文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、経営方針として、「企業理念」、「行動憲章」、「行動基準」、「行動指針」及び「環境基本方針」を掲げ、事業活動を通して社会に貢献してまいります。また、技術立社として、トライボロジー(摩擦・摩耗・潤滑技術)の領域から、産業技術、環境保全技術の発展に向け積極的に取り組み、企業としての社会的責任を果たしていく所存であります。
2018年度から2023年度までの6ヵ年の中期経営計画として、「Raise Up "Daido Spirit" ~Ambitious, Innovative, Challenging~」(“大同スピリット”を更なる高みに引き上げ、大きな飛躍を果たす~高い志、改革する意欲、挑戦する心~)をスタートしております。環境変化が激しく、予測が難しい状況下ではあるものの、大同メタルグループの進化のスピードを上げて、揺るぎない体制を創りあげてまいります。
当社グループは、経営戦略策定において、経営資源を柔軟かつ効率的に活用することに努めており、収益性や資本効率の高い経営を維持していくために、「売上高営業利益率」や「自己資本利益率(ROE)」などを重視しております。
経営環境の大きな変化に柔軟に対応できる企業体質の強化と合理化等に取り組み、中長期的な企業価値向上に努めてまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、中長期的な視野に立って、販売・生産・技術・新事業などの事業戦略を掲げ、安定的な発展と成長を目指しておりますが、企業を取り巻く環境は常に大きく変化しており、その短期的な経営判断は、将来に向けた持続的な成長を確実なものとするうえで極めて難しい舵取りを要求されます。
当社グループは、中期経営計画に基づき、引き続きすべり軸受の全分野において世界トップシェアの獲得を目指すと同時に、自動車の来るべきパラダイムシフト(エンジンからモーターへ)に向けEV・PHV・HVなどの電動自動車で多くの需要が見込まれるアルミダイカスト製品などの新事業領域への取り組みを強化し、また、成長が期待される既存事業領域である一般産業分野の風力発電等の再生可能エネルギー向け特殊軸受の世界的拡販体制を整備、強化し需要拡大に対応することでシェアの拡大を図り、自動車用エンジン軸受以外の売上高比率を高めることで事業拡大を進めてまいります。
(4)会社の対処すべき課題
中期経営計画の実行
当社グル-プは、新型コロナウイルス感染症の拡大等による事業環境の変化やリスクの顕在化のおそれについて、後述の「2 事業等のリスク」に記載のとおり認識しておりますが、感染拡大に対する世界各国・各機関による諸施策及び顧客の生産活動の動向を注視しつつ、柔軟かつ迅速に対処することで、2018年度からスタートした中期経営計画(2018年度から2023年度まで)の目標達成を目指し、今後も取り組んでまいります。
当社は、中期経営計画において、経営の重要な軸として次の四本の柱を位置付けておりますが、2019年度の主な実績及び優先的に対処すべき課題は以下のとおりです。
<第1の柱:既存事業の磨き上げ>
① 自動車用エンジン軸受、自動車用エンジン以外軸受
既存事業におけるマーケットシェア(2019暦年、当社推定)につきましては、2018年に引き続き自動車エンジン用半割軸受において世界トップシェア(33.0%)を達成いたしました。今後、トラックエンジン用軸受の拡販やガソリンエンジン用軸受の新規開拓により更なるシェア拡大を目指してまいります。
自動車用エンジン以外軸受につきましては、市場ニーズに対応した新製品・新用途の拡販を進めてまいります。
② 非自動車用軸受
舶用低速ディーゼルエンジン用軸受のマーケットシェア(2019暦年、当社推定)につきましても、2018年に引き続き世界トップシェア(55.0%)を達成いたしました。特に海外向けの低速ディーゼル用エンジン軸受については、海外の新規顧客を取り込むことができたためシェア拡大にも寄与しました。今後、更に競争力を高めていくために、生産性向上の取り組みを進め、低速ディーゼルエンジン用軸受のみならず中高速ディーゼルエンジン用軸受の更なるシェア拡大を目指してまいります。
また、一般産業分野におけるエネルギー分野においては、高効率型の火力発電向けのガスタービンや蒸気タービン用軸受の拡販を進めてまいります。
③ 自動車用軸受以外部品
アルミダイカスト製品については、タイでは、主に電動化自動車用アルミダイカスト製品を生産する新子会社であるDMキャスティングテクノロジー(タイ)CO., LTD.の稼働が2020年2月より始まっております。2020年夏には本格的な量産化の開始を予定しており、今後、電動化自動車市場でのプレゼンスを一層高めてまいります。
曲げパイプ、ノックピン、NC切削品などの部品については、生産合理化に向けた国内外の生産拠点の集約及び再編を行い生産の合理化を進めました。今後は、当社のグループ会社との事業シナジーを高めながら、収益改善に取り組んでまいります。
<第2の柱:新規事業の創出・育成>
新規事業(既存事業における新用途開拓を含みます。)につきましては、国内では、吸音材であるカルム(アルミニウム粉末を独自の方法で焼結した多孔質板)が、その吸音効果の高さから、2021年に開催予定の東京オリンピックの水泳会場であるアクアティクスセンターに採用されました。今後引き続き、確かな品質を軸に様々な視点から市場を広げ、売上拡大を推進してまいります。
欧州・中国では、海上・陸上の風力発電ニーズが高く、風力発電用軸受の需要増加が見込まれることから、当該製品を製造するTMBS(ターボマシナリーベアリングシステム)事業の体制強化に向け、2019年4月に第2カンパニーTMBS事業部を独立させて第5カンパニーを新たに設置し、その推進に注力しております。
新規事業創出に向けた社内の体制づくりとしましては、2018年10月に実績・経験のある既存事業に捉われずに新製品の開発に対応するため、技術ユニット内に未来創造室を設置し、様々な新領域研究の企画、基礎実験に取り組んでおります。
<第3の柱:強固な基盤の確立>
当社は、経営基盤の強化を図るため、財務体質の改善に取り組んでおります。その一環として、自己資本比率の改善に取り組んでおり、2017年度末時点においては30.3%でしたが、公募による新株式発行等により2018年度末時点では35.0%に、2019年度末時点では35.1%と改善しております。また、経営資源の有効活用・資産の効率的活用の観点から、かつて本社兼名古屋工場として使用していた土地を譲渡し、当連結会計年度において固定資産売却益を3,909百万円計上いたしました。今後も引き続き、経営資源及び資産の最適な活用方法を検討してまいります。
さらに、大同メタルヨーロッパLTD.における売掛金の滞留問題の再発防止策の一環として、2020年4月にコンプライアンスセンターを設置しました。
これにより、内部統制機能と、ガバナンス機能を統合し、当社グループのグローバルガバナンス、グローバルコンプライアンス体制の強化・徹底を図っております。
<第4の柱:組織・コミュニケーションの活性化>
当社は、これまでも、ワークスタイル改革として、総労働時間短縮に向けた取り組みを実施してまいりましたが、2020年3月2日付で経済産業省と日本健康会議が選定する「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に認定されました。「健康経営優良法人制度」とは、地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。
当社グループでは、こころとからだの両面での健康づくりにより前向きなコミュニケーションが職場で生まれ、業務においてもよい効果を生むと考えているため、従業員の心身の健康増進を重要な経営課題の一つと捉え、今後もさらに、多様な人材がその個性と能力を十分に発揮し活躍できる職場づくりの実現と環境の整備を推進してまいります。
内部統制の改善及び強化
第1四半期決算の作業過程におきまして、当社の英国子会社である大同メタルヨーロッパLTD.(以下DMEといいます。)の会計処理に一部誤謬があり、当社の過去の決算において、貸倒引当金が過少に計上される等の誤りが生じていることが判明いたしました。
これに伴い、過年度の決算を訂正するとともに、平成27年3月期から平成31年3月期の有価証券報告書の訂正報告書を提出いたしました。
当社グループといたしましては、財務報告に係る内部統制の重要性を強く認識しており、再発防止に向けて、以下の改善策を講じて、内部統制の適切な整備・運用を図っております。
DMEにて経理担当者を新規で採用することにより現地スタッフの1人当たりの業務負荷を削減させると共に、当社従業員をDMEの経理担当役員(Finance Director)として新たに出向させる等、2名の経理財務部門の人的補強を実施いたしました。また、DMEにおける業務フローの見直しも並行して行い、売掛金の回収が未了となっている取引(未入金、過小入金等)については月次の業務報告会を通じて社内で共有する等、他部門(営業部門、出荷部門)も連携して売掛金の回収を促進していく体制を構築し内部牽制機能の強化を図りました。
さらに、当社とDMEは、月次で売掛金滞留状況・回収状況に関するレビュー会議を開催すると共に、週次で特定の取引先に関わる課題・問題点を共有・協議するための会議も開催しており、DMEにおける顧客与信管理の適切な運営を実行しております。加えて、グループ会社に対する外部監査人からの要改善指摘事項についてはコンプライアンスセンターが改善完了まで継続的にフォローするほか、その指摘事項及び改善内容を広く当社及びグループ会社の経営者・管理者の間での情報共有を徹底することによって、グループ会社全体に対するモニタリング体制の強化を実施いたしました。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している重要なリスクには、以下のようなものがあると考えております。
当社は、グループ全体のリスク管理の基本方針及び管理体制を「リスク管理規程」において定めた上で、代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会による情報収集を通じて、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行っております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
また、これらの重要なリスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため、記載しておりません。
(1)新型コロナウイルス感染症の感染拡大によるリスク
後述の「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (追加情報)」記載のとおり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響により、当社グループにおいては、概ね2021年3月期の第1四半期には生産が大きく落ち込むものの、第2四半期には回復基調に入り、2022年3月期にかけて緩やかに平時の生産活動に戻ることを想定しております。もっとも、新型コロナウイルス感染症の影響による売上の減少等が当該想定を超えて長期化した場合は、当社グループの業績及び資金繰りに影響を与える可能性があるほか、従業員が新型コロナウイルス感染症に感染し、従業員同士の接触等により社内での感染が拡大した場合には、工場の操業の停止を余儀なくされ、生産や出荷に支障をきたす可能性もあります。
当社グループは、当該リスクへの対応策として、感染拡大に対する世界各国・各機関による諸施策及び顧客の生産活動の動向を注視し、適切な操業体制の編成により費用の圧縮に努めることにより利益の確保を図ると共に、各国政府の支援策を活用することを含め、企業持続のための諸施策を実行します。
また、当社グループ内における感染ケースの発生に伴う企業活動の停滞を防止するため、事業継続計画(BCP)の担当取締役を委員長とする新型コロナウイルス対策委員会を設置し、大同メタルグループにおける新型コロナウイルス感染対策に係る基本方針の策定及び各拠点に対する具体的な対応指示等を実施しております。
さらに、社内外への感染拡大の抑止と各拠点に勤務する従業員の健康と安全を確保するために、全従業員に対する検温記録の実施や、衛生管理の徹底、時差出勤・在宅勤務の推奨等の対策も実施しております。
(2)自然災害及び事故等によるリスク
当社グループの国内における主力工場は、愛知県、岐阜県、千葉県及び佐賀県に立地しており、懸念される大規模地震が発生した場合には、当社グループの生産活動に支障が生じ、業績及び財政状態に影響を受ける可能性があります。また、当社グループ及び当社グループ取引先等の事業拠点が、地震・洪水等の自然災害の発生による電力・ガス等の供給停止等により操業が困難になった場合には、同様に影響を受ける可能性があります。
当社グループの工場については、日常的な建屋・設備等の点検・整備のほか、定期的に災害・事故等に備えた保全・改修等も実施しておりますが、災害・事故等により工場及びその周辺に物的・人的被害が及んだ場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの対応策としては、大規模地震の発生等を想定した事業継続計画(BCP)を策定し災害訓練を実施すると共に、事業の継続と復旧にかかる体制整備の強化を図っております。
なお、主力工場(愛知県犬山市、岐阜県関市、岐阜県郡上市及び佐賀県武雄市)には、火災・風水害の保険に加えて、付保限度額まで地震保険に加入しております。
(3)情報技術及び情報セキュリティ障害によるリスク
当社グループは、地震などの災害による利用障害のほかハッカーやコンピューターウィルスによる攻撃などによって、当社グループの業務活動の停止、データ喪失又は個人情報を含む当社グループ内外の情報流出などが発生する可能性があります。その場合、事業活動の停止による直接的な影響や当社グループの社会的信用が失墜すること等によって、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
当社グループの対応策としては、事業を推進するにあたって利用している情報技術や情報システム及び付随するネットワークシステムの安全管理のため、社外のデータセンターを活用したバックアップ体制を整えており、
安全管理対策を適切に講じております。
また、従業員に対し、標的型メールへの対応訓練の実施を含む情報セキュリティ教育を実施しております。
(4)製品の不具合によるリスク
当社グループは、品質の信頼性の維持向上に努めておりますが、万が一製品の不具合に起因する事故、クレームやリコールが発生した場合、多額の製品補償費用等が発生するほか、顧客が他社発注に切り替えることにより当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの対応策としては、PL保険(生産物賠償責任保険)を付保し、第三者に損害が生じた場合の補償費用等による影響を緩和するようリスク回避に努めております。
(5)原材料の需給環境の不安定化によるリスク
当社グループは、軸受の主材料である鋼材・非鉄(銅、アルミ、錫、樹脂原料他)などの原材料等を購入しております。これらの価格が需給環境の変化で不安定に推移することにより、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
また、原材料の安定的な調達に支障をきたした場合、適時の調達が困難となり、生産活動への支障により同様の影響を受ける可能性があります。
当社グループの対応策としては、従来にも増して、材料の使用量削減(歩留向上等)の強化を図り、また、原則二社発注化の徹底と、調達先とのリスク回避に向けた連携強化等による安定的な調達に加え、コスト低減にも取り組んでまいります。
(6)為替レートの変動によるリスク
当社グループは、海外連結子会社のビジネス拡大により、外貨建て取引(米ドル、ユーロ等)が増加しておりますが、決算時の換算為替レートにより当社グループの業績及び財産評価が影響を受ける可能性があります。
また、当社グループが日本から輸出する場合における海外売上については、外貨建て取引の比率自体は低いものの、同様の影響を受ける可能性があります。
当社は、当該リスクへの対応策として、為替リスクヘッジ取引の方針及びリスク管理手続等を定めた外国為替管理規程を策定した上で、所管部門が3ヶ月に1回以上、為替リスク管理状況を取締役会に報告し、為替方針対策会議においてリスク対策を検討しております。連結子会社については、当社における対応又は外国為替管理規程に準じて管理を行っております。
(7)グローバル事業展開に伴うリスク
当社グループは、日本国内はもとより、北米、アジア、欧州をはじめ世界各地で事業を展開しており、これらの地域における政治・経済情勢の変動、紛争の発生、各種規制の変更、賃金制度、労使関係及び内部統制システムの運用不備等に起因する諸問題が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、当該リスクへの対応策として、関係会社管理規程に基づき、連結子会社を含む関係会社の業務執行について適時適切な報告が受けられる体制を整備すると共に、内部統制システムの整備及び当該システムの適切な運用を通じて、コンプライアンスを含む関係会社における適切な社内体制の整備・運用状況につき定期的に検証、指導し、体制強化を進めております。
(8)特定の業界への依存によるリスク
当社グループの売上高については自動車用エンジン軸受のセグメントが高い比率を占めているため、自動車の急激な需要変動や自動車の電動化の方向性によっては、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、当該リスクへの対応策として、自動車用エンジン軸受に対する高い依存状況を緩和すべく、既存事業におけるエネルギー分野の特殊軸受や電気自動車関連分野のダイカスト製品の市場拡大、及び中期経営計画の第2の柱として新規事業の創出・育成を掲げ、新たな事業の柱を築く努力を続けております。
(9)価格競争によるリスク
近年、特にグローバル競争の激化により、低価格化の傾向が強まっております。今後、こうした低価格化の傾向が更に進行することにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの対応策としては、原価低減に取り組むと共に、技術的優位性の高い製品開発を推進することにより、その影響を最小限にとどめる努力をしております。
(10)新製品開発の不奏功によるリスク
当社グループは、市場ニーズに対応した新製品や高性能な製品を継続的に市場投入できるように製品の研究開発を行っておりますが、研究開発活動の成果は不確実なものであり、たとえ多額の支出を行ったとしても必ずしも成果に結びつかない可能性があります。
当社グループは、当該リスクへの対応策として、設計・開発部門、製造・生産技術部門、販売部門のトライアングル体制により積極的かつ的確な市場ニーズの把握により、開発すべき新製品の市場適合性や採算性を考慮した開発を行っております。
(11)環境規制によるリスク
当社グループは、事業活動を行う上で環境負荷の高い物質を使用する場合もありますが、最近は環境先進地域であるEUのみならず新興国でも環境意識が高まっており、当社グループは、生産活動はもとより製品自体に関しても、世界各国の様々な環境規制に対応する必要があります。
今後、環境規制が更に強化され、その対応のために相当のコスト増加要因が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
当社グループの対応策としては、世界各国の様々な環境規制に対応するため、当社の企業努力に加え、コスト負担については顧客と相互に協議の上、環境に対する責任を果たしております。
(12)知的財産権に関するリスク
当社グループは、事業活動における優位性を確保するために商品力の強化に取り組んでおり、その一環として特許権、意匠権、商標権等の知的財産権の適正な取得による権利保護に努めておりますが、特定の地域及び国では法的制約があるために知的財産権による十分な権利保護を受けられない場合があります。そのため、第三者が当社グループの知的財産権を侵害した場合においても、効果的に当該侵害を防止できない可能性があります。
また、将来、当社グループが自らの知的財産権による権利保護を確保するために訴訟等を提起しなければならない事態が生じる可能性や、当社グループが他社の知的財産権を侵害し、第三者より訴訟等を提起される可能性もあります。その場合、多額の訴訟費用等を必要とする可能性があり、また、訴訟等の結果によっては、当社グループが損害賠償責任を負う可能性があります。
当社グループの対応策としては、知的財産権管理の専門部署を設け、確実な知的財産権の取得及び保全に努めると共に、当社グループにおける製品開発・販売にあたっては他社の知的財産権を侵害しないよう十分に配慮しております。
(13)設備投資、合弁事業・提携・買収等に関わるリスク
当社グループは、広範囲にわたる事業領域において設備投資を実施しており、また第三者との間で様々な合弁事業や戦略的提携・事業買収等を行っております。これらは、必ずしも確実に予期したとおりの成果が得られる保証があるわけではなく、事業環境の急変などにより、予期せぬ状況変化や初期の事業計画からの大幅な乖離が生じた場合、固定資産の減損損失などが発生し、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
当社グループの対応策としては、設備投資、合弁事業・提携・買収等の実施にあたっては、事前に収益性や投資回収の可能性について、外部専門家による評価結果等の慎重な検討や買収先事業計画の慎重な査定を行った上で取締役会における十分な討議を行うなど、様々な観点から検討を行っております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、作業くずの売却収入の計上区分の変更を行っており、遡及処理後の数値で前年同期比較を行っております。
当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦の影響や英国のEU離脱、中東地域における地政学的リスクの顕在化の影響等を受け、年度前半は特に中国や欧州で輸出が不振となり生産が低迷したことにより、景気の減速感が一層強まりました。年度後半になると、米中間の対立が幾分和らぎ、世界経済の先行きに対する楽観的な見方が広がりましたが、2020年に入り、新型コロナウイルス感染症拡大の問題が顕在化したことで急速に悪化しました。
わが国経済においては、世界経済の減速に伴う設備投資の減少が目立ち、景気の下振れが懸念される状況が続いたものの、当連結会計年度前半は個人消費等の堅調な内需に支えられて緩やかな持ち直しが見られました。しかしその後、消費税率の引き上げや大型台風による自然災害の影響等により内需が落ち込む中、2020年に入ると新型コロナウイルス感染症の拡大の問題が打撃となり、景気は年度末にかけて急速に悪化いたしました。
当社グループの主要産業分野である自動車業界につきましては、国内新車販売台数(2019年度)は、4年連続で500万台を超えたものの、前年度から減少し約503万台となりました。また、世界最大の市場である中国の新車販売台数(2019年暦年)も、前年から減少し約2,576万台強となり、米中貿易摩擦のあおりで市場が低迷し、2年連続のマイナスとなりました。さらに米国の新車販売台数(同)につきましても、約1,705万台と前年から減少となりました。このように米中貿易摩擦の影響等による自動車販売の落ち込みから、2019年の世界新車販売台数は約9,027万台と前年から減少し低調な結果となりましたが、2020年は、新型コロナウイルス感染症拡大による影響の本格化により極めて厳しい状況となることが見込まれます。
非自動車分野における造船業界につきましては、2019年の世界の新造船受注量は環境規制強化によって新造船への更新が控えられた影響もあり、前年から減少し、日本における2019年度末時点の輸出船手持工事量につきましても減少したものの、世界の新造船竣工量は、4年ぶりに増加に転じました。しかし、世界の船腹過剰状況は解消に至っておらず、本格的な新造船需要回復の軌道へと進むにはしばらく時間がかかるものと思われます。
一方、建設機械業界につきましては、2019年度の内需は環境規制に伴う駆け込み需要の反動減から回復し、建設機械出荷額は2年連続の増加となりました。一方、外需は、北米、欧州、アジアの三大輸出先を中心に海外需要が低迷して、3年ぶりの減少となり、その結果、国内外の需要も減少となりました。
さらに、当社関連の一般産業分野につきましては、内需は主要産業の設備投資が一巡したことに加え、米中貿易摩擦の影響で設備投資が抑制され、外需においても中国のみならず、北米・欧州の主要地域で受注が減少し、総じて低調な推移となりました。
このような市場環境下、当連結会計年度における当社グループ全体の業績につきましては、売上高は前年同期に比べ7.0%減収の100,159百万円(前連結会計年度は107,718百万円)となりました。
利益面につきましては、非自動車用軸受のセグメントにおいて海外の新規顧客の取り込み等もあって前年同期比約20%の増益効果がありました。一方、自動車用エンジン軸受及び自動車用エンジン以外軸受のセグメントにおいては、世界的な景気減速の影響を受けてマイナスとなりました。また、自動車用軸受以外部品のセグメントにおいても、当社の連結子会社である株式会社飯野製作所の国内外拠点の集約・再編費用及びタイにおけるアルミダイカスト製品向け新会社の稼働に向けた初期費用等が発生した結果、営業利益は前年同期に比べ42.6%減益の4,168百万円(前連結会計年度は7,262百万円)となりました。また、目標とする経営指標の売上高営業利益率は4.2%(前連結会計年度は6.7%)となりました。
経常利益につきましては、前年同期に比べ44.8%減益の3,660百万円(前連結会計年度は6,630百万円)となりました。また、売上高経常利益率は3.7%(前連結会計年度は6.2%)となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益として3,909百万円を計上したものの、固定資産の減損損失2,051百万円を計上したことから、前年同期に比べ33.7%減益の2,740百万円(前連結会計年度は4,135百万円)となりました。また、売上高当期純利益率は2.7%(前連結会計年度は3.8%)となりました。
1株当たり当期純利益は58円22銭(前連結会計年度は93円72銭)、目標とする経営指標であります自己資本利益率は4.9%(前連結会計年度は7.9%)となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大に関する経営者の想定に関しては、後述の「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりです。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
なお、セグメント間の内部売上高又は振替高は、セグメントの売上高に含めております。
① 自動車用エンジン軸受
国内の2019年度の新車販売台数は、前年度より減少し、海外も、中国を中心にアジア諸国全体で減少となり、欧米においてはほぼ横ばいとなりました。 そのため、当社グループの国内外での売上高は減少となりました。
これらの結果、売上高は前年同期に比べ5.9%減収の60,982百万円となり、セグメント利益は前年同期に比べ13.7%減益の7,285百万円となりました。
② 自動車用エンジン以外軸受
世界的な自動車市場の需要減少の影響を受け、売上高は前年同期に比べ8.7%減収の15,515百万円、セグメント利益は前年同期に比べ23.3%減益の2,550百万円となりました。
③ 非自動車用軸受
・船舶分野
国内外の受注量においては総じて回復基調が続き、低速・中速ディーゼル用エンジン軸受の需要が底堅く推移しました。特に海外向けの低速ディーゼル用エンジン軸受については、海外の新規顧客の取り込みでシェア拡大にも寄与し、売上高も増加となりました。
・建設機械分野
国内は底堅い需要があるものの、海外は中国、米国、東南アジア等の需要が低迷し、売上高は減少となりました。
・一般産業分野におけるエネルギー分野
エネルギー市場における化石燃料の発電市場全般については、CO2削減の観点から厳しい環境が続いているものの、高効率型の火力発電向けのガスタービンや蒸気タービン用軸受の受注増があり、売上高は増加となりました。
これら船舶分野及び一般産業分野におけるエネルギー分野の売上増が寄与した結果、売上高は前年同期に比べ7.7%増収の10,683百万円となり、セグメント利益は前年同期に比べ19.9%増益の1,632百万円となりました。
④ 自動車用軸受以外部品
・アルミダイカスト製品
世界的な自動車生産の落ち込みによる受注の減少から、売上高は前年度に比べ減少しました。また、タイの既存工場の合理化による継続的な利益創出の努力により収益改善効果がみられたものの、タイの新会社(DMキャスティングテクノロジー(タイ)CO., LTD.)の稼働に向けた初期費用の増加により減益となりました。
・曲げパイプ、ノックピン、NC切削品などの部品
海外は底堅い需要で推移しましたが、売上高は、国内需要の落ち込みにより前年度に比べて減少し、また、生産合理化に向けた国内外の生産拠点の集約及び再編による一時的な費用の増加等もあり、減益となりました。
これらの結果、売上高は前年同期に比べ15.2%減収の13,758百万円となり、セグメント損失は812百万円となり、前年同期のセグメント利益217百万円から1,030百万円の減少となりました。
⑤ その他
米中貿易摩擦による景気後退への懸念から、工作機械・各種産業機械をはじめとした全般的な設備投資や建設機械等の需要の減速等を受け、電気二重層キャパシタ用電極シート、金属系無潤滑軸受事業及びポンプ関連製品事業に不動産賃貸事業等を加えた当セグメントの売上高は、前年同期に比べ11.3%減収の2,441百万円となり、セグメント利益は前年同期に比べ24.6%減益の528百万円となりました。
上記の経営成績を分析・検討しました結果、当社としては、前述の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)会社の対処すべき課題 <第1の柱:既存事業の磨き上げ>」に記載のとおり、対処してまいります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
得意先の生産計画の内示等による見込生産が主体であるため記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
(総資産)
当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度末に比ベ1.4%減少し159,539百万円となりました。
これは主に受取手形及び売掛金が減少したことによります。
(純資産)
当連結会計年度における純資産は、前連結会計年度に比ベ1.7%減少し64,168百万円となりました。
これは主に自己株式が増加したことによります。
(自己資本比率)
当連結会計年度における自己資本比率は、主に負債が減少したことにより前連結会計年度に比ベ0.1ポイント増加し35.1%となりました。
(1株当たり純資産額)
当連結会計年度における1株当たり純資産額は、前連結会計年度に比ベ20円81銭増加し1,212円66銭となりました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ2,042百万円(11.9%)の増加となり19,170百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動において獲得した資金は12,822百万円となり、前連結会計年度に比べ1,112百万円(9.5%)の収入の増加となりました。これは主に税金等調整前当期純利益5,331百万円、減価償却費9,517百万円によります。
前連結会計年度との主な差額は、固定資産売却損益が3,909百万円増加した一方で、減損損失が2,051百万円増加し、売上債権の増減額が4,276百万円増加したことです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動において使用した資金は7,297百万円となり、前連結会計年度に比べ1,835百万円(33.6%)の支出の増加となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出9,376百万円によります。
前連結会計年度との主な差額は、条件付取得対価に係る公正価値の変動額が1,850百万円減少したことです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動において使用した資金は3,553百万円となり、前連結会計年度に比べ2,807百万円の支出の増加となりました。これは主に自己株式の取得による支出1,122百万円、配当金の支払額1,659百万円によります。
前連結会計年度との主な差額は、長期借入金の返済による支出が7,704百万円減少し、短期借入金の純増減額が9,756百万円増加した一方、長期借入れによる収入が12,190百万円減少し、株式の発行による収入が2,259百万円減少し、自己株式の処分による収入が4,468百万円減少したことです。
② 資金需要
当社グループにおける主な資金需要は、製品製造のための材料・部品等の購入費、製造費用、製品・商品の仕入、販売費及び一般管理費、運転資金及び設備投資資金です。
設備投資の概況については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載のとおりです。
③ 資金調達の状況
当社グループの運転資金及び設備投資資金は主として内部資金により充当し、必要に応じて借入れによる資金調達を実施することを基本方針としております。
当連結会計年度の当社グループの設備投資資金につきましては、内部資金と借入れにより充当いたしました。
また、当社グループは当連結会計年度末で現金及び預金を22,475百万円保有しておりますが、新型コロナウイルス感染拡大による生産数量の減少などの不確実性に対処するため、当社グループが当連結会計年度末に保有する当座貸越契約の借入未実行残高22,466百万円に加え、当社において、追加でコロナ対策ファンドによる短期借入並びにコミットメントラインの新規設定を相応の金額で取り組むほか、子会社においても、短期借入枠の増額等を進めており、十分な手元資金の確保に努めております。今後は、資本の効率化と財務の安全性確保を重視しつつ、有利子負債の圧縮を視野にいれながら、バランスのとれた財務運営を目指してまいります。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の年度別返済額は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 ⑤連結附属明細表 借入金等明細表」に記載のとおりです。
④ 財務戦略
収益力強化・キャッシュマネジメントにより有利子負債を削減しながら、既存事業の競争力維持のため年平均10,000百万円程度の投資を継続します。さらに、自動車用エンジン軸受関連の投資は、市場の縮小が急速に進む可能性に備え、中期経営計画期間後半について慎重に対処しつつ、研究開発、新規事業、M&A等については積極的に投資を行う等、自己資本比率35%を念頭に財務の健全性を確保しつつ、成長分野へ積極投資を試みます。
また、投資効率改善のためにハードルレートの見直し、投資後の効果測定を厳格に行うことで投資の精度を上げる等、健全な設備投資を試みます。
当社株主に対する安定的な配当を継続しながら、自己資本利益率(ROE)は株主資本コストを意識して2023年度に10.0%の達成を目指しており、運転資金の効率化や通常投資の見直し等、さらなるキャッシュ・フローの改善を進めます。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成する上では、固定資産の減損損失、繰延税金資産の回収可能性など様々な会計上の見積りを行うことが必要となりますが、会計基準では、会計上の見積りを「資産及び負債や収益または費用等の額に不確実性がある場合において、財務諸表作成時に入手可能な情報に基づいて、その合理的な金額を算出すること」と定義されております。
① 新型コロナウイルス感染拡大における会計上の見積りの仮定
新型コロナウイルス感染症の感染拡大は経済及び企業活動に広範に影響を与える事象であり、自動車メーカー等の生産台数の落ち込みの程度及び回復の時期を予測することは困難であるため、「第5 経理の状況 1連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載の仮定をおいて、会計上の見積りを行っております。なお、当該仮定は不確実性が高く、影響が長期化した場合においては追加的な固定資産の減損損失や繰延税金資産の取崩しが発生する可能性があります。
② のれんを含む無形資産の評価
株式会社飯野ホールディング、ATAキャスティングテクノロジージャパン株式会社とその子会社におけるのれんを含む無形資産の評価は、のれんが帰属する資産グループに関連する資産を含めた資産にのれんを加えたより大きな単位で行っております。これらの資産グループに固定資産の減損会計を適用するにあたり、回収可能価額は使用価値に基づき、直近の事業環境を反映させた事業計画に基づく将来キャッシュ・フローを用いて、減損の認識の要否の判定を行っております。いずれものれんの残存償却年数を経済的残存使用年数とした上で、当該期間経過時の回収可能価額は、当該時点における営業利益見込に基づき算定しております。
使用価値の算定に最も影響を及ぼす仮定は、事業計画及び割引率であり、割引率は、資金生成単位の属する国における株式市場の要求利回り及び金利水準を合理的に反映する率を使用しております。
当連結会計年度においては、いずれの会社においても無形固定資産に関する減損損失を認識することはありませんでした。しかし、将来の予測不能なビジネスの前提条件や経営環境の変化による、将来キャッシュ・フローの下落を引き起こすような見積りの変化が、これらの評価に不利に影響し、結果として、のれんを含む無形固定資産の減損損失を認識することになる可能性があります。
③ 大同メタルヨーロッパLTD.における売掛金の評価
大同メタルヨーロッパLTD.において、売掛金の不適切な消込を原因として、入金が遅延した売掛金の把握及び督促に関する活動が適時に行われなかった事実が判明いたしました。当社グループは売掛金の入金消込作業を遡及的に実施し、得意先への督促及び回収を進めており、この結果を踏まえ、主として回収期日からの経過期間に基づき貸倒引当金を計算しております。得意先への督促活動は継続しておりますが、回収実績が当社グループの見積りと乖離した場合には、貸倒引当金の追加計上または取崩しが発生する可能性があります。
該当事項はありません。
当連結会計年度の研究開発活動は、SDGs(持続可能な開発目標)で掲げる諸目標の達成に向けた取り組みを意識し、事業戦略を推進する上で重要な研究開発活動及び軸受性能に関する解析技術や性能評価技術向上、長期的な成長基盤となる基礎的研究及び新規事業の創出活動を実施しております。なお、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は
主な研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
<自動車用エンジン軸受>
・近年のCO2排出量規制強化に伴うエンジン熱効率向上に対応するため、さらなる摩擦損失低減を目指し、耐摩耗性・耐焼付性・摩擦特性を飛躍的に向上させた各種樹脂オーバレイ(オーバレイ:表面処理)を継続的に開発しております。さらに、スラストワッシャーへの適用も含め、低摩擦特性に効果的な軸受表面形状などの開発に取り組んでおります。
・排出ガス規制強化に対応するため、トラック用エンジンなど、高面圧化、高温環境、長寿命などの厳しい要求に耐え得る新しい鉛フリーオーバレイを開発、提供し、実機評価がはじまっております。同様に、銅合金系ブシュ材料の開発も進んでおります。
・F1レース、NASCAR、2輪に使用される超高速回転に対応する信頼性に優れた高性能軸受を開発し、継続的に納入し、採用が拡大しております。
・世界各国の自動車顧客からの厳しい品質要求に対応するための、各種設備開発を実施、導入しております。
・継続的に理論解析技術、単体評価技術の向上を図り、開発期間の短縮に努めております。
<自動車用エンジン以外軸受>
・自動車、オートバイのショックアブソーバー用軸受における乗り心地(操舵安定性、振動吸収性など)向上要求に対応するための鉛フリー樹脂系軸受材料を開発、量産納入を開始し、性能向上に貢献しております。更なる性能向上を図るべく、継続して材料開発を進めております。
・自動車用部品、一般産業用部品において、従来よりも樹脂層の厚い新しい樹脂系軸受材料を開発し、量産納入を開始しております。
・トランスミッション用など、新しい鉛フリー樹脂系軸受の開発も取り組んでおります。
・各種軸受用途の運転状況を再現できる新しいシミュレーション試験機を開発、実機と相関性のある軸受性能評価を実施し、信頼を得ております。
<非自動車用軸受>
・中高速ディーゼルエンジン用の高面圧化に対応する新しい鉛フリーオーバレイを開発・提供し、良好な評価を継続的に得ており、さらに、特殊環境下に対応可能な鉛フリー銅合金を開発しております。
・低速ディーゼルエンジン用の高面圧化に対応する新しいホワイト合金を開発・提供し、実機にて良好な評価を得ております。
・風力発電ニーズの高い欧州での風力発電用の特殊軸受を開発・提供しております。さらに同市場に適用可能な各種特殊軸受の技術研究を実施しております。
<その他>
・自動車部品の製造設備用の鉛フリー特殊金属系軸受を開発しております。
・電気二重層キャパシタ用電極シートについて、更に継続的に性能向上を図り、新しい顧客、アプリケーションへの適用拡大に向けて活動しております。
<新規事業創出活動>
持続的発展のために、当社固有技術を活かした新規事業の創出、育成活動に取り組んでおります。
・従来の吸音材製造技術をベースに、吸音性、吸水性、放熱性などの機能と金属の強度、耐熱性を併せ持つ金属多孔体型機能材料の開発に取り組んでおります。
・スタートアップ企業数社と協業を目指して実証実験に取り組んでおります。そのうち1社とは、製造現場において、VRを用いた研修の効果検証を行い、有効との結果が得られましたので、当社内にて専門の部署を設置し、製造業向けにVRのクラウドソフトを販売していくことを決定しております。