第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社では、「合理性、透明性の高い経営を実践し、企業価値を高め、社会から信頼される会社をめざす」、「自然と調和した資源の活用と再生を考え、美しい地球の環境保全に努める」、「先端技術の開発に努め、お客様、市場との率直な対話を通じて、付加価値の創造と共有を図り、社会に貢献する」、「広く人材を求め、登用の多様性を図る」の4つの経営理念を掲げております。これらの経営理念を踏まえ、企業価値を向上させるべく、時代の変化やニーズの変化を的確に捉え、ステークホルダーの期待に応えるよう業務の変革に挑戦してまいります。

(2)中長期的な会社の経営戦略

収益改善に向けた施策を着実に実行し、成長事業への経営資源の集中と選択を進め、安定的な収益基盤の構築を図ってまいります。

(3)目標とする経営指標

売上高営業利益率、売上高経常利益率、自己資本比率及びROEについて重要な経営指標として位置付け、その向上に取り組んでおります。

(4)経営環境

今後の経済見通しは、新型コロナウイルス感染症の再拡大等の懸念もあり、依然として予断を許さない状況が続くことが見込まれます。

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、更なる成長・持続的な成長の実現に向け、これまで実施してまいりました事業構造改革を更に継続進展させてまいります。

 また、新型コロナウイルス感染再拡大による業績への負の影響を最小限に食い止めるため、徹底した経費削減を図るとともに、生産性の向上や生産拠点の最適化をより一層進めトータルコストを圧縮し、収益性の改善・向上に確実につなげてまいります。

 現在、自動車業界は100年に一度と言われる大変革期を迎え、その変化への対応が強く求められております。

 このような状況の下で、当社グループは、この大きな外部環境の変化に適切に対応するとともに、その変化を大きなチャンスとして捉え、現状をブレークスルーして「成長軌道への転換」を実現するため、既存事業の磨き上げ・更なる強化に加え、新規市場・新規事業への進出に積極的に対応してまいります。

(6)具体的取組状況

事業構造転換に向けたインフラの整備及び諸施策を継続的に実施してきており、具体的には新規営業推進活動の積極的な展開、経費の削減、材料費の削減、製品別採算見直しによる販売価格の改定、生産性の向上等に取り組んでおります。

 また、2018年度にスタートした3ヶ年の中期経営計画は、大きな外部環境の変化に適切に対応するとともに、その変化を大きなチャンスとして捉え、現状をブレークスルーして、「成長軌道への転換」を実現し、更なる企業価値の向上を図ることを基本方針として活動してまいりました。「成長軌道への転換」を実現するため、①既存事業の磨き上げ、+②新規市場・新規事業への進出の2点を重点方策として展開してまいりました。

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

(1)海外依存度及び為替変動に伴うリスクについて

当社グループの海外売上高比率は2020年3月期57.4%、2021年3月期54.9%と高い比率を占めております。特に米国への売上高は、当連結会計年度において22億7千7百万円と連結売上高の38.6%を占めております。このため、当社グループの財政状態及び経営成績は海外マーケットの状況及び為替相場の変動により影響を受ける可能性があります。

(2)国際活動におけるリスクについて

当社グループは、複数の国において事業を展開しており、それぞれの地域における治安悪化やテロ、戦争等の政治的、経済的混乱等が発生した場合や、新型コロナウイルスの感染再拡大の影響等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)環境にかかる法的規制等の影響について

当社は、「自然と調和した資源の活用と再生を考え、美しい地球の環境保全に努める」ことを経営理念の一つとし、環境に対し悪影響を与える物質の削減を考慮した設計・開発を行っております。しかし、当社グループが提供する製品及びサービスは、自動車・小型エンジン用気化器並びに燃料関連デバイス、ガス燃料供給システム機器であり、製品を使用する国、地域の環境保護規制・法律により規制の対象となった場合は当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)企業買収等について

昨今、新しい法制度の整備や企業構造の変化等を背景に、会社の経営陣の賛同を得ることなく、一方的に大量の株式の買付を行う動きが顕在化しつつあります。そうした中で当社グループが企業買収を実施したり、または企業買収の対象となる場合があります。買収の目的や買収後の経営方針によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5)クレーム処理費用の発生について

当社は、「お客様の満足と信頼に応えるため、品質最優先に徹した商品とサービスを提供する。また、この活動を通して一人一人が成長し、ものづくりの達成感・充実感を感じていく。」を品質方針としており、要求事項への適合及び品質マネジメントシステムの有効性の継続的改善を行っております。しかし、将来において大規模なクレーム処理費用の発生や製造物責任賠償につながるような欠陥が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、上半期に大きく減退し、その後、段階的な経済活動の再開等により一部では持ち直しの動きが見られたものの、足元では再度、感染者数が増加に転じるなど、依然として先行き不透明な状況が継続しております。

 また、世界経済も、ワクチンの普及や経済対策などにより景気回復の兆しが見られる一方で、感染再拡大の懸念に加え、長期化している米中対立の影響等のリスク要因もあり、先行きは一段と不透明感を増しております。

 このような状況のもと、当連結会計年度の業績は、新型コロナウイルスの感染症の拡大や、中国エンジンメーカーの開発ずれ込み等の影響により、連結売上高は58億9千5百万円(前連結会計年度比21.7%減少)となりました。

 損益につきましては、生産体制の見直しや採算性の改善効果等もあり、第3四半期以降は大きく改善したものの、売上高減少の影響等により、営業利益は2億2千4百万円(同64.9%減少)、経常利益は3億5千万円(同51.3%減少)となりました。また、保有資産の有効活用を図るための本社厚木工場の建替え・移設に伴う減損損失の計上や、有価証券売却益の計上等により、親会社株主に帰属する当期純利益は2億5千6百万円(同47.7%減少)となりました。

 

 事業の種類別セグメントの業績は次のとおりであります。

 ガス機器事業は、中国市場向け製品の販売減少等により、売上高は23億7千7百万円(同26.8%減少)、セグメント損失は2億5千1百万円(前連結会計年度は1億9千4百万円の利益)となりました。

 汎用機器事業は、主要マーケットである米国市場の販売減少等により、売上高は24億2千8百万円(同24.4%減少)となりましたが、生産体制の見直しや採算性の改善効果等もあり、セグメント利益は6千5百万円(同57.6%増加)となりました。

 自動車機器事業は、フォークリフト向けキャブレターの販売増加等により、売上高は5億3千7百万円(同5.2%増加)、セグメント損失は8百万円(前連結会計年度は2千7百万円の損失)となりました。

 不動産賃貸事業は売上高5億5千1百万円(同0.5%減少)、セグメント利益は4億1千8百万円(同2.8%減少)となりました。

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローの増加(4億9千6百万円)が投資活動によるキャッシュ・フローの減少(6億5千万円)及び財務活動によるキャッシュ・フローの減少(1億8千万円)を下回り、また、現金及び現金同等物に係る換算差額(2百万円)の増加による調整を行った結果、現金及び現金同等物の残高は、37億1千5百万円(前連結会計年度は40億4千6百万円)となり、前連結会計年度より3億3千万円減少しました。

 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果増加した資金は4億9千6百万円となりました。これは主に減価償却費(5億2千9百万円)、税金等調整前当期純利益(2億9千7百万円)、仕入債務の減少(2億4千8百万円)、減損損失(1億5千4百万円)、法人税等の支払(1億1千6百万円)、退職給付に係る負債の減少(1億1百万円)、投資有価証券売却益(1億円)によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果減少した資金は6億5千万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出(8億1千万円)、投資有価証券の売却による収入(1億5千6百万円)によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果減少した資金は1億8千万円となりました。これは主に配当金の支払額(1億6千万円)によるものであります。

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

ガス機器事業(千円)

2,304,260

68.2

汎用機器事業(千円)

2,472,582

73.0

自動車機器事業(千円)

539,555

105.1

合計(千円)

5,316,398

73.1

 (注)1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

b.受注実績

 当社グループ(当社及び連結子会社)は各メーカーの生産内示に基づいた生産であり、受注高は生産高にほとんど等しくなるため、記載を省略しております。

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

ガス機器事業(千円)

2,377,612

73.2

汎用機器事業(千円)

2,428,658

75.6

自動車機器事業(千円)

537,673

105.2

不動産賃貸事業(千円)

551,929

99.5

合計(千円)

5,895,873

78.3

 (注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

グローバルコンポーネントテクノロジー株式会社

977,857

13.0

972,590

16.5

Briggs & Stratton Corporation

1,210,852

16.1

885,341

15.0

    2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況  1 連結財務諸表等  注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

 連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、固定資産の減損会計、繰延税金資産の回収可能性の判断等については、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果と異なる場合があります。

 なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響につきましては、「第5 経理の状況  1 連結財務諸表等  注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.財政状態の分析

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産の残高は72億4千2百万円(前連結会計年度末は76億7千3百万円)となり、前連結会計年度末と比べて4億3千万円減少しました。主な増減項目は、現金及び預金の減少(3億2千9百万円)、商品及び製品の減少(7千万円)、受取手形及び売掛金の減少(3千1百万円)であります。

(固定資産)

 当連結会計年度末における有形固定資産の残高は43億1千8百万円(前連結会計年度末は42億7百万円)となり、前連結会計年度末と比べて1億1千1百万円増加しました。主な増減項目は、建設仮勘定の増加(5億3千6百万円)、建物及び構築物の減少(2億7千3百万円)、機械装置及び運搬具の減少(1億4百万円)、その他の有形固定資産の減少(3千3百万円)であります。

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債の残高は34億1千8百万円(前連結会計年度末は38億3千7百万円)となり、前連結会計年度末と比べて4億1千9百万円減少しました。主な増減項目は、支払手形及び買掛金の減少(2億6千3百万円)、短期借入金の減少(1億4百万円)、未払法人税等の減少(2千8百万円)であります。

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債の残高は17億1千4百万円(前連結会計年度末は16億8千8百万円)となり、前連結会計年度末と比べて2千5百万円増加しました。主な増減項目は、退職給付に係る負債の減少(2億3千6百万円)、繰延税金負債の増加(1億9千9百万円)、長期借入金の増加(1億円)、その他の固定負債の減少(2千2百万円)であります。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産の残高は82億1千5百万円であり、株主資本72億5千1百万円、その他の包括利益累計額合計9億4千1百万円、非支配株主持分2千2百万円であります。

ロ.経営成績の分析

 当連結会計年度の業績は、新型コロナウイルスの感染症の拡大や、中国エンジンメーカーの開発ずれ込み等の影響により、連結売上高は58億9千5百万円(前連結会計年度比21.7%減少)となりました。

 損益につきましては、生産体制の見直しや採算性の改善効果等もあり、第3四半期以降は大きく改善したものの、売上高減少の影響等により、営業利益は2億2千4百万円(同64.9%減少)、経常利益は3億5千万円(同51.3%減少)となりました。また、保有資産の有効活用を図るための本社厚木工場の建替え・移設に伴う減損損失の計上や、有価証券売却益の計上等により、親会社株主に帰属する当期純利益は2億5千6百万円(同47.7%減少)となりました。

ハ.資本の財源及び資金の流動性についての分析

1)キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

2)財務政策

 当社グループは、運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金、金融機関からの借入により資金調達することを基本としております。今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく考えであります。

ニ.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、中期経営計画において、「持続的な成長の実現」をめざしております。このため、売上高営業利益率、売上高経常利益率、自己資本比率及び自己資本利益率(ROE)を重要な指標として位置付けております。

 当連結会計年度における売上高営業利益率は3.8%(前年同期比4.7ポイント減少)、売上高経常利益率5.9%(前年同期比3.6ポイント減少)、自己資本比率61.4%(前年同期比4.0ポイント増加)及び自己資本利益率(ROE)3.3%(前年同期比3.2ポイント減少)となっております。引き続き、安定的な収益基盤の構築を図り、企業価値の向上をめざして、目標達成に取り組んでまいります。

4【経営上の重要な契約等】

 当社グループが締結している重要な契約は以下のとおりであります。

 合弁契約

合弁相手

内容

出資額

合弁会社名

設立
時期

 Briggs & Stratton Corporation

汎用気化器の製造

・販売

 NIKKI AMERICA,INC.

 433万米ドル

 Briggs & Stratton Corporation

 189万米ドル

NIKKI AMERICA FUEL SYSTEMS,LLC

2005年11月

 

 

5【研究開発活動】

当社グループでは、主に当社が研究開発活動を行っております。

当社の研究開発については経営計画の重要施策である新商品群展開と連動して、(1) ガス機器事業(CNG(圧縮天然ガス)、LNG(液化天然ガス)、LPG(液化石油ガス)用燃料システム)に関する研究開発、(2) 汎用機器事業に関する研究開発を主体に行っております。

当連結会計年度の各セグメントの研究開発状況は次のとおりであります。

(1) ガス機器事業

ガス機器事業では、代替エネルギーとして注目されているCNG及びLNGを使用するCNG自動車・LNG自動車等の電子制御燃料噴射システムとこれらをコントロールするエンジン制御技術、及びそのシステムの主要部品の研究開発を主体に取組んでおります。

当事業に係る研究開発費用は、120百万円であります。

(2) 汎用機器事業

汎用機器事業では、汎用エンジン及び二輪エンジンの燃料供給装置と、これらの排出ガス規制対応の研究開発を主体に取り組んでおります。また、電子制御燃料噴射システムについても研究開発を進めております。

当事業に係る研究開発費用は、23百万円であります。

(3) 自動車機器事業

自動車機器事業では、電動車両のエンジン制御技術と、電動制動装置の研究開発を主体に取組んでおります。

当事業に係る研究開発費用は、7百万円であります。

上記(1) (2) の事業の要となるECU(Electronic Control Unit)についても、小型化・高機能化並びに最新制御理論に基づいた制御ロジックの研究開発を行っております。

また、高度化する世界の排出ガス規制とOBD(On Board Diagnosis)に対応し、さらに自動車の機能安全規格であるISO26262に対応する制御システム並びにシステム部品についても研究開発を進めております。

なお、グループ全体の研究開発に要した費用総額は156百万円であり、その金額には各セグメントに配分できない基礎研究用費用4百万円が含まれております。