(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、業界トップクラスの《コスト競争力・品質水準・技術水準》を基盤として、グローバルで自動車内外装部品の専門メーカーとしての地位を確立するために以下の3点を基本方針としております。
① 継続してお客様に満足される最高水準の品質を提供する。
② 常に自動車部品業界をリードする先進技術を生みだし、商品化に繋げる。
③ 永続して高収益を出せる強靭な体質を構築する。
当社グループは、事業の更なる成長・発展のために必要な収益確保を目指しており、中長期目標として連結営業利益率8%達成を掲げております。
当社グループは、「KR10(Kasai Realize 10)」と題し、2014年から2023年にかけての長期経営ビジョンを策定しております。自動車の内装をコンセプト提案できる会社として、ONLY1の技術で、安全性、快適性を追求し未来空間を提供できるよう目標達成に向けて取り組みを行ってまいります。
10年後のありたい姿としては、グローバルエクセレントカンパニーになることを目標に掲げ、以下のように定義しております。
1.お客様の求める品質を安定供給し継続的に品質賞を受賞できる企業になる
2.ONLY1技術をベースにグローバルでコンセプト提案できる企業になる
3.各拠点のグループ社員がいきいきと働きグローバルで信頼される企業になる
当社グループを取り巻く経営環境は、自動車メーカーのグローバル事業拡大により新興国を含むグローバルでの事業戦略の重要性が増しております。
世界規模における、企業間の競争は、ますます激しくなっておりますが、更なる発展を目指して2019年度はスローガンに「Re-Born KASAI」を掲げ、以下の取り組みを行ってまいります。
1.日本地域では生産性と投資の合理化による強い収益構造を確立します。生産工場の再編、間接業務のシェアードサービス化、総合原価低減活動の強化、開発活動の効率化、設備・金型投資額の抑制に取り組んでまいります。
2.北米地域では基盤強化による強い収益構造を確立します。工場再編、設計拠点統合、メキシコでの新車立上げロスミニマム化、天井事業の強化に取り組んでまいります。
3.中国地域では事業拡大による収益性向上を図ります。武漢地域での事業拡大、加飾部品製造事業の検討に取り組んでまいります。
4.アセアン地域では新規商権・新規コモディティへの拡販による成長を目指します。新規取引先の商権獲得、外装部品・インスト部品の生産開始に取り組んでまいります。
5.欧州地区では欧州系のOEMへの本格的な拡販を目指します。またスロバキアでの部品供給開始にあたっては確実な円滑立上げを実行し、さらなるビジネス拡大に取り組んでまいります。
以上を踏まえ、当社グループとしては引き続き一丸となって、経営目標の達成に向けた諸施策の具体化と経営基盤の強化に努めてまいります。積極的なグローバルネットワークの拡充により顧客ニーズへ応えるべく事業拡大を図り、海外拠点等での円滑な新車投入対応、収益力増強のための生産性向上と原価低減活動をグループ総力を挙げて推進してまいります。
なお、2020年3月期の連結業績予想を以下のとおりと見込んでおります。為替レートにつきましては1米ドル105円を想定しております。
(連結業績予想)
売上高 2,100億円 (対前期比 7.6%減)
営業利益 85億円 (対前期比 18.8%減)
営業利益率 4.0% (対前期比 0.6%減)
経常利益 85億円 (対前期比 23.3%減)
親会社株主に帰属する当期純利益 40億円 (対前期比 11.8%減)
① 当社グループの目指すべきもの
当社は1946年に事業を開始して以来、自動車産業の発展と共に技術開発や生産システム作り、人材開発に積極的に取組み、自動車内装部品の研究開発、製造、販売におけるトップメーカーとしての地位を築いてまいりました。
当社グループは長期ビジョンとして「グローバルエクセレントカンパニーの確立」の理念のもと、グローバル市場における自動車内装部品企業としてだけではなく、自動車内外装部品企業としての地位を確立すべく、製品開発力・技術力の強化を図り、海外を含む取引先への拡販を積極的に進めております。
これらの高い技術と共に、最高の品質と価格競争力をもった製品をグローバルに供給することによって、取引先に満足していただくとともに、環境への影響を十分配慮した製品造りを通じて、社会に貢献できる収益力ある企業であることが、当社グループのめざすべきものと考えております。創業以来培ってきた高い志に基づく経営理念、品質、技術、そして企業文化を共有する人材という有形無形の財産が、当社グループを継続的に発展、ひいては、広く社会から信頼される企業へと導き、企業価値・株主共同の利益確保・向上を可能にするものと考えております。
② 基本方針
当社は上場会社である以上、原則として、株主は株式の自由な取引を通じて決まるものであり、当社自身の判断で定めるべきではないと考えております。従いまして、大規模買付行為の提案に応じるか否かについても、あくまで、最終的には個々の株主の意思に基づき行われるべきものと考えております。
また、大規模買付行為が提案された場合、当社グループの企業価値に与える影響、大規模買付行為の目的や買付後の経営方針等の情報が十分に株主に提供されるとともに、適切に判断するための時間が十分確保されるべきであると考えております。
株式の大規模買付行為を行う者の中には、短期的利益を獲得することのみを目的とする者もおり、当社グループの企業価値・株主共同の利益を毀損させる恐れが生じることもあり得ます。大規模買付行為により当社グループの財務及び事業の方針の決定を支配するということは、すなわち、当社グループの経営理念、企業文化、或いは将来のビジョンを理解し、企業価値・株主共同の利益の向上と社会的貢献に継続的に取組む責務を有するものであると考えておりますが、このようなことを理解せず、当社グループの企業価値・株主共同の利益を毀損させるような大規模買付行為を行う者は、当社グループの財務及び事業の方針を支配するものとして不適切であると考えております。
③ 企業価値・株主共同の利益向上への取り組み
当社グループでは、企業価値・株主共同の利益向上への取り組みとして、以下のとおり、中期経営計画に基づく各施策と、コーポレート・ガバナンスの枠組みに基づく透明性の高い企業運営を行っております。
イ)中期経営計画に基づく取組み
当社グループは「グローバルエクセレントカンパニー」という理念のもと、グローバル市場での自動車内装部品企業としての地位を確立すべく、中長期の計画を策定し、企業価値向上のための諸施策を実施しております。
ロ)コーポレート・ガバナンスの取組み
当社グループは、法令等を遵守し、事業等に関するリスクをコントロールしつつ、自律型・高収益企業としての地位を確立することをめざしております。そのためのコーポレート・ガバナンスの取組みとして、取締役会を月1回以上開催し、経営の基本方針、法令で定められた事項及び経営に関する重要事項を決定することにしている他、2016年の株主総会を経て、監査等委員会設置会社に移行し、監査等委員会は、取締役の職務執行並びに国内外の当社グループ会社の業務内容や財務状況の監視を行っております。また、執行役員制度を導入しており、業務執行に係る重要事項を経営会議において審議、決定する体制をとっております。関連規程を定め、法令等に沿った適時開示を行う体制を整備している他、投資家向け説明会を通して、当社グループの取組みを直接投資家に説明することや、当社ホームページに最新の企業情報を開示することで、透明性の高い経営をめざしております。
④ 基本方針に照らして不適切な者によって当社グループの財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
イ)本対応方針の目的
当社は上場企業として当社株式の自由な売買を認めるべきであるとの考えから、ある特定の者から大規模買付の提案がなされた場合、これを一概に否定するものではなく、あくまで個々の株主により最終的に判断されるべきものと考えております。当社グループの財務及び事業の方針の決定を支配する者を、当社自身が判断するということは考えておりません。
しかしながら、大規模買付の提案の中には、当社グループの本源的価値を適切に反映していない恐れがあるものや、株主、取引先、従業員、地域社会等のステークホルダーの皆様との中長期的な良好な関係が損なわれる恐れのあるものが無いとは言い切れません。また、当社グループの財務及び事業の方針を支配する者は、当社グループの経営理念、企業文化、或いは将来のビジョンを理解・実践し、企業価値・株主共同の利益の向上と社会的貢献に継続的に取組む責務を有するものであることを理解しない者が現れないとも限りません。
従いまして、不適切な者によって当社グループの財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するためにも、大規模買付行為がなされた場合には、それに応じるか否かを個々の株主が判断するための情報と時間を確保すること、当社の取締役会が株主の皆様に代替案を提示するための情報と時間を確保すること、そして透明性を確保するために、大規模買付者からの情報、提案、当社取締役会からの意見、提案を全て速やかに開示すること、等を大規模買付ルールとして制定することにより、個々の株主が適切な判断を行える体制を整えることといたしました。
ロ)大規模買付行為の定義
次のa若しくはbのいずれかに該当する行為(ただし、予め当社取締役会が承認したものを除き、また市場取引、公開買付等の具体的な買付方法の如何を問いません)、またはその可能性のある行為を「大規模買付行為」といい、かかる買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。
a.当社が発行する株券等(※注1)に関する大規模買付者の株券等保有割合(※注2)が20%以上となる当社株券等の買付行為。
b.当社が発行する株券等(※注1)に関する大規模買付者、及びその特別関係者(※注3)の株券等保有割合(※注4)の合計が20%以上となる当社株券等の買付行為。
(※注1)金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株式等をいう。
(※注2)金融商品取引法第27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいう。
(※注3)金融商品取引法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいう。
(※注4)金融商品取引法第27条の2第8項に規定する株券等保有割合をいう。
ハ)大規模買付ルールの制定
a. 意向表明書の提出
大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合には、まず、当社代表取締役社長宛に、本件大規模買付ルールを遵守する旨の誓約文書等を記載した意向表明書をご提出いただくこととします。この意向表明書には、大規模買付者の名称、住所、設立準拠法、代表者の氏名、(国内)連絡先及び提案する大規模買付行為の概要を明示していただきます。
なお、当社の取締役会は、大規模買付者から意向表明書を受領したことについて、速やかに情報開示を行います。
b. 大規模買付者に対する情報提供要求
当社が上記意向表明書を受領して10営業日以内に、株主の皆様の判断及び取締役会としての意見形成のため、当社代表取締役社長宛に提供していただく情報(以下「大規模買付情報」といいます)のリストを大規模買付者に交付します。その項目の一部は以下のとおりです。
1)大規模買付者(組合・ファンドの場合は組合員、その他構成員を含みます)及びそのグループの概要(具体的名称、資本構成、財務内容等を含みます)。
2)大規模買付行為の目的、方法及び内容(買付対価の価格・種類・買付の時期、関連する取引の仕組み、買付方法の適法性、買付実行の蓋然性等を含みます)。
3)買付価格の算定根拠(算定の前提となる事実・仮定、算定方法、算定に用いた数値情報等)、及び買付資金の裏付け(実質的提供者を含む資金の提供者の具体的名前、調達方法、関連する取引の内容を含みます)。
4)大規模買付行為完了後に意図する当社経営方針、事業計画、配当政策、財政政策、資本政策、資産活用等(当社に対し重要提案行為等を行う予定がある場合は、その具体的内容を含みます)。
5)買付後の社員、取引先、顧客、その他の利害関係者の処遇方針。
6)買付後の少数株主との利益相反回避策。
7)その他取締役会が合理的に必要と判断する情報。
c. 大規模買付者情報の追加提供と情報開示について
当社取締役会は、大規模買付行為の提案があった事実及び提供された大規模買付情報について、株主の皆様の判断のために必要と認められる場合には、適切と判断する時点でその全部、若しくは一部を開示するものといたします。
また、当初提供いただいた情報だけでは大規模買付情報として不足していると考えられる場合、十分な大規模買付情報が揃うまで追加的に情報提供をしていただくことがあります。この場合は、当社取締役会は、大規模買付者に対し、適宜回答期限を定めた上で、当社取締役会が追加で必要とする情報及び必要な理由を通知するものとします。
d. 評価期間
当社取締役会が十分な情報提供を受けたと判断した場合、60日(対価を円貨の現金のみとする公開買付による全株式の買付の場合)、または90日(上記以外の大規模買付行為の場合)を取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間(以下「取締役会評価期間」といいます)として与えられるべきものと考えます。取締役会評価期間中、取締役会はフィナンシャルアドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタント、その他社外の専門家等の助言を受けながら、取締役会としての意見を慎重に取りまとめ、一般に公開いたします。また、取締役会が必要と判断した場合には、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件の変更について交渉し、取締役会として株主の皆様に代替案を提示することもあります。大規模買付行為は、係る取締役会評価期間の経過後にのみ開始されるべきものといたします。
ニ)大規模買付ルールが遵守されない場合の対応
当社の大規模買付ルールにつきましては、当社における手続きの透明性・客観性を高め、個々の株主が適切な判断を行えるよう十分な情報を入手できる体制を整えることを目的としており、新株予約権や新株の割当を用いた具体的な買収防衛策について定めるものではありません。
かかる大規模買付ルールが遵守されず、大規模買付行為がなされた場合、この手続き違反の事実のみをもって直ちに新株予約権や新株の割当といった具体的な対抗処置を実施する予定はございませんが、善管注意義務を負う受託者として、当社グループの企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するよう、適切に対処していく所存であります。
ホ)大規模買付ルールが遵守された場合であっても、大規模買付行為が当社グループの企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に反すると認められる場合の対応
以下a.からh.の類型に該当すると認められ、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に反すると当社取締役会が判断する場合には、当社取締役会は、適切な時点においてその判断を公開し、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するよう、適切に対処していく所存であります。
a. 真に当社グループの経営に参加する意思がないにもかかわらず、ただ、株価を吊り上げて高値で株式を当社関係者に引き取らせる目的で当社株式の買付を行っていると判断される場合(グリーンメーラー)。
b. 当社グループの経営を一時的に支配して当社グループの事業経営上必要な知的財産権、ノウハウ、企業秘密、主要顧客等をそのグループ会社に委譲させることを目的で当社株式の買付を行っていると判断される場合。
c. 当社グループの経営を支配した後に、当社の資産を大規模買付者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として、不当に流用する目的で当社株式の買付を行っていると判断される場合。
d. 当社グループの経営を一時的に支配して、当社グループの不動産や有価証券等の高額資産を売却処分させ、その処分益をもって一時的な高配当をさせるなどで株価の急上昇を狙い、当社の株式を売り抜ける目的で当社株式の買付を行っていると判断される場合。
e. 大規模買付者の提案する当社株式の買付方法が、株主の判断の機会または自由を制約し、事実上、株主に当社株式の売却を強要する恐れがあると判断される場合。
f. 大規模買付者による支配権取得により、株主、取引先、従業員等の当社グループステークホルダーの利益を含む当社グループの企業価値が著しく毀損すると予想されたり、当社グループの企業価値の維持及び向上を著しく妨げる恐れがあると合理的な根拠をもって判断される場合。
g. 大規模買付者の経営陣または主要株主に反社会的勢力と関係する者が含まれている場合など、大規模買付者が公序良俗の観点から当社の支配株主として不適切であると判断される場合。
h. その他、当社グループの企業価値・株主共同の利益の確保・向上に明らかに反すると認められる場合。
⑤大規模買付ルールの改廃等
大規模買付ルールにつきましては、2017年5月23日より発効することとし、有効期間は3年間といたします。ただし、当社は、有効期間中であっても、当該ルールについて随時再検討を行い、見直しすることがあるものといたします。
当社グループの事業等に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりであります。
なお、将来に関する事項は有価証券報告書提出日(2019年6月21日)現在において判断したものであります。
(1)経済状況等
当社グループの連結売上高は、今日までの積極的な海外展開と得意先の海外生産のシフトにより、その海外比率は増加傾向にあります。したがって、当社グループの自動車関連製品の需要は、日本はもとより、進出先の国及び地域の経済状況の影響を受けます。特に北米地域の連結売上高に占めるシェアが高く、同地域の自動車市場の景気動向と需要変動が、日本での景気変動等とともに、当社グループの経営成績等に大きく影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの現在の主な販売先は、日産自動車㈱グループと本田技研工業㈱グループであり、当連結会計年度における連結売上高に占める割合は83.3%となっております。当社グループは両グループとの取引関係を維持発展させつつ、販売先の多様化を推進しておりますが、両社の自動車販売動向が、当社グループの経営成績等に大きく影響を及ぼす可能性があります。
(3)グローバル展開
当社グループは、今日まで積極的に海外展開を行い、また今後も販売先の多様化等に伴い、海外生産拠点を増設していく方針でおります。海外生産拠点に予期しない政治・経済の不安定化、法律または税制の変更、あるいはテロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等により事業の遂行に問題が生じる可能性があり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)為替レートの変動
当社グループの連結売上高に占める海外売上高比率は、当連結会計年度で71.2%(前連結会計年度71.4%)となっており、為替相場の影響を受けやすい状況になっております。当社グループの想定を超えた為替レートの変動が生じた場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
(5)自然災害、事故等
当社グループでは、防災設備を整え、生産設備の定期的な点検・検査を行っておりますが、予期しない自然災害、当社並びに取引先の不慮の事故等に起因する生産施設・設備の火災・故障・停電などにより、生産や納品等に関し、遅延や停止が起きることが想定されます。
(6)価格競争
自動車業界の価格競争の激化を受け、自動車メーカーから部品メーカーに対する価格引下げ要請は、近年特に強まってきております。当社グループの製品は、価格的、品質的、技術的に十分競争力を有していると考えておりますが、価格競争の激化による競合先の低販売価格に対して、販売を維持、拡大し、収益性を保つことができなくなる可能性があります。この場合には、当社グループの経営成績等が影響を受ける可能性があります。
(7)原材料等の供給不足・供給価格の高騰
当社グループの事業にとっては、十分な品質の原材料、部品、サービス等を調達することが不可欠であります。しかし、供給業者での不慮の事故、震災などにより供給が中断した場合や不安定となった場合、当社グループの事業が悪影響を受ける可能性があります。また、当社グループと供給業者は、契約によりその供給価格を決定しておりますが、原油価格上昇等により原材料・部品価格が高騰する可能性があり、この場合には当社グループの経営成績等が影響を受ける可能性があります。
(8)新製品開発力・技術力
当社グループは、品質競争力・コスト競争力の維持・強化のため、また社会的要請である環境に配慮した軽量化技術の開発など、製品開発力・技術力の強化を積極的に図っております。しかしながら、予測を超えた環境の変化や市場の変化により、魅力の高いあるいは低コストの新製品や新技術を開発できない場合やタイムリーに提供できない場合、将来の成長と収益性を低下させ、あるいは投下資金の負担により、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(9)製品の欠陥・品質
当社グループは、関連法規及び国際的に認知されている品質管理基準に従って設計・製造を行い品質確保を図っております。しかしながら、予期せぬ製品の欠陥や品質面の不備が発生した場合、その欠陥や不備の内容によっては多額のコストが発生したり、当社グループの評価が低下したりすることにより、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(10)知的財産権
当社は、事業活動を展開する上で、製品・製造技術などに関連する特許などの知的財産権を取得しており、また、第三者からの訴訟やクレームを受けることを未然に防止するため随時特許調査を行っております。しかしながら、当社グループの製品または製造技術が、将来的に他社の知的財産権を侵害していると判断される場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(11)有利子負債依存度、支払利息の増加
当社グループは、設備投資、システム投資及び研究開発投資等のための資金調達を主に金融機関からの借入金に依存しており、当連結会計年度末現在における連結総資産に占める有利子負債依存度は23.9%であります。今後、借入金利の上昇により支払利息が増加した場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(12)人材の確保
当社グループは、グローバル規模で事業の拡大を図るためには、国内外での優秀な人材及び良質な労働力の確保が必要不可欠と考えております。当社グループは、新卒者・中途採用者の採用、成果・能力主義を重視した人事制度の運用などにより人材・労働力の確保に努めておりますが、労働力市場の逼迫等によりこれらの施策がうまく機能せず、当社グループの求める人材・労働力の確保、育成が計画どおりに進捗しない場合には、当社の事業展開が制約される可能性及び当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュフロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
世界経済は、米国では良好な雇用環境や企業収益の改善などに加え、所得税減税などの政策効果もあり、堅調な回復が続きました。中国では、米中貿易摩擦の影響による輸出の減速や個人消費、設備投資の伸び悩みにより、成長率が鈍化しております。欧州においては、内需は堅調に推移したものの、英国のEU離脱問題による輸出伸び悩みや欧州政治の混乱が影響し、成長率が鈍化しました。
わが国の経済は、度重なる自然災害や米中貿易摩擦の影響が懸念されましたが、企業業績・雇用環境・個人消費が底堅く推移し、緩やかな回復基調を維持しております。
総資産は1,432億87百万円と前連結会計年度末に比べ25億83百万円の増加(+1.8%)となりました。
負債は731億36百万円と前連結会計年度末に比べ21億46百万円の増加(+3.0%)となりました。
純資産は701億50百万円と前連結会計年度末に比べ4億36百万円の増加(+0.6%)となりました。
売上高は2,272億57百万円と前連結会計年度に比べ32億21百万円(+1.4%)の増収となりました。営業利益につきましては、104億70百万円と前連結会計年度に比べ34億96百万円(△25.0%)の減益、経常利益は110億81百万円と前連結会計年度に比べ33億39百万円(△23.2%)の減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は45億36百万円と前連結会計年度に比べ31億72百万円(△41.2%)の減益となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
売上高は658億86百万円と前連結会計年度に比べ12億74百万円(+2.0%)の増収となりましたが、セグメント利益は6億98百万円と前連結会計年度に比べ22億13百万円(△76.0%)の減益となりました。
(北米)
売上高は994億54百万円と前連結会計年度に比べ22億63百万円(+2.3%)の増収となり、セグメント利益は13億72百万円と前連結会計年度に比べ8億円(△36.8%)の減益となりました。
(欧州)
売上高は150億56百万円と前連結会計年度に比べ5億10百万円(△3.3%)の減収となり、セグメント損失は4億55百万円と前連結会計年度に比べ9億52百万円の減益となりました。
(アジア)
売上高は468億59百万円と前連結会計年度に比べ1億93百万円(+0.4%)の増収となり、セグメント利益は91億8百万円と前連結会計年度に比べ2億90百万円(+3.3%)の増益となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ1億82百万円少ない178億7百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益110億39百万円、減価償却費96億円等による資金の増加があり、一方で、売上債権の増加28億6百万円により、133億21百万円(前連結会計年度比36億66百万円の収入減)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得132億20百万円等により、△130億73百万円(前連結会計年度比2億63百万円の支出増)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入による収入138億70百万円、長期借入金の返済による支出72億59百万円、配当金の支払34億58百万円、リース債務の返済による支出15億24百万円等により、6億20百万円(前連結会計年度比14億61百万円の支出減)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当連結会計年度において、欧州セグメントの受注残高に著しい変動がありました。これは主要車種の生産終了や減産によるものであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
4 上記の日産自動車株式会社の販売高には、同社の関係会社(NISSAN NORTH AMERICA,INC.、NISSAN MEXICANA S.A. de C.V.、NISSAN MOTOR MANUFACTURING (UK) LTD.、日産車体株式会社、東風日産乗用車公司、鄭州日産汽車有限公司、日産 (中国) 投資有限公司、Nissan Motor (Thailand) Co.,Ltd.、PT. Nissan Motor Indonesia、Renault Nissan AutomotiveIndia Private Limitedの10社)向けの販売高を含めております。
5 上記の本田技研工業株式会社の販売高には、同社の子会社(Honda of America Mfg.,Inc.、Honda Canada Inc.、Honda of the U.K. Manufacturing Ltd.、Honda Manufacturing of Alabama,LLC、Honda Manufacturing of Indiana,LLC、Honda de Mexico.S.A.de C.V.、株式会社本田技術研究所、本田汽車用品(広東)有限公司、広汽本田汽車有限公司、東風本田汽車有限公司、Honda Automobile (Thailand) Co.,Ltd.、P.T. Honda Prospect Motorの12社)向けの販売高を含めております。
6 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、経済情勢等様々な不確定要因により、予測数値と異なる場合があります。
総資産は1,432億87百万円と前連結会計年度末に比べ25億83百万円の増加(+1.8%)となりました。この主な増加要因は、現金及び預金が8億43百万円、受取手形及び売掛金が22億42百万円、有形固定資産が15億14百万円により、減少要因は、仕掛品が6億37百万円、投資有価証券が10億11百万円によるものであります。
負債は731億36百万円と前連結会計年度末に比べ、21億46百万円の増加(+3.0%)となりました。この主な増加要因は、長期借入金の43億73百万円により、減少要因は、支払手形及び買掛金が7億69百万円、未払金が5億49百万円、退職給付に係る負債が7億43百万円によるものであります。
純資産は701億50百万円と前連結会計年度末に比べ、4億36百万円の増加(+0.6%)となりました。この主な増加要因は、利益剰余金の31億79百万円により、減少要因は、為替換算調整勘定の20億47百万円によるものであります。
自動車産業が大きな変革期を迎え競争が激しさを増す中、当連結会計年度の売上高は、北米セグメントや日本及びアジアセグメントにおける新規立上げ車種の売上高寄与により、2,272億57百万円(前連結会計年度比1.4%増)の増収となりました。しかしながら営業利益は、市場での価格競争の激化に加え、新車立上げ準備費用の増加や新拠点設立費用の影響により、104億70百万円(前連結会計年度比25.0%減)、経常利益は110億81百万円(前連結会計年度比23.2%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は45億36百万円(前連結会計年度比41.2%減)となりました。
なお、当連結会計年度におきましては、北米セグメントや日本及びアジアセグメントにおける新規立上げ車種の売上高増加により、計画に比べて売上高は22億57百万円の増収となり、営業利益につきましては4億70百万円の増益となりました。経常利益につきましては、計画を8億81百万円上回りました。親会社株主に帰属する当期純利益は、計画を4億64百万円下回りました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要は、材料費、経費、労務費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、新規車種の生産準備に係わる金型、生産設備、新工場の増新設及び設備の更新等の投資資金であります。
当社グループは事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本としております。国内連結子会社にCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、当社がグループ資金を一元管理することで資金の効率化を図っております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。また、突発的な資金需要には、当社及び一部連結子会社にてコミットメントライン契約を締結して流動性リスクに備えております。海外連結子会社においては、当社保証等により必要な運転資金及び設備資金の金融機関からの借入れを行っております。
なお、翌連結会計年度の設備投資予定額につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
当社グループは、長期ビジョン「KR10(Kasai Realize 10)」を策定し、2014年から2023年にかけて、連結売上高3,000億円、連結営業利益率8%を達成目標としております。その中でも特に、連結営業利益率8%については、主要指標として、実現に向けて取り組んでいるところです。当連結会計年度は、連結売上高2,272億円、連結営業利益率4.6%となりました。
連結売上高と連結営業利益率の推移は以下のとおりです。
今後の取り組みとして、各地域における新規商権の獲得及び内装部品だけではなく、外装部品の受注獲得による連結売上高の拡大、新車立上ロスの削減・競争力の激化に対応するための社内合理化の推進・逼迫する労働市場を補うための生産性向上によるコスト削減を進め、目標達成を目指してまいります。
(g)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(日本)
日本では、新規車種の立上げ及び現行マイナーチェンジ車種の増産により、売上高は658億86百万円と前連結会計年度に比べ12億74百万円(+2.0%)の増収となりましたが、新拠点設立費用及び新車立上げ費用により、セグメント利益は6億98百万円と前連結会計年度に比べ22億13百万円(△76.0%)の減益となりました。
(北米)
アメリカでは、乗用車需要の落ち込みはあるもののSUV車の需要拡大及び新車効果により、売上高は994億54百万円と前連結会計年度に比べ22億63百万円(+2.3%)の増収となりましたが、労働市場の逼迫に加えて、習熟人員確保による労務費の増加、新車立上げ費用やメキシコの自然災害に起因した一部得意先の生産停止による固定費負担の増加の影響もあり、セグメント利益は13億72百万円と前連結会計年度に比べ8億円(△36.8%)の減益となりました。
(欧州)
欧州では、主要車種の生産終了や減産により、売上高は150億56百万円と前連結会計年度に比べ5億10百万円(△3.3%)の減収となったことに加え、新拠点立上げに伴う費用の増加もあり、セグメント損失は4億55百万円と前連結会計年度に比べ9億52百万円の減益となりました。
(アジア)
中国での需要の伸び悩みに加えて受注車種の一時的な減産影響もありましたが、タイでの新車立上げ効果により、売上高は468億59百万円と前連結会計年度に比べ1億93百万円(+0.4%)の増収となり、セグメント利益は91億8百万円と前連結会計年度に比べ2億90百万円(+3.3%)の増益となりました。
当連結会計年度において、当社グループで経営上の重要な契約等は行われておりません。
当社グループは自動車内装トリム部品の専門メーカーとして、ユーザー及び自動車メーカー各社のニーズに積極的に応える新製品・新工法を提供するため、強力に研究開発を進めております。
新製品の開発及び新技術の基礎研究は、主に国内の技術センターで効率的な開発を行うと共に、日米欧中の各技術センターとの相互補完体制を構築しております。
特に、北米においては既存の米国オハイオ及びミシガンの技術センターに加え、2013年のメキシコ技術センターを開設、2017年にテネシー技術センターを開設しました。欧州においては既存の英国技術センターに加え2015年にフランス・パリ技術センターを開設し、先進技術の積極的な情報収集と共に、専門メーカーとしてグローバル視点で自動車メーカー各社や部品メーカー各社との活動を進めております。
新たな取り組みとして2019年に研究所グループを新設し、CASEなど新時代の市場環境を見据えた革新的な新材料・新技術の基礎研究を強化すると共に、新しい内外装、新コモディティを企画構想する活動を進めております。
なお、当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費の総額は
主な成果は次のとおりであります。
(1)高品質
自動車内装の高品質ニーズは益々高くなっており、デザイン性に富んだ緻密なクロスステッチの量産、更にコンピュータミシンを使ったデザイン性の高いキルティング、アンビエントイルミネーションなど、得意先に提案し採用されております。
(2)軽量化
高品質な外観としっかり感を同時に実現する射出発泡成形製品、リサイクル材を用いた高剛性薄肉樹脂プレス成形製品、超軽量ウレタン天井等を他社に先駆けて開発し、中でも射出発泡成形製品はグローバルで多くの車種に採用されております。
(3)安全性
側面衝突時の安全性に寄与するドアの高性能なエネルギー吸収パッドを射出成形樹脂で廉価に実現し、得意先各社に広く採用されております。
(4)快適環境
車室内温度を最適に保つ遮熱天井材を世界で初めて量産しました。また、塗装や接着に使われる有機溶剤削減を推進しております。
塗装を行わずに高輝度メタリック外観を射出成形技術で実現した高輝度メタリック原着成形技術は、プラスチック成形加工学会 2015年「青木固」技術賞に続き、2016年超モノづくり部品大賞「自動車部品賞」を受賞いたしました。
(5)魅力機能
近年、期待が高まる自動運転、コネクティビティなどCASEを中心とする次世代自動車技術をいち早く先取りして、内装がクルマと乗員のインターフェースとなる、いわゆるインテリア ユーザー インターフェース(IUI)コンセプトを提唱し、次世代に向けた内装革新商品の研究開発を強力に進めております。