第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、経営方針として、「企業理念」、「行動憲章」、「行動基準」、「行動指針」及び「環境基本方針」を掲げ、事業活動を通して社会に貢献してまいります。また、技術立社として、トライボロジー(摩擦・摩耗・潤滑技術)の領域をコアに、テクノロジーリーダーとして、来るべき時代を見据え、技術を磨き、企業としての社会的責任を果たしていく所存であります。

当社グループは、中長期的な視野に立って、販売・生産・技術・新事業などの事業戦略を掲げ、安定的な発展と成長を目指しておりますが、CASEの進展による自動車需要・利用形態の変化やEV化の加速(但し、内燃機関は暫くは残存)、脱炭素・カーボンニュートラル社会への進化に向けた再生可能エネルギー需要の高まりや、ESG, SDGs対応強化の流れなど、企業を取り巻く環境は常に大きく変化しており、その短期的な経営判断は、将来に向けた持続的な成長を確実なものとするうえで極めて難しい舵取りを要求されます。

そのような経営環境の中、2018年度から2023年度までの6ヵ年の中期経営計画として、「Raise Up "Daido Spirit" ~Ambitious, Innovative, Challenging~」(“大同スピリット”を更なる高みに引き上げ、大きな飛躍を果たす~高い志、改革する意欲、挑戦する心~)を推進しております。ウクライナ情勢の長期化、世界的なインフレや為替の大幅な円安による影響・環境変化が激しく、予測が難しい状況下ではあるものの、大同メタルグループは、進化のスピードを上げて、揺るぎない体制を創りあげてまいります。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、中期経営計画に基づき、引き続きすべり軸受の全分野において世界トップシェアの獲得を目指すと同時に、自動車の来るべきパラダイムシフト(エンジンからモーターへ)に向けEV・PHV・HVなどの電動自動車で多くの需要が見込まれるアルミダイカスト製品などの新事業領域への取り組みを強化し、また、成長が期待される既存事業領域である一般産業分野の風力発電等の再生可能エネルギー向け特殊軸受の世界的拡販体制を整備、強化し需要拡大に対応することでシェアの拡大を図り、自動車用エンジン軸受以外の売上高比率を高めることで事業拡大を進めてまいります。

 

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社は、来年度に2018年度より開始した中期経営計画の後半3年間(2021年度~2023年度)の最終年度を迎えます。2022年度は新型コロナウイルス感染症の収束に向けた社会情勢の変化が日本国内でも見られましたが、当社グループをとりまく環境は2021年度以上に厳しいものとなりました。ただ、そのような中におきましても、自動車産業においては半導体不足等の影響はあったもののグローバルベースで需要の回復が見られました。また、船舶業界においても造船市場・陸用発電機市場が拡大するとともに、船舶低速エンジン用軸受に関する当社グループのシェアも大きく拡大しました。これらの結果、2022年度は売上高115,480百万円(前期比11,455百万円増)を達成いたしました。

しかしながら、材料費やエネルギー費等の費用増加の影響を受けて、営業利益は2,824百万円となり、前期を2,217百万円下回る結果となりました。また、当社連結子会社であるDMキャスティングテクノロジー(タイ)Co.,Ltd.における2,014百万円の減損損失の影響等により、親会社株主に帰属する当期純損失は2,208百万円となりました。

未だ事業環境の不透明感が増している状況にありますが、当社グループは、現在の中期経営計画に掲げた、以下の「既存事業の磨き上げ」、「新規事業の創出・育成」、「強固な基盤の確立」、「組織・コミュニケーションの活性化」を基本戦略としつつ、材料費やエネルギー関係費等の更なる削減強化を組み合わせることによって、速やかな収益改善を図ってまいります。また、次期中期経営計画を含む将来的な事業計画を見据えつつ、連結経営高度化等の各種課題の早期改善を図ることで、目まぐるしく移り変わる厳しい事業環境に的確に対処していく所存です。

 

第1の柱:既存事業の磨き上げ

"真のトライボロジーリーダーへ"

第2の柱:新規事業の創出・育成

"新たな事業の柱を築く"

第3の柱:強固な基盤の確立

"システム、財務基盤など経営基盤の整備"

第4の柱:組織・コミュニケーションの活性化

"外部環境に適応した柔軟で活力ある組織づくり"

 

 

2022年度の主な実績及び対処すべき課題は以下のとおりです。

<第1の柱:既存事業の磨き上げ>

① 自動車用エンジン軸受、自動車用エンジン以外軸受

既存事業におけるマーケットシェア(2022年暦年、当社推定)につきましては、2021年に引き続き、自動車エンジン用半割軸受において世界トップシェア(36.7%)を達成いたしました。世界的にEV化が進展している状況にありますが、EV化の進展による内燃機関の需要の減少までには一定の猶予があると見込まれます。当社としましては、設備投資については慎重に検討・対処しつつも、市場の顕在ニーズ及び潜在ニーズに確実に応え、トラックエンジン用軸受の拡販やガソリンエンジン用軸受の新規開拓等により更なるシェア拡大を目指してまいります。

自動車用エンジン以外軸受につきましては、市場のニーズに対応した新製品・新用途の拡販を、さらにスピードを上げて進めてまいります。

② 非自動車用軸受

舶用低速エンジン用軸受のマーケットシェア(2022年暦年、当社推定)につきましては、船舶市場の改善を追い風に、海外市場の開拓強化が実り、前年比7.0%増の73.0%を達成いたしました。また、舶用・産業用中高速エンジン用軸受においても、造船市場や陸用発電機市場における受注回復に伴い、シェアを拡大することができました。

一般産業分野におけるエネルギー分野においては、火力発電向けのガスタービンや蒸気タービン用軸受の需要の増加が当面の間継続することが想定されるため、マーケットシェアの拡大を目指すとともに、小水力分野の開拓も進めてまいります。

③ 自動車用軸受以外部品

アルミダイカスト製品については、2021年度に本格的な量産を開始した電動化自動車用アルミダイカスト製品が寄与したほか、曲げパイプ・ノックピン・NC切削品などの部品が北米市場で堅調に推移したことにより、売上高は2022年度の目標を達成することができました。

しかしながら、アルミダイカスト製品について想定以上の生産コストが発生したことから、予定していた事業計画の達成に遅れが生じ、多額の減損損失を計上することとなりました。現在、生産コストの改善に向けて、鋳造や加工といった工程ごとの改善への取り組みを強化する等、生産工程の抜本的見直しを図っており、収益の早期回復に取り組んでおります。

 

<第2の柱:新規事業の創出・育成>

グリーンエネルギーへの貢献として、風力発電用軸受の積極的な市場開拓に継続して取り組んでおります。2022年春には、風力発電用軸受に関する基礎技術開発(設計及び評価)を専業で行う独立組織「風車技術研究所」を新設し、風車ビジネスの拡販に向けた更なるスピードアップを図っております。

また、2022年4月に設置した「電動化対応推進センター」では、EV化への対応のみならず、化石燃料を用いない自動車(水素燃料車等)への対応等、自動車業界におけるニーズを新規ビジネスに結びつけるべく取り組んでおります。

さらに、環境に優しい材料及び商品の開発等に繋がる新領域研究につきましても、当社コア技術の基礎研究や新領域における技術開発を通じて、当社グループが長年培ってきた技術を最大限活用しながら、引き続き積極的に取り組んでまいります。

 

<第3の柱:強固な基盤の確立>

当社グループは、グローバル企業として持続可能な社会の実現に貢献すべく、「ステークホルダーにとっての影響度」と「当社グループにとっての重要度」の2軸からESGの各分野で優先的に取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を特定し、推進を図っております。また、当社グループは、2022年4月に設置した「カーボンニュートラル推進センター」において、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを継続しており、2022年6月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言への賛同を表明した上で、当社ウェブサイト上で、TCFDの提言に沿い、取締役会への報告等のガバナンス体制の構築やリスクの分類等、気候変動に関する重要情報を開示しております。さらに、サイバー攻撃、情報技術ネットワーク及びシステム障害によるリスクに関しても引き続き対策を講じてまいります。また海外との人材交流の観点では海外関係会社からの日本への人材の受け入れを実施するとともに、外国籍従業員の採用も強化いたしました。引き続き、技術・技能両面での技術交流を図ってまいります。

 

<第4の柱:組織・コミュニケーションの活性化>

当社グループは、コミュニケーションの活性化に向け、各種社内コミュニケーションツールの充実を図るとともに、従業員がその個性と能力を十分に発揮し、活躍できる職場環境づくりにも注力しております。

2022年度は在宅勤務制度やコアなしフレックスタイム制度の拡充や副業制度の導入を図り、柔軟な働き方実現に向けた支援を強化するとともに、年次有給休暇の取得促進を図りました。

これらの制度や取り組みを含めた、従業員の心身の健康増進を目的とする継続的な活動を行ったことにより、2022年に引き続いて2023年3月にも経済産業省と日本健康会議が選定する「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」の認定を受けることができました。今後も、多様な人材が多様な働き方で活躍できる職場環境の実現を推進してまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社は、2021年4月より「サステナビリティ委員会」(下図ご参照)を設置し、気候変動への対応やマテリアリティの特定、人権尊重への対応等を始めとするサステナビリティ(CSR・ESG・SDGs)に関わる課題の解決に向けた審議・議論を行ってまいりました。そして、ESG経営による企業価値の向上を目指し、「気候変動への対応」、「環境貢献製品の開発」「人材育成」を始めとする、サステナビリティ経営を推進するにあたり当社が「優先的に取り組むべき重要課題(マテリアリティ)」を明確にした上で、これを開示しております。

これらのサステナビリティに関する審議内容については、取締役会へ定期的に報告され、指示・監督を受けております。


また、2022年6月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言への賛同を表明しており、当社ウェブサイトにおいて、TCFDの提言に沿った気候変動に関する重要情報も開示しております。気候変動への対応は、当社が「優先的に取り組むべき重要課題(マテリアリティ)」の中でも重要度が高い事項と考えており、サステナビリティ委員会での議論などを通じてカーボンニュートラルの実現に取り組んでおります。

人的資本への投資に関しても、多様性、人格、個性を尊重するとともに、その個性と能力を十分に発揮し活躍できる職場づくりの実現と、環境の整備を推進しております。特に、事業戦略を推進する「人材」は重要な人的資本と捉えており、計画的な人材育成への取組みを行っております。

 

(2)リスク管理

当社は、グループ全体のリスク管理及び管理体制に関する方針を定めた上で、代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会による情報収集を通じて、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行っております。リスク管理委員会は年に2回以上開催され、当社グループのサステナビリティ経営の実現に重大な影響を与える可能性があるリスクについて、顕在化する可能性及び事業に与える影響度を踏まえ優先度を設定し、優先度に基づいたリスクの低減対策を推進するとともに、リスク管理の強化に取り組んでおります。本年度は、気候変動に関するリスク、自然災害によるリスク及び人材確保に関するリスク等を、当社グループの優先リスクと特定し、担当するリスク管理部署がグループ会社のリスク管理を統括する体制としております。詳細は「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照下さい。

 

(3)戦略・指標と目標

a.気候変動対応について 

気候変動が当社グループ事業へ及ぼす影響を把握するため、当社グループ全事業を対象とし、以下の2種類のシナリオを用いて「リスク」と「機会」の分析を行いました。

●21世紀末の気温上昇が1.5℃以下に抑えられ、脱炭素社会への移行を実現する「1.5℃シナリオ」

●現状を上回る温暖化対策がとられず、物理的な影響が想定される「4℃シナリオ」

 

(重要なリスクと機会) 

気候変動に対するリスクと機会の洗い出しを行い、当社グループにとっての重要度と発生する可能性のある時期について検証を行いました。

  ●時間軸(発生時期)・・・短期:2025年頃まで、中期:2030年頃まで、長期:2050年頃まで

  ●重要度(戦略・財務計画等に及ぼす影響)・・・大:影響範囲が大、中:影響範囲が中程度、小:自社に影響がほとんどない

 

項目

リスクと機会の内容

時期・重要度

短期

中期

長期

 

 .

炭素排出規制

・炭素税の導入、化石燃料への規制強化等による原油価格上昇

 などの操業に伴うエネルギー関連費用の増加

・脱炭素目標の達成が求められ、設備投資や再エネ電力など

 代替燃料への転換等の対応コストが増加

EV化の進展

・EV化への移行が進み、内燃機関向け製品の需要低下に伴う
 売上減少

原材料価格の上昇

・脱炭素化対応に伴う原材料価格の上昇による調達コストの増加

投資家の評判変化

・脱炭素化、情報開示しない企業への評価低下

物理リスク

異常気象の激甚化

・異常気象の激甚化による大雨や洪水等のため、サプライヤー
 拠点や生産拠点が被害に遭い、工場の操業停止による
 売上機会の減少

平均気温の上昇

・気温上昇による従業員(主に現場作業者)の熱中症発生頻度
 増加により工場の操業に影響が出て売上機会の減少

機会

 

 .


再エネ需要の拡大

・風力発電の需要増により洋上風力発電向け
 すべり軸受の需要が拡大し売上が増加

1.5℃

4℃

EV化の進展

・ZEV※向けの製品需要増により、開発が進み売上が増加

1.5℃

4℃

舶用軸受の

需要拡大

・脱炭素対応として代替燃料へのシフトが進み船舶の
 更新が拡大し、内燃機関向け軸受の需要が拡大し
 売上が増加

1.5℃

4℃

CN燃料使用内燃

機関の需要拡大

・再生可能エネルギー由来のCN燃料を使用した自動車の
 内燃機関向けの軸受需要が拡大し売上が増加
 (水素エンジン、バイオ燃料エンジン他)

1.5℃

4℃

空調設備需要の

拡大

・気温上昇により空調設備向け軸受製品の
 需要拡大による売上増加

1.5℃

4℃

 

※ZEV・・・走行時に二酸化炭素等の排出ガスを出さない電気自動車(BEV)や燃料電池自動車(FCV)など

 

(気候変動リスク及び機会への対応方針)

当社グループは、シナリオ分析を用いた中長期のリスクと機会の洗い出しにより、経営戦略や財務面の影響について分析を行い、リスクへの適切な対応及び機会に対する競争力の強化や新たな事業機会の獲得に向けて対策を進めてまいります。その結果については、当社ウェブサイトやコーポレートレポート等の媒体を通じてステークホルダーの皆様に開示・報告いたします。

 

(指標と目標)

当社グループは、昨今の環境意識の高まり、日本政府の2050年における「カーボンニュートラル実現」などの動きを踏まえ、当社グループの「カーボンニュートラル方針」を策定しました。地球社会の一員としての責任を果たすため、当社グループ全体で2050年のカーボンニュートラル(CO2排出量の実質ゼロ)の実現を目指し、段階的にCO2削減に取り組んでまいります。具体的には、省エネ対応や再生可能エネルギーの利用拡大を推進するとともに、事業所、工場、設備ごとのCO2排出量の見える化を進め、設備的な対策等のコストを算定した上で優先順位、ターゲットを絞り、取り組みを進めてまいります。また、CO2排出量(Scope1,Scope2)の実績については、当社ウェブサイトのESGデータ内(https://www.daidometal.com/jp/sustainability/esg-data/)に記載しておりますのでご参照ください。なお、当該サイトは2023年10月に更新予定です。

 

 

b.人的資本・多様性

(人事戦略の基本方針)

当社は既存事業を磨き上げて「真のトライボロジーリーダー」を目指すとともに、自動車業界の変革期を大きなチャンスと捉え、新事業の創出・育成に注力して新たな事業の柱を築いてまいります。これらを実現するための人事戦略を「Daido Spirit(高い志、改善・改革する意欲、挑戦する心)を根底に、自らの能力やスキルを高めながら、メンバーと自由闊達な議論を行い、創造性を発揮してイノベーションを起こすことができる人材の育成及び職場環境の構築」と定めております。さらに、会社の持続的成長・生産性向上のためには、そこで働く従業員一人一人が、働きがい(働きやすさ+やりがい)を高め、その能力を最大限発揮できる機会と環境を提供することが必要と考えております。これらを追求することが、当社の企業理念でもある「社員の幸せをはかり、地球社会に貢献する」に繋がるものと考えております。人事戦略の中でも優先的に課題解決すべきものは、当社のマテリアリティにも挙げている「働きやすい職場環境」、「人材育成」、「ダイバーシティ・インクルージョン」であり、これらに関する施策を着実に実行してまいります。

なお、人的資本・多様性についての記載内容は、提出会社(一部の指標については国内主要関係会社を含む)を対象としております。

 

①  「働きやすい職場環境」について

(1)基本方針

職場の心理的安全性を確保し、中期経営計画の第4の柱でもある「組織コミュニケーションの活性化」を実現することで、活力ある組織づくりと従業員のモチベーションと生産性向上を図ります。

 

(2)管理職教育

急激に変化する環境下においては、多様な価値観を持つメンバーと共にイノベーションを起こし、新たな価値を創造する「共創型リーダーシップ」が必要であると考えております。経験や勘ではなく、現代に求められるマネジメントスキルを習得する研修を継続してまいります。

項目

内容

実績及び計画

マネジメントプログラム

(年間教育)

マネジメントに関する基礎知識の習得及び職場での実践活動を
行い、初級管理職としてのレベルアップを図る。

12名受講(2022年)

今後も継続予定

目的別研修

・ハラスメント研修

195名受講(2021年)

・コミュニケーション研修(若手社員の意識・行動)

203名受講(2022年)

・アンコンシャスバイアス研修

2023年度実施予定

コンプライアンスチェック

コンプライアンス基礎教育の実施(WEBテスト)

207名受講(2022年)

今後も継続予定

 

 

(3)健康経営の推進

当社は、従業員が活き活きと働くためには、自身の心身の健康を保つことが非常に重要であると考えており、2018年3月に「大同メタルグループ健康経営宣言」を制定し活動を行っております。その結果、昨年に引き続き2023年度(2022年申請)も健康経営優良法人に認定されております。現在は労使で構成する「健康経営推進委員会」を立ち上げて活動を強化しております。

 

 

(4)働き方改革

2016年より労使一体となって「ワークスタイル改革」と称した活動を継続しております。今後も効率的な働き方を追求して、アウトプットの最大化を図ります。取組み内容は以下のとおりであり、今後も活動を継続してまいります。

項目

概要

定時退社日の徹底

毎週水曜日を定時退社日とし適宜労使パトロールを行っております。

有給休暇の計画的取得

年間13日を目標に労使による計画的取得の取組みを実施しております。

時間外労働(年間)の限度時間数の
引き下げ

当初600時間でしたが、2017年に 570時間、2019年に 540時間と段階的に
引き下げております。

長時間残業者の健康チェック

超過勤務時間が2か月連続で45時間超/月の場合は希望者のみ、3か月連続で45時間超/月の場合は全員が産業医と面談を実施して健康管理を行っております。

働き方改革のレポート発行

部門単位での残業時間や休暇取得率を社内公開することで働き方改革への
意識の向上に努めております。

 

 

②  「人材育成」について

(1)基本方針

労働力減少・社員の働く価値観の変化・リモートワークの浸透・兼業や副業の推進といった労働スタイルの変化と環境が大きく変わる中、多様なキャリアパスを構築し、高いモチベーションを保ちながら自律的、主体的に行動するための人材育成に取り組みます。また、これまでの会社主導の教育・研修から、社員の自律的・主体的なキャリア形成の支援へ方針を転換し、仕事を通じて成長できるような機会の確保や支援を行います。

 

(2)教育制度

社員の成長を支援するため、様々な教育制度を整備しております。期待される役割に応じた各階層別の研修やグローバル化のための語学学習支援など、研修での学びを職場で実践しながら、社員が自律的に仕事の価値を高めるような意識・行動の変革を促します。

項目

概要

目標

階層別教育

入社後は、新入社員から管理職に至るまで、階層ごとに必要なビジネススキルを習得する教育体系を整えております。

継続実施

品質管理選抜教育制度

6カ月間、業務を離れて品質管理に関する専門教育を実施
しております。これまで延べ34人が修了しております。

継続実施

海外語学研修制度

中堅社員を対象に海外の語学学校に派遣する制度であり、2016年よりスタートして延べ7人派遣していますが、新型
コロナウイルスの感染拡大により2020年以降中断しております。

2024年度再開予定

 

 

(3)キャリア支援制度

項目

概要

実績及び計画

専門職制度

特定分野において高度な専門的知識・技術を有している
社員の能力と意欲を有効に活用する。

4名認定(2022年)

副業制度

本業である当社グループの業務遂行に支障が出ないことを
前提に、許可制のもと社員の副業を認める。

数名の申請・許可
(2022年)

社内キャリアプランの明確化

職種別のキャリアプランを公開することで、目指すべき姿を
描き、自ら必要なスキルを描く。

2023年度実施予定

 

 

 

③  「ダイバーシティ・インクルージョン」について

(1)基本方針

企業発展の力の源となるのは、多様な属性や能力や専門性・経験・価値観・感性を持った従業員であると考えております。計画的に多様な人材の採用を進め、その個性と能力を十分に発揮できる、働きがい(働きやすさ+やりがい)のある環境整備に取り組みます。

 

(2)女性の活躍支援(女性活躍推進法の行動計画)

・総合職採用における女性比率

事務系20%、技術系10%以上にすることを目指しております。

項目

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

(目標)

事務系採用

女性比率

46.2%

66.7%

25.0%

40.0%

75.0%

20%以上

技術系採用

女性比率

9.1%

9.1%

5.5%

8.3%

11.1%

10%以上

 

 

・育児と仕事の両立、職場環境と風土の醸成

当社では、女性に限らず自分のありたい姿に向けて働き続けるためには、柔軟な働き方が必要と考え、ライフイベントと仕事の両立のために以下の制度を導入して、長く働き続けることができる環境の整備を進めております。今後も必要な制度の導入や拡充を進め、制度利用者が少しでも増加するよう取り組んでまいります。

制度

概要

制度利用者

時短勤務

小学校6年生の年度末まで所定就業時間を短縮できる

29人

ジョブリターン制度

結婚や出産、育児等による退職者を再雇用する制度

2人

男女別の育児休業取得率

 

会社

区分

2018年度

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

備考

提出会社

女性

100%

88%

100%

88%

100%

 

男性

9%

7%

49%

38%

29%

 

大同プレーン
ベアリング㈱

女性

100%

100%

100%

100%

100%

 

男性

0%

12%

31%

17%

46%

 

エヌデーシー㈱

女性

100%

100%

 

男性

0%

0%

0%

0%

0%

 

大同インダストリアルベアリングジャパン㈱

女性

100%

 

男性

0%

0%

0%

 

㈱飯野製作所

女性

100%

100%

100%

100%

100%

 

男性

0%

0%

0%

0%

0%

 

 

 

 

 (注)対象者のいない拠点については―を記載しております。

 

・女性総合職の10年後の継続雇用割合

男性比0.8以上とすることを目指しております。

入社年度

(継続雇用年数)

2011年度

(12年)

2012年度

(11年)

2013年度

(10年)

2014年度

(9年)

2015年度

(8年)

男性

2人(66%)

3人(30%)

8人(57%)

12人(70%)

16人(57%)

女性

1人(50%)

1人(33%)

5人(71%)

2人(100%)

1人(12%)

男性比

0.75

1.1

1.25

1.42

0.21

 

 

・女性管理職比率 

女性が活躍することは、ダイバーシティの考え方を浸透させ、さまざまな視点を持つ人材が活躍できる企業風土の醸成を可能とします。また、女性だけでなく、ライフステージやライフイベントに応じて誰もが利用できる制度を設けることにより、労働環境の改善につなげていきます。

会社名

2018年度

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度
(目標)

提出会社

4.9%

4.9%

4.9%

5.3%

5.7%

7%

大同プレーンベアリング㈱

0%

0%

0%

0%

0%

エヌデーシー㈱

0%

0%

5.5%

5.5%

5.8%

大同インダストリアル
ベアリングジャパン㈱

0%

0%

0%

0%

0%

㈱飯野製作所

0%

0%

0%

3.5%

6.6%

 

   (注)当社グループ全体の2022年度実績は15.7%です。

 

・男女間の賃金格差

第1 企業の概況、5 従業員の状況 (4)  管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び男女の賃金の差異」をご参照ください。

 

 賃金格差の主な要因と今後の取り組み

1.基本給の格差

現状、女性の管理職や役職者が少ないことが要因と考えられます。女性従業員の割合を増やし、かつ長く働き続けられる職場環境を整え、女性の中核人材を育成してまいります。また、アンコンシャスバイアスに関する研修等を実施して、女性は管理職に向いていないといった誤ったイメージや、そもそも女性は管理職を希望しないだろうという意識の解消を図ってまいります。

2.勤続年数の格差

女性社員は男性社員に比べて相対的に勤続年数が短く、熟練労働者や高度専門職、管理職の比率が低いことが、女性の平均賃金を低くしている要因と考えられます。女性社員のキャリア研修の実施や既に導入している「ジョブリターン制度(配偶者転勤への帯同、介護、出産・育児等で退職した正社員を再雇用する制度)」の更なる活用を進め、女性が安定的に長く働き続ける職場環境の整備を進めてまいります。

3.残業手当の格差

育児や介護を理由とした時短勤務制度を利用しており、残業手当を受給していない女性の割合が多いことが要因と考えられます。男性の育児休業取得率を向上させる取組みを行い、男性の家事や育児への参加を推進してまいります。

 

(3)キャリア採用

ビジネス環境の変化に伴い企業価値を高めるイノベーションが重視される中で、社内の人的資源だけではなく、新たな視点や発想力、豊富な経験を持つ即戦力の採用・活用を必要に応じて積極的に進めてまいります。

 

2018年度

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

採用人数

7人

6人

10人

7人

20人

 

(4)障がい者雇用

貴重な戦力として、また、企業としての社会的責任と地域貢献活動を目的に障がい者雇用率の向上を進めます。

 

2018年度

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度
(目標)

雇用率

2.15%

2.07%

2.45%

2.71%

2.79%

2.7%以上

(法定雇用率2.3%)

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している重要なリスクには、以下のようなものがあると考えております。また、それぞれのリスクについて、顕在化する可能性及び事業に与える影響度を踏まえてリスクの優先度(最優先・優先)を設定しております。

当社は、グループ全体のリスク管理の基本方針及び管理体制を「リスク管理規程」において定めた上で、代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会による情報収集を通じて、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行っております。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

《最優先リスク》

(1)原材料の需給環境の不安定化によるリスク(前年度:最優先リスク)

当社グループは、軸受の主材料である鋼材・非鉄(銅、アルミ、錫、樹脂原料他)等の原材料を購入しております。これらの価格が需給環境の変化で不安定に推移することにより、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

当社グループの対応策としては、従来にも増して、材料の使用量削減(歩留向上等)の強化を図り、また、原則二社発注化の推進と、調達先とのリスク回避に向けた連携強化等による安定的な調達に加え、コスト低減にも取り組んでまいります。併せて、原材料や燃料価格の高騰に対する顧客との価格改定の交渉を継続的に実施してまいります。

 

(2)サイバー攻撃、情報技術ネットワーク及びシステム障害によるリスク(前年度:最優先リスク)

当社グループにおいては、ハッカーやコンピュータウイルスによるサイバー攻撃等によって、当社グループの業務活動の停止、データ喪失又は個人情報を含む当社グループ内外の情報流出等が発生する可能性があります。その場合、事業活動の停止による直接的な影響や当社グループの社会的信用が失墜すること等によって、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

当社グループの対応策としては、事業を推進するにあたって利用している情報システム及び付随する情報技術ネットワークシステムの安全な運用のため、社外のデータセンターを利用し且つ、ネットワーク並びに各種サーバー群に対しその状況を常時監視する体制をとっており、安全管理対策を適切に講じております。 

また、サイバー攻撃への対応として、有事の際に適切な対応を実現するべく、情報インシデント対応規程に基づき情報管理体制を構築しており、従業員に対しては、標的型メールへの対応訓練の実施を含む情報セキュリティ教育を実施しております。

さらに、2022年度には自社内にCSIRT※1を設置するとともに日本シーサート協議会※2に加盟し、コンピュータセキュリティーに関して生じたインシデントに対し、迅速かつ効果的に対応できる体制を強化しております。

※1 CSIRT(シーサート:Computer Security Incident Response Team)とはコンピュータインシデントに対応する非専任部門横断組織です。

※2 日本シーサート協議会とは、所属するチームが緊密な連携を図り、各チームにおける課題解決に貢献す

   るための組織です。

 

 

《優先リスク》

(1)自然災害及び事故等によるリスク(前年度:優先リスク)

当社グループの国内における主力工場は、愛知県、岐阜県、千葉県、栃木県、福島県及び佐賀県に立地しており、懸念される大規模地震や伝染病の感染拡大が発生した場合には、当社グループの生産活動に支障が生じ、業績及び財政状態に影響を受ける可能性があります。また、当社グループ及び当社グループ取引先等の事業拠点が、地震・洪水等の自然災害の発生による電力・ガス等の供給停止や伝染病の感染拡大等により操業が困難になった場合には、同様に影響を受ける可能性があります。

当社グループの工場については、日常的な建屋・設備等の点検・整備のほか、定期的に災害・事故等に備えた保全・改修等も実施しておりますが、災害・事故及び伝染病等により工場及びその周辺に物的・人的被害が及んだ場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの対応策としては、大規模地震の発生等を想定した事業継続計画(BCP)を策定し災害訓練を実施するとともに、事業の継続と復旧にかかる体制整備の強化を図っております。

なお、国内全ての生産工場において火災・風水害の保険に加入しているほか、主な生産工場(愛知県犬山市、岐阜県関市、岐阜県郡上市、千葉県習志野市・香取郡神崎町、栃木県矢板市、福島県南会津郡南会津町及び佐賀県武雄市)においては、付保限度額まで地震保険に加入しております。

さらに、伝染病リスクへの対応策として、感染拡大に対する世界各国・各機関による諸施策及び顧客の生産活動の動向を注視し、感染が拡大した場合、企業活動を持続させるための諸施策を継続して実行してまいります。

 

(2)製品の不具合によるリスク(前年度:優先リスク)

当社グループは、品質の信頼性の維持向上に努めておりますが、万が一製品の不具合に起因する事故、クレームやリコールが発生した場合、多額の製品補償費用等が発生するほか、顧客が他社発注に切り替えることにより当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの対応策としては、各工場において製品の不具合に繋がる事案の抽出と対策検討を実施し、品質改善計画に基づき継続対応を実施するとともに、国内・海外PL保険(生産物賠償責任保険)を付保し、第三者に損害が生じた場合の補償費用等による影響を緩和しているほか、取引上の状況に応じリコール保険への加入を行う等、リスク回避に努めております。

 

(3)為替レートの変動によるリスク(前年度:優先リスク)

当社グループにおいては、海外連結子会社のビジネス拡大により、外貨建取引(米ドル、ユーロ等)が増加しておりますが、決算時の換算為替レートにより当社グループの業績及び財産評価が影響を受ける可能性があります。

また、当社グループが日本から輸出する場合における海外売上については、外貨建取引の比率自体は低いものの、同様の影響を受ける可能性があります。

当社は、当該リスクへの対応策として、為替リスクヘッジ取引の方針及びリスク管理手続等を定めた外国為替管理規程を策定した上で、所管部門が3ヶ月に1回以上、為替リスク管理状況を取締役会に報告し、為替方針対策会議においてリスク対策を検討しております。連結子会社については、当社における対応又は外国為替管理規程に準じて管理を行っております。

 

 

(4)グローバル事業展開に伴うリスク(前年度:優先リスク)

当社グループは、日本国内はもとより、北米、アジア、欧州(ロシアを含みます)をはじめ世界各地で事業を展開しており、これらの地域における政治・経済情勢の変動、紛争の発生、各種規制の変更、賃金制度、労使関係及び内部統制システムの運用不備、人権問題等に起因する諸問題が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

当社グループは、当該リスクへの対応策として、関係会社管理規程に基づき連結子会社を含む関係会社の業務執行について適時適切な報告が受けられる体制を整備するとともに、内部統制システムの整備及び当該システムの適切な運用を通じて、コンプライアンスを含む関係会社における適切な社内体制の整備・運用状況につき定期的に検証、指導し、体制強化を進めております。

また、当社グループは、2023年度には人権方針を策定し、当社の商品・サービスや事業活動が従業員やお取引先様、地域社会の方々の人権を侵害するような事態が生じないよう最大限配慮するとともに、人権デュー・ディリジェンスの仕組みと手続きの整備を進めております。

 

(5)特定の分野・業界への依存によるリスク(前年度:優先リスク)

当社グループの売上高については自動車用エンジン軸受のセグメントが高い比率を占めているため、自動車の急激な需要変動や「2050年カーボンニュートラル」に伴うグリーン成長戦略を受けた内燃機関の需要減少等が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、当該リスクへの対応策として、自動車用エンジン軸受に対する高い依存状況を緩和すべく、再生可能エネルギー分野の特殊軸受や電動化自動車関連分野のダイカスト製品の市場拡大、航空機用軸受への参入、既存事業における自動車用エンジン以外軸受の更なる拡販推進、及び中期経営計画の第2の柱として新規事業の創出・育成を掲げています。そして、今般新たな事業の柱を築くため、新規ビジネス推進ユニットを発足させ、当該リスクを早期に解消できるよう努力を続けております。

 

(6)価格競争によるリスク(前年度:優先リスク)

近年、特にグローバル競争の激化により、低価格化の傾向が強まっております。今後、こうした低価格化の傾向が更に進行することにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの対応策としては、原価低減に取り組むとともに、技術的優位性の高い製品開発を推進することにより、その影響を最小限にとどめる努力をしております。

 

(7)新製品開発の不奏功によるリスク(前年度:優先リスク)

当社グループは、市場ニーズに対応した新製品や高性能な製品を継続的に市場投入できるように製品の研究開発を行っておりますが、研究開発活動の成果は不確実なものであり、たとえ多額の支出を行ったとしても必ずしも成果に結びつかない可能性があります。

当社グループは、当該リスクへの対応策として、設計・開発部門、製造・生産技術部門、販売部門のトライアングル体制を構築して積極的かつ的確な市場ニーズの把握に努め、開発すべき新製品の市場適合性や採算性を考慮した開発を行っております。

 

(8)環境規制によるリスク(前年度:優先リスク)

当社グループは、事業活動を行う上で環境負荷の高い物質を使用する場合もありますが、最近は環境先進地域であるEUのみならず新興国でも環境意識が高まっており、生産活動はもとより製品自体に関しても、世界各国の様々な環境規制に対応する必要があります。

今後、環境規制が更に強化され、その対応のために相当のコスト増加要因が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

当社グループは、世界各国の様々な環境規制に対応するため、環境負荷物質を含まない新規材料の開発等の企業努力に加え、当該対応に要するコスト負担についても顧客と相互に協議することによって様々な環境規制に対応し、環境に対する責任を果たすため積極的に取り組んでおります。

 

 

(9)知的財産権に関するリスク(前年度:優先リスク)

当社グループは、事業活動における優位性を確保するために商品力の強化に取り組んでおり、その一環として特許権、意匠権、商標権等の知的財産権の適正な取得による権利保護に努めておりますが、特定の地域及び国では法的制約があるために知的財産権による十分な権利保護を受けられない場合があります。そのため、第三者が当社グループの知的財産権を侵害した場合においても、効果的に当該侵害を防止できない可能性があります。

また、将来、当社グループが自らの知的財産権による権利保護を確保するために訴訟等を提起しなければならない事態が生じる可能性や、当社グループが他社の知的財産権を侵害し、第三者より訴訟等を提起される可能性もあります。その場合、多額の訴訟費用等を必要とする可能性があり、また、訴訟等の結果によっては、当社グループが損害賠償責任を負う可能性があります。

当社グループの対応策としては、知的財産権管理の専門部署を設け、確実な知的財産権の取得及び保全に努めるとともに、当社グループにおける製品開発・販売にあたっては他社の知的財産権を侵害しないよう十分に事前調査を実施しております。

 

(10)設備投資、合弁事業・提携・買収等に関わるリスク(前年度:優先リスク)

当社グループは、広範囲にわたる事業領域において設備投資を実施しており、また、第三者との間で様々な合弁事業や戦略的提携・事業買収等を行っております。これらは、必ずしも確実に予期したとおりの成果が得られる保証があるわけではなく、事業環境の急変等により、予期せぬ状況変化や初期の事業計画からの大幅な乖離が生じた場合、固定資産の減損損失等が発生し、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

当社グループの対応策としては、設備投資、合弁事業・提携・買収等の実施にあたっては、事前に収益性や投資回収の可能性について、外部専門家による評価結果等の慎重な検討や買収先事業計画の慎重な査定を行った上で取締役会における十分な討議を行う等、様々な観点から検討を行っております。

 

(11)気候変動に関するリスク(前年度:優先リスク)

当社グループは、気候変動に関する国内外の政策及び法規制、ステークホルダーからの要請等を踏まえて、SDGsで掲げる諸目標の達成に向けた取り組みを行っていますが、研究開発や設備投資等によるコスト増及び当該取り組みの遅れによる機会損失等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの対応策としては、世界各国で加速する自動車電動化とカーボンニュートラルに対する当社グループ全体としての対応力強化のため、2022年4月より専担組織を新設しております。

また併せて、風車ビジネスの拡販に向け、風車軸受に関する基礎技術開発(設計・評価)を専担する組織として、風車技術研究所を設置しました。当社グループは、気候変動に関する国内外の政策及び法規制や社会的な要請内容、市場環境、顧客ニーズを的確に把握するとともに、当社グループが永年培ったコア技術を最大限に活用することにより地球社会に貢献可能な技術・商品を早期に開発・提供できるよう努めております。

 

(12)人材確保に関するリスク(新設)

当社グループは、人材の獲得や育成を進めておりますが、日本国内における労働人口の減少や海外における人材獲得競争の高まりによってこれらが計画どおりに進まない場合、事業活動の制限や企業成長の停滞等が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、当該リスクへの対応策としては、新卒採用だけではなく、キャリア採用も積極的に行うことによって人材確保に努めるとともに、外国人や女性社員、シニア世代の更なる登用及び活躍を積極的に推し進めております。

また、多様なキャリアパスを構築することにより、高いモチベーションを保ちながら自律的、主体的に行動する人材の育成に取り組むとともに、多様な人材が多様な働き方で、その能力を最大限発揮し、やりがいを実感できる組織風土や社内環境を整備することで社員のエンゲージメントの向上を図ってまいります。

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症対策が進み、経済活動の正常化が継続する一方で、インフレが加速したことによる金融引き締めを受けた景気の減速やロシア・ウクライナ問題の長期化に伴う原材料やエネルギー価格の高騰など、先行き不透明な状況が続いております。

わが国経済においては、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限が徐々に緩和され、経済活動の回復に伴う持ち直しの動きが見られるものの、資源高騰やエネルギー価格の高止まりを受け、景気回復への懸念が強まっております。

当社グループの主要産業分野である自動車業界につきましては、国内新車販売台数(2022年度)は特に年明けからの回復基調により前年度比で微増となりました。他方、世界新車販売台数(2022年暦年)はロックダウンと世界的な部品の供給不足が影響し、前年比で微減となりました。世界最大の市場である中国の新車販売台数(2022年暦年)は、若干の増加に転じ、2年連続で前年を上回りました。一方、米国の新車販売台数(2022年暦年)については前年比で減少となりました。

非自動車分野における造船業界につきましては、鋼材価格の高騰などを受けた船価の上昇で発注が控えられた影響により、2022年の新造船竣工量は前年比減少したものの、コンテナ船やばら積み船を中心に需要は堅調に推移しました。また、日本における2023年3月末時点の輸出船手持工事量につきましても大幅に増加しました。

建設機械業界につきましては、2022年度の建設機械出荷額は、内需は前年比で微増、外需も北米、欧州、アジア、中近東などで一般建機の需要が好調に推移し、特に北米やアジアを中心に鉱山機械の需要が好調であったことから、前年比で大幅に増加となりました。その結果、総合計で大幅に増加し、内需・外需ともに2年連続の増加となりました。

さらに、当社関連の一般産業分野につきましては、依然として新型コロナウイルス感染症の感染拡大前の設備投資額は下回るものの、総じて回復基調がみられ、底堅く推移しました。

 

このような市場環境下、当連結会計年度における当社グループ全体の業績につきましては、売上高は前期比11.0%増収115,480百万円となりました。

利益面につきましては、継続的な固定費・経費の削減、収益改善活動及び生産性の向上等に取り組んだものの、営業利益は前期比44.0%減益2,824百万円となりました。また、売上高営業利益率は2.4%前連結会計年度は4.8%)となりました。

経常利益につきましては、前期比39.8%減益2,909百万円となりました。また、売上高経常利益率は2.5%前連結会計年度は4.6%)となりました。

親会社株主に帰属する当期純損失につきましては、2,208百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益1,897百万円)となりました。また、売上高当期純利益率は△1.9%前連結会計年度は1.8%)となりました。

1株当たり当期純損失は47円05銭(前連結会計年度は1株当たり当期純利益40円70銭)、自己資本利益率は△3.6%前連結会計年度は3.3%)となりました。

 

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

なお、セグメント間の内部売上高又は振替高は、セグメントの売上高に含めております。

 

① 自動車用エンジン軸受

国内は、2022年度の新車販売台数が前期比で微増し、海外は、タイ、中国では2022年暦年で、前期比増加しましたが、欧州、米国では前期比減少となり、グローバル全体では新型コロナウイルス感染症からの回復により底堅く推移したものの前期比微減となりました。

そのような状況下、当社グループの国内での売上高は、年明けの回復基調や、各社における在庫積み上げなどの影響による受注増に伴い、国内、海外ともに増加となりました。

これらの結果、セグメント売上高は前期比8.7%増収63,469百万円となり、セグメント利益は原材料・エネルギー価格の高騰などの影響を受け前期比16.9%減益6,961百万円となりました。

 

② 自動車用エンジン以外軸受

当社グループの海外の売上高は為替の円安影響を受け増加したものの、国内の売上高は半導体などの供給不足による自動車メーカーの減産に伴う受注減により前期比減少となりました。これらの結果、セグメント売上高は前期比4.5%減収19,489百万円、セグメント利益は前期比20.0%減益2,670百万円となりました。

 

③ 非自動車用軸受

・船舶分野

コンテナ船やばら積み船を中心とした堅調な需要の推移や、人流制限などで停滞していたメンテナンス需要の回復が見られました。また、当社グループにおいては、中国向けの新規開拓によるLNG船(液化天然ガス運搬用)やタンカー船の低速エンジン用軸受に関するシェアアップが進んだことに加えて、今年度は中国向け大型船の新規量産納入も始まったため、売上高は前期比で大幅な増加となりました。

・建設機械分野

主に北米、中南米や東南アジア(インドネシアなど)においての好調な需要環境が続き、サービスパーツなどの需要も好調に推移したことも寄与し、売上高は前期比で大幅な増加となりました。

・一般産業分野におけるエネルギー分野

エネルギー市場においては、新型コロナウイルス感染症の影響によりプラント・設備関連の工期延長などで需要が低下しておりました。しかし近時、蒸気タービンやガスタービン用軸受の需要復活や在庫補充などが見られ、当社グループにおける受注が増加した結果、売上高は大幅な増加となりました。

これらの結果、船舶分野における低速エンジン用軸受の新規開拓活動、建設機械分野の好調な需要の推移や一般産業分野におけるエネルギー分野の需要回復による大幅な受注増により、セグメント売上高は前期比33.7%増収14,807百万円となり、セグメント利益は前期比19.2%増益2,085百万円となりました。

 

④ 自動車用軸受以外部品

・アルミダイカスト製品

タイにおける新車の国内販売は前期比微増し、またグローバルな自動車産業の回復基調によりタイの完成車輸出台数も増加する等、タイの自動車産業については総じて堅調な需要が継続しました。当社グループにおいても、タイの需要回復に伴う売上増やタイの新工場(DMキャスティングテクノロジー(タイ)Co., Ltd.)における電動自動車用部品の新規納入も増え始めたため、売上高は前期比で大幅に増加しましたが、セグメント利益は電動自動車用部品の本格生産開始に伴い増加したコストの改善遅れ及び新規受注品でのコスト増により、前期比で減少となりました。

 

・曲げパイプ、ノックピン、NC切削品などの部品

世界的な半導体供給不足などによる受注減の影響を受けたものの、為替の円安影響を受け、前期比で微増となりました。また、セグメント利益については原材料やエネルギー価格の高騰などの影響を受け、前期比で減少となりました。

これらの結果、セグメント売上高は前期比23.0%増収17,751百万円となり、セグメント損失は2,096百万円(前期はセグメント損失1,649百万円)となりました。

 

⑤ その他

半導体供給不足に伴う計測機器などの調達難の影響により、工作機向け潤滑装置の売上は減少したものの、金属系無潤滑軸受では一部で開拓による受注増があり、売上高は前期比で微増となりました。利益の面でも付加価値軸受製品の開拓による売上増が寄与し増益となりました。

これらの結果、電気二重層キャパシタ用電極シート、金属系無潤滑軸受事業及びポンプ関連製品事業に不動産賃貸事業等を加えた当セグメントの売上高は前期比0.1%増収2,125百万円となり、セグメント利益は前期比10.2%増益378百万円となりました。

 

上記の経営成績を分析・検討しました結果、当社としては、前述の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)優先的に対処すべき事実上及び財務上の課題 <第1の柱:既存事業の磨き上げ>」に記載のとおり、対処してまいります。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

  自動車用エンジン軸受

63,284

104.5

  自動車用エンジン以外軸受

19,867

93.8

  非自動車用軸受

14,361

133.2

 自動車用軸受以外部品

16,790

121.5

  報告セグメント計

114,304

107.5

 その他

1,332

99.6

合計

115,637

107.4

 

(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

② 受注実績

得意先の生産計画の内示等による見込生産が主体であるため記載を省略しております。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

  自動車用エンジン軸受

62,646

108.8

  自動車用エンジン以外軸受

19,242

95.0

  非自動車用軸受

14,768

133.9

 自動車用軸受以外部品

17,358

126.8

  報告セグメント計

114,016

111.2

 その他

1,463

100.9

合計

115,480

111.0

 

 

 

(2) 財政状態

(総資産)

当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度末に比ベ4.3%増加173,317百万円となりました。

これは主に売掛金、商品及び製品、仕掛品が増加したことによります。

(純資産)

当連結会計年度における純資産は、前連結会計年度末に比ベ2.6%増加70,454百万円となりました。

これは主に利益剰余金が減少した一方、為替換算調整勘定が増加したことによります。

(自己資本比率)

当連結会計年度における自己資本比率は、前連結会計年度に比ベ1.0ポイント減少し35.3%となりました。

(1株当たり純資産額)

当連結会計年度における1株当たり純資産額は、前連結会計年度末に比ベ7円80銭増加し1,297円76銭となりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ86百万円0.5%)の増加となり18,955百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動において獲得した資金は5,003百万円となりました。これは主に法人税等の支払額が2,568百万円あった一方、減価償却費による資金の獲得が9,190百万円あったことによるものであり、前連結会計年度に比べ8,203百万円62.1%)の収入の減少となりました。

前連結会計年度との主な差額は、仕入債務の増減額が6,391百万円減少したこと、税金等調整前当期純利益が3,484百万円減少したこと、棚卸資産の増減額が5,266百万円増加したことです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動において使用した資金は6,345百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出4,764百万円によるものであり、前連結会計年度に比べ1,726百万円21.4%)の支出の減少となりました。

前連結会計年度との主な差額は、有形固定資産の取得による支出が1,689百万円減少したことです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動において獲得した資金は790百万円(前連結会計年度は5,076百万円の使用)となりました。これは主に配当金への支払額が1,185百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出が715百万円あった一方、短期借入金の増加が3,222百万円あったことによります。

前連結会計年度との主な差額は、短期借入金の純増減額が4,021百万円増加したことです。

 

② 資金需要

当社グループにおける主な資金需要は、製品製造のための材料・部品等の購入費、製造費用、製品・商品の仕入、販売費及び一般管理費、運転資金及び設備投資資金です。

設備投資の概況については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載のとおりです。

 

 

③ 資金調達の状況 

当社グループの運転資金及び設備投資資金は主として自己資金により充当し、必要に応じて借入れによる資金調達を実施することを基本方針としております。

当連結会計年度の当社グループの設備投資資金につきましては、内部資金により充当いたしました。

今後も、資本の効率化と財務の安全性確保を重視しつつ、有利子負債の圧縮を視野に入れながら、バランスのとれた財務運営を目指してまいります。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

    該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、SDGs(持続可能な開発目標)で掲げる諸目標の達成に向けた取り組みを意識し、事業戦略を推進する上で重要な研究開発活動及び軸受性能に関する解析技術や性能評価技術向上、長期的な成長基盤となる基礎的研究及び新規事業の創出活動を実施しております。なお、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は2,205百万円であります。

主な研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

 

<自動車用エンジン軸受>

・世界的なカーボンニュートラルへの対応、CO2排出量規制強化に伴うエンジン熱効率向上に対応するため、さらなる摩擦損失低減を目指し、従来とは異なるコンセプトで低摩擦特性を向上させた樹脂オーバレイ(オーバレイ:表面処理)を開発、提供しております

・水素エンジンなどカーボンニュートラルに向けた技術開発に貢献するための軸受を提供し、各種代替燃料使用時における軸受への影響について、調査、研究を実施しております。

・排出ガス規制強化に対応するため、トラック用エンジンなど、高面圧化、高温環境、長寿命などの厳しい要求に耐え得る新しい鉛フリーオーバレイを開発し、実機評価で良好な結果を得ております。同様に、新しい銅合金系ブシュ材料を開発、提供しております。

・F1レース、NASCAR、INDYCAR、MotoGPなど4輪、2輪各種レースのような高速、高面圧で使用される高性能軸受 を開発、継続的に納入し、軸受技術の向上に寄与しております。

・世界各国の自動車顧客からの厳しい品質要求に対応し、生産性向上するため、各種生産設備へのIoT技術の導入および検査設備の自動化を進め、導入しております。

・継続的に理論解析技術、単体評価技術の向上を図り、開発期間の短縮に努めております。

 

<自動車用エンジン以外軸受>

・自動車、オートバイのショックアブソーバー用軸受における乗り心地(操舵安定性、振動吸収性など)向上要求に対応するための鉛フリー樹脂系軸受材料について更なる性能向上を図るべく、顧客評価結果と相関がとれるように単体評価試験機の改良を進め、継続して材料開発を進めております。

・一般産業用部品において、従来よりも樹脂層の厚い新しい樹脂系軸受材料を開発し、量産に向けて顧客評価が進んでおります。

・電動化に対応した新たな自動車用部品への要求するため、樹脂系材料の開発、評価を進めております。

・バイオマス材料を使用するなど、環境を意識した、新しい鉛フリー樹脂系ソリッド軸受の開発も取り組んでおります。

 

<非自動車用軸受>

・中高速ディーゼルエンジン用の高面圧化に対応する新しい鉛フリーオーバレイを開発・提供し、実機評価が進み、良好な評価を継続的に得ております。さらに、ガスエンジンなどの特殊環境下に対応可能な鉛フリー銅合金 を開発し、実機評価に向けて提供しております。

・低速および中高速ディーゼルエンジンともに、アンモニア、水素、e-fuelなど代替燃料使用時における軸受への影響について、調査、研究を実施し、一部顧客と意見交換をはじめております。

・再生可能エネルギーの需要の高まりを受け、風力発電ニーズの高い欧州での風力発電用の特殊軸受を提供、量産に向けて、良好な評価を得ております。さらに同市場に適用可能な各種特殊軸受の技術研究を推進しており、NEDOグリーンイノベーション基金事業(洋上風力発電の低コスト化プロジェクト)に基づき、各種軸受評価試験機の導入準備を進めております。

 

<その他>

・従来の電極シート製造技術をベースに、その特性を活かした各種応用製品の研究、開発に取り組んでおり、サンプル提供を実施しております。

 

<新規事業創出活動>

 持続的発展のために、CASE対応に加え、カーボンニュートラル社会への貢献を目指し、当社固有技術を活かした新規事業の創出、育成活動を積極的に取り組んでおり、以下の様な研究開発活動を行っております。

・電気二重層キャパシタ用電極シートを応用した水処理装置の研究、開発(各種展示会に出展済)

・異種金属材料を接合するクラッド技術を応用した積層材料の用途開発

・吸音性、吸水性、放熱性などの機能と金属の強度、耐熱性を併せ持つ金属多孔質体の用途開発