(継続企業の前提に関する事項)
当社は、前事業年度において欧州子会社の解散に伴う特別損失の計上や北米子会社の株式評価損の計上等により、3期連続で当期純損失を計上しております。当事業年度においても北米子会社の株式評価損の計上等を受け当期純損失7,166百万円を計上しており、当事業年度末時点で貸借対照表上5,077百万円の債務超過となっております。また、連結計算書類の連結注記表「(追加情報)財務制限条項」のとおり財務制限条項に抵触していること等から、前事業年度に引き続き継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しております。
当社は、当社及び当社グループにおける当該事象又は状況を改善、解消すべく経営体制の刷新や生産体制の見直し等の対応策を実施してまいりましたが、翌期以降においてもグループの収益力向上及び財務体質の改善・強化を図り、安定した経営基盤を築くために、以下の対応策に取り組んでまいります。
(1) 経営再建策の断行
① 北米拠点では、外部専門家も交えた再建チームを立ち上げて、業績悪化の真因究明、課題に対する具体的な対応策を組み込んだ経営再建策を策定・断行してまいります。また、主要販売先OEMとも協働し、生産現場改善にも取り組んでまいります。
② 欧州拠点では、拠点再編・不採算事業の撤退等も含めた収益改善施策を検討してまいります。
③ 本社拠点では、人員体制の最適化等による人件費抑制策等の施策を継続的に実施してまいります。
(2) 資金繰りについて
① 各取引金融機関には、財務制限条項の抵触を理由とする期限の利益喪失請求等の権利行使を猶予いただくことにご同意頂いております。その後も継続的な支援が得られるように、各取引金融機関とは定期的に協議を行う等により緊密な連携を続けてまいります。
② 保有資産の売却や投資案件の厳選及び抑制等により、事業及び運転資金の安定的な確保に努めてまいります。
③ 財務体質の改善・強化及び運転資本の充実のため、あらゆる資本政策等の可能性についても検討してまいります。
以上の対応策を実施するとともに、今後も引き続き有効と考えられる施策につきましては、積極的に実施してまいります。
現在、各取引金融機関には財務制限条項の抵触を理由とする期限の利益喪失請求等の権利行使を猶予いただくことにご同意頂いていますが、その後の支援継続については現在各取引金融機関と協議中であり、資金調達の方法・金額・条件・時期については確定していないことから、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
なお、財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を財務諸表に反映しておりません。
1 有価証券の評価基準及び評価方法
(1) 子会社株式及び関連会社株式
移動平均法による原価法
(2) その他有価証券
市場価格のない株式等以外のもの
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)
市場価格のない株式等
移動平均法による原価法
2 棚卸資産の評価基準及び評価方法
評価基準 原価法
(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)
評価方法 商品及び製品・仕掛品 先入先出法
うち購入製品 移動平均法
うち金型仕掛品等 個別法
原材料 移動平均法
貯蔵品 移動平均法
3 固定資産の減価償却の方法
(1) 有形固定資産(リース資産を除く)
建物 定率法
構築物 定率法
機械及び装置 定率法
車両及び運搬具 定率法
工具、器具及び備品
うち 工具 定額法
器具及び備品 定率法
ただし、1998年4月1日以降に取得した建物(建物附属設備を除く)並びに2016年4月1日以降に取得した建物附属設備及び構築物については定額法を採用しております。
なお、主な耐用年数は以下のとおりであります。
建物及び構築物 3~50年
機械装置及び車両運搬具 2~22年
工具、器具及び備品 2~20年
(2) 無形固定資産(リース資産を除く)
定額法
なお、自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間(5年)に基づいております。
(3) リース資産
所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産
リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法によっております。
(4) 投資不動産
建物 定率法
構築物 定率法
ただし、1998年4月1日以降に取得した建物(建物附属設備を除く)並びに2016年4月1日以降に取得した建物附属設備及び構築物については定額法を採用しております。
なお、主な耐用年数は以下のとおりであります。
建物及び構築物 5~47年
4 引当金の計上基準
(1) 貸倒引当金
債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率による計算額を、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
(2) 賞与引当金
従業員の賞与の支払に備えるため、支給対象期間に対応する支給見込額を計上しております。
(3) 退職給付引当金
従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づいて計上しております。事業年度末において、年金資産の見込額が退職給付債務見込額を超過している場合は、超過額を前払年金費用として計上しております。
①退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、給付算定式基準によっております。
②数理計算上の差異及び過去勤務費用の費用処理方法
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法により費用処理しております。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(10年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理しております。
5 収益及び費用の計上基準
収益及び費用の計上基準については連結財務諸表の注記事項の「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)3会計方針に関する事項(5)重要な収益及び費用の計上基準」と同一であるため、当該項目をご参照ください。
6 外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準
外貨建金銭債権債務は、決算日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しております。
7 ヘッジ会計の方法
(1) ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジを採用しております。
なお要件を満たす場合には、為替予約については振当処理を採用しております。
(2) ヘッジ手段とヘッジ対象
ヘッジ手段 ヘッジ対象
為替予約 外貨建債権債務
(3) ヘッジ方針
当社は、為替相場の変動・金利変動に対するリスクヘッジを目的として、実需の範囲内でデリバティブ取引を利用しております。したがって売買差益を獲得する目的や投機目的のためには、デリバティブ取引を利用しておりません。
(4) ヘッジ有効性評価の方法
ヘッジ手段とヘッジ対象の対応関係を確認することにより、有効性の評価を行っております。ただし、振当処理の要件を満たす為替予約、特例処理の要件を満たす金利スワップについては、ヘッジの有効性の判定は省略しております。
(5) 取引に対する取組方針
デリバティブ取引は、外貨建債権債務の為替変動のリスク回避及び有利子負債の金利変動のリスク回避を目的として行っており、基本的に個別ヘッジを行い、取引高は実需の範囲内とし、投機目的やトレーディング目的の取引は行わない方針であります。
(6) 取引に係るリスク管理体制
デリバティブ取引に係るリスク管理は、財務部が行っております。
為替変動・金利変動リスクを回避するための取引であり、実需以上のデリバティブ取引が存在していないか等に重点をおいて管理しております。
また、取引により確定した為替レート・利率等は随時担当役員に報告しております。
なお、デリバティブ取引が発生する場合は、個別の稟議事項として案件ごとに承認を受けることとしております。
(7) 取引に係るリスクの内容
デリバティブ取引によるリスクとしては、為替相場及び市場金利の変動による期待利益の喪失というリスクを有しておりますが、それぞれ実需の範囲内の取引であり、実質的なリスクはありません。
また取引相手は、信用度の高い取引銀行であり、信用リスクはないものと判断しております。
8 その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(1) 退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識数理計算上の差異、未認識過去勤務費用の会計処理の方法は、連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なっております。
(重要な会計上の見積り)
1.半導体供給不足に伴う会計上の見積りについて
自動車業界においては半導体供給不足の問題が依然として生じており、今後の半導体供給不足の解消時期等を予測する事は困難であります。このような状況下、当社グループは、会計上の見積りに関する判断については、現時点で入手可能な外部情報等から、翌事業年度(2024年3月期)の一定期間にわたり当該影響について、当年度と同様な状況が継続するという仮定に基づき、会計上の見積りを行っております。
2.関係会社株式及び関係会社出資金の評価
①当事業年度の財務諸表に計上した金額
(百万円)
②会計上の見積りの内容について財務諸表利用者の理解に資するその他の情報
当社は市場価格のない関係会社株式及び関係会社出資金について、実質価額が帳簿価額を著しく下回り、かつ、実質価額の下落が一時的でないと判断される場合は評価損を計上しております。実質価額の下落が一時的であるかについては、下落の期間や程度、財政状態や業績の見通しなどを含めた基準により判断しております。
当社は評価損を判断する基準は合理的なものであると考えておりますが、市場の変化や経済情勢等様々な不確定要因により個々の投資に関する状況の変化があった場合には、翌事業年度の財務諸表において、関係会社株式及び関係会社出資金の評価額に重要な影響を与える可能性があります。
時価の算定に関する会計基準の適用指針の適用については連結財務諸表の注記事項の「(会計方針の変更)(2)時価の算定に関する会計基準の適用指針の適用」と同一であるため、当該項目をご参照ください。
(表示方法の変更)
(損益計算書関係)
前事業年度において、独立掲記しておりました「営業外費用」の「支払手数料」は、金額的重要性が乏しくなったため、当事業年度より「その他」に含めて表示しております。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組替えを行っております。
この結果、前事業年度の損益計算書において、「営業外費用」に表示していた「支払手数料」55百万円は、「その他」55百万円として組み替えております。
(追加情報)
(半導体供給不足に伴う会計上の見積り)
「連結財務諸表 注記事項(追加情報)(半導体供給不足に伴う会計上の見積り)」と同一であるため、当該項目をご参照ください。
(連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用)
「連結財務諸表 注記事項(追加情報)(連結納税制度からグループ通算制度への移行に係る税効果会計の適用)」と同一であるため、当該項目をご参照ください。
(財務制限条項)
「連結財務諸表 注記事項(追加情報)(財務制限条項)」と同一であるため、当該項目をご参照ください。
(業績連動型株式報酬制度)
「連結財務諸表 注記事項(追加情報)(業績連動型株式報酬制度)」と同一であるため、当該項目をご参照ください。
※1 担保に供している資産並びに担保付債務は以下のとおりであります。
担保に供している資産
上記のうち、工場財団設定分
担保付債務
(注) 担保に供している資産は、上記の他、コミットメントライン契約(極度額7,500百万円)に基づく借入金を担保すものであります。なお、同契約による借入実行残高はありません。
上記のうち、工場財団設定分
(注) 担保に供している資産は、上記の他、コミットメントライン契約(極度額4,500百万円)に基づく借入金を担保すものであります。なお、同契約による借入実行残高はありません。
※2 関係会社に対する金銭債権又は金銭債務
区分表示されたもの以外で当該関係会社に対する金銭債権又は金銭債務の金額は次のとおりであります。
※3 当社においては、運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行2行と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。当事業年度末における当座貸越契約及び貸出コミットメントに係る借入未実行残高は次のとおりであります。
※4 国庫補助金等により有形固定資産の取得価額から控除している圧縮記帳額は次のとおりであります。
5 偶発債務
下記の関係会社の金融機関等からの借入金等に対して、次のとおり債務保証を行っております。
(注) 外貨建保証債務は、決算日の為替相場により円換算しております。
※1 各科目に含まれている関係会社に対するものは、次のとおりであります。
※2 販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額並びにおおよその割合は、次のとおりであります。
※3 固定資産売却益の内訳は、次のとおりであります。
※4 固定資産除却損の内訳は、次のとおりであります。
※5 債務保証損失引当金戻入額
前事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
当社連結子会社に対する債務保証損失引当金戻入額を計上しております。
※6 貸倒引当金戻入額
前事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
当社連結子会社に対する貸倒引当金戻入額を計上しております。
※7 関係会社株式評価損
前事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
子会社株式に対して減損処理を行ったものであります。
当事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
子会社株式に対して減損処理を行ったものであります。
※8 関係会社出資金評価損
前事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
関係会社出資金に対して減損処理を行ったものであります。
当事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
関係会社出資金に対して減損処理を行ったものであります。
※9 債権放棄損
前事業年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
2021年11月30日付で解散しましたKASAI SLOVAKIA s.r.o.向けの債権放棄に伴う損失であります。
子会社株式及び関連会社株式(当事業年度の貸借対照表計上額は子会社株式9,268百万円、関連会社株式498百万円、前事業年度の貸借対照表計上額は子会社株式11,981百万円、関連会社株式498百万円)は、市場価格のない株式等のため、時価を記載しておりません。
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
(単位:百万円)
2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
前事業年度及び当事業年度は、税引前当期純損失であるため記載を省略しております。
3.法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、当事業年度から、グループ通算制度を適用しております。また、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税及び地方法人税の会計処理又はこれらに関する税効果会計の会計処理並びに開示を行っております。
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は「連結財務諸表 注記事項(収益認識関係)」に同一の内容を記載しているので、注記を省略しております。
該当事項はありません。