け生産活動を行っています。

神奈川県大和市 横浜工場  ダンプトラックなど

愛知県小牧市  名古屋工場 テールゲートリフタなど

兵庫県三木市  三木工場  コンクリートポンプ車、ごみ収集車など

福岡県飯塚市  福岡工場  ダンプトラックなど

愛知県豊川市  日本トレクス本社工場 トレーラー、バンなど

愛知県豊川市  日本トレクス音羽工場 ウイングなど

愛知県豊川市  日本トレクス御津工場 スワップボデーなど

新潟県新潟市  北陸重機工業本社工場 保線用鉄道車両など

 

 特装車事業における各製品の需要動向は基本的に、1.国内のトラックの需要動向と、2.上記のそれぞれの製品分野の景気動向に影響を受けます。必ずしも一概には言えませんが、一例として建設・土木需要が好調な際は建設系車両の需要が相応に高まり、物流ニーズが強いときは物流関連車両の需要も高まります。他の製品群と比べますとごみ収集車など環境関連は比較的変動が少なく安定した分野です。

 

 

 当社グループは上記の製品の中で、コンクリートポンプ車やトレーラーなど複数の製品で国内トップシェアを確保しておりますが、2位、3位の製品もあります。

 同業他社と比較した当社グループの特徴は、総合的に各種特装車のラインナップを備えている点と、連結業績における特装車事業の比率が高い点が挙げられます。

 

 特装車事業は、国内のトラックに関する排気ガス等の環境法規制や車両重量規制、あるいは自動車の型式変更のタイミングなどにおいて駆け込み需要や反動減などが生じる業界です。

 ここ数年の国内のトラック需要は比較的安定しており、特にトレーラーやウイングなど物流関連の車両が非常に高水準で推移していましたが、直近では落ち着きが見られます。建設関連は東日本大震災後の復興需要で増加したのち、近年は低調でしたが、徐々に回復基調となっています。2022年3月期においては国内需要は引き続き底堅く推移したものの、半導体不足等による各方面の生産の停滞や鋼材等の値上げにより、特に期の後半にかけて売上及び収益面への影響が見られました。

 

環境事業について

 当社グループの環境事業は、主に地方自治体向けの廃棄物処理施設の設計施工(建設業)と、これら施設の運転受託及びメンテナンス・サービス等によって構成されています。

 一般的に廃棄物処理施設の市場全体の中では焼却炉の分野が多くを占めますが、当社グループでは主に廃棄物の選別及び再資源化等のリサイクル分野を中心に手掛けており、その中ではトップクラスのシェアを確保しています。最近ではバイオガス事業の分野にも進出し、関連する事業領域の拡大を図っています。

 環境事業の販売先の多くは地方自治体又は自治体が組成する清掃組合等となりますが、同業他社や建設会社がこれらの販売先から直接施設の建設を受注した際に当社がその一部の再委託先として参入する商流もあります。一部民間の産業廃棄物処理企業等にも販売しています。

 当社グループでは、施設の建設から竣工後の運転、メンテナンスやサービスなど、顧客の要求する一連のサービスを網羅的に提供し、リサイクルや環境整備等の社会貢献を通じて事業の拡充に努めています。

 国内の廃棄物処理施設に関する市場は、少子高齢化や地方自治体の財政難及び統廃合等を背景として今後大きな増加を期待することは困難ですが、国民の生活に必要不可欠の施設であることから、今後も施設の更新や再投資など一定の需要は継続する分野です。

 足元では定期的に新規受注を確保し、一定の受注残高を維持しながら複数の建設工事を同時並行で進めています。2022年3月期の環境事業は、前連結会計年度と比較して工事が竣工する物件が増えたため売上高が増加したほか、グループの重要な収益基盤と位置付けている運転受託やメンテナンス等のストックビジネスの分野も堅調に推移し、営業利益についても前年度より増加しました。

 

不動産賃貸等事業について(※)

 当社グループの不動産賃貸等事業は、駐車場(パーキング)事業と、一部の保有不動産の賃貸による有効活用の分野に大別されます。

 駐車場(パーキング)事業は主に連結子会社の極東開発パーキング株式会社が運営しており、機械式立体駐車装置の製造(建設業)と、時間貸駐車場(コインパーキング)の運営で構成されています。

 機械式立体駐車装置の販売先は、マンションのデベロッパーや建設会社、管理会社、管理組合、あるいは自動車の販売会社等です。近年マンション等の駐車場設置率は徐々に低下していますが、駐車場のリニューアル工事や定期点検、アフターサービスの分野に注力しています。

 時間貸駐車場(コインパーキング)は、土地を所有者から賃借し駐車場設備を設置の上、一般利用の顧客から収益を得ています。稼働状況により時間貸と月極を組み合わせた運営を行うほか、地方自治体や商業施設の駐車場の運営を受託する商流もあります。大手同業他社もある中で当社グループでは特に採算性を重視した事業運営を行っています。直近では新型コロナウイルス感染症の影響による外出抑制の影響で各事業地における稼働率が低下していましたが、緩やかに回復し、売上・利益共に改善しました。

 駐車場(パーキング)事業全体では、時間貸駐車場(コインパーキング)の分野と機械式立体駐車装置の新規販売及びこれらのメンテナンス・アフターサービス等の分野共に底堅く推移しています。

 

 

新型コロナウイルス感染症の影響について

 我が国経済は、新型コロナウイルス感染症について、ワクチン接種の浸透に伴い一時的に緩やかな回復傾向が見られたものの、影響は依然として続いており、今後の動向は引き続き注視が必要であると想定されます。

 当社グループでは新型コロナウイルス感染症に関する基本方針を「お客様、地域の皆様、グループ従業員の安全確保を最優先としながら事業継続との両立を図る。」と定め、各種施策の実施により感染リスク低減を図っています。当社グループの直近の状況及び対策は次のとおりです。

1.感染者(陽性反応の判定を受けた従業員)は全員軽症で、事業活動への影響はほぼ無し。

2.テレワーク・時差出勤・マイカー通勤を実施。

3.テレビ会議・WEB会議を活用し、外出制限下でも業務を継続すべく、デジタル化を推進。

4.工場及びサービス拠点は十分な感染対策を実施しながら通常稼働。

 

 主力の特装車事業に関しては約630億円余り(2022年3月末現在)の受注残高を有しており、これは連結特装車事業売上高の6カ月分以上に該当します。現状、工場の生産活動において新型コロナウイルス感染症に起因する大きな支障は生じていません。

 今後、新型コロナウイルス感染症が更に長期化した場合や感染が再拡大した場合の懸念としては、次の状況が考えられます。

1.営業活動における新規商談の遅延及びキャンセル。

2.生産活動におけるトラックシャシ搬入の遅延や部品調達等サプライチェーンへの影響。

 

 環境事業に関しては、国民等の生活に必要不可欠な公共工事という性質上、建設工事に遅延等は発生せず通常稼働しています。運転受託等についても家庭ごみの増加等により稼働率が上昇し繁忙な状況です。当セグメントに関しては業績への影響は殆どないものと見込んでいます。

 

 不動産賃貸等事業(※)に関しては、外出抑制によりコインパーキング事業等で客足が遠のき、各事業地において稼働率が低下する状況が見られましたが、直下では緩やかに改善しています。

 

 このような状況のもと、当社グループでは、2030年度を見据え策定した長期経営ビジョン ~Kyokuto Kaihatsu 2030~及び、長期経営ビジョン実現に向けた第1ステップとして策定した新中期経営計画(3カ年計画)2022-24 ~Creating The Future As One~(2022年4月1日~2025年3月31日)の計画達成に向け、グループ間シナジーの強化と成長への積極的投資によって強固な基盤・基礎づくりに取り組むとともに、具体的数値目標や方針を掲げておりますが、現下及び今後の経済情勢等動向を注視し、必要に応じて方針の修正等を検討・実施するなど、柔軟な対応を行ってまいります。

 

(※)2022年4月1日付で不動産賃貸等事業のセグメント名称をパーキング等事業に変更いたしました。

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載していません。

 なお、ここで記載する内容は、有価証券報告書提出日(2022年6月29日)現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)リスクと機会/マテリアリティ特定の手順

 当社グループは、ISO26000の7つの中核主題(組織統治・人権・公正な労働慣行・環境・公正な事業慣行・消費者課題・コミュニティへの参画/協働)に沿ってステークホルダーのニーズと期待を洗い出し、それらに対するリスクと機会の評価を「中長期的な企業価値への影響」、「ステークホルダーに与える影響」2つの視点から評価しています。

 リスクと機会の中でも、当社グループとして重点的に取り組むべきものを「マテリアリティ」として特定しています。

 

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〈参照したフレームワーク、ガイドライン等〉

・GRIスタンダード

・ISO26000

・持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)

・国連グローバルコンパクトの10原則

・OECD多国籍企業行動指針

・気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosure)

・国際統合報告評議会(IIRC)「国際統合報告フレームワーク」

 

(2)リスクと機会/マテリアリティ一覧

区分

ニーズと期待

リスクと機会

マテリアリティ

組織統治

(ガバナンス)

安定かつ未来志向の経営

リスクや機会に適切に対応しない経営や、プロセス(とくに従業員や経営者など人的なプロセス)に多様性を欠いた経営をすることで、変化に追従できない脆弱な組織になる可能性がある。

・収益構造の強化

・グループへのリスクマネジメントシステムの適用

・BCP・BCM

・経営人材の多様化

・開示情報の充実

・コミュニケーション媒体の整理

・社会規範に則った経営

・救済体制の整備

・文書管理

・情報セキュリティの整備

安定した事業活動の継続

事業継続に関わるリスクについて計画を準備しておかないと、有事の際に事業活動が滞る可能性がある。

適切な情報開示

限られた情報、偏った情報、間違った情報、わかりにくくアクセスしにくい情報開示等によって、投資家やステークホルダーが誤った投資をする可能性がある。

適切な企業情報の管理

情報漏洩によって、ステークホルダーに被害が及ぶ可能性がある。

あらゆるステークホルダーに配慮した経営

ステークホルダーの意見に対応しないことで、経営の方向性を見誤る可能性がある。

人権

人権課題への適切な対処

人権リスクを把握しないことで、人権を侵害する可能性がある。

・人権デューデリジェンスの実施

・人権侵害への対応

・製品のダイバーシティ対応

・女性活躍推進

・育児・介護への対応

・ハラスメントの予防と対策

・時間管理の徹底

人権侵害への加担を回避

紛争鉱物を含有した部品や強制労働に関連した部品を使用することで、強制労働や人権侵害に荷担する可能性がある。

差別をなくす

様々な差別によって従業員の採用・配置・職位を制限、不適切な人事評価によって、従業員の成長の機会を奪う可能性がある。

ハラスメントによって、人権を侵害する可能性がある。

多様な視点の欠如によって、人々の個性に対して差別的な扱いをする可能性がある。

公正な

労働慣行

労働者の権利を保障

過重労働によって、メンタルヘルスやワークライフバランスに影響を与える可能性がある。

・ワークライフバランスの実現

・子育てへの支援と協力

・労災・メンタルヘルス

労働安全衛生への配慮

危険作業や暑さ対策の不備によって、健康被害を与える可能性がある。

環境

汚染防止

製造工程でのトラブル等で、環境汚染物質の漏洩など公害を発生させる可能性がある。

・環境マネジメントの実践

・製品の脱炭素化

・ものづくりにおける汚染防止

・ものづくりにおける脱炭素化

・製品における脱プラスチック

・資源の有効活用

・地域資源回収の合理化

・フードロスの削減

・環境保全につながる新製品開発

・地域エネルギーの生成

・クリーンエネルギーの生成

・気候変動リスクへの対応

持続可能な資源利用の促進

非効率な製品による過剰な資源消費や希少材料の採用による新たな採掘で、自然環境を破壊する可能性がある。

気候変動や温暖化を緩和

製品やものづくりの脱炭素化が進まないことで、CO2を大量に排出する可能性がある。

気候変動による災害等への適応

大雨や洪水時の対策の不備によって、ものづくりやサービスの提供が滞る可能性がある。

生態系保全(生物多様性の維持)

環境負荷物質やプラスチック部品を採用した製品が不適切に使用または廃棄されることで、自然環境に悪影響を与える可能性がある。

公正な

事業慣行

汚職のないクリーンな事業活動

汚職やコンプライアンス違反によって、訴訟等が発生し事業活動が滞る可能性がある。

・コンプライアンスの強化

・サステナブル調達の推進

サプライチェーンへの配慮

サプライチェーン上でのトラブルによって、事業活動が滞る可能性がある。

サプライヤーの破綻等のトラブルで、生産や事業活動が滞る可能性がある。

消費者課題

ニーズに適った製品やサービスの提供

ニーズに適わない製品やサービスを提供することで、ユーザーに損失を与える可能性がある。

・QMS適用範囲の拡大

・製品力の強化

・スマートモビリティへの対応

・サービス力の強化

・顧客情報管理の徹底

安全な製品の提供

危険で不安全な製品使用によって、ユーザーが怪我などの被害を受ける可能性がある。

持続可能な製品やサービスの提供

燃費が悪い製品やムダの多い製品・サービスによって、ユーザーが製品を使用する過程で自然環境に負荷を与える可能性がある。

コミュニティへの参画

・協働

地域への理解、コミュニティへの参画

地域に関する不理解によって、地域社会から協力を得られない可能性がある。

・バイオマス発電事業の推進

・特装車生産の効率化と合理化の推進

・ODAへの対応と途上国での生産拠点の確立

・地域振興・社会貢献の推進

・障がい者雇用の促進

・納税義務の履行

地域雇用の場を提供(地域経済への還元)

地域からの雇用を推進しないことで、地域社会からの協力を得られない可能性がある。

地域社会への投資

持てる技術、人、資金など経営資源を投資することで、地域社会が発展する可能性がある。

 

(3)マテリアリティの管理体制

 当社グループは、マテリアリティを含めたサステナビリティへの取組みを管理するために、社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置しています。

 サステナビリティ委員会ではマテリアリティの項目ごとに設定された課題について、目標の設定、対策の立案、取組み状況のモニタリングを行います。

 

(マテリアリティ管理体制)

 

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3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しています。このため、前年同期比較は基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いています。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりです。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、ワクチン接種の浸透に伴い一時的に緩やかな回復傾向が見られましたが、ロシア・ウクライナ問題による地政学的リスク、半導体不足や原油高及び原材料価格高騰等、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。

 このような状況下、当社グループでは、お客様、地域の皆様、従業員の安全を最優先としながら事業活動の継続に努めました。

 同時に、中期経営計画(3カ年計画)2019-21 ~To the Growth Cycle~ (2019年4月1日~2022年3月31日)の最終年度として、企業品質の向上と社会的価値の深化を図るべく、各施策の実行と業績の確保に努めました。

 なお、2021年3月30日に発表いたしました「固定資産の譲渡及び特別利益(固定資産売却益)の計上に関するお知らせ」のとおり、2022年3月期の連結決算において13,221百万円の特別利益を計上いたしました。

 この結果、当連結会計年度末の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末の財政状態は前連結会計年度末と比較して、総資産は11,609百万円(8.1%)増加して154,350百万円、負債合計は814百万円(1.9%)減少して41,338百万円、純資産合計は12,424百万円(12.4%)増加して113,011百万円となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の業績は、売上高は前連結会計年度と比較して(以下、前期比)260百万円(0.2%)減少し116,910百万円となりました。営業利益は前期比2,106百万円(23.2%)減少し6,974百万円、経常利益は前期比1,685百万円(18.2%)減少し7,567百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比7,499百万円(110.7%)増加し14,274百万円となりました。

 

 次に連結ベースでのセグメントの概要を前連結会計年度と比較してご説明申しあげます。

 

・特装車事業

 国内需要は引き続き底堅く推移したものの、半導体不足等による各方面の生産の停滞や鋼材等の値上げにより、収益面への影響が見られました。当社グループは感染症対策を講じながら積極的な受注確保を図るとともに、新製品の投入や生産工場における効率化・合理化による生産性の向上を図りました。

 横浜工場では生産性向上を目的とした大規模設備投資により、主力製品の一つである中型リヤダンプトラックボデー生産ラインの自動化を導入いたしました。今後も各生産拠点において、生産性の向上により特装車事業の強化を図ります。

 製品ラインナップである「大型リヤダンプトラック耐摩耗鋼板(HARDOX)仕様」及びごみ収集車安全支援システム「KIES®(キース)」が2021年度グッドデザイン賞を受賞いたしました。「大型リヤダンプトラック耐摩耗鋼板(HARDOX)仕様」は、受賞対象の中で審査委員会より特に高い評価を得た100件に贈られる、グッドデザイン・ベスト100にも選出され、「KIES」につきましても、同システム装着のごみ収集車31台を埼玉県深谷市様に納入するなど、引き続きお客様のニーズにお応えできるよう魅力ある製品ラインナップの強化に努めてまいります。

 また、グループ会社においても設備投資による収益基盤の強化を図りました。

 トレーラ・トラックボデー等を製造・販売するグループ会社の日本トレクス株式会社では、北九州市に直営のサービスセンターを開設し、ストックビジネスの強化とアフターサービスの品質向上に注力いたしました。

 保線用鉄道車両等を製造・販売するグループ会社の北陸重機工業株式会社では、生産能力約50%増の新工場と新事務所を竣工いたしました。「はたらく自動車」・「はたらく鉄道車両」の製造を通じ、国内外の社会インフラの構築・維持管理に貢献してまいります。

 海外においてはインドのSATRAC社を中心に特装車の拡販を行い、売上と利益の確保に努めました。

 当セグメントの売上高は前期比979百万円(1.0%)減少し98,571百万円となりました。営業利益は前期比2,399百万円(34.9%)減少し4,481百万円となりました。

 

・環境事業

 プラント建設では新規物件の受注活動と受注済物件の建設工事を進め、メンテナンス・運転受託等のストックビジネスにも注力いたしました。

 新規物件では北海道の遠軽地区広域組合様より令和3~5年度マテリアルリサイクル推進施設建設工事及び埼玉県川口市様より川口市戸塚環境センター施設整備・運営管理事業を受注いたしました。

 当セグメントの売上高は前期比618百万円(5.6%)増加し11,647百万円となりました。営業利益は前期比103百万円(5.2%)増加し2,098百万円となりました。

 

・不動産賃貸等事業

 立体駐車装置は新規物件の受注活動と、リニューアル及びメンテナンス等のストックビジネスに継続して注力いたしました。インドネシアにおいては、現地法人を通じて受注した大規模立体駐車装置が竣工し、現地における立体駐車装置の利便性を訴求することで拡販を図ります。

 コインパーキングは新型コロナウイルス感染症の影響による稼働率の低下から緩やかに改善いたしました。

 当セグメントの売上高は前期比129百万円(1.8%)増加し7,261百万円となりました。営業利益は前期比2百万円(0.2%)増加し1,143百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて16,008百万円(75.4%)増加して、37,248百万円となりました。

 その主な内訳は次のとおりです。

 

・営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動による資金収支は、6,867百万円(前年同期比△1,396百万円)となりました。これは税金等調整前当期純利益の計上等によるものです。

 

・投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動による資金収支は、10,661百万円(前年同期比+14,966百万円)となりました。これは固定資産の売却等によるものです。

 

・財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動による資金収支は、△1,555百万円(前年同期比+1,216百万円)となりました。これは配当金の支払い等によるものです。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

特装車事業

98,546

△1.0

環境事業

11,647

+5.6

不動産賃貸等事業

6,716

+1.6

合計

116,910

△0.2

(注) 金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しています。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

特装車事業

104,052

+22.3

63,885

+9.9

環境事業

12,375

△1.8

16,886

+4.5

不動産賃貸等事業

2,892

+22.5

1,173

+38.6

合計

119,320

+19.3

81,944

+9.1

(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しています。

2 不動産賃貸等事業に含まれるコインパーキング及び不動産賃貸につきましては、継続取引のため除いています。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

特装車事業

98,546

△1.0

環境事業

11,647

+5.6

不動産賃貸等事業

6,716

+1.6

合計

116,910

△0.2

(注) セグメント間の取引については、相殺消去しています。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産、負債の計上金額及び偶発資産、偶発負債の開示及び報告期間における収益・費用の計上金額に影響を与えるような見積り、判断、仮定を必要とします。

 当社グループは、継続的に過去の実績あるいは状況に応じ合理的と判断される範囲での様々な仮定に基づき、その見積りと予測を評価しています。これらの評価の結果は、資産、負債、収益及び費用の計上金額についての判断の基礎となります。

 これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。当社グループは会社の財政状態及び経営成績に重要な影響を与え、かつその適用にあたってマネジメントの重要な判断や見積りを必要とするものを重要な会計方針であると考えており、その具体的な内容につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりです。

 

経営成績の分析

・売上高

 当連結会計年度における売上高は主に特装車事業においてダンプトラックの販売台数が増加した一方、ウイングボデーやテールゲートリフタの販売台数が減少したことなどから前連結会計年度と比較して、260百万円(0.2%)減少して116,910百万円となりました。各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に対する割合は、特装車事業が84.3%、環境事業が10.0%、不動産賃貸等事業が5.7%となりました。

 

・売上総利益

 当連結会計年度における売上総利益は原材料価格の上昇等により前連結会計年度と比較して、1,993百万円(8.6%)減少して21,168百万円となりました。

 

・営業利益

 当連結会計年度における営業利益は固定費の増加等により前連結会計年度と比較して、2,106百万円(23.2%)減少して6,974百万円となりました。

 

・経常利益

 当連結会計年度における経常利益は営業外費用の減少等により前連結会計年度と比較して、1,685百万円(18.2%)減少して7,567百万円となりました。

 

・親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度における親会社株主に属する当期純利益は固定資産の売却に伴う特別利益の計上等により前連結会計年度と比較して、7,499百万円(110.7%)増加して14,274百万円となりました。

 

 

財政状態の分析

 当連結会計年度末の財政状態は、前連結会計年度末と比較して、総資産は11,609百万円(8.1%)増加して154,350百万円となりました。

 流動資産につきましては、現金及び預金の増加等により11,953百万円(14.2%)増加して96,276百万円となりました。

 固定資産につきましては、長期貸付金の減少等により344百万円(0.6%)減少して58,073百万円となりました。

 負債につきましては、流動負債は支払手形及び買掛金の減少等により3,055百万円(8.3%)減少して33,686百万円、固定負債は繰延税金負債の増加等により2,240百万円(41.4%)増加して7,652百万円となりました。

 純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと等により、12,424百万円(12.4%)増加して113,011百万円となりました。

 なお、当連結会計年度末現在の自己資本比率は73.0%(前連結会計年度末70.3%)となりました。

 

キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2  事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、以下のとおりです。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、鋼材や部品等をはじめとした材料の仕入れのほか、外注費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものです。

 当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としています。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,377百万円となっています。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は37,248百万円となっています。

 

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりです。

 中期経営計画 2019-21 ~To the Growth Cycle~ (2019年4月1日~2022年3月31日)の最終年度である2022年3月期に連結ベースで売上高110,000百万円以上、営業利益9,000百万円以上とすることを経営目標としておりましたが、売上高は116,910百万円、営業利益は6,974百万円となりました。

 今回新たに策定した、2030年度を見据えた長期経営ビジョン ~Kyokuto Kaihatsu 2030~では、連結ベースで売上高200,000百万円以上、営業利益率10%以上、ROE10%とすることを経営目標としています。

また、本長期経営ビジョン実現に向けた第1ステップである新中期経営計画 2022-24 ~Creating The Future As One~ (2022年4月1日~2025年3月31日)の最終年度である2025年3月期に連結ベースで売上高140,000百万円以上、営業利益率9%以上とすることを経営目標としており、2023年3月期においては、本目標を達成すべく諸施策を実行してまいります。

 

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関して、当連結会計年度の経営成績等への影響は軽微ですが、今後の見通しについては「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しています。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)技術導入契約

会社名

契約対象品目

契約内容

相手方の名称

国名

契約期間

提出会社

バイオガスプラント

バイオガスプラントに関する技術

株式会社コーンズ・エージー

日本

自 2015年3月31日

至 2025年3月30日

 

(2)販売提携契約

会社名

契約対象品目

契約内容

相手方の名称

国名

契約期間

提出会社

床下格納式ゲート

床下格納式ゲートの販売提携・アフターサービス

日本フルハーフ株式会社

日本

自 2000年4月1日

至 2023年3月31日

(注) 契約期間が2022年3月31日付をもって終了となっていましたが、契約期間を延長して上記のとおりとしました。

 

5【研究開発活動】

 当社グループの研究開発は、新規製品、新技術の開発、新分野の開拓、既開発製品の改良を主体とし、当社及び連結子会社の日本トレクス株式会社並びに極東開発パーキング株式会社が担当して行っています。

 当社の研究開発において、新規製品、新技術の開発、新分野の開拓は主として技術本部及び環境事業部が担当し、既に商品化している製品の改良開発、シリーズ拡大などは各工場及び環境事業部が技術本部と共同で行っています。

 また、連結子会社の日本トレクス株式会社においては、新規製品、新技術の開発並びに製品の改良開発は開発部が担当しており、連結子会社の極東パーキング株式会社においては、新規製品、新技術の開発並びに製品の改良開発は技術部が単独もしくは当社の技術本部と共同で行っています。

 当連結会計年度における研究開発費の総額は1,513百万円です。

 

<特装車事業>

 特装車事業では、当社及び連結子会社の日本トレクス株式会社において、物流、荷役、環境保全に注力し、流通コストの低減、省力化、安全性や操作性の向上に貢献できる製品の開発・改良・シリーズの拡大など商品力の強化に取り組んでいます。

 

 当連結会計年度に開発が完了した主な製品は次のとおりです。

・引上げ能力及びダンプ能力を向上させた7トン脱着ボデー車「ハイパースイング・フックロール®」を発売

・テレスコ式シリンダ採用により大量輸送を実現した「テレスコ式ダンプトレーラ」を発売

・テールゲートリフタ「パワーゲート®(G 型 / CG 型)」向けに「セーフティパッケージ」を新設定

・ポンプ能力をさらに向上させた新型コンクリートポンプ車「ピストンクリート® PY140-36A」を発売

・建設現場において圧送作業の省人力化を実現するコンクリートディストリビュータ「PZ01-10」を発売

・定温ウイングトレーラの開発

・上下逆段アオリ軽量化したウイング車両の製作・販売

・パネクト低密度・薄パネル仕様バントラックの開発

・ブレーキ引きずり装置を採用した車両の販売

 

 当連結会計年度における産業財産権の出願件数は64件で、研究開発費は1,351百万円です。

 

<環境事業>

 環境事業では、当社において、地球規模で叫ばれている環境保全・リサイクル化の観点から、益々重要となる廃棄物処理のトータルシステムの構築を目指し、資源ごみの選別装置、RDF(ごみ固形燃料化)装置、バイオガスプラントなどの技術開発・改良に取り組んでいます。

 当連結会計年度における産業財産権の出願件数は5件で、研究開発費は136百万円です。

 

<不動産賃貸等事業>

 不動産賃貸等事業では、連結子会社の極東開発パーキング株式会社において、集合住宅向け立体駐車装置のシリーズ化・改良・開発を行っています。

 当連結会計年度における産業財産権の出願件数は1件で、研究開発費は25百万円です。