文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、経営方針として、「企業理念」、「行動憲章」、「行動基準」、「行動指針」及び「環境基本方針」を掲げ、事業活動を通して社会に貢献してまいります。また、技術立社として、トライボロジー(摩擦・摩耗・潤滑技術)の領域をコアに、テクノロジーリーダーとして、来るべき時代を見据え、技術を磨き、企業としての社会的責任を果たしていく所存であります。
当社グループは、中長期的な視野に立って、販売・生産・技術・新事業などの事業戦略を掲げ、安定的な発展と成長を目指しておりますが、CASEの進展による自動車需要・利用形態の変化やEV化の加速(但し、内燃機関は暫くは残存)、脱炭素・カーボンニュートラル社会への進化に向けた再生可能エネルギー需要の高まりや、ESG, SDGs対応強化の流れなど、企業を取り巻く環境は常に大きく変化しており、その短期的な経営判断は、将来に向けた持続的な成長を確実なものとするうえで極めて難しい舵取りを要求されます。
そのような経営環境の中、2018年度から2023年度までの6ヵ年の中期経営計画として、「Raise Up "Daido Spirit" ~Ambitious, Innovative, Challenging~」(“大同スピリット”を更なる高みに引き上げ、大きな飛躍を果たす~高い志、改革する意欲、挑戦する心~)を推進しております。新型コロナウイルス感染症の感染拡大による世界的な影響や環境変化が激しく、予測が難しい状況下ではあるものの、大同メタルグループの進化のスピードを上げて、揺るぎない体制を創りあげてまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、中期経営計画に基づき、引き続きすべり軸受の全分野において世界トップシェアの獲得を目指すと同時に、自動車の来るべきパラダイムシフト(エンジンからモーターへ)に向けEV・PHV・HVなどの電動自動車で多くの需要が見込まれるアルミダイカスト製品などの新事業領域への取り組みを強化し、また、成長が期待される既存事業領域である一般産業分野の風力発電等の再生可能エネルギー向け特殊軸受の世界的拡販体制を整備、強化し需要拡大に対応することでシェアの拡大を図り、自動車用エンジン軸受以外の売上高比率を高めることで事業拡大を進めてまいります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、2018年度より2023年度までの6年間の中期経営計画を策定しておりますが、2020年度の終了をもって前半の3年間が経過いたしました。当社は、当該中期経営計画の中で、2020年度時点の目標として「売上高:1,200億円」、「営業利益:100億円」、「営業利益率:8.3%」、「自己資本利益率(ROE):9.5%」を掲げてまいりましたが、米中貿易摩擦や英国のEU離脱、中東地域における地政学リスクの顕在化による世界的な景気の減速に加え、2020年1月以降の新型コロナウイルス感染症による影響が甚大であったことから、上記目標とは大きく乖離した業績に留まりました。
しかしながら、当社グループ全体の業績につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う影響から堅調に回復してきております。また、当社主力製品であるすべり軸受のマーケットシェアの維持拡大に注力するとともに、自動車の電動化への対応を図るべく、自動車向け高精度・高品質部品(曲げパイプ、ノックピン、NC切削品など)製造・販売に関する国内拠点の再編やダイカストビジネスにおける新工場建設等、後半の3年間に向けた取り組みについては予定通り進捗しております。
当社は今般、前半3年間の実績を踏まえ、後半3年間の計画を策定いたしました。中期経営計画で経営の重要な軸として位置づけた四本の柱を重視していくことに加えて、常に事業環境の変化や新たなリスクの顕在化のおそれを注視しつつ、柔軟かつ迅速に対処することで、収益改善に注力してまいります。
当社は、中期経営計画において、経営の重要な軸として次の四本の柱を位置付けておりますが、2020年度の主な実績及び優先的に対処すべき課題は以下のとおりです。
<第1の柱:既存事業の磨き上げ>
① 自動車用エンジン軸受、自動車用エンジン以外軸受
既存事業におけるマーケットシェア(2020暦年、当社推定)につきましては、2019年に引き続き自動車エンジン用半割軸受において世界トップシェア(33.5%)を達成いたしました。今後、トラックエンジン用軸受の拡販やガソリンエンジン用軸受の新規開拓により更なるシェア拡大を目指してまいります。
自動車用エンジン以外軸受につきましては、市場のニーズに対応した新製品・新用途の拡販を進めてまいります。
また、電動化自動車への流れが加速する中での競争環境の激化に対応するため、稼動率・不良率・歩留りの改善、生産リードタイムの短縮、グローバルベースでの生産・物流・納品体制見直し、在庫水準管理の強化への取り組み等を通じ、利益体質の強化にも努めてまいります。
② 非自動車用軸受
舶用低速ディーゼルエンジン用軸受のマーケットシェア(2020暦年、当社推定)につきましても、2019年に引き続き世界トップシェア(58.0%)を達成いたしました。特に海外向けの低速ディーゼル用エンジン軸受については、海外の新規顧客を取り込むことができたためシェア拡大にも寄与しました。今後、更に競争力を高めていくために、生産性向上の取り組みを進めるとともに、低速ディーゼルエンジン用軸受のみならず中高速ディーゼルエンジン用軸受についても、国内・海外市場の積極的な開拓・拡販を進めることにより更なるシェア拡大を目指してまいります。
また、一般産業分野におけるエネルギー分野においては、高効率型の火力発電向けのガスタービンや蒸気タービン用軸受の拡販を進めてまいります。
③ 自動車用軸受以外部品
アルミダイカスト製品については、主に電動化自動車用アルミダイカスト製品を生産する新子会社であるDMキャスティングテクノロジー(タイ)CO., LTD.が2020年2月に稼動を開始いたしました。新型コロナウイルス感染症の影響があったものの、2021年夏には本格的な量産を開始し、2023年度にはフル稼動する予定であります。これらを通じ、今後、電動化自動車市場でのプレゼンスを一層高めてまいります。
曲げパイプ、ノックピン、NC切削品などの部品については、生産合理化に向けた国内外の生産拠点の集約及び再編を行い生産の合理化を進めました。今後は、当社のグループ会社間の事業シナジーを高めながら、収益改善に取り組んでまいります。
<第2の柱:新規事業の創出・育成>
新規事業(既存事業における新用途開拓を含みます。)につきましては、欧州・中国では、海上・陸上の風力発電ニーズが高く、風力発電用軸受の需要増加が見込まれることから、2019年4月に組織再編により第5カンパニーを設置いたしました。現在は風力発電用の軸受は「転がり軸受」が主流ですが、「パーツだけの取り換えが可能で時間・コストの低減が可能」という「すべり軸受」のメリットを訴求することで国内外の積極的な市場開拓に取り組んでおります。
新規事業創出に向けた社内の体制づくりとしましては、技術ユニット内の未来創造室を中心に、様々な新領域研究の企画、基礎実験に取り組んでまいります。また、東京オリンピックの水泳会場であるアクアティクスセンターに採用された吸音材であるカルム(アルミニウム粉末を独自の方法で焼結した多孔質板)事業についても、今後引き続き、確かな品質を軸に様々な視点から市場を広げ、売上拡大を推進してまいります。
<第3の柱:強固な基盤の確立>
当社は、従来より経営基盤の強化を図るため、財務体質の改善、グローバル企業として経営体質の強化に継続して取り組んでおります。2020年度におきましては、グローバルベースでの最適生産体制の確立に向けて計画的に対応するとともに、研究開発体制においては、中国テクニカルセンターを開設したことによって、世界5拠点の研究開発のネットワークを実現しました。また、2020年4月に新設したコンプライアンスセンターにおいては内部統制機能とガバナンス機能を統合し、当社グループの内部管理体制の強化を図っております。なお、2019年に、当社の英国子会社である大同メタルヨーロッパLTD.において売掛金が滞留していた事実が判明したことを受け、再発防止に向けた取り組みを強化しております。
投資面では、投資効率改善のためにハードルレートの見直し、投資後の効果測定を厳格に行うことで投資の精度を上げる等健全な投資を試み、収益力強化・キャッシュマネジメントにより有利子負債を削減しながら、既存事業の競争力維持のため適切な金額の投資を継続します。さらに、自動車用エンジン軸受関連の投資については、市場の縮小が急速に進む可能性に備え慎重に対処し、研究開発、新規事業、M&A等については積極的に投資を行うことで、自己資本比率35%を念頭に財務の健全性を確保しつつ、成長分野への積極投資も試みます。
<第4の柱:組織・コミュニケーションの活性化>
当社は、コミュニケーションの活性化に向け、各種社内コミュニケーションツールの充実を図るとともに、社員の新しい業務へのチャレンジを支援する枠組みや海外語学研修制度・専門職制度の拡充を図っております。また、働き方改革・ワークライフバランスを実現するための制度の拡充にも注力しております。
当社グループでは、こころとからだの両面での健康づくりにより前向きなコミュニケーションが職場で生まれ、業務においてもよい効果を生むと考えているため、従業員の心身の健康増進を重要な経営課題の一つと捉え、今後もさらに、多様な人材がその個性と能力を十分に発揮し活躍できる職場づくりの実現と環境の整備を推進してまいります。
(4)目標とする経営指標
当社グループは、経営戦略策定において、経営資源を柔軟かつ効率的に活用することに努めており、収益性や資本効率の高い経営を維持していくために、「売上高営業利益率」や「自己資本利益率(ROE)」などを重視しております。
売上高営業利益率については、前半3年間に実施した各種施策を後半3年間では確実に成果に繋げることで、2023年度には8.0%の達成を目指しております。
自己資本利益率(ROE)については、当社株主に対する安定的な配当を継続しつつ、株主資本コストを意識し、2023年度には9.0%の達成を目指しております。目標達成のために、今後も運転資金の効率化や通常投資の見直し等、さらなるキャッシュ・フローの改善を進めます。
今後も、経営環境の大きな変化に柔軟に対応できる企業体質の強化と合理化等に取り組み、中長期的な企業価値向上に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している重要なリスクには、以下のようなものがあると考えております。また、それぞれのリスクについて、顕在化する可能性及び事業に与える影響度を踏まえてリスクの優先度(最優先・優先)を設定しております。
当社は、グループ全体のリスク管理の基本方針及び管理体制を「リスク管理規程」において定めた上で、代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会による情報収集を通じて、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行っております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
《最優先リスク》
(1)新型コロナウイルス感染症の感染拡大によるリスク(前年度:最優先リスク)
新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響により、当社グループにおいては概ね2021年3月期の第2四半期まで生産が大きく落ち込んだものの、第3四半期には回復基調に入りました。今後は業績の回復が堅調に継続していくと想定しておりますが、新型コロナウイルス感染症の広がりや終息時期の見通しには不確実性が伴うため、当該想定と異なる可能性があります。また、従業員が新型コロナウイルス感染症に感染し、従業員同士の接触等により社内での感染が拡大した場合や当社グループの仕入先及び協力会社の操業が感染拡大による影響を受けた場合は、当社グループにおいて工場の操業の停止を余儀なくされ、生産や出荷に支障をきたす可能性もあります。
当社グループは、当該リスクへの対応策として、感染拡大に対する世界各国・各機関による諸施策及び顧客の生産活動の動向を注視し、適切な操業体制の編成により費用の圧縮に努め利益の確保を図ると共に、各国政府の支援策を活用することを含め、企業持続のための諸施策を継続して実行しております。
また、当社グループ内における感染ケースの発生に伴う企業活動の停滞を防止するため、事業継続計画(BCP)の担当取締役を委員長とする新型コロナウイルス対策委員会を設置し、大同メタルグループにおける新型コロナウイルス感染対策に係る基本方針の策定及び各拠点に対する具体的な対応指示等を実施しております。
さらに、社内外への感染拡大の抑止と各拠点に勤務する従業員の健康と安全を確保するために、全従業員に対する検温記録の実施や、衛生管理の徹底、時差出勤・在宅勤務の推奨等の対策も実施しております。
これらに加え、主要な仕入先及び協力会社において感染拡大が生じた場合に、当社グループにどのような影響が生じるか等について調査を行うと共に、当社グループへの資材等の供給に懸念が生じた際には速やかに情報を共有できるよう体制を整えております。
(2)原材料の需給環境の不安定化によるリスク(前年度:優先リスク)
当社グループは、軸受の主材料である鋼材・非鉄(銅、アルミ、錫、樹脂原料他)等の原材料を購入しております。これらの価格が需給環境の変化で不安定に推移することにより、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大等により原材料の安定的な調達に支障をきたした場合、適時の調達が困難となり、生産活動への支障により同様の影響を受ける可能性があります。
当社グループの対応策としては、従来にも増して、材料の使用量削減(歩留向上等)の強化を図り、また、原則二社発注化の徹底と、調達先とのリスク回避に向けた連携強化等による安定的な調達に加え、コスト低減にも取り組んでまいります。
(3)サイバー攻撃、情報技術及び情報セキュリティ障害によるリスク(前年度:最優先リスク)
当社グループは、地震等の災害による利用障害のほかハッカーやコンピューターウィルスによるサイバー攻撃等によって、当社グループの業務活動の停止、データ喪失又は個人情報を含む当社グループ内外の情報流出等が発生する可能性があります。その場合、事業活動の停止による直接的な影響や当社グループの社会的信用が失墜すること等によって、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
当社グループの対応策としては、事業を推進するにあたって利用している情報技術や情報システム及び付随するネットワークシステムの安全管理のため、社外のデータセンターを活用したバックアップ体制を整えており、
安全管理対策を適切に講じております。
また、サイバー攻撃への対応として、有事の際に適切な対応を実現する情報管理体制を構築しており、従業員に対しては、標的型メールへの対応訓練の実施を含む情報セキュリティ教育を実施しております。
《優先リスク》
(1)自然災害及び事故等によるリスク(前年度:最優先リスク)
当社グループの国内における主力工場は、愛知県、岐阜県、千葉県、栃木県、福島県及び佐賀県に立地しており、懸念される大規模地震が発生した場合には、当社グループの生産活動に支障が生じ、業績及び財政状態に影響を受ける可能性があります。また、当社グループ及び当社グループ取引先等の事業拠点が、地震・洪水等の自然災害の発生による電力・ガス等の供給停止等により操業が困難になった場合には、同様に影響を受ける可能性があります。
当社グループの工場については、日常的な建屋・設備等の点検・整備のほか、定期的に災害・事故等に備えた保全・改修等も実施しておりますが、災害・事故等により工場及びその周辺に物的・人的被害が及んだ場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの対応策としては、大規模地震の発生等を想定した事業継続計画(BCP)を策定し災害訓練を実施すると共に、事業の継続と復旧にかかる体制整備の強化を図っております。
なお、国内全ての生産工場において火災・風水害の保険に加入しているほか、主な生産工場(愛知県犬山市、岐阜県関市、岐阜県郡上市、栃木県矢板市及び佐賀県武雄市)においては、付保限度額まで地震保険に加入しております。
(2)製品の不具合によるリスク(前年度:優先リスク)
当社グループは、品質の信頼性の維持向上に努めておりますが、万が一製品の不具合に起因する事故、クレームやリコールが発生した場合、多額の製品補償費用等が発生するほか、顧客が他社発注に切り替えることにより当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの対応策としては、国内・海外PL保険(生産物賠償責任保険)を付保し、第三者に損害が生じた場合の補償費用等による影響を緩和すると共に、取引上の状況に応じリコール保険への加入を行う等、リスク回避に努めております。
(3)為替レートの変動によるリスク(前年度:優先リスク)
当社グループは、海外連結子会社のビジネス拡大により、外貨建て取引(米ドル、ユーロ等)が増加しておりますが、決算時の換算為替レートにより当社グループの業績及び財産評価が影響を受ける可能性があります。
また、当社グループが日本から輸出する場合における海外売上については、外貨建て取引の比率自体は低いものの、同様の影響を受ける可能性があります。
当社は、当該リスクへの対応策として、為替リスクヘッジ取引の方針及びリスク管理手続等を定めた外国為替管理規程を策定した上で、所管部門が3ヶ月に1回以上、為替リスク管理状況を取締役会に報告し、為替方針対策会議においてリスク対策を検討しております。連結子会社については、当社における対応又は外国為替管理規程に準じて管理を行っております。
(4)グローバル事業展開に伴うリスク(前年度:優先リスク)
当社グループは、日本国内はもとより、北米、アジア、欧州をはじめ世界各地で事業を展開しており、これらの地域における政治・経済情勢の変動、紛争の発生、各種規制の変更、賃金制度、労使関係及び内部統制システムの運用不備等に起因する諸問題が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、当該リスクへの対応策として、関係会社管理規程に基づき連結子会社を含む関係会社の業務執行について適時適切な報告が受けられる体制を整備すると共に、内部統制システムの整備及び当該システムの適切な運用を通じて、コンプライアンスを含む関係会社における適切な社内体制の整備・運用状況につき定期的に検証、指導し、体制強化を進めております。
(5)特定の業界への依存によるリスク(前年度:優先リスク)
当社グループの売上高については自動車用エンジン軸受のセグメントが高い比率を占めているため、自動車の急激な需要変動や「2050年カーボンニュートラル」に伴うグリーン成長戦略を受けた内燃機関の需要減少等 によって、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、当該リスクへの対応策として、自動車用エンジン軸受に対する高い依存状況を緩和すべく、再生可能エネルギー分野の特殊軸受や電動化自動車関連分野のダイカスト製品の市場拡大、航空機用軸受への参入、既存事業における自動車用エンジン以外軸受の更なる拡販推進、及び中期経営計画の第2の柱として新規事業の創出・育成を掲げ、新たな事業の柱を築く努力を続けております。
(6)価格競争によるリスク(前年度:優先リスク)
近年、特にグローバル競争の激化により、低価格化の傾向が強まっております。今後、こうした低価格化の傾向が更に進行することにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの対応策としては、原価低減に取り組むと共に、技術的優位性の高い製品開発を推進することにより、その影響を最小限にとどめる努力をしております。
(7)新製品開発の不奏功によるリスク(前年度:優先リスク)
当社グループは、市場ニーズに対応した新製品や高性能な製品を継続的に市場投入できるように製品の研究開発を行っておりますが、研究開発活動の成果は不確実なものであり、たとえ多額の支出を行ったとしても必ずしも成果に結びつかない可能性があります。
当社グループは、当該リスクへの対応策として、設計・開発部門、製造・生産技術部門、販売部門のトライアングル体制を構築して積極的かつ的確な市場ニーズの把握に努め、開発すべき新製品の市場適合性や採算性を考慮した開発を行っております。
(8)環境規制によるリスク(前年度:優先リスク)
当社グループは、事業活動を行う上で環境負荷の高い物質を使用する場合もありますが、最近は環境先進地域であるEUのみならず新興国でも環境意識が高まっており、当社グループは、生産活動はもとより製品自体に関しても、世界各国の様々な環境規制に対応する必要があります。
今後、環境規制が更に強化され、その対応のために相当のコスト増加要因が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
当社グループの対応策としては、世界各国の様々な環境規制に対応するため、当社の企業努力に加え、コスト負担については顧客と相互に協議の上、環境に対する責任を果たしております。
(9)知的財産権に関するリスク(前年度:優先リスク)
当社グループは、事業活動における優位性を確保するために商品力の強化に取り組んでおり、その一環として特許権、意匠権、商標権等の知的財産権の適正な取得による権利保護に努めておりますが、特定の地域及び国では法的制約があるために知的財産権による十分な権利保護を受けられない場合があります。そのため、第三者が当社グループの知的財産権を侵害した場合においても、効果的に当該侵害を防止できない可能性があります。
また、将来、当社グループが自らの知的財産権による権利保護を確保するために訴訟等を提起しなければならない事態が生じる可能性や、当社グループが他社の知的財産権を侵害し、第三者より訴訟等を提起される可能性もあります。その場合、多額の訴訟費用等を必要とする可能性があり、また、訴訟等の結果によっては、当社グループが損害賠償責任を負う可能性があります。
当社グループの対応策としては、知的財産権管理の専門部署を設け、確実な知的財産権の取得及び保全に努めると共に、当社グループにおける製品開発・販売にあたっては他社の知的財産権を侵害しないよう十分に事前調査を実施しております。
(10)設備投資、合弁事業・提携・買収等に関わるリスク(前年度:優先リスク)
当社グループは、広範囲にわたる事業領域において設備投資を実施しており、また第三者との間で様々な合弁事業や戦略的提携・事業買収等を行っております。これらは、必ずしも確実に予期したとおりの成果が得られる保証があるわけではなく、事業環境の急変等により、予期せぬ状況変化や初期の事業計画からの大幅な乖離が生じた場合、固定資産の減損損失等が発生し、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
当社グループの対応策としては、設備投資、合弁事業・提携・買収等の実施にあたっては、事前に収益性や投資回収の可能性について、外部専門家による評価結果等の慎重な検討や買収先事業計画の慎重な査定を行った上で取締役会における十分な討議を行う等、様々な観点から検討を行っております。
(11)気候変動に関するリスク(新規追加)
当社グループは、気候変動に関する国内外の政策及び法規制、ステークホルダーからの要請等を踏まえて、SDGsで掲げる諸目標の達成に向けた取り組みを行っていますが、研究開発や設備投資等によるコスト増及び当該取り組みの遅れによる機会損失等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの対応策としては、気候変動に関する国内外の政策及び法規制や社会的な要請内容、市場環境、顧客ニーズを的確に把握すると共に、当社グループが永年培ったコア技術を最大限に活用することにより地球社会に貢献可能な技術・商品を早期に開発・提供できるよう努めております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度における世界経済は、年度前半は新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて米国や欧州を中心にロックダウン等の強力な行動制限措置が実施されたことに伴い、リーマン・ショック時以来の大きな落ち込みとなりました。その後、各国で行動制限が解除されると、世界経済は持ち直しへ向かいましたが、2020年12月にかけて感染者数が増加すると回復のペースが鈍化しました。
わが国経済においては、2020年4月の緊急事態宣言を受けて経済活動が大きく停滞し、景気は急速に悪化しました。2020年5月に緊急事態宣言が解除されて以降は、個人消費を中心に緩やかな持ち直しの動きが見られたものの、2021年1月には感染者数の再増加を受けて緊急事態宣言が再発出されるなど予断を許さない状況が続きました。
当社グループの主要産業分野である自動車業界につきましては、国内新車販売台数(2020年度)は、前年度から減少し約465万台となりました。また、世界最大の市場である中国の新車販売台数(2020年暦年)も、前年から減少し約2,531万台となり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響からいち早く回復したものの3年連続のマイナスとなりました。さらに米国の新車販売台数(同)につきましても、約1,457万台と前年から減少し、2012年以降で最も少ない販売台数となりました。このような世界的な自動車販売の落ち込みにより、2020年の世界新車販売台数は約7,766万台と極めて厳しい状況となりました。
非自動車分野における造船業界につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による移動制限や船主等における新造船建造への投資抑制を背景に、2020年の世界の新造船受注量は減少し、世界の新造船竣工量も減少となりました。日本における2021年3月末時点の輸出船手持工事量につきましても減少し、新造船建造の需要は低迷が続いております。
建設機械業界につきましては、2020年度の建設機械出荷額の内需は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が小さかった公共工事などを中心に需要が堅調に推移したものの、第2四半期までの民間工事の停滞や営業・サービス活動の制限等により3年ぶりの減少となりました。また、外需は、北米、欧州、アジアの三大輸出先を中心に海外需要が低迷して、2年連続の減少となりました。
さらに、当社関連の一般産業分野につきましては、米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により設備投資が抑制されたため、足元では回復傾向が顕著になってきたものの、総じて低調に推移しました。
このような市場環境下、当連結会計年度における当社グループ全体の業績につきましては、第3四半期以降、当社グループの主要事業分野である自動車関連の生産が、日本・北米を中心に回復したものの、第2四半期までの大幅な減産の影響をカバーしきれず、売上高は前期と比べ15.4%減収の84,720百万円(前連結会計年度は100,159百万円)となりました。
利益面につきましては、売上収益の減少に対して、固定費・経費の削減、収益改善活動及び生産性の向上等に取り組んだものの、営業利益は前期比68.4%減益の1,315百万円(前連結会計年度は4,168百万円)となりました。また、目標とする経営指標の売上高営業利益率は1.6%(前連結会計年度は4.2%)となりました。
経常利益につきましては、前期比76.1%減益の874百万円(前連結会計年度は3,660百万円)となりました。また、売上高経常利益率は1.0%(前連結会計年度は3.7%)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前期比96.2%減益の104百万円(前連結会計年度は2,740百万円)となりました。また、売上高当期純利益率は0.1%(前連結会計年度は2.7%)となりました。
1株当たり当期純利益は2円25銭(前連結会計年度は58円22銭)、目標とする経営指標であります自己資本利益率は0.2%(前連結会計年度は4.9%)となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大に関する経営者の想定に関しては、後述の「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりです。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
なお、セグメント間の内部売上高又は振替高は、セグメントの売上高に含めております。
また、当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (セグメント情報等)」をご参照ください。
① 自動車用エンジン軸受
2020年度の新車販売台数は、第4四半期では第3四半期までと比較し減少幅が縮小したものの、日本国内海外ともに前年度を下回りました。
これらの結果、売上高は前期比17.6%減収の47,146百万円となり、セグメント利益は前期比14.1%減益の6,052百万円となりました。
② 自動車用エンジン以外軸受
世界的な新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による自動車販売の落ち込みを受け、売上高は前期比8.6%減収の16,024百万円、セグメント利益は前期比33.4%減益の1,829百万円となりました。
③ 非自動車用軸受
・船舶分野
当社グループは、LNG船(液化天然ガス運搬用のタンカー)の低速ディーゼルエンジン用軸受に関して、中国・韓国向けの新規開拓による継続的な受注に伴うシェアアップを図っているものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による海上荷動きの停滞や移動制限などの影響を受け、メンテナンス需要も減少し、売上高は前期比で減収となりました。
・建設機械分野
第2四半期までの新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による需要の減少に伴い、売上高は減収となりました。
・一般産業分野におけるエネルギー分野
エネルギー市場における化石燃料の発電市場全般については、CO2削減の観点から厳しい環境が続いておりますが、高効率型の蒸気タービン用軸受や水力発電機用軸受ユニット等の受注増があったため、売上高は前期比で微増となりました。
これらの結果、一般産業分野におけるエネルギー分野の需要が下支えになったものの、主に船舶分野における低速ディーゼルエンジン用軸受の売上減少の影響により、売上高は前期比6.0%減収の10,291百万円となり、セグメント利益は前期比13.8%減益の1,458百万円となりました。
④ 自動車用軸受以外部品
・アルミダイカスト製品
タイにおける自動車産業については、タイ政府の新型コロナウイルス感染症に関する経済支援策等もあり徐々に回復していますが、感染拡大の影響により低調に推移しており、売上高は前期と比べ減収となりました。また、電動自動車用部品の生産を開始したタイの新工場(DMキャスティングテクノロジー(タイ)CO., LTD.)においては、需要の減少や新規納入の先送りにより、当初の見込みに比べて売上高が減少し、セグメント利益も売上低迷の影響や、新工場の建屋を含む償却や初期投資の費用等により減益となりました。
・曲げパイプ、ノックピン、NC切削品などの部品
第2四半期までの新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による国内外の受注減少を受けて減収となり、セグメント利益も売上の低迷により減益となりました。
これらの結果、売上高は前期比22.0%減収の10,730百万円となり、セグメント損失は1,852百万円(前期はセグメント損失812百万円)となりました。
⑤ その他
第1四半期では主に米中貿易摩擦等による景気後退、第2四半期以降では新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による工作機械・各種産業機械をはじめとした全般的な設備投資や建設機械等の需要の減速等を受け、電気二重層キャパシタ用電極シート、金属系無潤滑軸受事業及びポンプ関連製品事業に不動産賃貸事業等を加えた当セグメントの売上高は前期比15.8%減収の2,044百万円となり、セグメント利益は前期比37.7%減益の318百万円となりました。
上記の経営成績を分析・検討しました結果、当社としては、前述の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)優先的に対処すべき事実上及び財務上の課題 <第1の柱:既存事業の磨き上げ>」に記載のとおり、対処してまいります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
得意先の生産計画の内示等による見込生産が主体であるため記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
(総資産)
当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度末に比ベ2.7%減少し155,176百万円となりました。
これは主に退職給付に係る資産が増加した一方、有形固定資産が減少したことによります。
(純資産)
当連結会計年度における純資産は、前連結会計年度に比ベ0.6%増加し64,538百万円となりました。
これは主に利益剰余金が減少した一方、退職給付に係る調整累計額が増加したことによります。
(自己資本比率)
当連結会計年度における自己資本比率は、主に負債が減少したことにより前連結会計年度に比ベ1.2ポイント増加し、36.3%となりました。
(1株当たり純資産額)
当連結会計年度における1株当たり純資産額は、前連結会計年度に比ベ0円42銭増加し1,213円08銭となりました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ532百万円(2.8%)の減少となり18,637百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動において獲得した資金は10,098百万円となり、前連結会計年度に比べ2,723百万円(21.2%)の収入の減少となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,445百万円、減価償却費8,790百万円によります。
前連結会計年度との主な差額は、固定資産売却損益が3,337百万円減少した一方で、税金等調整前当期純利益が3,885百万円減少し、売上債権の増減額が3,519百万円減少したことです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動において使用した資金は7,043百万円となり、前連結会計年度に比べ254百万円(3.5%)の支出の減少となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出6,645百万円によります。
前連結会計年度との主な差額は、有形固定資産の取得による支出が2,731百万円減少した一方で、有形固定資産の売却による収入が3,237百万円減少したことです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動において使用した資金は3,098百万円となり、前連結会計年度に比べ455百万円(12.8%)の支出の減少となりました。これは主に長期借入れによる収入9,693百万円の一方、長期借入金の返済による支出8,305百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出2,150百万円によります。
前連結会計年度との主な差額は、長期借入れによる収入が7,683百万円増加した一方で、短期借入金の純増減額が6,783百万円減少し、長期借入金の返済による支出が1,545百万円増加したことです。
② 資金需要
当社グループにおける主な資金需要は、製品製造のための材料・部品等の購入費、製造費用、製品・商品の仕入、販売費及び一般管理費、運転資金及び設備投資資金です。
設備投資の概況については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載のとおりです。
③ 資金調達の状況
当社グループの運転資金及び設備投資資金は主として内部資金により充当し、必要に応じて借入れによる資金調達を実施することを基本方針としております。
当連結会計年度の当社グループの設備投資資金につきましては、内部資金と借入れにより充当いたしました。
また、当連結会計年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大による不確実性に対処するために、十分な手元資金を維持しつつ、さらに資金調達余力の確保を図りました。当連結会計年度末において現金及び預金を22,007百万円保有するほか、当社では、当座貸越契約による十分な借入未実行枠に加えてコミットメントラインを相当の金額で設定しました。また子会社においても短期借入枠の増額等を進めました。
今後は、資本の効率化と財務の安全性確保を重視しつつ、有利子負債の圧縮を視野に入れながら、バランスのとれた財務運営を目指してまいります。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当連結会計年度の研究開発活動は、SDGs(持続可能な開発目標)で掲げる諸目標の達成に向けた取り組みを意識し、事業戦略を推進する上で重要な研究開発活動及び軸受性能に関する解析技術や性能評価技術向上、長期的な成長基盤となる基礎的研究及び新規事業の創出活動を実施しております。なお、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は
主な研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
<自動車用エンジン軸受>
・世界的なカーボンニュートラルへの対応、CO2排出量規制強化に伴うエンジン熱効率向上に対応するため、さらなる摩擦損失低減を目指し、耐摩耗性・耐焼付性・摩擦特性を飛躍的に向上させた各種樹脂オーバレイ(オーバレイ:表面処理)の開発に積極的に取り組んでおります。さらに、スラストワッシャーへの適用も含め、低摩擦特性に効果的な軸受表面形状などの開発に取り組むとともに、局部当たり軽減のための特殊形状を開発し、量産納入を開始しております。
・排出ガス規制強化に対応するため、トラック用エンジンなど、高面圧化、高温環境、長寿命などの厳しい要求に耐え得る新しい鉛フリーオーバレイを開発、提供し、実機評価がはじまっております。また、さらなる性能向上を目指して改良に取り組んでいます。同様に、銅合金系ブシュ材料の開発も進み、量産納入が確定しました。
・F1レース、NASCAR、2輪に使用される超高速回転に対応する信頼性に優れた高性能軸受を開発し、継続的に納入し、採用が拡大しております。
・世界各国の自動車顧客からの厳しい品質要求に対応するための、各種生産および検査設備を開発し、導入しております。
・継続的に理論解析技術、単体評価技術の向上を図り、開発期間の短縮に努めております。
<自動車用エンジン以外軸受>
・自動車、オートバイのショックアブソーバー用軸受における乗り心地(操舵安定性、振動吸収性など)向上要求に対応するための鉛フリー樹脂系軸受材料について更なる性能向上を図るべく、継続して材料開発を進めております。
・自動車用部品、一般産業用部品において、従来よりも低フリクションや樹脂層の厚い新しい樹脂系軸受材料などの適用アプリケーション拡大を目指し各種評価を実施しています。
・トランスミッション用など、新しい鉛フリー樹脂系軸受の開発も取り組んでおります。
・排気デバイス関連の特殊軸受を開発し、試作提供を開始しております。
・各種軸受用途の運転状況を再現できる新しいシミュレーション試験機を開発、実機と相関性のある軸受性能評価を実施し、信頼を得ております。
<非自動車用軸受>
・中高速ディーゼルエンジン用の高面圧化に対応する新しい鉛フリーオーバレイを開発・提供し、良好な評価を継続的に得ており、さらに、ガスエンジンなどの特殊環境下に対応可能な鉛フリー銅合金を開発しております。
・低速ディーゼルエンジン用の高面圧化に対応する新しいホワイト合金を開発・提供し、実機にて良好な評価を得ております。
・再生可能エネルギーの需要の高まりを受け、風力発電ニーズの高い欧州での風力発電用の特殊軸受を開発・提供し、良好な評価を得ております。さらに同市場に適用可能な各種特殊軸受の技術研究を推進しております。
<その他>
・自動車部品の製造設備用の鉛フリー特殊金属系軸受を開発しております。
・電気二重層キャパシタ用電極シートについて、更に継続的に性能向上を図り、新しい顧客、アプリケーションへの適用拡大に向けて活動するとともに、シート製造技術の応用にも取り組んでいます。
<新規事業創出活動>
・持続的発展のために、CASE対応に加え、カーボンニュートラル社会への貢献を目指し、当社固有技術を活かした新規事業の創出、育成活動に取り組んでおります。
・従来の吸音材製造技術をベースに、吸音性、吸水性、放熱性などの機能と金属の強度、耐熱性を併せ持つ金属多孔体型機能材料の開発に取り組んでおります。