第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

企業は株主・従業員・社会の三者の共有物である、というのがNOKグループの基本的考え方であります。これに顧客・仕入先・金融機関等を加えた利害関係者、いわゆるステイクホルダーの方々が誇りを持てる企業、それがNOKグループの目指すべき姿と考えております。そのためには、「技術に裏打ちされた独自性のある、かつ社会に有用な商品を世界中で安くつくり適正価格で売る」ことにより高い収益力を持つ強い企業集団をつくりあげることが重要と考え、この考えに基づき事業経営を展開しております。

 

(2)目標とする経営指標

中長期的にはROA5%以上、自己資本比率50%以上を目標としております。しかし現在は収益力が落ち込んでいるため、自己資本比率以外は短期的な目標たりえず、まずは各セグメントでの売上高利益率の回復に専念したいと考えております。

 

(3)経営環境及び対処すべき課題等

今後の当社グループを取り巻く経営環境につきましては、新型コロナウイルス感染症の収束とともに経済活動は徐々に持ち直していくとみられますが、金融市場の変動や中国におけるロックダウン、ロシア・ウクライナ情勢の動向により、先行き不透明な状況となっております。

 

シール事業では、自動車向けについては、半導体等の部品供給不足の解消や各国の景気刺激策等を背景に、国内外での自動車需要が増加し、販売は増加するとみられます。一般産業機械向けについても、建設機械や農業機械、工作機械、ロボット向け等の需要が引き続き好調を維持し、販売は増加するとみられます。一方で、依然として継続する世界的な原材料の価格高騰や供給懸念、地政学的なリスクによる影響等、外部環境の不透明感が強い状況が見込まれているため、これらの変化に対して迅速に対処してまいります。また、今まで以上に安定した品質・安定した製品供給が実現できる生産体制を構築するとともに、自動車の電動化等の中長期的な事業環境の変化に対応するべく、新事業・新商品の開拓にも取り組んでまいります。

 

電子部品事業では、電動車向け製品のさらなる拡販により、販売は増加するとみられますが、シール事業と同様に、外部環境の不透明感が強い状況が見込まれております。一方で、高機能スマートフォンの需要変動、拡大する電動車向け需要への対応が課題となっております。これらに対処すべく、需要変動の少ない事業領域を拡大することで変動の影響を受けにくい体質作りを進めるとともに、地産地消の考え方をもとにした最適地生産により、世界各地で拡大していく電動車の需要に対応してまいります。

 

その他事業では、特殊潤滑剤事業は、一般産業機械向けの需要が引き続き好調を維持するとみられます。ロール事業は、従来からの事務機市場の成長鈍化に加え、新型コロナウイルスの影響による働き方の変革によりプリンターおよび消耗品の需要減少が継続する懸念があり、適正かつ需要に見合った体質とすることが課題となっております。これらに対応すべく、営業・技術・生産一体となり、生産性の改善や品質・コスト面での競争力向上を進め、経営効率をより一層高めて収益力の向上に取り組んでまいります。

 

こうした厳しい経営環境の中、新型コロナウイルスの感染への対応を図るとともに、ますます拡大する海外事業の適切な管理や新商品開発による販売強化、品質力のさらなる向上、自然災害等に備えたBCM(事業継続マネジメント)の運用、業務の効率化、デジタル化の推進、ならびにこれらを担う人材の育成に力を入れ、将来を見据えて当社グループが持続的に成長発展していけるよう、下記方針に基づき3カ年計画(2020年度から2022年度まで)に取り組み、全社一丸となって邁進、努力していく所存であります。

 

3カ年計画スローガン(基本方針)

「変化への柔軟な対応と“持続性ある企業”への再挑戦」

 

方針

(1)特定顧客依存からの脱却-拡販と新事業の創出による拡大均衡

(2)品質の原点回帰

(3)実効性あるBCMの運用

(4)競争力向上、収益改善に繋がる業務のデジタル化推進

(5)人間尊重経営の実践-活力に溢れた人づくり、柔軟・多様な働き方の導入

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のものがあると考えております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

当社では、グループ全体に関わるリスク管理の基本方針や管理体制について「リスク管理規程」で定め、その規定に基づき、社長をリスクマネジメント責任者とした管理体制を構築し、グループのリスク管理を推進しています。当社の考える、会社経営に影響を及ぼす可能性がある事業等のリスクには、企業価値向上のためリスクとのバランスを図りつつリターンの最大化を図っていく「事業戦略リスク」と、企業価値の維持のためにその発生防止もしくは発生確率・損失の極小化を図るべき「損失発生リスク」があると考えています。更に前者の「事業戦略リスク」は、戦略リスク・投資リスク・市場リスクに区分し、後者の「損失発生リスク」は、法的リスク・カントリーリスク・災害リスク・信用リスクに区分してリスクマネジメントを実施しています。

「事業戦略リスク」については、グループの経営戦略を検討する会議にて、グループ会社における事業の推進、新規案件等でのリスクを把握し、最大のリターンが適時・適切に得られるよう審議を行なっています。「損失発生リスク」については、リスクマネジメント責任者を補佐する機関として、危機管理室長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」を設置し、定期的にグループの当該リスクの洗い出し、分析、発生頻度(時期)や損失規模(損害額)を想定したリスクレベル評価による定量化を行ない、その重要性・緊急性を考慮し優先順位を付けて課題・対応策の検討を行なっています。

 

NOKグループ リスクマネジメント体制

 

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(1)新型コロナウイルス感染症に関するリスク

 当社グループでは、新型コロナウイルスの感染の収束が見えない中、お客様、取引先様、従業員を含めた、ステークホルダーの安全の確保を第一に感染拡大防止に向けた施策を実施しています。感染拡大防止の施策として、「新型コロナウイルス対応マニュアル」の策定、在宅勤務や時差出勤等の実施、リモートワークツール等の積極的な活用により業務を継続できる環境を確保する対応を行なっております。各生産拠点では、各国・地域の政府や自治体の指導に基づいた感染拡大防止対策を徹底しながら、生産活動の維持に努めています。

 上記の通り、各種対策を講じて新型コロナウイルス感染症の影響の極小化を図っておりますが、現時点では今後の感染拡大の規模や収束時期の見通しは立っておらず、今後更に感染拡大または長期化した場合は、当社グループを取巻く経済環境または事業環境が悪化することにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業戦略リスク

①戦略リスク

a.顧客の業績への依存について

当社グループでは、シール製品及び電子機器部品の製造・販売が事業の大部分を占めており、これらの分野においては国内外の主要な自動車メーカー、建機メーカー、及び電子機器メーカー等を主な得意先としております。これらの顧客企業への売上は、その顧客企業の業績や予期しない契約の変更等、当社グループにて管理できない要因により影響を受ける可能性があります。このような顧客への売上減少により当社グループの業績及び財務状況は影響を受ける可能性があります。当社グループではバランスの取れた顧客構成を志向し、当該顧客企業への売上減少のリスクが最小限となるよう努めております。

b.他企業との提携について

当社グループは、事業を展開する上で、他社と様々な提携活動を行っておりますが、提携先固有の事情による提携の解消等、当社グループで管理できない要因により業績及び財務状況に影響が及ぶ可能性があります。

とりわけ、当社は1960年よりフロイデンベルグ社(以下同社)との間で、資本及び技術提携を行っており、当社グループの事業展開において、同社(グループ企業含む)は、パートナー企業として重要な位置付けを有しております。

現在同社は、投資会社であるフロイデンベルグ・エス・エーを通じて当社発行済株式の25.1%を保有する筆頭株主であり、1960年の提携以降、同社との関係は継続しております。今後においても、同社との提携関係は安定的に継続していくものと当社グループは認識しておりますが、同社との提携関係又は同社の事業戦略等に変化が生じた場合においては、当社グループの事業に対して影響を及ぼす可能性があります。

②投資リスク

a.需要動向の変化による影響について

当社グループの主要製品であるオイルシール等については、主に内燃機関(エンジン)に用いられるものでありますが、近年においては燃料電池自動車、及び電気自動車も市場投入されております。そのため当社グループでは将来の普及に備え、燃料電池自動車や電気自動車に搭載可能な新製品等に関する研究開発も進めております。しかしながら、現時点において将来、燃料電池自動車、及び電気自動車の普及が当社グループの業績及び財務状況に与える影響を見通すことは困難であります。

また、自動車、建機、電子機器製品、及び事務機のコモディティ化の流れの中で、新興国等での現地メーカーの台頭もあり、今後より一層の競争激化とそれに起因する価格下落が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

③市場リスク

a.為替変動の影響について

当社グループの当期連結売上高に占める海外売上高比率は約7割であり、各地域における為替動向が、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。このため為替予約等によるリスクヘッジを行っておりますが、必ずしも為替リスクを完全に回避するものではないため、当社グループの業績及び財務状況は為替変動の影響を受ける可能性があります。

b.金利変動の影響について

当社グループは、資金需要、調達手段、及び金融情勢を勘案し資金調達をしておりますが、金融情勢の変化により調達金利が変動した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

c.株式市場の動向による影響について

国内外の株式市場の動向は、当社が保有する投資有価証券の評価額、及び当社グループの年金資産の運用状況に影響を及ぼします。株式市場が低迷した場合、投資有価証券の評価損が発生する可能性、及び年金資産が目減りし、会社負担が増大する可能性があります。

d.原材料の価格変動について

当社グループの製品の主要原材料である鋼板・合成ゴム・銅箔・樹脂フィルム・金等の価格は、需給動向等により変動しております。これら原材料価格の変動が即座に製品価格に反映されるとは限らないため、原材料価格の変動により、当社グループの業績及び財務状況は影響を受ける可能性があります。原材料価格変動の状況を鑑み、当社グループでは原材料を安定且つ継続的に供給いただける事業パートナーを国内に限らず広く世界中に求めております。

(3)損失発生リスク

 「損失発生リスク」については、会社経営に重大な影響を及ぼす可能性のある危機の種類、及びそれを発生させる原因に基づき下記の通り区分を行なっております。

 

<会社経営に重大な影響を及ぼす可能性がある危機・リスク区分>

危機の種類

原因

リスク区分

操業停止

火災・爆発

・災害リスク

・カントリーリスク

自然災害(地震・水害等)

病気(新型コロナウイルス、新型インフルエンザ、SARS等)

材料供給停止

不法な業務妨害

ライフライン途絶

法令違反等の発生

司法(犯罪・利益供与等)

・法的リスク

・信用リスク

税務(税法違反等)

会社法・金融商品取引法(株主代表訴訟等)

環境(汚染等)

労働法(労基法違反・セクハラ等)

従業員の死亡、重大な障害の発生、又はその恐れがある場合

労働災害

・災害リスク

・カントリーリスク

交通事故

自然災害(地震・水害等)

火災・爆発

海外での戦争・暴動・テロ・誘拐等

訴訟

・法的リスク

その他会社に重大な影響を及ぼす事項

重要な機密情報の紛失・漏洩

・信用リスク

重大な品質問題

・信用リスク

その他

・各種リスク

 

 各本社機能部門(業務統括部門)は、想定される各リスクの評価について、予防対策を行なう前の素のリスクのことを「固有リスク」として、発生頻度を1年あたりの平均発生回数をもとに4段階で評点化し、それに損失規模を1回あたりの損害金額(直接の経済的損失額)をもとに5段階で評点化したものを乗じて算出しています。また、予防対策(ソフト面・ハード面)、保険・その他のヘッジについて有効性の評価(4段階にて評点化)を行ない、「固有リスク」からそれを除したものを対策後の「残余リスク」※1として定量評価を実施しています。この「固有リスク」と「残余リスク」の評点を踏まえ重要性・緊急性を考慮し、抑え込みたいリスク項目に優先順位付けを行ない、重要なリスクについては各部門にてリスク管理項目に掲げて対策を実施しています。また、定期的に各リスク項目の評価を行ない、管理項目および対策内容の見直しを実施し、継続的にリスク管理を行なっております。

  (注)※1:残余リスク = 固有リスク(発生頻度×損失規模)- 対策の有効性

 

 各区分における重要なリスクが現実化し損失が発生する可能性、ならびに現在実施している予防対策・リスクヘッジは以下の通りです。

①法的リスク

a.法的規制等の影響について

当社グループは、事業を展開する各国において様々な法規制の適用を受けております。法令に準じた社内規程やマニュアルの整備、各種教育によるコンプライアンス意識の醸成・周知徹底、外部専門家との連携体制の構築を図っておりますが、将来においてこれらの法規制が改正・強化された場合、新たな規制を遵守するために発生する追加コストの負担は当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

b.訴訟その他の法的手続にかかわるリスクについて

当社グループが、各国で事業を遂行する上で、グループ内部統制の体制の整備、外部専門家との連携体制の構築、各種保険への加入等によるリスクヘッジを行なっておりますが、訴訟や規制当局による措置その他の法的手続の当事者となる可能性があります。これらの法的手続の結果、当社グループに対して金銭的な賦課や事業遂行に関する制約が課された場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

c.知的財産権侵害の影響について

当社グループは、特許権その他の知的財産権の取得により自社の保有技術を保護すると共に、第三者の知的財産権に対する侵害の予防にも注意を払っております。しかし、国情の相違等から当社グループの知的財産権の保護が十分に得られず販売減少や訴訟費用が発生した場合や、当社グループの製品が意図せず他社の知的財産権を侵害したために販売中止や賠償金支払が必要となった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

d.環境規制が及ぼす影響について

当社グループは、各拠点における環境関連法令を遵守し、かつ顧客からの環境に関わる要請に対応するために必要な処置を講じておりますが、将来において法令や顧客要請が強化される、環境責任が発生する、事業活動が制約を受ける等の可能性があります。その対応の費用が多額となる場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

②カントリーリスク

a.政治経済情勢について

当社グループは、日本、北米、欧州、中国、その他アジア諸国等において事業を展開しております。そのため、当社グループが製品を製造・販売している国や地域の政治情勢や経済状況の変動により、当社グループの業績及び財務状況は影響を受ける可能性があります。

③災害リスク

a.自然災害等について

当社グループは、地震・台風・洪水等の自然災害や火災等の事故、感染症等の発生により、当社グループの生産活動や物流活動に支障をきたす事態に備えて、生産拠点の分散化や安全対策を行い事業継続のためにリスクの最小化に努めております。しかしながら、これらの事態の発生を完全に防止または軽減することができない可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

④信用リスク

a.情報流出の影響について

当社グループは、事業を遂行する上で、技術情報や個人情報等の機密情報を有しております。これらの情報の外部流出防止のため社内体制・手続を構築しておりますが、予期せぬ事態により情報が外部に流出した場合、社会的信用の低下や賠償金支払等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

b.サイバー攻撃等の影響について

当社グループは、悪意のあるサイバー攻撃等による、操業停止、重要データの喪失、情報漏洩に対して、外部機関等を活用した調査・予防措置を実施しておりますが、未知の方法のサイバー攻撃により操業に影響を及ぼす可能性があります。

c.製品の品質問題が及ぼす影響について

当社グループは、各生産拠点において世界的に認められた品質管理基準に従って製品を製造しておりますが、予測できない原因による製品の品質不具合の発生を皆無にすることは困難であります。万が一大規模なリコールや製造物賠償責任につながるような製品の不具合が発生した場合、多大な対応コストや社会的信用の低下により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

当社グループでは、各リスクに対する上記の予防対策にもかかわらず、顕在化された「損失発生リスク」が会社経営に重大な影響を及ぼす緊急事態が発生した場合は、直ちに緊急対策本部を設置しグループ全体で迅速に対応を行うことにより、可能な限り事業継続を図り、顧客等のステークホルダーへの影響を最小化することに努めています。

また、当社グループの事業の継続に障害となる事象(災害リスク)が発生した場合に、事業継続を確実にすると共に事業継続活動を継続的、かつ効果的に推進するための「事業継続マネジメントシステム」を構築し、その推進機関である「NOKグループBCM委員会」を設置して、事業継続計画(BCP)の立案、及び事業継続マネジメント(BCM)活動を推進しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の度重なる発出で、経済活動の停滞と再開が繰り返されました。ワクチン接種が進む中で 景気回復の兆しがみられる一方、半導体をはじめとする部材の供給不足や原材料価格の高騰に加え、中国におけるロックダウンやロシア・ウクライナ情勢の影響で、先行きは一層不透明な状況となっております。

 

自動車業界は、昨年は新型コロナウイルス感染症の影響で国内外の需要が落ち込みましたが、当連結会計年度では年間を通して回復傾向が続きました。一方、半導体等の部品供給不足が深刻化したことや東南アジア地域での新型コロナウイルス感染再拡大によるロックダウン等が重なり、足元では国内外で自動車の減産が続きました。

電子機器業界は、一部に半導体不足の影響はあるものの、スマートフォン、ハードディスクドライブの生産台数は横ばいで推移しました。

 

このような環境の中、当社の当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、857,324百万円となり、前連結会計年度末対比で54,324百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が減少したものの、棚卸資産、受取手形及び売掛金と有形固定資産が増加したことによるものです。

負債合計は、302,969百万円となり、前連結会計年度末対比2,082百万円の増加となりました。これは主に、短期借入金が減少したものの、買掛金、未払法人税等と繰延税金負債が増加したことによるものです。

純資産は、前連結会計年度末対比52,241百万円増の554,355百万円となり、自己資本比率は58.6%となりました。これは主に、配当の支払いはあったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等で利益剰余金が増加したことや為替相場の変動に伴い為替換算調整勘定が増加したことによるものです。

 

b.経営成績

当社の経営成績は以下のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。

 

シール事業におきましては、自動車向けは、半導体等の部品供給不足や東南アジア地域での新型コロナウイルス感染拡大はあったものの、需要の回復幅が大きく、販売は増加しました。一般産業機械向けも、建設機械をはじめ、工作機械、ロボット等の市場が好調を維持し、販売は増加しました。

その結果、売上高は336,189百万円(前年同期比14.7%の増収)となりました。営業利益は、原材料価格の高騰、人件費・経費の増加があったものの、増収の効果により、35,482百万円(前年同期比53.0%の増益)となりました。

 

電子部品事業におきましては、半導体等の部品供給不足による減産の影響が一部にあるものの、需要の回復により、高機能スマートフォン向け、ハードディスクドライブ向けの販売が増加しました。また、自動車向けは、需要の回復に加え、電動車向け製品の拡販により販売が増加しました。

その結果、売上高は、320,942百万円(前年同期比13.9%の増収)となりました。営業損失は、人件費・経費の増加があったものの、増収の効果により、5,040百万円(前年同期は8,371百万円の営業損失)となりました。

 

ロール事業等のその他事業におきましては、ロール事業は、新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んでいた複合機および補修用部品の需要が回復傾向にあり、販売が増加しました。特殊潤滑剤事業につきましても、一般産業機械向け等の需要が好調だったことにより、販売は増加しました。

その結果、売上高は25,375百万円(前年同期比17.6%の増収)となりました。営業利益は893百万円(前年同期は361百万円の営業損失)となりました。

 

以上の結果、当社グループの経営成績は、売上高は682,507百万円(前年同期比14.4%の増収)、営業利益は31,337百万円(前年同期比116.6%の増益)、経常利益は46,168百万円(前年同期比151.8%の増益)、親会社株主に帰属する当期純利益は25,835百万円(前年同期は1,361百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)の残高は、前連結会計年度末に比べ9,137百万円減少し111,247百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕

営業活動の結果、得られた資金は、54,999百万円(前年同期比20.0%の増加)となりました。これは主として、業績の回復を背景とした税金等調整前当期純利益の計上によるものです。

〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕

投資活動の結果、使用した資金は、37,972百万円(前年同期比102.8%の増加)となりました。これは、コロナ禍の影響を鑑み圧縮していた投資を徐々に緩和したことが主たる要因です。

 〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕

財務活動の結果、使用した資金は、32,070百万円(前年同期は5,884百万円の収入)となりました。これは、コロナ禍の影響を鑑み実施した短期借入を返済したことが主たる要因です。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

(百万円)

前年同期比(%)

シール事業

347,981

118.7

電子部品事業

324,211

114.3

その他事業

25,531

124.1

合計

697,724

116.8

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。

2.上記中には商品仕入高を含んでおりますが、当社グループにおいては仕入販売事業の事業規模には金額的重要性はありません。

 

b.受注実績

当社グループは、主として得意先より生産計画の内示を受け、それに基づく見込み生産を行っているため記載しておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

(百万円)

前年同期比(%)

シール事業

336,189

114.7

電子部品事業

320,942

113.9

その他事業

25,375

117.6

合計

682,507

114.4

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

  至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

Apple Inc.

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

87,537

14.7

102,233

15.0

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

当連結会計年度における当社グループの状況は半導体等の部品供給不足の深刻化、東南アジア地域での新型コロナウイルス感染再拡大の影響を受けましたが、国内外の需要回復により、売上・営業利益共に、前年対比で増収増益となりました。

 

セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

シール事業におきましては、上期に自動車向け及び一般産業機械向け共に前年同期対比で増収となりました。下期には半導体不足等を起因とした顧客の減産影響を受けましたが、通期の売上は前年対比で増加しました。営業利益は、原材料価格の高騰や人件費・経費の増加があったものの、増収効果により前年対比で増益となりました。尚、需要の回復を受け、当期より投資凍結を解除し、中国及びベトナム工場等の生産能力増強を図っております。

 

電子部品事業におきましては、電動車向け製品の拡販もあり、自動車向け売上が増加しました。また、高機能スマートフォン・ハードディスクドライブ向けの販売も増加し、通期の売上は前年対比で増加しました。営業損失については、前年対比で改善しております。引き続き、新規拡販に加え、構造改革の推進及び固定費管理により収益力の向上を進めてまいります。

また、当社では新商品・新事業創出について、当期も力を入れてまいりました。特にライフサイエンス市場を注目分野として捉え、シール事業及び電子部品事業で培った技術と経験のシナジー効果や他社との協業等により新商品を複数上市しております。さらに、カーボンニュートラルの実現に貢献するため、使用原料の製造過程におけるCO2排出量を従来品と比べて40%削減できるバイオマス由来の原料を使用したEPDMを開発いたしました。自社独自開発に加えて外部協業を進めることで今後も引き続き新商品・新事業創出に注力していきます。

 

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」で述べましたとおり、以下が主なものとなります。

 

a. 新型コロナウイルス感染症に関するリスク

b. 顧客の業績への依存

c. 他企業との提携

d. 需要動向の変化による影響

e. 為替変動の影響

f. 金利変動の影響

g. 株式市場の動向による影響

h. 原材料の価格変動

i. 法的規制等の影響

j. 訴訟その他の法的手続にかかわるリスク

k. 知的財産権侵害の影響

l. 環境規制が及ぼす影響

m. 政治経済情勢による影響

n. 自然災害等による影響

o. 情報流出の影響

p. サイバー攻撃等の影響

q. 製品の品質問題が及ぼす影響

 

当社グループでは、ますます拡大する海外事業の適切な管理や新商品開発による販売強化、品質力のさらなる向上、自然災害等に備えたBCM(事業継続マネジメント)の運用、業務の効率化、デジタル化の推進、ならびにこれらを担う人材の育成に力を入れ、将来を見据えて当社グループが持続的に成長発展していけるよう、取り組んでおります。

 

また、経営成績に影響する各種リスクを回避できるよう、引き続き経営者として努力してまいりますとともに、企業目的である「全てのステークホルダーに利益と誇りをもたらす」、そのための経営方針である「品質向上のための研究を重ね、技術に裏打ちされた独自性のある、かつ社会に有用な商品を世界中で生産・販売すること」の具現化に努めてまいります。

 

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 

 当社グループとしては中長期的な経営上の目標として、収益性を表す指標としてROA5%以上、経営の安全性を表す指標として自己資本比率が50%の維持を掲げています。これらを達成した結果として、一般的に優良企業と目されるROE10%に届くことになります。

 

経営目標

目標水準

2021年度(実績)

ROA

5%

3.1%

自己資本比率

50%

58.6%

ROE

10%

5.4%

 

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フロー

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.契約債務

 2022年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。

 

年度別要支払額(百万円)

契約債務

合計

1年以内

1年超3年以内

3年超5年以内

5年超

短期借入金

60,545

60,545

長期借入金

10,398

8,628

1,770

 

c.財務政策

 財務政策としては、良好な財務体質と資本効率を両立しつつ、企業価値向上のために経営資源を配分することを基本方針としており、具体的な指標としてROA5%以上、自己資本比率50%以上の水準を中長期的な目標としています。

 経営資源の配分については、安定的な経営に必要な手元現預金水準を維持しつつ、設備投資等、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めます。

 設備投資は、将来にわたり長期安定的な利益を生み出すため、新商品・新ビジネスへの対応や、付加価値の内部取り込みといった目的の投資の他、品質向上及び省人化の投資、また計画的な設備の老朽化更新といった投資が主な内容となっております。

 各年度の設備投資額はフリーキャッシュ・フロー黒字の範囲内を原則とし、十分な水準の手元流動性を確保するよう努めておりますが、不足する運転資金、設備投資資金については金融機関からの借入により調達しています。

 株主還元については、中長期的な業績に対応して一定水準の安定した配当を継続することが大切であると考えております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

4【経営上の重要な契約等】

当社グループ(当社及び連結子会社)が締結している重要な契約は次のとおりであります。

提出会社

①技術提携契約

相手先

国名

内容

契約日

フロイデンベルグ社

ドイツ

連邦共和国

オイルシール、Oリング等のシール製品及びそれに関連する技術の共同開発

2017年12月21日

 

②合弁契約

相手先

国名

内容

合弁会社名

契約日

フロイデンベルグ社

ドイツ

連邦共和国

米国子会社(NOK Inc.)とフロイデンベルグ社の米国子会社によるオイルシール、Oリング等のシール製品並びに関連製品事業の合弁

フロイデンベルグ

NOK GP

1989年3月23日

 

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、当社技術本部及び連結子会社の各技術部門を中心に、相互連携を図りながら、担当分野に係る新技術・新製品等の開発活動を進めております。当連結会計年度の研究開発費の総額は、10,410百万円となっており、セグメント別の研究開発活動の状況は次のとおりであります。

 

 (1)シール事業

「環境」、「安全」及び「自動運転」対応を重点として、継続的に技術・製品開発を進めております。

環境関連では、低摩擦損失による省エネルギー効果に寄与する製品、電気自動車(EV)・ハイブリッド(HEV)・燃料電池自動車(FCV)に対応するクリーンな製品の開発を進めております。

安全や自動運転対応では、自動車制動関連の製品や電子部品との複合等による高付加価値製品の開発に取り組んでおります。

オイルシールにおいては、多様化する省エネニーズへの貢献を加速させるため、低フリクションの技術ブランドLe-μ’s(商標)へのラインナップ拡充を図っていきます。特に、低摩擦化を追求したコーティング技術などの応用により、e-Mobility関連をはじめ、建機・農機用シールなどの製品開発も進めております。

Oリングにおいては、低摩擦技術によるLe-μ’sブランドにCNT添加Ovalリングを加えました。また、e-Mobility関連製品、燃料電池関連製品や低燃費に貢献できる各種機能を向上させる製品の開発によりカーボンニュートラルに対する貢献を目指しております。

自動車用自動変速機の回転軸用シールリングにおいては、アイドリングストップ車に対応した低リークシールリングCS-Ringを開発し、従来品対比で最大80%の低リーク効果がある製品を市場投入しております。低リークに加えて低トルクの仕様開発も進めており、更なる省燃費・省電費に貢献するシールの開発を進めております。

新商品関連では、EV/HEV/FCVに代表されるエコカーのニーズに対し、従来のシール製品群に加え、電子機器や電動ユニット向けにFPC一体シール部品、および放熱をサポートする熱伝導性部品の販売を開始しました。さらに燃料電池の中核を成すスタック向けに低反力・省スペースのシール部品を開発し、一部顧客向けに量産しております。

また、自動運転に代表される先進運転支援システム(ADAS)の中では、ドライバモニタリング技術も必要とされており、我々の開発した生体信号を測定できるゴム電極は心電、筋電位、脳波等のモニタリングが可能であり、運転者の疲労や眠気の検知への利用が期待されています。

自動車以外の分野においては、「環境・エネルギー」「情報通信」「ライフサイエンス」市場に注目しており、ゴムや樹脂のモールド技術を用いて耐候性や耐衝撃性を向上させた物品管理用ICタグや、医療・バイオ分野に向けた解析評価用のデバイスなど、より付加価値の高い製品開発を進めております。

化学合成品関係では、環境負荷の低減に対応した素材の開発や、フッ素系機能性化合物製品の開発とそれらの新規製造法を検討するとともに、生産プロセス面からも資源・省エネルギーや環境に配慮した商品開発を推進しております。

なお、当事業に係る研究開発費は8,635百万円であります。

 

 

 (2)電子部品事業

成長電子市場である小型携帯電子機器・自動車・医療・ヘルスケアの各分野に向けたフレキシブル配線板(FPC)の新商品開発を推進しております。

小型携帯電子機器については、5Gにより高速・大容量通信が開始されたことから高速伝送FPCを商品化しています。これは、アンテナと回路間の接続用アンテナケーブルに使用され、5G用チップセットメーカーからサプライヤー認定を受け、商品化しています。最近では、機器内の省スペース化・組込み性向上に向けて、アンテナケーブルとUSB等の高速デジタル信号用ケーブルを一体化する検討を推進しており、今後、標準搭載が見込まれるUWB(Ultra Wide Band:超広帯域無線通信)アンテナとケーブルを一体化したFPCの開発も開始しました。

商品展開としては、6GHz以下の「SUB-6」にはMPI(モデファイドポリイミド)を用いたFPCを、さらに高い周波数の「ミリ波帯」にはLCP(液晶ポリマー)を用いたFPCを商品化しています。50GHz以上の超高周波帯に向けては、フッ素系材料を適用したFPCの開発を進めています。

自動車向けには、拡大する電動車両向けの商品開発を推進しております。BEV、HEVに搭載されます駆動用バッテリー向けには、その電圧を監視するFPCおよびそのモジュール製品の商品化を行い、大型化や、急激な需要増に対応した高生産設備の開発を行っております。また、エンジン熱源の無いBEV用には低消費電力で薄型化できるFPC製ヒーターを開発し、今年量産を開始しました。

新しい取り組みとしては、従来からの商品群であるガスケット一体FPCの車載展開を進めており、対象ユニット毎に耐油性、低湿度透過、電磁波シールドなどを付与したゴム材料の開発とその商品化を推進しております。

医療用においても、診断装置や処置機器等へFPCの採用が始まっております。CTスキャナ・超音波診断装置等の動画・静止画が4K/8K対応へ高画質化が進んできており、センサを実装するFPCには高精細配線が必要となってきております。そこで、微細パターンを作成するためセミアディティブ工法の技術検討を行い、昨年よりCTスキャナ用に微細FPCの量産を開始しました。

積極的な医療行為をする機器の一つである手術支援ロボットは、複数メーカーが開発を進めております。FPCの柔らかさ・高密度配線の特徴を生かし内視鏡側では従来のワイヤーハーネスでは成し得なかった小型化・高屈曲を実現しました。操作側においても、FPCの低反力性により操作性が滑らかになり、力覚の再現にも寄与しています。商品開発においては3D設計や最適材料のご提案も行っています。

医療・ヘルスケア分野に向けては、FPCの技術を使った商品開発を進めております。脳波信号を取得するセンサシート向けに伸縮性のある基材と配線を組み合わせた伸縮FPCの量産をしており、新モデルにおいても採用となりました。さらに次機モデルに向け、センサシート電極と生体を接続するための生体導電粘着剤開発を進めています。これらの組合せは、EMS(電気筋肉刺激)電極シートへの展開も可能となり、あたらしいビジネスを模索してまいります。

また、FPC技術を応用し、オムツ内で排尿を検知するセンサデバイスの開発を進めています。要介護者のオムツ確認、モレ対応、記録など、介護者の負担軽減が期待でき、介護施設への展開を予定しています。

なお、当事業に係る研究開発費は、1,074百万円であります。

 

 (3)その他事業

事務機業界では、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響により、働き方改革によるリモートワークの進展、ペーパーレス化の加速等々、需要が減少しました。事務機の開発トレンドは、高機能機種の更なるセキュリティー強化・ネットワーク機能拡充・高速化・高画質化・高耐久化・省エネ化を目指し機構変更やVE/VAを推進しています。弊社は高機能部品に特化した製品群に焦点を絞り、新製品開発、顧客との協業開発に注力いたします。併せて、品質向上、開発工期の短縮等、より安定した開発・生産体制の構築に努めてまいります。

潤滑剤関係では、極限環境(低温・高温・高荷重あるいは高真空)下で使用可能な潤滑剤や、自動車・産業機器の環境性能改善に貢献する製品の開発に加えて、カーボンニュートラルや環境負荷に配慮した新製品・新技術の研究開発に取り組んでいます。

なお、当事業に係る研究開発費は700百万円であります。