(1) 業績
当連結会計年度における我が国経済は、個人消費に力強さは欠くものの、公共投資等の経済対策や設備投資の底堅い推移により、景気は緩やかな回復基調で推移しました。海外においては、米国経済は引き続き好調を持続していますが、中国は景気減速基調が継続しております。
自動車業界は、国内では軽自動車の増税影響等による需要減少からの回復の足取りは重く、生産台数は減少しました。海外では、タイをはじめとする東南アジアでの需要は低調であるものの、北米での需要は引き続き好調に推移しました。
電子機器業界は、ハードディスクドライブや、デジタルカメラの需要が減少しましたが、スマートフォンの需要は増加しました。
事務機業界は、複合機の需要は堅調に推移しているものの、プリンターの需要が減少しました。
このような環境の中、当社のセグメント別の業績は以下のとおりです。
シール事業におきましては、自動車向けについては、軽自動車の増税による国内需要の減少はあったものの、北米での需要増加、為替の影響等により、販売額は増加しました。しかし、一般産業機械向けについては、国内の建設機械等の需要減少、中国の景気減速の影響もあり、販売は減少しました。
その結果、売上高は2,961億8千9百万円(前年同期比0.2%の減収)となりました。営業利益は、新興国における人件費の増加、および償却費等の増加により325億3千1百万円(前年同期比2.9%の減益)となりました。
電子機器部品事業におきましては、スマートフォン向け、車載向け等の需要が増加したことに加えて、為替の影響もあり販売額は増加しました。
その結果、売上高は4,097億2千6百万円(前年同期比15.5%の増収)となりました。営業利益は、品目構成の変化、人件費、経費の増加、償却費等の増加により、136億1千8百万円(前年同期比55.0%の減益)となりました。
ロール事業におきましては、プリンターの需要減少等により販売は減少しました。
その結果、売上高は275億7千5百万円(前年同期比9.1%の減収)となりました。営業利益は、販売の減少等により12億1千万円(前年同期比50.3%の減益)となりました。
特殊潤滑剤等のその他事業におきましては、売上高は126億5千6百万円(前年同期比8.2%の増収)となりました。営業利益は7億5千5百万円(前年同期比3.3%の減益)となりました。
以上の結果、当社グループの業績は、売上高は7,461億4千7百万円(前年同期比7.6%の増収)となりました。営業利益は482億5千8百万円(前年同期比28.1%の減益)、経常利益は537億2千7百万円(前年同期比33.5%の減益)、親会社株主に帰属する当期純利益は300億5千3百万円(前年同期比35.8%の減益)となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)の残高は、前連結会計年度末に比べ83億7百万円減少し940億3千2百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕
営業活動の結果、得られた資金は、885億3百万円(前年同期比9.8%の増加)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益の計上、および売上債権の減少による資金の増加により、前連結会計年度より増加しました。
〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕
投資活動の結果、使用した資金は、656億8千2百万円(前年同期比52.1%の増加)となりました。これは主として有形固定資産の取得によるものです。
〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕
財務活動の結果、使用した資金は、240億8百万円(前年同期比32.9%の増加)となりました。これは主として配当金の支払いが増加したことによるものです。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) (百万円) |
前年同期比(%) |
|
シール事業 |
295,186 |
98.7 |
|
電子機器部品事業 |
408,109 |
112.9 |
|
ロール事業 |
27,628 |
90.5 |
|
その他事業 |
12,342 |
106.8 |
|
合計 |
743,266 |
105.8 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。
2.上記中には商品仕入高を含んでおりますが、当社グループにおいては仕入販売事業の事業規模には金額的重要性はありません。
3.上記中には消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
当社グループは、主として得意先より生産計画の内示を受け、それに基づく見込み生産を行っているため記載しておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) (百万円) |
前年同期比(%) |
|
シール事業 |
296,189 |
99.8 |
|
電子機器部品事業 |
409,726 |
115.5 |
|
ロール事業 |
27,575 |
90.9 |
|
その他事業 |
12,656 |
108.2 |
|
合計 |
746,147 |
107.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績は次の通りであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
||
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Apple Inc. |
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
101,464 |
14.6 |
177,710 |
23.8 |
|
3.上記中には消費税等は含まれておりません。
今後の当社グループを取り巻く経営環境につきましては、国内においては、個人消費に力強さは欠くものの、公共投資等の経済政策や設備投資は底堅く推移し、景気は今後も緩やかに回復していくことが期待されます。海外においては、米国経済は、引き続き堅調に推移すると見込まれますが、中国は景気減速基調が予想され、予断を許さない状況であります。
シール事業では、自動車の需要は、米国では引き続き堅調に推移すると見込まれるものの、中国での伸びの鈍化、東南アジアでの低迷が懸念され、自動車生産台数は伸び悩むものと想定されます。その中で、海外の競合他社との競争激化が見込まれるため、営業・生産・技術一体となり、拡販の推進、省人化、最適地生産による生産体制の効率化に取り組むとともに、品質の向上についても引き続き取り組んでまいります。
電子機器部品事業では、スマートフォンの成長鈍化やハードディスクドライブ等の台数減少による需要の伸び悩みや、競争激化による販売価格の下落、季節的な需要変動の拡大等が課題になっております。これらに対応すべく、車載向けの拡販を推進してゆくと同時に、生産工程の自動化による生産体制の効率化に取り組んでまいります。
ロール事業では、事務機市場の成長鈍化、および競争激化による製品価格の下落により、販売の減少が想定されます。これらに対応すべく、営業・技術一体による競争力の向上により拡販を図るとともに、経営効率をより一層高めて収益力の向上を図ってまいります。
このような課題に対処するとともに、ますます拡大する海外事業の適切な管理、品質力の更なる向上や新商品の開発、並びにこれらを担う人材の育成に力を入れ、将来を見据えて当社グループが持続的に成長発展していけるよう、3カ年計画(平成26年度から平成28年度まで)を作成し、取り組んでおります。
下記方針に基づき、全社一丸となって邁進、努力していく所存であります。
〔スローガン〕
「持続性ある成長への基礎固め」
-現業の足固めと新商品・新ビジネスの創出
〔方針〕
1.もの作りの再点検
2.ダントツな品質への再挑戦
3.新商品・新技術・新ビジネスの創出
4.人材の活用・育成
当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクとして、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末(平成28年3月31日)現在において判断したものであります。
(1)自然災害等について
当社グループは、地震・台風・洪水等の自然災害や火災等の事故、感染症等の発生により、当社グループの生産活動や物流活動に支障をきたす事態に備えて、生産拠点の分散化や安全対策を行い事業継続のためにリスクの最小化に努めております。しかしながら、これらの事態の発生を完全に防止または軽減することができない可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)政治経済情勢について
当社グループは、日本、北米、欧州、中国、その他アジア諸国等において事業を展開しております。そのため、当社グループが製品を製造・販売している国や地域の政治情勢や経済状況の変動により、当社グループの業績及び財務状況は影響を受ける可能性があります。
(3)法的規制等の影響について
当社グループは、事業を展開する各国において様々な法規制の適用を受けております。将来においてこれらの法規制が改正・強化された場合、新たな規制を遵守するために発生する追加コストの負担は当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)訴訟その他の法的手続にかかわるリスクについて
当社グループが、各国で事業を遂行する上で、訴訟や規制当局による措置その他の法的手続の当事者となる可能性があります。これらの法的手続の結果、当社グループに対して金銭的な賦課や事業遂行に関する制約が課された場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)知的財産権侵害の影響について
当社グループは、特許権その他の知的財産権の取得により自社の保有技術を保護すると共に、第三者の知的財産権に対する侵害の予防にも注意を払っております。しかし、国情の相違等から当社グループの知的財産権の保護が十分に得られず販売減少や訴訟費用が発生した場合や、当社グループの製品が意図せず他社の知的財産権を侵害したために販売中止や賠償金支払が必要となった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)情報流出の影響について
当社グループは、事業を遂行する上で、技術情報や個人情報等の機密情報を有しております。これらの情報の外部流出防止のため社内体制・手続を構築しておりますが、予期せぬ事態により情報が外部に流出した場合、社会的信用の低下や賠償金支払等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7)製品の品質問題が及ぼす影響について
当社グループは、各生産拠点において世界的に認められた品質管理基準に従って製品を製造しておりますが、予測できない原因による製品の品質不具合の発生を皆無にすることは困難であります。万が一大規模なリコールや製造物賠償責任につながるような製品の不具合が発生した場合、多大な対応コストや社会的信用の低下により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)為替変動の影響について
当社グループの当期連結売上高に占める海外売上高比率は約7割であり、各地域における為替動向が、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。このため為替予約等によるリスクヘッジを行っておりますが、必ずしも為替リスクを完全に回避するものではないため、当社グループの業績及び財務状況は為替変動の影響を受ける可能性があります。
(9)金利変動の影響について
当社グループは、資金需要、調達手段、及び金融情勢を勘案し資金調達をしておりますが、金融情勢の変化により調達金利が変動した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10)株式市場の動向による影響について
国内外の株式市場の動向は、当社が保有する投資有価証券の評価額、及び当社グループの年金資産の運用状況に影響を及ぼします。株式市場が低迷した場合、投資有価証券の評価損が発生する可能性、及び年金資産が目減りし、会社負担が増大する可能性があります。
(11)原材料の価格変動について
当社グループの製品の主要原材料である鋼板・合成ゴム・銅箔・樹脂フィルム・金等の価格は、需給動向等により変動しております。これら原材料価格の変動が即座に製品価格に反映されるとは限らないため、原材料価格の変動により、当社グループの業績及び財務状況は影響を受ける可能性があります。
(12)顧客の業績への依存について
当社グループでは、シール製品及び電子機器部品の製造・販売が事業の大部分を占めており、これらの分野においては国内外の主要な自動車メーカー、建機メーカー、及び電子機器メーカー等を主な得意先としております。これらの顧客企業への売上は、その顧客企業の業績や予期しない契約の変更等、当社グループにて管理できない要因により影響を受ける可能性があります。このような顧客への売上減少により当社グループの業績及び財務状況は影響を受ける可能性があります。
(13)需要動向の変化による影響について
当社グループの主要製品であるオイルシール等については、主に内燃機関(エンジン)に用いられるものでありますが、近年においては燃料電池自動車、及び電気自動車も市場投入されております。そのため当社グループでは将来の普及に備え、燃料電池に搭載可能な新製品等に関する研究開発も進めております。しかしながら、現時点において将来、燃料電池自動車、及び電気自動車の普及が当社グループの業績及び財務状況に与える影響を見通すことは困難であります。
また、自動車、建機、電子機器製品、及び事務機のコモディティ化の流れの中で、新興国等での現地メーカーの台頭もあり、今後より一層の競争激化とそれに起因する価格下落が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(14)他企業との提携について
当社グループは、事業を展開する上で、他社と様々な提携活動を行っておりますが、提携先固有の事情による提携の解消等、当社グループで管理できない要因により業績及び財務状況に影響が及ぶ可能性があります。
とりわけ、当社は昭和35年よりフロイデンベルグ社(以降同社)との間で、資本及び技術提携を行っており、当社グループの事業展開において、同社(グループ企業含む)は、パートナー企業として重要な位置付けを有しております。
現在同社は、投資会社であるフロイデンベルグ・エス・エーを通じて当社発行済株式の25.1%を保有する筆頭株主であり、昭和35年の提携以降、同社との関係は継続しております。今後においても、同社との提携関係は安定的に継続していくものと当社グループは認識しておりますが、同社との提携関係又は同社の事業戦略等に変化が生じた場合においては、当社グループの事業に対して影響を及ぼす可能性があります。
当社グループ(当社及び連結子会社)が締結している重要な契約は次のとおりであります。
提出会社
①技術提携契約
|
相手先 |
国名 |
内容 |
契約日 |
|
フロイデンベルグ社 |
ドイツ連邦共和国 |
オイルシール、Oリング等のシール製品及びそれに関連する技術の導入及び供与 |
平成21年1月1日 |
②合弁契約
|
相手先 |
国名 |
内容 |
合弁会社名 |
契約日 |
|
フロイデンベルグ社 |
ドイツ連邦共和国 |
米国子会社(NOK Inc.)とフロイデンベルグ社の米国子会社によるオイルシール、Oリング等のシール製品並びに関連製品事業の合弁 |
フロイデンベルグ |
平成元年3月23日 |
当社グループは、当社技術本部及び連結子会社の各技術部門を中心に、相互連携を図りながら、担当分野に係る新技術・新製品等の開発活動を進めております。当連結会計年度の研究開発費の総額は、76億3千2百万円となっており、セグメント別の研究開発活動の状況は次のとおりであります。
(1) シール事業
「環境」、「安全」及び「IT化対応」を重点として、継続的に技術・製品開発を進めております。環境関連では、低摩擦損失による省エネルギー効果に寄与する製品、ハイブリッド(HEV)・電気自動車(EV)・燃料電池自動車(FCEV)に対応するクリーンな製品の開発を進めております。
安全やIT関連では、自動車制動関連の製品や電子部品との複合等による高付加価値製品の開発に取り組んでおります。
オイルシールにおいては、信頼性を維持しつつ摩擦力低減を狙った低摩擦シールで、従来のコーティングタイプに加えて、低摩擦力ゴム材料や子会社であるNOKクリューバー(株)と共同開発した低トルクグリースを組み合わせ、自動車用として市場投入しております。また、海外の新興国に向けた過酷な道路環境に対応する耐ダスト性が向上した製品も市場投入しております。
Oリングにおいては、環境対応の新冷媒対応シール材、組立性向上コーティング材を市場投入する一方で、燃料電池用水素ガス対応シール材の開発を進めております。
新商品関連では、EV/HEVに代表されるエコカーのニーズに対し、従来のシール製品群に加え、電子機器向けや電動ユニット向けのアイテムとして省スペースや低反力のガスケット、フレキシブル基板(FPC)一体シール部品を開発し、一部量産に至っております。さらに燃料電池自動車については、燃料電池セルスタック向けにシール部品を供給しており、量産化に向けた準備を進めております。
自動車以外に関しても、電子機器等向けに、電子部品との複合品や、抗菌や熱伝導等の付加価値のある製品開発に加え、ゴムや樹脂を利用したモールド技術により耐水性や対抗性、および耐衝撃性に優れたICタグの製品開発を行っており、一部量産に至っております。なおICタグについては今後さらに新しい分野での利用が期待されております。
化学合成品関係では、環境負荷の低減に対応した素材の開発や、フッ素系機能性化合物製品の開発とそれらの新規製造法を検討するとともに、生産プロセス面からも資源・省エネルギーや環境に配慮した商品開発を推進しております。
なお、当事業に係る研究開発費は58億6千1百万円であります。
(2) 電子機器部品事業
スマートフォン/タブレットなどの小型携帯電子機器向け、また、今後の成長電子市場である車載向けや医療・ヘルスケアに向けたFPCのプロセス/材料/部品実装開発及びFPCの新商品開発を推進しております。開発概要は、FPCの高精細/高機能化やモジュール化を実現するコア技術の確立であります。
小型携帯電子機器に向けては、配線の高密度化の要求が高まっており、超微細配線の形成に向けたセミアディティブプロセスにおいて基礎検討を終了し、顧客試作対応に向けたプロセス構築を進めております。また、ビアの小径化に向けたレーザ加工に関して、新技術の量産適用および、更なる小径化対応を進めております。
信号の高周波化・データの大容量化対応に関しては、ベース樹脂にLCP(液晶ポリマー)を適用した高周波対応FPCを商品化し、顧客対応を進めております。また、近年着目されているウエアラブル電子機器に向けた新規技術開発・試作を実施しております。
また、ロボットやスマートフォン等のスイッチ用途に新たなUI(ユーザーインターフェース)として、薄く且つ曲面へ装着できる感圧FPCに関して、顧客開発試作・評価に入っております。
車載用途に向けて、FPCとケーブル、FPCと機器間の高信頼性接続技術を開発しており、各顧客への技術紹介を推進しております。
メディカルヘルス市場向けに、従来の曲げ・屈曲に加えて関節やジョイント部に適用可能な伸縮性を持つプリーツ型成形FPCの商品化を進めております。現在、ロボット・マイクロメカトロニクス分野への展開を推進中であります。
また、従来特性には無かった、基材のエラストマーだけでなく、配線自体も伸縮性を持つストレッチャブルFPCを開発し、透湿性、肌への密着性の付与により違和感のない装着感を備えた、精度の高いバイタルデータセンシングを可能とするストレッチャブルFPCの商品化を進めております。今後市場が拡大するウエアラブル電子機器、医療・メディカル用途への適合性があるものとして、各顧客への紹介を始めました。
なお、当事業に係る研究開発費は15億7千4百万円であります。
(3) ロール事業
事務機業界では、最近の市場動向として中国・ASEAN地区への生産二極化の進展、また低価格分野向けを中心にローカル部品メーカーの参入などが顕著な動きとなってきています。
一方、事務機の機能トレンドである高速化、高画質化を目的として低熱容量タイプトナーへの変更等の機種開発が進められており、使用される部品についても従来仕様以上の機能を要求されております。弊社の主要製品であります帯電ロールや現像ロール、クリーニングブレードでは顧客要求機能に合わせて表面改質の技術開発に取り組み、量産展開を進めています。
このように、カラー複合機やカラープリンタの高速機等、高い機能、品質を求められる分野に於いて、ローカルメーカーとの差別化をしていくと共に、海外でより安定した生産と、生産性の高い工法採用を進めてまいります。
なお、当事業に係る研究開発費は5千9百万円であります。
(4) その他事業
潤滑剤関係では、摩擦摩耗現象や低摩擦化メカニズム解析に基づいた高付加価値製品の研究開発を推進しております。自動車業界や一般産業機械業界向けオイル・グリースについては、省エネルギーや快適性向上に寄与する製品開発を推進しております。一方、固体潤滑被膜であるコーティング剤についても更なる高機能化(低摩擦摩耗化)を目的とした新しいコーティング剤ならびに処理工法の開発に注力しております。
なお、当事業に係る研究開発費は1億3千7百万円であります。
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。
その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的・保守的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
①財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、6,969億8千9百万円となり、前連結会計年度末対比で580億9千4百万円の減少となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が減少したこと、および株価の下落に伴い投資有価証券勘定の時価評価額が減少したことによるものです。
(負債)
負債合計は、2,635億8千5百万円となり、前連結会計年度末対比287億4千4百万円の減少となりました。これは主に、買掛金が減少したこと、および短期借入金の返済が進んだことによるものです。
(純資産)
純資産は、その他の包括利益累計額の減少、および親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加により、前連結会計年度末対比293億5千万円減の4,334億4百万円となり、自己資本比率は56.7%となりました。
②キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1.業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」に記載しております。
③経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は7,461億4千7百万円(前年同期比7.6%の増収)となりました。セグメント別の売上高の状況は「第2 事業の状況 1.業績等の概要(1)業績」に記載しております。
損益面では、営業利益は、482億5千8百万円と前年同期比で188億2千7百万円の減益(前年同期比28.1%の減益)となりました。
営業外収支(収益費用の純額)については当連結会計年度54億6千8百万円の収益となり、前年同期比で82億2千1百万円収支が悪化いたしました。これは主に、前連結会計年度においては為替差益を計上しておりましたが、当連結会計年度においては為替差損を計上したことによるものです。
特別損益の収支(利益損失の純額)については当連結会計年度58億8千7百万円の損失となり、前年同期比で38億円収支が悪化いたしました。これは主に、当連結会計年度において計上した固定資産除売却損が前連結会計年度より増加したこと、および当連結会計年度において投資有価証券評価損を計上したことによるものです。
税金等調整前当期純利益に対する法人税等の負担率は、当連結会計年度29.3%(前連結会計年度33.7%)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、300億5千3百万円となり、前年同期比で167億5千9百万円の減益(前年同期比35.8%の減益)となりました。1株当たり当期純利益は173円97銭と前年同期比で97円24銭減少いたしました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。