第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、経営方針として、「企業理念」、「行動憲章」、「行動基準」、「行動指針」及び「環境基本方針」を掲げ、事業活動を通して社会に貢献してまいります。また、技術立社として、トライボロジー(摩擦・摩耗・潤滑技術)の領域から、産業技術、環境保全技術の発展に向け積極的に取り組み、企業としての社会的責任を果たしていく所存であります。

2018年度から2023年度までの6ヵ年の中期経営計画として、「Raise Up "Daido Spirit" ~Ambitious, Innovative, Challenging~」(“大同スピリット”を更なる高みに引き上げ、大きな飛躍を果たす~高い志、改革する意欲、挑戦する心~)をスタートしております。環境変化が激しく、予測が難しい状況下ではあるものの、大同メタルグループの進化のスピードを上げて、揺るぎない体制を創りあげてまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、経営戦略策定において、経営資源を柔軟かつ効率的に活用することに努めており、収益性や資本効率の高い経営を維持していくために、「売上高営業利益率」や「自己資本利益率(ROE)」などを重視しております。

経営環境の大きな変化に柔軟に対応できる企業体質の強化と合理化等に取り組み、中長期的な企業価値向上に努めてまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、中長期的な視野に立って、販売・生産・技術・新事業などの事業戦略を掲げ、安定的な発展と成長を目指しておりますが、企業を取り巻く環境は常に大きく変化しており、その短期的な経営判断は、将来に向けた持続的な成長を確実なものとするうえで極めて難しい舵取りを要求されます。

 当社グループは、中期経営計画に基づき、引き続きすべり軸受の全分野において世界トップシェアの獲得を目指すと同時に、自動車の来るべきパラダイムシフト(エンジンからモーターへ)に向けEV・PHV・HVなどの電動自動車で多くの需要が見込まれるアルミダイカスト製品などの新事業領域への取り組みを強化し、また、成長が期待される既存事業領域である一般産業分野の風力発電等の再生可能エネルギー向け特殊軸受の世界的拡販体制を整備、強化し需要拡大に対応することでシェアの拡大を図り、自動車用エンジン軸受以外の売上高比率を高めることで事業拡大を進めてまいります。

 

(4)会社の対処すべき課題

中期経営計画の実行

当社は、2018年度から2023年度までの中期経営計画をスタートしております。前中期経営計画の成果と課題、予測される事業環境の変化やリスクを踏まえ、以下の4本の柱を経営の重要な軸と位置づけて取り組んでまいります。

第1の柱:既存事業の磨き上げ 

"真のトライボロジーリーダーへ"

第2の柱:新規事業の創出・育成

"新たな事業の柱を築く"

第3の柱:強固な基盤の確立

"システム、財務基盤など経営基盤の整備"

第4の柱:組織・コミュニケーションの活性化

"外部環境に適応した柔軟で活力ある組織づくり"

 

 

当社は、2018年度から2023年度までの6ヵ年にわたって、中期経営計画を実行することにより、3年目の2020年度に、「売上高:1,200億円」、「営業利益:100億円」、「営業利益率:8.3%」、「自己資本利益率(ROE)9.5%」を中間目標とし、最終年度である2023年度には、「売上高:1,400億円」、「営業利益:140億円」、「営業利益率:10.0%」、「自己資本利益率(ROE)10.0%」の達成を目指してまいります。

 

 

(5)株式会社の支配に関する基本方針

①基本方針の内容

当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針は以下のとおりであります。

当社は、中長期的な視野に立って、販売・生産・技術・新事業などの事業戦略を掲げ、安定的な発展と成長を目指しておりますが、企業を取り巻く環境は常に大きく変化しており、その短期的な経営判断は、将来に向けた持続的な成長を確実なものとするうえで極めて難しい舵取りを要求されます。

安定的な発展と成長を確実なものとし、持続的な企業価値の向上を図っていくため、2018年度から2023年度までの6ヵ年の中期経営計画として「Raise Up "Daido Spirit" ~Ambitious, Innovative, Challenging~」(“大同スピリット”を更なる高みに引き上げ、大きな飛躍を果たす~高い志、改革する意欲、挑戦する心~)をスタートしております。

そして、当社は、当社の顧客及び仕入先をはじめとする取引先、従業員及びその家族、地域住民その他のステークホルダーと協調しながら、短期的かつ急激な変化への柔軟な対応と、上記の中長期的な視野に立っての企業経営による持続的な成長を目指し、そのような持続的な成長によって得られる利益を株主の皆様に還元することが、短期的、一時的な利益を株主の皆様に配当するよりも、株主の共同の利益に資するものと確信しております。

 したがいまして、当社は、当社の顧客、仕入先をはじめとする取引先、従業員及びその家族、地域住民などをはじめとして、上記の中長期的な視野に立っての企業経営による持続的な成長を支持して下さる方に、バランスよく株式を保有して頂くことが望ましいと考えております。

 

②基本方針の実現に資する取り組み

1)基本方針の実現に資する特別な取り組み

(ア)中長期的な視野に立っての企業経営による持続的な成長を実現するための当社の財産の有効な活用

当社は、これまでも上記中長期的な視野に立った企業経営による持続的な成長を実現するために当社の財産を有効活用してまいりました。

今後も、中長期的な視野に立った企業経営による持続的な成長を実現するためには、今後の市場動向、変化に対応した生産・販売・技術の拠点体制の整備、国内外の子会社の生産性向上など当社レベルまでへの引き上げ及び製品・設計・製造・生産・開発の各技術の世界トップレベルの維持が必要となることから、株主の皆様への利益配当とのバランスを考慮しつつも、積極的な新製品及び生産技術などの研究開発、モノづくり力のアップ、産・官・学による先端技術の活用及び導入、知的財産権での企業防衛などに有効かつ効率的に当社の財産を投資してまいる所存です。

(イ)従業員による株式保有の推進

当社は、従業員持株会加入者に奨励金を支給すること等により、従業員による株式の保有を推進しております。引き続き、従業員持株会拡充に向けた積極的な取り組みを実施してまいります。

(ウ)地域住民の当社に対する理解の促進

当社は、主要事業所での親睦行事や地域住民の工場見学会などへの参加等地域住民との交流を行い、地域住民による当社への理解が深まるよう心がけております。

 

2)基本方針に反する株主による支配を防止するための取り組み

当社は、上記の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されること(以下、「敵対的買収」といいます。)を防止するため、以下のように取り組んでまいります。

まずは、当社の資産を最大限有効活用しつつ、上記の中長期的な視野に立っての企業経営による持続的な成長を実現し、企業価値を増大させ、株主の皆様への適切な利益の還元を可能とするとともに、当社の企業価値の市場における評価の向上に結びつけるべく、積極的なIR活動に努めております。

その上で、継続的に実質株主を把握し、敵対的買収者が現れた場合には、当該敵対的買収者による買収目的の確認及び評価並びに当該敵対的買収者との交渉を社外の専門家の意見を聞きながら行い、当該敵対的買収者が当社の基本方針に照らして不適切と判断した場合には、適切な対抗手段を講じる考えであります。

また、敵対的買収者の出現に備えた事前の敵対的買収防衛策の導入につきましても、これを否定するものではなく、法令、関係機関の指針又は他社の動向も踏まえながら、株主共同の利益を確保しつつ、有効な方策を引き続き検討していく所存であります。

 

③上記取り組みの妥当性に関する判断及びその理由

上記取り組みが基本方針に合致し、株主共同の利益を侵害せず、当社の役員の地位の維持を目的とするものではない適切なものであることは、その取り組みの態様から明らかであり、対抗手段や敵対的買収防衛策につきましても、基本方針に反する場合にのみ発動するものであることから、適切であることは明らかであると思料いたします。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)原材料の価格動向及び調達

当社グループは、軸受の主材料である鋼材・非鉄(銅、アルミ、錫、樹脂原料他)などの原材料等を購入しております。これらの価格が需給環境の変化で不安定に推移することにより、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

また、原材料の安定的な調達に支障をきたした場合、適時の調達・生産が困難となり、同様の影響を受ける可能性があります。

当社グループは従来にも増して、材料の使用量削減の強化並びに調達先とのリスク回避に向けた連携強化等によりコスト低減及び安定的な調達に取り組んでまいります。

 

(2)為替レートの変動

当社グループは、海外連結子会社ビジネスの順調な拡大により、外貨建て取引(米ドル、ユーロ等)が増加しておりますが、その業績及び財産評価は、換算時の為替レートにより影響を受ける可能性があります。

また、当社が海外の顧客に輸出する場合の海外売上は、外貨建て取引の比率は低いものの、同様に影響を受ける可能性があります。

 

(3)自然災害及び事故等

当社グループの国内における主力工場は、愛知県、岐阜県及び千葉県に立地しており、懸念される東海、東南海地域における大規模地震が発生した場合には、当社グループの生産活動に支障が生じ、業績及び財政状態に影響を受ける可能性があります。

 また、当社グループ及び当社グループ取引先等の事業拠点が、地震・洪水等の自然災害の発生及び電力・ガス等の供給不足等により影響を受けた場合には、同様に影響を受ける可能性があります。

当社グループの工場は日常的な設備の点検・整備のほか、定期的に災害・事故等に備えた保全・改修等も実施しておりますが、災害・事故等により工場周辺に物的・人的被害が及んだ場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

現在、当社グループでは、大規模地震の発生等を想定した事業継続計画(BCP)を策定し、重要事業の継続と復旧にかかる体制整備の更なる強化を図っております。なお、主力工場(愛知県犬山市、及び岐阜県関市)には、付保限度額まで地震保険に加入しております。

 

(4)グローバル事業展開に伴うリスク

当社グループは日本国内はもとより、北米、アジア、欧州をはじめ世界各地で事業を展開しており、これらの地域における政治・経済情勢の変動、紛争の発生、各種規制の変更、賃金制度、労使関係等に起因する諸問題が発生した場合は、業績及び財政状態に影響を受ける可能性があります。

 

(5)特定の業界への依存

当社グループの売上高は自動車分野において高い比率を占めており、急激な需要変動があった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(6)価格競争

近年、特にグローバル競争の激化により、低価格化の傾向は強まっております。今後、こうした価格競争による影響が生じることにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社といたしましては、合理化の推進とあわせ、技術的優位性の高い製品開発を推進することにより、その影響を最小限にとどめる努力をしております。

 

(7)製品の不具合

当社グループは、品質の信頼性の維持向上に努めておりますが、万が一製品の不具合に起因する事故、クレームやリコールが発生した場合、多額の製品補償費用等が発生するほか、他社発注への切り替えにより当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループはPL(生産物賠償責任)保険を付保しておりますが、損害賠償等の全てがカバーされない可能性があります。

 

(8)新製品開発

当社グループは、市場ニーズに対応した新製品や高性能な製品を継続的に市場に投入できるように、製品の研究開発を行っておりますが、その活動の成果は不確実なものであり、多額の支出を行ったとしても必ずしも成果に結びつかないという可能性があります。

 

(9)環境規制

当社は従来より、全事業所、工場で環境マネジメントシステム(ISO14001)の認証を取得して、環境に配慮した生産活動に努めておりますが、その活動を行ううえで環境負荷の高い物質を使用する場合もあります。最近は環境先進地域のEUのみならず新興国でも環境意識が高まっており、当社グループは、生産活動はもとより製品自体に関しても、世界各国の様々な環境規制に対応する必要があります。

今後更なる環境規制の強化が行われ、その対応のために相当のコスト増加要因が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(10)知的財産権による保護

当社グループは、事業活動における優位性を確保するため組織の強化を図るとともに、特許権、意匠権、商標権等の知的財産権による権利保護に努めておりますが、特定の地域及び国では法的制約のため知的財産権による十分な権利保護が受けられない場合があります。そのため、第三者が当社グループの知的財産権を侵害した場合においても、効果的に防止できない可能性があります。また、将来、当社グループが自らの知的財産権を確保するために訴訟等を提起しなければならない事態が生じる可能性や、当社グループが他社の知的財産権を侵害し、第三者より訴訟等を提起される可能性があります。その場合、多額の訴訟費用等を必要とする可能性があり、また、訴訟等の結果によっては、当社グループが損害賠償責任を負う可能性があります。

 

(11)情報技術及び情報セキュリティ障害による影響

当社グループは、事業を推進するにあたって、情報技術や情報システム及び付随するネットワークシステムを利用しております。これらの安全管理のため比較的自然災害が少ない地域にある社外のデータセンターを活用したバックアップ体制を整えており、安全管理対策を適切に講じております。しかしながら、地震などの災害による利用障害のほかハッカーやコンピューターウィルスによる攻撃などによって、当社グループの業務活動の停止、データ喪失又は個人情報を含む当社グループ内外の情報流出などが発生する可能性があります。その場合、営業活動の停止による直接的な影響や当社グループの社会的信用が失墜すること等によって、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

(12)設備投資、合弁事業・提携・買収等に関わるリスク

当社グループは広範囲にわたる事業領域で設備投資を実施しており、また第三者との間で様々な合弁事業や戦略的提携・事業買収等を行っております。これら設備投資、合弁事業・提携・買収等の実施にあたっては、事前に収益性や投資回収の可能性について、様々な観点から検討を行っておりますが、必ずしも確実に予期したとおりの成果が得られるという保証があるわけではなく、事業環境の急変などにより、予期せぬ状況変化や初期の事業計画からの大幅な乖離が生じた場合、固定資産の減損損失などが発生し、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦や英国のEU離脱などの不透明な要素を抱えながら、景気減速の気配が徐々に強まっていきました。その中にあって、米国経済はトランプ減税の効果もあり堅調に推移しましたが、年度末にかけて、やや減速の兆しが見えてまいりました。中国では、米中貿易摩擦などにより投資が冷え込んだことなどから景気の減速が進み、その影響からアジア諸国や欧州の一部でも景気が弱含みました。

わが国経済は、世界経済減速の影響を受け、外需は弱い状態が続きました。一方、就業者数が過去最多を更新し、さらに実質賃金も増加傾向で推移しており、雇用・所得情勢は堅調に推移しました。また、個人消費も自然災害による一時的な落込みを除けば穏やかな持ち直しが続き、さらに、省力化投資への需要が高まったことを背景に、設備投資が増加を続けるなど、企業活動も好調に推移したため、景気拡大期間の戦後最長記録を更新したとの見方が広がりました。しかし中国を中心としたアジア経済の需要の減少がわが国の輸出の下押し圧力となり、2019年に入って輸出がさらに弱含むと、景気悪化の懸念が台頭しました。

当社グループの主要産業分野である自動車業界につきましては、国内新車販売見込台数(2018年度)は、前年度比2.5%増の約533万台が見込まれ、3年連続で500万台をこえ、堅調に推移しております。しかしながら、世界最大の市場である中国の新車販売台数(2018年暦年)は、前年比2.8%減の約2,808万台強と28年ぶりの前年割れとなりました。他方、米国の新車販売台数(同)は、約1,727万台強となり、前年比ほぼ横ばいの0.3%増と高水準を維持しました。米国と中国の関税問題に端を発した自動車販売の伸び悩みから、2018年の世界新車販売台数は、約9,700万台強と前年比約1%強にとどまり、世界の自動車販売の先行きにも不透明感が増しております。

非自動車分野における造船業界につきましては、2018年末時点の世界の新造船手持工事量は、前年末比5.1%増の15,097万総トンとなり、3年ぶりに増加に転じました。これは、2020年のSOx規制など環境規制強化に備えたもので、世界的に受注は持ち直しに転じてきており、これを受けて日本における手持工事量につきましても3,127万総トン(同比2.8%増)となりました。世界の新造船受注量も5,143万総トン(前年比19.1%増)となり、2年連続で前年比プラスとなりました。しかし、世界の新造船受注量は持ち直し傾向が見受けられますが、船腹過剰状況は解消に至っておらず、また、米中貿易摩擦の影響から、今後も回復軌道を進めるか不透明な状況にあります。

一方、建設機械業界につきましては、2018年度の内需は、一部機種で2014年次排出ガス規制生産猶予期間の終了に伴う旧型機需要の反動減がなくなり、安定した建設投資により3年ぶりに増加しました。輸出は、北米・欧州・アジアの三大輸出先を中心に海外需要が好調に推移し、2年連続でプラスとなりました。また、国内外の需要も増加となりました。

また、一般産業分野につきましては、電力・エネルギー関連の発電設備用の特殊軸受、個体潤滑軸受、ポンプ関連製品及び電気二重層キャパシタ用電極シートの需要などが押し並べて堅調に推移いたしました。

 

このような市場環境下、当連結会計年度における当社グループ全体の業績につきましては、売上高は前年同期に比べ1.0%増収107,718百万円前連結会計年度は106,648百万円)となりました。

利益面につきましては、自動車用エンジン軸受及び自動車用エンジン以外軸受のセグメントにおいて、中国や韓国の景気減速の影響や、市場環境の変化による売上の製品構成の変化、国内の労働環境の変化などのマイナス要因が発生しました。しかし、非自動車用軸受及び自動車用軸受以外部品のセグメントにおける販売拡大や合理化による費用削減などにより、営業利益は前年同期に比べ6.7%増益6,944百万円前連結会計年度は6,511百万円)となりました。また、目標とする経営指標の売上高営業利益率は6.4%前連結会計年度は6.1%)となりました。

経常利益につきましては、前年同期に比べ4.0%増益6,976百万円前連結会計年度は6,708百万円)となりました。また、売上高経常利益率は6.5%前連結会計年度は6.3%)となりました。

また、親会社株主に帰属する当期純利益は、大同メタル佐賀株式会社の工場進出に伴う補助金による特別利益1,000百万円などもあり、前年同期に比べ39.1%増益4,565百万円前連結会計年度は3,281百万円)となりました。また、売上高当期純利益率は4.2%前連結会計年度は3.1%)となりました。

1株当たり当期純利益は103円44銭前連結会計年度は82円42銭)、目標とする経営指標であります自己資本利益率は8.5%前連結会計年度は6.9%)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

なお、セグメント間の内部売上高又は振替高は、セグメントの売上高に含めております。

 

① 自動車用エンジン軸受

 国内は、2018年度新車販売台数が3年連続で500万台超えが見込まれるなど堅調に推移いたしました。これにより、主に乗用車用軸受の売上高が増加し、トラック用軸受は、前年度比微増と大きな変動なく推移いたしました。一方、ターボチャージャー用軸受については、グローバルでの需要減の影響から、減少となったものの、全体では売上高は増加となりました。海外は、北米では高水準を維持したものの、中国や韓国、欧州での自動車の販売不振の影響を受け、売上高は減少となりました。

これらの結果、売上高は前年同期に比べ0.9%減収64,835百万円となり、セグメント利益は前年同期に比べ10.7%減益8,292百万円となりました。

 

② 自動車用エンジン以外軸受

売上高比率の高い国内向け自動車部品用軸受等が堅調に推移したことにより、売上高は前年同期に比べ5.4%増収16,985百万円、セグメント利益は前年同期に比べ9.0%増益3,228百万円となりました。

 

③ 非自動車用軸受

船舶分野は、世界の新造船受注量が2年連続前年比プラスとなるなど底打ち感が見られ、また、建設機械分野は、北米・欧州・アジア(中国)向け輸出が好調に推移しました。さらに、一般産業分野におけるエネルギー関連の特殊軸受などは、堅調に推移し前年度並みを確保することができました。

これらの結果、売上高は前年同期に比べ6.1%増収9,919百万円となり、セグメント利益は前年同期に比べ24.9%増益1,295百万円となりました。

 

④ 自動車用軸受以外部品

アルミダイカスト製品の受注が増加したほか、曲げパイプ、ノックピン、NC切削品などの部品は、世界の自動車産業が概ね堅調であったことから、売上高は前年同期に比べ4.0%増収16,219百万円となり、セグメント利益は213百万円となり、前年同期のセグメント損失890百万円から1,103百万円の改善となりました。

 

⑤ その他

電気二重層キャパシタ用電極シート、金属系無潤滑軸受事業及びポンプ関連製品事業に不動産賃貸事業等を加えたその他のセグメントも底堅く推移して、売上高は前年同期に比べ1.2%増収2,753百万円となり、セグメント利益は前年同期に比べ2.1%増益694百万円となりました。

  

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比増減(%)

  自動車用エンジン軸受

64,861

△3.9

  自動車用エンジン以外軸受

14,497

6.1

  非自動車用軸受

10,429

10.8

 自動車用軸受以外部品

15,846

3.6

  報告セグメント計

105,634

△0.2

 その他

1,860

△0.7

合計

107,495

△0.3

 

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 受注実績

得意先の生産計画の内示等による見込生産が主体であるため記載を省略しております。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比増減(%)

  自動車用エンジン軸受

64,427

△1.3

  自動車用エンジン以外軸受

15,046

5.5

  非自動車用軸受

9,889

6.1

 自動車用軸受以外部品

16,133

3.6

   報告セグメント計

105,496

1.0

 その他

2,222

0.1

合計

107,718

1.0

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

 

(2) 財政状態

(総資産)

当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度末に比ベ1.3%増加163,118百万円となりました。
 これは主に現金及び預金が増加したことによります。

(純資産)

当連結会計年度における純資産は、前連結会計年度に比ベ14.8%増加66,490百万円となりました。
 これは主に利益剰余金、及び増資、自己株式の処分に伴い資本金、資本剰余金が増加したことによります。

(自己資本比率)

当連結会計年度における自己資本比率は、利益剰余金、及び増資、自己株式の処分に伴い資本金、資本剰余金が増加したこと等により前連結会計年度に比ベ4.8ポイント増加し35.4%となりました。

(1株当たり純資産額)

当連結会計年度における1株当たり純資産額は、前連結会計年度に比ベ23円52銭減少し1,216円02銭となりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ5,260百万円44.3%)の増加となり17,127百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動において獲得した資金は11,709百万円となり、前連結会計年度に比べ523百万円4.7%)の収入の増加となりました。これは主に税金等調整前当期純利益7,976百万円、減価償却費8,528百万円によります。

前連結会計年度との主な差額は、法人税等の支払額が891百万円増加した一方で、税金等調整前当期純利益が1,408百万円増加し、売上債権の増減額が2,214百万円減少したことによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動において使用した資金は5,462百万円となり、前連結会計年度に比べ6,869百万円55.7%)の支出の減少となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出5,540百万円によります。

前連結会計年度との主な差額は、有形固定資産の取得による支出が5,976百万円減少したことによります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動において使用した資金は746百万円となり、前連結会計年度に比べ692百万円の支出の増加となりました。これは主に株式の発行による収入2,259百万円、自己株式の処分による収入4,574百万円の一方、短期借入金の純増減額△4,441百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出1,089百万円、配当金の支払額1,307百万円によります。

前連結会計年度との主な差額は、長期借入金の返済による支出が9,259百万円増加し、長期借入れによる収入が3,147百万円減少した一方、短期借入金の純増減額が6,280百万円増加し、株式の発行による収入2,259百万円が増加し、自己株式の処分による収入4,574百万円が増加したことによります。

 

② 資金需要

当社グループにおける主な資金需要は、製品製造のための材料・部品等の購入費、製造費用、製品・商品の仕入、販売費及び一般管理費、運転資金及び設備投資資金です。

設備投資の概況については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載のとおりです。

 

 

③ 資金調達の状況

当社グループの運転資金及び設備投資資金は主として内部資金により充当し、必要に応じて借入れによる資金調達を実施することを基本方針としております。

当社は、2018年9月に公募による新株式発行及び自己株式の処分、並びにオーバーアロットメントによる売出しに関連して行う第三者割当による新株式発行をいたしました。当社は、これらにより総額7,150百万円を調達しております。

当連結会計年度の当社グループの設備投資資金につきましては、新株式発行及び自己株式の処分、内部資金と借入れにより充当いたしました。

今後は、資本の効率化と財務の安全性確保を重視しつつ、有利子負債の圧縮を視野にいれながら、バランスをとった財務運営を目指してまいります。

なお、当連結会計年度末における有利子負債の年度別返済額は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 ⑤連結附属明細表 借入金等明細表」に記載のとおりです。

 

④ 財務戦略

収益力強化・キャッシュマネジメントにより有利子負債を削減しながら、既存事業の競争力維持のため年平均10,000百万円程度の投資を継続します。さらに、自動車用エンジン軸受関連の投資は、市場の縮小が急速に進む可能性に備え、中期経営計画期間後半について慎重に対処しつつ、研究開発、新規事業、M&A等については積極的に投資を行う等、自己資本比率35%を念頭に財務の健全性を確保しつつ、成長分野へ積極投資を試みます。

また、投資効率改善のためにハードルレートの見直し、投資後の効果測定を厳格に行うことで投資の精度を上げる等、健全な設備投資を試みます。

当社株主に対する安定的な配当を継続しながら、自己資本利益率(ROE)は株主資本コストを意識して2023年度に10.0%の達成を目指しており、運転資金の効率化や通常投資の見直し等、さらなるキャッシュ・フローの改善を進めます。

  

4 【経営上の重要な契約等】

当社は、2019年3月28日開催の取締役会において、固定資産を譲渡することについて決議し、2019年3月29日に不動産売買契約を締結いたしました。

なお、詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。

 

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、事業戦略を推進する上で重要な研究開発活動及び軸受性能に関する解析技術や性能評価に取り組むとともに、長期的な成長基盤となる基礎的研究及び新製品開発の体制整備を図っております。なお、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は2,047百万円であります。

主な研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

 

・アイドリングストップ及びハイブリッド機構など低燃費対応エンジン用軸受の開発(自動車用エンジン軸受)

近年の世界的な燃費規制強化の動きから、摩擦損失低減への要求に対応するための耐摩耗性・耐焼付性・摩擦特性を飛躍的に向上させた各種樹脂オーバレイ(オーバレイ:表面処理)を継続的に開発するとともに、低摩擦特性に効果的な軸受表面形状の開発に取り組んでおります。

さらに、スラストワッシャーへも樹脂オーバレイや油膜形成に有利な形状を施し、低燃費対応エンジン開発に貢献しております。

 

・鉛フリー銅合金系ブシュ材料の開発(自動車用エンジン軸受・自動車用エンジン以外軸受)

燃費規制、排出ガス規制に対応するため、高面圧化、高温環境下での使用に耐え得る新しい鉛フリー銅合金系ブシュ材料を開発しております。

また、トランスミッション用など、エンジン以外の鉛フリー銅合金軸受の開発も取り組んでおります。

 

 

・鉛フリー高面圧対応オーバレイの開発(非自動車用軸受)

中高速ディーゼルエンジン用の鉛フリー・高面圧化に対応する新しいオーバレイを開発・提供し、良好な評価を継続的に得ております。

 

・船舶エンジン用高面圧軸受の開発(非自動車用軸受)

低速ディーゼルエンジン用の高面圧化に対応する新しいホワイト合金を開発・提供し、良好な評価を得ております。

 

・レース用軸受の開発(自動車用エンジン軸受)

F1レース、NASCARに使用される超高速回転に対応する信頼性に優れた高性能軸受を開発し、継続的に納入し、採用が拡大しております。

 

・新しい樹脂系軸受材料の開発(自動車用エンジン以外軸受、非自動車用軸受)

自動車用部品、一般産業用部品において、従来よりも樹脂層の厚い新しい樹脂系軸受材料を開発・提供し、良好な評価を得ております。

また、風力発電ニーズの高い欧州での風力発電用の特殊軸受を開発・提供しております。

 

・ショックアブソーバー用軸受の乗り心地向上材料の開発(自動車用エンジン以外軸受)

自動車のショックアブソーバー用軸受における乗り心地(操舵安定性、振動吸収性など)向上に寄与するために、各種要求特性に対応するための鉛フリー樹脂系軸受材料を開発し、性能向上に貢献しております。更なる性能向上を図るべく、継続して材料開発を進めております。

 

・軸受以外の新商品開発(その他)

持続的発展のために、当社固有技術を活かした新規事業の創出、育成活動に取り組んでおります。

電気二重層キャパシタ用電極シートを開発し、提供しております。更に継続的に性能向上を図り、新しいアプリケーションへの適用を目指しております。

軸受以外の新商品開発について、事業化に向けて開発を進めております。

吸音材の各種技術開発を進め、新しいアプリケーションへの適用を目指しております。

 

・各種軸受用途におけるすべり軸受の理論解析、分析評価、単体試験評価及びシミュレーション試験評価の研究開発(自動車用エンジン軸受、非自動車用軸受)

エンジン軸受以外においても、各種軸受用途の運転状況を再現できる新しいシミュレーション試験機を開発、実機と相関性のある軸受性能評価を実施し、信頼を得ております。

エンジン及びエンジン以外のアプリケーションにおいて、継続的に理論解析技術の向上を図り、開発期間の短縮に努めております。