第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における世界経済は、米国は、ドル高や海外経済減速の影響もあり輸出が伸び悩んだものの雇用は安定しており、それに住宅市場や個人消費の堅調さに支えられ内需主導での回復が続き、欧州でも緩やかな回復基調を維持しました。一方、年初の金融市場の混乱の主因ともなった中国経済に対する過度な警戒感は後退したものの、中国経済の減速は、原油等資源価格の下落を招き、特に新興国・資源国経済に影響を及ぼすなど、総体的に停滞色が強く不透明な状況にて推移いたしました。

わが国経済は、依然として個人消費に力強さを欠くものの、企業収益や雇用情勢の改善を受けて全体では緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、当年度後半からは中国をはじめとする新興国経済の減速への警戒感や円高・株安の進行等により停滞色が強まり、先行きに不透明感が増してまいりました。

当社グループの主要産業分野である自動車業界につきましては、平成27年(暦年)の世界の新車販売台数は約8,909万台(前年比約2.0%増)と、6年連続で過去最高を更新いたしました。小型乗用車向けの減税措置が導入された中国や、年間を通して堅調に推移した米国や欧州が全体の伸びを牽引いたしました。

また、国内は、当年度において輸出が3年振りの増加(前年度比2.0%増)に転じたものの、国内販売が軽自動車増税前の駆込み需要の反動減等により減少(前年度比6.8%減)したことから、自動車生産台数は918万台と前年度に比べて4.2%減少いたしました。一方、平成27年(暦年)の国内自動車メーカーの海外での生産台数は1,809万台(前年比3.5%増)で、6年連続で過去最高を更新いたしました。

非自動車分野における造船業界につきましては、平成27年(暦年)の世界の新造船受注量は、前年に比べて若干減少したものの、日本の造船業界は環境・省エネ対応の強みから、受注量及びシェアは増加しております。しかしながら、資源需要が低迷していることもあり、船腹過剰の状態からは脱しきれておりません。

また、建設機械業界につきましても、国内は、安定した官民の建設投資等の需要があるものの、平成23年次排ガス規制の生産猶予期限終了に伴う駆込み需要の反動減等もあり、当年度の国内出荷金額は前年度に比べて0.5%の増加に止まりました。一方、海外については、北米の住宅建設向けが堅調なものの、中国での需要の落ち込みや、資源国向け鉱山機械の需要低迷が続いたことから輸出金額は前年度に比べて13.0%減少し、建設機械業界全体の出荷金額は同7.5%減と3年振りの減少となり、特に海外需要が厳しい状況で推移いたしました。

一般産業分野につきましては、当社の受注環境においては、海外向けを中心とした電力・エネルギー関連の発電設備の需要をはじめ、全般的に着実な伸びを示しております。

 

このような市場環境下、当連結会計年度における当社グループ全体の業績につきましては、売上高は前年同期に比べ4.3%減収81,400百万円となりました。
 うち、国内は20億円の減収となり、当社グループのグローバル生産体制の推進による国内軸受生産の海外拠点への移管に加え、国内自動車生産台数の減少や、建設機械向け需要の低迷による影響を受けました。
 また、円高の影響を主因に、海外は15億円の減収となりました。しかしながら、現地通貨ベース(暦年)の売上高で見た場合は、殆どの拠点で増加し、地域別では北米、欧州が増収、アジアは微増収となりました。北米は、メキシコ新工場の生産拡大を受けて自動車関連が増加しましたが、建設機械向けが減少し、加えて為替の影響を受けました。欧州は、船舶(中・小型船)向けが増加し、自動車関連も現地通貨ベース(暦年)では堅調に推移しました。アジアは中国、タイで増加したものの、韓国、インドネシア等が伸びず、現地通貨ベース(暦年)では自動車関連は横ばいにて推移いたしました。

利益面につきましては、国内での大同メタル佐賀㈱(軸受材料であるバイメタルの生産拠点)や大同インダストリアルベアリングジャパン㈱(中高速ディーゼルエンジン用軸受)の増設、海外における大同メタルメキシコS.A.DE C.V.の生産拡大に伴う設備増強等、グローバルベースでの積極的な事業展開に伴う労務費など各種先行費用の計上や、減価償却費の増加等により、営業利益は前年同期に比べ6.8%減益7,114百万円となりました。地域別では、海外は、増収効果によって着実に損益の改善が進む北米をはじめ、欧州、アジアでも増益となりましたが、国内が減益となりました。また、経常利益は中国・その他新興国や資源国通貨の下落の影響等による為替差損823百万円を計上したことなどから前年同期に比べ16.4%減益6,796百万円となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期に比べ12.1%減益3,919百万円となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりです。

なお、セグメント間の内部売上高又は振替高は、連結売上高に含めております。

また、平成27年4月1日付の組織変更により、従来「非自動車用軸受」に含めておりましたポンプ関連製品事業等を「その他」に変更しております。下記は、変更後の区分方法により比較したものであります。

 

① 自動車用エンジン軸受

国内は、依然として自動車生産台数が低調に推移するなど売上が減少しました。北米は、堅調な需要に加え拡販活動の強化や、メキシコ新工場の生産拡大が寄与し売上が増加しました。また、現地通貨ベース(暦年)では堅調な欧州及び微増収のアジアは、為替の影響を受けてそれぞれ減少しました。これらの結果、売上高は前年同期に比べ6.5%減収52,926百万円となり、営業利益は前年同期に比べ5.6%増益7,031百万円となりました。

② 自動車用エンジン以外軸受

自動車部品用の軸受につきましては、欧州において現地通貨ベースでは堅調に推移しましたが、為替の影響及び国内販売の減少等により、売上高は前年同期に比べ3.2%減収17,178百万円、営業利益は前年同期に比べ16.5%減益3,395百万円となりました。

③ 非自動車用軸受

舶用軸受は、国内では中高速ディーゼルエンジン用軸受の販売が輸出を含めて増加し、欧州でも中高速ディーゼルエンジン用軸受の販売が計画通りに推移しました。また、一般産業用軸受は、電力・エネルギー分野において発電設備用のタービン等に使用される特殊軸受の販売は堅調に推移しました。一方、建設機械向けは、国内では一定の需要があったものの、海外の大半の地域において需要が減少しました。これらの結果、売上高は前年同期に比べ2.2%減収11,735百万円となり、営業利益は前年同期に比べ2.4%増益1,757百万円となりました。

④ その他

新たな分野の電気二重層キャパシタ用電極シートの売上が大きく伸びた結果、不動産賃貸事業等、金属系無潤滑軸受事業、ポンプ関連製品事業等を加えた売上高は前年同期に比べ36.2%増収2,056百万円となり、営業利益は前年同期に比べ9.2%減益548百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物は13,376百万円となり、前年同期に比べ780百万円6.2%)の増加となりました。

 当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動において獲得した資金は9,372百万円となり、前年同期に比べ390百万円4.0%)の減少となりました。これは主に税金等調整前当期純利益6,999百万円によります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動において使用した資金は13,364百万円となり、前年同期に比べ3,736百万円38.8%)の増加となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出12,135百万円によります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動において獲得した資金は4,989百万円となり、前年同期に比べ4,362百万円(696.5%)の増加となりました。これは主に長期借入金の返済による支出3,331百万円の一方で長期借入れによる収入5,100百万円、短期借入金の純増減額4,237百万円によります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

  平成27年4月1日付の組織変更により、従来「非自動車用軸受」に含めておりましたポンプ関連製品事業等を「その他」に変更しております。
 なお、前年同期比増減については、変更後の区分方法により作成したものを記載しております。

 

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比増減(%)

  自動車用エンジン軸受

53,277,585

△6.4

  自動車用エンジン以外軸受

15,622,215

1.5

  非自動車用軸受

11,870,813

△1.2

  報告セグメント計

80,770,614

△4.2

 その他

1,478,466

35.2

合計

82,249,080

△3.7

 

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

得意先の生産計画の内示等による見込生産が主体であるため記載を省略しております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比増減(%)

  自動車用エンジン軸受

51,863,009

△6.2

  自動車用エンジン以外軸受

16,117,628

△1.5

  非自動車用軸受

11,713,028

△2.2

   報告セグメント計

79,693,666

△4.7

 その他

1,707,132

20.6

合計

81,400,799

△4.3

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

 

 

3 【対処すべき課題】

(1)当面の対処すべき課題の内容等

中期経営計画の実行

中期経営計画(平成24年度から平成29年度)では、①世界で唯一のすべり軸受総合メーカーとしての、すべり軸受世界トップシェア(当社推定)の持続、②すべり軸受のコア製品である自動車用エンジン軸受の更なるシェア拡大と世界トップシェア(当社推定)の堅持、③既に世界トップシェア(当社推定)にある大型船舶を除く舶用・建設機械用・回転機械用等の非自動車各分野における軸受世界トップシェアの獲得、④国内外の売上拡大に対応した世界5極体制の整備・増強、⑤技術立社としての技術的優位性の持続と世界各地域のニーズに応えるための研究開発強化、⑥強固な財務基盤の構築を主なテーマとしております。

平成24年度から平成26年度までの第1ステージでは、事業基盤の拡充と再構築を図るべく、特に売上拡大に対応したグローバルベースでの生産能力の増強に取り組み、平成27年度から平成29年度までの第2ステージの最終年度において、当社グループのチャレンジ目標である「連結売上高1,110億円、営業利益167億円、営業利益率15%以上」の達成、並びに『すべり軸受の全ての産業分野での世界トップシェア獲得』の実現を目指す計画であります。

 

第1ステージ(平成24年度から平成26年度)における事業基盤の拡充と再構築に向けた取り組みにつきましては、平成24年にダイナメタルCO.,LTD.(タイ)の第3工場及び大同精密金属(蘇州)有限公司の第2工場が完成いたしました。また平成25年には大同メタルチェコs.r.o.の第2工場、PT.大同メタルインドネシアの第2工場及び新たに進出した大同メタルメキシコ S.A.DE C.V.の新工場が完成いたしました。

売上拡大への取り組みにつきましては、販売体制の強化、顧客への技術サポートの充実、地域固有ニーズの的確な把握と対応、それに当社グループの市場環境の変化に合わせたサポート体制により、目標達成に向けて邁進してまいりました。具体的には、メキシコにおける販売体制強化に向けた大同メタルメキシコ販売S.A.DE C.V.の設立、中国国内での拡販活動の強化に向けた大同精密金属(蘇州)有限公司の広州分公司(広州支店)の設置、技術サポート面では、チェコに欧州テクニカルセンターを設置し、当社グループ全体で組織体制強化を進めてまいりました。

また、売上拡大への取り組みと同時に、更なる利益創出に向けた収益改善活動を推進し、特に自動車用エンジン軸受の加工ラインにおいては、従来とは発想を異にする新工法コンパクトラインの国内外への導入を進め、設備投資効率の改善と生産性向上に取り組んでまいりました。

これらの取り組みにより、第1ステージでは、グローバルベースでの生産・販売・開発の体制が強化され、日本・北米・欧州・アジア・中国の5極体制を従来にも増して一層強固なものとすることができました。

 

中期経営計画の第2ステージ(平成27年度から平成29年度)における主な課題は、当社グループのチャレンジ目標である「連結売上高1,110億円、営業利益167億円、営業利益率15%以上」の達成、並びに『すべり軸受の全ての産業分野での世界トップシェア獲得』を実現させることであります。具体的には、北米事業の早期黒字化、BBL大同プライベートLTD.(インド)における自動車用エンジン軸受事業の立上げ、大同メタルロシアLLCにおけるトラック用軸受及び外資系自動車メーカー向け軸受事業での業績面での貢献、また、軸受材料であるバイメタルの生産能力増強のため平成27年4月に設立した大同メタル佐賀株式会社では平成28年度より量産開始を予定するなど、計画に沿って着実に事業基盤の整備を進めております。

また、技術サポート面においてはチェコの欧州テクニカルセンターに続き、平成27年10月に米国に北米テクニカルセンターを設置いたしました。これは地域により異なるニーズを的確に把握し、それぞれの顧客の要求にスピード感を持って応える体制づくりを図ることで技術サービス向上を一層推進して売上拡大へ繋げてまいります。

さらに第2ステージでは、国内外の製造拠点が拡大したことに伴い、より効率的な事業展開を推進すべく、グローバルベースでの合理的生産体制の構築や、業務プロセスの見直し(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)にも着手してまいります。具体的には、平成28年4月より第1カンパニー(自動車用エンジン軸受部門)に「グローバル事業管理室」を新設し、グローバルでの生産コントロールと最適投資の見極めを図ることで生産効率・投資効率を高めると同時に、品質面でも世界同一品質を目指します。それと併せて当社においては、平成28年4月より業務効率の飛躍的改善に取り組むべく「業務改革推進室」を新設し、組織横断的な改革を進めてまいります。

 中期経営計画最終年度(平成29年度)の売上目標達成に向けての牽引役となる北米地域につきましては、生産・販売ともに計画を上回るペースで推移しており、平成28年度は大幅な増収と黒字化を見込んでおります。また、平成29年度につきましても、引き続き受注及び生産量の増加が見込まれる北米市場や、現在伸び率が低下しているものの安定的な需要増が見込まれる中国市場に加えて、インドやロシア等における新たな軸受事業の立ち上げによる業容の拡大が見込まれております。

 

 当社グループを取り巻く経営環境は目まぐるしく変化しておりますが、世界各地域の市場動向やニーズに対して機敏かつ適切に対応しながら、新製品の開発、新市場・新用途の開拓に注力すると同時に、更なるコスト競争力の強化とお客様へのサービス向上を図り、コンプライアンスの徹底やコーポレートガバナンス体制の強化に向けた取り組みにより、株主の皆様やお取引先をはじめとするステークホルダーからの信頼・共感を得られるよう、今後とも当社グループ一丸となって企業価値の向上と会社の持続的発展に努めてまいります。

 

※文中における将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において当社グループが判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は実際の結果とは異なる可能性があり、その達成を保証するものではありません。

 

(2)株式会社の支配に関する基本方針

① 基本方針の内容

当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針は以下のとおりであります。

当社は、中長期的な視野に立って、販売・生産・技術・新事業などの事業戦略を掲げ、安定的な発展と成長を目指しておりますが、企業を取り巻く環境は常に大きく変化しており、その短期的な経営判断は、将来に向けた持続的な成長を確実なものとするうえで極めて重要な舵取りを要求されます。

中期経営計画におきまして、平成24年度から平成26年度までの第1ステージで事業基盤を再構築し、平成27年度から平成29年度までの第2ステージの最終年度において、当社グループが目指すチャレンジ目標の「連結売上高1,110億円、営業利益167億円、営業利益率15%以上」を達成する計画であります。

今後につきましては、中期経営計画を着実に実行に移すことで持続可能な経営基盤を確固たるものとし、企業価値を一層高めるよう努めてまいります。

そして、当社は、当社の顧客及び仕入先をはじめとする取引先、従業員及びその家族、地域住民その他のステークホルダーと協調しながら、短期的かつ急激な変化への柔軟な対応と、上記の中長期的な視野に立っての企業経営による持続的な成長を目指し、そのような持続的な成長によって得られる利益を株主の皆様に還元することが、短期的、一時的な利益を株主の皆様に配当するよりも、株主の共同の利益に資するものと確信しております。

したがいまして、当社は、当社の顧客、仕入先をはじめとする取引先、従業員及びその家族、地域住民などをはじめとして、上記の中長期的な視野に立っての企業経営による持続的な成長を支持して下さる方に、バランスよく株式を保有して頂くことが望ましいと考えております。

 

② 基本方針の実現に資する取り組み

1) 基本方針の実現に資する特別な取り組み

(ア)中長期的な視野に立っての企業経営による持続的な成長を実現するための当社の財産の有効な活用

当社は、これまでも上記中長期的な視野に立った企業経営による持続的な成長を実現するために当社の財産を有効活用してまいりました。

今後も、中長期的な視野に立った企業経営による持続的な成長を実現するためには、今後の市場動向、変化に対応した生産・販売拠点づくり、国内外の子会社の生産性向上など当社レベルまでへの引き上げ及び製品・設計・製造・生産・開発の各技術の世界トップレベルの維持が必要となることから、株主の皆様への利益配当とのバランスを考慮しつつも、積極的な新製品及び生産技術などの研究開発、モノづくり力のアップ、産・官・学による先端技術の活用及び導入、知的財産権での企業防衛などに有効かつ効率的に当社の財産を投資してまいる所存です。

(イ)従業員による株式保有の推進

当社は、従業員持株会加入者に奨励金を支給すること等により、従業員による株式の保有を推進しております。

引き続き、従業員持株会拡充に向けた積極的な取り組みを実施してまいります。

 

(ウ)地域住民の当社に対する理解の促進

当社は、主要事業所での親睦行事や地域住民の工場見学会などへの参加等地域住民との交流を行い、地域住民による当社への理解が深まるよう心がけております。

 

2) 基本方針に反する株主による支配を防止するための取り組み

当社は、上記の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されること(以下、「敵対的買収」といいます。)を防止するため、以下のように取り組んでまいります。

 まずは、当社の資産を最大限有効活用しつつ、上記の中長期的な視野に立っての企業経営による持続的な成長を実現し、企業価値を増大させ、株主の皆様への適切な利益の還元を可能とするとともに、当社の企業価値の市場における評価の向上に結びつけるべく、積極的なIR活動に努めております。

その上で、継続的に実質株主を把握し、敵対的買収者が現れた場合には、当該敵対的買収者による買収目的の確認及び評価並びに当該敵対的買収者との交渉を社外の専門家の意見を聞きながら行い、当該敵対的買収者が当社の基本方針に照らして不適切と判断した場合には、適切な対抗手段を講じる考えであります。

また、敵対的買収者の出現に備えた事前の敵対的買収防衛策の導入につきましても、これを否定するものではなく、法令、関係機関の指針又は他社の動向も踏まえながら、株主共同の利益を確保しつつ、有効な方策を引き続き検討していく所存であります。

 

③ 上記取り組みの妥当性に関する判断及びその理由

上記取り組みが基本方針に合致し、株主共同の利益を侵害せず、当社の役員の地位の維持を目的とするものではない適切なものであることは、その取り組みの態様から明らかであり、対抗手段や敵対的買収防衛策につきましても、基本方針に反する場合にのみ発動するものであることから、適切であることは明らかであると思料いたします。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)原材料の価格動向及び調達

当社グループは、軸受の主材料である鋼材・非鉄(銅、アルミ、錫、樹脂原料他)などの原材料等を購入しております。これらの価格が需給環境の変化で不安定に推移することにより、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

また、原材料の安定的な調達に支障をきたした場合、適時の調達・生産が困難となり、同様の影響を受ける可能性があります。

当社グループは従来にも増して、材料の使用量削減の強化並びに調達先とのリスク回避に向けた連携強化等によりコスト低減及び安定的な調達に取り組んでまいります。

(2)為替レートの変動

当社グループは、海外連結子会社ビジネスの順調な拡大により、外貨建て取引(米ドル、ユーロ等)が増加しておりますが、その業績及び財産評価は、換算時の為替レートにより影響を受ける可能性があります。

また、当社が海外の顧客に輸出する場合の海外売上は、外貨建て取引の比率は低いものの、同様に影響を受ける可能性があります。

(3)自然災害及び事故等

当社グループの国内における主力工場は、愛知県、岐阜県及び千葉県に立地しており、懸念される東海、東南海地域における大規模地震が発生した場合には、当社グループの生産活動に支障が生じ、業績及び財政状態に影響を受ける可能性があります。

 また、当社グループ及び当社グループ取引先等の事業拠点が、地震・洪水等の自然災害の発生及び電力・ガス等の供給不足等により影響を受けた場合には、同様に影響を受ける可能性があります。

当社グループの工場は日常的な設備の点検・整備のほか、定期的に災害・事故等に備えた保全・改修等も実施しておりますが、災害・事故等により工場周辺に物的・人的被害が及んだ場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

現在、当社グループでは、大規模地震の発生等を想定した事業継続計画(BCP)を策定し、重要事業の継続と復旧にかかる体制整備の更なる強化を図っております。なお、主力工場(愛知県犬山市、及び岐阜県関市)には、付保限度額まで地震保険に加入しております。

(4)グローバル事業展開に伴うリスク

当社グループは日本国内はもとより、北米、アジア、欧州をはじめ世界各地で事業を展開しており、これらの地域における政治・経済情勢の変動、紛争の発生、各種規制の変更、賃金制度、労使関係等に起因する諸問題が発生した場合は、業績及び財政状態に影響を受ける可能性があります。

(5)特定の業界への依存

当社グループの売上高は自動車分野において高い比率を占めており、急激な需要変動があった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6)価格競争

近年、特にグローバル競争の激化により、低価格化の傾向は強まっております。今後、こうした価格競争による影響が生じることにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社といたしましては、合理化の推進とあわせ、技術的優位性の高い製品開発を推進することにより、その影響を最小限にとどめる努力をしております。

(7)製品の不具合

当社グループは、品質の信頼性の維持向上に努めておりますが、万が一製品の不具合に起因する事故、クレームやリコールが発生した場合、多額の製品補償費用等が発生するほか、他社発注への切り替えにより当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループはPL(生産物賠償責任)保険を付保しておりますが、損害賠償等の全てがカバーされない可能性があります。

(8)新製品開発

当社グループは、市場ニーズに対応した新製品や高性能な製品を継続的に市場に投入できるように、製品の研究開発を行っておりますが、その活動の成果は不確実なものであり、多額の支出を行ったとしても必ずしも成果に結びつかないという可能性があります。

(9)環境規制

当社は従来より、全事業所、工場で環境マネジメントシステム(ISO14001)の認証を取得して、環境に配慮した生産活動に努めておりますが、その活動を行ううえで環境負荷の高い物質を使用する場合もあります。最近は環境先進地域のEUのみならず新興国でも環境意識が高まっており、当社グループは、生産活動はもとより製品自体に関しても、世界各国の様々な環境規制に対応する必要があります。

今後更なる環境規制の強化が行われ、その対応のために相当のコスト増加要因が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

(10)知的財産権による保護

当社グループは、事業活動における優位性を確保するため組織の強化を図るとともに、特許権、意匠権、商標権等の知的財産権による権利保護に努めておりますが、特定の地域及び国では法的制約のため知的財産権による十分な権利保護が受けられない場合があります。そのため、第三者が当社グループの知的財産権を侵害した場合においても、効果的に防止できない可能性があります。また、将来、当社グループが自らの知的財産権を確保するために訴訟等を提起しなければならない事態が生じる可能性や、当社グループが他社の知的財産権を侵害し、第三者より訴訟等を提起される可能性があります。その場合、多額の訴訟費用等を必要とする可能性があり、また、訴訟等の結果によっては、当社グループが損害賠償責任を負う可能性があります。

 

(11)情報技術及び情報セキュリティ障害による影響

当社グループは、事業を推進するにあたって、情報技術や情報システム及び付随するネットワークシステムを利用しております。これらの安全管理のため比較的自然災害が少ない地域にある社外のデータセンターを活用したバックアップ体制を整えており、安全管理対策を適切に講じております。しかしながら、地震などの災害による利用障害のほかハッカーやコンピューターウィルスによる攻撃などによって、当社グループの業務活動の停止、データ喪失又は個人情報を含む当社グループ内外の情報流出などが発生する可能性があります。その場合、営業活動の停止による直接的な影響や当社グループの社会的信用が失墜すること等によって、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

   該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、事業戦略を推進する上で重要な研究開発活動及び軸受性能に関する解析技術や性能評価に取り組むとともに、長期的な成長基盤となる基礎的研究及び新製品開発の体制整備を図っております。なお、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は1,667百万円であります。

主な研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

 

・アイドリングストップ及びハイブリッド機構など低燃費対応エンジン用軸受の開発(自動車用エンジン軸受)

 従来製品に比べ耐摩耗性・耐焼付性を飛躍的に向上させフリクションを低減させる新しい樹脂オーバレイ(オーバレイ:表面処理)を開発しました。

 

・新しい鉛フリーオーバレイ付軸受の開発(自動車用エンジン軸受・非自動車用軸受)

 欧州鉛規制に対応する、世界最高水準の軸受性能(耐疲労性、耐焼付性、耐摩耗性)を有する自動車エンジン用アルミ合金軸受を開発し、提供しています。また、劣悪環境下での仕様に耐え得る新しい鉛フリーオーバレイ及び銅合金軸受材を開発し、提供しています。

 

・鉛フリー高面圧対応オーバレイの開発(非自動車用軸受)

 中高速ディーゼルエンジン用の鉛フリー化に対応する新しいオーバレイを開発し、提供しています。

 

・船舶エンジン用高面圧軸受の開発(非自動車用軸受)

 低速ディーゼルエンジン用の高面圧に対応する新しいホワイト合金を開発しています。

 

・レース用軸受の開発(自動車用エンジン軸受)

 F1レース、NASCARに使用される超高速回転に対応する信頼性に優れた高性能軸受を開発し、継続的に納入しています。

 

・新しい樹脂系軸受材料の開発(自動車用エンジン以外軸受、非自動車用軸受)

 自動車用部品、一般産業用部品及び発電機用部品などにおいて、更なる諸性能の向上を目指して、新しい樹脂系軸受材料を開発しました。

 

・ショックアブソーバー用軸受の乗り心地向上材料の開発(自動車用エンジン以外軸受)

 自動車のショックアブソーバー用軸受における乗り心地(操舵安定性、振動吸収性など)向上に寄与する鉛フリー樹脂系軸受材料を開発いたしました。更なる性能向上を図るべく、継続して材料開発を進めています。

 

・各種軸受用途におけるすべり軸受の理論解析、分析評価、単体試験評価及びシミュレーション試験評価の研究開発(自動車用エンジン軸受、非自動車用軸受)

 各種軸受用途の運転状況を再現できる新しいシミュレーション試験機を開発し、信頼性の高い軸受評価に役立てております。更にすべり軸受性能解析プログラムを追加し、エンジン及びエンジン以外のアプリケーションの理論解析を可能にしています。

 

・軸受以外の新商品開発(その他)

 二次電源用キャパシタの電極シートを開発し、更なる性能向上を目指しています。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1)経営成績の分析

自動車関連分野では、北米の売上はメキシコ新工場の生産拡大を受けて増加するなど、殆どの海外拠点で現地通貨ベース(暦年)の売上は増加しましたが、為替の影響や国内での自動車生産台数の低迷により減少しました。また、非自動車分野では、舶用向けの中高速ディーゼルエンジン用軸受の国内販売が輸出を含めて増加し、欧州でも販売が計画通りに推移した一方で、建設機械向けは海外の大半の地域において需要が減少したことなどから、当連結会計年度の売上高は81,400百万円前連結会計年度は85,015百万円)となり、3,614百万円(4.3%)の減少となりました。

利益面については、国内での大同メタル佐賀㈱(軸受材料であるバイメタルの生産拠点)や大同インダストリアルベアリングジャパン㈱(中高速ディーゼルエンジン用軸受の生産拠点)の増設、海外における大同メタルメキシコS.A.DE C.V.の生産拡大に伴う設備増強等、グローバルベースでの積極的な事業展開に伴う労務費などの各種先行費用の計上や減価償却費の増加等により、営業利益は7,114百万円前連結会計年度は7,633百万円)となり、519百万円(6.8%)の減少となりました。また、売上高営業利益率は8.7%前連結会計年度は9.0%)となりました。

営業利益から営業外収益・営業外費用を加減した経常利益は、為替差損を823百万円計上したこともあり6,796百万円前連結会計年度は8,129百万円)となり、1,333百万円(16.4%)の減少となりました。また、売上高経常利益率は8.3%前連結会計年度は9.6%)となりました。

経常利益から特別利益・特別損失を加減した税金等調整前当期純利益は、6,999百万円前連結会計年度は8,565百万円)となり、1,566百万円(18.3%)の減少となりました。

前述より税金等調整前当期純利益から法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は3,919百万円前連結会計年度は4,459百万円)となり、売上高当期純利益率は4.8%前連結会計年度は5.2%)となりました。

1株当たり当期純利益金額は98円44銭前連結会計年度は112円00銭)、自己資本利益率は9.0%前連結会計年度は10.8%)となりました。

 

(2)財政状態の分析

(総資産)

当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度末に比ベ5.5%増加122,920百万円となりました。
 これは主に設備投資により有形固定資産が増加したことよります。

(純資産)

当連結会計年度における純資産は、前連結会計年度に比ベ1.8%減少52,148百万円となりました。これは主に資本剰余金、利益剰余金が増加した一方で退職給付に係る調整累計額、為替換算調整勘定、その他有価証券評価差額金が減少したことによります。

(自己資本比率)

当連結会計年度における自己資本比率は、資本剰余金、利益剰余金が増加した一方で退職給付に係る調整累計額、為替換算調整勘定、その他有価証券評価差額金が減少したこと等により前連結会計年度に比ベ1.6ポイント減少し35.8%となりました。

(1株当たり純資産額)

当連結会計年度における1株当たり純資産額は、前連結会計年度に比ベ9円91銭増加し1,104円45銭となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ780百万円増加13,376百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ390百万円減少9,372百万円の資金の獲得となりました。

前連結会計年度との主な差額は、売上債権が1,615百万円、たな卸資産が1,190百万円減少した一方で仕入債務が1,731百万円、税金等調整前当期純利益が1,566百万円減少したことによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ3,736百万円増加し13,364百万円の資金の使用となりました。

前連結会計年度との主な差額は、有形固定資産の取得による支出が2,844百万円増加したことによります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ4,362百万円増加4,989百万円の資金の獲得となりました。

前連結会計年度との主な差額は、長期借入金の返済による支出が858百万円増加したものの、短期借入金の純増減額が2,720百万円、長期借入れによる収入が1,700百万円増加したことによります。