第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社では、「合理性、透明性の高い経営を実践し、企業価値を高め、社会から信頼される会社をめざす」、「自然と調和した資源の活用と再生を考え、美しい地球の環境保全に努める」、「先端技術の開発に努め、お客様、市場との率直な対話を通じて、付加価値の創造と共有を図り、社会に貢献する」、「広く人材を求め、登用の多様性を図る」の4つの経営理念を掲げております。これらの経営理念を踏まえ、企業価値を向上させるべく、時代の変化やニーズの変化を的確に捉え、ステークホルダーの期待に応えるよう業務の変革に挑戦してまいります。

(2)中長期的な会社の経営戦略

収益改善に向けた施策を着実に実行し、成長事業への経営資源の集中と選択を進め、安定的な収益基盤の構築を図ってまいります。

(3)目標とする経営指標

売上高営業利益率、売上高経常利益率、自己資本比率及びROEについて重要な経営指標として位置付け、その向上に取り組んでおります。

(4)経営環境

今後の経済見通しは、保護主義的な通商政策の拡大による貿易摩擦の懸念等もあり、依然として楽観できない状況が続くことが見込まれます。

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループは、更なる成長・持続的な成長の実現に向け、これまで実施してまいりました事業構造改革を更に継続進展させてまいります。ガス機器事業につきましては、今後成長が見込まれる新興国はもとより、先進国につきましても事業拡大を積極的に推進してまいります。汎用機器事業につきましては、生産拠点の最適化をより一層進め、収益性・採算性の向上を更に推進してまいります。

(6)具体的取組状況

事業構造転換に向けたインフラの整備及び諸施策を継続的に実施してきており、具体的には新規営業推進活動の積極的な展開、経費の削減、材料費の削減、製品別採算見直しによる販売価格の改定、生産性の向上等に取り組んでおります。

 また、2018年度にスタートした3ヶ年の中期経営計画は、この大きな外部環境の変化に適切に対応するとともに、その変化を大きなチャンスとして捉え、現状をブレークスルーして、「成長軌道への転換」を実現し、更なる企業価値の向上を図ることを基本方針として活動してまいります。

(7)会社の支配に関する基本方針及び当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)について

当社は、平成19年6月28日開催の第116期定時株主総会において、当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)の導入を株主の皆様にご承認いただきました。その後、平成22年6月25日開催の第119期定時株主総会の決議、平成25年6月27日開催の第122期定時株主総会の決議、及び平成28年6月29日開催の第125期定時株主総会の決議により、それぞれ一部を変更した上で更新いたしました。さらに、令和元年6月27日開催の第128期定時株主総会(以下「本株主総会」といいます。)において一部を変更した上で更新(以下、変更後の対応策を「本プラン」といいます。)することを以下のとおり決議いたしました。

① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

  当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資する者が望ましいと考えております。

  もっとも、当社は、株式を上場して市場での自由な取引に委ねているため、会社を支配する者の在り方は、最終的には株主の皆様全体の意思に基づき決定されるべきであり、会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えます。

  しかしながら、当社株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、株主の皆様が買付の条件等について検討したり、当社取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との交渉を必要とするもの等、株主共同の利益を毀損するものもあり得ます。

このような大規模な買付行為や買付提案を行なう者は、例外的に当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと判断します。

② 基本方針の実現に資する取組み

  当社グループでは、主力製品であった自動車キャブレターの製廃による自動車機器の売上減少及び米国の住宅バブル崩壊による汎用機器の売上減少に伴い業績の悪化に直面しました。このような事業環境変化に対応するため、平成19年度より新たな構造改革に着手し効率化や合理化によるコスト低減等を強力に推進してまいりました。その結果、平成22年度決算で黒字転換を達成し、以降も着実に利益計上を続けております。

  当社グループでは、着実に利益を生み出し成長し続けていくために、以下の施策に基づき強靭な企業体質の構築及び成長戦略の推進を強力に進めております。これらの施策を確実に遂行することで、当社グループは中長期的な成長を確実なものとし、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上を目指してまいります。

イ.2018年度~2020年度 中期経営計画による企業価値・株主共同の利益向上への取組み(要旨)

1)基本方針

 現在、自動車業界は100年に一度の大変革期を迎え、その変化への対応が強く求められております。2018年度~2020年度 中期経営計画は、この大きな外部環境の変化に適切に対応するとともに、その変化を大きなチャンスとして捉え、現状をブレークスルーして「成長軌道への転換」を実現し、更なる企業価値の向上を図ることを基本方針としております。

  2)重点方針・施策

   a.既存差別化戦略の更なる展開(既存事業の磨き上げ)

    ・当社の差別化戦略のコアとなるガス機器事業(大型天然ガス自動車システム)での更なるシェアアップを実現するため、成長性の高い中国市場・インド市場を重点市場として位置づけ、従来以上により積極的な対応を図ります。

   b.新たな事業戦略の展開(新規市場・新規事業への進出)

    ・当社の持つ高度な制御システムのノウハウを活用し、新たに電動系ビジネスへの展開を図ります

    ・新たに認証取得した自動車向け機能安全国際規格である ISO26262:2011 を活用し、新規事業への参入・進出を図ります。

    ・安定的・継続的な売上規模の見込めるメジャー市場対応商品・技術の開発を推進します。

   c.その他

    ・顧客ニーズの多様化・高度化への対応を強化するために、製品開発手法の拡充・多様化(自社製品+他社製品の組み合わせ)やファブレス化(開発・設計+製造は外注化)等についても検討を進め、異業種も含めた提携の強化・連携の強化を図ります。

ロ.コーポレート・ガバナンスの強化による企業価値・株主共同の利益向上への取組み

当社は、「合理性、透明性の高い経営を実践し、企業価値を高め、社会から信頼される会社をめざす。」との経営理念に基づいて経営活動を行ない、広く社会から期待される企業となるべくコーポレート・ガバナンスの充実を経営の最重要課題の一つとして位置づけております。経営の透明性及び効率性を確保し、ステークホルダーの期待に応え、企業価値を増大させることが、コーポレート・ガバナンスの基本であると認識しております。

当社は、企業価値・株主共同の利益の向上を図るための取組みとして、株主の皆様に対する経営陣の責任を明確にするため、取締役の任期を1年としております。また、平成27年6月26日開催の当社第124期株主総会により新たに社外取締役1名を追加選任いただき、社外取締役2名体制とし、ガバナンスのより一層の強化を図ってまいりました。なお、上記の社外取締役は東京証券取引所が定める独立役員の要件を充たしております。また、役員と従業員が企業活動を遂行する上で遵守しなければならないルールとして「企業行動憲章」及び「従業員行動規範」等を整備し、法令遵守と企業倫理の確立に努めております。また、当社は監査役会設置会社を採用しております。取締役会は原則として1ヶ月に1回開催(監査役も毎回出席)し、取締役会規則に定められた詳細な付議事項について積極的な議論を行っております。また、監査役会は、2名を社外監査役とし、監査の透明性、公平性を確保しております。

当社グループでは、企業価値・株主共同の利益を向上させるための取組みとして、以上のような施策を実施しております。これらの取組みは、上記①の基本方針の実現にも資するものと考えております。

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

イ.本プラン導入の目的

本プランは、上記①に述べた基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして導入するものであります。

当社取締役会は、当社株式に対する大規模な買付等が行われた場合でも、その大規模な買付等の目的等が当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するものであれば、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えるものではありません。また、支配権の移転を伴う買収提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきものと考えております。

しかしながら、株式の大規模な買付等の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対して明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強制するおそれのあるもの、取締役会や株主の皆様が株式の大規模な買付等の内容等について検討し、あるいは取締役会が代替案を提示するために合理的に必要十分な時間や情報を提供することのないもの等、買収の対象とされた会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものもあり得ます。

したがって、当社は、当社株式に対して大規模な買付行為等が行われた場合に、株主の皆様が適切なご判断をするために必要な情報や時間を確保し、買付者等との交渉等が一定の合理的なルールに従って行われることが、企業価値・株主共同の利益に合致すると考え、以下の内容の大規模買付時における情報提供と検討時間の確保等に関する一定のルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を設定し、会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって大規模な買付行為がなされた場合の対応方針を含めた買収防衛策として、本株主総会における株主の皆様のご承認を条件に、現プランの内容を一部変更し、本プランとして更新することといたしました。

ロ.本プランの対象となる当社株式の買付

本プランの対象となる当社株式の買付とは、特定株主グループ(注1)の議決権割合(注2)を25%以上とすることを目的とする当社株券等(注3)の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が25%以上となる当社株券等の買付行為(いずれについてもあらかじめ当社取締役会が同意したものを除き、また市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いません。以下、かかる買付行為を「大規模買付行為」といい、かかる買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)とします。

(注1):特定株主グループとは、(ⅰ)当社の株券等(金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。)の保有者(同法第27条の23第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。以下同じとします。)及びその共同保有者(同法第27条の23第5項に規定する共同保有者をいい、同条第6項に基づく共同保有者とみなされる者を含みます。以下同じとします。)または、(ⅱ)当社の株券等(同法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。)の買付け等(同法第27条の2第1項に規定する買付け等をいい、取引所金融商品市場において行われるものを含みます。)を行う者及びその特別関係者(同法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいいます。)を意味します。

(注2):議決権割合とは、(ⅰ)特定株主グループが、注1の(ⅰ)記載の場合は、当該保有者の株券等保有割合(金融商品取引法第27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいいます。この場合においては、当該保有者の共同保有者の保有株券等の数(同項に規定する保有株券等の数をいいます。以下同じとします。)も加算するものとします。)または、(ⅱ)特定株主グループが、注1の(ⅱ)記載の場合は、当該大規模買付者及び当該特別関係者の株券等保有割合(同法第27条の2第8項に規定する株券等所有割合をいいます。)の合計をいいます。

 各議決権割合の算出に当たっては、総議決権の数(同法第27条の2第8項に規定するものをいいます。)及び発行済株式の総数(同法第27条の23第4項に規定するものをいいます。)は、有価証券報告書、四半期報告書及び自己株券買付状況報告書のうち直近に提出されたものを参照することができるものとします。

(注3):株券等とは、金融商品取引法第27条の23第1項または同法第27条の2第1項に規定する株券等を意味します。

ハ.独立委員会の設置

本プランを適正に運用し、当社取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の客観性及び合理性を担保するため、現プランと同様に独立委員会規程(注5)に基づき、独立委員会を設置しております。独立委員会の委員は3名以上とし、公正で中立的な判断を可能とするため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外監査役及び社外有識者(注4)の中から選任します。独立委員会の委員は、社外監査役の染野光宏氏及び夏目岳彦氏並びに社外有識者の須藤修氏の3名であります。

独立委員会は大規模買付者が大規模買付ルールを遵守したか否かの判断、対抗措置の発動・不発動の判断、いったん発動した対抗措置の停止等の判断など、当社取締役会の諮問に対して勧告するものとします。また、独立委員会は、対抗の是非及び要否に関し、株主意思を確認することが相当であると判断した場合、株主総会を招集し、対抗措置の実施に関する議案の付議を勧告するものとします。当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとし、独立委員会の勧告内容については、その概要を適宜公表することとします。

なお、独立委員会の判断が、当社の企業価値・株主共同の利益に資するようになされることを確保するために、独立委員会は、当社の費用で、必要に応じて独立した外部専門家(フィナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家)等の助言を得ることができるものとします。

(注4):社外有識者とは、経営経験豊富な企業経営者、投資銀行業務に精通する者、弁護士、公認会計士、会社法等を主たる研究対象とする学識経験者、またはこれらに準ずる者をいいます。

ニ.大規模買付ルールの概要

1)大規模買付者による意向表明書の当社への事前提出

    大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合には、大規模買付行為または大規模買付行為の提案に先立ち、まず、当社代表取締役宛に大規模買付ルールに従う旨の誓約及び以下の内容等を日本語で記載した意向表明書をご提出いただきます。

   a.大規模買付者の氏名または名称及び住所または所在地

   b.設立準拠法

   c.代表者の氏名

   d.国内連絡先

   e.提案する大規模買付行為の概要等

   f.本プランに定められた大規模買付ルールに従う旨の誓約

      当社取締役会が大規模買付者から意向表明書を受理した場合は、速やかにその旨及び必要に応じ、その内容について公表します。

2)大規模買付者による必要情報の提供

 当社は、上記1)の意向表明書を受領した日の翌日から起算して10営業日以内に、大規模買付者から当社取締役会に対して、株主の皆様のご判断及び当社取締役会としての意見形成のために提供いただくべき必要かつ十分な情報(以下「本必要情報」といいます。)のリストを当該大規模買付者に交付し、大規模買付者には、本必要情報のリストに従い、本必要情報を当社取締役会に書面にて提出していただきます。本必要情報の一般的な項目は以下のとおりです。その具体的内容は大規模買付者の属性及び大規模買付行為の内容によって異なりますが、いずれの場合も株主の皆様のご判断及び当社取締役会としての意見形成のために必要かつ十分な範囲に限定するものとします。

a.大規模買付者及びそのグループ(共同保有者、特別関係者及び組合員(ファンドの場合)その他の構成員を含みます。)の詳細(名称、事業内容、経歴または沿革、資本構成、財務内容を含みます。)

b.大規模買付行為の目的、方法及び内容(大規模買付行為の対価の価額・種類、大規模買付行為の時期、関連する取引の仕組み、大規模買付行為の方法の適法性、大規模買付行為の実現可能性等を含みます。)

c.大規模買付行為の対価の価額の算定根拠(算定の前提となる事実や仮定、算定方法、算定に用いた数値情報並びに大規模買付行為に係る一連の取引により生じることが予想されるシナジーの内容及びその根拠を含みます。)

d.大規模買付行為の資金の裏付け(資金の提供者(実質的提供者を含みます。)の具体的名称、調達方法、関連する取引の内容を含みます。)

e.当社及び当社グループの経営に参画した後に想定している役員候補(当社及び当社グループの事業と同種の事業についての経験等に関する情報を含みます。)、当社及び当社グループの経営方針、事業計画、資本政策及び配当政策等

f.当社及び当社グループの経営に参画した後に予定している当社の取引先、顧客、従業員その他の当社に係る利害関係者と当社及び当社グループとの関係に関しての変更の有無及びその内容

 当社取締役会は、大規模買付ルールの迅速な運用を図る観点から、必要に応じて、大規模買付者に対し情報提供の期限を設定することがあります。ただし、大規模買付者から合理的な理由に基づく延長要請があった場合は、その期限を延長することができるものとします。

 また、当初提供していただいた情報を精査した結果、当該情報が大規模買付行為を評価・検討するための情報として不十分と認められる場合には、当社取締役会は、大規模買付者に対して、適宜合理的な期限を定めた上で、本必要情報が揃うまで追加的に情報提供を求めることがあります。当社取締役会は、本必要情報が大規模買付者から提供されたと判断した場合には、その旨の通知を大規模買付者に発送するとともにその旨を公表することとします。

 また、当社取締役会が本必要情報の追加的な提供を要請したにもかかわらず、大規模買付者から当該情報の一部について提供が難しい旨の合理的な説明がある場合には、当社取締役会が求める本必要情報が全て揃わなくとも、大規模買付者との情報提供に係る交渉等を終了し、その旨を公表するとともに、後記 3)の当社取締役会による評価・検討を開始する場合があります。

 当社取締役会に提供された本必要情報は、独立委員会に提出するとともに、株主の皆様のご判断のために必要であると認められる場合には、当社取締役会が適切と判断する時点で、その全部または一部を公表します。

3)当社取締役会による評価期間等

当社取締役会は、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付者が当社取締役会に対し本必要情報の提供を完了した後、対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付の場合は最長60日間、またはその他の大規模買付行為の場合は最長90日間を当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間(以下、「取締役会評価期間」といいます。)として設定します。従って、大規模買付行為は、取締役会評価期間経過後にのみ開始されるものとします。

取締役会評価期間中、当社取締役会は、必要に応じて独立した外部専門家(フィナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家)等の助言を受けながら、提供された本必要情報を十分に評価・検討し、独立委員会からの勧告を最大限尊重した上で、当社取締役会としての意見を慎重にとりまとめ、公表します。また、必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、当社取締役会として株主の皆様へ代替案を提示することもあります。

ホ.大規模買付行為が実施された場合の対応

1)大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合

   大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案についての反対意見を表明したり、代替案を提示することにより、株主の皆様を説得するに留め、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。大規模買付者の買付提案に応じるか否かは、株主の皆様において、当該買付提案及び当社が提示する当該買付提案に対する意見、代替案等をご考慮の上、ご判断いただくことになります。ただし、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、当該大規模買付行為が、例えば以下のaからeのいずれかに該当し、結果として会社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうと当社取締役会が判断する場合には、当社取締役会は、善管注意義務に基づき、例外的に当社の企業価値・株主共同の利益を守ることを目的として必要かつ相当な範囲内で、新株予約権の無償割当等、会社法その他の法律及び当社定款が認める対抗措置を講じることがあります。

a.真に当社の経営に参加する意思がないにもかかわらず、ただ株価をつり上げて高値で株式を会社関係者に引き取らせる目的で当社株式の買収を行っている場合(いわゆるグリーンメーラーである場合)

b.当社の経営を一時的に支配して当社または当社グループの事業経営上必要な知的財産権、ノウハウ、企業秘密情報、主要取引先や顧客等を当該買収者やそのグループ会社等に移譲させるなど、いわゆる焦土化経営を行う目的で当社株式の買収を行っている場合

c.当社の経営を支配した後に、当社または当社グループの資産を当該買収者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する予定で当社株式の買収を行っている場合

d.当社の経営を一時的に支配して当社または当社グループの事業に当面関係していない不動産、有価証券など高額資産等を売却等処分させ、その処分利益をもって一時的な高配当をさせるかあるいは一時的高配当による株価の急上昇の機会を狙って株式の高値売り抜けをする目的で当社株式の買収を行っている場合

e.大規模買付者の提案する当社株式の買付方法が、いわゆる強圧的二段階買収(最初の買付で当社の株式の全部の買付を勧誘することなく、二段階目の買収条件を不利に設定し、あるいは明確にしないで、公開買付等による株式の買付を行うことをいいます。)等の、株主の皆様の判断の機会または自由を制約し、事実上、株主の皆様に当社株式の売却を強要するおそれがあると判断された場合

上記のとおり例外的に対抗措置を発動することについて判断する場合には、その判断の客観性及び合理性を担保するため、当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、独立委員会に対し対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会は対抗措置発動の必要性、相当性を十分検討した上で上記ニ.3)の取締役会評価期間内に勧告を行うものとします。独立委員会は、対抗措置の是非及び要否に関し、株主意思を確認することが相当であると判断した場合、株主総会を招集し、対抗措置の実施に関する議案の付議を勧告するものとします。当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重した上で、対抗措置発動または不発動について判断を行うものとします。

具体的にいかなる手段を講じるかについては、その時点で最も適切と当社取締役会が判断したものを選択することとします。当社取締役会が具体的対抗措置として、例えば新株予約権の無償割当を行う場合の概要は(注6)に記載のとおりですが、実際に新株予約権の無償割当をする場合には、議決権割合が一定割合以上の特定株主グループに属さないことを新株予約権の行使条件とするなど、対抗措置としての効果を勘案した行使期間及び行使条件を設けることがあります。

2) 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合

大規模買付者が、大規模買付ルールを遵守しなかった場合には、具体的な買付方法の如何にかかわらず、当社取締役会は、当社の企業価値・株主共同の利益を守ることを目的として、上記1)で述べた対抗措置を講じることにより大規模買付行為に対抗する場合があります。独立委員会は、対抗措置の是非及び要否に関し、株主意思を確認することが相当であると判断した場合、株主総会を招集し、対抗措置の実施に関する議案の付議を勧告するものとします。対抗措置を発動することについて判断するにあたっては、当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重して、対抗措置の必要性、相当性等を十分検討した上で発動の是非について判断するものとします。

3)対抗措置発動の停止等について

上記1)または2)において、当社取締役会において具体的対抗措置を講ずることを決定した後、当該大規模買付者が大規模買付行為の撤回または変更を行った場合など対抗措置の発動が適切でないと当社取締役会が判断した場合には、独立委員会の助言、意見、または勧告を十分に尊重した上で、対抗措置の発動の停止または変更等を行うことがあります。例えば、対抗措置として新株予約権の無償割当を行う場合、当社取締役会において、無償割当が決議され、または、無償割当が行われた後においても、大規模買付者が大規模買付行為の撤回または変更を行うなど対抗措置の発動が適切でないと当社取締役会が判断した場合には、独立委員会の勧告を受けた上で、効力発生日の前日までの間は、新株予約権無償割当等の中止、または新株予約権無償割当後において行使期間開始日の前日までの間は、当該新株予約権の無償取得の方法により対抗措置発動の停止を行うことができるものとします。このような対抗措置の発動の停止を行う場合は、独立委員会が必要と認める事項とともに、法令及び当社が上場する東京証券取引所の上場規則等に従い、当該決定について適時・適切に開示します。

ヘ.株主及び投資家の皆様に与える影響等

1) 大規模買付ルールが株主及び投資家の皆様に与える影響等

 大規模買付ルールは、株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かをご判断するために必要な情報や、現に当社の経営を担っている当社取締役会の意見を提供し、株主の皆様が代替案の提示を受ける機会を保証することを目的としています。これにより株主の皆様は、十分な情報のもとで、大規模買付行為に応じるか否かについて適切なご判断をすることが可能となり、そのことが当社の企業価値・株主共同の利益の保護につながるものと考えます。従いまして、大規模買付ルールの設定は、株主及び投資家の皆様が適切な投資判断を行う上での前提となるものであり、株主及び投資家の皆様の利益に資するものであると考えております。

 なお、上記ホにおいて述べたとおり、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守するか否かにより大規模買付行為に対する当社の対応が異なりますので、株主及び投資家の皆様におかれましては、大規模買付者の動向にご注意ください。

2) 対抗措置発動時に株主及び投資家の皆様に与える影響

 当社取締役会は、当社の企業価値・株主共同の利益を守ることを目的として、上記ホに記載した対抗措置を講じることがありますが、当社取締役会が具体的な対抗措置をとることを決定した場合には、法令及び当社が上場する東京証券取引所の上場規則等に従って、当該決定について適時・適切に開示します。

 対抗措置の発動時には、大規模買付者等以外の株主の皆様が、法的権利または経済的側面において格別の損失を被るような事態は想定しておりません。対抗措置の一つとして新株予約権の無償割当を行う場合は、当社が当該新株予約権の取得の手続きを取ることにより、大規模買付者等以外の株主の皆様は、新株予約権の行使価額相当の金銭を払い込むことなく、当社による当該新株予約権の取得の対価として当社株式を受領するため格別の不利益は発生しません。ただし、当社が新株予約権を取得する日までに、大規模買付者等でないこと等を誓約する当社所定の書式による書面をご提出いただけない株主の皆様(当社がかかる誓約書の提出を求めた場合に限ります。)に関しましては、他の株主の皆様が当該新株予約権の無償割当を受け、当該新株予約権と引き換えに当社株式を受領することに比して、結果的にその法的権利または経済的側面において不利益が発生する可能性があります。また、独立委員会の勧告を受けて、当社取締役会が当該新株予約権の発行の中止または発行した新株予約権の無償取得(当社が新株予約権を無償で取得することにより、株主の皆様は新株予約権を失います。)を行う場合には、当社株式の価値の希釈化が生じることを前提にして売買等を行った株主または投資家の皆様は、株価の変動により不測の損害を被る可能性があります。

 大規模買付者等については、大規模買付ルールを遵守しない場合や、大規模買付ルールを遵守した場合であっても、当該大規模買付行為が当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、対抗措置が講じられることにより、結果的にその法的権利または経済的側面において不測の損害が発生する可能性があります。本プランの公表は、大規模買付者が大規模買付ルールに違反することがないようにあらかじめ注意を喚起するものです。

3) 対抗措置発動に伴って株主の皆様に必要となる手続き

 対抗措置の一つとして、例えば新株予約権の無償割当を行う場合は、株主の皆様は引受けの申込みを要することなく新株予約権の割当てを受け、また当社が新株予約権の取得の手続きをとることにより、新株予約権の行使価額相当の金銭を払い込むことなく、当社による新株予約権の取得の対価として当社株式を受領することになるため、申込みや払込み等の手続きは必要となりません。ただし、この場合当社は、新株予約権の割当てを受ける株主の皆様に対し、別途ご自身が大規模買付者等でないこと等を誓約する当社所定の書式による書面のご提出を求めることがあります。

これらの手続きの詳細につきましては、実際に対抗措置を行うことになった際に、法令及び当社が上場する東京証券取引所の上場規則等に基づき別途開示いたします。

ト.本プランの適用開始、有効期限及び廃止

 本プランは、本株主総会での承認により同日から発効することとし、有効期限は令和4年6月開催予定の当社定時株主総会の終結の時までとします。

 本プランは、本株主総会により更新が承認され発効した後であっても、①株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合、②株主総会で選任された取締役で構成される当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、その時点で廃止されるものとします。また、本プランの有効期間中であっても、当社取締役会は、企業価値・株主共同の利益の向上の観点から随時見直しを行い、株主総会の承認を得て本プランの変更を行うことがあります。このように、当社取締役会が本プランについて更新、変更、廃止等の決定を行った場合には、その内容につきまして速やかに開示いたします。なお、本プランの有効期間中であっても、当社取締役会は、本プランに関する法令、東京証券取引所の規則等の新設または改廃が行われ、かかる新設または改廃を反映するのが適切である場合、誤字脱字等の理由により字句の修正を行うのが適切である場合等、株主の皆様に不利益を与えない場合等には、必要に応じて独立委員会の賛同を得た上で、本プランを修正または変更する場合があります。

④ 本プランが基本方針に沿い、当社の企業価値・株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでないことについて

イ.買収防衛策に関する指針の要件を充足していること

  本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性の原則)を充足しています。また、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」において示された、形式的に当該買収が株主共同の利益を侵害するとまでは言い難い理由のみをもって買収防衛策の発動が必要であるとの判断を行ってはならない等の内容も踏まえたものとなっております。さらに、平成27年6月1日より適用を開始した「コーポレートガバナンス・コード」の「原則1―5.いわゆる買収防衛策」等を踏まえた内容となっており、合理性を有する内容となっております。

ロ.企業価値・株主共同の利益の確保・向上の目的をもって更新されていること

本プランは、大規模買付行為が行われる場合に、買付に応じるべきか否かを株主の皆様に適切にご判断していただけるように、当社取締役会が大規模買付者から必要な情報を入手するとともに、その大規模買付行為や買付提案を評価・検討する時間を確保し、株主の皆様へ代替案も含めた判断のために必要な情報を提供することを可能とすることで、企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって更新されるものであります。

ハ.株主意思を重視するものであること

本プランは、本株主総会での承認により発効することとしており、本株主総会にて本プランについて株主の皆様の意思を問う予定であることから、株主の皆様のご意向が反映されることとなっております。また、本プラン更新後、有効期間満了前であっても、株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになり、株主の皆様のご意向が反映されます。

ニ.独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示

本プランにおける対抗措置の発動等の運用に際しての実質的な判断は、独立性の高い社外者のみから構成される独立委員会により行われることとされております。また、その判断の概要については、株主の皆様に公表することとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に適うように本プランの透明な運営が行われる仕組みが確保されております。

ホ.合理的な客観的要件の設定

本プランにおける対抗措置の発動は、上記③ホ.「大規模買付行為が実施された場合の対応」において記載したとおり、合理的な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しているものといえます。

ヘ.デッドハンド型・スローハンド型の買収防衛策ではないこと

本プランは、当社株主総会の決議または当社取締役会の決議で廃止することができるため、いわゆるデッドハンド型の買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社は、取締役任期を1年とし、期差任期制を採用していないため、本プランは、スローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。

(注5)独立委員会規程の概要

・独立委員会は、当社取締役会の決議により設置される。

・独立委員会の委員は3名以上とし、公正で中立的な判断を可能とするため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外監査役及び社外有識者の中から、当社取締役会が選任する。

・独立委員会は、当社取締役会から諮問のある事項について、原則としてその決定の内容を、その理由及び根拠を付して、当社取締役会に対し勧告する。なお、独立委員会の各委員は、こうした決定に当たっては、当社の企業価値・株主共同の利益に資するか否かの観点からこれを行うこととする。

・独立委員会は、投資銀行、証券会社、弁護士その他の外部専門家等に対し、当社の費用負担により助言を得ることができる。

・独立委員会決議は、原則として、独立委員会の委員全員が出席し、その過半数をもってこれを行う。ただし、委員に事故あるとき、その他やむを得ない事情があるときは、委員の過半数が出席し、その過半数をもってこれを行う。

(注6)新株予約権無償割当の概要

1.新株予約権無償割当の対象となる株主及びその割当方法

当社取締役会で定める割当期日における最終の株主名簿に記載された株主に対し、その所有する当社普通株式(ただし、当社の所有する当社普通株式を除く。)1株につき1個の割合で新たに払込みをさせないで新株予約権を割当てる。

2.新株予約権の目的となる株式の種類及び数

新株予約権の目的となる株式の種類は当社普通株式とし、新株予約権1個当たりの目的となる株式の数は1株とする。ただし、当社が株式分割または株式併合を行う場合は、所要の調整を行うものとする。

3.株主に割当てる新株予約権の総数

当社取締役会が定める割当期日における当社普通株式の発行可能株式総数から当社普通株式の発行済株式の総数(ただし、当社の所有する当社普通株式を除く。)を減じた株式数を上限とする。当社取締役会は、複数回にわたり新株予約権の割当を行うことがある。

4.各新株予約権の行使に際して出資される財産及びその価額

各新株予約権の行使に際して出資される財産は金銭とし、その価額は1円以上で当社取締役会が定める額とする。

5.新株予約権の譲渡制限

 新株予約権の譲渡による当該新株予約権の取得については、当社取締役会の承認を要する。

6.新株予約権の行使条件

議決権割合が25%以上の特定株主グループに属する者等(ただし、あらかじめ当社取締役会が同意した者を除く。)でないこと等を行使の条件として定める。詳細については、当社取締役会において別途定めるものとする。

7.新株予約権の行使期間等

 新株予約権の割当てがその効力を生ずる日、行使期間、取得条項その他必要な事項については、当社取締役会が別途定めるものとする。なお、取得条項については、上記6の行使条件のため新株予約権の行使が認められない者以外の者が有する新株予約権を当社が取得し、新株予約権1個につき当社取締役会が別途定める株数の当社普通株式を交付することができる旨の条項を定めることがある。

2【事業等のリスク】

(1)海外依存度及び為替変動に伴うリスクについて

当社グループの海外売上高比率は平成30年3月期51.1%、平成31年3月期51.2%と高い比率を占めております。特に米国への売上高は、当連結会計年度において26億4千3百万円と連結売上高の33.6%を占めております。このため、当社グループの財政状態及び経営成績は海外マーケットの状況及び為替相場の変動により影響を受ける可能性があります。

(2)国際活動におけるリスクについて

当社グループは、複数の国において事業を展開しており、それぞれの地域における治安悪化やテロ、戦争等の政治的、経済的混乱等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)環境にかかる法的規制等の影響について

当社は、「自然と調和した資源の活用と再生を考え、美しい地球の環境保全に努める」ことを経営理念の一つとし、環境に対し悪影響を与える物質の削減を考慮した設計・開発を行っております。しかし、当社グループが提供する製品及びサービスは、自動車・小型エンジン用気化器並びに燃料関連デバイス、ガス燃料供給システム機器であり、製品を使用する国、地域の環境保護規制・法律により規制の対象となった場合は当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)企業買収等について

昨今、新しい法制度の整備や企業構造の変化等を背景に、会社の経営陣の賛同を得ることなく、一方的に大量の株式の買付を行う動きが顕在化しつつあります。そうした中で当社グループが企業買収を実施したり、または企業買収の対象となる場合があります。買収の目的や買収後の経営方針によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5)クレーム処理費用の発生について

当社は、「お客様の満足と信頼に応えるため、品質最優先に徹した商品とサービスを提供する。また、この活動を通して一人一人が成長し、ものづくりの達成感・充実感を感じていく。」を品質方針としており、要求事項への適合及び品質マネジメントシステムの有効性の継続的改善を行っております。しかし、将来において大規模なクレーム処理費用の発生や製造物責任賠償につながるような欠陥が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に個人消費の持ち直しの動きが見られる等、緩やかな回復基調で推移しました。

 一方、世界経済は、米中貿易摩擦の長期化、それによる中国の景気減速懸念、英国のEU離脱問題による情勢不安等を背景として、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 このような状況のもと、当連結会計年度の業績は、中国向け製品の一時的な販売減少や不採算取引の縮小、一部製品の販売終了等により、連結売上高は78億6千7百万円(前連結会計年度比14.3%減少)となりました。

 損益につきましては、収益性の高い商品の販売割合の増加・不採算取引の改善効果や為替相場が想定よりも円安基調で推移したこと等により、営業利益は7億8千2百万円(同12.7%減少)、経常利益は9億7千6百万円(同9.4%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億1百万円(同22.0%増加)となりました。

 

 事業の種類別セグメントの業績は次のとおりであります。

 ガス機器事業は、中国市場向け製品が前期の販売増加の反動による一時的な調整局面にあること等により、売上高は34億6千万円(同16.2%減少)、セグメント利益は2億4千5百万円(同59.7%減少)となりました。

 汎用機器事業は、不採算取引の縮小や一部製品の販売終了等により、売上高は29億8千1百万円(同19.6%減少)となりましたが、収益性の高い商品の販売割合の増加や採算性の改善等により、セグメント利益は6千9百万円(前連結会計年度は1億9千4百万円の損失)となり、黒字化を達成いたしました。

 自動車機器事業は、フォークリフト向けキャブレタやインドにおけるダイカスト関連製品の売上拡大等により、売上高は8億7千1百万円(同9.6%増加)となりましたが、商品の売上構成の変化等もあり、セグメント利益は2千1百万円(同32.6%減少)となりました。

 不動産賃貸事業は売上高5億5千3百万円(同0.0%増加)、セグメント利益は4億4千5百万円(同0.8%減少)となりました。

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローの増加(12億3千1百万円)が投資活動によるキャッシュ・フローの減少(2億2千6百万円)及び財務活動によるキャッシュ・フローの減少(1億9千6百万円)を上回り、また、現金及び現金同等物に係る換算差額(2千4百万円)の増加による調整を行った結果、現金及び現金同等物の残高は、38億2千2百万円(前連結会計年度は29億8千8百万円)となり、前連結会計年度より8億3千3百万円増加しました。

 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果増加した資金は12億3千1百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益(9億7千5百万円)によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果減少した資金は2億2千6百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出(2億2千5百万円)によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果減少した資金は1億9千6百万円となりました。これは主に配当金の支払額(1億4千9百万円)によるものであります。

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成30年4月1日

至 平成31年3月31日)

前年同期比(%)

ガス機器事業(千円)

3,480,671

84.4

汎用機器事業(千円)

3,030,029

80.1

自動車機器事業(千円)

866,352

106.5

合計(千円)

7,377,052

84.6

 (注)1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

b.受注実績

 当社グループ(当社及び連結子会社)は各メーカーの生産内示に基づいた生産であり、受注高は生産高にほとんど等しくなるため、記載を省略しております。

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成30年4月1日

至 平成31年3月31日)

前年同期比(%)

ガス機器事業(千円)

3,460,904

83.8

汎用機器事業(千円)

2,981,911

80.4

自動車機器事業(千円)

871,025

109.6

不動産賃貸事業(千円)

553,605

100.0

合計(千円)

7,867,447

85.7

 (注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成30年4月1日

至 平成31年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

グローバルコンポーネントテクノロジー株式会社

388,398

4.2

1,390,921

17.7

Briggs & Stratton Corporation

1,177,969

12.8

1,227,674

15.6

上海太子美雅貿易有限公司

954,768

10.4

405,242

5.2

    2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

 なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況  1 連結財務諸表等  注記事項 (連結財務諸表作成のための基本なる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.財政状態の分析

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産の残高は74億5千5百万円(前連結会計年度末は69億9千1百万円)となり、前連結会計年度末と比べて4億6千4百万円増加しました。主な増減項目は、現金及び預金の増加(8億3千万円)、電子記録債権の減少(2億2千万円)、受取手形及び売掛金の減少(1億9千6百万円)であります。

(固定資産)

 当連結会計年度末における有形固定資産の残高は42億9百万円(前連結会計年度末は43億7千6百万円)となり、前連結会計年度末と比べて1億6千7百万円減少しました。主な増減項目は、機械装置及び運搬具の減少(2億1千5百万円)、建物及び構築物の増加(7千4百万円)であります。

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債の残高は37億9千8百万円(前連結会計年度末は40億6千1百万円)となり、前連結会計年度末と比べて2億6千2百万円減少しました。主な増減項目は、支払手形及び買掛金の減少(1億3千万円)、短期借入金の減少(1億円)であります。

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債の残高は19億4千9百万円(前連結会計年度末は20億3千3百万円)となり、前連結会計年度末と比べて8千4百万円減少しました。主な増減項目は、その他の固定負債の増加(1億7千2百万円)、役員退職慰労引当金の減少(1億6千7百万円)、退職給付に係る負債の減少(1億3千5百万円)、長期借入金の増加(9千1百万円)であります。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産の残高は77億3千1百万円であり、株主資本67億8千3百万円、その他の包括利益累計額合計9億1千6百万円、非支配株主持分3千1百万円であります。

ロ.経営成績の分析

 当連結会計年度の業績は、中国向け製品の一時的な販売減少や不採算取引の縮小、一部製品の販売終了等により、連結売上高は78億6千7百万円(前連結会計年度比14.3%減少)となりました。

 損益につきましては、収益性の高い商品の販売割合の増加・不採算取引の改善効果や為替相場が想定よりも円安基調で推移したこと等により、営業利益は7億8千2百万円(同12.7%減少)、経常利益は9億7千6百万円(同9.4%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億1百万円(同22.0%増加)となりました。

ハ.資本の財源及び資金の流動性についての分析

1)キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

2)財務政策

 当社グループは、運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金、金融機関からの借入により資金調達することを基本としております。今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく考えであります。

二.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、中期経営計画において、「持続的な成長の実現」をめざしております。このため、売上高営業利益率、売上高経常利益率、自己資本比率及び自己資本利益率(ROE)を重要な指標として位置付けております。

 当連結会計年度における売上高営業利益率は9.9%(前年同期比0.2ポイント増加)、売上高経常利益率12.4%(前年同期比2.7ポイント増加)、自己資本比率57.1%(前年同期比3.6ポイント増加)及び自己資本利益率(ROE)10.9%(前年同期比1.2ポイント増加)となっております。引き続き、安定的な収益基盤の構築を図り、企業価値の向上をめざして、目標達成に取り組んでまいります。

4【経営上の重要な契約等】

 当社グループが締結している重要な契約は以下のとおりであります。

 合弁契約

合弁相手

内容

出資額

合弁会社名

設立
時期

 Briggs & Stratton Corporation

汎用気化器の製造

・販売

 NIKKI AMERICA,INC.

 433万米ドル

 Briggs & Stratton Corporation

 189万米ドル

NIKKI AMERICA FUEL SYSTEMS,LLC

平成17年11月

 

 

5【研究開発活動】

当社グループでは、主に当社が研究開発活動を行っております。

当社の研究開発については経営計画の重要施策である新商品群展開と連動して、(1) ガス機器事業(CNG(圧縮天然ガス)、LNG(液化天然ガス)、LPG(液化石油ガス)用燃料システム)に関する研究開発、(2) 汎用機器事業に関する研究開発を主体に行っております。

当連結会計年度の各セグメントの研究開発状況は次のとおりであります。

(1) ガス機器事業

ガス機器事業では、代替エネルギーとして注目されているCNG及びLNGを使用するCNG自動車・LNG自動車等の電子制御燃料噴射システムとこれらをコントロールするエンジン制御技術、及びそのシステムの主要部品の研究開発を主体に取組んでおります。

当事業に係る研究開発費用は、117百万円であります。

(2) 汎用機器事業

汎用機器事業では、汎用エンジン及び二輪エンジンの燃料供給装置と、これらの排出ガス規制対応の研究開発を主体に取り組んでおります。また、電子制御燃料噴射システムについても研究開発を進めております。

当事業に係る研究開発費用は、34百万円であります。

(3) 自動車機器事業

自動車機器事業では、当連結会計年度において、研究開発費用は発生しておりません。

上記(1) (2) の事業の要となるECU(Electronic Control Unit)についても、小型化・高機能化並びに最新制御理論に基づいた制御ロジックの研究開発を行っております。

また、高度化する世界の排出ガス規制とOBD(On Board Diagnosis)に対応し、さらに自動車の機能安全規格であるISO26262に対応する制御システム並びにシステム部品についても研究開発を進めております。

なお、グループ全体の研究開発に要した費用総額は159百万円であり、その金額には各セグメントに配分できない基礎研究用費用6百万円が含まれております。